JP2013113472A - 熱交換器 - Google Patents

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博史 西田
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Abstract

【課題】水の凍結による樹脂構造体の破裂を防止することができる熱交換器を提供する
【解決手段】熱交換器1Aは、水流路3を形成する樹脂構造体2と、冷媒管4を備えている。水流路3は、樹脂構造体2の外周側から中心側に向かって次第に小さくなるように構成された複数のU字部31と、複数のU字部31を連続させるように隣り合うU字部31の端部同士を接続する連絡部32を含む。複数のU字部31のうち最も外周側に位置する最外U字部31の端部は水入口3aにつながり、複数のU字部31のうち最も中心側に位置する最内U字部31の端部が水出口3bにつながっている。最内U字部31には、当該最内U字部31内の圧力の上昇を吸収する圧力緩和手段が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、水と冷媒との間で熱交換を行う熱交換器に関する。
昨今、ヒートポンプ給湯機が広く普及しつつある。ヒートポンプ給湯機は、一般に、冷媒の熱を水に移して湯を生成するための熱交換器を備えている。例えば、特許文献1には、図12(a)および(b)に示すようなヒートポンプ給湯機用の熱交換器100が開示されている。
熱交換器100は、内部空間により水流路120を形成する構造体110と、水流路120に沿って延びて構造体110を貫通する冷媒管130を備えている。構造体110は平面視で長方形状の一対の板が接合されたものであり、水流路120は蛇行しながら構造体110の短辺方向に延びている。より詳しくは、水流路120は、互いに平行な直線部と、直線部の端部同士をつなぐ屈曲部とを有している。なお、特許文献1には、一対の板を構成する材料として樹脂を用いてもよいことが記載されている。
特開2005−249325号公報
しかしながら、構造体110が樹脂で構成された場合には、樹脂は金属のように大きく伸びることがないため、外気温が低下して水流路120内の水が凍結したときに、水の体積膨張によって構造体110が破裂するおそれがある。
本発明は、水の凍結による樹脂構造体の破裂を防止することができる熱交換器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の熱交換器は、水と冷媒との間で熱交換を行う熱交換器であって、内部空間により平面的に水が流れる水流路を形成する樹脂構造体と、前記水流路に沿って延びて前記樹脂構造体を貫通する、内部に冷媒が流れる冷媒管と、を備え、前記水流路は、前記樹脂構造体の外周側から中心側に向かって次第に小さくなるように構成された複数のU字部と、前記複数のU字部を連続させるように隣り合うU字部の端部同士を接続する連絡部と、前記複数のU字部のうち最も外周側に位置する最外U字部の端部がつながる水入口と、前記複数のU字部のうち最も中心側に位置する最内U字部の端部がつながる水出口と、を含み、前記最内U字部には、当該最内U字部内の圧力の上昇を吸収する圧力緩和手段が設けられている、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、水の凍結による樹脂構造体の破裂を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る熱交換器の斜視図 図1のII−II線に沿った横断面図 図3(a)は図1に示す熱交換器の圧力逃がし弁付近での拡大縦断面図、(b)は圧力逃がし弁の動作を説明する図 変形例の熱交換器の横断面図 別の変形例の熱交換器の横断面図 本発明の第2実施形態に係る熱交換器の斜視図 図6に示す熱交換器の圧力逃がし弁付近での拡大縦断面図 参照例の熱交換器の横断面図 本発明の第3実施形態に係る熱交換器の斜視図 図9のIX−IX線に沿った横断面図 第1〜第3実施形態に係る熱交換器が用いられるヒートポンプ給湯機の構成図 (a)は従来の熱交換器の平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図
本発明の発明者らは、鋭意研究の結果、構造体の中心側よりも外周側で水流路内の水が早く凍結するため、従来の熱交換器のように水流路が蛇行していると、水流路の屈曲部で先に水が凍結し、各直線部で水の体積膨張による圧力上昇が発生することを見出した。さらに、発明者らは、水出口は通常貯湯タンクに接続されるため、水出口は水入口よりも水の凍結が生じ難いことを見出した。そして、水流路の形状を適切に設計することにより、水の凍結を水入口から水出口に向かって進ませ、水の体積膨張による圧力上昇を水出口近傍に集中させることを思い付いた。本発明は、このような観点からなされたものである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の実施形態によって限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1および図2に、本発明の第1実施形態に係る熱交換器1Aを示す。この熱交換器1Aは、水と冷媒との間で熱交換を行って湯を生成するものであり、例えば図11に示すヒートポンプ給湯機200に用いられる。
ヒートポンプ給湯機200は、ヒートポンプユニット205と貯湯タンク220を備えており、貯湯タンク220内の湯が給湯栓230に供給される。ヒートポンプユニット205は、冷媒を圧縮する圧縮機211、冷媒を冷却する放熱器212、冷媒を膨張させる膨張弁213および冷媒を蒸発させる蒸発器214がこの順に接続された、冷媒を循環させるヒートポンプ回路210を有している。そして、放熱器212として本実施形態の熱交換器1Aが用いられる。なお、膨張弁213に代えて、冷媒の膨張エネルギーを回収可能な容積式膨張機が用いられていてもよい。冷媒としては、二酸化炭素や代替フロン等を用いることができるが、GWP(Global Warming Potential)が低く、かつ、水を沸点に近い温度まで加熱することができる二酸化炭素を用いることが好ましい。なお、複数の熱交換器1Aを並列に接続して使用してもよい。
具体的に、熱交換器1Aは、樹脂構造体2と冷媒管4を備えている。樹脂構造体2は、内部空間により平面的に水が流れる水流路3を形成する。冷媒管4は、水流路3に沿って延びて樹脂構造体2を貫通している。冷媒管4の内部には、水流路3の水の流れ方向と反対向きに冷媒が流れる。すなわち、冷媒管4の上流端は水流路3の一端である水出口3b側に位置し、下流端は水流路3の他端である水入口3a側に位置する。
図11に示すヒートポンプ給湯機200では、冷媒管4の上流端が圧縮機211に接続され、下流端が膨張弁213に接続される。そして、圧縮機211で圧縮された高温の冷媒が冷媒管4に流入し、水流路3を流れる水によって冷却された冷媒が冷媒管4から流出して膨張弁213に導かれる。一方、水流路3の水入口3aは貯湯タンク220の下部に接続され、水出口3bは貯湯タンク220の上部に接続される。そして、貯湯タンク220内で低温となった水、あるいは水道水栓から貯湯タンク220内に供給された水が水流路3に流入し、冷媒管4内を流れる冷媒によって加熱された水(湯)が水流路3から流出して貯湯タンク220の上部に貯えられる。
冷媒管4としては、一対の管が寄り合わされたツイスト管を用いてもよいし、蛇行する複数の管が重ね合わされた重合管を用いてもよい。
樹脂構造体2を構成する材料としては、例えばポリアミド、PPやPPSなどの耐熱性の樹脂を用いることができる。樹脂構造体2の製造方法は、例えば、樹脂構造体2を上下に二分割した、水流路3を規定する溝を有する2枚の板を射出成形によって作製し、それらの板の間に水流路3に沿った形状の冷媒管4を介在させた状態で、それらの板を振動溶着等で貼り合わせる。
本実施形態では、樹脂構造体2は、平面視で(後述するU字部31が並ぶ方向と直交する方向から見たときに)長方形状であり、水入口3aおよび水出口3bが樹脂構造体2の同じ短辺に位置している。ただし、樹脂構造体2は平面視で正方形状であってもよい。また、樹脂構造体2は必ずしも平面視で矩形状である必要はなく、例えば円形状や長円状などであってもよい。
樹脂構造体2の厚さ方向の両主面は、水流路3に対応する部分が盛り上がるように凸凹していてもよい。
図2に示すように、水流路3は、樹脂構造体2の中央部から水出口3bまで延びる、樹脂構造体2の長辺と平行な直線を基準線とし、この基準線の両側で少なくとも一回ずつ略180度折り返す迷路状の形状を有している。より詳しくは、水流路3は、相似形の複数(図例では4つ)のU字部31と、複数のU字部31を連続させるように隣り合うU字部31の端部同士を接続する連絡部32と、を含む。そして、複数のU字部31のうち最も外周側に位置する最外U字部31の端部は水入口3aにつながり、複数のU字部31のうち最も中心側に位置する最内U字部の端部は水出口3bにつながっている。
複数のU字部31は、樹脂構造体2の外周側から中心側に向かって次第に小さくなるように構成されている。本実施形態では、各U字部31が一対の直線部とこれらをつなぐ折り返し部で構成されている。ただし、各U字部31は、全体的に丸みを帯びたC字状であってもよい。折り返し部は、全体的にまたは両端部のみが丸みを帯びた形状を有している(図2では、図示を簡略化するために、折り返し部を直線状で描いている)。
本実施形態では、最外U字部31とこれに隣接するU字部31の間の連絡部32が樹脂構造体2の短辺に沿って水出口3bに近づくようなU字状であり、その他の連絡部32は樹脂構造体2の短辺に沿って隣り合うU字部31の端部同士に跨っている。最内U字部31とこれに隣接するU字部31の間の連絡部32は樹脂構造体2の短辺から少し離れた位置に位置しており、それらの間に確保される領域内に、最外U字部31とこれに隣接するU字部31の間の連絡部32が張り出している。各連絡部32は、全体的に丸みを帯びた形状を有していてもよいし、部分的に直線状の部分を有していてもよい。
最内U字部31には、当該最内U字部31内の圧力の上昇を吸収する圧力緩和手段として圧力逃がし弁5が設けられている。圧力逃がし弁5は、最内U字部31内の圧力が所定値以上になったときに最内U字部31内の水を樹脂構造体2外に流出させるものである。
本実施形態では、最内U字部31の折り返し部の幅が広く設定されており、ここに圧力逃がし弁5が配置されている。ただし、圧力逃がし弁5は、必ずしも最内U字部31の折り返し部に配置されている必要はない。例えば、圧力逃がし弁5は、最内U字部31の各直線部のうち折り返し部側の半分の領域内に配置されていてもよい。
圧力逃がし弁5は、図3(a)および(b)に示すように、樹脂構造体2に設けられた穴21を水が漏れないように閉塞するゴム製の弁体51、弁体51を樹脂構造体2に押し付けるスプリング52、スプリング52を保持する保持具53から構成されている。保持具53は樹脂構造体2にボルト等(図示せず)で固定され、樹脂構造体2の穴21から水が流出したときに水を排出する排出口54を有する。
次に、本実施形態の熱交換器1Aにおいて凍結が生じる際の動作について詳しく説明する。
従来から、ヒートポンプ給湯機用の熱交換器では、冬季の凍結防止策として、外気温が0℃以下になりそうな時に、熱交換器内に水を流すなどの策が講じられる。図1で説明するとすれば、水入口3aより通常は0℃以上の水道水を流して内部が凍結しないようにしている。あるいは、使用者に水抜きを促して熱交換器内の水をある程度抜いてしまって、凍結する水自体を無くしてしまう対策もある。
しかしながら、停電時あるいは使用者が電源を切ってしまった場合で、あらかじめ水抜きをしなかったとき、従来の熱交換器では内部の水の凍結を回避する術は存在しない。本実施形態の熱交換器1Aでは、このような場合の水の凍結によって起こる水の体積膨張による熱交換器1Aの破裂を防止することができる。
樹脂構造体2の外周側は水流路3と外気との間の熱抵抗が小さいために放熱しやすい。従って、外気温が低下すると、樹脂構造体2の外周側から凍結が進む。特に水入口3aは、図示していないが接続される配管等もあり、熱伝導によって放熱しやすく、最も凍結が進む場所である。
一方で、水出口3bにも配管が接続されるが、こちらは高温の湯側なので、比較的温度が高いままの場合が多く、また湯の温度を下げないための断熱材が巻かれていることが殆どであり、放熱し難い。つまり水出口3bは水入口3aに比べて凍結の進みは遅い。
樹脂構造体2では、外周側から中心側に向かって水流路3と外気との間の熱抵抗が漸次大きくなるので、中心側に向かって放熱し難くなり、凍結の進み方向は外周側から中心側に向かう方向となる。水流路3は樹脂構造体2の外周側から中心側に徐々にシフトするので、U字部31においては最外U字部31から順に凍結が進む。
凍結は体積膨張を伴うので、凍結の進みに従い、体積膨張も進んでいく。水流路3は閉空間なので体積膨張の進む方向へ水が押し出されていくことになる。つまり、水は樹脂構造体2の外周側から中心側へ向かって押し出されていく。
一方で、水出口3b付近も水入口3aよりも遅れて凍結が進む。ただし、水出口3b付近から最内U字部31の折り返し部までは、水流路3と外気との間の熱抵抗が大きいので放熱がされ難く、凍結が進む速度は遅い。それでも徐々に水が水出口3bより最内U字部31の折り返し部へ押し出されていくことになる。
以上のように、水入口3aと水出口3bの両側から水が押し出されていくと、樹脂構造体2の最も中心側に位置する最内U字部31内で圧力が高まっていく。本実施形態では、最内U字部31に圧力逃がし弁5が設けられている。最内U字部31内の圧力上昇により弁体51が押し上げられ、圧力逃がし弁5が開く(図3(b)参照)。これにより、最内U字部31内の水が樹脂構造体2外へ流出する。
水道圧は通常、最大で0.75MPaとされているので、弁体51を樹脂構造体2に押し付けるスプリング52による圧力は1MPa以上であることが好ましい。スプリング52による圧力は、例えば2MPaである。また、樹脂構造体2の耐圧強度は例えば3MPaであり、この耐圧強度よりもスプリング52による圧力が低いことが肝要である。なお、スプリング52による圧力は、スプリング52の押し付け力を弁体51が閉塞する穴21の面積で割った値となる。また、スプリング51の押し付け力は、スプリング51のバネ定数およびたわみ量で決定される。
弁体51を押し上げて樹脂構造体2外へ流出した水は、排出口54を通じて圧力逃がし弁5の外に排出される。水の凍結による体積膨張により排出される水は水流路3内の水の9%以下であるので、その後の使用中に蒸発して無くなってしまうような問題ない量である。ただし、排出口54に排水管を接続するなどして排出されて水を他の場所に導いてもよい。排出された水が凍結しないように、排水管は断熱されることが好ましい。
以上のように体積膨張に相当する量の水が穴21から流出すると、最内U字部31内の圧力は低下するので、弁体51は下がって再び穴21を閉塞する。このようにして、水流路3内の圧力は樹脂構造体2の耐圧強度未満に保たれるので、凍結による破裂を防ぐことが可能となる。
<変形例>
前記実施形態では、水入口3aおよび水出口3bが樹脂構造体2の同じ短辺に位置していたが、図4に示すように、水入口3aおよび水出口3bが樹脂構造体2の異なる辺に位置していてもよい。図4に示す例では、最外U字部31の端部がU字状の方向変換部33を介して水入口3aにつながっている。
また、図5に示すように、全ての連絡部32が樹脂構造体2の短辺に沿って隣り合うU字部31の端部同士に跨っていてもよい。図5に示す水流路3の形状は、図2に示す水流路3の形状に比べて比較的に単純なので、冷媒管4の曲げ加工や冷媒管3の水流路3内への敷設が簡単になり製造コスト削減につながる。ただし、図5中に矢印A〜Cで示すように、水流路3の水入口3aから水出口3bに近づくほど連絡部32が樹脂構造体2の短辺から遠ざかるように配置し、水流路3が樹脂構造体2の中心側へ向かうにしたがって水流路3と外気との間の熱抵抗を大きくとるようにすることが望ましい。
(第2実施形態)
次に、図6および図7を参照して、本発明の第2実施形態に係る熱交換器1Bを説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略することがある。この点は、後述する第3実施形態でも同様である。
本実施形態では、冷媒管4に貫通された、同じ形状の水流路3を形成する複数(図例では3つ)の樹脂構造体2が積層されている。積層方向は、水平方向であってもよいが、本実施形態では鉛直方向である。そして、積層された樹脂構造体2のうち最も上方に位置する樹脂構造体2に圧力逃がし弁5が取り付けられている。
全ての樹脂構造体2には、隣り合う樹脂構造体2を貫通するように貫通穴6が設けられている。そして、この貫通穴6を通じて隣り合う樹脂構造体2内の最内U字部31同士が連通している。なお、隣り合う樹脂構造体2の間には、貫通穴6から水が漏れることを防止するシール部材7(例えば、Oリング)が配置されている。
貫通穴6の位置は最内U字部31に開口する位置であれば特に制限されるものではないが、貫通穴6は圧力逃がし弁5に対応する位置に配置されていることが好ましい。ここで、「対応する位置」とは、樹脂構造体2の厚さ方向において圧力逃がし弁5と重なる位置である。
以上のように構成された熱交換器1Bにおいて凍結が生じる際の動作について詳しく説明する。ただし、以下では、最も上方に位置する樹脂構造体2を一段目の樹脂構造体2、真ん中に位置する樹脂構造体2を二段目の樹脂構造体2、最も下方に位置する樹脂構造体2を三段目の樹脂構造体2という。
気温が低下すると、全ての樹脂構造体2において水入口3aから凍結が進む。この理由は、第1実施形態でも述べたように、水入口3aが放熱しやすい樹脂構造体2の外周側に位置するからである。その後、全ての樹脂構造体2内で外周側から中心側に向かって徐々に凍結が進む。これは、一段目の樹脂構造体2であっても二段目の樹脂構造体2であっても三段目の樹脂構造体2であっても、外周側が水流路3と外気との間の熱抵抗が最も小さく、中心側に近づくほど熱抵抗が大きくなっているからである。ただし、凍結が進む速度はそれぞれ異なる。凍結が進む速度が最も遅いのは二段目の樹脂構造体2である。これは一段目および三段目の樹脂構造体2の存在により二段目の樹脂構造体2の上側および下側での熱抵抗が大きいため、換言すれば二段目の樹脂構造体2が断熱されているため、二段目の樹脂構造体2内の水流路3からの放熱が小さいからである。
一方、一段目および三段目の樹脂構造体2内の凍結の進む速度は、どちらが速いか一概には言えない。例えば三段目の樹脂構造体2が熱容量の大きい物体の上に置かれている場合、つまり冷えにくいものに接している場合は三段目の樹脂構造体2では一段目の樹脂構造体2よりも遅く凍結が進む。
以上のように全ての樹脂構造体2で凍結の進む速度は違うものの、全ての樹脂構造体2で水平方向において熱抵抗が外周側から中心側に向かって漸次大きくなっている。このため、全ての樹脂構造体2で同じように凍結が進み、徐々に水が水入口3aより樹脂構造体2の中心側へ押し出されていくことになる。
一方で、水出口3b付近も水入口3aよりも遅れて凍結が進む。ただし、水出口3b付近から最内U字部31の折り返し部までは、水流路3と外気との間の熱抵抗が小さいので放熱がされ難い。このため、水出口3bから進む凍結の速度は、水入口3aから進む凍結の速度に比べて遅い。これは全ての樹脂構造体2に言えることで、徐々に水が水出口3bより最内U字部31の折り返し部へ押し出されていくことになる。
以上のように、水入口3aと水出口3bの両側から水が押し出されていくと、全ての樹脂構造体2において最も中心側に位置する最内U字部31内で圧力が高まっていく。本実施形態では、全ての最内U字部31が連通しており、最も上方に位置する最内U字部31に圧力逃がし弁5が設けられている。三段目の樹脂構造体2内の水流路3においては、当該水流路3内での水の凍結による体積膨張に相当する量の水が貫通穴6を通じて二段目の樹脂構造体2内の水流路3に流入する。二段目の樹脂構造体2内の水流路3においては、当該水流路3内での水の凍結による体積膨張に相当する量の水、および三段目の樹脂構造体2から送り込まれた水と同量の水が貫通穴6を通じて二段目の樹脂構造体2内の水流路3に流入する。一段目の樹脂構造体2内の水流路3においては、当該水流路3内での水の凍結による体積膨張に相当する量の水、および二段目の樹脂構造体2から送り込まれた水と同量の水が、弁体51を押し上げて一段目の樹脂構造体2外に流出する。なお、圧力逃がし弁5の動作は第1実施形態で説明した通りであるためその詳細な説明は省略する。
図8は、樹脂構造体20の積層が困難な参照例の熱交換器10である。熱交換器10では、水流路30および冷媒管40の形状が渦巻き状となっている。このような水流路30の形状は、水平方向における水流路30と外気との間の熱抵抗が樹脂構造体20の外周側から中心側に向かって漸次大きくなる最も単純な形である。しかしながら、この水流路30を形成する樹脂構造体20を本実施形態のように複数枚重ね合わせた場合、樹脂構造体20の中心側で突出する水出口の存在により、樹脂構造体20を密着して重ね合わせることができなくなる。密着して重ね合わせることができないならば、スペースを大きく取るばかりか、断熱性も悪くなり、熱交換性能の低下も招きかねない。
これに対し、本実施形態のような水流路3の形状であれば、水出口3bが水平方向に突出するため、樹脂構造体2を密着して重ね合わせることができる。
(第3実施形態)
次に、図9および図10を参照して、本発明の第3実施形態に係る熱交換器1Cを説明する。本実施形態は、圧力緩和手段として、最内U字部31内に配置された、圧力を受けて体積収縮する弾性部材8が採用されている。
より詳しくは、最内U字部31では水出口3b側の直線部の幅が広く設定されており、この直線部内にほぼ全長に亘って弾性部材8が配置されている。本実施形態では、弾性部材8として中空チューブが用いられている。中空チューブは、内部に空気が充填され、その両端が熱溶着によって閉じられた密閉構造となっている。中空チューブの材質は、例えばポリエチレンである。
前述した第1実施形態と同じように凍結が進むと、水入口3aと水出口3bより徐々に水が押し出され、最内U字部31内の圧力が高まっていく。ここに圧力を受けて体積収縮する弾性部材8である中空チューブが配置されているので、中空チューブが圧力によって変形し体積収縮を起こす。中空チューブの体積収縮によって最内U字部31内の圧力の上昇が吸収され、凍結による熱交換器1Cの破裂を防ぐことが可能となる。
中空チューブの大きさとしては、空気が充填される内部容積が水流路3の全体容積の9%以上であることが望ましい。水が氷へと凍結する際、体積膨張が約9%あるからである。ただし、樹脂構造体2自体も圧力によって多少伸びるので、実際の体積収縮は9%以下でも破裂を防止することができる。例えば樹脂構造体2の最大の耐圧強度を発現する時の最大伸び率が2%であった場合、その差である7%がおおよその必要な中空チューブの内部容積となる。
より正確には、中空チューブ内の空気は圧力によって圧縮されるものの、消滅することはないので、圧縮後の空気の体積も残ることになる。その体積は、例えば樹脂構造体2の耐圧強度が3MPaであった場合、大気圧が0.1MPaとして、圧縮前の体積の1/30となる。つまり圧縮前の体積の29/30が体積収縮分であるので、必要な体積収縮分に30/29をかけた分が必要な中空チューブの内部容積である。
したがって、中空チューブの内部容積は、水流路3の全体容積の9%に上記の最大伸び率を減じた値に、(耐圧強度と大気圧の比)/(耐圧強度と大気圧の比−1)を乗じた分となる。
本実施形態では、弾性部材8として中空チューブを用いたが、発泡体を用いることも可能である。発泡体としては、ゴムスポンジが圧縮されやすく好適であるが、内部の気泡は独立気泡であることが求められる。連続気泡であると内部へ水が浸入し、圧力を受けたときに体積収縮しなくなる恐れがあるからである。
本発明の熱交換器は、ヒートポンプ給湯機に好適に使用できる。ただし、本発明の熱交換器は、ヒートポンプ給湯機以外にも、ガス給湯機、温水暖房機等の他の機器に使用できる。また、給湯以外の用途、例えば冷水機に本発明の熱交換器を使用できる。
1A〜1C 熱交換器
2 樹脂構造体
3 水流路
3a 水入口
3b 水出口
31 U字部
32 連絡部
4 冷媒管
5 圧力逃がし弁(圧力緩和手段)
6 貫通穴
8 弾性部材(圧力緩和手段)

Claims (7)

  1. 水と冷媒との間で熱交換を行う熱交換器であって、
    内部空間により平面的に水が流れる水流路を形成する樹脂構造体と、
    前記水流路に沿って延びて前記樹脂構造体を貫通する、内部に冷媒が流れる冷媒管と、を備え、
    前記水流路は、前記樹脂構造体の外周側から中心側に向かって次第に小さくなるように構成された複数のU字部と、前記複数のU字部を連続させるように隣り合うU字部の端部同士を接続する連絡部と、前記複数のU字部のうち最も外周側に位置する最外U字部の端部がつながる水入口と、前記複数のU字部のうち最も中心側に位置する最内U字部の端部がつながる水出口と、を含み、
    前記最内U字部には、当該最内U字部内の圧力の上昇を吸収する圧力緩和手段が設けられている、熱交換器。
  2. 前記樹脂構造体は、前記複数のU字部が並ぶ方向と直交する方向から見たときに矩形状であり、前記水入口および前記水出口が前記樹脂構造体の同じ辺に位置している、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記圧力緩和手段は、前記最内U字部内の圧力が所定値以上になったときに前記最内U字部内の水を前記樹脂構造体外に流出させる圧力逃がし弁である、請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記圧力緩和手段は、前記最内U字部内に配置された、圧力を受けて体積収縮する弾性部材である、請求項1または2に記載の熱交換器。
  5. 前記弾性部材は、中空体または発泡体である、請求項4に記載の熱交換器。
  6. 前記冷媒管に貫通された前記樹脂構造体が複数積層されており、
    隣り合う前記樹脂構造体内の前記最内U字部同士は、隣り合う前記樹脂構造体を貫通する貫通穴を通じて連通している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱交換器。
  7. 前記貫通穴は、前記圧力緩和手段に対応する位置に配置されている、請求項6に記載の熱交換器。
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