以下、本発明に係る信号機属性検出システム及び信号機属性検出装置について具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る信号機属性検出システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る信号機属性検出システム1を示した概略構成図である。図2は本実施形態に係る信号機属性検出システム1の構成を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る信号機属性検出システム1は、信号機属性検出装置に相当する地図情報配信センタ2と、車両3に設置されるナビゲーション装置4とから基本的に構成されている。尚、本実施形態では、後述のように地図データを記憶するとともに、地図情報配信センタ2から配信されたデータに基づいて記憶された地図データを更新する端末としてナビゲーション装置4を用いた例を説明しているが、ナビゲーション装置4の代わりに、携帯電話機、PDA、スマートフォン、PC等を用いても良い。
また、地図情報配信センタ2は、ナビゲーション装置4に記憶された古いバージョンの地図情報を新たに新設或いは撤廃された道路や施設等を反映した新たなバージョンの地図情報へと更新する為のデータ(以下、地図更新情報という)の生成、及び生成した地図更新情報の配信を行う配信センタである。また、地図情報配信センタ2は、地図情報に含まれる停止線の配置態様や停止線と分岐点の相対的位置関係等に基づいて、同じく地図情報に含まれる信号機の属性を検出し、検出した信号機の属性を地図情報に付加することについても行う。尚、地図情報配信センタ2の詳細については後述する。
また、ナビゲーション装置4は全国の各道路を走行する車両3に設置され、格納する地図データに基づいて車両位置周辺の地図を表示したり、設定された目的地までの経路の探索及び案内を行う車載機である。ここで、地図情報配信センタ2とナビゲーション装置4は予め車両3に搭載された携帯電話機やDCM等の車両用の通信モジュール5(以下、単に通信モジュール5という)を用いることにより、ネットワーク6を介して双方向に通信可能に構成されており、両者間で地図更新情報を要求する為の配信要求や地図更新情報等の各種情報を送受信する。
また、ナビゲーション装置4は、特定の条件を満たした際(例えば、ACCがONされた際や目的地が設定されて経路案内が開始された際)に、地図情報配信センタ2に対して特定エリア(例えば、ユーザの自宅を中心とした所定距離以内のエリアや設定された目的地を中心とした所定距離以内のエリア)の地図データを新しいバージョンの地図情報に更新する為の地図更新情報の配信要求を送信する。
更に、ナビゲーション装置4は、送信した配信要求に応じて地図情報配信センタ2から地図更新情報を受信した際には、受信した地図更新情報に基づいて格納する地図情報の更新を行う。その結果、地図情報配信センタ2によって検出された信号機の属性についても格納された地図情報に反映される。
尚、信号機の属性としては、例えば以下の属性がある。
(a)図22に示すように分岐点(交差点)に設置され、分岐点における歩行者や車両の進入を規制する為の信号機(以下、分岐点信号機という)。
(b)図23に示すように分岐点間(リンク途中)に設置され、分岐点以外のリンク途中での車両の走行を規制する為の信号機(具体的には押しボタン式信号が該当し、以下、リンク途中信号機という)。
更に、ナビゲーション装置4は、車両の進行方向前方にある案内分岐点を特定するとともに、該案内分岐点を特定させる案内を行う。尚、案内分岐点とは、ナビゲーション装置4に設定された案内経路に従ってナビゲーション装置4が走行の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点である。そして、本実施形態では案内分岐点を特定させる案内として、車両の現在位置から案内分岐点までの間に位置する信号機の数(又は信号機の設置された分岐点の数)を用いた案内(以下、信号機案内という)が行われる。ここで、「車両の現在位置から案内分岐点までの間に位置する信号機の数」は、分岐点単位での信号機の数とすることが望ましい。即ち、大型の道路等において同一分岐点に複数の分岐点信号機が設けられている場合には、該複数の分岐点信号機は1の信号機としてカウントすることが望ましい。その場合には、信号機案内は、車両から案内分岐点までの間に位置する信号機の設置された分岐点(即ち、信号機交差点)の数を用いて案内分岐点を特定させる案内に相当する。但し、分岐点単位でカウントする場合であっても、分岐点間(リンク途中)に設置されたリンク途中信号機(例えば押しボタン式信号機等)も信号機の数としてカウントすることが望ましい。例えば、案内分岐点の2つ手前の信号機(尚、2つ手前の信号機が分岐点信号機であり、該分岐点信号機の設置された分岐点において複数の分岐点信号機が設置されている場合には、車両の進行方向に対して最も退出側に設置された退出側信号機)を通過したタイミングで、「2つ目の信号を左方向です」との音声案内を出力する。また、案内分岐点の1つ手前の信号機を通過したタイミングで、「次の信号を左方向です」との音声案内を出力する。
そして、本実施形態に係るナビゲーション装置4では、格納された地図情報に含まれる信号機の属性を考慮して上記信号機案内を行う。その結果、案内の開始タイミングを適切なタイミングで行うことが可能となる。また、案内文によって特定される案内分岐点とユーザの認識する案内分岐点との間にズレを生じさせることなく、案内分岐点をユーザが誤認識する虞を防止できる。
続いて、信号機属性検出システム1を構成する地図情報配信センタ2について図2を用いてより詳細に説明する。
地図情報配信センタ2は、図2に示すようにサーバ11と、サーバ11に接続された情報記録部としてのセンタ側地図情報DB12と、バージョン管理DB13と、センタ側通信装置14とを備える。
サーバ11は、全国各地の道路や施設が新設或いは撤廃された場合に、管理者の入力操作等に基づいてそれらを反映した新規地図情報を登録する処理、ナビゲーション装置4へと配信する地図更新情報を作成する処理、作成した地図更新情報をナビゲーション装置4へと配信する処理等の地図情報配信センタ2の全体の制御を行う制御ユニットである。そして、サーバ11は、サーバ11の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラムのほか、後述の信号機属性検出処理プログラム(図4、図5、図7、図9〜図11、図14、図16、図18、図20参照)等が記録されたROM23、ROM23から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ24等の内部記憶装置を備えている。尚、サーバ11は処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、地物情報取得手段は、リンク毎且つリンクの進行方向毎に該リンク上に配置された停止線と該停止線に対応する信号機に関する情報が関連付けられて記憶された地物情報を取得する。信号機属性判定手段は、取得された地物情報に基づいて特定される一又は複数のリンク上に配置された停止線の配置態様に基づいて、該停止線に対応する信号機が分岐点に設置された信号機か分岐点間に設置された信号機かを判定する。未確定リンク数取得手段は、所定の分岐点に接続されるとともに該分岐点へと進入する進行方向に対応する複数のリンクの内、信号機属性判定手段によって分岐点間に設置された信号機と判定されていない信号機に対応する停止線である未確定停止線が配置された未確定リンクの数を取得する。地物情報更新手段は、信号機に信号機属性判定手段の判定結果を対応付けた情報を地物情報に付加する。
また、センタ側地図情報DB12は、外部からの入力データや入力操作に基づいて登録され、ナビゲーション装置4に記憶された地図情報を更新する際の基本となる地図情報である基本地図情報がバージョン毎及びエリア毎(例えば二次メッシュ毎)に区分されて記憶される記憶手段である。ここで、バージョンとは地図データが作成された時期を特定する為の作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期を特定することが可能となっている。尚、センタ側地図情報DB12には、最新のバージョンの基本地図情報に加えて、古いバーションの基本地図情報についてもバージョン毎及びエリア毎に区分されて記憶されている。
ここで、ナビゲーション装置4に格納されている地図情報と上記基本地図情報は、基本的に同一の構成を有しており、道路網を始めとして経路探索、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、リンク上に設けられた停止線や信号機等の地物に関する地物データ25、経路を探索するための探索データ、施設に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
ここで、地物データ25は、路面上に形成された地物の内、特に停止線の路面標示と停止線に対応して設けられた信号機に関する情報が記憶される。尚、信号機が赤に点灯している場合に車両が停止する基準位置となる停止線が対応関係にある停止線と信号機に相当する。そして、地物データ25には、リンク毎且つリンクの進行方向毎に該リンク上に配置された停止線と該停止線に対応する信号機に関する情報が関連付けられて記憶される。特に、信号機に関する情報については信号機の属性を特定する信号機属性データ26についても記憶される。ここで、図3は地図情報に含まれる地物データ25の一例について示した図である。
図3に示すように、地物データ25は、リンクIDと、進行方向と、該リンクの進行方向に対して設置された停止線の位置を特定する座標データと、該停止線に対応する信号機の座標データと、該停止線に対応する信号機の属性(分岐点信号機、リンク途中信号機等)とが記憶される。尚、座標データは、絶対位置ではなくノード点に対する相対位置によって特定しても良い。また、信号機の設置された方向や信号機の種類(3灯式、2灯式、1灯式)についても記憶する構成としても良い。ここで、地物データ25を構成する各データの内、特に信号機の属性については後述の信号機属性検出処理プログラム(図4参照)によって検出され、付加される。但し、後述の信号機属性検出処理プログラム(図4参照)において信号機の属性が判定できない信号機や信号機の属性が判定される前の信号機については、信号機の属性として『未確定』が記憶される。
また、バージョン管理DB13は、地図更新情報の配信対象となる各ナビゲーション装置4に現在格納されている地図情報のバージョンを記録する記憶手段である。
更に、センタ側通信装置14はナビゲーション装置4とネットワーク6を介して通信を行う為の通信装置である。ここで、ネットワーク6としては、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
そして、地図情報配信センタ2はナビゲーション装置4から地図更新情報の配信要求を受信した後に、バージョン管理DB13を参照し、配信要求元のナビゲーション装置4に対して配信する地図更新情報を生成する。その後、生成した地図更新情報を配信する。
続いて、前記構成を有する信号機属性検出システム1を構成する地図情報配信センタ2において実行する信号機属性検出処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る信号機属性検出処理プログラムのフローチャートである。ここで、信号機属性検出処理プログラムは、センタ側地図情報DB12に記憶された基本地図情報が新たなバージョンへと更新された後に実行され、更新後の基本地図情報に含まれる停止線の配置態様や停止線と分岐点の相対的位置関係等に基づいて、同じく基本地図情報に含まれる信号機の属性を検出し、検出した信号機の属性を基本地図情報に付加するプログラムである。尚、以下の図4、図5、図7、図9〜図11、図14、図16、図18及び図20にフローチャートで示されるプログラムは、サーバ11が備えているRAM22やROM23等に記憶されており、CPU21により実行される。
先ず、ステップ(以下、Sと略記する)1においてCPU21は、センタ側地図情報DB12に記憶された基本地図情報を読み出す。尚、基本地図情報には前記したようにリンク毎且つリンクの進行方向毎に該リンク上に配置された停止線と該停止線に対応する信号機に関する情報が関連付けられて記憶された地物データ25(図3)が含まれている。
次に、S2においてCPU21は、前記S1で読み出した基本地図情報の内、地物データ25に含まれる信号機の属性を特定する信号機属性データ26について、全ての信号機を対象に信号機の属性を『未確定』に設定する。尚、『未確定』に設定された各信号機の信号機属性データ26については、後述のS3〜S7において信号機の属性が判定されると、判定された信号機の属性へと更新される。
その後、S3においてCPU21は、後述のように対向車線の停止線の配置態様に基づいて信号機の属性を判定する処理(図5)を実行する。
また、S4においてCPU21は、後述のように同一リンク及び進行方向の停止線の配置態様に基づいて信号機の属性を判定する処理(図7)を実行する。
また、S5においてCPU21は、後述のように分岐点に接続される未確定リンクの数に基づいて信号機の属性を判定する処理(図9〜図11、図14、図16)を実行する。尚、未確定リンクとは、後述のように所定の分岐点に接続されるとともに該分岐点へと進入する進行方向に対応する複数のリンクの内、属性が『未確定』の信号機に対応する停止線が配置されたリンクをいう。
また、S6においてCPU21は、後述のように停止線と分岐点と信号機の相対的位置関係に基づいて信号機の属性を判定する処理(図18)を実行する。
更に、S7においてCPU21は、後述のように停止線と分岐点の相対的位置関係に基づいて信号機の属性を判定する処理(図20)を実行する。その後、信号機属性検出処理プログラムを終了する。
そして、CPU21は、前記S3〜S7の処理で判定された信号機の属性の情報を付加した基本地図情報に基づいて、ナビゲーション装置4に記憶された古いバージョンの地図情報を新たに新設或いは撤廃された道路や施設等を反映した新たなバージョンの地図情報へと更新する為の地図更新情報の生成、及び生成した地図更新情報の配信を行う。その結果、ナビゲーション装置4の有する地図情報についても信号機の属性の情報が含まれることとなり、信号機案内を行う場合において適切なタイミングで適切な内容による案内を行うことが可能となる。
次に、前記S3において実行される対向車線の停止線の配置態様に基づいて信号機の属性を判定する属性判定処理のサブ処理について図5に基づき説明する。図5は対向車線の停止線の配置態様に基づいて信号機の属性を判定する属性判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
以降のS11〜S17の処理については、前記S1で読み出した基本地図情報の内、地物データ25に含まれる全ての信号機を対象に順次実行される。そして、全ての信号機を対象にS11〜S17の処理を実行した後にはS4へと移行する。
先ず、S11においてCPU21は、処理対象となる信号機及び該信号機に対応する停止線に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得する。具体的には、信号機及び停止線が設置されたリンクのリンクID及びリンクの進行方向、信号機が設置された位置を示す位置情報、信号機の属性(信号機属性データ26)、停止線の配置された位置を示す位置情報等がある。
次に、S12においてCPU21は、前記S11で取得した情報に基づいて処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されているか否か判定する。尚、信号機の属性は、前記S2において一律に『未確定』に設定され、所定の条件を満たした場合に後述のS17の処理において『リンク途中信号機』に設定される。
そして、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていると判定された場合(S12:YES)には、S13へと移行する。一方、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていないと判定された場合(S12:NO)には、処理対象とする信号機を変更し、再度S11以降の処理を実行する。
S13においてCPU21は、前記S11で取得した情報と基本地図情報に基づいて、処理対象となる信号機の設置された車線に対向する対向車線が有るか否か判定する。尚、対向車線は処理対象となる信号機の設置された車線と、同一リンクであっても別のリンクであっても良い。一般的に国道等の主要道路では対向車線は別のリンクからなる場合が多く、主要道路以外では同一のリンクからなる場合が多い。
そして、処理対象となる信号機の設置された車線に対向する対向車線が有ると判定された場合(S13:YES)には、S14へと移行する。一方、処理対象となる信号機の設置された車線に対向する対向車線が無いと判定された場合(S13:NO)には、処理対象の信号機の属性を『未確定』に継続した状態で、処理対象とする信号機を変更し、再度S11以降の処理を実行する。
その後、S14においてCPU21は、対向車線のリンクに設置された停止線及び該停止線に対応する信号機に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得する。具体的には、信号機が設置された位置を示す位置情報、信号機の属性(信号機属性データ26)、停止線の配置された位置を示す位置情報等がある。尚、対向車線と処理対象となる信号機の設置された車線とが同一リンクである場合には、該当するリンクの内、対向車線に対応する進行方向に設置された停止線及び信号機に関する情報を取得する。
次に、S15においてCPU21は、前記S14で取得した情報に基づいて対向車線に設置された信号機の内、信号機の属性が『未確定』に設定された信号機が少なくとも1以上有るか否か判定する。
そして、対向車線に設置された信号機の内、信号機の属性が『未確定』に設定された信号機が少なくとも1以上有ると判定された場合(S15:YES)には、S16へと移行する。一方、対向車線に設置された信号機の内、信号機の属性が『未確定』に設定された信号機が無いと判定された場合(S15:NO)には、処理対象の信号機の属性を『未確定』に継続した状態で、処理対象とする信号機を変更し、再度S11以降の処理を実行する。
続いて、S16においてCPU21は、前記S14で取得した情報に基づいて、処理対象の信号機に対応する停止線に対して、該停止線の配置された車線の進行方向側の所定距離以内に、属性が『未確定』の信号機に対応する対向車線の停止線が有るか否か判定する。
そして、処理対象の信号機に対応する停止線に対して、該停止線の配置された車線の進行方向側の所定距離以内に、属性が『未確定』の信号機に対応する対向車線の停止線が有ると判定された場合(S16:YES)には、S17へと移行する。一方、処理対象の信号機に対応する停止線に対して、該停止線の配置された車線の進行方向側の所定距離以内に、属性が『未確定』の信号機に対応する対向車線の停止線が無いと判定された場合(S16:NO)には、処理対象の信号機の属性を『未確定』に継続した状態で、処理対象とする信号機を変更し、再度S11以降の処理を実行する。尚、上記所定距離は例えば10mとし、RAM22等の記憶手段に記憶される。
S17においてCPU21は、処理対象の信号機及び前記S16で所定距離以内にあると判定された対向車線の停止線に対応する信号機を『リンク途中信号機』と判定する。そして、該当する信号機属性データ26に『リンク途中信号機』の属性を設定する。その結果、対向車線のあるリンクにおいて、一方の進行方向に対応するリンク上に第1の停止線が配置されるとともに、他方の進行方向に対応するリンク上であって第1の停止線よりも一方の進行方向側に第2の停止線が配置される場合に、第1の停止線及び第2の停止線に対応する各信号機が『リンク途中信号機』と判定されることとなる。その後、処理対象とする信号機を変更し、再度S11以降の処理を実行する。
以下に、上記S11〜S17の処理における信号機の属性の判定の具体例について図6を用いて説明する。図6では、対向車線のある道路であって一方の進行方向に対応する車線上に停止線31及び停止線31に対応する信号機32と停止線33及び停止線33に対応する信号機34が設けられ、対向車線上に停止線35及び停止線35に対応する信号機36が設けられた例について説明する。また、信号機32、34、36の属性はいずれも『未確定』に設定されているとする。
図6に示す例で信号機32が処理対象の場合には、前記S16において信号機32に対応する停止線31から進行方向(図6の右方向)の所定距離L内に属性が『未確定』の信号機に対応する対向車線の停止線が有るか否か判定される。そして、図6に示す例では、停止線31から進行方向の所定距離L内に属性が『未確定』の信号機36に対応する対向車線の停止線35が存在するので、信号機32及び信号機36はともに『リンク途中信号機』と判定される。
一方で、図6に示す例で信号機34が処理対象の場合には、前記S16において信号機34に対応する停止線33から進行方向(図6の右方向)の所定距離L内に属性が『未確定』の信号機に対応する対向車線の停止線が有るか否か判定される。そして、図6に示す例では、停止線33から進行方向の所定距離L内に属性が『未確定』の信号機が存在しないので、信号機34の属性は『未確定』の状態が継続される。
尚、処理対象の信号機に対応する停止線の前方ノードが2分岐ノードである場合(即ち、処理対象の信号機に対応する停止線の進行方向に分岐点以外のノードが有る場合)には、2分岐ノードで接続されるリンクも同一リンクとみなして延長し、上記S15及びS16の判定を行う。
次に、前記S4において実行される同一リンク及び進行方向の停止線の配置態様に基づいて信号機の属性を判定する属性判定処理のサブ処理について図7に基づき説明する。図7は同一リンク及び進行方向の停止線の配置態様に基づいて信号機の属性を判定する属性判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
以降のS21〜S26の処理については、前記S1で読み出した基本地図情報の内、地物データ25に含まれる全ての信号機を対象に順次実行される。そして、全ての信号機を対象にS21〜S26の処理を実行した後にはS5へと移行する。
先ず、S21においてCPU21は、処理対象となる信号機及び該信号機に対応する停止線に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得する。具体的には、信号機及び停止線が設置されたリンクのリンクID及びリンクの進行方向、信号機が設置された位置を示す位置情報、信号機の属性(信号機属性データ26)、停止線の配置された位置を示す位置情報等がある。
次に、S22においてCPU21は、前記S21で取得した情報に基づいて処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されているか否か判定する。尚、信号機の属性は、前記S2において一律に『未確定』に設定され、所定の条件を満たした場合に前記S17や後述のS26の処理において『リンク途中信号機』に設定される。
そして、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていると判定された場合(S22:YES)には、S23へと移行する。一方、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていないと判定された場合(S22:NO)には、処理対象とする信号機を変更し、再度S21以降の処理を実行する。
S23においてCPU21は、前記S21で取得した情報と基本地図情報に基づいて、処理対象となる信号機の設置された道路が一方通行の道路であるか否か判定する。
そして、処理対象となる信号機の設置された道路が一方通行の道路であると判定された場合(S23:YES)には、S24へと移行する。一方、処理対象となる信号機の設置された道路が一方通行の道路でないと判定された場合(S23:NO)には、処理対象とする信号機の属性を『未確定』に継続した状態で、処理対象とする信号機を変更し、再度S21以降の処理を実行する。
その後、S24においてCPU21は、処理対象の信号機に対応する停止線と同一のリンク及び進行方向に設置された停止線及び該停止線に対応する信号機に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得する。具体的には、信号機が設置された位置を示す位置情報、信号機の属性(信号機属性データ26)、停止線の配置された位置を示す位置情報等がある。
次に、S25においてCPU21は、前記S24で取得した情報に基づいて、処理対象の信号機に対応する停止線と同一リンク及び進行方向に設置された信号機の内、処理対象の信号機に対応する停止線に対して、該停止線の配置された車線の進行方向側に、属性が『未確定』の信号機に対応する停止線が少なくとも1以上有るか否か判定する。
そして、処理対象の信号機に対応する停止線と同一リンク及び進行方向に設置された信号機の内、処理対象の信号機に対応する停止線に対して、該停止線の配置された車線の進行方向側に、属性が『未確定』の信号機に対応する停止線が少なくとも1以上有ると判定された場合(S25:YES)には、S26へと移行する。一方、処理対象の信号機に対応する停止線と同一リンク及び進行方向に設置された信号機の内、処理対象の信号機に対応する停止線に対して、該停止線の配置された車線の進行方向側に、属性が『未確定』の信号機に対応する停止線が無いと判定された場合(S25:NO)には、処理対象とする信号機の属性を『未確定』に継続した状態で、処理対象とする信号機を変更し、再度S21以降の処理を実行する。
S26においてCPU21は、処理対象の信号機を『リンク途中信号機』と判定する。そして、該当する信号機属性データ26に『リンク途中信号機』の属性を設定する。その結果、一のリンク上の同一の進行方向に複数の停止線が配置される場合に、複数の停止線の内、最もリンクの進行方向側の分岐点に近い位置にある停止線以外の停止線に対応する信号機が『リンク途中信号機』と判定されることとなる。その後、処理対象とする信号機を変更し、再度S21以降の処理を実行する。
以下に、上記S21〜S26の処理における信号機の属性の判定の具体例について図8を用いて説明する。図8では、一方通行の道路の車線上に停止線41及び停止線41に対応する信号機42と停止線43及び停止線43に対応する信号機44が設けられた例について説明する。また、信号機42、44の属性はいずれも『未確定』に設定されているとする。
図8に示す例で信号機42が処理対象の場合には、前記S25において同一リンク内で信号機42に対応する停止線41から進行方向(図8の右方向)に属性が『未確定』の信号機に対応する停止線が有るか否か判定される。そして、図8に示す例では、停止線41から進行方向に属性が『未確定』の信号機44に対応する停止線43が存在するので、信号機42は『リンク途中信号機』と判定される。
一方で、図8に示す例で信号機44が処理対象の場合には、前記S25において同一リンク内で信号機44に対応する停止線43から進行方向(図8の右方向)に属性が『未確定』の信号機に対応する停止線が有るか否か判定される。そして、図8に示す例では、停止線43から進行方向に属性が『未確定』の信号機が存在しないので、信号機44の属性は『未確定』の状態が継続される。
次に、前記S5において実行される分岐点に接続される未確定リンクの数に基づいて信号機の属性を判定する属性判定処理のサブ処理について図9及び図10に基づき説明する。図9及び図10は分岐点に接続される未確定リンクの数に基づいて信号機の属性を判定する属性判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
以降のS31〜S36の処理については、前記S1で読み出した基本地図情報の内、地物データ25に含まれる全ての信号機を対象に順次実行される。そして、全ての信号機を対象にS31〜S36の処理を実行した後にはS37へと移行する。
先ず、S31においてCPU21は、処理対象となる信号機及び該信号機に対応する停止線に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得する。具体的には、信号機及び停止線が設置されたリンクのリンクID及びリンクの進行方向、信号機が設置された位置を示す位置情報、信号機の属性(信号機属性データ26)、停止線の配置された位置を示す位置情報等がある。
次に、S32においてCPU21は、前記S31で取得した情報に基づいて処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されているか否か判定する。尚、信号機の属性は、前記S2において一律に『未確定』に設定され、所定の条件を満たした場合に前記S17、S26や後述のS36、S42、S44の処理において『リンク途中信号機』又は『分岐点信号機』に設定される。
そして、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていると判定された場合(S32:YES)には、S33へと移行する。一方、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていないと判定された場合(S32:NO)には、処理対象とする信号機を変更し、再度S31以降の処理を実行する。
S33においてCPU21は、前記S31で取得した情報と基本地図情報に基づいて、処理対象となる信号機に対応する停止線の設置されたリンクが、該停止線の設置された車線の進行方向に進入する進入分岐点を特定し、該進入分岐点に接続されるとともに該進入分岐点へと進入する進行方向に対応する他のリンクに設置された停止線及び該停止線に対応する信号機に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得する。
次に、S34においてCPU21は、前記S33で取得した情報に基づいて、進入分岐点に接続されるとともに該進入分岐点へと進入する進行方向に対応するリンク(処理対象の信号機に対応する停止線の設置されたリンクを含む)の内、属性が『未確定』の信号機に対応する停止線(未確定停止線)が配置されたリンク(以下、未確定リンクという)の数を取得する。
続いて、S35においてCPU21は、未確定リンクの数が1のみであるか否かを判定する。
そして、未確定リンクの数が1のみであると判定された場合、即ち、処理対象の信号機に対応する停止線の設置されたリンクのみが未確定リンクであると判定された場合(S35:YES)には、S36へと移行する。一方、未確定リンクの数が2以上あると判定された場合(S35:NO)には、処理対象の信号機の属性を『未確定』に継続した状態で、処理対象とする信号機を変更し、再度S31以降の処理を実行する。
S36においてCPU21は、後述の第1属性判定処理(図11)を実行し、処理対象の信号機の属性を判定する。その後、処理対象とする信号機を変更し、再度S31以降の処理を実行する。
そして、前記S1で読み出した基本地図情報の内、地物データ25に含まれる全ての信号機を対象にS31〜S36の処理が実行された後に、同様にして以降のS37〜S44の処理が順次実行される。そして、全ての信号機を対象にS37〜S44の処理も実行した後にはS6へと移行する。
先ず、S37においてCPU21は、処理対象となる信号機及び該信号機に対応する停止線に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得する。具体的には、信号機及び停止線が設置されたリンクのリンクID及びリンクの進行方向、信号機が設置された位置を示す位置情報、信号機の属性(信号機属性データ26)、停止線の配置された位置を示す位置情報等がある。
次に、S38においてCPU21は、前記S37で取得した情報に基づいて処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されているか否か判定する。尚、信号機の属性は、前記S2において一律に『未確定』に設定され、所定の条件を満たした場合に前記S17、S26、S36や後述のS42、S44の処理において『リンク途中信号機』又は『分岐点信号機』に設定される。
そして、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていると判定された場合(S38:YES)には、S39へと移行する。一方、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていないと判定された場合(S38:NO)には、処理対象とする信号機を変更し、再度S37以降の処理を実行する。
S39においてCPU21は、前記S37で取得した情報と基本地図情報に基づいて、処理対象となる信号機に対応する停止線の設置されたリンクが、該停止線の設置された車線の進行方向に進入する進入分岐点を特定し、該進入分岐点に接続されるとともに該進入分岐点へと進入する進行方向に対応する他のリンクに設置された停止線及び該停止線に対応する信号機に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得する。
次に、S40においてCPU21は、前記S39で取得した情報に基づいて、進入分岐点に接続されるとともに該進入分岐点へと進入する進行方向に対応するリンク(処理対象の信号機に対応する停止線の設置されたリンクを含む)の内、属性が『未確定』の信号機に対応する停止線が配置された未確定リンクの数を取得する。
続いて、S41においてCPU21は、未確定リンクの数が2であるか否かを判定する。
そして、未確定リンクの数が2であると判定された場合(S41:YES)には、S42へと移行する。一方、未確定リンクの数が2以外であると判定された場合(S41:NO)には、S43へと移行する。
S42においてCPU21は、後述の第2属性判定処理(図14)を実行し、処理対象の信号機の属性を判定する。その後、処理対象とする信号機を変更し、再度S37以降の処理を実行する。
一方、S43においてCPU21は、未確定リンクの数が3以上であるか否かを判定する。
そして、未確定リンクの数が3以上であると判定された場合(S43:YES)には、S44へと移行する。一方、未確定リンクの数が3以上でもないと判定された場合(S43:NO)には、処理対象の信号機の属性を『未確定』に継続した状態で、処理対象とする信号機を変更し、再度S37以降の処理を実行する。
S44においてCPU21は、後述の第3属性判定処理(図16)を実行し、処理対象の信号機の属性を判定する。その後、処理対象とする信号機を変更し、再度S37以降の処理を実行する。
次に、前記S36において実行される第1属性判定処理のサブ処理について図11に基づき説明する。図11は第1属性判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
先ず、S51においてCPU21は、処理対象となる信号機に対応する停止線(未確定停止線)の設置されたリンクの進行方向に、次の分岐点までの間に道なりに接続される道なりリンクを特定する。例えば、図12に示すように処理対象となる信号機51に対応する停止線52の設置されたリンク53の進行方向に、分岐点54を介して道なりにリンク55が接続される場合には、進行方向の次の分岐点56までの間にあるリンク55が道なりリンクとして特定される。
次に、S52においてCPU21は、前記S51で特定された道なりリンクに設置された停止線及び該停止線に対応する信号機に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得する。具体的には、信号機及び停止線が設置されたリンクのリンクID及びリンクの進行方向、信号機が設置された位置を示す位置情報、信号機の属性(信号機属性データ26)、停止線の配置された位置を示す位置情報等がある。
続いて、S53においてCPU21は、前記S52で取得した情報に基づいて、前記S51で特定された道なりリンクに停止線が配置されているか否か判定する。
そして、前記S51で特定された道なりリンクに停止線が配置されていると判定された場合(S53:YES)には、S54へと移行する。それに対して、前記S51で特定された道なりリンクに停止線が配置されていないと判定された場合(S53:NO)には、S55へと移行する。
S54においてCPU21は、処理対象の信号機を『リンク途中信号機』と判定する。そして、該当する信号機属性データ26に『リンク途中信号機』の属性を設定する。その後、処理対象とする信号機を変更し、再度S31以降の処理を実行する。
一方、S55においてCPU21は、前記S51で特定された道なりリンクの進行方向にある分岐点に進入する他のリンクに設置された停止線及び該停止線に対応する信号機に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得し、該他のリンクに属性が『未確定』の信号機に対応する停止線が配置されているか否か判定する。例えば、図12に示すように処理対象となる信号機51に対応する停止線52の設置されたリンク53の進行方向に、道なりリンク55が接続されており、且つ道なりリンク55の進行方向にある分岐点56に進入する他のリンク57〜59がある場合には、リンク57〜59に属性が『未確定』の信号機に対応する停止線が配置されているか否か判定することとなる。
そして、上記他のリンクに属性が『未確定』の信号機に対応する停止線が配置されていると判定された場合(S55:YES)には、S56へと移行する。それに対して、上記他のリンクに属性が『未確定』の信号機に対応する停止線が配置されていないと判定された場合(S55:NO)には、S57へと移行する。
S56においてCPU21は、処理対象の信号機が道なりリンクの進行方向にある分岐点(図12では分岐点56)に対する分岐点信号機である可能性が有ると判定し、処理対象の信号機及び対応する停止線が道なりリンク上にあると仮定する。そして、処理対象の信号機及び対応する停止線が道なりリンク上にあると仮定した状態で、再度S31以降の処理を実行する。例えば図13に示す例では、リンク53上にある信号機51及び停止線52を道なりリンク55上にあると仮定することとなる。尚、処理対象の信号機の属性については『未確定』の状態を継続する。
一方、S57においてCPU21は、処理対象の信号機が道なりリンクの進行方向にある分岐点(図12では分岐点56)に対する分岐点信号機である可能性は無いと判定し、処理対象の信号機を『リンク途中信号機』と判定する。そして、該当する信号機属性データ26に『リンク途中信号機』の属性を設定する。その後、処理対象とする信号機を変更し、再度S31以降の処理を実行する。
次に、前記S42において実行される第2属性判定処理のサブ処理について図14に基づき説明する。図14は第2属性判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
S61においてCPU21は、処理対象の信号機が分岐点信号機であると確定できないと判定し、処理対象の信号機を『リンク途中信号機』と判定する。そして、該当する信号機属性データ26に『リンク途中信号機』の属性を設定する。その後、処理対象とする信号機を変更し、再度S37以降の処理を実行する。
ここで、未確定リンクの数が2である場合には、図15に示すように分岐点61に進入するリンク62〜65の内、いずれか2つのリンクのみに信号機66、67が存在することとなる。この場合には、信号機66、67は分岐点61の分岐点信号機である可能性もあるが、分岐点信号機であるとは確定できない為、『リンク途中信号機』と判定する。それによって、信号機案内を行った場合においてユーザが案内分岐点を誤認する可能性を抑えることが可能となる。尚、未確定リンクの信号機の配置関係等が所定の関係を満たす場合には分岐点信号機と判定しても良い。
次に、前記S44において実行される第3属性判定処理のサブ処理について図16に基づき説明する。図16は第3属性判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
S71においてCPU21は、処理対象となる信号機を含む未確定リンクの全ての信号機を『分岐点信号機』と判定する。そして、該当する信号機属性データ26に『分岐点信号機』の属性を設定する。その後、処理対象とする信号機を変更し、再度S37以降の処理を実行する。
ここで、未確定リンクの数が3以上である場合には、図17に示すように分岐点61に進入するリンク62〜65の内、3以上のリンクに信号機66〜69が存在することとなる。この場合には、信号機66〜69は分岐点61の分岐点信号機である可能性である可能性が極めて高い為、『分岐点信号機』と判定する。
次に、前記S6において実行される停止線と分岐点と信号機の相対的位置関係に基づいて信号機の属性を判定する属性判定処理のサブ処理について図18に基づき説明する。図18は停止線と分岐点と信号機の相対的位置関係に基づいて信号機の属性を判定する属性判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
以降のS81〜S85の処理については、前記S1で読み出した基本地図情報の内、地物データ25に含まれる全ての信号機を対象に順次実行される。そして、全ての信号機を対象にS81〜S85の処理を実行した後にはS7へと移行する。
先ず、S81においてCPU21は、処理対象となる信号機及び該信号機に対応する停止線に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得する。具体的には、信号機及び停止線が設置されたリンクのリンクID及びリンクの進行方向、信号機が設置された位置を示す位置情報、信号機の属性(信号機属性データ26)、停止線の配置された位置を示す位置情報等がある。
次に、S82においてCPU21は、前記S81で取得した情報に基づいて処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されているか否か判定する。尚、信号機の属性は、前記S2において一律に『未確定』に設定され、所定の条件を満たした場合に前記S17、S26、S36、S42、S44や後述のS85の処理において『リンク途中信号機』又は『分岐点信号機』に設定される。
そして、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていると判定された場合(S82:YES)には、S83へと移行する。一方、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていないと判定された場合(S82:NO)には、処理対象とする信号機を変更し、再度S81以降の処理を実行する。
S83においてCPU21は、前記S81で取得した情報と基本地図情報に基づいて、処理対象の信号機に対応する停止線が設置されたリンクの進行方向に接続された分岐点(以下、前方分岐点という)の位置情報を取得する。
次に、S84においてCPU21は、処理対象の信号機と該信号機に対応する停止線との間に前方分岐点があるか否か判定する。
そして、処理対象の信号機と該信号機に対応する停止線との間に前方分岐点があると判定された場合(S84:YES)には、S85へと移行する。一方、処理対象の信号機と該信号機に対応する停止線との間に前方分岐点が無いと判定された場合(S84:NO)には、処理対象の信号機の属性を『未確定』に継続した状態で、処理対象とする信号機を変更し、再度S81以降の処理を実行する。
S85においてCPU21は、処理対象の信号機を前方分岐点に対する『分岐点信号機』と判定する。そして、該当する信号機属性データ26に『分岐点信号機』の属性を設定する。その結果、停止線と該停止線に対応する信号機との間に分岐点が位置する場合に、該信号機が間にある分岐点の『分岐点信号機』と判定されることとなる。その後、処理対象とする信号機を変更し、再度S81以降の処理を実行する。
以下に、上記S81〜S85の処理における信号機の属性の判定の具体例について図19を用いて説明する。図19では、リンク71に設置された停止線72及び停止線72に対応する信号機73があって、リンク71の進行方向(図19の右方向)に前方分岐点74が接続された例について説明する。また、信号機73の属性は『未確定』に設定されているとする。
図19に示す例で信号機73が処理対象の場合には、前記S85において停止線72と対応する信号機73の間に前方分岐点74があるか否か判定される。そして、図19に示す例では、停止線72と対応する信号機73の間に前方分岐点74があるので、信号機73は前方分岐点74の『分岐点信号機』と判定される。
次に、前記S7において実行される停止線と分岐点の相対的位置関係に基づいて信号機の属性を判定する属性判定処理のサブ処理について図20に基づき説明する。図20は停止線と分岐点の相対的位置関係に基づいて信号機の属性を判定する属性判定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
以降のS91〜S95の処理については、前記S1で読み出した基本地図情報の内、地物データ25に含まれる全ての信号機を対象に順次実行される。そして、全ての信号機を対象にS91〜S95の処理を実行した後にはS7へと移行する。
先ず、S91においてCPU21は、処理対象となる信号機及び該信号機に対応する停止線に関する情報をセンタ側地図情報DB12から取得する。具体的には、信号機及び停止線が設置されたリンクのリンクID及びリンクの進行方向、信号機が設置された位置を示す位置情報、信号機の属性(信号機属性データ26)、停止線の配置された位置を示す位置情報等がある。
次に、S92においてCPU21は、前記S91で取得した情報に基づいて処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されているか否か判定する。尚、信号機の属性は、前記S2において一律に『未確定』に設定され、所定の条件を満たした場合に前記S17、S26、S36、S42、S44、S85や後述のS95の処理において『リンク途中信号機』又は『分岐点信号機』に設定される。
そして、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていると判定された場合(S92:YES)には、S93へと移行する。一方、処理対象となる信号機の属性が『未確定』に設定されていないと判定された場合(S92:NO)には、処理対象とする信号機を変更し、再度S91以降の処理を実行する。
S93においてCPU21は、前記S91で取得した情報と基本地図情報に基づいて、処理対象の信号機に対応する停止線が設置されたリンクの進行方向に接続された前方分岐点の位置情報を取得する。
次に、S94においてCPU21は、処理対象の信号機に対応する停止線と前方分岐点との間の間隔が閾値以下か否か判定する。尚、上記閾値は、一般的な分岐点信号機の停止線と分岐点ノードとの間隔に猶予距離を加算した値であり、例えば50mとする。また、閾値は例えばRAM22等の記憶手段に記憶される。
そして、処理対象の信号機に対応する停止線と前方分岐点との間の間隔が閾値以下であると判定された場合(S94:YES)には、S95へと移行する。一方、処理対象の信号機に対応する停止線と前方分岐点との間の間隔が閾値より大きいと判定された場合(S94:NO)には、処理対象の信号機の属性を『未確定』に継続した状態で、処理対象とする信号機を変更し、再度S91以降の処理を実行する。
S95においてCPU21は、処理対象の信号機を前方分岐点に対する『分岐点信号機』と判定する。そして、該当する信号機属性データ26に『分岐点信号機』の属性を設定する。その結果、停止線と分岐点との間の距離が所定の閾値以下である場合に、該停止線に対応する信号機を該分岐点の『分岐点信号機』と判定されることとなる。その後、処理対象とする信号機を変更し、再度S91以降の処理を実行する。
以下に、上記S91〜S95の処理における信号機の属性の判定の具体例について図21を用いて説明する。図21では、リンク81に設置された停止線82及び停止線82に対応する信号機83があって、リンク71の進行方向(図21の右方向)に前方分岐点84が接続された例について説明する。また、信号機83の属性は『未確定』に設定されているとする。
図21に示す例で信号機83が処理対象の場合には、前記S95において対応する停止線82と前方分岐点84との間隔Mが閾値以下であるか否か判定される。そして、停止線82と前方分岐点84との間隔Mが閾値以下である場合には信号機83は前方分岐点84の『分岐点信号機』と判定される。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る信号機属性検出システム1、信号機属性検出システム1を用いた信号機属性検出方法及び信号機属性検出システム1で実行されるコンピュータプログラムによれば、リンク毎且つリンクの進行方向毎に該リンク上に配置された停止線と該停止線に対応する信号機に関する情報が関連付けられて記憶された地物データ25を読み出し(S11、S14、S21、S24、S31、S33、S37、S39)、取得された地物データ25に基づいて特定される一又は複数のリンク上に配置された停止線の配置態様に基づいて、該停止線に対応する信号機が分岐点信号機かリンク途中信号機かを判定する(S17、S26、S36、S42、S44)ので、地図情報配信センタ2が有する基本地図情報から信号機の属性を正確且つ迅速に検出することが可能となる。また、現地において信号機の属性の判定を行う作業についても不要となる。そして、信号機の属性を検出することによって、例えば車両等の移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行う場合であっても、適切なタイミング及び内容で案内を行うことが可能となり、ユーザが案内分岐点を誤認識することを防止することができる。
また、対向車線のあるリンクにおいて、一方の進行方向に対応するリンク上に第1の停止線が配置されるとともに、他方の進行方向に対応するリンク上であって第1の停止線よりも一方の進行方向側に第2の停止線が配置される場合に、第1の停止線に対応する信号機及び第2の停止線に対応する信号機を、分岐点間に設置された信号機と判定する(S17)ので、対向車線に配置される停止線との配置態様を用いることによって信号機の属性を正確に検出することが可能となる。
また、一のリンク上の同一の進行方向に複数の停止線が配置される場合に、複数の停止線の内、最もリンクの進行方向側の分岐点に近い位置にある停止線以外の停止線に対応する信号機を、分岐点間に設置された信号機と判定する(S26)ので、連続して配置された停止線の配置態様を用いることによって信号機の属性を正確に検出することが可能となる。
また、所定の分岐点に接続されるとともに該分岐点へと進入する進行方向に対応する複数のリンクの内、未確定リンクの数に基づいて、未確定リンク上に配置された停止線に対応する信号機の属性を判定する(S36.S42、S44)ので、同一の分岐点に接続される各リンクの停止線の配置態様を用いることによって信号機の属性を正確に検出することが可能となる。
また、特に未確定リンクの数が3以上である場合には、未確定リンク上に配置された停止線に対応する信号機を分岐点に設置された信号機と判定する(S44)ので、同一の分岐点に接続される各リンクの停止線の配置態様から各リンクに設置された信号機が分岐点に設置された信号機である可能性が高い状況を用いて、信号機の属性を正確に検出することが可能となる。
また、特に未確定リンクの数が2である場合に、未確定リンク上に配置された停止線に対応する信号機を分岐点間に設置された信号機と判定する(S42)ので、同一の分岐点に接続される各リンクの停止線の配置態様から各リンクに設置された信号機が分岐点に設置された信号機である可能性が低い状況を用いて、信号機の属性を正確に検出することが可能となる。
また、特に未確定リンクの数が1である場合に、未確定リンク上に配置された停止線を、分岐点を介して道なりに接続する他のリンク上に配置されていると仮定し、信号機の属性を判定する(S36)ので、信号機が対応する停止線の配置されたリンクでは無く隣接する他のリンクが接続される分岐点に設置された信号機である可能性を考慮して信号機の属性を検出することが可能となる。その結果、信号機の属性を正確に検出することが可能となる。
また、信号機の属性の判定結果を対応付けた情報を地物データ25に付加するので、信号機の属性を含めた基本地図情報を構成することが可能となる。その結果、例えば車両等の移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行う場合であっても、適切なタイミング及び内容で案内を行うことが可能となり、ユーザが案内分岐点を誤認識することを防止することができる。
また、地図情報に記憶されたリンク上の停止線と分岐点又は停止線と該停止線に対応する信号機と分岐点の相対的位置関係に基づいて信号機の属性を判定する(S85、S95)ので、地図情報から信号機の属性を正確且つ迅速に検出することが可能となる。また、現地において信号機の属性の判定を行う作業についても不要となる。そして、信号機の属性を検出することによって、例えば車両等の移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行う場合であっても、適切なタイミング及び内容で案内を行うことが可能となり、ユーザが案内分岐点を誤認識することを防止することができる。
また、停止線と分岐点との間の距離が所定の閾値以下である場合に、該停止線に対応する信号機を該分岐点に設置された信号機と判定する(S95)ので、分岐点における停止線と分岐点との間の一般的な離間距離を用いることによって信号機の属性を正確に検出することが可能となる。
また、停止線と該停止線に対応する信号機との間に分岐点が位置する場合に、該信号機を分岐点に設置された信号機と判定する(S85)ので、分岐点における停止線と分岐点と信号機との一般的な位置関係を用いることによって信号機の属性を正確に検出することが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では信号機属性検出処理プログラム(図4、図5、図7、図9〜図11、図14、図16、図18、図20参照)の各ステップを地図情報配信センタ2が実行する構成としているが、ナビゲーション装置4や通信端末が一部または全部の処理を実行する構成としても良い。
また、本実施形態では判定対象となる信号機の属性として、分岐点信号機とリンク途中信号機の2種類の属性を挙げて説明しているが、上記2種類以外の属性についても判定対象としても良い。
また、本実施形態では、センタ側地図情報DB12に記憶された基本地図情報が新たなバージョンへと更新された場合に、信号機属性検出処理プログラムを実行する構成としているが、信号機属性検出処理プログラムを実行するタイミングは他のタイミングとしても良い。例えば、所定期間毎(半年間隔等)で実行する構成としても良い。
また、S3〜S7の各属性判定の処理は、一部の処理(例えばS6、S7)を実施しない構成としても良い。また、S23の処理については省略しても良い。
また、本発明を構成するナビゲーション装置4としては、地図情報に関する処理(例えば、経路案内や地図表示等)を行う他の装置を代わりに適用することが可能である。例えば、携帯電話機やスマートフォン等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、携帯型音楽プレイヤ等(以下、携帯端末等という)に適用することも可能である。また、地図情報を記憶した記憶媒体を有しない携帯端末等に適用することも可能である。尚、地図情報を記憶した記憶媒体を有しない携帯端末では、サーバから地図情報を取得することにより上記地図情報に関する処理を行う。更に、地図情報配信センタ2から配信される地図更新情報に基づいてサーバが有する地図情報を更新するように構成する。また、本発明を携帯端末等に適用する場合には、車両以外の移動体、例えば、携帯端末等のユーザや2輪車等に対する走行案内を行う場合もある。