JP2013117399A - 電気式脱塩装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】電気式脱塩装置の脱塩室に流入する原水の温度を低下させることなく、濃縮室に充填されるイオン交換体の熱劣化を防止し、長期にわたる安定した連続脱塩運転を可能とする電気式脱塩装置の運転方法を提供する。
【解決手段】ヒドラジンを含む原子力発電装置の蒸気発生器1からのブローダウン水9を電気式脱塩装置11の脱塩室11aに流入して脱塩処理した処理水を得ると共に、冷却した濃縮水を濃縮室11bに循環させ、濃縮室内の濃縮水の水温を45℃以下に維持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気式脱塩装置の濃縮室内に充填されるイオン交換体の劣化を防止し、イオン交換体通薬処理及び交換に要する費用を削減する電気式脱塩装置の運転方法に関する。
電気式脱塩装置は、脱塩室と濃縮室と電極室とを具備し、脱塩室に充填されているイオン交換体(イオン交換繊維やイオン交換樹脂など)に原水中のイオンを吸着させて原水の脱塩を行い、通電により脱塩室のイオン交換体に吸着されたイオンを濃縮室に移動させて脱塩室のイオン交換体を電気再生する装置である。イオン交換体の頻繁な通薬再生が不要となり、低コストで連続的な脱塩処理が可能となることから、各種水処理に利用されている。
電気式脱塩装置が利用されている例として、加圧水型原子力発電プラントの蒸気発生器のブローダウン水(SGBD)の脱塩処理がある。加圧水型原子力発電プラントにおいては、高温高圧雰囲気となる蒸気発生器などの2次系ライン内に設けられている構造材の腐食を防止するため、復水中にアンモニア、ヒドラジン、エタノールアミンなどのpH調整剤を添加している。そのため、冷却水に含まれるNaイオン、Clイオン、SO 2−イオンなどの不純物イオンの他に、アンモニア、ヒドラジン、エタノールアミンなどのイオンもブローダウン水に含まれて蒸気発生器から排出される。ブローダウン水に含まれる不純物を除去するため、通常は、復水器に回収したブローダウン水を復水脱塩装置で脱塩処理するか、ブローダウン水を専用の脱塩装置で脱塩処理した後、復水系に回収する。復水脱塩装置もしくは専用の脱塩塔に充填されているイオン交換樹脂はpH調整剤として添加された高濃度のアンモニアなどのため高いイオン負荷を受け、頻繁な通薬再生が必要となる。この通薬再生にかかるコストを低減させることを目的のひとつとして、ブローダウン水を直接脱塩処理するために電気式脱塩装置が用いられるようになってきている(特許文献1及び2)。そのほか、60℃以上、好ましくは80℃以上の耐熱性のアニオン交換樹脂のみを脱塩室に充填し、脱塩室と電極室を隔てる隔膜をすべてアニオン交換膜とした特殊な電気式脱塩装置を用いて高温のブローダウン水を処理する方法が提案されている(特許文献2)。具体的には、ブローダウン水を熱交換器にてイオン交換樹脂の使用温度範囲である60℃以下に冷却し、ろ過器にてブローダウン水中の不溶解性物質を除去した後、電気式脱塩装置に供給する。ブローダウン水中のヒドラジン及びヒドラジンの分解に由来するアンモニアの濃度調整は復水脱塩装置の処理量を調整することにより行う。ここで用いられる電気式脱塩装置は、電極室と脱塩室のみから構成されており、電極室が濃縮室としても作用する。つまり、耐熱性のアニオン交換樹脂及びアニオン交換膜のみを使用する電気式脱塩装置であって、カチオン交換体を使用しないことによって、電気式脱塩装置の熱劣化を防止する。
特許第3760033号公報 特開2007−90299号公報
イオン交換体の熱による劣化の度合いは温度の程度と使用時間によると考えられるから、その交換体が耐熱性のものかどうかによらず電気脱塩装置に供給されるブローダウン水は低温であることが望ましい。しかし、ブローダウン水は、脱塩処理後には復水として蒸気発生器に供給され、熱交換により蒸気に転換され、タービンを駆動させる駆動力として利用されるものである。低温の復水ではエネルギー変換効率が低く、発電システムの熱効率を低下させてしまうため、脱塩処理後の復水は加熱され、蒸気発生器に戻されている。よって、電気式脱塩装置に流入させるブローダウン水の温度を低くすることはエネルギー効率の面から好ましくなく、高温(60℃程度)を維持することが望ましい。このように原子力発電プラントの電気脱塩処理には、両立しにくい二つの要求がある。
電気式脱塩装置では、脱塩室の隣室にはイオン交換膜を隔てて、濃縮水が流れる濃縮室が設けられている。たとえば50℃程度以上の温度のブローダウン水が脱塩室に流入すると、脱塩室からの熱移動のため、濃縮室内の濃縮水の温度がおのずと上昇する。また、電気脱塩装置に加える電力の一部がジュール熱となることに加え、濃縮水は循環利用されているため、循環ポンプなどの循環機器からの発熱により濃縮水の温度が上昇する。さらに、濃縮室においては、脱塩室から移動したアンモニア、ヒドラジンが高濃度で濃縮される。このような状況で電気脱塩処理を行うと、短期間で濃縮室内に充填されているイオン交換不織布やイオン交換スペーサなどのイオン交換体に劣化及び収縮が生じ、良好な処理水質を得るように運転を継続することが困難であることがわかった。かかるイオン交換体の劣化や収縮が熱やヒドラジンの影響により進行すると推察された。一方、特許文献2においては電極室が濃縮室を兼務するため、塩素や硫酸を含む濃縮水を電極水として使用することになり、電極が腐食しやすく、塩素ガスなどの水素、酸素以外のガスが発生し、ガス処理が必要になる、等の問題がある。他方、カチオン交換体を用いない構成では、カチオン成分を除去することが出来ず、Naが処理水に残留し、蒸気発生器内でNa濃度が上昇することになる。
本発明は、電気式脱塩装置の脱塩室に流入する原水の温度を低下させることなく、濃縮室に充填されるイオン交換体の熱劣化を防止し、長期にわたる安定した連続脱塩運転を可能とする電気式脱塩装置の運転方法を提供することを目的とする。
特に、ヒドラジンを含む加圧水型原子力発電プラントの蒸気発生器のブローダウン水(SGBD)の脱塩処理に有用な上記電気式脱塩装置の運転方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、加圧水型原子力発電プラントの蒸気発生器ブローダウン水などヒドラジンを含み且つ高温の被処理水を脱塩処理すると、脱塩対象ではないヒドラジンなどが濃縮室において濃縮されるため、熱と酸化とにより濃縮室内に充填されているイオン交換不織布などのイオン交換体が劣化することを突き止め、濃縮室への循環水のみを冷却することによって熱劣化を防止できることを知見した。
本発明によれば、電極室と濃縮室と脱塩室とを具備する電気式脱塩装置の運転方法であって、ヒドラジンを含む原子力発電装置の蒸気発生器からのブローダウン水を電気式脱塩装置の脱塩室に流入して脱塩処理した処理水を得ると共に、濃縮室に冷却した濃縮水を循環させて濃縮室内の濃縮水の水温を45℃以下、好ましくは30〜45℃に維持する、電気式脱塩装置の運転方法が提供される。濃縮室に循環させる濃縮水の温度は、濃縮室出口での水温を測定し、濃縮室内部での水温上昇を相殺するに十分に低い温度とすることができる。濃縮室内部での水温上昇は、脱塩室に流入するブローダウン水からの伝熱及び濃縮室内部で発生するジュール熱から求めることができる。濃縮室内部で発生するジュール熱は、電気式脱塩装置の通電電流値及び印加電圧値並びに濃縮水の流量及び濃縮室入口と出口の濃縮水の水温の差から求めることができる。
脱塩室に流入する前記ブローダウン水の温度は45〜60℃であることが好ましい。この場合、脱塩処理後の処理水の温度も45〜60℃を維持することが好ましい。
濃縮室には、アニオン交換不織布とカチオン交換不織布とが充填されていることが好ましい。
さらに、脱塩室の下流にアニオン交換体のみを充填してなるアニオン脱塩装置を設け、脱塩処理した処理水から更にClイオン及びSO 2−イオンを除去することが好ましい。
本発明に係る電気式脱塩装置の運転方法によれば、濃縮室への循環水の温度を下げることにより、濃縮室に充填されているイオン交換体の熱劣化を防止して、イオン交換体の運転寿命を延長できる。また濃縮室に充填するイオン交換体の劣化が防止されることから、電気式脱塩装置の電流値を適正に保つことができ、ブローダウン水の処理水質を良好に保ち、長時間の定常運転を継続できる
図1は、本発明の電気式脱塩装置の運転方法の一実施形態にかかる加圧水型原子炉の2次系の蒸気発生器ブローダウン水の脱塩処理に適用した概略フロー図である。 図2は、図1に示される脱塩処理フロー図において、濃縮水タンクに濃縮水冷却用の循環ラインを設けた別の実施形態を示す概略フロー図である。 図3は、本方法において好適に使用できる電気式脱塩装置の分解斜視図である。 図4は、加圧水型原子炉の2次系の蒸気発生器ブローダウン水を脱塩処理する実施形態のフロー図である。 図5は、実施例及び比較例による通水試験の結果を示すグラフである。
実施形態
本発明の電気式脱塩装置の運転方法を加圧水型原子炉の蒸気発生器のブローダウン水の脱塩処理を例にして説明する。
図1は、加圧水型原子炉の2次系を示す概略フロー図である。
蒸気発生器1で発生した蒸気は、蒸気ライン18を介してタービン2に搬送され、タービン2を駆動して電気を取り出す。タービン2を駆動した蒸気は復水となり、復水器3に回収される。復水器3からの復水は、復水脱塩装置4にて脱塩された後、pH調節剤としてのアンモニア及びヒドラジンが添加されて、脱気器7にて脱気され、給水加熱器8にて加熱された後、蒸気発生器1に戻される。蒸気発生器1からは、Naイオン、Clイオン、SO 2−イオンなどの不純物及びアンモニア、ヒドラジンなどのpH調節剤を取り除くために、蒸気発生器1の下部から高温(280℃程度)のブローダウン水が排水される。高温のブローダウン水は、たとえば熱交換器等により60℃以下に冷却され、濾過器10にて不溶解性不純物もしくは懸濁性不純物、不溶解性金属などが除去された後、45〜60℃の温度で電気式脱塩装置11の脱塩室11aに通水される。電気式脱塩装置11にて脱塩処理された後の処理水は、45〜60℃の温度を維持したまま、アニオン交換装置21にて更に脱塩処理され、復水器3に戻される。
電気式脱塩装置11では、脱塩室11aにてイオン交換体に吸着されたNaイオン、NH イオンは隣接するアルカリ濃縮室に移動し、Clイオン、SO 2−イオンは隣接する酸濃縮室に移動し、それぞれ濃縮される(図3)。なお、図1においては、簡略化のため、アルカリ濃縮室及び酸濃縮室をまとめて濃縮室11bとして示す。濃縮室11bから排出される濃縮水は、濃縮水タンク14に回収され、濃縮水冷却装置12によって冷却された後、濃縮室11bに戻される。濃縮水を冷却する温度が過剰に低いと冷却に必要なエネルギーが大きくなること、及び隣室の脱塩室を流れるブローダウン水の温度低下を招くため、濃縮室内での濃縮水の温度は30〜45℃に維持することが好ましい。電極室11cには、電極水供給ライン16から電極水が供給される。このとき、ブローダウン水の回収率を99%以上とするためには、電気式脱塩装置11に供給する電極水はブローダウン水の1/100程度とすることが必要である。電極室11cから排水される電極水もまた濃縮水タンク14に回収され、濃縮水と混合され冷却された後、濃縮室11bに戻されるが、余剰の濃縮水は濃縮水タンク14からドレン17を介して排水される。
濃縮室内の濃縮水の温度を45℃以下に維持するために、濃縮水は濃縮水冷却装置12によって冷却された後、濃縮室11bに流入する。濃縮室内の濃縮水の温度は濃縮室出口での濃縮水の温度とほぼ等しいと考えられるため、濃縮室出口での濃縮水の温度が45℃以下に維持するように冷却装置12を制御すればよい。冷却装置12としては、空冷又は水冷のいずれの方式でも、運転環境に応じて適宜の冷却方法を適用することができる。濃縮水は濃縮室11bから排出され、濃縮水タンク14に貯蔵され、再び濃縮室11bに導入される循環路13内を循環する。濃縮水冷却装置12は、濃縮室11bから排出されて再び戻されるまでの循環路13内の任意の位置に設けることができるが、濃縮室11b内に充填されているイオン交換体を冷却するためには、濃縮室11bへの導入直前の位置に設けることが好ましい。あるいは、図2に示すように、濃縮水を貯蔵する濃縮水タンク14に、冷却用の循環ライン20を接続し、当該冷却用の循環ライン20内に濃縮水冷却装置12を設けてもよい。
濃縮室内での濃縮水の温度を45℃以下に維持するための冷却装置12の制御は、PID制御が可能な制御装置を使用する場合は、オートチューニングにより温度制御の定数を予め決定して実行することができる。他の制御方法として、以下の方法でも実行できる。電気式脱塩装置11に通電しない状態、すなわち電流値及び電圧値がゼロの場合に、脱塩室11aに流入するブローダウン水の流量及び入口温度を一定の範囲で変更し、濃縮水の循環流量及び濃縮室11bの入口及び出口での濃縮水の水温を測定して濃縮室内部での濃縮水の温度上昇を計測し、脱塩室11aから濃縮室11bへの伝熱量を予め見積もる。また、脱塩室11aに流入するブローダウン水の流量及び脱塩室入口でのブローダウン水の水温を一定に保ちながら、電気式脱塩装置11に通電する電流値及び印加電圧値を適宜変更し、濃縮室11bの入口及び出口での濃縮水の温度及び流量を測定して、濃縮室11bでのジュール熱の発生量を見積もる。このようにして見積もられた伝熱量及びジュール熱量の合計熱量は、現在の各室の水量や出入口での水温、通電電流及び電圧の運転条件から算出できる。運転条件に対応する合計熱量の見積値に基づいて、この合計熱量を除去するために必要な冷却出力となるように制御装置の記憶部に記憶させた合計熱量に基づいて自動的に濃縮水冷却装置12の出力を設定し、濃縮水出口温度を制御させることもできる。この合計熱量に濃縮水の循環ラインのポンプなどの機器の発生熱も加えた場合も同様に制御することができる。このようにして冷却装置12の制御をすることにより、濃縮水を過剰に冷却することなく濃縮室内のイオン交換体の劣化を抑制することができる。
電気式脱塩装置11の脱塩室11aへの金属成分の流入を極力低減することが望ましいため、蒸気発生器1からのブローダウン水を電気式脱塩装置11の脱塩室11aに流入する前に、ろ過器10にて濾過する。ろ過器10に充填するフィルタの孔径は、0.001〜0.1μmが好適である。フィルタの形状は、濾過効率の観点から接触面積が大きいことが好ましく、プリーツタイプもしくは中空糸タイプが好適である。フィルタの材質は、ヒドラジンを含む高温のブローダウン水を流通させることから、耐熱性及び耐薬品性を有することが好ましく、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどのセラミックなどを好適に使用できる。
電気式脱塩装置11の脱塩室11aからの脱塩水を復水器3に流入させる前に、アニオン交換樹脂のみを充填したアニオン脱塩装置21に通過させて、残留しているClイオン及びSO 2−イオンを除去する。
電気式脱塩装置の運転を制御するため、蒸気発生器1からのブローダウン水を電気式脱塩装置11に導入する前、電気式脱塩装置11にて脱塩処理された後の処理水を復水器3に導入する前、及び濃縮水タンクから濃縮室11bへ濃縮水を導入する前に、各水の導電率を測定する。本発明で使用できる比抵抗計もしくは導電率計は通水型で使用できる形態のものであればよく、型式等は特に限定されない。また、イオン濃度を測定する水質分析計は日本ダイオネクス社のICS3000等が使用できるが、機種は特に限定されない。また、測定方式は連続型でもバッチ式でもよく、サンプリング後に濃縮して手分析する方法でも良い。
図3は、本発明の運転方法を適用する電気式脱塩装置の分解斜視図である。電気式脱塩装置は、脱塩室と、脱塩室の両隣の濃縮室(酸濃縮室及びアルカリ濃縮室)と、濃縮室に隣接する電極室(陽極室及び陰極室)と、各室を区分けするイオン交換膜と、から構成されるスタックを基本構成とする。通水流量の増加に応じて濃縮室と脱塩室を増やしていくことができる。このとき、脱塩室の両側には必ず濃縮室が配置され、電極室の隣には濃縮室が配置される。なお、通水流量が増え、脱塩室の室数が増えて電極間電圧が高くなる場合には陰極と陽極の間に中間電極を設けることもできる。本発明の運転方法において、スタックに印加できる電圧は最大600Vである。電極室、濃縮室、脱塩室のうち、セル間電圧が高いのは脱塩室であり、スタックに挟み込む脱塩室の数は、この最大電圧を超えない範囲で決定される。実運用においては処理水質を確認しながら最適な電圧を決定し、運用する。
脱塩室には、イオン交換体のみ、もしくはイオン交換体及びイオン伝導スペーサが充填されている。好適なイオン交換体としては、放射線グラフト重合法にて製造されたグラフト重合不織布を挙げることができるが、イオン交換樹脂でもよい。図3においては、アルカリ濃縮室に隣接する側にカチオン交換不織布、酸濃縮室に隣接する側にアニオン交換不織布、両者の間にアニオン交換スペーサを充填した。
濃縮室(アルカリ濃縮室、酸濃縮室)には、イオン交換体のみ、もしくはイオン交換体及びイオン伝導スペーサ、もしくはイオン伝導スペーサのみが充填されている。好適なイオン交換体としては、放射線グラフト重合法にて製造されたグラフト重合不織布を挙げることができるが、イオン交換樹脂でもよい。図3においては、アルカリ濃縮室には、脱塩室に隣接する側にカチオン交換不織布、電極室に隣接する側にアニオン交換不織布、両者の間にアニオン交換スペーサを充填した。酸濃縮室には、脱塩室に隣接する側にアニオン交換不織布、電極室に隣接する側にカチオン交換不織布、両者の間にアニオン交換スペーサを充填した。
電極室には、電極とイオン交換膜の間に、イオン交換体のみ、もしくはイオン交換体及びイオン伝導スペーサ、もしくはイオン伝導スペーサのみが充填されている。電極の材料としては、ステンレス、チタン、白金等を使用することができる。電極の構造は、板状、網目状、格子状、パンチホール、棒状、繊維状等のどれでもよく、給電部は電極セルの背面及び側面、上面、下面のいずれかに設けることができる。図示した実施形態では、板状及び網目状の電極を用い、電極の材料はアノード(陽極)側に白金めっきのチタンを、カソード(陰極)側にステンレスを用いた。また、アノード(陽極)電極室にはカチオン交換不織布を充填し、カソード(陰極)電極室にはアニオン交換不織布を充填した。
脱塩室、濃縮室及び電極室を区画するイオン交換膜としては、たとえばトクヤマ製NEOSEPTA CMB(カチオン膜)、NEOSEPTA AHA(アニオン膜)を好ましく挙げることができるが、これらに限定されない。図3に示す実施形態では、カソード(陰極)電極室とアルカリ濃縮室との間の隔膜としてアニオン交換膜、アルカリ濃縮室と脱塩室との間の隔膜としてカチオン交換膜、脱塩室と酸濃縮室との間の隔膜としてアニオン交換膜、酸濃縮室とアノード(陽極)電極室との間の隔膜としてカチオン交換膜を用いた。
脱塩室及び濃縮室に充填されるイオン交換体としては、イオン交換繊維、イオン交換樹脂、イオン交換繊維の集合体であるイオン交換織布又はイオン交換不織布など、イオン交換能力を持つものであれば特に限定されない。イオン交換繊維や、イオン交換繊維の集合体であるイオン交換織布又はイオン交換不織布は最も適した材料である。その中でも、繊維径が0.数μm〜数十μmのイオン交換繊維を特に好ましく用いることができ、厚みが0.1mm〜1.0mm、イオン交換容量が100meq/m〜800meq/mのイオン交換織布又はイオン交換不織布が特に好ましい。
好適なイオン交換体としてのグラフト重合不織布は、有機高分子基材主鎖上に、イオン交換基を有するグラフト側鎖を導入してなる。放射線グラフト重合法は、有機高分子基材に放射線を照射してラジカルを生成させ、それにグラフトモノマーを反応させることによって、所望のグラフト重合側鎖を基材に導入することができる方法であり、また、各種形状の既存の高分子材料に重合体側鎖を導入することができるので、本発明で用いるイオン交換体の製法として最適である。照射する放射線としては、γ線や電子線が好適である。また、モノマー溶液に基材を浸漬させたまま重合を行う液相グラフト重合法、モノマーの蒸気に基材を接触させて重合を行う気相グラフト重合法、基材をモノマー溶液に浸漬した後、モノマー溶液から取り出して気相中で反応を行う含浸気相グラフト重合法のいずれの方法でもよい。グラフト鎖を導入する有機高分子基材としては、ポリオレフィン系の有機高分子基材を好ましく用いることができる。ポリオレフィン系の有機高分子基材の具体例としては、ポリエチレン及びポリプロピレンに代表されるポリオレフィン類、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル等に代表されるハロゲン化ポリオレフィン類、エチレン−四フッ化エチレン共重合体等に代表されるオレフィン−ハロゲン化オレフィン共重合体などが挙げられるが、これらに限定されない。
脱塩室及び濃縮室に充填されるイオン伝導スペーサとしては、放射線グラフト重合法により製造された網目状のイオン伝導スペーサを好適に用いることができ、市販品としては(株)イー・シー・イー製のカチオン伝導スペーサC-ICS、アニオン伝導スペーサA-ICSを挙げることができる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
電気式脱塩装置として、図3に示す複数のセルをスタックした形式の電気式脱塩装置(以下「GDIスタック」ともいう」を用いて、PWR二次系蒸気発生器(以下「SG」という)ブローダウン水の脱塩処理を模した。各スタックには、陽極電極室、酸濃縮室、脱塩室、アルカリ濃縮室、陰極電極室が順番に配列されている。各電極室には、電極面積0.77dm(35mm×220mm)の板状電極を用いた。陽極にチタン製白金めっきの網目状電極を使用し、陰極にはステンレス製網目状電極を使用した。陽極電極室には、厚み3mmのセル枠(補助板)を用い、カチオン交換不織布4枚を取り付けた。陰極電極室には、厚み3mmのセル枠(補助板)を用い、アニオン交換不織布4枚を取り付けた。脱塩室には、厚み3mmのセル枠を用いて、アニオン交換不織布1枚、アニオン交換スペーサ2枚、カチオン交換不織布1枚をこの順番に取り付けた。濃縮室には、厚み2.5mmのセル枠を用いて、カチオン交換不織布1枚、アニオン交換スペーサ2枚、アニオン交換不織布1枚を取り付けた。カチオン交換不織布としては、(株)ECE製T6/GMA、アニオン交換不織布としては(株)イー・シー・イー製T6/TMA、アニオン交換スペーサとしては(株)イー・シー・イー製I−ICS CMS、厚み0.8mm、カチオン交換膜としてはトクヤマ製NEOSEPTA CMB、交換容量2.7meq/g、厚さ0.27mm、アニオン交換膜としてはトクヤマ製NEOSEPTA AHA、交換容量1.5meq/g、厚さ0.18mmを用いた。これらのイオン交換不織布は、ポリエチレン基材に放射線グラフト重合により官能基を導入したものである。
陽極電極室のセル枠には、原水、純水、アルカリ濃縮水、酸濃縮水を流入させる流入口が設けられている。各セル枠にも同数の孔と必要な流体を流通させる流入路が設けられており、各液体を流通させる。酸濃縮水は、陽極電極室のセル枠から酸濃縮室のセル枠へと流れ、酸濃縮室に充填されているイオン交換体を横断して酸濃縮室のセル枠から陰極電極室のセル枠へと流れる。アルカリ濃縮水は、陽極電極室のセル枠からアルカリ濃縮室のセル枠へと流れ、アルカリ濃縮室に充填されているイオン交換体を横断してアルカリ濃縮室のセル枠から陰極電極室のセル枠へと流れる。純水は陽極電極室のセル枠から流入して陰極電極室のセル枠へと流れ、排出される。原水は、陽極電極室のセル枠から脱塩室のセル枠へと流れ、脱塩室に充填されているイオン交換体を横断して脱塩室のセル枠から陰極電極室のセル枠へと流れ処理水として排出される。
直流電源として、松定プレシジョン製直流電源PR500−2.4を用いた。
図4に示すPWR二次系SGブローダウン水脱塩処理フロー内に図3に示す電気式脱塩装置を配置した。復水脱塩装置を模擬した超純水装置で調整した超純水(比抵抗18.0MΩ・cm以上)を原水槽に貯蔵し、通水LVは170m/hで電気式脱塩装置に流入させた。電気式脱塩装置への流入前に、原水に薬液の原液を定量注入し、アンモニア5mg/L、ヒドラジン0.3mg/L、ナトリウム1μg/L、塩素1μg/L、硫酸1μg/Lに調製し、導電率は約15μS/m、水温は50℃、流量は18L/hとしたPWR二次系SGブローダウン水の模擬水を調製した。電極水は、純水タンクからの純水を陽極室及び陰極室に導入し、循環させた。濃縮水は、濃縮室からの濃縮水を抜き出して濃縮槽に貯蔵し、純水タンクから純水を添加して希釈し、冷却装置にて45℃以下に冷却した後、再び濃縮室に導入し、循環させた。電極水流量、濃縮水流量は原水流量の1/3とした。
以上の装置条件のもと、0.40Aの電流を印加して長期間の通水試験を実施した。
試験条件1(比較試験)では、電極水及び濃縮水を50℃として通水した。
試験条件2では、冷却による効果を明確にするため、電極水及び濃縮水のスタック出口での水温が30〜35℃となるようにスタック入口での水温を30℃以下となるように制御値を設定して冷却し、原水よりも低い温度で運転した。
通水試験の結果を図5及び表1に示した。
長期間通水したところ、比較試験(1ヶ月)では、1ヶ月の通水で不織布が劣化し初期の強度を保つことができず、流路が閉塞すると同時に電極間電圧が急上昇して通水が出来なくなった。一方、本発明により濃縮室の水温を35℃にコントロールし、長期間通水(14ヶ月)したところ、充填したイオン交換不織布及びイオン伝導スペーサが収縮していたものの、490日以上通水しても処理水質を良好に維持することが出来た。
比較試験では、30日程度で電極間電圧が急上昇して通水が出来なくなったが、本発明の運転方法を用いることで490日以上通水しても問題なく、運転できることがわかった。
処理水質については、本発明方法において塩素イオン及び硫酸イオンの除去が良好であった。ナトリウムイオンについては、比較試験よりも高い濃度を示したが、処理水質目標値0.5μg/Lを下回っており、処理も良好であった。

Claims (5)

  1. 電極室と濃縮室と脱塩室とを具備する電気式脱塩装置の運転方法であって、
    ヒドラジンを含む原子力発電装置の蒸気発生器からのブローダウン水を電気式脱塩装置の脱塩室に流入して脱塩処理した処理水を得ると共に、冷却した濃縮水を濃縮室に循環させて濃縮室内の濃縮水の水温を45℃以下に維持する、電気式脱塩装置の運転方法。
  2. 前記濃縮水の水温を30〜45℃に維持する、請求項1に記載の運転方法。
  3. 脱塩室に流入する前記ブローダウン水の温度は45〜60℃である、請求項1又は2に記載の運転方法。
  4. 濃縮室には、アニオン交換不織布とカチオン交換不織布とが充填されている、請求項1〜3のいずれかに記載の運転方法。
  5. 脱塩室の下流にアニオン交換体のみを充填してなるアニオン脱塩装置を設け、脱塩処理した処理水から更にClイオン及びSO 2−イオンを除去する、請求項1〜4のいずれかに記載の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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