JP2013111678A - 鋸刃 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高価な高周波加熱装置や超砥粒チップの接合位置を鋸刃基板に合わせるための専用治具等を必要とせず、簡単な工具のみで容易に超砥粒チップを鋸刃基板に着脱可能な超砥粒チップを切れ歯とする鋸刃の提供。
【解決手段】 チップホルダ5に接合された超砥粒チップ9を切れ歯とする鋸刃1にして、前記チップホルダに超砥粒チップ接合座部を設け、該超砥粒チップ接合座部に下方に突出する走行方向固定部を設けると共に、前記チップホルダの帯幅方向の位置を規定する帯幅位置規定部と、前記鋸刃の鋸刃基板3の両側面に当接係合する取付片とを設け、前記鋸刃基板に前記帯幅位置規定部に当接係合する帯幅位置係合部と、前記走行方向固定部に嵌合する嵌合溝とを設け、前記超砥粒チップ接合座部に超砥粒チップを接合した前記チップホルダを前記鋸刃基板に着脱可能に設けたことを特徴とする鋸刃。
【選択図】図1
【解決手段】 チップホルダ5に接合された超砥粒チップ9を切れ歯とする鋸刃1にして、前記チップホルダに超砥粒チップ接合座部を設け、該超砥粒チップ接合座部に下方に突出する走行方向固定部を設けると共に、前記チップホルダの帯幅方向の位置を規定する帯幅位置規定部と、前記鋸刃の鋸刃基板3の両側面に当接係合する取付片とを設け、前記鋸刃基板に前記帯幅位置規定部に当接係合する帯幅位置係合部と、前記走行方向固定部に嵌合する嵌合溝とを設け、前記超砥粒チップ接合座部に超砥粒チップを接合した前記チップホルダを前記鋸刃基板に着脱可能に設けたことを特徴とする鋸刃。
【選択図】図1
Description
本発明は鋸刃に関する。より詳細にはチップホルダに接合された超砥粒チップを切れ歯とする鋸刃に関する。
図9に示すように、従来、石材、耐火煉瓦、ガラス、セラミックス等の硬質材料の切断には、CBN(立方晶窒化ホウ素)砥粒やダイヤモンド砥粒等の超砥粒101を切れ歯とする帯鋸刃100や丸鋸(図示省略)が使用されている。
超砥粒チップを切れ歯とする帯鋸刃や丸鋸であって、ロウ付けやレーザ溶接等により鋸刃基板に直接超砥粒チップを接合する例が、例えば特許文献2に記載されており、超砥粒チップを接合したチップ基台をロウ付けやレーザ溶接等により鋸刃基板に接合されたチップ基台座部にする例が、例えば特許文献1に記載されている。
特許文献1、2に記載の従来の超砥粒チップを切れ歯とする帯鋸刃や丸鋸では、超砥粒チップをロウ付けやレーザ溶接等により鋸刃基板に直接接合するか、超砥粒チップを接合したチップ基台やチップ基台と整合するためのソケットをロウ付けやレーザ溶接等により鋸刃基板に接合しているため、ロウ付けやレーザ溶接による接合時に切れ歯周辺の鋸刃基板が加熱され、その切れ歯周辺の金属組織が変化して鋸刃基板の特性が変化し例えば寿命を短くさせる要因にもなる。
また、ロウ付けによる超砥粒チップの接合は、接合部を再加熱することにより着脱が可能ではあるが、それには高価な加熱装置や超砥粒チップの接合位置を鋸刃基板に合わせるための専用治具等が必要である。
本発明は上述の如き問題を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、高価な加熱装置や超砥粒チップの接合位置を鋸刃基板に合わせるための専用治具等を必要とせず、簡単な工具のみで容易に超砥粒チップを鋸刃基板に着脱可能な超砥粒チップを切れ歯とする鋸刃を提供することである。
上述の課題を解決する手段として請求項1に記載の鋸刃は、チップホルダに接合された超砥粒チップを切れ歯とする鋸刃にして、前記チップホルダに超砥粒チップ接合座部を設け、該超砥粒チップ接合座部の下方に突出する走行方向固定部を設けると共に、前記チップホルダの帯幅方向の位置を規定する帯幅位置規定部と、前記鋸刃の鋸刃基板の両側面に当接係合する取付片とを設け、前記鋸刃基板に前記帯幅位置規定部に当接係合する帯幅位置係合部と、前記走行方向固定部に嵌合する嵌合溝とを設け、前記超砥粒チップ接合座部に超砥粒チップを接合した前記チップホルダを前記鋸刃基板に着脱可能に設けたことを要旨とするものである。
請求項2に記載の鋸刃は、請求項1に記載の鋸刃において、前記帯幅位置規定部を前記走行方向固定部の前後に設け、該走行方向固定部の下端部を前記チップホルダのほぼ中央に位置するように設け、前記取付片は前記チップホルダの走行方向固定部の前後および下方向の3方向へ張り出して設けたことを要旨とするものである。
請求項3に記載の鋸刃は、請求項2に記載の鋸刃において、走行方向固定部の上部を前記鋸刃の切込み方向に対して鋸刃走行方向へ傾斜させて設けたことを要旨とするものである。
請求項4に記載の鋸刃は、請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の鋸刃において、前記鋸刃の歯底と、前記走行方向固定部の下端部とを帯幅方向に離隔して設けたことを要旨とするものである。
請求項5に記載の鋸刃は、請求項1に記載の鋸刃において、前記チップホルダの鋸刃基板への固定を前記鋸刃基板における嵌合溝と前記チップホルダの走行方向固定部との嵌め合いにより固定したことを要旨とするものである。
請求項6に記載の鋸刃は、請求項1に記載の鋸刃において、前記チップホルダの鋸刃基板への固定を前記鋸刃基板における嵌合溝と前記チップホルダの走行方向固定部とをかしめにより固定したことを要旨とするものである。
本願発明の鋸刃によれば、超砥粒チップやチップ基台を直接的に鋸刃基板にロー付け又はレーザ溶接するものではないので、ロウ付け接合やレーザ溶接による接合時に切れ歯周辺の鋸刃基板が加熱され、その切れ歯周辺の金属組織が変化して鋸刃基板の特性が変化し寿命が短くするようなことがない。
また、超砥粒チップやチップ基台を直接的に鋸刃基板にロー付け又はレーザ溶接する場合には、鋸刃基板の接合位置へ超砥粒チップを位置決め固定する専用の治具や高価な加熱装置が必要であるが、本願発明の鋸刃によれば、チップホルダを鋸刃基板のチップホルダ固定部に機械的に固定するだけで正確にかつ確実に固定することができる。
本願発明の鋸刃が、例えば、帯鋸盤に使用される環状の帯鋸刃である場合、帯鋸刃の歯底と鋸刃の嵌合溝の下端部とを帯幅方向に離隔して設けた構成であるので、切断加工位置における帯鋸刃を垂直方向にひねり起こすことにより生ずるねじれ力によりチップホルダが破損されることを防止することができる。
また、切断加工時におけるチップホルダの走行方向固定部および嵌合溝には、超砥粒チップの上面方向である切込み方向に対して鋸刃走行方向へ傾斜角が設けてあるので、チップホルダと鋸刃基板との嵌合力が不十分であった場合においても、チップホルダには鋸刃基板(胴部)に押し付けられる方向の力が作用し、所定の位置に収まる方向に押圧されるため鋸刃基板からチップホルダ5が脱落することがない。
以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。
図1は本願発明に係る鋸刃の第1実施例を示したものであり、鋸刃として帯鋸刃を使用した例で説明する。帯鋸刃1の鋸刃基板3の一方の側縁部(図1では上縁部)には、チップホルダ5を装着するためのチップホルダ固定部7が鋸刃ピッチに合わせて設けてある。
上述のチップホルダ5には、CBN(立方晶窒化ホウ素)砥粒やダイヤモンド砥粒等の超砥粒をメタル、レジン、ビトリファイドなどの結合材で結合させた例えば、ほぼ直方体の超砥粒チップ9がロー付け又はレーザ溶接等により接合してある。
図2、図3を参照するに、幅寸法ch、厚みがthのチップホルダ5には超砥粒チップ9を接合するための凹部13からなる超砥粒チップ接合座部11設けてある。この超砥粒チップ接合座部11は帯鋸刃1の走行方向に対して超砥粒チップ9が前後に移動するのを規制するする。
上記接合座部の凹部13のほぼ中央下部には、下方へ延伸する幅bh、長さfh、先端が円弧rhの舌状凸部からなる走行方向固定部15が形成してある。この走行方向固定部15は超砥粒チップの上面方向である切込み方向30に対して鋸刃走行方向へ傾斜角θが設けてある(図1、3参照)。
また、走行方向固定部15の周囲には、幅寸法chのチップホルダ5を帯鋸刃1に装着する際に前記帯鋸刃1の鋸刃基板(胴部)3の両側面を嵌合挟持する一対の取付片17からなる溝幅vhの溝19が形成してある。この取付片17の下端部は前記走行方向固定部15の先端より若干長く(距離gh)設けてある。
前記走行方向固定部15上部の前記接合座部の凹部13の下部には、チップホルダ5の帯幅方向の位置を規定する帯幅位置規定部として一対の係合面21(a,b)が走行方向固定部15の前後に設けてある。
図4、図5を参照するに、帯鋸刃1の鋸刃基板3のチップホルダ固定部7には、前記チップホルダ5に設けた係合面21(a,b)に当接係合する帯幅位置係合部23と、前記チップホルダ5の長さfh、幅bhの走行方向固定部15と締まり嵌めにより嵌合する溝幅bsで深さfs(fs>fh)のU字形の嵌合溝25が設けてある。
また、前記鋸刃1の歯底27は、前記嵌合溝25の底面から距離esだけ下方に位置するように形成してある。なお、前記チップホルダ固定部7の幅csは前記チップホルダ5の幅chと同じか大きめ(cs≧ch)に作ってある。
図6〜図8は、本願発明に係る鋸刃の第2実施例の説明図である。第2実施例を構成する要部は第1実施例と同一であるので、同一の構成部分には同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
図6は、超砥粒チップ9を接合した前記チップホルダ5を帯鋸刃2の鋸刃基板3に「かしめ」により固定する行程を説明した図である。チップホルダ5の走行方向固定部15を鋸刃基板3に設けた嵌合溝25に嵌合させた後、チップホルダ5の両側面を「かしめ」用の押圧手段29で押圧して、走行方向固定部15を塑性変形させることにより帯鋸刃1に固定する。
図7、図8を参照するに、帯鋸刃1の鋸刃基板3には「かしめ」により前記走行方向固定部15が塑性変形した際にその変形を収容可能にする拡大部28が形成してある。この拡大部28の一例として、例えば、前記U字形の嵌合溝25の底部にこの嵌合溝の溝幅bsより大きい直径dからなる半円より大きい円弧が形成してある。
上記構成の鋸刃において、チップホルダ5は鋸刃の走行方向に対して、前後左右に嵌合により正確にかつ確実に固定されるので、チップホルダ5左右方向(鋸刃の厚み方向)の振り出しが安定する。
図1に示すように、切断加工時に鋸刃に生じる切断抵抗の方向は、鋸刃走行方向に対向する主分力と、この主分力に直交して鋸刃の背側に向かう背分力との合力の方向である。
前述のように、切断加工時におけるチップホルダ5の走行方向固定部15および鋸刃基板3の嵌合溝25には、超砥粒チップの上面方向である切込み方向30に対して鋸刃走行方向へ傾斜角θが設けてある。したがって、万一、チップホルダ5と鋸刃基板3との嵌合が不十分であった場合においても、切断加工時におけるチップホルダ5には、鋸刃基板(胴部)3の帯幅位置係合部に押し付けられる方向の力が作用し、チップホルダ5が所定の位置に収まる方向に押圧されるためチップホルダ5が脱落することがない。
1、2 帯鋸刃
3 鋸刃基板
5 チップホルダ
7 チップホルダ固定部
9 超砥粒チップ
11 超砥粒チップ接合座部
13 凹部
15 走行方向固定部
17 取付片
19 溝
21(a,b) 係合面
23 帯幅位置係合部
25 嵌合溝
27 歯底
28 拡大部
29 押圧手段
30 切込み方向
θ 傾斜角
3 鋸刃基板
5 チップホルダ
7 チップホルダ固定部
9 超砥粒チップ
11 超砥粒チップ接合座部
13 凹部
15 走行方向固定部
17 取付片
19 溝
21(a,b) 係合面
23 帯幅位置係合部
25 嵌合溝
27 歯底
28 拡大部
29 押圧手段
30 切込み方向
θ 傾斜角
Claims (6)
- チップホルダに接合された超砥粒チップを切れ歯とする鋸刃にして、前記チップホルダに超砥粒チップ接合座部を設け、該超砥粒チップ接合座部の下方に突出する走行方向固定部を設けると共に、前記チップホルダの帯幅方向の位置を規定する帯幅位置規定部と、前記鋸刃の鋸刃基板の両側面に当接係合する取付片とを設け、前記鋸刃基板に前記帯幅位置規定部に当接係合する帯幅位置係合部と、前記走行方向固定部に嵌合する嵌合溝とを設け、前記超砥粒チップ接合座部に超砥粒チップを接合した前記チップホルダを前記鋸刃基板に着脱可能に設けたことを特徴とする鋸刃。
- 請求項1に記載の鋸刃において、前記帯幅位置規定部を前記走行方向固定部の前後に設け、該走行方向固定部の下端部を前記チップホルダのほぼ中央に位置するように設け、前記取付片は前記チップホルダの走行方向固定部の前後および下方向の3方向へ張り出して設けたことを特徴とする鋸刃。
- 請求項2に記載の鋸刃において、走行方向固定部の上部を前記鋸刃の切込み方向に対して鋸刃走行方向へ傾斜させて設けたことを特徴とする鋸刃。
- 請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の鋸刃において、前記鋸刃の歯底と、前記走行方向固定部の下端部とを帯幅方向に離隔して設けたことを特徴とする鋸刃。
- 請求項1に記載の鋸刃において、前記チップホルダの鋸刃基板への固定を前記鋸刃基板における嵌合溝と前記チップホルダの走行方向固定部との嵌め合いにより固定したことを特徴とする鋸刃。
- 請求項1に記載の鋸刃において、前記チップホルダの鋸刃基板への固定を前記鋸刃基板における嵌合溝と前記チップホルダの走行方向固定部とをかしめにより固定したことを特徴とする鋸刃。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011258602A JP2013111678A (ja) | 2011-11-28 | 2011-11-28 | 鋸刃 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5750746B1 (ja) * | 2014-05-16 | 2015-07-22 | 有限会社岩▲崎▼目立加工所 | チップソー |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5766814A (en) * | 1980-10-11 | 1982-04-23 | Nittoku Kanseikiyo Kk | Sawing machine |
JPS6067022A (ja) * | 1983-09-22 | 1985-04-17 | Sanwa Daiyamondo Kogyo Kk | 硬質物又は金属切削用帯のこの製造方法 |
JPH08229736A (ja) * | 1994-12-22 | 1996-09-10 | Hilti Ag | 鋸 板 |
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2011
- 2011-11-28 JP JP2011258602A patent/JP2013111678A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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