JP2013105509A - 磁気記録媒体の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サーティファイ試験を施す前に交流消磁された磁気記録媒体の消磁状態を容易に調べることができる磁気記録媒体の検査方法を提供する。
【解決手段】表面に規格値以上の数の突起などによりヘッドの浮上が不安定な磁気記録媒体を不要媒体とするグライド試験1を経た磁気記録媒体に、磁気記録媒体の電気的特性や欠陥の有無を検査するサーティファイ試験2を施す前に、バルクイレース機構の消磁能力を調べるためのバルクイレース試験3を行う。
【選択図】図1
【解決手段】表面に規格値以上の数の突起などによりヘッドの浮上が不安定な磁気記録媒体を不要媒体とするグライド試験1を経た磁気記録媒体に、磁気記録媒体の電気的特性や欠陥の有無を検査するサーティファイ試験2を施す前に、バルクイレース機構の消磁能力を調べるためのバルクイレース試験3を行う。
【選択図】図1
Description
この発明は、コンピュータの記録装置として広く用いられている磁気記録装置に搭載されるディスク状の磁気記録媒体の欠陥の有無を調べる試験工程における磁気記録媒体の検査方法に関する。
磁気記録媒体の一例としての垂直磁気記録媒体は、図6に示すように、非磁性基体5上に、軟磁性裏打層6と中間層7と垂直磁気記録層8と保護層9とが順次積層され、その上に潤滑膜11を塗布したものが通常用いられる。この垂直磁気記録媒体10の記録トラック4の表面パターンを示す概略平面図を図3に示す。
磁気記録装置は、駆動装置に接続されるキャリッジの先端に取り付けた磁気ヘッドを、磁気記録媒体上に10nm程度浮上させて、データの記録再生を行うものであるから、磁気記録媒体表面上に突起状の欠陥があると、ヘッド浮上変動やヘッドダメージなど深刻なエラーへとつながるおそれがある。そのため、磁気記録媒体表面上の欠陥の有無については、磁気記録媒体を磁気記録装置に搭載する前に検査し試験しておかなければならない。一般に、この検査、試験は試験用の磁気ヘッドを使用して行われ、磁気記録媒体のグライド特性、サーティファイ特性等が検査、試験される。
グライド試験では、PZT(圧電)センサを備えたグライド試験用ヘッドが磁気記録媒体(以降、単に媒体と記すことがある)の表面に安定に浮上するかどうかが検査される。磁気ディスク表面に規格値以上の数の突起などが存在する媒体は磁気ヘッドの浮上を不安定にするので、このグライド試験により不良媒体として処理される。
サーティファイ試験では、磁気記録媒体の電気的特性や欠陥の有無が検査される。サーティファイ試験は、磁気記録媒体に特定の信号を記録し、この記録信号の再生信号のレベルを基準信号のレベルと比較し、正常かどうかを判定する。また、このサーティファイ試験後には書き込んだ記録信号を消磁するために、図2に示すように、永久磁石を用いたバルクイレース処理を行う。このサーティファイ試験で正常と判定された媒体が出荷工程にまわされる(特許文献1、2)。
一方、垂直磁気記録媒体の出荷状態では交流消磁状態が望ましい。前記特許文献1には、磁気記録装置における磁気ヘッドのリード素子に対する磁気記録媒体からの外乱磁界の影響を抑制するため、記録トラック間のエリアを交流消磁とすることが記載されている。また、下記特許文献2には、磁気記録媒体の検査装置における一連のシーケンス処理として、信号の書込みおよび読出しに基づく検査の後に交流消磁の後処理を行うことが記載されている。
図5は、交流消磁の際の強磁性記録層の磁化曲線の変化を模式的に描いた図である。この交流消磁法は、次に述べる数100MHzの高周波磁界よりも充分低い周波数(例えば数kHz程度)の交流磁界を磁気記録媒体に印加することにより記録磁性層を磁化し、その交流磁界の振幅を徐々に減少させて零に近づけることで記録磁性層の残留磁化成分を零にする消磁方法である。
さらに、サーティファイ試験後に交流消磁された垂直磁気記録媒体の消磁状態を簡易に検査する検査方法についての公開文献がある(特許文献1、2)。
しかしながら、グライド試験とサーティファイ試験の二つからなる従来の検査方法では、サーティファイ試験で書込んだ信号がバルクイレースによって、問題なく確実に消磁されていることを前提としており、消し残りの有無についてまで確認する検査は実施されていない。また、条件によっては、図4に示すように、(a)に示す書き込み信号を交流消磁しても、(c)に示すような交流消磁状態ではなく、(b)に示すように直流消磁状態になることがあるので、さらに検査する必要がある。例えば、全面直流消磁状態の磁気記録媒体に特定の信号を書込んだ後に書込まれた信号を読み出すと、磁気ヘッドのリード素子が磁気記録媒体からの外乱磁界により影響を受けて読出し信号に歪みが生じ、直流消磁状態であることが判断できる。しかし、サーティファイ試験装置で通常使用される磁気ヘッドは書込み幅が広く、リード素子が磁気記録媒体からの外乱磁界の影響を受けにくいので、読出し信号の歪みが発生しないので、消磁状態を判断できない。このような理由で、サーティファイ試験装置での磁気記録媒体の消磁状態の検出は簡単ではない。
本発明はこの点に着目してなされたものである。すなわち、本発明は、サーティファイ試験後に交流消磁された磁気記録媒体の消磁状態を容易に調べることができる磁気記録媒体の検査方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記発明の目的を達成するために、グライド試験を経た磁気記録媒体にサーティファイ試験を施す前に、バルクイレース機構の消磁能力を調べるバルクイレース試験を行う磁気記録媒体の検査方法とする。前記バルクイレース試験が、ヘッドイレース後、最内周記録トラックに信号を書込み、磁気信号強度aを計測する第1工程、ノイズレベルと前記磁気信号強度aの計測値について、イレース前後比率を算出する第2工程、キャリッジシークせず磁気ヘッドを固定して、バルクイレースを行う第3工程、書込みを行わずに、再度最内周の記録トラックの磁気信号強度bを計測する第4工程、書込みを行わずに、最内周以外の内周記録トラックの磁気信号強度を計測し平均値cを求める第5工程を順に行い、イレース前後比率(b/a)と書き込み実施有無比率(b/c)とが所定の閾値dを基準に、少なくともいずれか一方がd以上の時、消磁不充分として不良と判定する試験であることが望ましい。また、前記グライド試験で良品となった磁気記録媒体から、所要の数を抜き取って、バルクイレース試験を行う検査とすることが好ましい。
本発明によれば、サーティファイ試験後に交流消磁された磁気記録媒体の消磁状態を容易に調べることができる磁気記録媒体の検査方法を提供することができる。
以下、本発明の磁気記録媒体の検査方法の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する実施例の記載に限定されるものではない。
本発明の磁気記録媒体の検査方法として、図1の、本発明にかかる検査方法のフローチャートに示すように、従来のグライド試験1とサーティファイ試験2の二つからなる試験工程の間に、消磁能力を検査するバルクイレース試験3の工程を追加する。このバルクイレース試験3は以下の(1)〜(5)の工程を順に行う内容からなる。また、この試験3はグライド試験1を通過した磁気記録媒体のみに適用する。グライド試験1で不良としてリジェクトされた磁気記録媒体に関しては、正常な読書き機能や消し残りの有無を確認する以前の問題として欠陥を有する不良品であるので、バルクイレースを行わない。
磁気記録媒体は、記録再生ヘッドによって入力電気信号を磁気信号に変換して記録し、記録再生ヘッドによって記録された磁気信号を電気信号に変換して再生を行なっている。ここで、磁気信号強度(TAA)は、記録トラック一周の平均出力を表わす。例えば、記録再生ヘッドを用いて磁気記録媒体に所定の周波数の信号を書き込み、記録再生ヘッドにより再生し、得られた再生信号波形の出力電圧の記録トラック一周分の振幅(Peak to Peak)の平均値を測定することにより磁気信号強度(TAA)が求められる。
(1)ヘッドイレース(DC Erase:直流消磁)後、最内周記録トラックに信号を書込み、TAA(磁気信号強度)計測する。この計測値をaとする。
(2)ノイズレベルと前記計測値aとについて、イレース前後比率を算出する。その結果がNG時は3回まで、再度(1)から順に行う。
(2)ノイズレベルと前記計測値aとについて、イレース前後比率を算出する。その結果がNG時は3回まで、再度(1)から順に行う。
(3)キャリッジシークせず磁気ヘッドを固定して、バルクイレース(AC Erase:交流消磁)を行う。
(4)書込みを行わずに、再度最内周の記録トラックのTAA(磁気信号強度)を計測する。この計測値をbとする。
(4)書込みを行わずに、再度最内周の記録トラックのTAA(磁気信号強度)を計測する。この計測値をbとする。
(5)書込みを行わずに、最内周以外の内周記録トラックのTAA(磁気信号強度)を計測し平均値を求める。この計測平均値をcとする。
(6)以下の2つの判定を実施し、どちらか一方または両方エラーの場合(NG場合)、停止する。
(6)以下の2つの判定を実施し、どちらか一方または両方エラーの場合(NG場合)、停止する。
イレース前後比率 (b/a)が閾値以下の場合OKとする(閾値としては、例えば0.25倍)。
書込み実施有無比率 (b/c)が閾値以下の場合OKとする(閾値としては、例えば1.03倍以下)。
書込み実施有無比率 (b/c)が閾値以下の場合OKとする(閾値としては、例えば1.03倍以下)。
当然、エラーが発生した場合、次のサーティファイ試験は実行されず、消磁能力を確認した後、検査を停止する。バルクイレースの消磁能力が正常に戻り、問題ないと判断されれば、サーティファイ試験が実行される。
このようにして、イレース前後比率を算出することにより、バルクイレースを実施すれば、書込んだ信号が問題なく消磁されているかを確認することができる。この比率が、前記設定した閾値を超える比率を計測した場合、消し残りがあると判断され、エラーとなる。
書込み実施有無比率を算出することにより、信号を書込んで消した記録トラックと信号を全く書込んでいない記録トラックのノイズレベルを比較することにより、ベースノイズのずれを確認することができる。この値が設定した閾値超える値を観測した場合、問題ありと判断され、エラー(NG)となる。
しかし、このバルクイレース機構の消磁能力検査を量産時に全数適用すると、スループットが大幅に低下してしまうため、適用する枚数間隔を適切に選ぶ、抜き取り検査とすることが好ましい。
以上説明したように、この発明によれば、サーティファイ試験で書込んだ信号が、バルクイレースによって、正常に消磁されているのかどうかを検査することができる。また、消し残りが万が一、発生した場合においても、早急な対応をとることができ、問題を最小限に抑えることが可能となる。
1 グライド試験
2 サーティファイ試験
3 バルクイレース試験
4 記録トラック
5 非磁性基体
6 軟磁性裏打ち層
7 中間層
8 垂直磁気記録層
9 保護層
10 磁気記録媒体、垂直磁気記録媒体
11 潤滑層
2 サーティファイ試験
3 バルクイレース試験
4 記録トラック
5 非磁性基体
6 軟磁性裏打ち層
7 中間層
8 垂直磁気記録層
9 保護層
10 磁気記録媒体、垂直磁気記録媒体
11 潤滑層
Claims (3)
- グライド試験を経た磁気記録媒体にサーティファイ試験を施す前に、バルクイレース機構の消磁能力を調べるバルクイレース試験を行うことを特徴とする磁気記録媒体の検査方法。
- 前記バルクイレース試験が、ヘッドイレース後、最内周記録トラックに信号を書込み、磁気信号強度aを計測する第1工程、ノイズレベルと前記磁気信号強度aの計測値について、イレース前後比率を算出する第2工程、キャリッジシークせず磁気ヘッドを固定して、バルクイレースを行う第3工程、書込みを行わずに、再度最内周の記録トラックの磁気信号強度bを計測する第4工程、書込みを行わずに、最内周以外の内周記録トラックの磁気信号強度を計測し平均値cを求める第5工程を順に行い、イレース前後比率(b/a)と書き込み実施有無比率(b/c)とが所定の閾値dを基準に、少なくともいずれか一方がd以上の時、消磁不充分として不良と判定する試験であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の検査方法。
- 前記グライド試験で良品となった磁気記録媒体から、所要の数を抜き取って、バルクイレース試験を行うことを特徴とする請求項1または2記載の磁気記録媒体の検査方法。
Priority Applications (1)
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JP2011248376A JP2013105509A (ja) | 2011-11-14 | 2011-11-14 | 磁気記録媒体の検査方法 |
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JP (1) | JP2013105509A (ja) |
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CN111063373A (zh) * | 2018-10-17 | 2020-04-24 | 希捷科技有限公司 | 确定热辅助磁记录头的激光器的不稳定区 |
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2011
- 2011-11-14 JP JP2011248376A patent/JP2013105509A/ja active Pending
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CN111063373B (zh) * | 2018-10-17 | 2021-11-23 | 希捷科技有限公司 | 确定热辅助磁记录头的激光器的不稳定区 |
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