JP2013108217A - 熱交換ダクト用スペーサー - Google Patents

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Abstract

【課題】液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井において、ダクトの外部にはフィンを付けなくても、フィンを付けたのと同様な機能を得られる熱交換ダクト用スペーサーを提供する。
【解決手段】内側に熱交換ダクト12を収めるスペース14を有するとともに、スペース内に正確にダクトが収まるように板状のリブ15もしくは棒状のスタッドを内側に向かって取り付けた筒状構造であり、筒状スペーサー13に設けたリブもしくはスタッドが、筒状スペーサーの内側に収納したダクトに接し、それによって前記ダクトが筒状スペーサー内に正確に固定されるばかりでなく、前記リブもしくはスタッドを介して熱が伝播して前記ダクト内外の熱交換率を向上させることができ、しかも水の対流用スペースを内部に確保して対流の発生を促し、前記ダクト周辺の熱交換容量を拡大する。
【選択図】図1

Description

この発明は、液状化もしくは軟弱地盤対策として用いられるパックドレーン工法の内側に熱交換ダクトを挿入する場合等に使用し、熱交換ダクトの周辺に水の対流スペースを確保したり、ダクトの熱交換率を向上させることができる熱交換ダクト用スペーサーに関する。
本発明者は先に、パックドレーン工法等と地中熱交換用ダクトを組み合わせて液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井として使用することを特願2011−180026号において提案した。その中では、対流する水の通り道確保のため、また、ダクトの熱交換率向上のために縦方向ないし斜め方向のフィンを付加したダクトを筒状網袋に入れ、更にそれをドレーンの中央に挿入する方法を提案している。
しかし、ダクトの外部にフィンを付加した場合、以下のような問題が生じる。
1)地中熱交換用のダクトをパックドレーン工法と併用する場合には10m〜15m、また、通常の地中熱交換井に使用する場合には100m程度の長さが必要となり、そうした長尺の管製品は普通ロール状に巻いて保管・搬送する。しかし、フィン付ダクトの場合には曲がりにくく、また、フィンが変形しやすいため、巻いて保管・搬送するのには適さない。
2)地中熱交換用のダクトは、配管時に「U」型パイプやその他様々なパイプや器具との接続が必要となるが、管の外壁にフィンが付いていると、それが邪魔で簡単に接続できない。
実用 軟弱地盤対策技術総覧 第3章 液状化対策工法もしくは軟弱地盤対策工法について(産業技術サービスセンター発行) 地中熱ヒートポンプシステム(北海道大学地中熱利用システム工学講座著、オーム社発行)
特開2006−52588号公報
以上のような問題を解決するため、本発明ではダクトそのものにはフィンを付けず、フィンを付けたのと同様な機能を得られる熱交換ダクト用スペーサーを提供しようとするものである。
すなわちこの発明の熱交換ダクト用スペーサーは、内側に熱交換ダクトを収めるスペースを有するとともに、該スペース内に正確にダクトが収まるように板状のリブもしくは棒状のスタッドを内側に向かって取り付けた筒状構造であり、前記筒状スペーサーに設けたリブもしくはスタッドが、筒状スペーサーの内側に収納したダクトに接し、それによって前記ダクトが筒状スペーサー内に正確に固定されるばかりでなく、前記リブもしくはスタッドを介して熱が伝播して前記ダクト内外の熱交換率を向上させることができるようにしたことを特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、水の対流用スペースを内部に確保して対流の発生を促し、前記ダクト周辺の熱交換容量を拡大することができるようにしたことをも特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、各ダクトを収納するスペース間に、それぞれのダクト間での熱の移動を防ぐための隔壁が設けられていることをも特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、縦割り状に複数に分離もしくは、前記スペースを開閉可能な構造とし、開放された前記筒状スペーサーの内側のスペース内にダクトを収納した上、前記筒状スペーサーを閉鎖して固定することにより、前記筒状スペーサーの内側のリブもしくはスタッドにより所定の位置にダクトを保持するようにしたことをも特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、筒状スペーサー内部のリブ、隔壁およびその外殻に連通孔を設けたものと、連通孔を設けていないものとを使い分けることにより、対流を促進することができるようにしたことをも特徴とするものである。
この発明の熱交換ダクト用スペーサーは以上のように構成したので、以下の効果が期待できる。
1)筒状スペーサーが縦割り状に複数に分離もしくはダクト収納スペースが開閉可能としてあるので、ダクトを掘削孔に挿入する直前にダクトの周囲に簡単に装着することができ、非常に作業性が良い。
2)筒状スペーサーは長さ方向に作業性の良い長さ(単位)に分割されており、掘削孔の開口に近い部分から必要な長さだけダクトに逐次装着することができ、非常に作業性が良い。
3)ダクトはロール状になって保管されているが、筒状スペーサーの装着後は真直ぐになるため、掘削孔への挿入が容易になり、したがって作業性が大きく向上される。
4)筒状スペーサーの装着によりダクト周辺に水が対流するためのスペースが確保され、大きな熱容量が確保できる。また、その際、装着したスペーサーと隣接のスペーサーが連結、一体化できる構造とすれば、対流用スペースの連続性が確保されるので、効果がより大きい。
5)筒状スペーサーの装着によりダクトに筒状スペーサーの内側に設けたリブもしくはスタッドが接触するため、ダクトの熱交換率が向上する。
この発明の熱交換ダクト用スペーサーの1実施例を説明するための概略断面図である。 ダクトをセットした状態の概略断面図である。 筒状スペーサーの一方の分割パーツを中央で2分割して観音開きとした変形例を説明するための概略断面図である。 この発明の熱交換ダクト用スペーサーの他の実施例を説明するための概略断面図である。 この発明の熱交換ダクト用スペーサーのさらに別の実施例を説明するための概略断面図である。 この発明の熱交換ダクト用スペーサーの使用例を説明するための概略図である。
以下、この発明の熱交換ダクト用スペーサーの実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2に示すこの発明の第1実施例の熱交換ダクト用スペーサー13は、冷媒を循環させる少なくとも一対の熱交換ダクト12を適宜間隔に保持する筒状構造であり、内側にダクト12を収めるスペース14を有するとともに、該スペース14に正確にダクト12が収まるように、板状のリブ(棒状のスタッドとすることもできる)15が内側に向かって所定の間隔で取り付けられている。
したがって、前記筒状スペーサー13は、パックドレーン工法等と地中熱交換用ダクトを組み合わせて液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10として使用する場合、パックドレーンの外殻をなす網袋等で構成される筒状のフィルター11内に収納される。
前記.筒状スペーサー13は開閉可能でかつ長さ方向に分割されているので、掘削孔の開口に近い部分から必要な長さだけダクト12に逐次装着することができ、非常に作業性が良くなる。
また、前記ダクト12は通常ロール状になって保管されているが、前記筒状スペーサー13の装着後は真直ぐになるため、掘削孔への挿入が容易になり、したがって作業性が大きく向上される。
前記筒状スペーサー13に設けたリブ15は、筒状スペーサー13の内側に収納したダクト12に接し、それによって前記ダクト12を筒状スペーサー13内に固定する。
それによって、前記リブ15を介してダクト12の熱が伝播し、前記ダクト12内外の熱交換率を向上させることができる。したがって、前記筒状スペーサー13は前記ダクト12に密接することができる構造としておくことが必要である。
前記液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10においては、前記筒状フィルター13内に水の対流用スペースを確保することができるので、前記ダクト12周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができるようになる。
より詳しくは、前記液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10において前記筒状のスペーサー13には、一対のダクト12a,12bを所定の間隔で保持する一対のスペース14a,14bが形成されている。
そして、各ダクト12a,12bを収納するスペース14a,14b間には、それぞれのダクト12a,12b間での熱の移動を防ぐための隔壁16が設けてある。
前記筒状のスペーサー13の内部のリブ15、隔壁16およびその外殻13’等には連通孔18を形成しておくことにより、前記筒状スペーサー13の外部の水との連通を図ることができるので、前記ダクト12周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができる。
また、この発明の液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10における前記筒状のスペーサー13は、前記一対のスペース14a,14bをそれぞれ縦割りに複数分割した構造に形成されている。もちろん、分割された筒状スペーサー13の分割パーツ13a,13bの一端はプラスチックヒンジ17等によって連結しておくことが望ましい。
このように分割された前記筒状スペーサー13は、分割パーツ13a,13bの内側の対向するスペース14間にダクト12を挟み、その後分割された筒状スペーサー13の分割パーツ13a,13bを閉鎖して両者を固定することにより、筒状スペーサー13の内側のリブもしくはスタッド15によりスペース14内にダクト12が保持される。
なお、図3に示した筒状スペーサー13のように、前記分割パーツ13a,13bのさらに片方を中央で2分割し、観音開きのような開閉方式とすることもできる。
前記分割された筒状スペーサー13の分割パーツ13a,13bの閉鎖は、プラスチックの弾性を利用したフック状の係合手段や、クリップ状の連結手段、バンドその他の結束手段等によって行うことができる。
以上のように、前記筒状スペーサー13は縦割りに複数分割できるよう構成してあり、ダクト12を掘削孔に挿入する直前に簡単に装着することができるので、非常に作業性が良い。
図4に示すこの発明の第2実施例の液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井20において、熱交換ダクト用スペーサー23が片面に板状のリブ(棒状のスタッドとすることもできる)25を形成してあって、かつ平板状に展開できる構造となっている。
そして、前記平板状に展開した筒状スペーサー23を一対のダクト22a,22bに巻き付けることによって組み立てられるようになっている。
この実施例においても、各ダクト22a,22bを収納する位置の中間には、それぞれのダクト22a,22b間での熱の移動を防ぐための隔壁26が設けてある。
前記筒状スペーサー23の内部のリブ25、隔壁26およびその外殻23’等には連通孔27を形成しておくことにより、前記筒状スペーサー23の外部の水との連通を図ることができるので、前記ダクト22周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができる。
このように巻き付け可能な平板状に形成された前記筒状スペーサー23の取り付けは、前記一対のダクト22a,22bに巻き付け、その端部にフック状等の係合手段や、クリップ状の連結手段、バンドその他の結束手段等によって行うことができる。
図5に示すこの発明の第3実施例の液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井30において、熱交換ダクト用スペーサー33は内側に板状のリブ(棒状のスタッドとすることもできる)35を形成された円筒状のパーツ33a,33bが一対のダクト32a,32bを収納できるよう、長さ方向に並設した構造となっており、その円筒状パーツ33a,33bが、その側面の外縁を外壁36によって連結されており、前記一対の筒状パーツ33a,33bの外周と前記外壁36との間に空間37が形成された構造となっている。
なお、この筒状スペーサー33も開閉可能でかつ長さ方向に分割されている。
前記リブ35及び外壁36、また筒状パーツ33a,33bの外周等には連通孔38を形成しておくことにより、前記熱交換ダクト用の筒状スペーサー33の内外の水との連通を図ることができるので、前記ダクト32周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができる。
また、本実施例においては、熱交換ダクト用の筒状スペーサー33の外部に十分な透水性が確保されない場合においても、筒状スペーサー33内にダクト周辺とは逆方向の流れを形成するための対流用空間37が存在するため、対流を起こすことができる。
図において31は筒状フィルターである。
図6はこの発明の熱交換ダクト用スペーサー13,23,33の使用例を示すものである。
図6において、地盤に形成した縦穴41にはその側壁に筒状フィルター42が配置され、その内側に熱交換ダクト用スペーサー43を挿入した上、前記筒状フィルター42と該筒状スペーサー43との間に珪砂等の粒状物質を充填する。
前記筒状スペーサー43としては、内部のリブ、隔壁およびその外殻等に連通孔44が形成された第1の筒状スペーサー43aと、前記内部のリブ、隔壁および外殻等に連通孔44が形成されていない第2の筒状スペーサー43bとを準備する。
そして、配管時に上下に一定の間隔をおいてその両側には図6に示す連通孔44を形成した第1の筒状スペーサー43aを中間位置には連通孔44が形成されていない第2の筒状スペーサー43bを配置することにより、対流の発生を促し熱交換容量を拡大することができるようになる。第1の筒状スペーサー43aの位置は、地表の気温の影響、地下水の有無、透水性の大小等、様々な要素に配慮して決定する必要がある。
なお、実施例3の筒状スペーサー33においては、筒状スペーサー33と前記筒状フィルター42の間に充填された粒状物質に十分な透水性能が確保されない場合でも、筒状スペーサー33内にダクト周辺とは逆方向の流れを形成するための対流用空間を別途持つため、対流が生じることとなる。
この使用例における筒状スペーサー43の開閉方式としては、適宜前述の各開閉方式のうち、望ましいものを選択することができる。
この発明の熱交換用スペーサーはパックドレーン工法用に提案したスペーサーであるが、通常の熱交換井に対しても適用することができ、パックドレーンと同様な効果が期待できる。
もちろん、少なくとも一対の熱交換ダクトを並列に並べて使用する場面であれば、いかなる用途であってもこの発明の熱交換用スペーサーを適用することができる。
10 液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井
11 筒状フィルター
12,12a,12b ダクト
13 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
13’ 外殻
13a,13b 分割パーツ
14,14a,14b スペース
15 リブ
16 隔壁
17 プラスチックヒンジ
18 連通孔
20 液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井
22a,22b ダクト
23 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
23’ 外殻
25 リブ
26 隔壁
27 連通孔
30 液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井
32a,32b ダクト
33,33a,33b 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
35 リブ
36 外壁
37 空間
38 連通孔
41 縦穴
42 筒状フィルター
43 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
43a 筒状スペーサー(連通孔あり)
43b 筒状スペーサー(連通孔なし)
44 連通孔
この発明は、液状化もしくは軟弱地盤対策として用いられるパックドレーン工法の内側に熱交換ダクトを挿入する場合等に使用し、熱交換ダクトの周辺に水の対流スペースを確保したり、ダクトの熱交換率を向上させることができる熱交換ダクト用スペーサーに関する。
本発明者は先に、パックドレーン工法等と地中熱交換用ダクトを組み合わせて液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井として使用することを特願2011−180026号において提案した。その中では、対流する水の通り道確保のため、また、ダクトの熱交換率向上のために縦方向ないし斜め方向のフィンを付加したダクトを筒状網袋に入れ、更にそれをドレーンの中央に挿入する方法を提案している。
しかし、ダクトの外部にフィンを付加した場合、以下のような問題が生じる。
1)地中熱交換用のダクトをパックドレーン工法と併用する場合には10m〜15m、また、通常の地中熱交換井に使用する場合には100m程度の長さが必要となり、そうした長尺の管製品は普通ロール状に巻いて保管・搬送する。しかし、フィン付ダクトの場合には曲がりにくく、また、フィンが変形しやすいため、巻いて保管・搬送するのには適さない。
2)地中熱交換用のダクトは、配管時に「U」型パイプやその他様々なパイプや器具との接続が必要となるが、管の外壁にフィンが付いていると、それが邪魔で簡単に接続できない。
実用 軟弱地盤対策技術総覧 第3章 液状化対策工法もしくは軟弱地盤対策工法について(産業技術サービスセンター発行) 地中熱ヒートポンプシステム(北海道大学地中熱利用システム工学講座著、オーム社発行)
特開2006−52588号公報
以上のような問題を解決するため、本発明ではダクトそのものにはフィンを付けず、フィンを付けたのと同様な機能を得られる熱交換ダクト用スペーサーを提供しようとするものである。
すなわちこの発明の熱交換ダクト用スペーサーは、内側に熱交換ダクトを収めるスペースを有するとともに、該スペース内に正確にダクトが収まるように板状のリブもしくは棒状のスタッドを内側に向かって取り付けた筒状構造であり、前記筒状スペーサーに設けたリブもしくはスタッドが、筒状スペーサーの内側に収納したダクトに接し、それによって前記ダクトが筒状スペーサー内に正確に固定されるばかりでなく、前記リブもしくはスタッドを介して熱が伝播して前記ダクト内外の熱交換率を向上させることができるようにしたことを特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、水の対流用スペースを内部に確保して対流の発生を促し、前記ダクト周辺の熱交換容量を拡大することができるようにしたことをも特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、各ダクトを収納するスペース間に、それぞれのダクト間での熱の移動を防ぐための隔壁が設けられていることをも特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、縦割り状に複数に分離もしくは、前記スペースを開閉可能な構造とし、開放された前記筒状スペーサーの内側のスペース内にダクトを収納した上、前記筒状スペーサーを閉鎖して固定することにより、前記筒状スペーサーの内側のリブもしくはスタッドにより所定の位置にダクトを保持するようにしたことをも特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、筒状スペーサー内部のリブ、隔壁およびその外殻に連通孔を設けたものと、連通孔を設けていないものとを使い分けることにより、対流を促進することができるようにしたことをも特徴とするものである。
この発明の熱交換ダクト用スペーサーは以上のように構成したので、以下の効果が期待できる。
1)筒状スペーサーが縦割り状に複数に分離もしくはダクト収納スペースが開閉可能としてあるので、ダクトを掘削孔に挿入する直前にダクトの周囲に簡単に装着することができ、非常に作業性が良い。
2)筒状スペーサーは長さ方向に作業性の良い長さ(単位)に分割されており、掘削孔の開口に近い部分から必要な長さだけダクトに逐次装着することができ、非常に作業性が良い。
3)ダクトはロール状になって保管されているが、筒状スペーサーの装着後は真直ぐになるため、掘削孔への挿入が容易になり、したがって作業性が大きく向上される。
4)筒状スペーサーの装着によりダクト周辺に水が対流するためのスペースが確保され、大きな熱容量が確保できる。また、その際、装着したスペーサーと隣接のスペーサーが連結、一体化できる構造とすれば、対流用スペースの連続性が確保されるので、効果がより大きい。
5)筒状スペーサーの装着によりダクトに筒状スペーサーの内側に設けたリブもしくはスタッドが接触するため、ダクトの熱交換率が向上する。
この発明の熱交換ダクト用スペーサーの1実施例を説明するための概略断面図である。 ダクトをセットした状態の概略断面図である。 筒状スペーサーの一方の分割パーツを中央で2分割して観音開きとした変形例を説明するための概略断面図である。 この発明の熱交換ダクト用スペーサーの他の実施例を説明するための概略断面図である。 この発明の熱交換ダクト用スペーサーのさらに別の実施例を説明するための概略断面図である。 この発明の熱交換ダクト用スペーサーの使用例を説明するための概略図である。 この発明の熱交換ダクト用スペーサーの別の実施例を説明するための概略断面図である。
以下、この発明の熱交換ダクト用スペーサーの実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2に示すこの発明の第1実施例の熱交換ダクト用スペーサー13は、冷媒を循環させる少なくとも一対の熱交換ダクト12を適宜間隔に保持する筒状構造であり、内側にダクト12を収めるスペース14を有するとともに、該スペース14に正確にダクト12が収まるように、板状のリブ(棒状のスタッドとすることもできる)15が内側に向かって所定の間隔で取り付けられている。
したがって、前記筒状スペーサー13は、パックドレーン工法等と地中熱交換用ダクトを組み合わせて液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10として使用する場合、パックドレーンの外殻をなす網袋等で構成される筒状のフィルター11内に収納される。
前記.筒状スペーサー13は開閉可能でかつ長さ方向に分割されているので、掘削孔の開口に近い部分から必要な長さだけダクト12に逐次装着することができ、非常に作業性が良くなる。
また、前記ダクト12は通常ロール状になって保管されているが、前記筒状スペーサー13の装着後は真直ぐになるため、掘削孔への挿入が容易になり、したがって作業性が大きく向上される。
前記筒状スペーサー13に設けたリブ15は、筒状スペーサー13の内側に収納したダクト12に接し、それによって前記ダクト12を筒状スペーサー13内に固定する。
それによって、前記リブ15を介してダクト12の熱が伝播し、前記ダクト12内外の熱交換率を向上させることができる。したがって、前記筒状スペーサー13は前記ダクト12に密接することができる構造としておくことが必要である。
前記液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10においては、前記筒状フィルター13内に水の対流用スペースを確保することができるので、前記ダクト12周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができるようになる。
より詳しくは、前記液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10において前記筒状のスペーサー13には、一対のダクト12a,12bを所定の間隔で保持する一対のスペース14a,14bが形成されている。
そして、各ダクト12a,12bを収納するスペース14a,14b間には、それぞれのダクト12a,12b間での熱の移動を防ぐための隔壁16が設けてある。
前記筒状のスペーサー13の内部のリブ15、隔壁16およびその外殻13’等には連通孔18を形成しておくことにより、前記筒状スペーサー13の外部の水との連通を図ることができるので、前記ダクト12周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができる。
また、この発明の液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10における前記筒状のスペーサー13は、前記一対のスペース14a,14bをそれぞれ縦割りに複数分割した構造に形成されている。もちろん、分割された筒状スペーサー13の分割パーツ13a,13bの一端はプラスチックヒンジ17等によって連結しておくことが望ましい。
このように分割された前記筒状スペーサー13は、分割パーツ13a,13bの内側の対向するスペース14間にダクト12を挟み、その後分割された筒状スペーサー13の分割パーツ13a,13bを閉鎖して両者を固定することにより、筒状スペーサー13の内側のリブもしくはスタッド15によりスペース14内にダクト12が保持される。
なお、図3に示した筒状スペーサー13のように、前記分割パーツ13a,13bのさらに片方を中央で2分割し、観音開きのような開閉方式とすることもできる。
前記分割された筒状スペーサー13の分割パーツ13a,13bの閉鎖は、プラスチックの弾性を利用したフック状の係合手段や、クリップ状の連結手段、バンドその他の結束手段等によって行うことができる。
以上のように、前記筒状スペーサー13は縦割りに複数分割できるよう構成してあり、ダクト12を掘削孔に挿入する直前に簡単に装着することができるので、非常に作業性が良い。
図4に示すこの発明の第2実施例の液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井20において、熱交換ダクト用スペーサー23が片面に板状のリブ(棒状のスタッドとすることもできる)25を形成してあって、かつ平板状に展開できる構造となっている。
そして、前記平板状に展開した筒状スペーサー23を一対のダクト22a,22bに巻き付けることによって組み立てられるようになっている。
この実施例においても、各ダクト22a,22bを収納する位置の中間には、それぞれのダクト22a,22b間での熱の移動を防ぐための隔壁26が設けてある。
前記筒状スペーサー23の内部のリブ25、隔壁26およびその外殻23’等には連通孔27を形成しておくことにより、前記筒状スペーサー23の外部の水との連通を図ることができるので、前記ダクト22周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができる。
このように巻き付け可能な平板状に形成された前記筒状スペーサー23の取り付けは、前記一対のダクト22a,22bに巻き付け、その端部にフック状等の係合手段や、クリップ状の連結手段、バンドその他の結束手段等によって行うことができる。
図5に示すこの発明の第3実施例の液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井30において、熱交換ダクト用スペーサー33は内側に板状のリブ(棒状のスタッドとすることもできる)35を形成された円筒状のパーツ33a,33bが一対のダクト32a,32bを収納できるよう、長さ方向に並設した構造となっており、その円筒状パーツ33a,33bが、その側面の外縁を外壁36によって連結されており、前記一対の筒状パーツ33a,33bの外周と前記外壁36との間に空間37が形成された構造となっている。
なお、この筒状スペーサー33も開閉可能でかつ長さ方向に分割されている。
前記リブ35及び外壁36、また筒状パーツ33a,33bの外周等には連通孔38を形成しておくことにより、前記熱交換ダクト用の筒状スペーサー33の内外の水との連通を図ることができるので、前記ダクト32周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができる。
また、本実施例においては、熱交換ダクト用の筒状スペーサー33の外部に十分な透水性が確保されない場合においても、筒状スペーサー33内にダクト周辺とは逆方向の流れを形成するための対流用空間37が存在するため、対流を起こすことができる。
図において31は筒状フィルターである。
図6はこの発明の熱交換ダクト用スペーサー13,23,33の使用例を示すものである。
図6において、地盤に形成した縦穴41にはその側壁に筒状フィルター42が配置され、その内側に熱交換ダクト用スペーサー43を挿入した上、前記筒状フィルター42と該筒状スペーサー43との間に珪砂等の粒状物質を充填する。
前記筒状スペーサー43としては、内部のリブ、隔壁およびその外殻等に連通孔44が形成された第1の筒状スペーサー43aと、前記内部のリブ、隔壁および外殻等に連通孔44が形成されていない第2の筒状スペーサー43bとを準備する。
そして、配管時に上下に一定の間隔をおいてその両側には図6に示す連通孔44を形成した第1の筒状スペーサー43aを中間位置には連通孔44が形成されていない第2の筒状スペーサー43bを配置することにより、対流の発生を促し熱交換容量を拡大することができるようになる。第1の筒状スペーサー43aの位置は、地表の気温の影響、地下水の有無、透水性の大小等、様々な要素に配慮して決定する必要がある。
なお、実施例3の筒状スペーサー33においては、筒状スペーサー33と前記筒状フィルター42の間に充填された粒状物質に十分な透水性能が確保されない場合でも、筒状スペーサー33内にダクト周辺とは逆方向の流れを形成するための対流用空間を別途持つため、対流が生じることとなる。
この使用例における筒状スペーサー43の開閉方式としては、適宜前述の各開閉方式のうち、望ましいものを選択することができる。
図7において51は、前記網袋等で構成される筒状のフィルター52と筒状スペーサー53との間に砂を充填するためのノズルであり、54は筒状スペーサー53の外殻に形成したノズル51をセットするためのくぼみである。
この発明の熱交換用スペーサーはパックドレーン工法用に提案したスペーサーであるが、通常の熱交換井に対しても適用することができ、パックドレーンと同様な効果が期待できる。
もちろん、少なくとも一対の熱交換ダクトを並列に並べて使用する場面であれば、いかなる用途であってもこの発明の熱交換用スペーサーを適用することができる。
10 液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井
11 筒状フィルター
12,12a,12b ダクト
13 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
13’ 外殻
13a,13b 分割パーツ
14,14a,14b スペース
15 リブ
16 隔壁
17 プラスチックヒンジ
18 連通孔
20 液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井
22a,22b ダクト
23 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
23’ 外殻
25 リブ
26 隔壁
27 連通孔
30 液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井
32a,32b ダクト
33,33a,33b 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
35 リブ
36 外壁
37 空間
38 連通孔
41 縦穴
42 筒状フィルター
43 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
43a 筒状スペーサー(連通孔あり)
43b 筒状スペーサー(連通孔なし)
44 連通孔
51 ノズル
52 筒状フィルター
53 筒状スペーサー
54 くぼみ
この発明は、液状化もしくは軟弱地盤対策として用いられるパックドレーン工法の内側に熱交換ダクトを挿入する場合等に使用し、熱交換ダクトの周辺に水の対流スペースを確保したり、ダクトの熱交換率を向上させることができる熱交換ダクト用スペーサーに関する。
本発明者は先に、パックドレーン工法等と地中熱交換用ダクトを組み合わせて液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井として使用することを特願2011−180026号において提案した。その中では、対流する水の通り道確保のため、また、ダクトの熱交換率向上のために縦方向ないし斜め方向のフィンを付加したダクトを筒状網袋に入れ、更にそれをドレーンの中央に挿入する方法を提案している。
しかし、ダクトの外部にフィンを付加した場合、以下のような問題が生じる。
1)地中熱交換用のダクトをパックドレーン工法と併用する場合には10m〜15m、また、通常の地中熱交換井に使用する場合には100m程度の長さが必要となり、そうした長尺の管製品は普通ロール状に巻いて保管・搬送する。しかし、フィン付ダクトの場合には曲がりにくく、また、フィンが変形しやすいため、巻いて保管・搬送するのには適さない。
2)地中熱交換用のダクトは、配管時に「U」型パイプやその他様々なパイプや器具との接続が必要となるが、管の外壁にフィンが付いていると、それが邪魔で簡単に接続できない。
実用 軟弱地盤対策技術総覧 第3章 液状化対策工法もしくは軟弱地盤対策工法について(産業技術サービスセンター発行) 地中熱ヒートポンプシステム(北海道大学地中熱利用システム工学講座著、オーム社発行)
特開2006−52588号公報
以上のような問題を解決するため、本発明ではダクトそのものにはフィンを付けず、フィンを付けたのと同様な機能を得られる熱交換ダクト用スペーサーを提供しようとするものである。
すなわちこの発明の熱交換ダクト用スペーサーは、内側に熱交換ダクトを収めるスペースを有するとともに、該スペース内に正確にダクトが収まるように板状のリブもしくは棒状のスタッドを内側に向かって取り付けた筒状構造であり、前記筒状スペーサーに設けたリブもしくはスタッドが、筒状スペーサーの内側に収納したダクトに接し、それによって前記ダクトが筒状スペーサー内に正確に固定されるばかりでなく、前記リブもしくはスタッドを介して熱が伝播して前記ダクト内外の熱交換率を向上させることができるようにしたことを特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、水の対流用スペースを内部に確保して対流の発生を促し、前記ダクト周辺の熱交換容量を拡大することができるようにしたことをも特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、各ダクトを収納するスペース間に、それぞれのダクト間での熱の移動を防ぐための隔壁が設けられていることをも特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、縦割り状に複数に分離もしくは、前記スペースを開閉可能な構造とし、開放された前記筒状スペーサーの内側のスペース内にダクトを収納した上、前記筒状スペーサーを閉鎖して固定することにより、前記筒状スペーサーの内側のリブもしくはスタッドにより所定の位置にダクトを保持するようにしたことをも特徴とするものである。
この発明において前記筒状スペーサーは、筒状スペーサー内部のリブ、隔壁およびその外殻に連通孔を設けたものと、連通孔を設けていないものとを使い分けることにより、対流を促進することができるようにしたことをも特徴とするものである。
この発明の熱交換ダクト用スペーサーは以上のように構成したので、以下の効果が期待できる。
1)筒状スペーサーが縦割り状に複数に分離もしくはダクト収納スペースが開閉可能としてあるので、ダクトを掘削孔に挿入する直前にダクトの周囲に簡単に装着することができ、非常に作業性が良い。
2)筒状スペーサーは長さ方向に作業性の良い長さ(単位)に分割されており、掘削孔の開口に近い部分から必要な長さだけダクトに逐次装着することができ、非常に作業性が良い。
3)ダクトはロール状になって保管されているが、筒状スペーサーの装着後は真直ぐになるため、掘削孔への挿入が容易になり、したがって作業性が大きく向上される。
4)筒状スペーサーの装着によりダクト周辺に水が対流するためのスペースが確保され、大きな熱容量が確保できる。また、その際、装着したスペーサーと隣接のスペーサーが連結、一体化できる構造とすれば、対流用スペースの連続性が確保されるので、効果がより大きい。
5)筒状スペーサーの装着によりダクトに筒状スペーサーの内側に設けたリブもしくはスタッドが接触するため、ダクトの熱交換率が向上する。
この発明の熱交換ダクト用スペーサーの1実施例を説明するための概略断面図である。 ダクトをセットした状態の概略断面図である。 筒状スペーサーの一方の分割パーツを中央で2分割して観音開きとした変形例を説明するための概略断面図である。 この発明の熱交換ダクト用スペーサーの他の実施例を説明するための概略断面図である。 この発明の熱交換ダクト用スペーサーのさらに別の実施例を説明するための概略断面図である。 この発明の熱交換ダクト用スペーサーの使用例を説明するための概略図である。
以下、この発明の熱交換ダクト用スペーサーの実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2に示すこの発明の第1実施例の熱交換ダクト用スペーサー13は、冷媒を循環させる少なくとも一対の熱交換ダクト12を適宜間隔に保持する筒状構造であり、内側にダクト12を収めるスペース14を有するとともに、該スペース14に正確にダクト12が収まるように、板状のリブ(棒状のスタッドとすることもできる)15が内側に向かって所定の間隔で取り付けられている。
したがって、前記筒状スペーサー13は、パックドレーン工法等と地中熱交換用ダクトを組み合わせて液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10として使用する場合、パックドレーンの外殻をなす網袋等で構成される筒状のフィルター11内に収納される。
前記.筒状スペーサー13は開閉可能でかつ長さ方向に分割されているので、掘削孔の開口に近い部分から必要な長さだけダクト12に逐次装着することができ、非常に作業性が良くなる。
また、前記ダクト12は通常ロール状になって保管されているが、前記筒状スペーサー13の装着後は真直ぐになるため、掘削孔への挿入が容易になり、したがって作業性が大きく向上される。
前記筒状スペーサー13に設けたリブ15は、筒状スペーサー13の内側に収納したダクト12に接し、それによって前記ダクト12を筒状スペーサー13内に固定する。
それによって、前記リブ15を介してダクト12の熱が伝播し、前記ダクト12内外の熱交換率を向上させることができる。したがって、前記筒状スペーサー13は前記ダクト12に密接することができる構造としておくことが必要である。
前記液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10においては、前記筒状フィルター13内に水の対流用スペースを確保することができるので、前記ダクト12周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができるようになる。
より詳しくは、前記液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10において前記筒状のスペーサー13には、一対のダクト12a,12bを所定の間隔で保持する一対のスペース14a,14bが形成されている。
そして、各ダクト12a,12bを収納するスペース14a,14b間には、それぞれのダクト12a,12b間での熱の移動を防ぐための隔壁16が設けてある。
前記筒状のスペーサー13の内部のリブ15、隔壁16およびその外殻13’等には連通孔18を形成しておくことにより、前記筒状スペーサー13の外部の水との連通を図ることができるので、前記ダクト12周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができる。
また、この発明の液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井10における前記筒状のスペーサー13は、前記一対のスペース14a,14bをそれぞれ縦割りに複数分割した構造に形成されている。もちろん、分割された筒状スペーサー13の分割パーツ13a,13bの一端はプラスチックヒンジ17等によって連結しておくことが望ましい。
このように分割された前記筒状スペーサー13は、分割パーツ13a,13bの内側の対向するスペース14間にダクト12を挟み、その後分割された筒状スペーサー13の分割パーツ13a,13bを閉鎖して両者を固定することにより、筒状スペーサー13の内側のリブもしくはスタッド15によりスペース14内にダクト12が保持される。
なお、図3に示した筒状スペーサー13のように、前記分割パーツ13a,13bのさらに片方を中央で2分割し、観音開きのような開閉方式とすることもできる。
前記分割された筒状スペーサー13の分割パーツ13a,13bの閉鎖は、プラスチックの弾性を利用したフック状の係合手段や、クリップ状の連結手段、バンドその他の結束手段等によって行うことができる。
以上のように、前記筒状スペーサー13は縦割りに複数分割できるよう構成してあり、ダクト12を掘削孔に挿入する直前に簡単に装着することができるので、非常に作業性が良い。
図4に示すこの発明の第2実施例の液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井20において、熱交換ダクト用スペーサー23が片面に板状のリブ(棒状のスタッドとすることもできる)25を形成してあって、かつ平板状に展開できる構造となっている。
そして、前記平板状に展開した筒状スペーサー23を一対のダクト22a,22bに巻き付けることによって組み立てられるようになっている。
この実施例においても、各ダクト22a,22bを収納する位置の中間には、それぞれのダクト22a,22b間での熱の移動を防ぐための隔壁26が設けてある。
前記筒状スペーサー23の内部のリブ25、隔壁26およびその外殻23’等には連通孔27を形成しておくことにより、前記筒状スペーサー23の外部の水との連通を図ることができるので、前記ダクト22周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができる。
このように巻き付け可能な平板状に形成された前記筒状スペーサー23の取り付けは、前記一対のダクト22a,22bに巻き付け、その端部にフック状等の係合手段や、クリップ状の連結手段、バンドその他の結束手段等によって行うことができる。
図5に示すこの発明の第3実施例の液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井30において、熱交換ダクト用スペーサー33は内側に板状のリブ(棒状のスタッドとすることもできる)35を形成された円筒状のパーツ33a,33bが一対のダクト32a,32bを収納できるよう、長さ方向に並設した構造となっており、その円筒状パーツ33a,33bが、その側面の外縁を外壁36によって連結されており、前記一対の筒状パーツ33a,33bの外周と前記外壁36との間に空間37が形成された構造となっている。
なお、この筒状スペーサー33も開閉可能でかつ長さ方向に分割されている。
前記リブ35及び外壁36、また筒状パーツ33a,33bの外周等には連通孔38を形成しておくことにより、前記熱交換ダクト用の筒状スペーサー33の内外の水との連通を図ることができるので、前記ダクト32周辺の熱交換容量をより一層拡大させることができる。
また、本実施例においては、熱交換ダクト用の筒状スペーサー33の外部に十分な透水性が確保されない場合においても、筒状スペーサー33内にダクト周辺とは逆方向の流れを形成するための対流用空間37が存在するため、対流を起こすことができる。
図において31は筒状フィルターである。
図6はこの発明の熱交換ダクト用スペーサー13,23,33の使用例を示すものである。
図6において、地盤に形成した縦穴41にはその側壁に筒状フィルター42が配置され、その内側に熱交換ダクト用スペーサー43を挿入した上、前記筒状フィルター42と該筒状スペーサー43との間に珪砂等の粒状物質を充填する。
前記筒状スペーサー43としては、内部のリブ、隔壁およびその外殻等に連通孔44が形成された第1の筒状スペーサー43aと、前記内部のリブ、隔壁および外殻等に連通孔44が形成されていない第2の筒状スペーサー43bとを準備する。
そして、配管時に上下に一定の間隔をおいてその両側には図6に示す連通孔44を形成した第1の筒状スペーサー43aを中間位置には連通孔44が形成されていない第2の筒状スペーサー43bを配置することにより、対流の発生を促し熱交換容量を拡大することができるようになる。第1の筒状スペーサー43aの位置は、地表の気温の影響、地下水の有無、透水性の大小等、様々な要素に配慮して決定する必要がある。
なお、実施例3の筒状スペーサー33においては、筒状スペーサー33と前記筒状フィルター42の間に充填された粒状物質に十分な透水性能が確保されない場合でも、筒状スペーサー33内にダクト周辺とは逆方向の流れを形成するための対流用空間を別途持つため、対流が生じることとなる。
この使用例における筒状スペーサー43の開閉方式としては、適宜前述の各開閉方式のうち、望ましいものを選択することができる。
この発明の熱交換用スペーサーはパックドレーン工法用に提案したスペーサーであるが、通常の熱交換井に対しても適用することができ、パックドレーンと同様な効果が期待できる。
もちろん、少なくとも一対の熱交換ダクトを並列に並べて使用する場面であれば、いかなる用途であってもこの発明の熱交換用スペーサーを適用することができる。
10 液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井
11 筒状フィルター
12,12a,12b ダクト
13 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
13’ 外殻
13a,13b 分割パーツ
14,14a,14b スペース
15 リブ
16 隔壁
17 プラスチックヒンジ
18 連通孔
20 液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井
22a,22b ダクト
23 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
23’ 外殻
25 リブ
26 隔壁
27 連通孔
30 液状化もしくは軟弱地盤対策ドレーン兼用地中熱交換井
32a,32b ダクト
33,33a,33b 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
35 リブ
36 外壁
37 空間
38 連通孔
41 縦穴
42 筒状フィルター
43 熱交換ダクト用スペーサー(筒状スペーサー)
43a 筒状スペーサー(連通孔あり)
43b 筒状スペーサー(連通孔なし)
44 連通孔

Claims (5)

  1. 熱交換ダクト用スペーサーは、内側に熱交換ダクトを収めるスペースを有するとともに、該スペース内に正確にダクトが収まるように板状のリブもしくは棒状のスタッドを内側に向かって取り付けた筒状構造であり、
    前記筒状スペーサーに設けたリブもしくはスタッドが、筒状スペーサーの内側に収納したダクトに接し、それによって前記ダクトが筒状スペーサー内に正確に固定されるばかりでなく、前記リブもしくはスタッドを介して熱が伝播して前記ダクト内外の熱交換率を向上させることができるようにしたことを特徴とする熱交換ダクト用スペーサー。
  2. 前記熱交換ダクト用スペーサーは、水の対流用スペースをリブもしくはスタッドにより筒状スペーサーの内部に確保して対流の発生を促し、前記ダクト周辺の熱交換容量を拡大することができるようにしたことを特徴とする請求項1記載の熱交換ダクト用スペーサー。
  3. 前記筒状スペーサーは、各ダクトを収納するスペース間に、それぞれのダクト間での熱の移動を防ぐための隔壁が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の熱交換ダクト用スペーサー。
  4. 前記筒状スペーサーは、前記スペースを開閉可能な構造とし、開放された前記筒状スペーサーの内側のスペース内にダクトを収納した上、前記スペーサーを閉鎖して固定することにより、筒状スペーサーの内側のリブもしくはスタッドにより所定の位置にダクトを保持するようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の熱交換ダクト用スペーサー。
  5. 前記筒状スペーサーは、内部のリブ、隔壁およびその外殻に連通孔を設けたものと、連通孔を設けていないものとを使い分けることにより、対流を促進することができるようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の熱交換ダクト用スペーサー。
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