JP2013099709A - 熱交換体の塗装方法、及び熱交換体 - Google Patents

熱交換体の塗装方法、及び熱交換体 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な方法で十分な液切りを行いムラのない均一なコーティング膜を形成できる熱交換体の塗装方法を得る。
【解決手段】この発明に係る熱交換体の塗装方法は、各アルミニウムフィン2及び銅管のそれぞれの表面にコーティング液6を塗布する塗布工程と、フィンブロック3の片側の端面を、傾斜した傾斜板4に接触させ、かつ保持することでアルミニウムフィン2及び銅管の各表面に塗布されたコーティング液6を傾斜板4に沿って流下して液切りする液切り工程と、コーティング液6を硬化してコーティング膜を形成する乾燥工程とを備えている。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば各種の建築物のほか、溶接や切断等の金属の加工現場、金属粉塵を扱う事業所、鉄道等の車両や関連施設等で用いられる熱交換体の塗装方法、その方法により製造された熱交換体に関する。
例えば空調機の熱交換を行う熱交換体は、通常金属製の熱伝導フィン及び伝熱管が複雑な形状をなしているが、例えば近年メンテナンスの簡略化、抗菌の観点から、汚れや菌の付着を防止するための防汚コーティングが施される。
かかるコーティング液を塗布した場合には、狭い伝熱管間隙にまわり込ませ、かつ残留成分を適切に残してコーティング膜の厚さを均一にする必要があった。
かかる問題に対し、被処理物をハンガーに吊り下げ、ハンガー着脱コンベアを用いて、被処理物を主コンベアから副コンベアへと移送し、遠心分離機を用いて前工程で付着した余分な液の液切りを行い、その後副コンベアから主コンベアへと復帰させて次の処理を行い、前工程での余分な付着液が次の工程に持ち込まれるのを防止し、処理液の濃度を一定に保って、皮膜の厚さを均一化し、品質を向上させるものが知られている(例えば、特許文献1)。
また、熱交換体本体を、遠心分離機の回転バスケット内に、チューブ長さ方向を半径線方向に一致させる態様において配置して遠心分離を行い、熱交換体本体に塗布した液を十分にむらなく、能率的に液切りさせるものも知られている(例えば特許文献2)。
特開平6−10150号公報 特開平6−297140号公報
しかしながら、従来のものは、熱交換体本体の表面にコーティング膜を形成するに際して、共に遠心分離機を用いる必要があり、設備が大掛かりになり製造コストも嵩むという問題点があった。
また、単にエアブローするのみでは十分な液切りがなされにくく、また液切り性が悪いため皮膜した際に膜ムラを生じる等の問題点があった。
この発明は、かかる問題点を解決することを課題とするものであって、簡易な方法で十分な液切りを行いムラのない均一なコーティング膜を形成することができる熱交換体の塗装方法、及びその方法により得られる熱交換体を提供することを目的とする。
この発明に係る熱交換体の塗装方法は、間隔を空けて積層された矩形状の複数枚の熱伝導フィンから構成されたフィンブロックと、各前記熱伝導フィンを貫通し熱媒体が流通する伝熱管とが一体化された熱交換体本体に、コーティング液を塗布して表面にコーティング膜を形成する熱交換体の塗装方法であって、
各前記熱伝導フィン及び前記伝熱管のそれぞれの表面に前記コーティング液を塗布する塗布工程と、
前記フィンブロックの片側の端面を、傾斜した傾斜板に接触させ、かつ保持することで前記熱伝導フィン及び前記伝熱管の各表面に塗布された前記コーティング液を前記傾斜板に沿って流下して液切りする液切り工程と、
前記コーティング液を硬化して前記コーティング膜を形成する乾燥工程と
を備えている。
また、この発明に係る熱交換体は、コーティング膜は、通風空気の風上側の領域のみに形成されている。
この発明による熱交換体の塗装方法によれば、フィンブロックの片側の端面を傾斜した傾斜板に接触させ、かつ保持することで、液切り工程に遠心分離機等の大掛かりな設備を要することなく熱交換体本体の表面に付着したコーティング液の十分な液切を行なうことができ、ムラの発生が低減されて高い均一性が確保されたコーティング膜が形成される。
また、この発明による熱交換体によれば、表面に形成されたコーティング膜は、通風空気の風上側の領域のみに形成されており、コーティング液の使用量を削減しつつ、効率的に例えば汚れの付着を防止することができる。
この発明の実施の形態1による熱交換体の塗装方法で製造された熱交換体を示す斜視図である。 図1の熱交換体の塗装方法の塗布工程を示す説明図である。 図1の熱交換体の塗装方法の液切り工程を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による熱交換体の塗装方法の乾燥工程を示す説明図である。
以下、この発明の各実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における熱交換体1の塗装方法で製造された熱交換体1を示す斜視図である。
この熱交換体1は、間隔を空けて積層された複数枚の矩形状であって熱伝導フィンであるアルミニウムフィン2で構成されたフィンブロック3と、各アルミニウムフィン2を貫通し熱媒体が流通する伝熱管である銅管(図示せず)とが一体で構成された熱交換体本体に、通風空気9の風上側の領域の一部(この例では、2列目までの銅管及び各アルミニウムフィン2の各表面)にコーティング膜10が形成されている。
この熱交換体1の塗装方法は、各アルミニウムフィン2及び銅管の各表面にコーティング液6を塗布する塗布工程(図2参照)と、熱交換体本体を傾斜板4に載置してフィンブロック3の片側端面を傾斜板4に接触させ、アルミニウムフィン2の各端面と接触した状態で傾斜板4を傾斜し、かつ保持することでアルミニウムフィン2及び銅管の各表面に塗布されたコーティング液6を傾斜板4に沿って流下して液切りする液切り工程(図3参照)と、コーティング液6を硬化してコーティング膜10を形成する乾燥工程とを備えている。
コーティング液6は、水に親水性の無機粒子が分散され、防汚性を有するものである。
なお、傾斜板4は、空気の通過により、コーティング膜10のムラが生じるおそれがあるので、空気の流通を遮断できるものが好ましい。
上記塗布工程では、図2に示すように、コーティング液6が入ったコーティング槽5に、5列に配列された銅管がフィンブロック3に貫通した熱交換体本体を浸漬する。フィンブロック3の浸漬部位は、フィンブロック3の下側から二列までである。
上記液切り工程では、傾斜板4に各アルミニウムフィン2の端面を接触させた状態で保持することで、アルミニウムフィン2の表面に多量に存在する余剰なコーティング液6は、傾斜したアルミニウムフィン2の表面に沿って流下し、引き続き傾斜板4に伝わり、そのまま流下する。
また、アルミニウムフィン2間にコーティング液6のブリッジが生じても、傾斜したアルミニウムフィン2の表面に沿って流下してくる上流からのコーティング液6により、そのブリッジは破壊される。
これにより、アルミニウムフィン2の表面には、均一で薄膜なコーティング液6が付着する。
なお、傾斜板4は、その表面が水の静的接触角で20度以下であることが好ましい。水系のコーティング液6は、傾斜板4を流れ易くなり、余剰なコーティング液6は、疎水性に比べて短い時間で傾斜板4から除去される。
上記乾燥工程では、コーティング液6が付着した熱交換体本体を室温で自然乾燥することで、コーティング液6が硬化し、コーティング膜10が形成される。
従って、この実施の形態による熱交換体1の塗装方法によれば、フィンブロック3の片側の端面を傾斜した傾斜板4に接触させ、かつ保持することで、液切り工程に遠心分離機等の大掛かりな設備を要することなくアルミニウムフィン2及び伝熱管に付着したコーティング液6を十分に液切りすることができ、ムラの発生が低減され、高い均一性が確保されたコーティング膜10が形成される。
また、余剰なコーティング液6は、飛散することなくアルミニウムフィン2及び伝熱管から除去されるので、メンテナンスに労力を要しない利点もある。
この実施の形態で製造された熱交換体1では、例えば車両に設置されたときに、風上側に位置し、汚れが付着しやすい二列の銅管までを含むアルミニウムフィン2の各表面にコーティング膜10が形成されており、コーティング液6の使用量を削減しつつ、効率的に汚れの付着を防止することができる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2における熱交換体1の塗装方法の一工程である乾燥工程を示す説明図である。
この実施の形態では、実施の形態1の熱交換体1の塗装方法と、塗布工程、液切り工程までは同じであり、液切り工程の後、ブロワ装置7を用いてエアによる温風8を熱交換体1に吹き付ける乾燥工程を備えている。
エアによる温風をコーティング液6が塗布された熱交換体本体に吹き付けることで、乾燥工程の時間が短縮化され、また水の残留による臭いの吸着、カビ発生も防止できる。
温度に関しては、乾燥温度が低いとフィンブロック3の内部にコーティング液6の状態で残ってしまい、乾燥温度が高すぎると、形成したコーティング膜10が白濁して性能が低下するおそれがある。
なお、上記乾燥工程の乾燥は、温風としてエアを用いたが、窒素やアルゴン等の他の気体を用いてもよい。また、温風以外に、例えば赤外線、加熱炉を用いて行うこともできる。
なお、上記各実施の形態では、熱交換体1の風上側の領域のみにコーティング膜10を形成したが、全域にコーティング膜10を形成する場合でも、この発明を適用することができる。
但し、この場合には、塗布領域の拡大により乾燥時間が長くなり、また余剰コーティング液6が堆積したままの状態でエアブロー等により乾燥されると、車冷用熱交換体など大型になるほど、乾燥工程におけるエアの噴きつけが困難になることと相俟って、白濁や凹凸の多いコーティング膜の原因となることが懸念される。
従って、特に余剰コーティング液6が堆積したままの状態でのエアブロー等による乾燥は避ける必要がある。
また、熱伝導フィンとしてアルミニウムフィン2を用いたが、例えば銅フィンであってもよい。また、伝熱管についても、銅管以外の熱伝導性のものでもよい。
また、コーティング槽5にフィンブロック3を浸漬させてコーティング液6をアルミニウムフィン2及び伝熱管の表面に塗布する方法について説明したが、塗布する方法は、スプレー等で噴きつけてもよい。
また、上記各実施の形態では、水中に親水性の無機粒子が分散されたコーティング液6を用いた例について説明したが、この場合には、上記乾燥工程により、コーティング液6中の親水性の無機粒子はアルミニウムフィン2、銅管と強固に密着する。
無機粒子である例えばシリカ微粒子は、屈折率がプラスチックやガラス等に近い値であるために透明感を持たせることができる。これらの無機微粒子を含ませることにより、下地材との界面や表面の光反射により、白くなったり、ぎらついたりする状態を回避できる。
さらに、水中に親水性のシリカ粒子が分散されたコーティング液6中に、フッ素樹脂粒子を含んでもよい。
このようなフッ素樹脂粒子は、重合時や水への分散時において界面活性剤等で表面が親水性状態となっている。
乾燥してコーティング膜10を形成した場合には、界面活性剤等が剥離するなどしてフッ素樹脂粒子は、疎水化するが、コーティング液6中にシリカ超微粒子が共存しているため、乾燥後のコーティング膜10の表面のフッ素樹脂粒子には、シリカ超微粒子が表面に付着した状態となる。
このようなフッ素樹脂粒子の表面状態であっても、親水性のシリカ膜に対して十分大きな疎水性の効果をもたらし、親水性汚れ粒子の付着抑制に大きな効果を有する。
その一方、疎水性汚れ粒子の固着に対しては、単純なフッ素樹脂表面と比較して付着しにくいものとなる。柔軟な表面を有し汚れ粒子が付着しやすいフッ素樹脂の表面を無機粒子により固くして密着しにくくする効果のほか、樹脂表面に局所的に親水基を導入することで疎水性汚れ粒子との密着性を抑制する効果があるためである。
また、上記実施の形態1,2のコーティング液6は、水中に親水性のシリカ粒子が分散された、防汚性のものであったが、この発明は、コーティング液が例えば防錆性のものでも勿論適用できる。
以下、具体的な実施例を、比較例と対比して説明する。
実施例1〜7及び比較例1、2では、車冷用熱交換体1を用いた。
実施例1.
水及び平均粒径5nmの親水性の無機粒子であるコロイダルシリカ(日産化学社製)2質量%を撹拌混合してコーティング液6を調製した。
熱交換体本体の第二列銅管までを含む領域をコーティング槽5に浸漬させ、アルミニウムフィン2及び銅管の各表面にコーティング液6を塗布した。
続いて、傾斜板4としてアルミニウム基材を用い、アルミニウムフィン2の各端面を傾斜板4に接触させた状態で傾斜板4を45°傾斜し、かつ10分間保持した。
この後は、コーティング液6が塗布された熱交換体本体を常温のもとで、放置し、自然乾燥により、コーティング液6を硬化してコーティング膜10を形成した。
実施例2.
この実施例では、実施例1と熱交換体1の塗装方法の液切り工程までは同じである。
この実施例では、液切り工程の後、ブロア装置(BOSCH社製)を用い、エアの風速を25m/s、温度を60℃でコーティング液6を乾燥し、コーティング膜10を形成した。
実施例3.
この実施例では、塗布工程でフィンブロック3の第四列の銅管まで、即ち全域をコーティング槽5に浸漬した。他は実施例2と同じである。
実施例4.
この実施例では、乾燥工程でエアの温度を46℃とした。他は実施例2と同じである。
実施例5.
この実施例では、乾燥工程でエアの温度を82℃とした。他は実施例2と同じである。
実施例6.
この実施例では、液切り工程での傾斜板4がプラスチックであり、また乾燥工程でのエアの温度が75℃とした。他は実施例2と同じである。
実施例7.
この実施例では、この水及び平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)2質量%、及び平均粒径250nm、質量2質量%のフッ素樹脂を撹拌混合してコーティング液を調製した。
また、この実施例では、乾燥工程でエアの温度が78℃とした。他は実施例2と同じである。
比較例1.
コーティング液6は、実施例1-6と同じであって、水中に平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)2質量%を撹拌混合してコーティング液6を調製した。
コーティング液6をコーティング槽5に投入した後、熱交換体本体を第二列の銅管までの領域を浸漬させコーティング液6を塗布した。
この後、ブロア装置(BOSCH社製)を用い、エアの風速を25m/s、温度78℃でコーティング液6を乾燥し、コーティング膜10を形成した。
この例では、実施例1-7の液切り工程は無い。
比較例2.
比較例1のコーティング液6と同じであって、水中に平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)2質量%を撹拌混合してコーティング液6を調製した。
コーティング液6を槽に投入した後、熱交換体本体を第二列の銅管までの領域を浸漬させコーティング液6を塗布した。
傾斜板4としてはアルミ基材を用い、フィンブロック3の端面と接触させない状態で傾斜角度45°で10分間放置し余剰のコーティング液6を除去した。
その後、ブロア装置(BOSCH社製)を用い、エアの風速を25m/s、温度を78℃でコーティング液6を乾燥し、コーティング膜10を形成した。
実施例1〜7及び比較例1〜2についての概略条件を表1に示す。
Figure 2013099709
また、実施例1〜7及び比較例1〜2についての評価結果を表2に示す。
Figure 2013099709
初めに、コーティング液6の残留状態を評価した。乾燥工程後の熱交換体1に振動を与えたとき、排出されるコーティング液6の滴量が全くないものを1、コーティング液6の滴量が少ないものを2、コーティング液6の滴量が少ないともいえないものを3、コーティング液6の滴量が多いものを4とし、非常に多いものを5とし5段階評価した。
値が大きいほどコーティング液6が残留していることになり、またコーティング液6の乾燥が十分でないことになる。
実施例2,5及び7ではコーティング液6の残量が無かった。
膜外観は目視によって実施した。
実施例2,4及び7では、コーティング膜10は透明であった。
防汚性能は、カーボンブラック及び関東ロームの各粉塵の被膜に対する付着性を次のようにして評価した。なお、熱交換体を製造してから1日放置後に評価を実施した。
まず、粉塵をエアーにより熱交換体1に吹き付けた後、アルミニウムフィン2の端面付近に付着した粉塵をメンディングテープ(住友スリーエム株式会社製)により採取した。 次に、これを分光光度計(島津製作所株式会社製UV−3100PC)を用いて吸光度(波長550nm)を測定した。そして、測定された吸光度の値を以下のように5段階評価した。
1:吸光度が0.1未満のもの、2:吸光度が0.1以上0.2未満のもの、3:吸光度が0.2以上0.3未満のもの、4:吸光度が0.3以上0.4未満のもの、5:吸光度が0.4以上のもの。
表2より、この発明に係る実施例1-7の液切り工程を備えた場合、膜外観、カーボンブラック及び関東ローム付着防止性のいずれも、比較例1,2と比較して向上することがわかる。
特に、水にコロイダルシリカ及びフッ素樹脂を含んだ実施例7の場合には、目視でも透明な膜であり、また、汚れ付着防止も最も良好であることを確認できた。
実施例1では温風による乾燥工程を実施していないため、コーティング液滴量が多い結果となり、それだけムラのあるコーティング膜10が形成される。
乾燥工程におけるエア温度は、60℃以上の実施例3、5及び6ではコーティング膜10に白濁があり、25℃以上50℃以下が好ましいことが分かった。
また、ブロワ装置7を用いたことで、コーティング液6の乾燥時間を短縮をすることができる。
実施例1〜5、7では、傾斜板4としてアルミニウム基材を用いたのに対して、実施例6では、ポリエチレン製プラスチック基材を用いているが、このプラスチック基材を用いた場合、コーティング液6の除去性能がアルミニウム基材と比較して劣り、この結果乾燥工程によりコーティング膜10が形成された際に一部が白濁膜になった。
比較例1では、液切り工程を実施せず、コーティング液が多量に残留した状態で乾燥工程を行ったため、残留した箇所が厚膜になり白浮きのある白濁膜となっているものを思われる。
カーボンブラックや関東ロームを付着させると、膜ムラで引っかかりやすくなるため付着防止性も確保できないと思われる。
比較例2では、傾斜板4と熱交換体1を接触させない状態で、液切り工程は実施したが、残留した箇所が厚膜になり白浮きのある白濁膜となっているものを思われる。
なお、上記実施例1〜7、及び比較例1,2では、何れも水中に平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)2質量%を撹拌混合してコーティング液6を作成したが、
平均粒径5nm〜30nm、コロイダルシリカ(日産化学社製)0.5〜10質量%の範囲のコーティング液6の場合でも、表に示されたのと同様の結果であった。
また、上記実施例1〜7、及び比較例1,2では、何れもエア風速は25m/sであったが、風速は20m/s〜40m/sの範囲では同様の結果が得られた。
また、実施例7のフッ素樹脂についても、平均粒径250〜500nm、質量0.5〜10質量%の場合でも、表に示されたのと同様の結果であった。
1 熱交換体、2 アルミニウムフィン(熱伝導フィン)、3 フィンブロック、4 傾斜板、5 コーティング槽、6 コーティング液、7 ブロワ装置、8 温風、9 通風空気、10 コーティング膜。

Claims (9)

  1. 間隔を空けて積層された矩形状の複数枚の熱伝導フィンから構成されたフィンブロックと、各前記熱伝導フィンを貫通し熱媒体が流通する伝熱管とが一体化された熱交換体本体に、コーティング液を塗布して表面にコーティング膜を形成する熱交換体の塗装方法であって、
    各前記熱伝導フィン及び前記伝熱管のそれぞれの表面に前記コーティング液を塗布する塗布工程と、
    前記フィンブロックの片側の端面を、傾斜した傾斜板に接触させ、かつ保持することで前記熱伝導フィン及び前記伝熱管の各表面に塗布された前記コーティング液を前記傾斜板に沿って流下して液切りする液切り工程と、
    前記コーティング液を硬化して前記コーティング膜を形成する乾燥工程と
    を備えたことを特徴とする熱交換体の塗装方法。
  2. 前記傾斜板は、空気の通過を遮断する板であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換体の塗装方法。
  3. 前記傾斜板は、その表面が水の静的接触角で20度以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換体の塗装方法。
  4. 前記傾斜板は、アルミニウム板であることを特徴とする請求項3に記載の熱交換体の塗装方法。
  5. 各前記熱伝導フィン及び前記伝熱管が前記コーティング液で塗布される領域は、前記傾斜板側の領域のみであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の熱交換体の塗装方法。
  6. 前記乾燥工程では、送風された加熱媒体により、前記コーティング液を硬化させて前記コーティング膜を形成することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の熱交換体の塗装方法。
  7. 前記コーティング液は、水中に粒径5nm〜30nmのコロイダルシリカ、0.5〜10.0質量%を混合した混合液であり、前記乾燥工程は、25℃〜50℃のエアを風速20〜40m/sで前記熱交換体本体に送ることを特徴とする請求項6に記載の熱交換体の塗装方法。
  8. 前記コーティング液は、水中に平均粒径5nm〜30nm、0.5〜10.0質量%のコロイダルシリカ、及び平均粒径250〜500nm、0.5〜10質量%のフッ素樹脂粒子を混合した混合液であり、前記乾燥工程は、前記乾燥工程は、25℃〜80℃のエアを風速20〜40m/sで前記熱交換体本体に送ることを特徴とする請求項6に記載の熱交換体の塗装方法。
  9. 請求項5に記載の熱交換体の塗装方法で製造された熱交換体であって、前記コーティング膜は、通風空気の風上側の領域のみに形成されていることを特徴とする熱交換体。
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