JP2013103902A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、AGEs分解剤とを含有する皮膚外用剤。
[式中、Aは、無置換又は置換基を有する芳香族基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基、水素原子を表す。また、前記環状脂肪族又は芳香族環が、AとBとの結合部位の複素原子を含み形成される環も包含する。]
【選択図】図1
Description
<1> 1)下記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)アドバンスド・グリケ−ション・エンドプロダクツ(AGEs:Advanced glycation end-products)分解剤とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
[式中、Aは、無置換又は置換基を有する芳香族基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基、水素原子を表す。また、前記環状脂肪族又は芳香族環が、AとBとの結合部位の複素原子を含み形成される環も包含する。]
<2> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>に記載の皮膚外用剤。
[式中、Aは、無置換又は置換基を有する芳香族基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基、水素原子を表す。また、前記環状脂肪族又は芳香族環が、AとBとの結合部位の複素原子を含み形成される環も包含する。]
[式中、Aは、無置換又は置換基を有する芳香族基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Xは、窒素原子又はNH基を表し、R1は、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基、水素原子を表す。また、前記環状脂肪族炭化水素の環は、R1がXを含み形成される環も包含する。]
[式中、Aは、無置換又は置換基を有する芳香族基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Xは、酸素原子を表し、R2は、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素、水素原子を表す。]
[式中、Aは、無置換又は置換基を有する芳香族基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Xは、窒素原子を表し、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素、水素原子を表す。]
[式中、Aは、無置換又は置換基を有する芳香族基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Xは、窒素原子又はNH基を表し、R5は、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数5〜8の芳香族基、水素原子を表す。また、前記芳香族基の環は、R5がXを含み形成される環も包含する。]
<9> 前記AGEs分解剤が、下記の植物より得られる抽出物よりなることを特徴とする、<1>〜<8>の何れかに記載の皮膚外用剤。
(植物)モクセイ科オリ−ブ属、ユキノシタ科ユキノシタ属、バラ科ポテンチラ属、バラ科キジムシロ属、マメ科アスパラトゥス属、バラ科シモツケソウ属、キク科ヨモギ属、マメ科ゲンゲ属
<10> 前記のモクセイ科オリ−ブ属、ユキノシタ科ユキノシタ属、バラ科ポテンチラ属、バラ科キジムシロ属、マメ科アスパラトゥス属、バラ科シモツケソウ属、キク科ヨモギ属、マメ科ゲンゲ属に属する植物が、モクセイ科オリ−ブ属オリ−ブ、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタ、バラ科ポテンチラ属トルメンチラ、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバエ、バラ科キジムシロ属カワラサイコ、マメ科アスパラトゥス属ルイボス、バラ科シモツケソウ属シモツケソウ、キク科ヨモギ属ヨモギ、マメ科ゲンゲ属レンゲソウであることを特徴とする、<1>〜<9>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<11> 前記AGEs分解剤を、皮膚外用剤全量に対し0.0001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、<1>〜<10>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<12> 前記のAGEs分解剤が、皮膚の角層中に存在するAGEsの分解作用を有することを特徴とする、<1>〜<11>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<13> 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、<1>〜<12>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<14> 美白用であることを特徴とする、<1>〜<13>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<15> 前記の美白作用が、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善用であることを特徴とする、<1>〜<14>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<16> 色素沈着に対する予防又は改善作用が、メラニン過剰輸送により生じる角化細胞の細胞不活性化が関与する色素沈着異常の予防又は改善用であることを特徴とする、<1>〜<15>の何れかに記載の皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤とを含有することを特徴とする。本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた美白作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、更には、治り難いしみ又はくすみ、重層剥離等の肌荒れを伴う色素沈着に対する予防又は改善作用を発揮する。本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、AGEs分解剤を共に含有することにより、美白作用を相加又は相乗的に向上させ、更には、メラノサイトにおけるメラニン過剰産生及び/又は慢性的なメラニン産生亢進によるケラチノサイトへのメラニン過剰輸送、蓄積及び排出遅延などにより生じる色素沈着異常、具体的には、重層剥離などの肌荒れ症状を伴う色素沈着異常に対し優れた予防又は改善作用を発揮する。本発明の皮膚外用剤には、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の1種又は2種以上を選択し配合することが出来る。
前記Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基、水素原子を表す。また、前記環状脂肪族又は芳香族環が、AとBとの結合部位の複素原子を含み形成される環も包含する。前記Bに関し具体例を挙げれば、水酸基、アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するモノ又はジアルキルアミノ基(但し、A及びBの結合部分の複素原子が炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基の環状構造中に存在する環状アミノ基を含む)、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するアルキルオキシ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を有するモノ又はジ置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル鎖を有するアルキルオキシ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するモノ又はジ置換アミノ基(但し、A及びBの結合部分の複素原子が炭素数3〜8の芳香族炭化水素基の環状構造中に存在する環状アミノ基を含む)。
前記一般式(2)に表される化合物の内、より好ましいものとしては、前記一般式(3)〜(6)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましい化合物を具体的に例示すれば、1−[(ジフェニル)メチル]イミダゾ−ル(化合物1)、1−[(トリフェニル)メチル]イミダゾ−ル(化合物2)、2−{[(ジフェニル)メチル]オキシ}エタノ−ル(化合物3)、2−{[(トリフェニル)メチル]オキシ}エタノ−ル(化合物4)、2−{[(ジフェニル)メチル]アミノ}エタノ−ル(化合物5)、2−{[(トリフェニル)メチル]アミノ}エタノ−ル(化合物6)、2−{[(ジフェニル)メチル]オキシ}エチルアミン(化合物7)、2−{[(トリフェニル)メチル]オキシ}エチルアミン(化合物8)、1−[(ジフェニル)メチル]ピロリジン(化合物9)、1−[(トリフェニル)メチル]ピロリジン(化合物10)、1−[(ジフェニル)メチル]ピペリジン(化合物11)、1−[(トリフェニル)メチル]ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
前記R1は、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基(但し、前記環状脂肪族炭化水素基の環は、R1がXを含み形成される環も包含する)、水素原子を表す。前記R1に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、N−シクロプロピル基、N−シクロブチル基、N−シクロペンチル基、N−シクロヘキシル基、N−シクロヘプチル基、N−シクロオクチル基等が好適に例示出来る。また、環状脂肪族炭化水素基の環が、R1がXを含み形成された環構造を有する置換基(前記X部分を含む)としては、ピロリジノ基、メチルピロリジノ基、エチルピロリジノ基、プロピルピロリジノ基、メトキシピロリジノ基、エトキシピロリジノ基、プロピルオキシピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、アミノピロリジノ基、N−メチルピロリジノ基、N−エチルピロリジノ基、N−プロピルピロリジノ基、N,N−ジメチルピロリジノ基、N,N−ジエチルピロリジノ基、N,N−ジプロピルピロリジノ基、フルオロピロリジノ基、ジフルオロピロリジノ基、トリフルオロメチルピロリジノ基、クロロピロリジノ基、ピペリジノ基、メチルピペリジノ基、エチルピペリジノ基、プロピルピペリジノ基、メトキシピペリジノ基、エトキシピペリジノ基、プロピルオキシピペリジノ基、ヒドロキシピペリジノ基、アミノピペリジノ基、N−メチルピペリジノ基、N−エチルピペリジノ基、N−プロピルピペリジノ基、N,N−ジメチルピペリジノ基、N,N−ジエチルピペリジノ基、N,N−ジプロピルピペリジノ基、フルオロピペリジノ基、ジフルオロピペリジノ基、トリフルオロメチルピペリジノ基、クロロピペリジノ基、ピペラジノ基、メチルピペラジノ基、エチルピペラジノ基、プロピルピペラジノ基、メトキシピペラジノ基、エトキシピペラジノ基、プロピルオキシピペラジノ基、ヒドロキシピペラジノ基、アミノピペラジノ基、N−メチルピペラジノ基、N−エチルピペラジノ基、N−プロピルピペラジノ基、N,N−ジメチルピペラジノ基、N,N−ジエチルピペラジノ基、N,N−ジプロピルピペラジノ基、フルオロピペラジノ基、ジフルオロピペラジノ基、トリフルオロメチルピペラジノ基、クロロピペラジノ基、モルホリノ基、メチルモルホリノ基、エチルモルホリノ基、プロピルモルホリノ基、メトキシモルホリノ基、エトキシモルホリノ基、プロピルオキシモルホリノ基、ヒドロキシモルホリノ基、アミノモルホリノ基、N−メチルモルホリノ基、N−エチルモルホリノ基、N−プロピルモルホリノ基、N,N−ジメチルモルホリノ基、N,N−ジエチルモルホリノ基、N,N−ジプロピルモルホリノ基、フルオロモルホリノ基、ジフルオロモルホリノ基、トリフルオロメチルモルホリノ基、クロロモルホリノ基、スクシンイミド基等が好適に例示出来、より好ましくは、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基が好適に例示出来、より好ましくは、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物の内、好ましいものを具体的に例示すれば、N−(ジフェニルメチル)スクシンイミド、N−[(メチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(メチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(エチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(エチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(メトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(エトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(エトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(フルオロフェニル)メチル]スクシンイミド、N−(トリフェニルメチル)スクシンイミド、N−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(メチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(エチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(メトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(エトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(フルオロフェニル)メチル]スクシンイミド、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−[(メチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(メチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(アミノフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(アミノフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(クロロフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(クロロフェニル)メチル]ピロリジン、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(メチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(メトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(エトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(アミノフェニル)ジフェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(アミノフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(フルオロフェニル)メチル]ピロリジン、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−[(メチルフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(メチルフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(アミノフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(アミノフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(クロロフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(クロロフェニル)メチル]ピペリジン、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)、1−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(メチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(エチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(メトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(エトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(アミノフェニル)ジフェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(アミノフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(フルオロフェニル)メチル]ピペリジン、1−(ジフェニルメチル)モルホリン、1−[(メチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(メチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(メトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[(アミノフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(アミノフェニル)メチル]モルホリン、1−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(フルオロフェニル)メチル]モルホリン、1−[(クロロフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(クロロフェニル)メチル]モルホリン、1−(トリフェニルメチル)モルホリン、1−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(メチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(メトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(エトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[(アミノフェニル)ジフェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(アミノフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(フルオロフェニル)メチル]モルホリン及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましいものとしては、1−[(ジフェニル)メチル]ピロリジン(化合物9)、1−[(トリフェニル)メチル]ピロリジン(化合物10)、1−[(ジフェニル)メチル]ピペリジン(化合物11)、1−[(トリフェニル)メ
チル]ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
化合物1及び化合物2は、特開昭53−16879号公報に記載された方法に従い合成した。尚、化合物2は、和光純薬工業株式会社より試薬として購入することも出来る。
エチレングリコ−ル(3.10g、49.9mmol)(和光純薬工業株式会社)及びトリフェニルクロロメタン(1.39g、49.9mmol)(和光純薬工業株式会社)をピリジン(6mL)(和光純薬工業株式会社)に溶解し、45℃に加温し、2時間撹拌した。反応液に水(50mL)を注ぎ、トルエン(和光純薬工業株式会社)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリム(和光純薬工業株式会社)で乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム(和光純薬工業株式会社):メタノ−ル(和光純薬工業株式会社)=9:1)にて精製し、化合物4(収量0.37g、収率24%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物3を得ることが出来る。
mp.103−106℃
1H-HMR(CDCl3):δ3.26(t、J=4.5Hz、2H)、3.75(t、J=4.5Hz、2H)、7.23−7.54(m、15H).
IR(cm-1): 3337、1448、1093、1061.
トリフェニルクロロメタン(1.00g、3.58mmol)(和光純薬工業株式会社)及びアミノエタノ−ル(2.00g、32.7mmol)をアセトニトリル(5mL)(和光純薬工業株式会社)に溶解し、室温にて一晩撹拌した。反応液に水(100mL)を注ぎ、析出物を吸引濾過後、乾燥した。固形物をエタノ−ル(和光純薬工業株式会社)及び水混合溶媒系にて再結晶することにより化合物6(収量0.43g、収率39%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物5を得ることが出来る。
mp.94−97℃
1H-NMR(d6−DMSO):δ2.07(t、J=6.0Hz、2H)、3.51(t、J=6.0Hz、2H)、7.15−7.42(m、15H).
IR(cm-1): 3244、1488、1442、1025.
トリフェニルクロロメタン(1.00g、3.58mmol)(和光純薬工業株式会社)及び塩酸エタノ−ルアミン(1.00g、10.3mmol)(和光純薬工業株式会社)をピリジン(4mL)(和光純薬工業株式会社)に溶解し、室温にて3日間撹拌した。反応液に水(200mL)を注ぎ、析出物を吸引濾過した。固形物をジエチルエ−テル(和光純薬工業株式会社)に縣濁し、3(N)塩酸(和光純薬工業株式会社)を加え、室温にて15分間撹拌した後、不溶物を吸引濾過した。不溶物を酢酸エチル(和光純薬工業株式会社)及び飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社)水溶液の混合溶液に溶解し、振とう後、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)にて乾燥した後、吸引濾過、減圧濃縮し、化合物8(収量0.31g、収率28%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物7を得ることが出来る。
mp.87−89℃.
1H−NMR(CDCl3):δ2.88(t、J=5.1Hz、2H)、3.14(t、J=5.1Hz、2H)、7.24−7.51(m、15H).
IR(cm-1): 3378、1594、1448、1054.
クロロジフェニルメタン(0.50g、2.47mmol)(和光純薬工業株式会社)、ピロリジン(0.53g、7.45mmol)(東京化成工業株式会社)及びヨウ化カリウム(0.10g、0.60mmol)(和光純薬工業株式会社)をアセトニトリル(20mL)(和光純薬工業株式会社)に加え、2時間還流した。室温まで放却した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社)水溶液を加え、酢酸エチル(和光純薬工業株式会社)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)にて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒、クロロホルム(和光純薬工業株式会社):メタノ−ル(和光純薬工業株式会社)=99:1)付し、化合物9(収量0.36g、収率61%)を得た。
mp. 69−72℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.73−1.79(m、4H)、2.40−2.44(m、4H)、4.15(s、1H)、7.12−7.47(m、10H).
IR(cm-1):2793、1452、703.
ピロリジン(0.26g、3.66mmol)(和光純薬工業株式会社)、トリフェニルクロロメタン(1.02g、3.66mmol)(和光純薬工業株式会社)及び炭酸カリウム(0.51g, 3.66mmol)(和光純薬工業株式会社)をアセトニトリル(30mL)(和光純薬工業株式会社)に加え、5時間還流した。反応液に、飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社)水溶液を加え、酢酸エチル(和光純薬工業株式会社)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)にて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒n−ヘキサン(和光純薬工業株式会社):酢酸エチル(和光純薬工業株式会社)=9:1)に付し、化合物10(収量0.45g、収率80%)を得た。
mp.127−129℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.53−1.65(m、4H)、2.00−2.30(m、4H)、7.11−7.28(m、5H)、7.48−7.52(m、10H).
IR(cm-1):2961、2819、1486、1448、711.
ピペリジン(1.50g、17.6mmol)(和光純薬工業株式会社)、トリフェニルクロロメタン(5.40g、19.4mmol)(和光純薬工業株式会社)及び炭酸カリウム(2.68g、19.4mmol)(和光純薬工業株式会社)をアセトニトリル(30mL)(和光純薬工業株式会社)に加え、5時間還流した。反応液に、飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社)水溶液を加え、酢酸エチル(和光純薬工業株式会社)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)にて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗精製物をクロロホルム(和光純薬工業株式会社)及びn−ヘキサン(和光純薬工業株式会社)の混合溶媒を用いて再結晶し、化合物12(収量1.80g、収率31%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物11を得ることが出来る。
mp.156−158℃
1H−NMR(CDCl3):δ0.70−3.50(m、10H)、7.14−7.80(m、15H).
IR(cm-1):2923、1485、1448、708.
メイラ−ド反応は、アミノ酸と還元糖が加熱により褐色の色素を生成する反応である。糖化反応は、還元糖のカルボニル基及びアミノ酸のアミノ基がシッフ塩基を形成した後、エナミノ−ルを経由し、アマドリ転位により安定なアマドリ化合物を生成する初期段階と、それ以降の、脱水、加水分解、炭素間の開裂により、α−ジカルボニル化合物を生成し、その後、α−ジカルボニル化合物、シッフ塩基、アマドリ化合物の分解、脂質過酸化反応由来のアルデヒド、糖の自動酸化及び分解などにより糖化最終産物(AGEs)が生成する後期段階に分類することが出来る。AGEsは、前記の糖化反応の結果生じる生成物の総称であり、単一の化合物を意味するものではない。また、糖化反応は、最終生成物のAGEs生成に至る過程において、生体内蛋白質と分子内又は分子間の無秩序な架橋構造を形成することにより、物理的又は生理的な変化を引き起こし、皮膚の色調のくすみ、弾力性、肌の肌理等の美肌、美白的な要因に深く関与することが知られている。このため、AGEs分解作用、取り分け、真皮AGEs分解作用を有する成分には、糖化反応を抑制することにより、くすみなどの色素沈着が関与する皮膚症状を予防又は改善する作用が期待出来る。しかしながら、真皮AGEsに働きかけるAGEs分解剤を用いたとしても、美白作用、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善効果、取り分け、過剰及び/又は慢性的なメラニン産生亢進により生じるケラチノサイトの細胞機能低下に起因する治り難いしみ、くすみ、更には、重層剥離などの肌荒れ症状を呈する色素沈着異常に対する予防又は改善効果は十分とは言い難いものであった。本発明のAGEs分解剤は、AGEs分解作用を有する成分であれば特段の限定なく適用出来るが、より好ましくは、表皮AGEs分解作用、さらに好ましくは、角層AGEs分解作用を有する成分が好適に例示出来る。かかるAGEs分解作用を有する成分は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた美白作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、更には、メラノサイトにおけるメラニン過剰産生及び/又は慢性的なメラニン産生亢進によるケラチノサイトへのメラニン過剰輸送、蓄積及び排出遅延など現象が関与する色素沈着異常に対する予防又は改善作用を発揮する。また、本発明のAGEs分解剤は、後記AGEs分解剤の1種又は2種以上を選択し、本発明の皮膚外用剤に含有させることが出来る。
オリ−ブの葉3(kg)に50%エタノ−ル水溶液5Lを加え、2時間加熱環流し、濾過によって不溶物を取り除き減圧濃縮し、本発明のオリ−ブより得られる植物抽出物を44(g)得た。
ユキノシタの葉3.5(kg)に50%エタノ−ル水溶液6Lを加え、2時間加熱環流し、濾過によって不溶物を取り除き減圧濃縮し、本発明のユキノシタより得られる植物抽出物を41(g)得た。
バラ科ポテンチラ属トルメンチラの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノ−ル水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、植物抽出物1を得た。しかる後に、植物抽出物1に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科ポテンチラ属トルメンチラより得られる植物抽出物を得た。
バラ科キジムシロ属カワラサイコの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノ−ル水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、植物抽出物2を得た。しかる後に、植物抽出物2に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科キジムシロ属カワラサイコより得られる植物抽出物を得た。
バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノ−ル水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、植物抽出物3を得た。しかる後に、植物抽出物3に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物を得た。
マメ科アスパラトゥス属ルイボスの葉の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノ−ル水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、抽出物4を得た。しかる後に、抽出物4に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のマメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物を得た。
バラ科ポテンチラ属シモツケソウの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノ−ル水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、抽出物5を得た。しかる後に、抽出物5に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科シモツケソウ属シモツケソウより得られる植物抽出物を得た。
キク科ヨモギ属ヨモギの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノ−ル水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、抽出物6を得た。しかる後に、抽出物6に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のキク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物を得た。
マメ科ゲンゲ属レンゲソウの全草及び種子の乾燥物1(kg)を細断し、10(L)のエタノ−ル溶液を加え、50℃以下の温度にて一晩浸漬した後、濾過にて不溶物を除去することにより、エタノ−ル溶液抽出物である抽出物を得た。
22mM 1−フェニル−1,2−プロパンジオン/メタノ−ル+0.1M リン酸緩衝液(pH7.4) 1(mL)と、本発明の植物抽出物(モクセイ科オリ−ブ属オリ−ブより得られる植物抽出物、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタより得られる植物抽出物、バラ科ポテンチラ属トルメンチラより得られる植物抽出物、バラ科キジムシロ属カワラサイコより得られる植物抽出物、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物、マメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物、バラ科シモツケソウ属シモツケソウより得られる植物抽出物、キク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物) 1(mL)を混合し、37℃で10時間反応させ、安息香酸の量をHPLCにて定量した。
(HPLC条件)
分析条件 検出器 :紫外吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム :東ソ− TSK−ODS80TsQA
カラム温度:室温
移動層 :氷酢酸2(g)/アセトニトリル 500(mL)+エデト酸二ナトリウム溶液(1→250) 500(mL)
流量:1(mL)/min.
以下の試験材料を用い、AGEs分解作用評価を実施した。
AGE−BSA:グルコ−スと牛血清アルブミン(BSA)を37℃で12週間以上インキュベ−トし、PD−10 columns(Amersham Biosciences 17−0851−01)にて余分なグルコ−スを除いたもの、1次抗体 :Anti-Albumin、Bovine Serum、Rabbit−Poly ROCKLAND 201−41331/20000、2次抗体 :Goat anti−rabbit IgG horseradish peroxidase conjugate BioRAD 170−6515 1/10000、基質 :TMB solution Wako 546−01911
(手順)
Type I コラ−ゲンコ−トした96穴マイクロプレ−ト(Bio Coat 35 4407)に10(μg/mL)のAGE-BSAを100μL加え、1.0μg(AGE-BSA/well) 37℃にて4時間静置した後、0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄(マイクロミキサ−上で室温、3分間振とう)、PBS(−)に溶解した濃度(1×10−4%)の試料を100(μL)加え、37℃で10時間以上反応させる。その後、0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄し、1次抗体を各wellに100μL/well加え、室温で30分間静置する。0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄し、2次抗体を100(μL/well)入れ、室温30分間静置する。0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄し、TMBを100(μL/well)加え、室温15分反応させる。1N 塩酸を100(μL/well)入れ、反応を止め、450(nm)の吸光度を測定する。AGEs量を変え、検量線を引き、この検量線より残存AGEs量を定量した。残存AGEs量を添加したAGEs量より減じ、添加したAGEs量で除し、100を乗じてAGEs分解率を算出した。
角層中AGEsは次の様にして検出できる。皮膚より市販の粘着テ−プ等を利用してテ−プストリッピングにより角層採取を行い、溶剤で半日処理して粘着テ−プ部分を除去する。得られた角層に対して免疫組織染色を行い、染色された角層標本を顕微鏡下で観察する。結果を図1に示す。前記溶剤としては、有機溶媒、特にキシレンが好ましく例示できる。免疫組織染色の条件として、一次抗体(anti AGE monocronal antibody(mouse) TransGenic KH001)、ビオチン化2次抗体(Biotin-Rabbit Anti Mouse IGg conjugate ZYMED 81-6740)、ABC 試薬(R.T.U VECTASTAIN Elite ABC REAGENT BECTOR PK-7100)、AEC基質(ENVISION kit/HRP(AEC) Dako K3464)が好ましく例示できる。対照として、70%エタノ−ル溶液に浸漬した角層標本を用意した。角層標本を、100mMグルコ−スを溶解した70%エタノ−ル溶液に浸漬する。また、本発明のAGEs分解剤であるマメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物 0.1%共存下、非共存下で、室温で一日放置後、AGEsを検知した。マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物の非共存下においては、対照と比較して明らかに反応部位が多く、グルコ−スによりAGEsが産生したことがわかった。マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物 0.1%共存下では、非共存下に比べて明らかに反応部位が少なく、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物がヒト角層中におけるAGEsの産生抑制作用を有することがわかった。この度合いは、標識の存在面積比によって定量化することができるし、該標識の存在割合は、後述の如く、スコアなどで簡便に数値化できる。結果を図1に示す。
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤を含有することを特徴とする。本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、AGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有することにより、優れた美白作用、具体的には、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、更には、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果を発揮する。また、本発明の皮膚外用剤は、特に、採取された角層細胞においてメラニン存在量が多い人に生じる色素沈着異常に対する予防又は改善作用の増強効果を有する。
表1及び表2に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤を作製した。即ち、イ、ロ及びハの成分を80℃に加熱し、ロにハを攪拌しながら徐々に加え中和した後、イを徐々に攪拌しながら加え、ホモミキサ−により乳化粒子を均一化し乳液(化粧料1〜12)を得た。同様の操作により、化粧料1の処方成分中、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」を「水」に置換した比較例1、「本発明のAGEs分解剤」を「水」に置換した比較例2、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明のAGEs分解剤」を共に「水」に置換した比較例3を製造した。
実施例1に記載の方法に従い製造した本発明の皮膚外用剤(乳液、化粧料1〜12)及び比較例1〜3の化粧料を用い、色素沈着抑制効果を調べた。自由意思で参加したパネラ−の背部に、試験初日(1日目)に1.5cm×1.5cmの試験部位を設け、試験部位の皮膚明度(L*値)を色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて測定した。試験初日に皮膚明度を測定した後、試験部位に最少紅斑量の2倍量(2MED)の紫外線を1回照射した。紫外線照射終了直後より1日3回、14日連続して、各試験部位に各検体(化粧料1〜12又は比較例1〜3)を50μL塗布した。塗布終了24時間後(15日目)に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、式1に従い、試験初日のL値に対するΔL*値を算出した。結果を表3に示す。L*値は色素沈着の程度が強いほど低い値となるため、ΔL*値が小さい程、色素沈着が抑制されたと判断することができる。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料1〜12は優れた色素沈着抑制効果を有することが分かる。また、比較例1及び比較例2も色素沈着抑制作用が認められたが、その効果は、化粧料1〜12に比較し弱かった。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料1〜12は、優れた色素沈着抑制効果を示すことが分かる。
実施例1に記載の方法に従い製造された本発明の皮膚外用剤(化粧料12)に含有される「本発明の前記一般式(1)に表される化合物(化合物12)」及び「本発明のAGEs分解剤(マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる抽出物」の含有量を変更した化粧料13〜16を実施例1に記載の製造方法に従い作製し、紫外線暴露による色素沈着抑制作用を検討した。前記成分の含有量は、表4に示した通りである。また、前記成分の増減による質量%の変化は、水の質量%を増減させることにより調整した。
実施例3に記載の方法により製造した検体(化粧料13〜16)及び比較例3に関し、実施例2に記載の方法に従い、色素沈着抑制効果を評価した。結果を表5に示す。本発明の皮膚外用剤(化粧料13〜16)は優れた色素沈着抑制効果を有することが判った。
実施例1に記載の本発明の皮膚外用剤(化粧料4)の処方成分中、「ペムレンTR−2」をPOE(25)ステアリン酸に置換した化粧料17の作製を試みたところ、化粧料17は製造直後に分離しており、乳化物が得られなかった。
実施例1に記載の方法に従い製造した本発明の皮膚外用剤(化粧料4、化粧料10、化粧料12)、比較例1〜3に付いて、以下の手順に従い色素沈着抑制作用評価を行った。メラニン量が平均より多いパネラ−の選択にあたっては、皮膚から粘着テ−プストリッピングにより採取した角層細胞の標本を、硝酸銀水溶液を用いたメラニン染色を行うことにより可視化し、これを顕微鏡下観察することにより判定した。また、判定にあたっては、平均的な存在状況を中心にスコア化して判別した。さらに、前記パネラ−の内、角層標本を用い有核細胞の出現率が平均よりも高い、乃至は、重層剥離の度合いが平均よりも多い人を観察により選択しパネラ−とした。前記の特性を有する自由意思で参加したパネラ−の両上腕に1.5cm×1.5cmの部位を上下2段に分け4ケ所の測定部位を設け、最少紅斑量(1MED)の紫外線照射を1日1回、3日連続して3回照射した。3日目の照射終了後より、1日1回28日連続してサンプル50μLを塗布した。1部位は無処置部位とした。塗布終了24時間後に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、式2に従い、無処置部位のL値に対するΔL*値を算出した。L*値は、色素沈着の程度が強いほど低い値となる。従って、ΔL*値が大きい程、色素沈着が抑制されたと判断することができる。結果を表6に示す。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料4、化粧料10、化粧料12は、優れた色素沈着抑制効果を示すことが分かる。
Claims (16)
- 1)下記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)アドバンスド・グリケ−ション・エンドプロダクツ(AGEs:Advanced glycation end-products)分解剤とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
[式中、Aは、無置換又は置換基を有する芳香族基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基、水素原子を表す。また、前記環状脂肪族又は芳香族環が、AとBとの結合部位の複素原子を含み形成される環も包含する。] - 前記一般式(1)〜(6)に表される化合物が、1−[(ジフェニル)メチル]イミダゾ−ル(化合物1)、1−[(トリフェニル)メチル]イミダゾ−ル(化合物2)、2−{[(ジフェニル)メチル]オキシ}エタノ−ル(化合物3)、2−{[(トリフェニル)メチル]オキシ}エタノ−ル(化合物4)、2−{[(ジフェニル)メチル]アミノ}エタノ−ル(化合物5)、2−{[(トリフェニル)メチル]アミノ}エタノ−ル(化合物6)、2−{[(ジフェニル)メチル]オキシ}エチルアミン(化合物7)、2−{[(トリフェニル)メチル]オキシ}エチルアミン(化合物8)、1−[(ジフェニル)メチル]ピロリジン(化合物9)、1−[(トリフェニル)メチル]ピロリジン(化合物10)、1−[(ジフェニル)メチル]ピペリジン(化合物11)、1−[(トリフェニル)メチル]ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選ばれる1種又は2種以上よりなることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
1−[(トリフェニル)メチル]イミダゾ−ル(化合物2)
- 前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、皮膚外用剤全量に対し、0.001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 前記AGEs分解剤が、下記の植物より得られる抽出物よりなることを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(植物)モクセイ科オリ−ブ属、ユキノシタ科ユキノシタ属、バラ科ポテンチラ属、バラ科キジムシロ属、マメ科アスパラトゥス属、バラ科シモツケソウ属、キク科ヨモギ属、マメ科ゲンゲ属 - 前記のモクセイ科オリ−ブ属、ユキノシタ科ユキノシタ属、バラ科ポテンチラ属、バラ科キジムシロ属、マメ科アスパラトゥス属、バラ科シモツケソウ属、キク科ヨモギ属、マメ科ゲンゲ属に属する植物が、モクセイ科オリ−ブ属オリ−ブ、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタ、バラ科ポテンチラ属トルメンチラ、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバエ、バラ科キジムシロ属カワラサイコ、マメ科アスパラトゥス属ルイボス、バラ科シモツケソウ属シモツケソウ、キク科ヨモギ属ヨモギ、マメ科ゲンゲ属レンゲソウであることを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 前記AGEs分解剤を、皮膚外用剤全量に対し0.0001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、請求項1〜10の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 前記のAGEs分解剤が、皮膚の角層中に存在するAGEsの分解作用を有することを特徴とする、請求項1〜11の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、請求項1〜12の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 美白用であることを特徴とする、請求項1〜13の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 前記の美白作用が、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善用であることを特徴とする、請求項1〜14の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 色素沈着に対する予防又は改善作用が、メラニン過剰輸送により生じる角化細胞の細胞不活性化が関与する色素沈着異常の予防又は改善用であることを特徴とする、請求項1〜15の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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