JP2013104025A - リードフレーム固定材、リードフレーム、及び半導体装置 - Google Patents

リードフレーム固定材、リードフレーム、及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、固定材の移動抑制に優れ、高い固定強度を有するリードフレーム固定材を提供することである。
【解決手段】本発明のリードフレーム固定材は、(α)比表面積が70m2/g以上の微粒子0.1〜3質量%、(β)重量平均分子量が1500以上の固形エポキシ樹脂5〜20質量%、及び(γ)重量平均分子量が40000以上80000以下のフェノキシ樹脂0.5〜5質量%からなる群より選択される1種以上の増粘剤を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、リードフレーム固定材、リードフレーム、及び半導体装置に関する。
リードフレームとは、薄い金属板をフォトエッチングやプレス加工等することにより多数のリードを備えて形成されたフレームであって、半導体素子の個々の端子と各リードとが接続されるフレームである。
従来、例えばICやLSI等の電子部品の組み立て、製造工程において、リードフレームのピンが変形したり不揃いになったりすることを防止するため、リードフレームにはピン保持部等が形成されてきた。
例えば、特許文献1には、耐熱性接着剤を塗布したポリイミド系フィルムを適当な寸法に切断したピン保持テープを、リードフレームの各ブロックに各ピン先端寄りの所定箇所上に粘着する方法が記載されている。また、特許文献2には、各ピン先端寄りの所定箇所上及び各ピン間に、合成樹脂剤を充填させダム部を形成する方法が記載されている。
しかし、支持フィルムの片面に接着剤層を設けた二層構造の接着テープを用いて接着する方法においては、型抜きにより廃棄物が多量に生じたり、リードフレームの種類に応じて型抜き用の金型が必要であったりする等、材料、廃棄、管理のコストの観点から問題がある。
このような事情の下、特許文献3には、リードフレームの形状及び種類を問わずリードの保持を容易に行うこと等を目的として、リードフレームの各リード先端寄りの所定箇所上及び各リード間に光硬化性の樹脂材料を塗布し、押圧板間で押圧して樹脂材料をリード間に入り込ませ、その後、樹脂材料の硬化処理を施してリード間に保持部を形成する方法が記載されている。
一方、接着性樹脂については、特許文献4において高い硬化性と貯蔵安定性とを両立させ得る一液性エポキシ樹脂組成物が記載されている。
しかし、特許文献3のように、押圧板間で押圧して接着性樹脂をリード間に入り込ませる方法を採用する場合には、リード間に気泡等が介在する可能性があり、リード間を確実に固定する観点からはなお改善の余地を有する。また、押圧板を使用することによる接着性樹脂の汚染の点や、装置が大掛かりになる等の点において、なお改善の余地を有するものである。
それらを解決するために一定温度における粘度範囲が適切に設計されたリードフレーム固定材を使用することにより、リードフレームを確実かつ簡便に固定し得る方法が特許文献5に記載されている。
特開昭55−021118号公報 特開昭61−241953号公報 特公平04−064468号公報 国際公開番号WO2005/095486号 国際公開番号WO2008/075655号
しかしながら、特許文献5に記載された固定材をファインピッチ化されたリードフレームに用いた場合、固定材が塗布した位置から大きく移動して固定される現象が発生するおそれがある。固定材移動は全て均等に起こることはなく、リード間隔の形状が隣接するリード間隔の形状と僅かに違うと、間隔の形状差により移動する距離が異なる。リードフレーム内で他のリード間隙にある固定材より大きく移動した固定材は、硬化収縮応力が局在化して、その部分の固定強度が極端に低下する。固定強度が低下した部分はリードフレームの加工時に固定材剥離や固定材割れ等の不良の原因となる。さらに、半導体装置の組立時に固定材剥離が生じるとリードの剛性が低下してワイヤーボンディング性が低下するといった問題が発生するおそれがある。加熱硬化時における固定材の移動を抑制するための手段として、増粘剤を添加することにより固定材の粘度を上げることは有効ではあるが、単純に増粘剤を添加するだけではリード固定強度を低下させるといった別の問題が発生するおそれがある。
以上より本発明は、固定材の移動抑制に一層優れ、より高い固定強度を有するリードフレーム固定材を提供することを目的とする。
本発明者らは、リード固定の強度を低下させずに固定材移動を抑制するといった課題を解決するために鋭意検討した結果、適正な増粘剤を適正量配合したリードフレーム固定材を使用することで、硬化完了までの粘度範囲が適切に設計され、上記課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記の通りである。
[1]
(α)比表面積が70m2/g以上の微粒子0.1〜3質量%、
(β)重量平均分子量が1500以上の固形エポキシ樹脂5〜20質量%、及び
(γ)重量平均分子量が40000以上80000以下のフェノキシ樹脂0.5〜5質量%
からなる群より選択される1種以上の増粘剤を含む、リードフレーム固定材。
[2]
前記増粘剤として、(α)比表面積が70m2/g以上の微粒子0.1〜3質量%を含む、[1]に記載のリードフレーム固定材。
[3]
40℃における粘度と60℃における粘度との比(40℃における粘度/60℃における粘度)が1.0〜6.0である、[2]に記載のリードフレーム固定材。
[4]
前記微粒子がシリカを含む、[2]又は[3]に記載のリードフレーム固定材。
[5]
25〜170℃の範囲における粘度の最低値が0.5〜10Pa・sである、[2]〜[4]のいずれかに記載のリードフレーム固定材。
[6]
前記増粘剤として、(β)重量平均分子量が1500以上の固形エポキシ樹脂5〜20質量%及び/又は、(γ)重量平均分子量が40000以上80000以下のフェノキシ樹脂を0.5〜5質量%を含む、[1]に記載のリードフレーム固定材。
[7]
25〜170℃の範囲における粘度の最低値が0.25〜10Pa・sである、[6]に記載のリードフレーム固定材。
[8]
界面活性剤をさらに含む、[1]〜[7]のいずれかに記載のリードフレーム固定材。
[9]
前記界面活性剤がシロキサン骨格を有する界面活性剤である、[8]に記載のリードフレーム固定材。
[10]
エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とをさらに含み、
当該エポキシ樹脂硬化剤が潜在性硬化剤を含む、[1]〜[9]のいずれかに記載のリードフレーム固定材。
[11]
[1]〜[10]のいずれかに記載のリードフレーム固定材を使用したリードフレーム。
[12]
[11]に記載のリードフレームを使用した半導体装置。
本発明のリードフレーム固定材は、固定材の移動抑制に一層優れ、より高い固定強度を達成することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」ともいう)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
≪リードフレーム固定材≫
本実施の形態のリードフレーム固定材(以下、単に「固定材」ともいう)は、(α)比表面積が70m2/g以上の微粒子0.1〜3質量%(以下「(α)」又は「(α)微粒子」とも記す。)、(β)重量平均分子量が1500以上の固形エポキシ樹脂5〜20質量%(以下「(β)」又は「(β)固形エポキシ樹脂」とも記す。)、及び(γ)重量平均分子量が40000以上、80000以下のフェノキシ樹脂0.5〜5質量%(以下「(γ)」又は「(γ)フェノキシ樹脂」とも記す。)からなる群より選択される1種以上の増粘剤を含む。
本実施の形態のリードフレーム固定材には、増粘剤として、(α)微粒子、(β)固形エポキシ樹脂、(γ)フェノキシ樹脂のうち少なくとも1種を含有していればよいが、この中でも、<1>増粘剤として、(α)比表面積が70m2/g以上である微粒子0.1〜3質量%を含むことが好ましい。また、<2>増粘剤として、(β)重量平均分子量が1500以上の固形エポキシ樹脂5〜20質量%及び/又は、(γ)重量平均分子量が40000以上80000以下のフェノキシ樹脂0.5〜5質量%を含むことが好ましい。
<増粘剤>
増粘剤は、硬化目的で固定材を加熱する際、固定材が加熱されて固定材の粘度が一定の粘度より下がることで、固定材の移動が発生することを防止する効果を持つ。特定の増粘剤を含むリードフレーム固定材とすることにより、固定材の移動が抑制され、その結果、固定強度が高いリードフレームが得られる。特定の増粘剤として、本実施の形態では、(α)微粒子、(β)固形エポキシ樹脂、(γ)フェノキシ樹脂を用いる。
(上記<1>の態様)
以下、増粘剤として、(α)微粒子を用いる場合(上記<1>の態様)について記載する。
微粒子としては、例えば、シリカ(フュームドシリカ、溶融シリカ、結晶シリカ)、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等が挙げられる。この中で、シリカ(溶融シリカ、結晶シリカ)が好ましく、さらに表面にシラノール基を有するフュームドシリカが好ましい。シリカ表面にシラノール基を有することで、シリカ同士が水素結合により三次元ネットワーク構造を形成する。このため、少ない添加量で効率よく固定材にチクソ性を付与することができる。そして、シリカを配合していない場合に比べて、加熱硬化時に固定材の温度が上がっても、固定材の粘度低下割合が少なく、その結果、固定材の移動を抑制することできる。
微粒子は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
微粒子の配合量としてはリードフレーム固定材100質量%に対して、0.1〜3質量%であり、好ましくは0.5〜2.5質量%である。
微粒子の比表面積としては、効率的にチクソ性を得、その結果固定材の移動を抑制する点から、70m2/g以上であり、より好ましくは80m2/g以上、さらに好ましくは90m2/g以上である。ここで比表面積は、不活性気体の低温低湿物理吸着によるBET法で測定した値を言う。チクソ性を上げることで、塗布時には塗布によるせん断力で固定材の粘度が低下し良好な塗布性が得られ、塗布後はせん断力が無くなるので粘度が高くなり、固定材の塗布位置からの移動を抑制することができる。
〔固定材の粘度〕
以下、増粘剤として(α)微粒子を用いる場合(上記<1>の態様)について記載する。
硬化時に固定材を加熱することで、固定材の温度が上がった時の固定材の粘度低下割合は、40℃における粘度と60℃における粘度との比(40℃における粘度/60℃における粘度)で表すことが出来る。固定材の移動抑制の観点から、微粒子を配合したリードフレーム固定材の40℃における粘度と60℃における粘度との比(40℃における粘度/60℃における粘度)は、1.0〜6.0であることが好ましく、より好ましくは1.0〜5.8であり、さらに好ましくは1.0〜5.3である。
固定材の40℃における粘度と60℃における粘度との比を1.0に近づけることで、高温時の固定材の粘度が高くなり、固定材の移動を抑制できる。このため、固定材移動による固定強度の低下を防ぎ、部分的な欠陥がないリードフレームを得ることができる。
本実施の形態のリードフレーム固定材は、硬化前、常温(25℃)で実質的に液状であることが好ましい。「常温(25℃)で実質的に液状」とは、25℃において、「化学大辞典」(共立出版)(1963年)等に定義されているように、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有する状態を意味する。
25〜170℃の範囲における粘度の最低値(硬化開始までの最低粘度)は、(α)微粒子を含むリードフレーム固定材の場合、0.5〜10Pa・sであることが好ましく、0.7〜7Pa・sであることがより好ましく、1.5〜5Pa・sであることがさらに好ましい。硬化開始までの最低粘度がこのような粘度範囲にあることで、硬化の目的でリードフレーム固定材を加熱する過程において、加熱による固定材の粘度低下を抑制でき、その結果、固定材の移動を抑制することができる。
なお、ここでいう「粘度」は、レオメーター(HAAKE社製 RheoStress 600 測定モード:オシレーション)により測定される。前記レオメーターで、10℃/分の速度で25℃から170℃まで昇温した際の固定材の粘度を測定し、固定材の粘度変化が10Pa・s/秒以上になる点を硬化開始と判断する。また、「最低粘度」とは、上記と同等の方法で粘度を測定して、該測定範囲において最も低い粘度のことをいう。
(上記<2>の態様)
以下、増粘剤として、(β)固形エポキシ樹脂及び/又は(γ)フェノキシ樹脂を用いる場合(上記<2>の態様)について記載する。
本実施の形態のリードフレーム固定材は、増粘剤として、(β)重量平均分子量が1500以上の固形エポキシ樹脂5〜20質量%及び/又は、(γ)重量平均分子量が40000以上80000以下のフェノキシ樹脂0.5〜5質量%を含むことが好ましい。
固形エポキシ樹脂としては常温で固体のエポキシ樹脂であり、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、硬化物に靭性を付与し固定強度を向上させる観点から、好ましくは二官能のエポキシ樹脂であり、さらに好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂である。固形エポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
固形エポキシ樹脂の重量平均分子量は、1500以上であり、より好ましくは1600以上である。固形エポキシ樹脂の重量平均分子量の上限は、特に限定されないが、例えば、300,000以下である。また固形エポキシ樹脂の配合量としては、リードフレーム固定材100質量%に対して、5〜20質量%であり、好ましくは5〜13質量%である。固形エポキシ樹脂の重量平均分子量及び配合量が前記範囲内であると、増粘効果を上げて固定材の移動を抑制することと固定強度を向上させることとを両立させることができる。
フェノキシ樹脂とは、分子量10000以上の高分子量固形エポキシのことであり、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の高分子量体がこれに相当する。これらのフェノキシ樹脂は本実施の形態に用いるエポキシ樹脂(A)として、好適に使用されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂とも構造が似ていることから相溶性がよく、フェノキシ樹脂を用いると固定強度の向上も期待できる。なお、本実施の形態において、(γ)フェノキシ樹脂は、(β)固形エポキシ樹脂と異なるものとする。フェノキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、40000以上80000以下であり、好ましくは、50000以上80000以下である。また、フェノキシ樹脂の配合量としては、リードフレーム固定材100質量%に対して0.5〜5質量%であり、好ましくは1〜5質量%であり、より好ましくは3〜5質量%である。フェノキシ樹脂の重量平均分子量及び配合量が前記範囲内であると、増粘効果を上げて固定材の移動を抑制することと固定強度を向上させることとを両立させることができる。
なお、本実施の形態において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で、ポリスチレン標準にて検量線を作成して求めた。
本実施の形態のリードフレーム固定材は、硬化前、常温(25℃)で実質的に液状である。25〜170℃の範囲における粘度の最低値(硬化開始までの最低粘度)は、(β)固形エポキシ樹脂及び/又は、(γ)フェノキシ樹脂を含むリードフレーム固定材では、0.25〜10Pa・sの粘度範囲であることが好ましく、より好ましくは0.25〜5Pa・s、さらに好ましくは0.38〜5Pa・sの粘度範囲である。硬化開始までの最低粘度がこのような粘度範囲にあることで、硬化の目的でリードフレーム固定材を加熱する過程において、加熱による粘度低下を抑制でき、その結果、固定材の移動を抑制することができる。
なお、ここでいう「粘度」は、レオメーター(HAAKE社製 RheoStress 600 測定モード:オシレーション)により測定される。前記レオメーターで、10℃/分の速度で25℃から170℃まで昇温した際の固定材の粘度を測定し、固定材の粘度変化が10Pa・s/秒以上になる点を硬化開始と判断する。また、「最低粘度」とは、上記と同等の方法で粘度を測定して、該測定範囲において最も低い粘度のことをいう。
<界面活性剤>
本実施の形態のリードフレーム固定材は、さらに界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤を含むことにより、基材であるリードフレームへの濡れ性が向上し、固定材のリードフレームへの接着強度が向上する傾向にあり、好ましい。
界面活性剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、脂肪酸アミド系、アセチレングリコール系、ポリエーテル系、などの界面活性剤が挙げられる。
シリコーン系の界面活性剤としては、例えばPSA336、エンバイロジェムAD01:エアープロダクトジャパン社製、フローレンAC−902:共栄社化学社製などが挙げられる。
フッ素系の界面活性剤としては、例えばパーフルオロアルキル基含有化合物であるサーフロン111N、サーフロン131:セイミケミカル社製、メガファックF−410:大日本インキ化学工業社製、エフトップEF112、EF105、EF121:三菱マテリアル社製、ダイノール:日信化学工業社製、フロラードFC−129、FC−170C、FC135:住友スリーエム社製などが挙げられる。
脂肪酸アミド系の界面活性剤としては、例えばトリノーン:日本化成社製などが挙げられる。
アセチレングリコール系の界面活性剤としては、例えばアセチレングリコールとしてサーフィノール104、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物としてサーフィノール420、サーフィノール465、アセチレングリコール/アルコール混合型としてサーフィノール104A、自己乳化型アセチルジオールとしてサーフィノールSE、変性アセチレンジオール組成物としてサーフィノールPSA336、アセチレンジオール組成物としてサーフィノールPSA−204、216:エアープロダクトジャパン社製、アセチノール:川研ファインケミカル社製、アセチレングリコールのアセチレンジオール付加物としてオルフィン1010、オルフィン1004:日信化学工業社製などが挙げられる。
ポリエーテル系の界面活性剤としては、例えばSN984、SN980:サンノプコ、ポリエーテル系シリコーンとしては、KF−351、KF−352、KF−353、KF−640、KF−615:信越化学工業社製、シルウェットL−77、L−7001、L−7600、L−7607:日本ユニカー社製、SH3746、SH3749、SH3771:東レダウコーニング社製、TSF−4452、TSF−4445:東芝シリコーン社製などが挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
リードフレーム固定材に含める増粘剤として微粒子を用いる場合、これと併用する界面活性剤としては、好ましくはシロキサン骨格を有する界面活性剤(シリコーン系の界面活性剤)であり、より好ましくはポリエーテル系シリコーンである。このようなシロキサン骨格を有する界面活性剤を用いることにより、耐熱性等の性能を低下させることなく濡れ性のみを改良できる傾向にあり、好ましい。
界面活性剤の配合量としては、リードフレーム固定材100質量%に対して、好ましくは0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜3.0質量%であり、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%である。界面活性剤の配合量が5質量%以下であることにより、リードフレーム固定強度が向上する。また界面活性剤の配合量が0.1質量%以上であることにより、微粒子と併用して配合した場合に、固定材のリード間隙への埋め込み性が向上するため、リードフレーム固定強度が向上する。
〔リードフレーム固定材の種類〕
本実施の形態のリードフレーム固定材としては、例えば、熱硬化型、UV硬化型、2液硬化型等が挙げられる。より具体的には、例えば、アクリル系熱硬化型樹脂組成物、アクリル系UV硬化型樹脂組成物、ポリイミド系熱硬化型樹脂組成物、ポリアミドイミド系熱硬化型樹脂組成物、エポキシ系熱硬化型樹脂組成物、エポキシ系UV硬化型樹脂組成物等が挙げられる。中でも、塗布する組成物の形態での保存安定性と硬化の急峻性との観点から、エポキシ系熱硬化型樹脂組成物が好適に用いられる。
本実施の形態のリードフレーム固定材は、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とをさらに含み、当該エポキシ樹脂硬化剤が潜在性硬化剤を含むことが好ましい。
本実施の形態のリードフレーム固定材が前記エポキシ系熱硬化型樹脂組成物の場合、例えば、(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂用硬化剤、(C)増粘剤及び(Z)界面活性剤を含有する。ここで、(C)増粘剤及び(Z)界面活性剤は上述したものと同様である。
<(A)エポキシ樹脂>
前記(A)成分としては、モノエポキシ化合物、多価エポキシ化合物が挙げられる。これらは併用することも可能である。
モノエポキシ化合物としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、パラ−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、パラキシリルグリシジルエーテル、グリシジルアセテート、グリシジルブチレート、グリシジルヘキソエート、グリシジルベンゾエート、等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
また、多価エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラフルオロビスフェノールA等のビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ樹脂;
ジヒドロキシベンゼン、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のその他の2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等のトリスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;
フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等のノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂等;
多価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールをグリシジル化した脂肪族エーテル型エポキシ樹脂;
p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸をグリシジル化したエーテルエステル型エポキシ樹脂;
フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸をグリシジル化したエステル型エポキシ樹脂;
4,4−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノール等のアミン化合物のグリシジル化物やトリグリシジルイソシアヌレート等のアミン型エポキシ樹脂等のグリシジル型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキサイド等;
を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。これらの中では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を使用するのが好ましい。
また、前記ジヒドロキシナフタレンをグリシジル化したエポキシ樹脂とは、1分子内に少なくとも1個以上のナフタレン環を含んだ骨格を有するエポキシ樹脂であり、ナフトール系、ナフタレンジオール系等が挙げられる。ジヒドロキシナフタレンをグリシジル化したエポキシ樹脂としては、例えば、1,3−ジグリシジルエーテルナフタレン、1,4−ジグリシジルエーテルナフタレン、1,5−ジグリシジルエーテルナフタレン、1,6−ジグリシジルエーテルナフタレン、2,6−ジグリシジルエーテルナフタレン、2,7−ジグリシジルエーテルナフタレン、1,3−ジグリシジルエステルナフタレン、1,4−ジグリシジルエステルナフタレン、1,5−ジグリシジルエステルナフタレン、1,6−ジグリシジルエステルナフタレン、2,6−ジグリシジルエステルナフタレン、2,7−ジグリシジルエステルナフタレン、1,3−テトラグリシジルアミンナフタレン、1,4−テトラグリシジルアミンナフタレン、1,5−テトラグリシジルアミンナフタレン、1,6−テトラグリシジルアミンナフタレン、1,8−テトラグリシジルアミンナフタレン、2,6−テトラグリシジルアミンナフタレン、2,7−テトラグリシジルアミンナフタレン等が挙げられる。
ジヒドロキシナフタレンをグリシジル化したエポキシ樹脂を含有することで、速硬化性を発現し、硬化開始までの最低粘度を上げることができるので、固定材の移動を抑制する効果が働き、該エポキシ樹脂を含むエポキシ系熱硬化型樹脂組成物は、リードフレーム固定材として好適に使用することができる。
なお、本実施の形態において、エポキシ系熱硬化型樹脂組成物に含まれる(A)エポキシ樹脂は、(β)固形エポキシ樹脂及び(γ)フェノキシ樹脂と異なるものとする。
<(B)エポキシ樹脂用硬化剤>
前記(B)成分としては、ノボラック樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤等が例示できる。これらは2種以上を併用することも可能である。
ノボラック樹脂系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、ポリp−ビニルフェノール、等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水−3−クロロフタル酸、無水−4−クロロフタル酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水ジメチルコハク酸、無水ジクロールコハク酸、メチルナジック酸、ドテシルコハク酸、無水クロレンデックク酸、無水マレイン酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
アミン系硬化剤としては、例えば、一級、二級又は三級アミノ基を有する化合物が挙げられる。これらは2種以上を併用することも可能である。
一級アミノ基を有する化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、アニリン、トルイジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
二級アミノ基を有する化合物としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピペリドン、ジフェニルアミン、フェニルメチルアミン、フェニルエチルアミン、等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
三級アミノ基を有する化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、べンジルジメチルアミン、N,N'−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、1、8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、1、5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5等の三級アミン類;
2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−β−ヒドロキシエチルモルホリン等のアミノアルコール類;
2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミノフェノール類;
イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;
1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−ベンジルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−(o−トリル)−イミダゾリン、テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,3,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,3,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,2−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,3−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,4−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,4−フェニレン−ビス−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;
ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジプロピルアミノエチルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、ジエチルアミノエチルピペラジン等の三級アミノアミン類;
2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン等のアミノメルカプタン類;N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸等のアミノカルボン酸類;
N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド等のアミノヒドラジド類;
等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
アミンアダクト系硬化剤としては、例えば、以下のような(B−1)成分と、(B−2)成分との反応物として得られるアミンアダクトを挙げることができる。
(B−1)カルボン酸化合物、スルホン酸化合物、尿素化合物、イソシアネート化合物、及び前記(A)成分と同様のエポキシ樹脂、よりなる群から選択された1種又は2種以上の化合物。
(B−2)アミン化合物。
前記(B−1)成分として、前記カルボン酸化合物としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、ダイマー酸、等が挙げられる。
前記(B−1)成分として、前記スルホン酸化合物としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、等が挙げられる。
前記(B−1)成分として、前記尿素化合物としては、例えば、尿素、メチル尿素、ジメチル尿素、エチル尿素、t−ブチル尿素、等が挙げられる。
前記(B−1)成分として、前記イソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、ポリイソシアネート、等を挙げることができる。
ここで、脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、等を挙げることができる。
脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、4−4‘−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,4−イソシアナトシクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、1,3−ビス(2−イソシアナトプロピル−2イル)−シクロヘキサン、等を挙げることができる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、等を挙げることができる。
脂肪族トリイソシアネートとしては、例えば、1,3,6−トリイソシアネートメチルヘキサン、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−2−イソシアナトエチル、等を挙げることができる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートや、上述した各種ジイソシアネート化合物より誘導されるポリイソシアネートが例示される。このようなポリイソシアネートとしては、イソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、ウレタン型ポリイソシアネート、アロハネート型ポリイソシアネート、カルボジイミド型ポリイソシアネート、等が挙げられる。
一方、前記(B−2)成分としては、例えば、以下のような(B−2−1)成分、(B−2−2)成分が挙げられる。
(B−2−1)少なくとも1個の一級アミノ基及び/又は二級アミノ基を有するが三級アミノ基を有さない化合物。
(B−2−2)少なくとも1個の三級アミノ基と、少なくとも1個の活性水素基とを有する化合物。
前記(B−2−1)成分としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、アニリン、トルイジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、等の三級アミノ基を有さない第一アミン類;
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピペリドン、ジフェニルアミン、フェニルメチルアミン、フェニルエチルアミン、等の三級アミノ基を有さない第二アミン類;
等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
前記(B−2−2)成分において、活性水素基としては、例えば、一級アミノ基、二級アミノ基、水酸基、チオール基、カルボン酸、ヒドラジド基が挙げられる。
前記(B−2−2)成分としてより具体的には、例えば、2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−β−ヒドロキシエチルモルホリン等のアミノアルコール類;
2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミノフェノール類;
イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;
1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−ベンジルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−(o−トリル)−イミダゾリン、テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,3,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,3,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,2−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,3−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,4−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,4−フェニレン−ビス−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;
ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジプロピルアミノエチルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、ジエチルアミノエチルピペラジン等の三級アミノアミン類;
2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン等のアミノメルカプタン類;
N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸等のアミノカルボン酸類;
N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド等のアミノヒドラジド類;
等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
本実施の形態に用いる前記(B)成分としては、潜在性硬化剤を含むものであることが好適である。潜在性硬化剤とは、使用時までは硬化剤としての活性が抑制されており、使用時に、外的な刺激、例えば、熱、UV光等の放射線等を与えた時に初めて、硬化剤としての活性を良好に発揮するような硬化剤を意味する。
本実施の形態に用いる、このような潜在性硬化剤(潜在性エポキシ樹脂用硬化剤)の態様の一つとしては、カプセル型(硬化剤の粒径がμmオーダーの場合、「マイクロカプセル型」と呼ぶことがある。)の硬化剤を挙げることができる。カプセル型の硬化剤とは、例えば、エポキシ樹脂用硬化剤からなるコアの表面が、無機酸化物や合成樹脂等からなるシェルによって被覆された構造を有する硬化剤を意味する。このようなカプセル型の硬化剤を用いることにより、主剤(エポキシ樹脂)と硬化剤との配合物の貯蔵安定性を向上させることができる。
また、上記コアの材質としては、上記(B)成分と同様の成分を用いることができる。中でも、活性が高く、短時間で硬化できるという観点から、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、又は2−フェニルイミダゾールにより変性した、アミンアダクト系硬化剤であることが好ましい。また、コアとしては、常温(25℃)において固体である材質を用いて形成されたコアであることが好適である。
一方、上記シェルの材質が無機酸化物の場合、無機酸化物としては、例えば、酸化ホウ素、ホウ酸エステル等のホウ素化合物、二酸化珪素、酸化カルシウム等が挙げられる。中でも、シェルの安定性と加熱時の破壊しやすさの観点から、酸化ホウ素が好ましく用いられる。
また、上記シェルの材質が合成樹脂の場合、合成樹脂の例としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、等が挙げられる。中でも、比較的低温の加熱でシェルが破壊されるという観点から、モノアルコール又は多価アルコールとモノイソシアネート又は多価イソシアネートとの反応生成物であるウレタン系樹脂、アミン系硬化剤、又はアミンアダクト系硬化剤とエポキシ樹脂との反応生成物であるエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂が好ましい。
なお、シェルの安定性及び加熱時の破壊しやすさ、並びに硬化物の均一性等の観点から、シェルの材質としては合成樹脂であることが好ましい。また、アミンアダクト系硬化剤を合成樹脂のシェルで被覆してカプセル型の硬化剤を形成することが、主剤(エポキシ樹脂)と硬化剤との配合物の貯蔵安定性が良好であると共に、比較的低温の加熱下での速やかな硬化が可能な潜在性硬化剤を実現する観点から好適である。
更に、前記シェルとしては、シェルの安定性及び加熱時の破壊しやすさの観点から、前記(A)成分と前記(B)成分との反応生成物により形成されるシェル(以下、「第一シェル」と略記することがある。)、及び/又は、以下の(D)成分と(E)成分との反応生成物により形成されるシェル(以下、「第二シェル」と略記することがある。)を備えることが好ましい。
<(D)成分>
ここで、前記(D)成分としては、1分子中に1個以上のイソシアネート基を有する化合物であればよいが、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物を用いることが好ましい。具体的には、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、低分子トリイソシアネート、ポリイソシアネート、等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、等を挙げることができる。
脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、4,4‘−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,4−イソシアナトシクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、1,3−ビス(2−イソシアナトプロピル−2イル)−シクロヘキサン、等を挙げることができる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、等を挙げることができる。
低分子トリイソシアネートとしては、例えば、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−2−イソシアナトエチル、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−1−メチル−2−イソシアネートエチル等の脂肪族トリイソシアネート化合物、トリシクロヘキシルメタントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、等の脂環式トリイソシアネート化合物;
トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、等の芳香族トリイソシアネート化合物;
等を挙げることができる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、上記ジイソシアネートより誘導されるポリイソシアネート、低分子トリイソシアネートより誘導されるポリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、等が挙げられる。上記ジイソシアネートやトリイソシアネートより誘導されるポリイソシアネートとしては、イソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、ウレタン型ポリイソシアネート、アロハネート型ポリイソシアネート、カルボジイミド型ポリイソシアネート、等が挙げられる。
上述のような脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、低分子トリイソシアネート、ポリイソシアネートに含まれる例示化合物は、それぞれ1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
<(E)成分>
前記(E)成分としては、例えば、水、1分子中に1個以上の一級及び/又は二級アミノ基を有する化合物、1分子中に1個以上の水酸基を有する化合物、等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
1分子中に1個以上の一級及び/又は二級アミノ基を有する化合物としては、例えば、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミンを挙げることができる。
脂肪族アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、等のアルキルアミン;
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、等のアルキレンジアミン;
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、等のポリアルキレンポリアミン;
ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン、等のポリオキシアルキレンポリアミン;
等を挙げることができる。
脂環式アミンとしては、例えば、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、等を挙げることができる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、べンジルアミン、ナフチルアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、等を挙げることができる。
1分子中に1個以上の水酸基を有する化合物としては、例えば、アルコール化合物やフェノール化合物が挙げられる。アルコール化合物としては、第一、第二、又は第三アルコールのいずれでもよい。
アルコール化合物としては、例えば、メチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパルギルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、べンジルアルコール、シンナミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル等のモノアルコール類;
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、水添ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類;
等を挙げることができる。
なお、1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物と、水酸基、カルボキシル基、一級又は二級アミノ基、及びメルカプト基よりなる群から選択された少なくとも1種の官能基を1分子中に1個以上有する化合物との反応により得られる化合物(二級水酸基を1分子中に2個以上有する化合物)についても、多価アルコール類として例示される。
前記フェノール化合物としては、例えば、石炭酸、クレゾール、キシレノール、カルバクロール、モチール、ナフトール等のモノフェノール類;
カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ピロガロール、フロログルシン等の多価フェノール類;
等を挙げることができる。
前記1分子中に1個以上の水酸基を有する化合物としては、多価アルコール類や多価フェノール類等が好ましい。
本実施の形態において、前記第一シェルを形成する方法としては、例えば、塊状の前記(B)成分を、粉砕機を用いて所望の大きさの粒子に粉砕し、その後、以下の(i)〜(iii)のような方法により前記(B)成分の表面にシェル膜(第一シェル)を形成させる方法が挙げられる。
(i)第一シェル成分(前記(A)成分と前記(B)成分との反応生成物)を溶解し、更に前記(B)成分を分散させた分散媒中で、第一シェル成分の溶解度を下げて、前記(B)成分の表面に第一シェルを析出させる方法。
(ii)前記(A)成分を溶解し、更に前記(B)成分を分散させた分散媒中で、第一シェルの形成反応を行い、前記(B)成分の表面に第一シェルを析出させる方法。
(iii)前記(B)成分の表面を反応の場として、そこで第一シェルを形成させる方法。
なお、(ii)及び(iii)の方法は、反応と被覆とを同時に行うことができるため好ましい。
ここで、上記分散媒としては、例えば、溶媒、可塑剤、樹脂類等が挙げられる。
上記溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサ等の炭化水素類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;
酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエチルエーテルアセテート等のエステル類;
メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール類;
水、等が挙げられる。
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)等のフタル酸ジエステル系可塑剤;
アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;
リン酸トリクレジル等のリン酸トリエステル系可塑剤;
ポリエチレングリコールエステル等のグリコールエステル系可塑剤;
等が挙げられる。
上記樹脂類としては、例えば、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。
分散媒として使用できるエポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラフルオロビスフェノールA等のビスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂);
ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のその他の2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等のトリスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;
1,1,2,2,−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;
フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等のノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂;
多価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂や、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールをグリシジル化した脂肪族エーテル型エポキシ樹脂;
p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸をグリシジル化したエーテルエステル型エポキシ樹脂;
フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸をグリシジル化したエステル型エポキシ樹脂;
4,4−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノール等のアミン化合物のグリシジル化物やトリグリシジルイソシアヌレート等のアミン型エポキシ樹脂等のグリシジル型エポキシ樹脂;
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキサイド;
等が例示される。
中でも、前記(A)成分と前記(B)成分とを含むリードフレーム固定材の貯蔵安定性を高める観点から、上記樹脂類としてはエポキシ系樹脂を用いることが好ましい。また、リードフレーム固定材の硬化物の電気的信頼性を高める観点から、上記樹脂類としては多価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
また、本実施の形態において、前記第二シェルを形成する方法としては、前記第一シェルを形成する方法と同様の方法を用いることができる。
なお、前記第一シェル形成時の反応条件としては、通常0〜150℃、好ましくは10〜100℃の温度範囲で、1〜168時間、好ましくは2〜72時間の反応時間である。一方、前記第二シェル形成時の反応条件としては、通常−10〜150℃の温度範囲で、10分〜12時間の反応時間である。
前記第一シェル形成時の、前記(A)成分と前記(B)成分との配合比としては、(前記(A)成分):(前記(B)成分)(質量)の比として通常1:0.001〜1:1000、好ましくは1:0.01〜1:100である。
また、前記第二シェル形成時の、前記(D)成分と前記(E)成分との配合比としては、(前記(D)成分中のイソシアネート基):(前記(E)成分中の活性水素基)(モル)の比として通常1:0.1〜1:1000である。
本実施の形態において、カプセル型の硬化剤におけるシェルの厚み(複数層のシェルを備える場合には、その総厚)は、平均層厚として、通常5nm〜1000nm、好ましくは20nm〜700nmである。該平均層厚を5nm以上とすることで良好な貯蔵安定性を得ることができる。また、該平均層厚を1000nm以下とすることで実用的上良好な硬化性を得ることができる。
なお、本実施の形態において、平均層厚は、透過型電子顕微鏡により満遍なく4点の測定点につき層厚みを観察し、その平均値として算出されるものである。
一方、上記(B)成分の平均粒径(カプセル型の硬化剤の場合、シェルを含む平均粒径)としては、通常1〜10μm、好ましくは2〜6μmである。このような平均粒径とすることにより、接着剤が均一な硬化物となり、固定強度、電気的信頼性が向上するというメリットが実現し得るため好適である。
なお、本実施の形態において、平均粒径(又は、平均粒子径)とは、以下の測定方法で得られる値である。試料の4mgを0.1質量%界面活性剤(三井サイテック(株)製、エアロゾルOT−75)のシクロヘキサン溶液32gに入れ、超音波洗浄器(本田電子(株) MODEL W−211)で5分間超音波照射して分散液を得る。このときの超音波洗浄器内の水温は19±2℃に調整する。得られた分散液を一部取り、HORIBA LA−920(堀場製作所(株)製 粒度分布計)にて粒度分布測定し、50%メジアン径の値を平均粒径とする。
本実施の形態において、カプセル型の硬化剤におけるシェルの総重量(第一シェルの重量、及び/又は、第二シェルの重量)と、その内部にあるコアの重量との重量比(シェル/コア)が0.1〜0.3の範囲にあることが好ましい。シェルのコアに対する重量比が0.1以上の場合は、固定材中の前記(A)成分であるエポキシ樹脂とシェルとの間で相互作用が働き、固定材とリードとの接触角が上がるために固定材の移動を抑制できる。また、シェルのコアに対する重量比を0.3以下とすることで速硬化性が働き、固定材の移動を抑制できる。シェルのコアに対する重量比として、より好ましくは0.15〜0.30であり、さらに好ましくは0.15〜0.25である。
なお、本実施の形態においてシェルの総重量とコアの重量との比は、下記方法で求められる。100部の固定材を1000部のキシレンに分散させて、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、残渣をキシレンで洗浄した後に乾燥させたものをカプセル型硬化剤の重量とする。次に100部のカプセル型硬化剤を500部のメタノールに分散させて、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、残渣をメタノールで洗浄した後、乾燥させたものをシェル総重量とする。カプセル型硬化剤重量からシェルの総重量を引いた重量をコアの重量とし、シェルの総重量とコアの重量との比を求める。
前記(A)成分と前記(B)成分との配合比としては、前記(A)成分に含まれるエポキシ基1当量に対する、前記(B)成分中の活性水素の当量として、好ましくは0.2〜1.5である。
また、前記(B)成分が、前記(A)成分と前記(B)成分との合計量に占める割合としては、好ましくは0.1〜99質量%、より好ましくは10〜50質量%である。
更に、前記(A)成分と前記(B)成分との合計量が、前記エポキシ系熱硬化型樹脂組成物中に占める割合としては、好ましくは60〜94.4質量%、より好ましくは70〜94.4質量%である。
<硬化促進剤>
前記エポキシ系熱硬化型樹脂組成物には、前記(A)成分と前記(B)成分との硬化反応を促進する観点から、硬化促進剤を配合することができる。
このような硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;
2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類;
トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩;
等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
なお、硬化促進剤の配合量としては、前記(A)成分100質量部に対する配合量として、好ましくは0.1〜5質量部である。
<環状ホウ酸エステル化合物>
前記エポキシ系熱硬化型樹脂組成物には、環状ホウ酸エステル化合物を配合することができる。
環状ホウ酸エステル化合物としては、例えば、2,2−オキシビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)等を挙げることができる。
なお、このような環状ホウ酸エステル化合物の配合量としては、前記(A)成分と前記(B)成分との合計量を100質量部に対し、好ましくは0.001質量部〜10質量部である。環状ホウ酸エステル化合物の配合量を前記範囲とすることにより、組成物の高温時における貯蔵安定性をより高めつつ、短時間硬化性、耐熱性、接続信頼性を損なわない組成物を実現し得る。
<その他の添加剤>
前記エポキシ系熱硬化型樹脂組成物には、更に、増量剤、補強材、充填材、顔料、有機溶剤、反応性希釈剤、非反応性希釈剤、樹脂類、結晶性アルコール、カップリング剤等を所望により添加することができる。
増量剤、補強材、充填剤及び顔料としては、例えば、コールタール、ガラス繊維、アスベスト繊維、ほう素繊維、炭素繊維、セルロース、ポリエチレン粉、ポリプロピレン粉、石英紛、鉱物性ケイ酸塩、雲母、アスベスト粉、スレート粉、カオリン、酸化アルミニウム三水和物、水酸化アルミニウム、チョーク粉、石こう、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、ペントン、シリカ、エアロゾル、リトポン、バライト、二酸化チタン、等を挙げることができる。これらは、その用途に応じて適宜選定される。
有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、等が挙げられる。
反応性希釈剤としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、N,N’−グリシジル−o−トルイジン、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、等が挙げられる。
非反応性希釈剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジベート、石油系溶剤、等が挙げられる。
樹脂類としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、メラミン樹脂やウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、アルキッド変性エポキシ樹脂等の変性エポキシ樹脂、等が挙げられる。
結晶性アルコールとしては、例えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、トリメチロールプロパン、等が挙げられる。
カップリング剤としては、例えば、アルミニウムキレートとしてアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、チタネート系カップリング剤として「プレンアクト KR38S」(味の素ファインテクノ製)、シランカップリング剤としてメチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3- アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
≪リードフレーム固定材の製造方法≫
本実施の形態のリードフレーム固定材の製造方法は、例えば、上述した各成分を混合する方法が挙げられる。該混合方法としては、例えば、三本ロール、遊星運動式撹拌装置を用いた方法が挙げられる。
≪リードフレーム≫
本実施の形態のリードフレームは、上述のリードフレーム固定材を使用した固定材付リードフレームである。該固定材付リードフレームを形成する方法としては、例えば、上述のリードフレーム固定材をリードフレームに対して塗布する方法が挙げられる。
上述のリードフレーム固定材をリードフレームに対して塗布する方法としては、例えば、エアディスペンシング法、スクリューディスペンシング法、ジェットディスペンシンング法、接着剤注入板法、転写バンピング法、スクリーン印刷法、マスク法、Bステージ硬化フィルム法等が挙げられる。上述のリードフレーム固定材が有し得る粘度範囲を考慮すると、中でも、エアディスペンシング法、スクリューディスペンシング法、ジェットディスペンシング法、スクリーン印刷法が好ましく、スクリューディスペンシング法がより好ましい。また、必要に応じて塗布時に、上述のリードフレーム固定材の粘度を下げるための加熱を行ってもよい。
ここで、本実施の形態のリードフレームのピッチ(隣接するリードとの平均間隔)としては、先端から300μmアウター側の位置(ワイヤーボンドする位置)で好ましくは0.01mm〜0.25mm、より好ましくは0.05mm〜0.15mmである。
また、本実施の形態のリードフレームの厚みとしては、好ましくは0.01mm〜0.30mm、より好ましくは0.05mm〜0.15mmである。
このようなピッチ、及び/又は厚みを有するリードフレームに対して上述のリードフレーム固定材を適用した場合に、硬化前のリードフレーム固定材が隣接するリード間に良好に保持され、硬化後のリードフレームの固定性がより良好となる。
なお、本実施の形態のリードフレーム固定材は、リードフレームへの塗布直前に構成成分が混合されて形成される(例えば、主剤と硬化剤とが混合されて形成される)ものであってもよい。
≪半導体装置≫
本実施の形態の半導体装置は、上述のリードフレームを使用した半導体装置である。
また、上述のリードフレーム固定材は、ダムバー形成用接着剤を含めたリードフレーム固定用に特に有用な固定材であり、本実施の形態の半導体装置は、当該固定材により支持固定されたリードフレームを用いて封止した半導体装置であることが好ましい。
≪その他の用途≫
本実施の形態のリードフレーム固定材は、上記半導体装置以外の用途に使用されることが妨げられるものではない。本実施の形態のリードフレーム固定材は、例えば、接着剤及び/又は接合用ペースト、接合用フィルムとして使用される他、導電材料、異方導電材料、絶縁材料、封止材、コーティング材、塗料組成物、プリプレグ、熱伝導性材料等としても有効に使用することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例中の「部」又は「%」は特記しない限り質量基準である。尚、各物性の評価は、以下の通りの方法で行った。
○各物性の評価方法
(1)最低粘度
常温(25℃)にした試料を試料台に載せ、レオメーター(HAAKE社製 RheoStress 600 測定モード;オシレーション)により、常温から170℃まで昇温速度10℃/分で昇温した際の試料の粘度変化を測定し、最低となる粘度を測定した。
(2)粘度比
上記(1)と同様の方法にて試料の粘度変化を測定し、40℃における粘度と60℃における粘度との比を下記の式より求めた。
(粘度比)=(40℃粘度)/(60℃粘度)
(3)固定材の移動
実施例及び比較例で得られたリードフレーム固定材を下記リードフレームに塗布し、加熱硬化前後のリードフレーム固定材の移動距離を以下のとおり測定した。
〔使用するリードフレーム〕
厚みが125μmのリードフレームであって、インナーリードの先端から300μmアウター側のリード部分において、リード幅100μm、リード間隙125μmであり、かつインナーリードの先端から1300μmアウター側のリード部分において、リード幅130μm、リード間隙140μmである銅アロイ194のQFP208タイプオープンフレームを用いた。
〔リードフレームの前処理〕
リードフレーム固定材の塗布前に、上記リードフレームをアルカリ電解脱脂(日進化成製アルカロールNTの1/10希釈、液温50℃、陽極:チタン白金プレート、陰極:リードフレームで3A(アンペア)/dm2で2分間電解)後、流水(精製水)で5分間水洗し、乾燥空気の気流下で5分間乾燥した。
〔リードフレーム固定材の移動距離の測定〕
上記前処理をしたリードフレームに塗布幅が300μmになるようにインナーリード先端部分から300μmアウター側(銅合金部分)に、実施例及び比較例で得られたリードフレーム固定材を塗布した。その後、該リードフレームを、200℃一定温度になるよう調整されたリフロー炉に60秒間入れて、リードフレーム固定材を加熱硬化し、インナーリードを固定したリードフレームを得た。
「リードフレームに塗布した際のリードフレーム固定材の中心から、加熱硬化後のリードフレーム固定材の中心までの距離」を光学顕微鏡で測定し、「移動距離」とした。該移動距離が、200μm以内の場合を「優」、200μmを超えて300μm以内の場合を「良」、300μmを超えた場合を「不良」とした。
(4)リード間隙への埋め込み性
上記「(3)固定材の移動」に記載の方法と同様に、リードフレームにリードフレーム固定材を塗布し、加熱硬化させてインナーリードを固定したリードフレームを得た。リードフレーム固定材を塗布した軌跡に沿ってリードフレームを切断し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察した。塗布面のリード上に残っているリードフレーム固定材の厚さが10μm未満の場合を「優」、10μm以上20μm未満の場合を「良」、20μm以上の場合を「不良」とした。
(5)固定強度
上記「(3)固定材の移動」に記載の方法と同様に、リードフレームにリードフレーム固定材を塗布し、加熱硬化させてリードフレームを得た。得られたリードフレームを固定し、リード間隙に埋め込まれているリードフレーム固定材硬化物の引っ張りせん断接着強度(破断強度[N])を引っ張り試験機(島津製 オートグラフ)で測定した。該測定値(破断強度[N])を接着面積(固定材がリードから剥離した部分の面積)で除して固定強度とした(固定強度を求める式:下記の式)。固定強度が、40N/mm2以上の場合を「優」、15N/mm2以上40N/mm2未満の場合を「良」、15N/mm2未満の場合を「不良」とした。
(固定強度[N/mm2])=(破断強度[N])/(接着面積[mm2])
[製造例1〜3]
2−プロパノールとキシレンとの混合溶媒(2−プロパノール/キシレン=1/2(重量比))中、表1に示す配合比(エポキシ基/アミノ基の当量比)にて原料(エポキシ樹脂及びアミン化合物)を反応温度80℃で反応させた。
反応後、減圧下で溶媒と低分子アミン成分を留去し、アミンアダクトb−1〜b−3を得た。得られたアミンアダクトb−1〜b−3はいずれも25℃で固体状であった。
尚、本実施例において、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236:2001に記載の方法により測定し、全塩素量は、JIS K 7243:2005に記載の方法により測定した。
[実施例1〜14、比較例1〜19]
表2及び3に示す配合割合にて(A)成分:エポキシ樹脂、(B)成分:エポキシ樹脂用硬化剤、(C)成分:増粘剤、(Z)成分:界面活性剤を混合し、リードフレーム固定材を得た。
得られたリードフレーム固定材について評価した結果を、表2及び3に併記した。
〔(A)成分:エポキシ樹脂〕
(A)成分として、下記に記載する樹脂を用いた。
エポキシ樹脂A−4: ビスフェノールA型エポキシ樹脂。エポキシ当量177g/当量、全塩素量40ppm。
エポキシ樹脂A−5: ナフタレン型エポキシ樹脂(1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン)。エポキシ当量143g/当量、全塩素量920ppm。
エポキシ樹脂A−6: ビスフェノールF型エポキシ樹脂。エポキシ当量169g/当量、全塩素量330ppm。
〔(B)成分:エポキシ樹脂用硬化剤〕
(B)成分として、下記に記載する樹脂を用いた。
カプセル型アミンアダクトb−1−2: アミンアダクトb−1を粉砕し、平均粒子径2.4μmの粉砕物を得た(25℃で固体状)。この粉砕物100質量部、水1.5質量部、及びトリレンジイソシアネート7質量部を、200質量部のエポキシ樹脂A−1に加えて、40℃で攪拌しながら3時間反応を続けた。その後、シェル形成反応を50℃で8時間行い、マイクロカプセル型硬化剤であるカプセル型アミンアダクトb−1−2を得た。
カプセル型アミンアダクトb−2−2: アミンアダクトb−2を粉砕し、平均粒子径2.3μmの粉砕物を得た。この粉砕物100質量部、水3.0質量部、及びトリレンジイソシアネート15質量部を、200質量部のエポキシ樹脂A−1に加えて、40℃で攪拌しながら3時間反応を続けた。その後、シェル形成反応を50℃で16時間行い、マイクロカプセル型硬化剤であるカプセル型アミンアダクトb−2−2を得た。
カプセル型アミンアダクトb−3−2: アミンアダクトb−1の代わりにアミンアダクトb−3を用いた以外は、カプセル型アミンアダクトb−1−2と同様にしてカプセル型アミンアダクトb−3−2を得た。
カプセル型アミンアダクトb−3−2F: 200質量部のエポキシ樹脂A−1の代わりに、50質量部のエポキシ樹脂A−1及び150質量部のビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量169g/当量、全塩素量330ppm、以下「エポキシ樹脂A−6」とも記す。)を用いた以外は、カプセル型アミンアダクトb−3−2と同様にしてカプセル型アミンアダクトb−3−2Fを得た。
〔(C)成分:増粘剤〕
(C)成分の内、固形エポキシ樹脂又はフェノキシ樹脂として、下記を用いた。尚、固形エポキシ樹脂又はフェノキシ樹脂は、(A)成分のエポキシ樹脂(液状)に加熱溶解し、40℃に冷却してから配合した。
固形エポキシ樹脂−1: ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂:重量平均分子量2745。エポキシ当量930g/当量。旭化成イーマテリアルズ株式会社製商品名:AER6084。
固形エポキシ樹脂−2: ビスフェノールF型固形エポキシ樹脂:重量平均分子量3211。エポキシ当量1070g/当量。三菱化学株式会社製商品名:jER4005P。
固形エポキシ樹脂−3: ビフェニル型エポキシ樹脂:重量平均分子量558。エポキシ当量186g/当量。
固形エポキシ樹脂−4: イソシアネート変性エポキシ樹脂:重量平均分子量952。エポキシ当量340g/当量。旭化成イーマテリアルズ株式会社製商品名:AER4152。
固形エポキシ樹脂−5: テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン:重量平均分子量598。エポキシ当量200g/当量。三菱化学株式会社製商品名:jER1031S。
フェノキシ樹脂−1: ビスフェノールA型フェノキシ樹脂:重量平均分子量45000〜55000。エポキシ当量8000g/当量。三菱化学株式会社製商品名:jER1256。
フェノキシ樹脂−2: ビスフェノールA型フェノキシ樹脂:重量平均分子量27000〜37000。InChem社製商品名:PKHB。
尚、本実施例において、固形エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラグラフィー法で、ポリスチレン標準にて検量線を作成して求めた。エポキシ当量は、JIS K 7236:2001に記載の方法により測定した。
(C)成分の内、微粒子として、下記を用いた。尚、微粒子は、(A)成分のエポキシ樹脂(液状)と微粒子とを三本ロールで混練した後に配合した。また、ここで比表面積とはBET法により測定した値を示す。
微粒子−1: 比表面積が110m2/gのフュームド(溶融)シリカ。
微粒子−2: 比表面積が50m2/gのフュームド(溶融)シリカ。
〔(Z)成分:界面活性剤〕
(Z)成分として、下記を用いた。
界面活性剤−1: ポリエーテル系シリコーン。信越化学工業社商品名:KF−353
界面活性剤−2: ポリエーテル系シリコーン。信越化学工業社商品名:KF−640
<半導体パッケージの組み立て>
表2及び3に記載の配合組成で得られたリードフレーム固定材を使用し、上記(3)「固定材の移動」に記載した方法により、固定材で固定したリードフレームを作製し、半導体パッケージを組み立てた。具体的には、下記(I)〜(IV)のとおり半導体パッケージを組み立てた。
(I)ダイボンディング
半導体チップを、ダイボンディング用銀ペーストを用いて、リードフレームのプレーン部に接着した。該接着の際、銀ペーストを150℃で2時間硬化させた。
(II)ワイヤーボンディング
ワイヤーボンダーにより、金線で半導体チップ上のワイヤーパッドとインナーリード線端部の銀メッキ部分とを配線した。
(III)モールディング
エポキシ系モールド材でトランスファーモールドした。
(IV)仕上げ工程
ホーミング、ダイカット、アウターリード部のメッキ等の工程を含め、半導体パッケージに仕上げた。
<半導体パッケージのPCBT試験>
上記組み立てた半導体パッケージのPCBT試験(Pressure Cooker Biased Test)を行った。条件は5ボルト印加、121℃、2atm、85%RHで実施し、電気的信頼性テストを最長1000時間行った。その結果、実施例の配合組成で作製したリードフレーム固定材を使用した半導体パッケージはいずれも1000時間では信頼性が低下することなく、良好な信頼性試験結果が得られた。
表2及び3の結果から、本実施の形態のリードフレーム固定材はいずれも、固定材の移動を抑制でき、かつリード間隙の埋め込み性が良好であることがわかった。従って、本実施の形態のリードフレーム固定材を用いれば、リードフレームを良好に、かつ強度に固定できることがわかった。
本発明のリードフレーム固定材は、例えば、半導体アセンブリに使用されるリードフレームのインナーリードを固定する材料、又はリードフレームのダムバーを形成する材料として有用である。

Claims (12)

  1. (α)比表面積が70m2/g以上の微粒子0.1〜3質量%、
    (β)重量平均分子量が1500以上の固形エポキシ樹脂5〜20質量%、及び
    (γ)重量平均分子量が40000以上80000以下のフェノキシ樹脂0.5〜5質量%
    からなる群より選択される1種以上の増粘剤を含む、リードフレーム固定材。
  2. 前記増粘剤として、(α)比表面積が70m2/g以上の微粒子0.1〜3質量%を含む、請求項1に記載のリードフレーム固定材。
  3. 40℃における粘度と60℃における粘度との比(40℃における粘度/60℃における粘度)が1.0〜6.0である、請求項2に記載のリードフレーム固定材。
  4. 前記微粒子がシリカを含む、請求項2又は3に記載のリードフレーム固定材。
  5. 25〜170℃の範囲における粘度の最低値が0.5〜10Pa・sである、請求項2〜4のいずれか1項に記載のリードフレーム固定材。
  6. 前記増粘剤として、(β)重量平均分子量が1500以上の固形エポキシ樹脂5〜20質量%及び/又は、(γ)重量平均分子量が40000以上80000以下のフェノキシ樹脂を0.5〜5質量%を含む、請求項1に記載のリードフレーム固定材。
  7. 25〜170℃の範囲における粘度の最低値が0.25〜10Pa・sである、請求項6に記載のリードフレーム固定材。
  8. 界面活性剤をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のリードフレーム固定材。
  9. 前記界面活性剤がシロキサン骨格を有する界面活性剤である、請求項8に記載のリードフレーム固定材。
  10. エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とをさらに含み、
    当該エポキシ樹脂硬化剤が潜在性硬化剤を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のリードフレーム固定材。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のリードフレーム固定材を使用したリードフレーム。
  12. 請求項11に記載のリードフレームを使用した半導体装置。
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