JP2013104136A - 建築部材用複合シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】該裏面材である建築部材用複合シートが、ガラス繊維と木材パルプとバインダー繊維とを含有する不織布(A)と合成樹脂フィルム(B)とを貼り合わせた複合シートであり、該不織布(A)は2層以上の多層シートであり、該不織布(A)の合成樹脂フィルム(B)と貼り合わせる側の層は木材パルプを含有しないか、または質量比で木材パルプよりもガラス繊維を多く含有しており、不織布(A)の合成樹脂発泡体からなる芯材と接する側の層は、ガラス繊維を含有しないか、または質量比でガラス繊維よりも木材パルプを多く含有することにより、課題を解決することができた。
【選択図】なし
Description
パルパー分散タンク中の水に市販のチョップドストランドガラス繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)、繊維状バインダー(商品名:VPB107、クラレ社製、1.1dt×3mm、PVA繊維)をそれぞれ85:15の比率で投入して10分間混合分散してガラス繊維分散液−Aを調製した。
ガラス繊維分散液−Aにおける、市販のチョップドストランドガラス繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)の代わりに、市販のチョップドストランドガラス繊維(繊維径6μm、繊維長9mm)を用いた以外は、ガラス繊維分散液−Aと同様にしてガラス繊維分散液−Bを調製した。
パルパー分散タンク中の水に500mlCSFに叩解したNBKP(木材パルプ繊維)、繊維状バインダー(商品名:VPB107、クラレ社製、1.1dt×3mm、PVA繊維)を85:15の比率で投入して10分間混合分散して木材パルプ分散液を調製した。
不織布−1〜10は、傾斜ワイヤー式抄紙機と円網抄紙機がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機を用いて製造した。ガラス繊維分散液および木材パルプ分散液を、表1に示す混合比になる様に、第1層用(傾斜ワイヤー式抄紙機用)および第2層用(円網抄紙機用)の貯蔵タンクに送り、混合した。表1の坪量になるように、混合した分散液をそれぞれ第一抄紙ヘッド(傾斜ワイヤー式抄紙機)および第二抄紙ヘッド(円網抄紙機)に送り、湿紙ウエッブの状態で抄き合わせた後にプレスを行い、第2層表面がヤンキードライヤー面に当たる様にして乾燥し、表1に示す2層からなる不織布−1〜10を得た。
G:ガラス繊維
P:木材パルプ
不織布−11〜14は、不織布−1〜10の製造で用いたコンビネーション抄紙機の第一抄紙ヘッド(傾斜ワイヤー式抄紙機)のみを用いて製造した。ガラス繊維分散液−Aおよび木材パルプ分散液を、表2に示す混合比になる様に貯蔵タンクに送った。混合した分散液を第一抄紙ヘッドに送り、湿紙ウエッブの状態でプレスを行い、ヤンキードライヤー面に当てて乾燥し、表2に示す単層の不織布−11〜14を得た。
<実施例1〜10>
ポリオレフィン樹脂(高密度ポリエチレン60部と低密度ポリエチレン40部の混合樹脂)を押出機で加熱溶融し、不織布−1〜10の第1層側とクーリングロールとの間にフィルム状に厚みが50μmになる様に押し出して合成樹脂フィルムを得て、圧着、冷却して実施例1〜10の建築部材用複合シートを得た。
ポリオレフィン樹脂(高密度ポリエチレン60部と低密度ポリエチレン40部の混合樹脂)を押出機で加熱溶融し、不織布−1〜4の第2層側とクーリングロールとの間にフィルム状に厚みが50μmになる様に押し出して合成樹脂フィルムを得て、圧着、冷却して比較例1〜4の建築部材用複合シートを得た。
ポリオレフィン樹脂(高密度ポリエチレン60部と低密度ポリエチレン40部の混合樹脂)を押出機で加熱溶融し、不織布−11〜14とクーリングロールとの間にフィルム状に厚みが50μmになる様に押し出して合成樹脂フィルムを得て、圧着、冷却して比較例5〜8の建築部材用複合シートを得た。
合成樹脂フィルムとして延伸された高密度ポリエチレン樹脂フィルム(厚さ30μm)を用い、これと不織布−3を貼り合わせて実施例11の建築部材用複合シートを得た。貼り合わせる方法は、低密度ポリオレフィン樹脂を押出成形によってフィルム状(厚さ20μm)に吐出し、溶融状態の低密度ポリエチレン樹脂を、延伸された高密度ポリエチレン樹脂シートと不織布−3の間に介在させつつ熱融着することで実施した。
合成樹脂フィルムとして延伸された高密度ポリエチレン樹脂フィルム(厚さ30μm)を用い、これと不織布−3を貼り合わせて実施例12の建築部材用複合シートを得た。貼り合わせる方法は、延伸された高密度ポリエチレン樹脂フィルムの片面に、無溶剤型アクリル樹脂接着剤を20g/m2塗布し、接着剤を塗布した側の面に不織布−3を貼り合わせることで実施した。
<実施例13〜24>
鉄板(0.27mm)を表面材とし、実施例1〜12で得た建築部材用複合シートを裏面材とし、硬質ポリウレタンフォームを芯材(10mm)とし、表面材と裏面材との間に2液性の硬質ポリウレタンフォームの原液を流し込み、24時間静置して、発泡と硬化を十分に完了させ、実施例13〜24の建築部材を得た。なお、建築部材用複合シートは不織布側の面が芯材に接するようにした。
実施例13〜24における実施例1〜12で得た建築部材用複合シートの代わりに、比較例1〜8で得た建築部材用複合シートを用いた以外は、実施例13〜24と同様にして比較例9〜16の建築部材を製造した。
[皮膚刺激性]
実施例1〜12および比較例1〜8で製造した建築部材用複合シートの不織布側の面を触り、下記の基準により皮膚刺激性を確認した。結果を表3に示す。
○:殆ど皮膚刺激性がない。
△:わずかに皮膚刺激性が認められる。
×:明らかに皮膚に刺激がある。
なお、○または△が問題ないレベルである。
実施例1〜12および比較例1〜8で製造した建築部材用複合シートをポリオレフィン樹脂側から表面を観察し、ガラス繊維による繊維状の浮きが確認できるかを、下記の基準により目視で観察した。結果を表3に示す。
○:殆ど繊維状の浮きが観察されず、平滑である。
△:わずかに浮きが認められる。
×:明らかに浮きが認められる。
なお、○または△が問題ないレベルである。
実施例13〜24および比較例9〜16の建築部材について、−20℃、10%RHにて12時間、70℃、60%RHで12時間、合計24時間を1サイクルとする冷熱サイクル試験を実施し、24サイクル後の試験前と試験後の反り量の差を測定した。なお、反りの評価は長さ1m、幅37cmの大きさの建築部材を用い、端部から20cm、50cm、80cmの3点について反りを測定し、反りの最大値、最小値を幅で記載した。結果を表4に示す。反りの最大値が1.5mm未満が良好である。
Claims (3)
- 合成樹脂発泡体からなる芯材の一方の面に表面材を、他方の面に裏面材を設けた建築部材の裏面材として用いられる建築部材用複合シートであって、該裏面材はガラス繊維と木材パルプとバインダー繊維とを含有する不織布(A)と合成樹脂フィルム(B)とを貼り合わせた複合シートであり、該不織布(A)は2層以上の多層シートであり、該不織布(A)の合成樹脂フィルム(B)と貼り合わせる側の層は木材パルプを含有しないか、または質量比で木材パルプよりもガラス繊維を多く含有しており、不織布(A)の合成樹脂発泡体からなる芯材と接する側の層は、ガラス繊維を含有しないか、または質量比でガラス繊維よりも木材パルプを多く含有することを特徴とする建築部材用複合シート。
- 該合成樹脂フィルム(B)が、該不織布(A)の該合成樹脂フィルム(B)と貼り合わせる側の面の上に、合成樹脂を加熱溶融した状態で流延/貼り合わされた合成樹脂フィルムである請求項1記載の建築部材用複合シート。
- 合成樹脂発泡体からなる芯材の一方の面に、請求項1又は2記載の建築部材用複合シートが設けられてなる建築部材。
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