JP2007125455A - 電気式脱イオン水製造装置の運転方法及び電気式脱イオン水製造装置 - Google Patents

電気式脱イオン水製造装置の運転方法及び電気式脱イオン水製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】逆浸透膜や軟化器などを前段に設置せずとも、脱塩室内の硬度スケールの析出を防止する省電力型のEDIの運転方法及びEDIを提供すること。
【解決手段】陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画され且つアニオン交換膜とカチオン交換膜の間に位置する中間のカチオン交換膜で区画されるメッシュ状スペーサーが装填された第1小脱塩室とイオン交換体が充填される第2小脱塩室を内包する脱塩室と、脱塩室と脱塩室の間に配置された濃縮室を備える電気式脱イオン水製造装置を用い、硬度成分を含有する被処理水を第1小脱塩室と第2小脱塩室にこの順序で直列に通水させ脱イオン水を得ると共に、脱塩室の硬度スケールの析出を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、硬度成分を比較的高濃度で含む被処理水の脱イオン処理に好適な電気式脱イオン水製造装置の運転方法及び電気式脱イオン水製造装置に関するものである。
近年、薬剤による再生が不要な電気式脱イオン法による脱イオン水製造方法が確立され、実用化に至っている。従来、Ca2+やMg2+の硬度成分を比較的高濃度で含有する被処理水を電気式脱イオン水製造装置の脱塩室に通水して処理する場合、該脱塩室にはカチオン交換体が充填されていた。このような電気式脱イオン水製造装置に、硬度成分を比較的高濃度で含有する被処理水を通水処理すると、カチオン交換体の一部がCa形やMg形となる。Ca形やMg形のカチオン交換体は、二価のカチオンであるCa2+やMg2+のイオン選択性が一価のカチオン等と比べて高いため、通常の運転条件下では他のカチオンと置換され難く、脱塩室内において徐々に増加していく傾向となる。カチオン交換体はCa形やMg形になると、再生形やNa形と比較して通電抵抗が高くなるため、カチオン交換体に占めるCa形やMg形の割合が多くなると、装置全体の通電抵抗が増加し、消費電力が増加するという問題が発生する。また、これに付随して、より選択性の低いNa1+やK1+の一価のカチオンの除去が不十分となって、処理水の水質が低下するという問題も発生する。また、脱塩室内に硬度成分が蓄積すると、スケールが発生し、更に通電抵抗を上昇させるという問題がある。
上記問題を解決する方法として、逆浸透膜や軟化器などを前段に設置して電気式脱イオン水製造装置の被処理水の硬度負荷を減じる方法、低架橋度のカチオン交換体を用いてCa2+やMg2+のイオン選択性を下げる方法などが提案されている。しかし、これらは、電気式脱イオン水製造装置の前段に新たな装置を設置するため、設置コストを上昇させる、あるいは硬度成分を含めた不純物イオンの除去が十分ではないなどの新たな問題を惹起させる。
一方、特開2001−239270号公報には、一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び該カチオン交換膜と該アニオン交換膜の間に位置する中間イオン交換膜で区画される2つの小脱塩室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、該カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を陽極と陰極の間に配置して形成される、いわゆる複脱塩室式EDIにおいて、一方の小脱塩室に被処理水を流入し、該小脱塩室の流出水を他方の小脱塩室に流入して脱イオン水を得る方法が開示されている。しかしながら、特開2001−239270号公報の複脱塩室式EDIにおいても、2つの小脱塩室にはイオン交換体が充填されるものであり、複脱塩室式EDIの被処理水の硬度負荷を低減させるためには、やはり逆浸透膜や軟化器などを前段に設置する必要があり、この場合、前記同様の問題が発生するものであった。
特開2001−239270号公報(請求項1、6)
従って、本発明の目的は、逆浸透膜や軟化器などを前段に設置せずとも、脱塩室内の硬度成分のスケールの析出を防止する省電力型の電気式脱イオン水製造装置の運転方法及び電気式脱イオン水製造装置を提供することにある。
かかる実状において、本発明者は鋭意検討を行った結果、複脱塩室式EDIにおいて、中間イオン交換膜にカチオン交換膜を使用し、最初に被処理水が流入する小脱塩室をカチオン交換膜で区画される室とすると共に、該小脱塩室にはイオン交換体を充填しない構造とすれば、逆浸透膜や軟化器などを前段に設置せずとも、脱塩室内の硬度成分のスケールの析出を防止できること、被処理水が最初に流入する小脱塩室からの流出水を脱炭酸処理又は逆浸透膜処理した処理水を次ぎのアニオン交換体が充填された小脱塩室に流入させると、炭酸やシリカ等の弱酸を含むアニオン成分が除去されるため、より小さな電流で不純物イオンが十分に除去された高度の水質の脱イオン水が得られること等を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、陽極室及び陰極室が両端に配置され、陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画され且つ当該アニオン交換膜と当該カチオン交換膜の間に位置する中間のカチオン交換膜で区画されるイオン交換体無充填の第1小脱塩室とイオン交換体が充填される第2小脱塩室を内包する1つ又は複数の脱塩室と、該脱塩室と該脱塩室の間に配置された1つ又は複数の濃縮室を備える電気式脱イオン水製造装置を用い、硬度成分を含有する被処理水を該第1小脱塩室と該第2小脱塩室にこの順序で直列に通水させる電気式脱イオン水製造装置の運転方法を提供するものである。
また、陽極室及び陰極室が両端に配置され、陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画され且つ当該アニオン交換膜と当該カチオン交換膜の間に位置する中間のカチオン交換膜で区画されるイオン交換体無充填の第1小脱塩室とイオン交換体が充填される第2小脱塩室を内包し、硬度成分を含有する被処理水が該第1小脱塩室と該第2小脱塩室にこの順序で直列に通水される1つ又は複数の脱塩室と、該脱塩室と該脱塩室の間に配置された1つ又は複数の濃縮室を備える電気式脱イオン水製造装置を提供するものである。
本発明によれば、第1小脱塩室にはカチオン交換体が充填されていないため、カルシウムやマグネシウムが蓄積することがない。従って、第1小脱塩室内には硬度成分のスケールは発生しない。また、第1小脱塩室はカチオン交換体が充填されていないものの、電気透析の形態を採るため、被処理水中のカチオン成分の30〜50%は除去され、残りのカチオンは第2小脱塩室で除去することができる。また、第2小脱塩室で処理する被処理水は硬度成分が低減されたものであるため、硬度スケールの析出はほとんど起こらない。また、第1小脱塩室の流出水はカチオンのみが選択的に除去されるものの、アニオンはほぼ全量が残留するため、pHが概ね3〜5となっている。このため、当該第1小脱塩室流出水を濃縮室にも濃縮水として流入させると、濃縮室内の硬度成分の溶解性が高まり、濃縮室内における硬度スケールの析出を防止できる。また、第1小脱塩室の流出水は一部のカチオンのみが除去されたものであるため、導電率が高いままであり、これを濃縮室に流入させても通電抵抗を高めることはない。また、メッシュが装填された第1小脱塩室の流出水を第2小脱塩室と濃縮室の双方に流入させる場合、第1小脱塩室の被処理水の流速を高めることができるため、メッシュが装填された小脱塩室内における低流速に起因する部分的なイオンの偏在を防止することができる。また、第1脱塩室の流出水はpHが低く、炭酸は遊離炭酸となっているため、脱炭酸処理を行えば、第2小脱塩室におけるアニオンの負荷を大きく低減できる。また、第1脱塩室の流出水を逆浸透膜処理すると、逆浸透膜によって、もうひとつの弱酸成分であるシリカが除去されるため、同様に第2小脱塩室におけるアニオンの負荷を大きく低減できる。
次に、本発明の実施の形態における電気式脱イオン水製造装置を図1を参照して説明する。図1は、本例の電気式脱イオン水製造装置の模式図である。電気式脱イオン水製造装置10は、陽極室5及び陰極室4が両端に配置され、陽極側がアニオン交換膜8で区画され陰極側がカチオン交換膜9で区画され且つアニオン交換膜8とカチオン交換膜9の間に位置する中間のカチオン交換膜9で区画される不活性なメッシュ状スペーサ11が装填された第1小脱塩室1とイオン交換体21が充填される第2小脱塩室2を内包し、硬度成分を含有する被処理水12が第1小脱塩室1と第2小脱塩室2にこの順序で直列に通水される1つ又は複数の脱塩室Dと、脱塩室Dと脱塩室Dの間に配置された1つ又は複数の濃縮室3を備える。符号6は陰極、7は陽極である。
電気式脱イオン水製造装置10において、第1脱塩室流出配管13と第2脱塩室流入配管22および第1脱塩室流出配管13と濃縮室流入配管32がそれぞれ接続され、第1脱塩室1の流出水が、第2脱塩室2と濃縮室3に流入するようになっている。また、電極室4、5には電極水が流れている。
本発明の電気式脱イオン水製造装置において、第1小脱塩室内はイオン交換体無充填であればよく、上記不活性なメッシュ状スペーサ11の他、例えばイオン交換能を有さないイナート樹脂ビーズ、ポリプロピレン不織布などが装填できる。第1小脱塩室の厚みは通常0.5〜4mmである。第1小脱塩室の厚みが4mmを超えると、通電抵抗が過大となって好ましくなく、0.5mm未満となると、流路の断面積が過小となって好ましくない。
第2小脱塩室2に充填されるイオン交換体21としては、特に制限されないが、アニオン交換体単床、アニオン交換体とカチオン交換体の混合イオン交換体、又はアニオン交換体とカチオン交換体を通水方向に交互に並べた積層体が挙げられる。このうち、アニオン交換体とカチオン交換体の混合イオン交換体、又はアニオン交換体とカチオン交換体を通水方向に交互に並べた積層体を用いれば、被処理水中のイオン性不純物のほとんどを除去でき、高度な水質の脱イオン水を得ることができる。イオン交換体としては、イオン交換樹脂、イオン交換繊維などイオン交換機能を有する物質であればいずれでもよく、またそれらを組み合わせたものであってもよい。
電気式脱イオン水製造装置10において、濃縮室3内は、イオン交換体無充填又はイオン交換体充填のいずれであってもよい。濃縮室3内にイオン交換体が充填されていれば、電気式脱イオン水製造装置10の通電抵抗を低減できる。濃縮室3内にイオン交換体が充填されている場合、極性を反転する運転をすることができる。特に、濃縮室3に充填されるイオン交換体が第2小脱塩室2に充填されるイオン交換体と同じ場合、極性を反転する運転をすることで、第2小脱塩室が濃縮室となり、濃縮室が第2小脱塩室となり、カチオン及びアニオンの流れ方向が逆となる。極性を反転すると、アニオン交換膜面及び電極表面に析出した硬度スケールを溶解する効果があるため、スケーリングの危険性を更に低下させた運転が可能となる。
本発明の電気式脱イオン水製造装置において、第1脱塩室1の流出配管13と濃縮室流入配管32は接続されていなくともよい。すなわち、濃縮水は、図1に示すような、第1小脱塩室の流出水に限定されず、例えば、被処理水であってもよい。この場合、また、第1脱塩室流入配管12と濃縮室流入配管13が接続される。また、電極水は、特に限定されず、同様に、例えば、被処理水であってもよい。この場合、また、第1脱塩室流入配管12と電極室4、5の流入配管が接続される。
電気式脱イオン水製造装置10において、第1小脱塩室1の流出水を脱炭酸処理し、該脱炭酸処理水を第2小脱塩室2に流入させる不図示の脱炭酸手段を配してもよい。脱炭酸手段としては、特に制限されず、例えば、脱炭酸塔、脱気膜装置、真空脱気装置などが挙げられる。第1脱塩室の流出水はpHが低く、炭酸は遊離炭酸となっているため、脱炭酸処理を行えば、第2小脱塩室におけるアニオンの負荷を大きく低減できる。
また、電気式脱イオン水製造装置10において、第1小脱塩室1の流出水を逆浸透膜に透過させて、該透過水を第2小脱塩室2に流入させる不図示の逆浸透膜装置を配してもよい。第1脱塩室の流出水を逆浸透膜処理すると、逆浸透膜によって、弱酸成分であるシリカが除去されるため、同様に第2小脱塩室におけるアニオンの負荷を大きく低減できる。また、本発明において、第1小脱塩室1の流出水は、脱炭酸手段及び逆浸透膜装置で共に処理され、当該処理水を第2小脱塩室2に流入させてもよい。これにより、第2小脱塩室には、炭酸、シリカなどの弱酸を含むアニオン成分の大部分が除去された被処理水が流入するため、より小さな電流値で不純物イオンが高度に除去された脱イオン水を得ることができる。脱炭酸手段及び逆浸透膜装置で共に処理する場合、処理順序は特に限定されず、どちらが先であってもよい。
次に、電気式脱イオン水製造装置10の運転方法を図1を参照して説明する。先ず、電気式脱イオン水製造装置10に電圧を印加しつつ、硬度成分を含有する被処理水を該第1小脱塩室に通水させる。硬度成分を含有する被処理水としては、特に制限されず、水道水と同様の水質を有する水、逆浸透膜処理や軟化処理を経ない水などが挙げられる。また、被処理水中、硬度成分の含有量としては、特に制限されず、例えば、5〜30mgCa/l、1〜10mgMg/lのものが挙げられる。このような硬度成分を含有する被処理水は、従来、単独で電気式脱イオン水製造装置に通水すると、脱塩室や濃縮室において硬度スケールが発生する問題があり、逆浸透膜処理や軟化処理等の前処理を行い、その処理水を電気式脱イオン水製造装置に通水していたものである。本発明の電気式脱イオン水製造装置の運転方法によれば、逆浸透膜装置や軟化器などの設置を省略することができる。
第1小脱塩室1においては、カチオン交換体が充填されていないため、カルシウムやマグネシウムが蓄積することがない。また、第1小脱塩室1はカチオン交換体が充填されていないものの、電気透析の形態を採るため、被処理水中のカチオン成分の30〜50%は除去される。残りのカチオンは、これを除去したい場合、第2小脱塩室2にカチオン交換体を充填し、該第2小脱塩室2で除去すればよい。この場合、第2小脱塩室2で処理する被処理水は硬度成分が概ね半分程度低減されたものであるため、硬度スケールの析出はほとんど起こらない。また、第1小脱塩室1の流出水はカチオンのみが除去されたものであるため、pHが3〜5となっている。このため、第1小脱塩室1の流出水を濃縮室3にも濃縮水として流入させると、濃縮室3内の硬度成分の溶解性が高まり、濃縮室3内における硬度スケールの析出を防止できる。また、第1小脱塩室1の流出水は一部のカチオンのみが除去されたものであるため、導電率が高いままであり、これを濃縮室3に流入させても通電抵抗を高めることはない。また、メッシュ状のスペーサー11が装填された第1小脱塩室1の流出水を第2小脱塩室2と濃縮室3の双方に流入させる場合、第1小脱塩室1の被処理水の流速を高めることができるため、メッシュ状のスペーサー11が装填された小脱塩室1内における低流速に起因する部分的なイオンの偏在を防止することができる。
第1小脱塩室の流出水は、上記の如く、カチオンのみが概ね30〜50%除去されたpH3〜5の水であり、これが第2小脱塩室2に流入し、残りの不純物性のイオンが除去される。第2小脱塩室がアニオン交換体単床である場合、カチオン成分を一部残したまま、アニオン成分のほとんどが除去される。また、第2小脱塩室がアニオン交換体とカチオン交換体の混合イオン交換体やアニオン交換体とカチオン交換体が被処理水の流れ方向において交互に配される積層体である場合、残りのカチオン成分とアニオン成分のほとんどが除去される。
また、第1小脱塩室1の流出水を脱炭酸処理し、脱炭酸処理水を第2小脱塩室2に流入させることができる。第1脱塩室の流出水はpHが低く、炭酸は遊離炭酸となっているため、脱炭酸処理を行えば、第1脱塩室の流出水中の全炭酸の約50%程度は除去できる。これにより、第2小脱塩室には既にカチオン成分及び炭酸成分の大部分が除去された被処理水が流入するため、残ったアニオン成分濃度に対して適当な電流値を設定することで十分に不純物除去された脱イオン水を得ることができる。
また、第1小脱塩室1の流出水を逆浸透膜に透過させて、該透過水を第2小脱塩室2に流入させることができる。第1脱塩室の流出水を逆浸透膜処理すると、逆浸透膜によって、弱酸成分であるシリカが除去されるため、同様に、第2小脱塩室におけるアニオンの負荷を大きく低減できる。また、第1小脱塩室1の流出水を、脱炭酸処理と逆浸透膜処理を共に行えば、第2小脱塩室には、すでにカチオン成分及び炭酸、シリカなどの弱酸を含むアニオン成分の大部分が除去された被処理水が流入するため、より小さな電流値で不純物イオンが高度に除去された脱イオン水を得ることができる。
本発明は、硬度成分を比較的高濃度で含有する被処理水を脱イオン処理する際に好適な電気式脱イオン水製造装置及びその運転方法であり、半導体製造分野、医薬製造分野、原子力や火力等の発電分野、食品工業などの各種の産業又は研究所施設において広く適用できる。また、より小さな電流値で十分に不純物除去された脱イオン水が得られるため、省エネルギーに貢献できる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
被処理水を図1に示す電気式脱イオン水製造装置に、下記運転条件下、連続1200時間通水し、脱イオン水を得た。連続1200時間の運転後、脱イオン水の水質を分析すると共に、装置を停止し分解して、脱塩室及び濃縮室における硬度スケールの発生状況を目視観察した。なお、被処理水は、逆浸透膜装置及び軟化器を通さないものをそのまま電気式脱イオン水製造装置に通水した。その結果、脱イオン水の水質は、処理水の抵抗率2.5MΩ-cm、カルシウム濃度14μgCa/l、マグネシウム濃度6μgMg/lであり、第1小脱塩室、第2小脱塩室及び濃縮室には硬度スケールは観察されなかった。
・被処理水;導電率198μS/cm、カルシウム濃度14.5mgCa/l、マグネシウム濃度3.0mgMg/lの水道水
・第1小脱塩室の厚み;0.85mm
・第1小脱塩室に装填されるスペーサー;目開き8.6メッシュの網目状
・第2小脱塩室の厚み;4mm
・第1小脱塩室の被処理水の流速(LV);135m/時間
・ 第2小脱塩室に充填されるイオン交換体;アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂(混合比は交換容量比率で1:1)
・ 濃縮室に充填されるイオン交換体;アニオン交換樹脂
・ 平均印加電圧;120V
・ 平均電流値;0.4A
比較例1
メッシュ状のスペーサーに代えて、カチオン交換樹脂を充填したこと、第1小脱塩室厚み0.85mmに代えて、厚み4mmとしたこと、実施例1と同様の電気式脱イオン水製造装置を使用し下記運転条件で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法及び評価方法で行った。その結果、脱イオン水の水質は、処理水の抵抗率0.75MΩ-cm、カルシウム濃度131μgCa/l、マグネシウム濃度40μgMg/lであり、実施例1と比較して、著しく通電抵抗の上昇が認められた。その結果、イオン除去に必要な電流値が維持できずに処理水質が悪化した。硬度スケールはアニオン交換膜の濃縮室側に少量ながら認められた。
・ 平均印加電圧;300V
・ 平均電流値;0.20A
比較例2
図1の電気式脱イオン水製造装置に代えて、図2の電気式脱イオン水製造装置を使用し、下記運転条件で行った以外は、実施例1と同様の方法及び評価方法で行った。図2中、図1と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。図2中、電気式脱イオン水製造装置20は、従前の電気式脱イオン水製造装置であり、カチオン交換膜9及びアニオン交換膜8を離間して交互に配置し、カチオン交換膜9とアニオン交換膜8で形成される空間内に一つおきにイオン交換体15を充填して脱塩室Dとしたものである。濃縮室はイオン交換樹脂無充填とした。その結果、脱イオン水の水質は、処理水の抵抗率0.15MΩ-cm、カルシウム濃度347μgCa/l、マグネシウム濃度74μgMg/lであり、比較例1と同様に、通電抵抗の上昇が認められた。アニオン交換膜の濃縮室側に著しい硬度スケールの析出が認められた。
・脱塩室の厚み;4mm
・脱塩室に充填されるイオン交換体;アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂(混合比は交換容量比率で1:1)
・ 平均印加電圧;300V
・ 平均電流値;0.25A
本実施の形態における電気式脱イオン水製造装置の簡略図である。 比較例2で使用した電気式脱イオン水製造装置の簡略図である。
符号の説明
1 第1小脱塩室
2 第2小脱塩室
3 濃縮室
4 陰極室
5 陽極室
6 陰極
7 陽極
8 アニオン交換膜
9 カチオン交換膜
10、20 電気式脱イオン水製造装置
11 メッシュ状のスペーサー
12 被処理水流入配管
13 第1小脱塩室流出配管
15、21 イオン交換体
22 第2小脱塩室流入配管
23 第2小脱塩室流出配管
23a 脱塩室流出配管
32 濃縮室流入配管
33 濃縮室流出配管
D 脱塩室

Claims (13)

  1. 陽極室及び陰極室が両端に配置され、陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画され且つ当該アニオン交換膜と当該カチオン交換膜の間に位置する中間のカチオン交換膜で区画されるイオン交換体無充填の第1小脱塩室とイオン交換体が充填される第2小脱塩室を内包する1つ又は複数の脱塩室と、該脱塩室と該脱塩室の間に配置された1つ又は複数の濃縮室を備える電気式脱イオン水製造装置を用い、硬度成分を含有する被処理水を該第1小脱塩室と該第2小脱塩室にこの順序で直列に通水させることを特徴とする電気式脱イオン水製造装置の運転方法。
  2. 前記第1小脱塩室の流出水の一部を該濃縮室に流入させることを特徴とする請求項1記載の電気式脱イオン水製造装置の運転方法。
  3. 前記第1小脱塩室に、スペーサーが装填されることを特徴とする請求項1又は2記載の電気式脱イオン水製造装置の運転方法。
  4. 前記第2小脱塩室のイオン交換体が、アニオン交換体単床、アニオン交換体とカチオン交換体の混合イオン交換体、又はアニオン交換体とカチオン交換体を通水方向に交互に並べた積層体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電気式脱イオン水製造装置の運転方法。
  5. 前記第1小脱塩室の流出水のpHが、3.0〜5.0であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の電気式脱イオン水製造装置の運転方法。
  6. 前記第1小脱塩室の流出水を脱炭酸処理し、該脱炭酸処理水を前記第2小脱塩室に流入させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の電気式脱イオン水製造装置の運転方法。
  7. 前記第1小脱塩室の流出水を逆浸透膜に透過させて、該透過水を前記第2小脱塩室に流入させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の電気式脱イオン水製造装置の運転方法。
  8. 陽極室及び陰極室が両端に配置され、陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画され且つ当該アニオン交換膜と当該カチオン交換膜の間に位置する中間のカチオン交換膜で区画されるイオン交換体無充填の第1小脱塩室とイオン交換体が充填される第2小脱塩室を内包し、硬度成分を含有する被処理水が該第1小脱塩室と該第2小脱塩室にこの順序で直列に通水される1つ又は複数の脱塩室と、該脱塩室と該脱塩室の間に配置された1つ又は複数の濃縮室を備えることを特徴とする電気式脱イオン水製造装置。
  9. 該第1小脱塩室の流出水の一部を該濃縮室に流す配管を配したことを特徴とする請求項8記載の電気式脱イオン水製造装置。
  10. 前記第1小脱塩室に、スペーサーが装填されることを特徴とする請求項8又は9記載の電気式脱イオン水製造装置。
  11. 前記第2小脱塩室のイオン交換体が、アニオン交換体単床、アニオン交換体とカチオン交換体の混合イオン交換体、又はアニオン交換体とカチオン交換体を通水方向に交互に並べた積層体であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項記載の電気式脱イオン水製造装置。
  12. 前記第1小脱塩室の流出水を脱炭酸処理し、該脱炭酸処理水を前記第2小脱塩室に流入させる脱炭酸手段を配したことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項記載の電気式脱イオン水製造装置。
  13. 前記第1小脱塩室の流出水を逆浸透膜に透過させて、該透過水を前記第2小脱塩室に流入させる逆浸透膜装置を配したことを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項記載の電気式脱イオン水製造装置。
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