JP3781352B2 - 電気式脱イオン水製造装置及び脱イオン水の製造方法 - Google Patents

電気式脱イオン水製造装置及び脱イオン水の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造分野、医薬製造分野、原子力や火力などの発電分野、食品工業などの各種の産業又は研究所施設において使用されるスケール発生防止型電気式脱イオン水製造装置及び脱イオン水の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脱イオン水を製造する方法として、従来からイオン交換樹脂に被処理水を通して脱イオンを行う方法が知られているが、この方法ではイオン交換樹脂がイオンで飽和されたときに薬剤によって再生を行う必要があり、このような処理操作上の不利な点を解消するため、薬剤による再生が全く不要な電気式脱イオン法による脱イオン水製造方法が確立され、実用化に至っている。
【0003】
この電気式脱イオン水製造装置は、一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜で区画される1つの室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、前記カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室の間に配置してなるものであり、電圧を印加しながら脱塩室に被処理水を流入すると共に、濃縮室に濃縮水を流入して被処理水中の不純物イオンを除去し、脱イオン水を得るものである。
【0004】
近年、カチオン交換膜及びアニオン交換膜を離間して交互に配置し、カチオン交換膜とアニオン交換膜で形成される空間内に一つおきにイオン交換体を充填して脱塩室とする従前型の電気式脱イオン水製造装置に代えて、その脱塩室の構造を抜本的に改造した省電力型の電気式脱イオン水製造装置が開発されている。この省電力型の電気式脱イオン水製造装置は、一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び当該カチオン交換膜と当該アニオン交換膜の間に位置する中間イオン交換膜で区画される2つの小脱塩室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、前記カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室の間に配置してなるものであり、電圧を印加しながら一方の小脱塩室に被処理水を流入し、次いで、該小脱塩室の流出水を他方の小脱塩室に流入すると共に、濃縮室に濃縮水を流入して被処理水中の不純物イオンを除去し、脱イオン水を得るものである。このような構造の電気式脱イオン水製造装置によれば、2つの小脱塩室のうち、少なくとも1つの脱塩室に充填されるイオン交換体を例えばアニオン交換体のみ、又はカチオン交換体のみ等の単一イオン交換体もしくはアニオン交換体とカチオン交換体の混合交換体とすることができ、イオン交換体の種類毎に電気抵抗を低減し、且つ高い性能を得るための最適な厚さに設定することができる。
【0005】
一方、このような電気式脱イオン水製造装置に流入する被処理水中の硬度が高い場合、電気式脱イオン水製造装置の濃縮室において炭酸カルシウムや水酸化マグネシウム等のスケールが発生する。スケールが発生すると、その部分での電気抵抗が上昇し、電流が流れにくくなる。すなわち、スケール発生が無い場合と同一の電流値を流すためには電圧を上昇させる必要があり、消費電力が増加する。また、スケールの付着場所次第では濃縮室内で電流密度が異なり、脱塩室内において電流の不均一化が生じる。また、スケール付着量が更に増加すると通水差圧の上昇が生じると共に、電圧が更に上昇し、装置の最大電圧値を越えた場合は電流値が低下することとなる。この場合、イオン除去に必要な電流値が流せなくなり、処理水質の低下を招く。更には、成長したスケールがイオン交換膜内にまで侵食し、最終的にはイオン交換膜を破ってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題を解決する一つの対策として、硬度が低い被処理水を電気式脱イオン水製造装置に流入させる方法がある。このような硬度が低い被処理水では、濃縮室内は溶解度積に達しないため、スケールの発生は起こり得ない。しかし、実際には、このような硬度が低い被処理水を通水処理した場合においても、濃縮室において炭酸カルシウムや水酸化マグネシウム等のスケールが発生することがあった。この場合、前述と同様、深刻な問題が発生する。このようなスケールの発生は、従前型の電気式脱イオン水製造装置においても、省電力型電気式脱イオン水製造装置においても、同様に観察される深刻な問題である。一方、従前型電気式脱イオン水製造装置のカチオン交換膜とアニオン交換膜で区画される濃縮室において、カチオン交換膜側に網目状のカチオン伝導スペーサを、アニオン交換膜側に網目状のアニオン伝導スペーサを充填する方法が知られている。この方法によれば、濃縮室内の流路を確保すると共に、低電圧化が可能である。しかし、スケールの発生防止という点では十分とは言えず、依然として、カチオン伝導スペーサ上、及びアニオン伝導スペーサ上にスケールが発生するという深刻な問題は解決されていない。
【0007】
従って、本発明の目的は、スケール発生の問題を、被処理水からの対策ではなく、電気式脱イオン水製造装置の濃縮室の構造面から解決し、長期間の連続運転においても、濃縮室内にスケールが発生しない電気式脱イオン水製造装置及び脱イオン水の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、電気式脱イオン水製造装置の濃縮室に、濃縮水の流出入方向に対して、網目状の陽イオン伝導スペーサと網目状の陰イオン伝導スペーサを交互に積層充填すれば、該スペーサの網目形状による乱流発生効果と、陽イオン伝導スペーサと陰イオン伝導スペーサの濃縮水の流出入方向に対して交互に積層された効果により、濃縮水中の炭酸イオンやカルシウムイオンなどの濃度勾配を大きく低減でき、長期間の連続運転においても、濃縮室内にスケールが発生しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明(1)は、一側のカチオン交換膜、及び他側のアニオン交換膜で区画される室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、前記カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室の間に配置してなる電気式脱イオン水製造装置において、前記濃縮室は、網目状の陽イオン伝導スペーサと網目状の陰イオン伝導スペーサが濃縮水の流出入方向に対して、交互に積層充填して形成される電気式脱イオンを提供するものである。かかる構成を採ることにより、濃縮室の網目状のアニオン伝導スペーサ領域ではアニオン交換膜を透過したアニオンは濃縮水中に移動せず、導電性の高い該アニオン伝導スペーサを通り、カチオン交換膜まで移動し、ここで初めて濃縮水中に移動する。同様に、網目状のカチオン伝導スペーサ領域ではカチオン交換膜を透過したカチオンは濃縮水中に移動せず、導電性の高い該カチオン伝導スペーサを通り、アニオン交換膜まで移動し、ここで初めて濃縮水中に移動する。このため、濃縮室において、例えば、液中の炭酸イオンやカルシウムイオンなどの濃度勾配が大きく低減すると共に、高濃度部分での衝突が避けられる。また、上記の如く、カチオン交換膜あるいはアニオン交換膜に移動したイオンは、スペーサの網目形状による乱流発生効果により十分に攪拌されるため、濃縮室内でのスケールの蓄積が妨げられ、一層、炭酸カルシウムなどのスケールが発生し難くなる。
【0010】
また、本発明(2)は、一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び当該カチオン交換膜と当該アニオン交換膜の間に位置する中間イオン交換膜で区画される2つの小脱塩室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、前記カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室の間に配置してなる電気式脱イオン水製造装置において、前記濃縮室は、網目状の陽イオン伝導スペーサと網目状の陰イオン伝導スペーサが濃縮水の流出入方向に対して、交互に積層充填して形成される電気式脱イオン水製造装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、省電力型の電気式脱イオン水製造装置においても、前記発明と同様の効果を奏する。また、2つの小脱塩室のうち、少なくとも1つの脱塩室に充填されるイオン交換体を例えばアニオン交換体のみ、又はカチオン交換体のみ等の単一イオン交換体もしくはアニオン交換体とカチオン交換体の混合交換体とすることができ、イオン交換体の種類毎に電気抵抗を低減し、且つ高性能を得るための最適な厚さに設定することができる。また、濃縮室はより導電性が高まり、脱塩室の入口側から出口側の全体に渡り電流密度を均一化でき、消費電力を更に低減できる。
【0011】
また、本発明(3)は、前記中間イオン交換膜と前記他側のアニオン交換膜で区画される一方の小脱塩室に充填されるイオン交換体は、アニオン交換体であり、前記一側のカチオン交換膜と前記中間イオン交換膜で区画される他方の小脱塩室に充填されるイオン交換体は、カチオン交換体とアニオン交換体の混合体である前記(2)の電気式脱イオン水製造装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、前記発明と同様の効果を奏する他、アニオン成分を多く含む被処理水、特に、シリカ、炭酸等の弱酸性成分を多く含む被処理水を十分に処理することができる。
【0012】
また、本発明(4)は、前記濃縮室の厚さが、0.2〜8.0mmである前記(1)〜(3)記載の電気式脱イオン水製造装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、電気抵抗を低減すると共に、スケールの発生を防止し、通水差圧を上昇させることの無い最適な濃縮室厚さを決定することができる。
【0013】
また、本発明(5)は、一側のカチオン交換膜、及び他側のアニオン交換膜で区画される室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、前記カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室の間に配置し、電圧を印加しながら脱塩室に被処理水を流入すると共に、濃縮室に濃縮水を流入して被処理水中の不純物イオンを除去し、脱イオン水を得る方法において、前記濃縮室は、網目状の陽イオン伝導スペーサと網目状の陰イオン伝導スペーサが濃縮水の流出入方向に対して、交互に積層充填して形成されるものである脱イオン水の製造方法を提供するものである。かかる構成を採ることにより、前記発明(1)と同様の効果を奏する。
【0014】
また、本発明(6)は、一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び当該カチオン交換膜と当該アニオン交換膜の間に位置する中間イオン交換膜で区画される2つの小脱塩室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、前記カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室の間に配置し、電圧を印加しながら一方の小脱塩室に被処理水を流入し、次いで、該小脱塩室の流出水を他方の小脱塩室に流入すると共に、濃縮室に濃縮水を流入して被処理水中の不純物イオンを除去し、脱イオン水を得る方法において、前記濃縮室は、網目状の陽イオン伝導スペーサと網目状の陰イオン伝導スペーサが濃縮水の流出入方向に対して、交互に積層充填して形成されるものである脱イオン水の製造方法を提供するものである。かかる構成を採ることにより、前記発明(2)と同様の効果を奏する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本実施の形態における電気式脱イオン水製造装置について図1を参照して説明する。図1は電気式脱イオン水製造装置の1例を示す模式図である。図1に示すように、カチオン交換膜3、中間イオン交換膜5及びアニオン交換膜4を離間して交互に配置し、カチオン交換膜3と中間イオン交換膜5で形成される空間内にイオン交換体8を充填して第1小脱塩室d1 、d3 、d5 、d7 を形成し、中間イオン交換膜5とアニオン交換膜4で形成される空間内にイオン交換体8を充填して第2小脱塩室d2 、d4 、d6 、d8 を形成し、第1小脱塩室d1 と第2小脱塩室d2 で脱塩室D1 、第1小脱塩室d3 と第2小脱塩室d4 で脱塩室D2 、第1小脱塩室d5 と第2小脱塩室d6 で脱塩室D3 、第1小脱塩室d7 と第2小脱塩室d8 で脱塩室D4 とする。また、脱塩室D2 、D3 のそれぞれ隣に位置するアニオン交換膜4とカチオン交換膜3で形成されるイオン交換体8aを充填した部分は濃縮水を流すための濃縮室1とする。これを順次併設して図中、左より脱塩室D1 、濃縮室1、脱塩室D2 、濃縮室1、脱塩室D3 、濃縮室1、脱塩室D4 を形成する。また、脱塩室D1 の左にカチオン交換膜3を経て陰極室2aを、脱塩室D4 の右にアニオン交換膜4を経て陽極室2bをそれぞれ設ける。また、中間イオン交換膜5を介して隣合う2つの小脱塩室において、第2小脱塩室の処理水流出ライン12は第1小脱塩室の被処理水流入ライン13に連接されている。
【0016】
このような脱塩室は、図3に示すように、2つの枠体21、22と3つのイオン交換膜3、5、4によって形成される脱イオンモジュール20からなる。すなわち、第1枠体21の一側の面にカチオン交換膜3を封着し、第1枠体21の内部空間にイオン交換体を充填し、次いで、第1枠体21の他方の面に中間イオン交換膜5を封着して第1小脱塩室を形成する。次に中間イオン交換膜5を挟み込むように第2枠体22を封着し、第2枠体22の内部空間にイオン交換体を充填し、次いで、第2枠体22の他方の面にアニオン交換膜4を封着して第2小脱塩室を形成する。第1脱塩室及び第2小脱塩室に充填されるイオン交換体としては、特に制限されないが、被処理水が最初に流入する第2小脱塩室にはアニオン交換体を充填し、次いで、第2小脱塩室の流出水が流入する第1小脱塩室にはアニオン交換体とカチオン交換体の混合イオン交換体を充填することが、アニオン成分を多く含む被処理水、特に、シリカ、炭酸等の弱酸性成分を多く含む被処理水を十分に処理することができる点で好ましい。符号23は枠体補強用のリブである。
【0017】
また、濃縮室1は、網目状の陽イオン伝導スペーサと網目状の陰イオン伝導スペーサが濃縮水の流出入方向に対して、交互に積層充填される。これら網目状のイオン伝導スペーサの積層方法としては、特に制限されず、陰イオン伝導スペーサと陽イオン伝導スペーサの2床、陰イオン伝導スペーサと陽イオン伝導スペーサが交互に複数積層される複床のいずれであってもよい。また、濃縮室に充填される網目状のイオン伝導スペーサとしては、特に制限されず、2次元又は3次元の網目構造を有し、濃縮室に充填された場合、通水差圧を許容範囲内に保ちつつ、濃縮水に乱流を与えるもので、且つイオン交換基を有するものであればよく、例えば、ポリオレフィン系高分子を金型により斜交網状(メッシュ状)に成型し、この斜交網の表面に、イオン交換基を有するか、又はイオン交換基に転換可能な重合性単量体を、グラフト重合することにより得られるものが挙げられる。
【0018】
ポリオレフィン系高分子の斜交網を使用するイオン伝導スペーサにおいて、ポリオレフィン系高分子としては、特に制限されず、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポエチレンテレフタレートなどが挙げられる。斜交網の形状としては、図2に示されるように、無数の線材が間隔mで配向する表側線材31と無数の線材が間隔nで配向する裏側線材32が各交点で図の如く交差し一体成型される平織りの斜交網30が例示される。表側線材同士の間隔mと、裏側線材同士の間隔nとは、同一であっても異なっていてもよいが、通常、同一である。また、斜交網30の厚みwは、これを1枚濃縮室に充填する場合、濃縮室の厚みとほぼ一致する。斜交網30の表面にグラフト重合させる重合性単量体は、イオン交換基を有するか、又はイオン交換基に転換可能な重合性単量体の中から選択できるが、例えば、カチオン交換基としては、スルホン基、カルボキシル基などが挙げられ、アニオン交換基としては、四級アンモニウム基、三級アミン基などが挙げられる。イオン交換基が導入された斜交網の目開きとしては、特に制限されないが、10〜90%、好ましくは30〜70%である。目開きが大きすぎると、当該濃縮室を区画する両側のイオン交換膜同士の電気的導通が得られず、イオンの移動がなく、濃縮水中のイオン濃度勾配を低減することはできない。一方、目開きが小さ過ぎると、濃縮水の通水差圧が許容以上に上昇してしまう点で好ましくない。イオン交換基が導入された斜交網は、濃縮室内に網目を両側のイオン交換膜に向けて充填されるが、その充填量は1枚であっても、複数枚を重ね合わせる充填のいずれであってもよい。また、斜交網は、図2のものの他、綾織状であってもよく、また、網目の形状は、菱形、四角形、円形、楕円形などが使用できる。網目形状が四角形の平織りの斜交網の場合、該四角形の一辺が約0.5〜5.0mm、好ましくは1.0〜3.0mm程度のものである。
【0019】
濃縮室1は、例えば、図3に示すように、1側のアニオン交換膜4と、他側のカチオン交換膜3で、定型寸法に切断された網目状のイオン伝導スペーサ81、82を挟み込んで作製される。図3では、網目状のイオン伝導スペーサは、上側の陰イオン伝導スペーサ81と下側の陽イオン伝導スペーサ82の2床の積層床8aからなる。すなわち、平板積層型の電気式脱イオン水製造装置の濃縮室内に、1枚の陽イオン伝導スペーサ81と陽イオン伝導スペーサ81と同じ大きさの1枚の陰イオン伝導スペーサ82の2床を積層充填する場合、2床で形成されるイオン伝導スペーサの縦横寸法は略両側のイオン交換膜3、4と同じであり、厚み寸法wが濃縮室内の厚みとなる。濃縮室1において、濃縮水の流出入方向に対して積層充填されるイオン伝導スペーサの順序としては、特に制限されず、濃縮水入口側から網目状の陽イオン伝導スペーサ、網目状の陰イオン伝導スペーサの順序でも、網目状の陰イオン伝導スペーサ、網目状の陽イオン伝導スペーサの順序でも、いずれでもよい。また、異なるイオン伝導スペーサ同士の端面部分は、大きな隙間が生じない限りは、特に制限されず、端面同士が当接あるいは近接させて、積層充填される。このように、網目状の陽イオン伝導スペーサ及び陰イオン伝導スペーサを両イオン交換膜で区画される濃縮室内に、均質に積層充填すれば、当該濃縮室を区画する両側のイオン交換膜同士の電気的導通が得られ、イオンの移動が行われ、濃縮水中のイオン濃度勾配を低減することができる。また、このイオン濃度の低減効果は、スペーサの網目形状に起因する乱流発生効果により、更に高められる。一方、濃縮室の厚さは、0.2〜8.0mm、好ましくは、0.5〜5.0mm、更に好ましくは0.8〜2.5mmである。濃縮室の厚さが0.2mm未満であると、例え、網目状の陽イオン伝導スペーサと網目状の陰イオン伝導スペーサを濃縮水の流出入方向に対して、交互に積層充填しても、スケール発生防止効果が得られ難くなり、通水差圧も発生し易い。また、8.0mmを越えると、電気抵抗が高くなり消費電力が増大する。
【0020】
前記電気式脱イオン水製造装置は、通常、以下のように運転される。すなわち、陰極6と陽極7間に直流電流を通じ、また被処理水流入ライン11から被処理水が流入すると共に、濃縮水流入ライン15から濃縮水が流入し、かつ陰極水流入ライン17a、陽極水流入ライン17bからそれぞれ陰極水、陽極水が流入する。被処理水流入ライン11から流入した被処理水は第2小脱塩室d2 、d4 、d6 、d8 を流下し、イオン交換体8の充填層を通過する際に不純物イオンが除去される。更に、第2小脱塩室の処理水流出ライン12を通った流出水は、第1小脱塩室の被処理水流入ライン13を通って第1小脱塩室d1 、d3 、d5 、d7 を流下し、ここでもイオン交換体8の充填層を通過する際に不純物イオンが除去され脱イオン水が脱イオン水流出ライン14から得られる。また、濃縮水流入ライン15から流入した濃縮水は各濃縮室1を上昇し、カチオン交換膜3及びアニオン交換膜4を介して移動してくる不純物イオン、更には後述するように、濃縮室内のイオン伝導スペーサを介して移動してくる不純物イオンを受け取り、不純物イオンを濃縮した濃縮水として濃縮室流出ライン16から流出され、さらに陰極水流入ライン17aから流入した陰極水は陰極水流出ライン18aから流出され、陽極水流入ライン17bから流入した陽極水は、陽極水流出ライン18bから流出される。上述の操作によって、被処理水中の不純物イオンは電気的に除去される。
【0021】
次に、本発明の電気式脱イオン水製造装置の濃縮室におけるスケール発生防止作用を図4〜図6を参照して説明する。図4は図1の電気式脱イオン水製造装置を更に簡略的に示した図、図5及び図6は図4の電気式脱イオン水製造装置の濃縮室における不純物イオンの移動を説明する図をそれぞれ示す。図4において、被処理水が最初に流入する第2小脱塩室d2 、d4 、d6 にはアニオン交換体(A)を充填し、第2小脱塩室の流出水が流入する第1小脱塩室d1 、d3 、d5 にはカチオン交換体とアニオン交換体の混合イオン交換体(M)を充填し、4つの濃縮室1には脱塩室の通水方向に沿って順に、網目状のアニオン伝導スペーサ単床(A)と網目状のカチオン伝導スペーサ単床(C)を交互に4床充填してある。
【0022】
図5において、濃縮室1の網目状アニオン伝導スペーサ単床領域1aではアニオン交換膜aを透過した炭酸イオンなどのアニオンは濃縮水中に移動せず、導電性の高いアニオン伝導スペーサAを通り、カチオン交換膜cまで移動し、アニオン伝導スペーサAとカチオン膜cの当接部分101において初めて濃縮水中に移動する(図5中、右向き矢印)。このため、炭酸イオンなどのアニオンはカチオン交換膜cに電気的に引き寄せられた状態で、濃縮室1から排出される。すなわち、アニオン伝導スペーサ単床領域1aにおける炭酸イオンなどのアニオンについて、濃縮水中の濃度勾配は図6の記号Xのように分布する。一方、アニオン伝導スペーサ単床領域1aにおいて、カチオン交換膜cを透過したカルシウムイオンなどのカチオンは濃縮水中を移動する。このため、カルシウムイオンの濃度が最も高くなる部分において、スケールを形成する対イオンである炭酸イオンはアニオン伝導スペーサ単床部分を移動するためスケールを発生し難い。
【0023】
同様に、濃縮室1のカチオン伝導スペーサ単床領域1bではカチオン交換膜cを透過したカルシウムイオンなどのカチオンは濃縮水中に移動せず、導電性の高いカチオン伝導スペーサCを通り、アニオン交換膜aまで移動し、カチオン伝導スペーサCとアニオン膜aの当接部分102において初めて濃縮水中に移動する(図5中、左向き矢印)。このため、カルシウムイオンなどのカチオンはアニオン交換膜aに電気的に引き寄せられた状態で、濃縮室1から排出される。すなわち、カチオン伝導スペーサ単床領域1bにおけるカルシウムイオンなどのカチオンについて、濃縮水中の濃度勾配は図6の記号Yのように分布する。一方、アニオン交換膜aを透過した炭酸イオンなどのアニオンは濃縮水中を移動する。このため、炭酸イオンの濃度が最も高くなる部分において、スケールを形成する対イオンであるカルシウムイオンはカチオン伝導スペーサ単床部分を移動するためスケールを発生し難い。更に、濃縮室内に充填しているイオン伝導スペーサは、網目状形状であるため、濃縮水の流れが乱流となり易く、炭酸イオンやカルシウムイオンなどの濃度勾配をより大きく低減できると共に、イオン交換膜面に付着しようとするスケール成分をかきとる効果を有するため、スケールの発生をより抑制する。このようなイオン移動は、マグネシウムイオン、水素イオン、水酸化物イオンにおいても同様である。また、濃縮室内部にアニオン伝導スペーサ単床領域1aとカチオン伝導スペーサ単床領域1bを積層することによって、カチオン伝導スペーサが充填された部分に移動してきたアニオンは導電性の低い濃縮水を移動するよりも、導電性の高いアニオン交換膜を伝わり、アニオン伝導スペーサ単床領域1aまで達し、ここで導電性の高いアニオン交換体を移動する。このイオンの移動形態はカチオンについても同様である。すなわち、濃縮水中を通って対面のイオン交換膜付近に移動するイオンはほとんどなく、ほとんどのイオンはカチオン伝導スペーサ、アニオン伝導スペーサを通って対面のイオン交換膜付近まで移動する。なお、図5及び図6中、濃縮室1において、カチオン交換膜a及びアニオン交換膜cと、網目状の陽イオン伝導スペーサ単床領域1a又は網目状の陰イオン伝導スペーサ単床領域1bとの間に隙間が形成されているが、これはイオン伝導スペーサの積層充填状態を判りやすくするため設けたものであり、実際は、密着状態であり、このような隙間は存在しない。
【0024】
従来の電気式脱イオン水製造装置では、イオン交換体を再生する目的で印加している電流が水の電気分解を促進し、イオン伝導性を示さない網目状スペーサを充填した濃縮室のイオン交換膜表面でpHシフトを引き起こし、アニオン交換膜近傍ではpHが高く、カチオン交換膜近傍ではpHが低くなり、且つ図7に示すように炭酸イオンとカルシウムイオンが共に、高い濃度勾配で接することから、濃縮室側のアニオン交換膜表面でスケールが発生し易くなっていた。しかしながら、本例では、前述の如く、濃縮水中のカチオン濃度が最も高いと思われるアニオン交換膜a表面近傍の濃縮水中には、高い濃度の炭酸イオンなどのアニオンが存在しないから、濃縮室内において、炭酸イオンとカルシウムイオンが結合して炭酸カルシウムを生成することがない(図6参照)。従って、本例の電気式脱イオン水製造装置を長時間連続運転しても、濃縮室にスケールが発生することはない。
【0025】
また、濃縮室1はイオン伝導スペーサ8aの均質で密着した充填により両側に位置するカチオン交換膜3とアニオン交換膜4を電気的に導通するため、導電性が高まり、脱塩室の入口側から出口側の全体に渡り電流密度を均一化でき、消費電力を低減できる。
【0026】
本発明において、被処理水の第1小脱塩室及び第2小脱塩室での流れ方向は、特に制限されず、上記実施の形態の他、第1小脱塩室と第2小脱塩室での流れ方向が異なっていてもよい。また、被処理水が流入する小脱塩室は、上記実施の形態例の他、先ず、被処理水を第1小脱塩室に流入させ、流下した後、第1小脱塩室の流出水を第2小脱塩室に流入させてもよい。また、濃縮水の流れ方向も適宜決定される。
【0027】
本発明の実施の形態における他の電気式脱イオン水製造装置を図8を参照して説明する。図8の電気式脱イオン水製造装置100は、図1に示される省電力型電気式脱イオン水製造装置10における中間イオン交換膜を省略した形態であり、脱塩室内における被処理水の流れが1パスである。すなわち、電気式脱イオン水製造装置100において、一側のカチオン交換膜101、及び他側のアニオン交換膜102で区画される室にイオン交換体103を充填して脱塩室104を構成し、カチオン交換膜101、アニオン交換膜102を介して脱塩室104の両側に濃縮室105を設け、これらの脱塩室104及び濃縮室105を陽極110を備えた陽極室と陰極109を備えた陰極室の間に配置し、電圧を印加しながら脱塩室104に被処理水を流入すると共に、濃縮室105に濃縮水を流入して被処理水中の不純物イオンを除去し、脱イオン水を得る方法において、濃縮室105は、上記実施の形態例と同様の構成を採ることにより、同様の作用効果を奏する。なお、符号111は被処理水流入ライン、114は脱イオン水流出ライン、115は濃縮水流入ライン、116は濃縮水流出ライン、117は電極水流入ライン、118は電極水流出ラインをそれぞれ示す。また、本発明の電気式脱イオン水製造装置の形態としては、特に制限されず、スパイラル型、同心円型及び平板積層型などのものが挙げられる。
【0028】
本発明の脱イオン水製造方法に用いる被処理水としては、特に制限されず、例えば、井水、水道水、下水、工業用水、河川水、半導体製造工場の半導体デバイスなどの洗浄排水又は濃縮室からの回収水などを逆浸透膜処理した透過水、また、半導体製造工場等のユースポイントで使用された回収水であって、逆浸透膜処理がされていない水が挙げられる。このようにして供給される被処理水の一部を濃縮水としても使用する場合、脱塩室に供給される被処理水及び濃縮室に供給される濃縮水を軟化後、使用することがスケール発生を更に抑制できる点で好ましい。軟化の方法は、特に限定されないが、ナトリウム形のイオン交換樹脂等を用いた軟化器が好適である。
【0029】
【実施例】
実施例1
下記装置仕様及び運転条件において、図8と同様の構成で6個の脱イオンモジュールを並設して構成される電気式脱イオン水製造装置を使用した。被処理水は、工業用水の逆浸透膜透過水を用い、その硬度は、200μgCaCO3/l であった。また、被処理水の一部を濃縮水及び電極水として使用した。運転時間は4000時間であり、4000時間後の濃縮室内のスケール発生の有無を観察した。また、同時間における抵抗率17.9MΩ-cm の処理水を得るための運転条件を表1に示す。
【0030】
(運転の条件)
・電気式脱イオン水製造装置;試作EDI
・脱塩室;幅300mm、高さ600mm、厚さ3mm
・脱塩室に充填したイオン交換樹脂;アニオン交換樹脂(A)とカチオン
交換樹脂(K)の混合イオン交換樹脂(混合比は体積比でA:K=1:1)
・濃縮室;幅300mm、高さ600mm、厚さ1mm
・濃縮室充填イオン伝導スペーサ;網目状のカチオン伝導スペーサ単床と網目のアニオン伝導スペーサ単床を濃縮水の流出入方向に沿って交互に積層した4床
・装置全体の流量;1m3 /h
【0031】
実施例2
下記装置仕様及び運転条件において、図1と同様の構成で3個の脱イオンモジュール(6個の小脱塩室)を並設して構成される電気式脱イオン水製造装置を使用した。被処理水は、工業用水の逆浸透膜透過水を用い、その硬度は、200μgCaCO3/l であった。また、被処理水の一部を濃縮水及び電極水として使用した。運転時間は4000時間であり、4000時間後の濃縮室内のスケール発生の有無を観察した。また、同時間における抵抗率17.9MΩ-cm の処理水を得るための運転条件を表1に示す。
【0032】
(運転の条件)
・電気式脱イオン水製造装置;試作EDI
・中間イオン交換膜;アニオン交換膜
・第1小脱塩室;幅300mm、高さ600mm、厚さ3mm
・第1小脱塩室に充填したイオン交換樹脂;アニオン交換樹脂(A)とカチオン
交換樹脂(K)の混合イオン交換樹脂(混合比は体積比でA:K=1:1)
・第2小脱塩室;幅300mm、高さ600mm、厚さ8mm
・第2小脱塩室充填イオン交換樹脂;アニオン交換樹脂
・濃縮室;幅300mm、高さ600mm、厚さ1mm
・濃縮室充填イオン伝導スペーサ;網目状のカチオン伝導スペーサ単床と網目状のアニオン伝導スペーサ単床を濃縮水の流出入方向に沿って交互に積層した4床
・装置全体の流量;1m3 /h
【0033】
比較例1
網目状のイオン伝導スペーサの代わりに、イオン伝導性のない網目状スペーサを濃縮室に充填した以外は、実施例1と同様の方法で行った。運転時間は4000時間であり、4000時間後の濃縮室内のスケール発生の有無を観察した。また、同時間における抵抗率17.9MΩ-cm の処理水を得るための運転条件を表1に示す。イオン伝導性のない網目状スペーサは、実施例1で使用した網目状のイオン伝導スペーサの製作過程で得られるイオン交換基導入前のものである。
【0034】
比較例2
網目状のイオン伝導スペーサの代わりに、イオン伝導性のない網目状スペーサを濃縮室に充填した以外は、実施例2と同様の方法で行った。運転時間は4000時間であり、4000時間後の濃縮室内のスケール発生の有無を観察した。また、同時間における抵抗率17.9MΩ-cm の処理水を得るための運転条件を表1に示す。イオン伝導性のない網目状スペーサは、実施例1で使用した網目状のイオン伝導スペーサの製作過程で得られるイオン交換基導入前のものである。
【0035】
【表1】
Figure 0003781352
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、スケール発生の問題を、被処理水からの対策ではなく、電気式脱イオン水製造装置の濃縮室の構造面から解決でき、長期間の連続運転においても、濃縮室内にスケール発生を認めることなく、安定した運転ができる。また、濃縮室内の導電性が高まり、脱塩室の入口側から出口側の全体に渡り電流密度を均一化でき、消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における電気式脱イオン水製造装置の模式図である。
【図2】斜交網の形状を説明する図である。
【図3】脱塩室モジュール及び濃縮室の構造を説明する図である。
【図4】図1の電気式脱イオン水製造装置を簡略的に示した図である。
【図5】濃縮室における不純物イオンの移動を説明する図である。
【図6】濃縮室における不純物イオンの濃度勾配を示す図である。
【図7】イオン伝導性のない網目状スペーサを充填した濃縮室(従来型)における不純物イオンの濃度勾配を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態における電気式脱イオン水製造装置の模式図である。
【符号の説明】
D、D1 〜D4 、104 脱塩室
1 、d3 、d5 、d7 第1小脱塩室
2 、d4 、d6 、d8 第2小脱塩室
1、105 濃縮室
2 電極室
3、101 カチオン膜
4、102 アニオン膜
5 中間イオン交換膜
6、109 陰極
7、110 陽極
8、103 イオン交換体
8a カチオン伝導スペーサ単床とアニオン伝導スペーサ単床の積層床
10、100 電気式脱イオン水製造装置
11、111 被処理水流入ライン
12 第2小脱塩室の処理水流出ライン
13 第1小脱塩室の被処理水流入ライン
14、114 脱イオン水流出ライン
15、115 濃縮水流入ライン
16、116 濃縮水流出ライン
17a、17b、117 電極水流入ライン
18a、18b、118 電極水流出ライン
20 脱イオンモジュール
30 斜交網
101 炭酸イオンが濃縮水中に初めて移動する点
102 カルシウムイオンが濃縮水中に初めて移動する点

Claims (6)

  1. 一側のカチオン交換膜、及び他側のアニオン交換膜で区画される室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、前記カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室の間に配置してなる電気式脱イオン水製造装置において、前記濃縮室は、網目状の陽イオン伝導スペーサと網目状の陰イオン伝導スペーサが濃縮水の流出入方向に対して、交互に積層充填して形成されることを特徴とする電気式脱イオン水製造装置。
  2. 一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び当該カチオン交換膜と当該アニオン交換膜の間に位置する中間イオン交換膜で区画される2つの小脱塩室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、前記カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室の間に配置してなる電気式脱イオン水製造装置において、前記濃縮室は、網目状の陽イオン伝導スペーサと網目状の陰イオン伝導スペーサが濃縮水の流出入方向に対して、交互に積層充填して形成されることを特徴とする電気式脱イオン水製造装置。
  3. 前記中間イオン交換膜と前記他側のアニオン交換膜で区画される一方の小脱塩室に充填されるイオン交換体は、アニオン交換体であり、前記一側のカチオン交換膜と前記中間イオン交換膜で区画される他方の小脱塩室に充填されるイオン交換体は、カチオン交換体とアニオン交換体の混合体であることを特徴とする請求項2記載の電気式脱イオン水製造装置。
  4. 前記濃縮室の厚さが、0.2〜8.0mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電気式脱イオン水製造装置。
  5. 一側のカチオン交換膜、及び他側のアニオン交換膜で区画される室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、前記カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室の間に配置し、電圧を印加しながら脱塩室に被処理水を流入すると共に、濃縮室に濃縮水を流入して被処理水中の不純物イオンを除去し、脱イオン水を得る方法において、前記濃縮室は、網目状の陽イオン伝導スペーサと網目状の陰イオン伝導スペーサが濃縮水の流出入方向に対して、交互に積層充填して形成されるものであることを特徴とする脱イオン水の製造方法。
  6. 一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び当該カチオン交換膜と当該アニオン交換膜の間に位置する中間イオン交換膜で区画される2つの小脱塩室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、前記カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室の間に配置し、電圧を印加しながら一方の小脱塩室に被処理水を流入し、次いで、該小脱塩室の流出水を他方の小脱塩室に流入すると共に、濃縮室に濃縮水を流入して被処理水中の不純物イオンを除去し、脱イオン水を得る方法において、前記濃縮室は、網目状の陽イオン伝導スペーサと網目状の陰イオン伝導スペーサが濃縮水の流出入方向に対して、交互に積層充填して形成されるものであることを特徴とする脱イオン水の製造方法。
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