JP2011000575A - 電気式脱イオン水製造装置及び脱イオン水の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一小脱塩室と第二小脱塩室が形成された脱塩室2セル型の電気式脱イオン水製造装置に、第一小脱塩室40を流通した被処理水を分配し分配した被処理水を第二小脱塩室60、120に流通させる第一の通水手段を設け、第二小脱塩室60、120を流通した被処理水を他の第一小脱塩室60に流通させる第二の通水手段を設ける。
【選択図】図1
Description
従来の典型的なEDIは、濃縮室を介して複数の脱塩室を積層し、その両端に陰極と陽極を配した構造である。
一方、特許文献2には、脱塩室がアニオン交換膜とカチオン交換膜との間に配置された中間イオン交換膜で区画され、2つの小脱塩室が形成された脱塩室2セル構造のEDIが開示されている。該EDIにおける脱イオン水の製造は、電圧を印加しながら一方の小脱塩室(第一小脱塩室)に被処理水を流入させ、次いで、該小脱塩室の流出水を他方の小脱塩室(第二小脱塩室)に流入させる(直列通水)と共に、濃縮室に濃縮水を流入させ被処理水中の不純物イオンを除去して、脱イオン水を得る。このような構造のEDIによれば、2つの小脱塩室のうち、少なくとも1つの小脱塩室に充填されるイオン交換体を例えばアニオン交換体のみ、又はカチオン交換体のみ等の単床形態、もしくはアニオン交換体とカチオン交換体の混床形態とすることができ、イオン交換体の種類毎に電気抵抗を低減し、かつ高い脱イオン性能を得るための最適な厚さに設定することができる。
本発明は、被処理水の処理量を確保しつつ、スケール発生を防止でき、原水水質の変動に影響されずに高い水質の脱イオン水を得る(原水耐性)ことができるEDI及び脱イオン水の製造方法を目的とする。
従来の脱塩室2セル構造では、イオン交換体や中間イオン交換膜の配置によっては、第一小脱塩室と第二小脱塩室との間を、中間イオン交換膜を介して、シリカや炭酸、ナトリウム等のイオンが循環してしまい、濃縮室まで排出されにくいという問題があった。例えば、シリカが循環した場合には、被処理水から持ち込まれるシリカの量と、隣の脱塩室から持ち込まれるシリカの量が合算され、実際には被処理水から持ち込まれるシリカよりも、多くのシリカ量を処理することとなる。その結果、シリカを除去しきれずに、脱イオン水に漏洩したり、電気抵抗を極端に上昇させるといった問題に繋がっている。
加えて、アニオン交換膜とカチオン交換体との接点で発生したH+は、カチオン交換体の再生に寄与するが、OH−は濃縮室に移動してしまい、何の機能も果たさないという問題がある。この現象について、図4を用いて説明する。図4は、1セル構造のEDIの脱イオンモジュール220の模式図である。図4の通り、脱イオンモジュール220は、陰極側のカチオン交換膜222と、陽極側のアニオン交換膜230との間に脱塩室224が形成され、脱塩室224の両側に濃縮室234が形成され、図示されない陰極室と陽極室との間に配置されている。脱塩室224には、アニオン交換体が充填された脱塩層224aと、カチオン交換体が充填された脱塩層224bとが形成されている。被処理水を脱塩室224に通水すると、アニオン交換膜230と、脱塩層224bのカチオン交換体との界面では、脱塩室224側にH+、濃縮室234側にOH−が発生する。脱塩室224側に発生したH+は、脱塩層224bのカチオン交換体の再生に寄与するが、濃縮室234側で発生したOH−は、脱塩室224中のいずれのイオン交換体の再生にも寄与しない。同様に、カチオン交換膜222と脱塩層224aに充填したアニオン交換体との界面で発生したOH−は、脱塩層224aのアニオン交換体の再生に寄与するが、濃縮室234側で発生したH+は、脱塩室224中のいずれのイオン交換体の再生にも寄与しない。
本発明は、以上の知見を基になされたものである。
前記第二の通水手段は、複数の前記第二小脱塩室を流通した被処理水を合流させ、合流した被処理水を前記の他の第一小脱塩室に流通させることが好ましく、濃縮水を前記の任意の第一小脱塩室とアニオン交換膜又はカチオン交換膜を介して隣接する濃縮室に流通させ、次いで前記の他の第一小脱塩室とアニオン交換膜又はカチオン交換膜を介して隣接する濃縮室に流通させる手段が設けられていることがより好ましい。前記の任意の第一小脱塩室の体積V1と、前記の他の第一小脱塩室の体積V2との体積比は、V1:V2=2:8〜8:2であることが好ましく、前記の任意の第一小脱塩室に隣接する濃縮室の体積v1と、前記の他の第一小脱塩室に隣接する濃縮室の体積v2との体積比は、v1:v2=2:8〜8:2であることが好ましく、前記第一小脱塩室は、前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜との間にアニオン交換体が単床形態で充填されて形成され、前記第二小脱塩室は、前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜との間にカチオン交換体が単床形態で充填されて形成されていることがより好ましく、前記中間イオン交換膜は、カチオン交換膜、アニオン交換膜、カチオン交換膜及びアニオン交換膜の両方を配置した複式膜又はバイポーラ膜であることが好ましい。
脱イオンモジュール群2は、第一の脱イオンモジュール4と、第二の脱イオンモジュール6と、第一の脱イオンモジュール4と第二の脱イオンモジュール6との間に設けられた第二の濃縮室80とで概略構成されている。脱イオンモジュール群2には、被処理水流入ライン42と脱イオン水流出ライン102とが接続されている。
陽極室12は、陽極10と枠体11と仕切膜14とが順に配置され、枠体11の開口部にイオン交換体が充填され形成されたものである。陽極室12には、電極水流入ライン16と電極水流出ライン18とが接続されている。
陰極室152は、陽極10側から仕切膜154と枠体151と陰極150とが順に配置され、枠体151の開口部にイオン交換体が充填され形成されたものである。陰極室152には、電極水流入ライン156と電極水流出ライン158とが接続されている。
第二の濃縮室80は、カチオン交換膜70とアニオン交換膜90との間、即ち、第一の脱イオンモジュール4と第二の脱イオンモジュール6との間に枠体81が配置され、枠体81の開口部にアニオン交換体が単床形態で充填され形成されたものである。第二の濃縮室80には、濃縮水流入ライン82と濃縮水流出ライン83とが接続されている。
第三の濃縮室140は、仕切膜154とカチオン交換膜130との間に枠体141が配置され、枠体141の開口部にアニオン交換体が単床形態で充填され形成されたものである。第三の濃縮室140には、濃縮水流入ライン142と濃縮水流出ライン143とが接続されている。
濃縮水流出ライン23と濃縮水流入ライン82とは、図示されない配管により接続されている。
第一小脱塩室100に充填するアニオン交換体は、第一小脱塩室40に充填するアニオン交換体と同様である。
第二小脱塩室120に充填するカチオン交換体は、第二小脱塩室60に充填するカチオン交換体と同様である。
枠体41の厚さは特に限定されることなく、所望する第一小脱塩室40の厚さに応じて設定することができる。例えば、第一小脱塩室40の厚さは、4〜16mmが好ましく、6〜12mmがより好ましい。4mm未満であると被処理水の滞留時間が十分に確保できず脱イオン水の水質が低下するおそれがある。16mmを超えると、第一の脱イオンモジュール4の成形が困難になる傾向となる。
また、第一小脱塩室40の厚さと第一小脱塩室100の厚さとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第一小脱塩室40の厚さと第一小脱塩室100の厚さとは、各小脱塩室に求める体積に応じて決定できる。例えば、各小脱塩室の厚さは、前段の小脱塩室である第一小脱塩室40の体積V1と、後段の小脱塩室である第一小脱塩室100の体積V2との体積比が、好ましくはV1:V2=2:8〜8:2となるように設定される。上記範囲内であれば、第一小脱塩室100における被処理水の通水差圧を抑制できると共に、被処理水中のアニオン成分(Cl−、HCO3 −、CO3 2−、SiO2等)を良好に除去できるためである。
陰極150は、陰極としての機能を発揮するものであれば特に限定されず、例えば、板状のステンレスや網状のステンレス、又は、白金、パラジウム、イリジウム等の貴金属、あるいは前記貴金属をチタン等に被覆した網状あるいは板状の電極を挙げることができる。
陽極室12に充填されるイオン交換体は、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、モノリス状多孔質イオン交換体等が挙げられ、最も汎用的なイオン交換樹脂が好適に用いられる。イオン交換体の充填形態は、被処理水の水質等を勘案して決定でき、例えば、アニオン交換体の単床形態、カチオン交換体の単床形態もしくはアニオン交換体とカチオン交換体との混床形態又は複床形態が挙げられる。
枠体21の材質は枠体41と同様である。枠体21の厚さは、第一の濃縮室20に求める厚さに応じて決定できる。第一の濃縮室20の厚さは、例えば、3〜10mmとされる。
枠体81の材質は、枠体41と同様である。枠体81の厚さは、第二の濃縮室80に求める厚さに応じて決定できる。第二の濃縮室80の厚さは、例えば、3〜10mmとされる。
枠体141の材質は、枠体41と同様である。枠体141の厚さは、第三の濃縮室140に求める厚さに応じて決定できる。第三の濃縮室140の厚さは、例えば、3〜10mmとされる。
印加する電流は、被処理水の水質やEDI1の規模等を勘案して決定される。
なお、第一小脱塩室40に流入する被処理水には、多種類のアニオン成分が含まれていることが想定される。このような被処理水が第一小脱塩室40を流通すると、HCO3 −、CO3 −、Cl−等が優先的にアニオン交換体に吸着され、第一の濃縮室20に移動する。一方、OH−の第一の濃縮室20への移動は少ない。このため、第一の濃縮室20を流通した濃縮水は、OH−に比べHCO3 −、CO3 −、Cl−等を多く含んだ状態で、濃縮水流出ライン23、濃縮水流入ライン82を流通し、第二の濃縮室80に流入する。
第二の濃縮室80を流通する濃縮水には、第一小脱塩室40又は第二小脱塩室80で除去されたアニオン成分が含まれる。このアニオン成分の内、HCO3 −、CO3 −は、ガス化してカチオン交換膜70を透過し、第二小脱塩室60に移動してくる場合がある。このように、第二の濃縮室80から第二小脱塩室60に移動し被処理水に混入したHCO3 −、CO3 −は、さらに被処理水が第一小脱塩室100を流通させることで除去できる。
加えて、第一小脱塩室40を流通した被処理水を第二小脱塩室60と第二小脱塩室120とに分配するため、第二小脱塩室60又は第二小脱塩室120における通水差圧の上昇を抑制できる。通水差圧の上昇を抑制することで、各第二小脱塩室での被処理水の滞留時間を十分なものとし、カチオン成分を良好に除去できる。さらに、通水差圧の上昇を抑制することで、EDI1での被処理水の処理量を低減することなく、高い水質の脱イオン水を安定的に製造できる。
上述の実施形態では、EDI1に1つの脱イオンモジュール群2が設けられているが、例えば、2つ以上の脱イオンモジュール群2が設けられていてもよい。2つ以上の脱イオンモジュール群2を設ける場合、各脱イオンモジュール群2でそれぞれ個別に脱イオン水を製造してもよいし、2つ以上の脱イオンモジュール群2に直列通水して脱イオン水を製造してもよい。
加えて、最初に濃縮水を流通させる前段の濃縮室の数と後段の濃縮室の数とは、前段の濃縮室の合計の体積v1と後段の濃縮室の合計の体積v2との体積が、v1:v2=2:8〜8:2となるように、設定することが好ましい。
なお、中間イオン交換膜50と中間イオン交換膜110には、異なる種類のイオン交換膜を用いてもよい。
なお、カチオン成分に比べて、アニオン成分が不純物として多く含まれる水を被処理水とする場合には、アニオン交換膜と中間イオン交換膜との間に形成された小脱塩室を第一小脱塩室とし、カチオン交換膜と中間交換膜との間に形成された小脱塩室を第二小脱塩室とすることが好ましい。
<導電率・比抵抗>
水質評価には導電率ならびに比抵抗を用いた。不純物を全く含んでいない水の場合、25℃の水における導電率の理論値は0.055μS/cm、比抵抗の理論値は18.2MΩ・cmとなる。脱イオン水の水質は、比抵抗が18.2MΩ・cmに近づき、かつ高ければ高いほど水質としては清浄であると評価できる。脱イオン水の水質評価は、比抵抗をもって行った。
導電率は、導電率計(873CC、FOXBORO社製)を用いて測定した。また、比抵抗は、比抵抗計(873RS、FOXBORO社製)を用いて測定した。
EDIの処理性能の一指標となるシリカ濃度を測定することにより、水質評価を行った。シリカ濃度は、分光光度計(U−3010、株式会社日立ハイテクノロジー製)を用い、モリブデン青吸光光度法により測定した。
各例のEDIの通水差圧として、脱塩室差圧を測定した。脱塩室差圧は、圧力計(GS50、長野計器株式会社製)を用い、各例のEDIに対する被処理水の供給圧(P1)と、脱イオン水流出ラインでの脱イオン水の排出圧(P2)とを測定し、下記(2)により算出した。
下記仕様にて、図2に示すEDI1と同様のEDI−Aを製造した。EDI−Aには、4つの脱イオンモジュールからなる脱イオンモジュール群が1つ設けられている。
EDI−Aは、被処理水を2つの第一小脱塩室(前段の第一小脱塩室)に下降流で流通させた後、4つの第二小脱塩室に分配し下降流で流通させ、その後、4つの第二小脱塩室を流通した被処理水を合流させ、再度、残りの2つの第一小脱塩室(後段の第一小脱塩室)に分配して下降流で流通する構造とした。加えて、EDI−Aは、濃縮水を前段の第一小脱塩室とアニオン交換膜を介して隣接する2つの濃縮室に上昇流で流通させた後、後段の第一小脱塩室とアニオン交換膜を介して隣接する2つの濃縮室及び残りの濃縮室に分配し、上昇流で流通させる構造とした。電極水は、陰極室に上昇流で流通させた後、陽極室に上昇流で流通させた。
得られたEDI−Aを用い、下記運転条件にて脱イオン水の製造を2000時間、連続で行った。運転開始2000時間後に、得られた脱イオン水の比抵抗、シリカ濃度、脱塩室差圧、EDI−Aの平均印加電圧を測定し、その結果を表1に示す。
なお、被処理水の硬度は、原子吸光分光光度計(SpectrAA、VARIAN社製)での測定値であり、全炭酸濃度は湿式紫外線酸化TOC分析計(900型、SIEVERS社製)での測定値である。
(1)カチオン交換膜:株式会社アストム製
(2)中間イオン交換膜:株式会社アストム製アニオン交換膜
(3)アニオン交換膜:株式会社アストム製
(4)第一小脱塩室厚さ:9mm
(5)第二小脱塩室厚さ:9mm
(6)脱塩室寸法:幅280mm×高さ400mm
(7)第一小脱塩室充填イオン交換体:アニオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製)単床形態
(8)第二小脱塩室充填イオン交換体:カチオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製)単床形態
(9)濃縮室充填イオン交換体:アニオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製)単床形態
(10)前段の第一小脱塩室数:2つ
(11)後段の第一小脱塩室数:2つ
(1)被処理水:工業用水を逆浸透膜装置で処理して得た水
(2)被処理水の導電率:7.7μS/cm
(3)被処理水の比抵抗:0.13MΩ・cm
(4)被処理水中のシリカ濃度:889μg/L
(5)被処理水中硬度:0.27mgCaCO3/L
(6)被処理水中全炭酸濃度:8.2mgCO2/L
(7)被処理水供給量:0.4m3/h
(8)濃縮水供給量:0.1m3/h
(9)電極水供給量:10L/h
(10)運転電流値:2.5A
前段の第一小脱塩室数を3つとし、後段の第一小脱塩室数を1つとした以外は、実施例1と同様の仕様で、EDI−Bを製造した。EDI−Bを用い、実施例1と同様の条件で脱イオン水の製造を行った。運転開始2000時間後に、得られた脱イオン水の比抵抗、シリカ濃度、脱塩室差圧、EDI−Bの平均印加電圧を測定し、その結果を表1に示す。
脱イオン水を4つの第一小脱塩室に分配し下降流で流通させた後、4つの第一小脱塩室を流通した被処理水を合流させ、再度、4つの第二小脱塩室に分配し下降流で流通させる構造とした。加えて、全ての濃縮室に独立して濃縮水を上昇流で流通させる構造とした。これらの変更点以外は、実施例1と同様の仕様でEDI−Cを得た。EDI−Cを用い、実施例1と同様の条件で脱イオン水の製造を行った。運転開始2000時間後に、得られた脱イオン水の比抵抗、シリカ濃度、脱塩室差圧、EDI−Cの平均印加電圧を測定し、その結果を表1に示す。
脱イオンモジュール毎には、被処理水を第一小脱塩室に下降流で流通させ、第一小脱塩室を流通した被処理水を第二小脱塩室に下降流で流通させる構造とした。さらに、4つの脱イオンモジュールに、脱イオン水を直列通水する構造とした。これらの変更点以外は、実施例1と同様の仕様で、EDI−Dを製造した。EDI−Dを用い、実施例1と同様の条件で脱イオン水の製造を行った。EDI−Dは、運転開始直後に脱塩室差圧が0.6MPa以上となり、脱イオン水の製造ができなくなった。本比較例では、運転開始直後に得られた脱イオン水の比抵抗、シリカ濃度、脱塩室差圧、EDI−Dの平均印加電圧を測定し、その結果を参考値として表1に示す。
前段の第一小脱塩室を2つとし、後段の第一小脱塩室を2つとし、被処理水を流通させた実施例1は、比抵抗16.6MΩ・cm、シリカ濃度21μg/Lという極めて高い水質の脱イオン水が得られた。前段の第一小脱塩室を3つとし、後段の第一小脱塩室を1つとし、被処理水を流通させた実施例2は、比抵抗17.1MΩ・cm、シリカ濃度13μg/Lという、実施例1よりもさらに高い水質の脱イオン水が得られた。
これに対し、4つの脱イオンモジュールに独立して被処理水を流通させた比較例2では、比抵抗2.2、シリカ濃度750μg/Lという、低い水質の脱イオン水が得られた。また、4つの脱イオンモジュールに直列通水した比較例4は、比抵抗17.8MΩ・cm、シリカ濃度7μg/Lという高い水質が得られた。
加えて、実施例1、2、比較例1では、いずれも脱塩室差圧が0.2MPa未満であり、実用的なものであった。これに対し、比較例2は、脱イオン水の製造開始直後に脱塩室差圧が0.6MPa以上となり、運転できなかった。
運転開始2000時間後のEDI−A及びEDI−Bを分解して目視観察したところ、スケールの発生は見られなかった。
10 陽極
20、80、140、234 濃縮室
30、90、230 アニオン交換膜
39、99、224 脱塩室
40、100 第一小脱塩室
50、110 中間イオン交換膜
60、120 第二小脱塩室
70、130、222 カチオン交換膜
150 陰極
Claims (8)
- 陰極側のカチオン交換膜と陽極側のアニオン交換膜とで区画され、被処理水を流通する複数の脱塩室が設けられ、
前記カチオン交換膜又は前記アニオン交換膜を介して前記脱塩室の両側に、濃縮水を流通する濃縮室が設けられ、
前記脱塩室には、前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜との間に配置された中間イオン交換膜によって、その厚さ方向に区画された第一小脱塩室と第二小脱塩室が形成され、
任意の前記第一小脱塩室を流通した被処理水を分配し、分配した被処理水を任意の複数の前記第二小脱塩室に流通させる第一の通水手段が設けられ、
前記の任意の第二小脱塩室を流通した被処理水を他の前記第一小脱塩室に流通させる第二の通水手段が設けられていることを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置。 - 前記第二の通水手段は、複数の前記第二小脱塩室を流通した被処理水を合流させ、合流した被処理水を前記の他の第一小脱塩室に流通させることを特徴とする、請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置。
- 濃縮水を前記の任意の第一小脱塩室とアニオン交換膜又はカチオン交換膜を介して隣接する濃縮室に流通させ、次いで前記の他の第一小脱塩室とアニオン交換膜又はカチオン交換膜を介して隣接する濃縮室に流通させる手段が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気式脱イオン水製造装置。
- 前記の任意の第一小脱塩室の体積V1と、前記の他の第一小脱塩室の体積V2との体積比は、V1:V2=2:8〜8:2であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
- 前記の任意の第一小脱塩室に隣接する濃縮室の体積v1と、前記の他の第一小脱塩室に隣接する濃縮室の体積v2との体積比は、v1:v2=2:8〜8:2であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の電気式脱イオン水製造装置。
- 前記第一小脱塩室は、前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜との間にアニオン交換体が単床形態で充填されて形成され、前記第二小脱塩室は、前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜との間にカチオン交換体が単床形態で充填されて形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
- 前記中間イオン交換膜は、カチオン交換膜、アニオン交換膜、カチオン交換膜及びアニオン交換膜の両方を配置した複式膜又はバイポーラ膜であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置を用いた脱イオン水の製造方法であって、任意の前記第一小脱塩室に流通させた被処理水を分配し、分配した被処理水を任意の複数の前記第二小脱塩室に流通させ、さらに他の前記第一小脱塩室に流通させることを特徴とする、脱イオン水の製造方法。
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