JP2005346479A - 生産スケジュール作成方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低在庫と短納期を両立させる生産スケジューリング技術を提供する。
【解決手段】繰り返して製造され、複数の通過工程を経由して同種の製品を製造可能な製造プロセスの各生産工程における生産スケジュールの作成に際して、各通過工程の素材から製品となるまでに経由する生産工程、その順番及び処理時間と共に、複数の通過工程間における通過割合を含む通過工程モデルを演算し、製造指示された複数の製品に対して、製品毎に、製造開始時期と前記通過工程モデルの各生産工程における処理時間から各生産工程の予測処理時刻を演算し、前記予測処理時刻に基づき算出される製造完了予測時刻と需要家納期とを比較し、前記製造完了予測時刻が遅い場合は、その通過工程を経由する製造量を前記製造開始時期に先行して製造する先行製造開始時期を決定する。
【選択図】図9
【解決手段】繰り返して製造され、複数の通過工程を経由して同種の製品を製造可能な製造プロセスの各生産工程における生産スケジュールの作成に際して、各通過工程の素材から製品となるまでに経由する生産工程、その順番及び処理時間と共に、複数の通過工程間における通過割合を含む通過工程モデルを演算し、製造指示された複数の製品に対して、製品毎に、製造開始時期と前記通過工程モデルの各生産工程における処理時間から各生産工程の予測処理時刻を演算し、前記予測処理時刻に基づき算出される製造完了予測時刻と需要家納期とを比較し、前記製造完了予測時刻が遅い場合は、その通過工程を経由する製造量を前記製造開始時期に先行して製造する先行製造開始時期を決定する。
【選択図】図9
Description
本発明は、素材から製品を製造する際、生産工程が追加・変更される鉄鋼製品等の製造プロセスにおいて、短納期且つ低在庫での生産を行なう際の製造開始時刻を設定するための生産スケジュール作成方法及び装置に関する。
従来、鉄鋼製品の製造リードタイムは、各品種単位が通過する複数の生産工程(=通過工程)によって決定されており、例えば厚板製品の製造では、(1)オーダー受付→(2)素材計算→(3)出鋼→(4)圧延→(5)切断→(6)熱処理等の複数の生産工程を経る場合、
(1)オーダー受付〜(2)素材計算=4日、
(2)素材計算〜(3)出鋼=3日、
(3)出鋼〜(4)圧延=2日、
(4)圧延〜(5)切断=2日、
(5)切断〜(6)熱処理=4日
等のように、品種や規格に応じた標準の生産工程及び所要日数を予め設定し、納期から逆算して製造開始時期を決定していた。
(1)オーダー受付〜(2)素材計算=4日、
(2)素材計算〜(3)出鋼=3日、
(3)出鋼〜(4)圧延=2日、
(4)圧延〜(5)切断=2日、
(5)切断〜(6)熱処理=4日
等のように、品種や規格に応じた標準の生産工程及び所要日数を予め設定し、納期から逆算して製造開始時期を決定していた。
しかしながら、需要家ニーズの多様化等によって、同一工程を通過するものであっても、実際に必要なリードタイムは個々の品種によって異なる。そして、そのリードタイムの違いを考慮して製品の製造タイミングを決定する術が無かったため、例えば、以下に示すような問題が生じていた。即ち、製造難易度が低く、基準リードタイムより短い期間で製造可能なオーダーは、製品となる時期が早すぎて、結果として出庫待ち在庫を抱えてしまい(先作り)、その一方、製造難易度が高く、基準リードタイムより長い期間をかけて製造せざるを得ないオーダーは、製品となる時期が遅すぎて、結果として納期遅れを招いていた(遅れ)。このような状態は、リードタイムとして、一律に同一の基準リードタイムを採用していたことに起因する。
上記問題を解決するため、特許文献1では、各生産工程における通過分布と平均納入日に応じて所定リードタイムを補正して製品の製造開始時期を決定する方法が提案されている。
しかし、上記方法においても、製造難易度が高い製品は、製造開始時期を早めざるを得ず、出庫待ち在庫を多く抱える課題が発生していた。近年、品質に対する顧客ニーズが厳格化しており、製造難易度の高い製品比率が上昇しているため、リードタイムの長期化と在庫増加は大きな課題となっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、低在庫量と短納期を両立させる生産スケジューリング技術を提供することを目的とする。
鉄鋼製品の製造に当たっては、上述のように、品種や規格に応じた標準の通過工程が定められているが、途中工程で発生した疵等の品質不良の改善や設備トラブル等のため、手入工程等、生産工程の追加や変更を行なう。そのため、同一品種であっても複数の通過工程を経由する。本発明では、製造難易度について、標準の通過工程、追加、変更された通過工程の割合として数値化することにより、製造難易度の高い製品についても、製造開始時期を細分化することにより、短納期と低在庫を同時に実現するものである。
品質不良等により、生産工程の追加や変更が発生した場合、オペレータは次工程以降の生産工程を修正指示する。図1では、スラブ10本から50枚の厚板製品を製造する例を示している。出鋼段階にて表面疵スラブ3本が発生し、スラブ2本は「手入1」工程を追加し、スラブ1本は再度素材計算から製造し直しの指示を出している。又、切断後の35枚の板について、5枚の形状不良が発生し、「手入2」工程を追加している。その結果、上述のように、同種の製品の製造に当たり、4種類の通過工程が発生している。30枚は、標準の通過工程を経て製造されているが、5枚、10枚、5枚は、追加工程を経て製造されている。追加工程の有無及び割合が、製造難易度を表わしていると考え、製造開始指示から製造完了までの所要日数が長い通過工程の割合が高いものほど、製造難易度が高いと考える。
本発明では、上記のように、品種等の所要製造日数ではなく、通過工程単位の所要製造日数で、需要家の要望納期に応えられる/応えられないを判断し、需要家の要望納期に応えられない通過工程を経由する量についてのみ先行して製造開始することにより在庫量を低減する。
即ち、本発明は、繰り返して製造され、複数の通過工程を経由して同種の製品を製造可能な製造プロセスの各生産工程における生産スケジュールの作成方法において、各通過工程の素材から製品となるまでに経由する生産工程、その順番及び処理時間と共に、複数の通過工程間における通過割合を含む通過工程モデルを演算する通過工程演算ステップと、製造指示された複数の製品に対して、製品毎に、製造開始時期と前記通過工程モデルの各生産工程における処理時間から各生産工程の予測処理時刻を演算する予測処理時刻演算ステップと、前記予測処理時刻に基づき算出される製造完了予測時刻と需要家納期とを比較し、前記製造完了予測時刻が遅い場合は、その通過工程を経由する製造量を前記製造開始時期に先行して製造する先行製造開始時期を決定する先行製造開始時期演算ステップと、を備え、前記各ステップをコンピュータで実行することを特徴とする生産スケジュール作成方法を提供する。
本発明は、又、前記の生産スケジュール作成方法における各ステップをコンピュータにより実行させるための生産スケジュール作成プログラムを提供する。
本発明は、又、繰り返して製造され、複数の通過工程を経由して同種の製品を製造可能な製造プロセスの各生産工程における生産スケジュールの計算機による作成装置において、各通過工程の素材から製品となるまでに経由する生産工程、その順番及び処理時間と共に、複数の通過工程間における通過割合を含む通過工程モデルを演算する通過工程演算手段と、製造指示された複数の製品に対して、製品毎に、製造開始時期と前記通過工程モデルの各生産工程における処理時間から各生産工程の予測処理時刻を演算する予測処理時刻演算手段と、前記予測処理時刻に基づき算出される製造完了予測時刻と需要家納期とを比較し、前記製造完了予測時刻が遅い場合は、その通過工程を経由する製造量を前記製造開始時期に先行して製造する先行製造開始時期を決定する先行製造開始時期演算手段と、を備えることを特徴とする生産スケジュール作成装置を提供する。
本発明は、製造仕様から決定される標準の通過工程に加えて、手入等の追加生産工程を加えた複数の通過工程を考慮した通過工程モデルを作成するため、対象製品の素材から製造完了までに要する所要日数を精度良く予測できる。その結果、需要家の要望納期に応えられない通過工程を経由する量についてのみ先行して製造開始するため、低在庫と短納期を両立することができるようになった。
本発明の一実施形態について、以下に説明する。
図2は、本実施形態の生産スケジュールを作成するためのシステム構成を示すブロック図である。本実施形態のシステムの演算処理は、当該システムのコンピュータのCPU(中央演算処理装置)40で実行され、製造指示オーダー作成演算部42、通過工程モデル作成部44、通過工程予測時刻演算部46、作業計画作成演算部48の各演算機能部から構成される。
顧客からの受注データは、本システムとは異なる受注システム10から通信回線等を使用して、本システムに伝送、受信され、寸法や機械的特性、納期等の受注データが、記憶装置12に格納される。この受注データは、例えば、図3に示すような、注文番号(No.)、注文日、製品番号、製品名称、需要家名、納期、等を含んだ注文情報が、テーブル化されて、記憶装置に格納されたものであり、需要家から注文のあったもの全てが記憶されている。
又、通過工程実績時刻も、本システムと異なる過去の操業データを管理している操業管理システム20から通信回線等を使用して、本システムに伝送、受信されて、記憶装置22に記憶されている。この通過工程実績時刻は、現在製造中の製品に関して、これまで通過した工程の実績時刻であり、以降の生産工程での予測処理時刻を変更するために使用されるものである。
前記製造指示オーダー作成演算部42は、前記記憶装置12に格納された受注データを読出し、所定期間内に製造対象とする複数のオーダーを製造指示オーダーとして抽出し、記憶装置50に製造指示オーダーとして記憶する。この製造指示オーダーの中には、需要家と交渉中であり確定はしていないが、繰り返し製造指示がなされる見込みオーダー等も含まれる。
前記通過工程モデル作成部44は、製造品種等を分類キーとして前記オーダーに対応する処理順や処理時間、通過割合等の通過工程モデルパラメータを生産工程マスターデータ記憶装置30から取り出し、各オーダーに対する通過工程モデルを作成し、結果を記憶装置52に記憶する処理を行なう。この生産工程マスターデータは、各工程における製造品種、処理順、処理時間、通過割合等のデータが予め記憶装置に記憶されて、図示していないが、操業実績が蓄積されている操業菅理システムから定期的に取り込んで、過去の実績に基づいて定期的に更新される。
前記通過工程予測時刻演算部46は、各記憶装置50、52、22に記憶されている製造指示データ、通過工程モデル、通過工程実績時刻を読み込み、各オーダーの製造指示から製造完了までの要する時間を演算し、各工程の通過工程予測時刻データを作成し、結果を記憶装置54に記憶する処理を行なう。
前記作業計画作成演算部48は、通過工程予測時刻データに基づいて、需要家要望納期と比較し、この比較により、需要家要望納期内に全ての量を製造完了できないオーダーを抽出する。需要家要望納期内に需要家からの量を全て製造完了できないオーダーについて、納期を満足できない通過工程を抽出し、最大遅延時間及び通過割合から先行製造開始時間及び先行製造量を算出して、製造開始タイミングと先行製造量を決定し、作業計画を作成し、その結果を作業計画出力部60の出力や記憶装置へ記憶する。
前記作業計画出力部60は、実際の作業者へ、作業計画に基づいて、製造開始を指示する。
次に、図2に示すシステム構成の各ブロックにおいて実行される処理内容を、図4の流れ図を参照して説明する。
まず初めに、前記製造指示オーダー作成演算部42で、需要家から受注したオーダー、つまり受注データの内、需要家要望納期を参照して、その需要家要望納期を所定の期間、例えば5日間毎に区切って、その期間内にあるオーダーを抽出して、製造対象とする製造指示オーダーを切り出し、図5に示すようなデータ構成となる製造指示データを記憶装置に記憶する(ステップ10)。製鉄所では、この受注データに記憶された需要家から受注したオーダー全てを製造対象としている訳ではなく、一般に需要家要望納期に沿って、要望納期の早い、あるいは、対象期間に該当するオーダーを抽出して製造を開始している。
製造指示オーダーを切り出す処理を実行するタイミングは、作業計画処理を行なう直前に行なえば良いが、作業計画処理を行なう前に、受注データや製造指示データの情報や条件が確定していれば、事前に、定期的に指定日時に製造指示データを作成するようにして、予め製造指示データを記憶装置に記憶しておくようにしてもよい。
次に、前記通過工程モデル作成部44で、上記製造指示オーダーの各々(例えば、製品番号毎、製品名称毎)について、後述する通過工程時刻予測を行なうための通過工程モデルを作成する(ステップ11)。通過工程モデルとは、生産工程1、・・・、生産工程Nの内、製造指示されて製造完了するまでに経由する生産工程、その順番及び処理時間、複数の通過工程の通過割合を表現するものである。この通過工程モデルは、通過工程モデル作成部44において、生産工程マスターデータに基づいて作成される。この生産工程マスターデータは、製品が完了する毎に、製造日数等の操業実績値が製造工程を管理しているプロセスコンピュータ等から入力し、更新記憶されて、過去の実績データ、例えば、過去の実績データに基づいて、各オーダー製品を生産するために通過すべき各工程、その各工程での作業に必要な所要日数を蓄積したデータベースである。
前記通過工程モデル作成部44は、この生産工程マスターデータに基づいて、平均化処理や統計的な処理を行なって、各製品を製造するために通過する工程のパターンと、各通過工程パターンの標準的な基準割合や、その中の各工程の基準処理日数を算出し、図6に示すようなテーブル化された通過工程モデルを作成し、記憶装置52に記憶する。このテーブルは、例えば、製品番号毎や製品名称毎に分類されて、製造指示データに含まれる各製品オーダーに対応して作成されている。このように、通過工程モデルは、製品オーダーに対応して、この生産工程マスターデータから各製品オーダーに該当する通過工程パターンを抽出し、その製造指示を受けてから、各工程をどのような日数で通過するかを示したスケジュールであり、作成された通過工程モデルは、記憶装置52に記憶される。
なお、この通過工程モデルも、作業計画作成直前に作成する必要はなく、定期的に指定日時に、操業実績データが反映され、記憶された生産工程マスターデータを参照して、作成、記憶されるようにしてもよい。
続いて、通過工程予測演算部46の処理内容を、図7の流れ図を用いて説明する。
まず、製造指示データが記憶された磁気ディスク等の記憶装置50から製造指示データを読み込み、演算用メモリ等に一次記憶する(ステップ101)。
次に、その読み出した製造指示データから、製造指示オーダーを1件読み出す処理を行なう。例えば、製造指示データが一次記憶された演算用メモリ内の先頭データを示すメモリアドレスにある製造指示オーダー1件分のデータを選択すればよい(ステップ102)。なお、本明細書では、1件1件の個別製品に関する製造指示の情報は、「製造指示オーダー」とし、所定期間内の全ての製造指示情報は「製造指示データ」として記載している。
そして、その製造指示オーダーに対応する複数の通過工程パターンを含んだ通過工程モデルのデータを、通過工程モデルが記憶された記憶装置52から検索し、読み出して、演算用メモリに一次記憶する(ステップ103)。その後、演算用メモリに一次記憶された通過工程モデルのデータから通過工程パターン1つを選択する。例えば、通過工程モデルのデータが演算用メモリ内の先頭アドレスにある通過工程パターン1件分のデータを選択する(ステップ104)。
その選択された通過工程パターンの通過工程、所要日数、通過比率に基づき、製造完了予測日を、製造開始日に所要日数を加算することによって、各工程の通過時刻及び製造完了日を算出し、演算用メモリに通過工程パターンに対応したデータとして一次記憶する(ステップ105)。
ステップ103で読み込んだ通過工程データのうち、全ての通過工程パターンについて完了していなければ(ステップ106・NO)、次の通過工程パターンを読み込み(ステップ109)、上記ステップ105の処理に戻る。ここで、次の通過工程パターンの読み込みは、例えば、演算用メモリに記憶された通過工程データの領域において、1つの通過工程パターンのデータサイズ分、アドレスをインクリメントして、次の通過工程パターンが記憶されたアドレスの1つのパターン分のデータを読むようにすればよい。
全ての通過工程パターンが完了していれば(ステップ106・YES)、演算用メモリに一次記憶された製造完了予測日を記憶装置54に、通過工程予測時刻データとして記憶する(ステップ107)。
ここまでが、製造指示オーダー1件の処理であるが、製造指示データに複数の製造指示オーダーが含まれている場合は、ステップ101で読み込んだ製造指示データの全ての製造指示オーダーが完了しているか判定し、完了していない場合(ステップ108・NO)は、次の製造指示オーダーを演算用メモリから選択して(ステップ110)、ステップ103の処理に戻る。全ての製造指示オーダーまでの処理が完了していれば(ステップ108・YES)、処理を完了する。
このように作成された通過工程モデルを使用して、通過工程予測時刻演算部46で演算される(ステップ12)、各工程の通過時刻及び最終納期の概念の例を図8(A)で説明する。図8(A)では、生産工程1で同じ時期に製造を開始すると、通過工程が、生産工程2において(2−a)、(2−b)、(2−c)と3つに分岐すると共に、生産工程5において(5−a)、(5−b)と2つに分岐し、4つの通過工程パターンに分かれる例を示して、以下の生産工程を通過するパターンとなる。
(通過工程パターン1)1→2→4→5→7→8
(通過工程パターン2)1→2→4→5→6→7→8
(通過工程パターン3)1→2→3→4→5→7→8
(通過工程パターン4)1→2→1→2→4→5→7→8
(通過工程パターン2)1→2→4→5→6→7→8
(通過工程パターン3)1→2→3→4→5→7→8
(通過工程パターン4)1→2→1→2→4→5→7→8
このような分岐するルートは、通過工程モデルに基づき決定されるものであり、その結果、当該製品について、通過工程モデルを使用すれば、下記の4つの通過工程とその通過割合が分かり、各通過工程における各々の生産工程での処理時刻を予測でき、受注納期に対して間に合うかどうか、間に合う製品量はどれ位かを予想することが可能となる。なお、同図では通過工程間の通過割合は省略して図示・記載している。
図8(A)の例では、上記通過工程1が標準の通過工程であり、通過工程2〜通過工程4は、品質不良を改善するための手入工程の追加等であり、製造には標準工程に比べ時間がかかる。図8(A)において、製造指示から製造完了までに要する製造所要時間は、通過工程パターン1はX1、通過工程パターン2はX2、通過工程パターン3はX3、通過工程パターン4はX4とし、需要家要望納期はYとして説明する。又、全オーダー量に対する各通過工程パターンで製造される量の割合、即ち通過割合を、通過工程パターン1がr1、通過工程パターン2がr2、通過工程パターン3がr3、通過工程パターン4がr4とすれば、r1、r2、r3、r4には、下記の関係が成立することになる。
r1+r2+r3+r4=1 …(1)
図8(A)の例では、X3>Y、X4>Yであるため、通過工程パターン3及び通過工程パターン4を通過する製品、即ち、上記のr3、r4の製造量が納期遅れとなることが分かり、需要家の要望納期を達成できないことになる。本願発明では、この納期を満足できない量を無くすように、上記で作成された通過工程モデルを使用して、この作業計画を作成することを目的とするものであり、その作業計画作成は作業計画作成演算部48において処理を行なう(図4のステップ13)。以下に、この作業計画作成演算部48の処理内容を、図9の流れ図で説明する。
まず、図10に対する通過工程予測時刻データが記憶された記憶装置54から、全ての製造指示オーダーに対する全ての通過工程パターンのデータを読み込み、演算用メモリに一次記憶する(ステップ201)。
その中から、1件の製造指示オーダーに対応する通過工程予測時刻データを抽出、選択する。例えば、通過工程予測時刻データが一次記憶された演算用メモリ内の先頭データに該当するメモリアドレスにある通過工程予測時刻情報を、製造指示オーダー1件分に相当するデータ量だけ読み込んで、抽出・選択すればよい(ステップ202)。
次に、ここで使用する演算用変数の初期値を設定する。ここでは、需要家要求納期に対する製造完了日の最大値Zmaxと、納期に間に合わなくなる製造量rsumを、共に0(ゼロ)に初期設定する(ステップ203)。
ステップ202で選択したデータのうち、最初の通過工程パターン1件目(例えば、図8(A)に示す通過工程パターン1)のデータから、製造完了予測時刻X(例えば、図8(A)に示すX1)を選択する(ステップ204)。そして、製造完了日Xと受注納期Yを比較して、製造完了日が受注納期より遅れていない場合(ステップ205・NO)は後述するステップ210の処理に移行する。
そして、製造完了日Xと受注納期Yを比較して、製造完了日Xが受注納期Yより遅れた場合(ステップ205・YES)は、この通過工程パターンの通過割合r(i)をrsumに加算する(ステップ206)。又、製造完了予測日Xと納期Yの差Zを算出する(ステップ207)。この算出されたZをZmaxと比較し、Zの方が小さい場合(ステップ208・NO)は、後述するステップ210に移行する。
逆に、この算出されたZをZmaxと比較し、Zの方が大きい場合(ステップ208・YES)は、ZmaxをZの値として、以降の処理で、このZをZmaxとする(ステップ209)。
ここまでの処理が、全ての通過工程パターンについて処理済みでない場合(ステップ210・NO)には、次の通過工程パターンの予測時刻を読み込み、ステップ205の処理に移行する。
完了している場合(ステップ210・YES)は、ステップ209までの算出されたZmax及びrsumを、それぞれ先行製造開始時期及び先行製造量と決定し(ステップ211)、製造指示オーダーと併せて記憶装置に記憶、又はプリンタへの印刷や画面表示等の出力処理を行なう(ステップ212)。
残りの製造指示オーダーのデータがあれば(ステップ213・NO)、次の製造指示オーダーに相当する通過工程予測時刻データを演算用メモリから選択して(ステップ216)、ステップ203の処理に戻る。
残りの製造指示オーダーが無ければ、作業計画作成演算部48の処理は終了し、算出された各製造指示オーダーに対する先行製造開始時期と先行製造量とに基づいて、製造を行なうこととなる。
この作業計画作成演算部48によって算出される、先行して製造する開始時期とその製造量の概念の例を図8(A)及び(B)で説明する。図8(A)の例では、ステップ207で需要家要望納期Yと製造所要時間Xとの差Zを各通過工程パターンについて算出し、ステップ208、ステップ209での処理で最も遅れの大きい通過工程パターンを算出する。その結果、図8(B)の例では、通過工程パターン4における遅れが最大の遅れであることから、先行製造開始時間(Z)は、下式を満足するように設定することとなる。
Z≧X4−Y …(2)
又、当該オーダー量(M)に対し、先行して製造する量Mpは、ステップ206の処理で算出されたrsum、図8(B)の例では、需要家納期に対して遅れた通過工程パターン3と4の製造量の和になるので、rsum=r3+r4となり、下式で求まる量を先行製造する。
Mp=M×(r3+r4) …(3)
Mp:先行製造量
Mp:先行製造量
なお、本方法では、本来の製造開始タイミングよりも早いタイミングで製造開始するため、当該オーダー量(M)が確定しない場合も想定される。このような場合は、事前情報や過去の受注量推移を用いた経験値や予測式等を用いて当該オーダー予測量(Mz)を予測して、当該オーダー量(M)の代わりに使用する。この場合は、
Mz≒M …(4)
となり、
Mp=Mz×(r3+r4) …(5)
Mz:当該オーダー予測量
Mp:先行製造量
として、算出する。
Mz≒M …(4)
となり、
Mp=Mz×(r3+r4) …(5)
Mz:当該オーダー予測量
Mp:先行製造量
として、算出する。
次に、本来の製造開始タイミングにおいて、ステップ205で納期遅れとならなかったオーダー量(図8(B)の例では通過工程パターン1と2の和に相当)の製造を開始する。
従って、需要家要望納期タイミングにおいては、(6)式のように、需要家からのオーダー量を要望納期内に製造完了することができる。
My=Mp+M×(r1+r2)
=M×(r3+r4)+M×(r1+r2)
=M×(r1+r2+r3+r4)
=M …(6)
=M×(r3+r4)+M×(r1+r2)
=M×(r1+r2+r3+r4)
=M …(6)
当該オーダー予測量(Mz)を使用した場合は、(7)式のようになる。
My=Mp+M×(r1+r2)
=M×(r3+r4)+M×(r1+r2)
≒M×(r1+r2+r3+r4)
=M …(7)
=M×(r3+r4)+M×(r1+r2)
≒M×(r1+r2+r3+r4)
=M …(7)
又、通過工程割合や上記当該オーダー量予測誤差に伴なう先行量(Mp)の設定方法によっては、先行製造開始時間(Z)について、(2)式よりも小さな値とすることも可能である。
従来の方法によれば、図11に示すように、需要家要望納期内に全ての量を製造完了するよう、先行製造開始時間(Z)のタイミングにおいて、当該オーダー全ての量について製造開始指示を出していたため、在庫量が早期に積み上がるが、本発明による方法では、図12に示すように、先行製造開始時間(Z)における製造開始指示を行なう量は、Mpに限定されるため、在庫量の積み上がりが需要家納期に近い後半となるため、在庫滞留が少なくなる。
本発明によれば、繰り返し製造する製品であって、製造指示から製造完了までに要する時間が需要家からの納期指示よりも長時間である製品について、低在庫と短納期を両立することができる。
なお、本発明は、鉄鋼製品の一つである厚板製品について説明したが、薄板製品等、他製品についても同様に適応可能である。又、鉄鋼製品のみならず、生産工程において品質に応じて生産工程を追加、変更する製品(例えば半導体製品)の製造開始時期決定についても、同様に適応可能である。
10…受注システム
12…受注データ
20…操業管理システム
22…通過工程実績時刻記憶装置
30…生産工程マスターデータ記憶装置
40…CPU(中央演算装置)
42…製造指示オーダー作成演算部
44…通過工程モデル作成部
46…通過工程予測時刻演算部
48…作業計画作成演算部
50…製造指示データ記憶装置
52…通過工程モデル記憶装置
54…通過工程予測時刻データ記憶装置
60…作業計画出力部
12…受注データ
20…操業管理システム
22…通過工程実績時刻記憶装置
30…生産工程マスターデータ記憶装置
40…CPU(中央演算装置)
42…製造指示オーダー作成演算部
44…通過工程モデル作成部
46…通過工程予測時刻演算部
48…作業計画作成演算部
50…製造指示データ記憶装置
52…通過工程モデル記憶装置
54…通過工程予測時刻データ記憶装置
60…作業計画出力部
Claims (3)
- 繰り返して製造され、複数の通過工程を経由して同種の製品を製造可能な製造プロセスの各生産工程における生産スケジュールの作成方法において、
各通過工程の素材から製品となるまでに経由する生産工程、その順番及び処理時間と共に、複数の通過工程間における通過割合を含む通過工程モデルを演算する通過工程演算ステップと、
製造指示された複数の製品に対して、製品毎に、製造開始時期と前記通過工程モデルの各生産工程における処理時間から各生産工程の予測処理時刻を演算する予測処理時刻演算ステップと、
前記予測処理時刻に基づき算出される製造完了予測時刻と需要家納期とを比較し、前記製造完了予測時刻が遅い場合は、その通過工程を経由する製造量を前記製造開始時期に先行して製造する先行製造開始時期を決定する先行製造開始時期演算ステップと、を備え、
前記各ステップをコンピュータで実行することを特徴とする生産スケジュール作成方法。 - 請求項1に記載の生産スケジュール作成方法における各ステップをコンピュータにより実行させるための生産スケジュール作成プログラム。
- 繰り返して製造され、複数の通過工程を経由して同種の製品を製造可能な製造プロセスの各生産工程における生産スケジュールの計算機による作成装置において、
各通過工程の素材から製品となるまでに経由する生産工程、その順番及び処理時間と共に、複数の通過工程間における通過割合を含む通過工程モデルを演算する通過工程演算手段と、
製造指示された複数の製品に対して、製品毎に、製造開始時期と前記通過工程モデルの各生産工程における処理時間から各生産工程の予測処理時刻を演算する予測処理時刻演算手段と、
前記予測処理時刻に基づき算出される製造完了予測時刻と需要家納期とを比較し、前記製造完了予測時刻が遅い場合は、その通過工程を経由する製造量を前記製造開始時期に先行して製造する先行製造開始時期を決定する先行製造開始時期演算手段と、
を備えることを特徴とする生産スケジュール作成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004166172A JP2005346479A (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | 生産スケジュール作成方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004166172A JP2005346479A (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | 生産スケジュール作成方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005346479A true JP2005346479A (ja) | 2005-12-15 |
Family
ID=35498787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004166172A Withdrawn JP2005346479A (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | 生産スケジュール作成方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005346479A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007269448A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Kobe Steel Ltd | 時間報知方法および同装置 |
JP2007269447A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Kobe Steel Ltd | 時間報知方法および同装置 |
JP2010128679A (ja) * | 2008-11-26 | 2010-06-10 | Nippon Steel Corp | 製造工期モデル作成装置、納期達成率予測装置、製造着手目標時期算出装置、製造工期モデル作成方法、納期達成率予測方法、製造着手目標時期算出方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 |
CN105159242A (zh) * | 2015-07-28 | 2015-12-16 | 昆明理工大学 | 一种纺织面料染色过程的优化调度方法 |
-
2004
- 2004-06-03 JP JP2004166172A patent/JP2005346479A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007269448A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Kobe Steel Ltd | 時間報知方法および同装置 |
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JP4699929B2 (ja) * | 2006-03-31 | 2011-06-15 | 株式会社神戸製鋼所 | 時間報知方法および同装置 |
JP4699930B2 (ja) * | 2006-03-31 | 2011-06-15 | 株式会社神戸製鋼所 | 時間報知方法および同装置 |
JP2010128679A (ja) * | 2008-11-26 | 2010-06-10 | Nippon Steel Corp | 製造工期モデル作成装置、納期達成率予測装置、製造着手目標時期算出装置、製造工期モデル作成方法、納期達成率予測方法、製造着手目標時期算出方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 |
CN105159242A (zh) * | 2015-07-28 | 2015-12-16 | 昆明理工大学 | 一种纺织面料染色过程的优化调度方法 |
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