JP2013096357A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】専用のヒータを設けることなく凝縮水の発生あるいは凍結を抑えることのできる内燃機関のブローバイガス処理装置を提供する。
【解決手段】この装置は、内燃機関の吸気通路とクランクケースとを連通するブローバイガス通路を介して同クランクケース内のブローバイガスを吸気通路に排出して処理する。吸気通路におけるブローバイガス通路が接続される部分より吸気流れ方向下流側の部分にはコンプレッサが取り付けられる。吸気通路における上記コンプレッサの吸気流れ方向上流側と吸気流れ方向下流側とを連通するエアバイパス通路と、同エアバイパス通路の通路断面積を変更するエアバイパス弁とを備える。吸気通路における上記ブローバイガス通路が接続される部分の温度(接続部分温度TCN1)が下限温度TL1より低いときに(S105:YES)、エアバイパス弁を開弁する(S107)。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関するものである。
内燃機関の燃焼室からクランクケースの内部に漏れるブローバイガスを処理するためのブローバイガス処理装置を内燃機関に設けることが多用されている。ブローバイガス処理装置は、クランクケースと吸気通路とを連通するブローバイガス通路を備えており、このブローバイガス通路を通じてクランクケース内部のブローバイガスを吸気通路に排出することによって同ブローバイガスを処理する。
ここで、ブローバイガスは高温の機関内部において発生するために温度が高くなり易いのに対して、吸気通路の内部は比較的低温の吸入空気が流れるために温度が比較的低い。そのため、吸気通路の温度がごく低い状況でブローバイガス通路を介してブローバイガスが吸気通路に排出されると、高温のブローバイガスが低温の吸入空気や吸気通路の壁面によって冷却されることによって同ブローバイガスの温度が急低下して、凝縮水が発生したり凝縮水が凍結したりするおそれがある。こうした凝縮水の発生や凍結は、例えば吸気系部品の腐食による耐久性能の低下を招くなど、種々の不都合の発生を招く要因になる。
そこで従来、特許文献1には、ブローバイガス通路と吸気通路との合流部分にヒータを取り付けることが提案されている。こうした装置では、吸気通路に導入されるブローバイガスが加熱されるために、ブローバイガスの温度が過度に低くなることが抑えられて、凝縮水の発生や凍結が抑えられるようになる。
特開2008−106637号公報
特許文献1に記載の装置では、凝縮水の発生や凍結が抑えられるものの、専用のヒータが必要になるために、その分だけコストアップが避けられない。
なお、上述したブローバイガス処理装置が設けられた内燃機関に限らず、吸気通路と排気通路とを連通する排気再循環(EGR)通路を介して同排気通路内の排気の一部をEGRガスとして吸気通路に戻すEGR装置が設けられた内燃機関においても、吸気通路内へのガス流入に伴う凝縮水の発生や凍結に関するこうした実情は概ね共通している。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、専用のヒータを設けることなく、吸気通路内へのガス流入に伴う凝縮水の発生あるいは凍結を抑えることのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の装置は、ブローバイガス処理装置を備えている。このブローバイガス処理装置により、クランクケース内のブローバイガスが吸気通路とクランクケースとを連通するブローバイガス通路を介して吸気通路に排出されて処理される。上記装置において、吸気通路におけるブローバイガス通路が接続される部分(以下、接続部分)より吸気流れ方向下流側(以下、単に下流側)の部分には、吸入空気を圧送するためのコンプレッサが取り付けられる。また吸気通路には上記コンプレッサの吸気流れ方向上流側(以下、単に上流側)と下流側とを連通するエアバイパス通路が設けられる。さらにエアバイパス通路の通路断面積を変更するエアバイパス弁が設けられる。
そして、吸気通路における上記ブローバイガス通路の接続部分の温度が予め定めた下限温度より低いとき、言い換えれば吸気通路内におけるブローバイガスの温度低下に伴って凝縮水の発生あるいは凍結を招くおそれのあるときには、エアバイパス弁が開弁される。このとき吸気通路におけるコンプレッサより下流側の吸入空気、すなわちコンプレッサによる圧送に伴い高温になった吸入空気の一部を、エアバイパス通路を介してコンプレッサより上流側の部分に戻すことができる。これにより、吸気通路におけるコンプレッサより上流側の部分、言い換えればブローバイガス通路の接続部分に高温の吸入空気を導入することができ、同接続部分の温度を高くすることができる。そのため、ブローバイガス通路を介して吸気通路に導入されたブローバイガスの吸気通路内における冷却に伴う凝縮水の発生あるいは凍結を抑えることができる。
このように上記構成によれば、専用のヒータを設けることなくブローバイガスの過度の温度低下を抑えて凝縮水の発生あるいは凍結を抑えることができる。
請求項2に記載の装置では、前記下限温度として前記接続部分におけるブローバイガスの露点温度が設定される。同装置によれば、吸気通路における上記ブローバイガス通路の接続部分の温度がブローバイガスの露点温度より低いとき、すなわちブローバイガスの温度低下による凝縮水の発生が懸念される状況になったときにおいてエアバイパス弁を開弁することができる。これにより、エアバイパス弁の開弁を凝縮水の発生を招く可能性があるときにおいて的確に実行することができるため、凝縮水の発生を的確に抑えることができる。
請求項3に記載の装置は、内燃機関の吸気通路と排気通路とを連通する排気再循環(EGR)を介して同排気通路内の排気の一部をEGRガスとして排気通路内に戻すEGR装置を備える。上記装置において、吸気通路におけるEGR通路が接続される部分(接続部分)より下流側の部分には、吸入空気を圧送するためのコンプレッサが取り付けられる。また吸気通路には上記コンプレッサの吸気流れ方向上流側(以下、単に上流側)と下流側とを連通するエアバイパス通路が設けられる。さらにエアバイパス通路の通路断面積を変更するエアバイパス弁が設けられる。
そして、吸気通路における上記EGR通路の接続部分の温度が予め定めた下限温度より低いとき、言い換えれば吸気通路内におけるEGRガスの温度低下に伴って凝縮水の発生あるいは凍結を招くおそれのあるときには、エアバイパス弁が開弁される。このとき吸気通路におけるコンプレッサより下流側の吸入空気、すなわちコンプレッサによる圧送に伴い高温になった吸入空気の一部を、エアバイパス通路を介してコンプレッサより上流側の部分に戻すことができる。これにより、吸気通路におけるコンプレッサより上流側の部分、言い換えればEGR通路の接続部分に高温の吸入空気を導入することができ、同接続部分の温度を高くすることができる。そのため、EGR通路を介して吸気通路に導入されたEGRガスの吸気通路内における冷却に伴う凝縮水の発生あるいは凍結を抑えることができる。
このように上記構成によれば、専用のヒータを設けることなくEGRガスの過度の温度低下を抑えて凝縮水の発生あるいは凍結を抑えることができる。
請求項4に記載の装置では、前記下限温度として前記接続部分におけるEGRガスの露点温度が設定される。同装置によれば、吸気通路における上記EGR通路の接続部分の温度がEGRガスの露点温度より低いとき、すなわちEGRガスの温度低下による凝縮水の発生が懸念される状況になったときにおいてエアバイパス弁を開弁することができる。これにより、エアバイパス弁の開弁を凝縮水の発生を招く可能性があるときにおいて的確に実行することができるため、凝縮水の発生を的確に抑えることができる。
請求項5に記載の装置では、内燃機関の外気の温度に基づいて前記接続部分の温度が推定されるとともに、その推定した温度が前記下限温度より低いときにエアバイパス弁が開弁される。
内燃機関の外気の温度が低いときには、吸気通路内を流れる吸入空気の温度も低いために、吸気通路における上記ブローバイガス通路(請求項1または2に記載の装置)あるいは上記EGR通路(請求項3または4に記載の装置)の接続部分の温度(詳しくは、接続部分を通過する吸入空気の温度や、接続部分の内壁温度)が低くなる。
請求項5に記載の装置によれば、そうした外気の温度と接続部分の温度との関係をもとに同接続部分の温度を推定することができ、その推定結果をもとに適正なタイミングでエアバイパス弁の開弁を実行することができる。
請求項6に記載の装置では、前記接続部分の温度が下限温度より低いときに、エアバイパス弁の開弁に合わせて、内燃機関の出力トルクを増大させるための処理が実行される。そのため、エアバイパス弁の開弁に伴うコンプレッサ下流側の吸入空気の圧力(いわゆる過給圧)の低下に起因して内燃機関の出力トルクの低下を招くおそれがある場合に、内燃機関の出力トルクを増大させるための処理の実行を通じて出力トルクの低下分を補うことができる。したがって上記装置によれば、内燃機関の出力トルクの低下を抑えつつ、凝縮水の発生あるいは凍結を抑えることができる。
エアバイパス通路を介した前記接続部分への吸入空気の導入に際して、その導入量を多くするためには、エアバイパス弁の開弁時間を長くすればよい。ただし、単にエアバイパス弁の開弁時間を長くすると、コンプレッサ下流側の吸入空気の圧力(過給圧)が大きく低下することによって内燃機関の出力トルクの低下を招くおそれがある。
この点、請求項7に記載の装置では、前記接続部分の温度が下限温度より低いときにおいてエアバイパス弁が間欠的に開弁される。これにより、エアバイパス弁の開弁状態が長く継続されることを抑えて過給圧の大きな低下を抑えることができる。しかも、エアバイパス弁の開弁を繰り返し実行することにより、エアバイパス通路を介して十分な量の高温の吸入空気を前記接続部分に導入することもできる。
ここで、エアバイパス通路を介して吸入空気を導入することにより、凝縮水の発生あるいは凍結が抑えられる反面、内燃機関の出力性能の低下を招いてしまう。そのため、内燃機関の出力性能の低下を抑えるうえでは、エアバイパス通路を介した吸入空気の導入量を少量に抑えることが望ましい。請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置では、前記接続部分の温度が低いときほど、同接続部分の温度を適度に高い温度で保つために最低限必要になる吸入空気の導入量が多くなる。
請求項8に記載の装置では、内燃機関の外気の温度に基づいて前記接続部分の温度を推定するとともに、エアバイパス弁を間欠的に開弁させるに際して前記推定した温度が低いときほどエアバイパス弁の単位時間あたりの開弁時間が長い時間に設定される。
同装置によれば、外気の温度が低いときほど前記接続部分の温度が低くなるといった関係に基づいて同接続部分の温度を推定することができる。そして、その推定した接続部分の温度が低いとき、すなわち最低限必要になる吸入空気の導入量が多いときほど、エアバイパス弁の単位時間あたりの開弁時間を長くしてエアバイパス通路を介した吸入空気の導入量を多くすることができる。そのため、エアバイパス通路を介した吸入空気の導入量が不要に多くなることを抑えて内燃機関の出力性能の低下を抑えつつ、最低限必要な吸入空気の導入量を確保して凝縮水の発生あるいは凍結を抑えることができる。
請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置では、吸気通路における前記コンプレッサより下流側の部分における吸入空気の温度が低いときほど、エアバイパス弁を介して吸気通路(詳しくは、前記接続部分)に導入される吸入空気の温度も低いため、同接続部分の温度を適度に高い温度で保つために最低限必要になる吸入空気の導入量が多くなる。
請求項9に記載の装置では、エアバイパス弁を間欠的に開弁させる際に、吸気通路における前記コンプレッサより下流側の部分における吸入空気の温度が低いときほどエアバイパス弁の単位時間あたりの開弁時間が長い時間に設定される。
同装置によれば、吸気通路における前記コンプレッサより下流側の部分における吸入空気の温度が低いとき、すなわち最低限必要になる吸入空気の導入量が多いときほど、エアバイパス弁の単位時間あたりの開弁時間を長くしてエアバイパス通路を介した吸入空気の導入量を多くすることができる。そのため、エアバイパス通路を介した吸入空気の導入量が不要に多くなることを抑えて内燃機関の出力性能の低下を抑えつつ、最低限必要な吸入空気の導入量を確保して凝縮水の発生あるいは凍結を抑えることができる。
請求項10に記載の装置では、前記接続部分の温度を推定する際の推定パラメータの一つとして、前記接続される部分に流入するガス(請求項1に従属する請求項に記載の装置ではブローバイガス、請求項3に従属する請求項に記載の装置ではEGRガス)の量が用いられる。
前述したようにブローバイガスの温度は高くなり易いため、ブローバイガス通路を介して吸気通路に排出されるブローバイガスの量が少ないときほど前記接続部分の温度は低くなり易い。また内燃機関の排気であるEGRガスの温度は高くなり易いため、EGR通路を介して吸気通路に戻されるEGEガスの量が少ないときほど前記接続部分の温度は低くなり易い。請求項10に記載の装置によれば、上記接続部分に流入するガスの量と接続部分の温度との関係をもとに同接続部分の温度を精度良く推定することができる。
請求項11に記載の装置では、前記接続部分の温度を推定する際の推定パラメータの一つとして、前記接続部分を通過する吸入空気の量が用いられる。前述したように吸気通路を流れる吸入空気の温度は比較的低いため、吸気通路における前記接続部分を通過する吸入空気の量が多いときほど同接続部分の温度は低くなり易い。請求項11に記載の装置によれば、そうした吸入空気の量と接続部分の温度との関係をもとに同接続部分の温度を精度良く推定することができる。
本発明を具体化した第1の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置の概略構成を示す略図。 第1の実施の形態にかかる発生抑制処理の実行手順を示すフローチャート。 同発生抑制処理の実行態様の一例を示すタイミングチャート。 本発明を具体化した第2の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置の概略構成を示す略図。 第2の実施の形態にかかる発生抑制処理の実行手順を示すフローチャート。
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した一実施の形態について説明する。
図1に示すように、内燃機関10の吸気通路11には、スロットル機構12が設けられている。このスロットル機構12は、スロットル弁13とスロットルモータ14とを備えている。そして、このスロットルモータ14の駆動制御を通じてスロットル弁13の開度(スロットル開度TA)が調節され、これにより吸気通路11を通じて燃焼室15内に吸入される空気の量(吸入空気量GA)が調節される。また、内燃機関10には燃料噴射弁16が設けられている。この燃料噴射弁16は、その開弁駆動に伴って燃焼室15の内部に燃料を噴射する。内燃機関10では、燃焼室15内において噴射燃料が燃焼することによってピストン18が往復移動してクランクシャフト19が回転する。そして、燃焼後のガスは排気として燃焼室15から排気通路20に送り出される。
内燃機関10にはオイルを貯留するオイルタンク21が設けられており、このオイルタンク21の内部にはポンプ22が設けられている。そして、このポンプ22によって圧送されることにより、オイルタンク21内のオイルが内燃機関10の各稼働部に供給される。
内燃機関10には吸気通路11内の吸入空気を圧送する過給機30が設けられている。詳しくは、内燃機関10の吸気通路11における前記スロットル機構12より吸気流れ方向上流側(以下、単に「上流側」)の部分には、過給機30のコンプレッサ31が取り付けられている。また、内燃機関10の排気通路20には過給機30のタービン32が取り付けられている。なお過給機30は、コンプレッサ31の内部に設けられたコンプレッサホイール31Aとタービン32の内部に設けられたタービンホイール32Aとが連結された排気駆動式のものである。
過給機30は吸気圧送量を調節するための調節機構33を備えている。この調節機構33としては、タービンホイール32Aの回転軸周りにおいて所定間隔おきに配設された複数のノズルベーン(図示略)を一斉に開閉駆動して隣り合うノズルベーン同士の間隔を変更することによってタービンホイール32Aに吹き付けられる排気の流速を変更するタイプのものが採用されている。
内燃機関10には、上記コンプレッサ31を迂回するように延び、且つ吸気通路11における上記コンプレッサ31の上流側の部分と下流側の部分とを連通する形状で延びるエアバイパス通路41が取り付けられている。また、このエアバイパス通路41には、その通路断面積を変更するエアバイパス弁42が取り付けられている。エアバイパス弁42としては、電磁駆動式の開閉弁が採用されている。このエアバイパス弁42が開弁駆動されると吸気通路11における上記コンプレッサ31より上流側の部分と下流側の部分とが連通された状態になる一方で、同エアバイパス弁42が閉弁駆動されると上記連通が遮断された状態になる。
エアバイパス弁42は基本的に、例えば機関回転速度NEの急減速時など、スロットル開度TAが急速に小さくなったのにもかかわらずコンプレッサホイール31Aの回転速度が未だ高いためにコンプレッサ31とスロットル機構12との間の部分の吸入空気の圧力が過度に高くなるおそれのあるときに開弁駆動される。これにより、吸入空気がコンプレッサ31の下流側から上流側に逆流するサージング現象の発生が抑えられ、その発生に起因する騒音の発生が抑えられるようになる。
また内燃機関10には、吸気通路11における上記コンプレッサ31より上流側の部分と内燃機関10のクランクケース23内とを連通するブローバイガス通路51が取り付けられている。このブローバイガス通路51には、同通路51の通路断面積を変更するPCV弁52が設けられている。このPCV弁52としては、クランクケース23と吸気通路11との圧力差によって作動するタイプのものが採用される。このPCV弁52の開度変化を通じて、ブローバイガス通路51を介した吸気通路11へのブローバイガスの排出量が調節される。なお、ブローバイガスとは、内燃機関10の圧縮行程や膨張行程において、内燃機関10のピストンリング18Aとシリンダ内壁面15Aとの間隙を通じて燃焼室15からクランクケース23内に漏れるガスのことである。本実施の形態では、ブローバイガス通路51とPCV弁52とがブローバイガス処理装置を構成する。
内燃機関10は、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御装置24を備えている。電子制御装置24には、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサの検出信号が取り込まれている。
各種センサとしては、例えばクランクシャフト19の回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサや、吸気通路11の上記スロットル機構12より下流側の部分における吸入空気の圧力(吸気圧P)を過給圧センサ、スロットル開度TAを検出するためのスロットルセンサが設けられている。その他、内燃機関10の外気の温度THAOを検出するための外気温センサや、内燃機関10の外気の湿度HOを検出するための湿度センサ、吸気通路11の上記コンプレッサ31とスロットル機構12との間の部分における吸入空気の温度(コンプレッサ出口温度THAI)を検出するための吸気温センサ等も設けられている。
電子制御装置24は、各種センサの検出信号をもとに各種の演算を行い、その演算結果に基づいてスロットル機構12や、燃料噴射弁16、過給機30の調節機構33、エアバイパス弁42の制御などといった機関制御を実行する。
ここで、ブローバイガスは機関運転に際して高温になるクランクケース23の内部において発生するために温度が高くなり易いのに対して、吸気通路11の上記コンプレッサ31より上流側の部分は比較的低温の吸入空気が流れるために比較的温度が低い。そのため、吸気通路11(詳しくは、ブローバイガス通路51が接続される部分)の温度がごく低い状況でブローバイガス通路51を介してブローバイガスが吸気通路11に排出されると、高温のブローバイガスが低温の吸入空気や吸気通路11の壁面によって冷却されて同ブローバイガスの温度が急低下して、凝縮水の発生を招くおそれがある。こうした凝縮水の発生は、強酸性の凝縮水による腐食によって吸気系部品の耐久性能の低下を招いたり、凝縮水の衝突によってコンプレッサホイール31Aの耐久性能の低下を招いたりするなど、種々の不都合の発生を招く原因になる。
この点をふまえて本実施の形態では、吸気通路11の上記ブローバイガス通路51が接続される部分(以下、単に「接続部分」)の温度が予め定めた下限温度より低いとき、言い換えれば吸気通路11内におけるブローバイガスの温度低下に伴って凝縮水の発生を招くおそれのあるときに、エアバイパス弁42を開弁するようにしている。
このとき、吸気通路11における上記コンプレッサ31より下流側の吸入空気、すなわちコンプレッサ31による圧送に伴い高温になった吸入空気の一部がエアバイパス通路41を介してコンプレッサ31より上流側の部分に戻される。これにより、吸気通路11におけるコンプレッサ31より上流側の部分、言い換えればブローバイガス通路51の接続部分に高温の吸入空気が導入されるようになるため、同接続部分の温度が上昇するようになる。そのため、ブローバイガス通路51を介して吸気通路11の上記接続部分に導入されたブローバイガスの温度が大きく低下することが抑えられて、吸気通路11内におけるブローバイガスの冷却に伴う凝縮水の発生が抑えられるようになる。このように本実施の形態によれば、専用のヒータを設けることなくブローバイガスの過度の温度低下を抑えて凝縮水の発生を抑えることができる。
また本実施の形態では、吸気通路11における上記ブローバイガス通路51の接続部分の温度を上昇させるべく未燃ガスである吸入空気が導入されるために、比較的多くの水分を含む燃焼ガス(例えば排気)を上記接続部分に導入する装置と比較して、接続部分における凝縮水の発生を好適に抑えることができる。
さらには、別の目的で用いられるエアバイパス通路41およびエアバイパス弁42を流用して吸気通路11の上記接続部分を暖めることができるために、装置の構造の複雑化や大型化を抑えることができる。
発生した凝縮水が機関運転の停止時において氷結してブローバイガス通路51の吸気通路11側の開口を部分的に塞いでしまうようなことがあると、ブローバイガスを適正に処理することができなくなるために、クランクケース23内の圧力が過度に高くなって機関外部へのブローバイガスの漏洩を招くおそれがある。本実施の形態によれば、そうした場合であっても、吸気通路11の上記接続部分を暖めることによって氷結した凝縮水を溶かして除去することができ、ブローバイガスを適正に処理することができる。
以下、凝縮水の発生を抑えるための処理(発生抑制処理)について詳細に説明する。
図2に上記発生抑制処理の実行手順を示す。同図のフローチャートに示される一連の処理は、上記発生抑制処理の実行手順を概念的に示したものであり、実際の処理は所定周期毎の割り込み処理として、電子制御装置24により実行される。
図2に示すように、この処理では先ず、以下の[条件A]〜[条件C]が全て満たされるか否かが判断される(ステップS101〜ステップS103)。
[条件A]外気温度THAOが所定温度T1より低いこと(ステップS101)。
[条件B]内燃機関10の吸入空気量GAが所定量V1より多いこと(ステップS102)。なお吸入空気量GAは、そのときどきの機関回転速度NEおよび吸気圧Pに基づき算出される。
[条件C]ブローバイガス通路51を介して吸気通路11に排出されるブローバイガスの量VLBが所定量V2より多いこと(ステップS103)。なおブローバイガス量VLBは、そのときどきの機関回転速度NEおよびスロットル開度TAに基づき算出される。
本処理では、[条件A]〜[条件C]の全てが満たされることをもって、内燃機関10の運転状態が吸気通路11の前記接続部分において凝縮水の発生を招く可能性のある状態になっていると判断される。
ここで、外気温度THAOが十分に高いときには、吸気通路11の前記接続部分を流れる吸入空気の温度も高いために、同接続部分に流入したブローバイガスが過度に冷却されることがなく、凝縮水が発生することもない。また、内燃機関10の吸入空気量GAがごく少ないときには、吸気通路11の前記接続部分を流れる吸入空気の量も少なく吸入空気によるブローバイガスの冷却の度合いが小さいために、凝縮水の発生を招く可能性は低い。さらに、ブローバイガス通路51を介して吸気通路11に排出されるブローバイガスの量VLBが少ない場合には、同ブローバイガスに含まれる水分の絶対量(前記接続部分を通過する水分の絶対量)も少ないために、仮に凝縮水が発生したとしても少量であり問題にならない。
本実施の形態では、こうした実情をふまえて各種の実験やシミュレーションの結果をもとに、吸気通路11の前記接続部分において凝縮水の発生を招く可能性のある機関運転状態であることを的確に判断可能な[条件A]の所定温度T1と[条件B]の所定量V1と[条件C]の所定量V2とが予め求められて、電子制御装置24に記憶されている。
そして、[条件A]〜[条件C]の全てが満たされる場合には(ステップS101〜S103の全てが「YES」)、外気温度THAO、吸入空気量GA、ブローバイガス量VLBに基づいて、吸気通路11における上記ブローバイガス通路51の接続部分の温度の推定値(接続部分温度TCN1)が算出される(ステップS104)。
接続部分温度TCN1の算出は、次のような考えのもとに実行される。すなわち先ず、外気温度THAOが低いときには、吸気通路11内を流れる吸入空気の温度も低いために、吸気通路11における上記接続部分を通過する吸入空気の温度や同接続部分の内壁温度が低くなる。また、前述したようにブローバイガスの温度は高くなり易いために、ブローバイガス通路51を介して吸気通路11に排出されるブローバイガスの量VLBが少ないときほど前記接続部分の温度は低くなり易い。さらに、前述したように吸気通路11を流れる吸入空気の温度は比較的低いため、吸気通路11における前記接続部分を通過する吸入空気の量が多いときほど同接続部分の温度は低くなり易い。
本実施の形態では、こうした実情をふまえて、前記接続部分の温度(接続部分温度TCN1)を精度良く推定することの可能な同接続部分温度TCN1と外気温度THAOと吸入空気量GAとブローバイガス量VLBとの関係が各種の実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められて、電子制御装置24に記憶されている。ステップS104の処理では、この関係をもとに、外気温度THAOと吸入空気量GAとブローバイガス量VLBとに基づいて、接続部分温度TCN1が算出される。これにより、上述した外気温度THAOや吸入空気量GA、並びにブローバイガス量VLBと接続部分の温度との関係をもとに同接続部分の温度を精度良く推定することができる。なお、接続部分温度TCN1として具体的には、外気温度THAOが低いときほど、吸入空気量GAが多いときほど、ブローバイガス量VLBが少ないときほど、高い温度が算出される。
このようにして接続部分温度TCN1が算出された後、外気温度THAOおよび外気湿度HOに基づいて下限温度TL1が算出されるとともに、接続部分温度TCN1が下限温度TL1より低いか否かが判断される(ステップS105)。なお本実施の形態では、吸気通路11の上記接続部分におけるブローバイガスの露点温度(詳しくは、下限温度TL1)と外気温度THAOと外気湿度HOとの関係が各種の実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められて、電子制御装置24に記憶されている。そして、ステップS105の処理では、この関係をもとに、外気温度THAOと外気湿度HOとに基づいて下限温度TL1が算出される。このように本実施の形態では、下限温度TL1として、前記吸気通路11の上記接続部分におけるブローバイガスの露点温度が設定される。
接続部分温度TCN1が下限温度TL1より低いときには(ステップS105:YES)、吸気通路11における上記ブローバイガス通路51の接続部分の温度がブローバイガスの露点温度より低くなっている可能性があるため、吸気通路11内におけるブローバイガスの温度低下に伴って凝縮水の発生を招くおそれがあると判断される。
そして、この場合にはコンプレッサ出口温度が所定温度T2より高いことを条件に(ステップS106:YES)、前述したエアバイパス弁42の開弁駆動が実行される(ステップS107)。
このように本実施の形態によれば、吸気通路11における上記ブローバイガス通路51の接続部分の温度がブローバイガスの露点温度以下になったとき、すなわちブローバイガスの温度低下による凝縮水の発生が懸念される状況になったときにおいてエアバイパス弁42を開弁することができる。そのため、エアバイパス弁42の開弁を凝縮水の発生を招く可能性があるときにおいて的確に実行することができ、凝縮水の発生を的確に抑えることができる。
ステップS107の処理におけるエアバイパス弁42の開弁駆動は以下のように実行される。
図3に示すように、エアバイパス弁42は、所定周期Tw毎の所定時間Toにわたる開弁駆動を繰り返し実行するといったように間欠的に開弁される。
エアバイパス通路41を介した吸気通路11の上記接続部分への吸入空気の導入に際して、その導入量を多くするためには、エアバイパス弁42の開弁時間を長くすればよい。ただし、単にエアバイパス弁42の開弁時間を長くすると、コンプレッサ31下流側の吸入空気の圧力(過給圧)が大きく低下することによって内燃機関10の出力トルクの低下を招くおそれがある。本実施の形態では、エアバイパス弁42が間欠的に開弁されるため、同エアバイパス弁42の開弁状態が長く継続されることを抑えて過給圧の大きな低下を抑えることができる。しかも、エアバイパス弁42の開弁を繰り返し実行することにより、エアバイパス通路41を介して十分な量の高温の吸入空気を吸気通路11における上記接続部分に導入することもできる。
図3を参照して、そうした吸気通路11の上記接続部分の温度の上昇態様を説明する。
エアバイパス弁42の間欠的な開弁駆動が実行されると、同エアバイパス弁42が開弁される度に高温の吸入空気が吸気通路11に導入されるために(図3の時刻t11〜t12,t13〜t14,t15〜t16,t17〜t18)、過給圧の一時的な低下を招くものの、吸気通路11における上記接続部分の実際の温度が上昇するようになる。また本例では、若干の遅れをもって吸気通路11における上記接続部分より下流側の部分の温度(コンプレッサ出口温度THAI)も上昇するようになる。こうしたエアバイパス弁42の開弁駆動と上記接続部分の温度上昇とが繰り返されることによって、上記接続部分の温度が徐々に上昇して適度に高い温度になる。
なお、こうした吸入空気による昇温効果を大きくするためには、吸気通路11における上記ブローバイガス通路51が接続される部分と上記エアバイパス通路41が接続される部分との距離が近いことが望ましい。
ステップS107の処理では、詳しくは、コンプレッサ出口温度THAIと接続部分温度TCN1とに基づいて、エアバイパス弁42の開弁時間(上記所定時間To)と所定時間Toにわたる開弁駆動の実行回数COとが算出される。そして、この算出結果をもとに、所定周期Tw毎の所定時間Toにわたる開弁駆動が実行回数CO(図3に示す例では4回)だけ繰り返し実行される。
なお、所定時間Toと実行回数COとは次のような考えのもとに設定される。エアバイパス通路41を介して吸入空気を導入することにより、凝縮水の発生が抑えられる反面、過給圧の低下による内燃機関10の出力性能の低下を招いてしまう。そのため、内燃機関10の出力性能の低下を抑えるうえでは、エアバイパス通路41を介した吸入空気の導入量を少量に抑えることが望ましい。そして、本実施の形態の装置では、吸気通路11における前記接続部分の実際の温度が低いときほど、同接続部分の温度を適度に高い温度で保つために最低限必要になるエアバイパス通路41を介した吸気通路11への吸入空気の導入量が多くなる。また、吸気通路11における前記コンプレッサより下流側の部分における吸入空気の温度(コンプレッサ出口温度THAI)が低いときほど、エアバイパス弁42を介して吸気通路11(詳しくは、前記接続部分)に導入される吸入空気の温度も低いため、同接続部分の温度を適度に高い温度で保つために最低限必要になる吸入空気の導入量が多くなる。
こうした実情をふまえて本実施の形態の装置では、接続部分温度TCN1が低いときほど、またコンプレッサ出口温度THAIが低いときほど、エアバイパス弁42の単位時間あたりの開弁時間が長い時間になるように所定時間Toおよび実行回数COがそれぞれ設定される。詳しくは、所定時間Toおよび実行回数COに基づきエアバイパス弁42が開弁駆動される可能性のある期間が上記単位時間とされる。そして、同期間においてエアバイパス通路41を介して吸気通路11に導入される吸入空気の総量が、接続部分温度TCN1が低いときほど、またコンプレッサ出口温度THAIが低いときほど多くなるように所定時間Toと実行回数COとが設定される。
具体的には、吸気通路11における上記接続部分の温度を適度に高い温度で保つために最低限必要な量の吸入空気を導入することの可能な所定時間Toおよび実行回数COと、接続部分温度TCN1と、コンプレッサ出口温度THAIとの関係が各種の実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められて電子制御装置24に記憶されている。そしてステップS107の処理では、この関係から、接続部分温度TCN1とコンプレッサ出口温度THAIとに基づいて所定時間Toおよび実行回数COが設定される。
このようにして所定時間Toおよび実行回数COを設定することにより、接続部分温度TCN1やコンプレッサ出口温度THAIが低いとき、すなわち上述した最低限必要になる吸入空気の導入量が多いときほど、エアバイパス通路41を介した吸入空気の導入量を多くすることができる。そのため、エアバイパス通路41を介した吸入空気の導入量が不要に多くなることを抑えて内燃機関10の出力性能の低下を抑えつつ、最低限必要な吸入空気の導入量を確保して凝縮水の発生を抑えることができる。
本実施の形態では、エアバイパス弁42を間欠的に開弁させる処理の実行に合わせて、内燃機関10の出力トルクを増大させるための処理(トルク増大処理)が実行される(ステップS108)。
具体的には、所定時間Toおよび実行回数COに基づいて補正項Kqを算出するとともに同補正項Kqによって燃料噴射量についての制御目標値(目標噴射量Tq)を増量補正するといったように、燃料噴射量を増量補正する処理が実行される。
詳しくは、所定時間Toおよび実行回数COにより定まるエアバイパス通路41を介した吸入空気の導入態様と同吸入空気の導入に起因する内燃機関10の出力トルクの低下分を補うことの可能な燃料噴射量の増量補正量(補正項Kq)との関係が各種の実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められて、電子制御装置24に記憶されている。そして、そうした関係から、所定時間Toおよび実行回数COに基づいて補正項Kqが算出される。上記補正項Kqとしては、所定時間Toが長いほど、また実行回数COが多いほど、燃料噴射量をより多く増量させる値が算出される。
こうした燃料噴射量の増量補正を実行することにより、エアバイパス弁42の開弁に伴う過給圧の低下に起因して内燃機関10の出力トルクの低下を招くおそれがある場合に、燃料噴射量の増量補正を通じて内燃機関10の出力トルクを増大させて同出力トルクの低下分を補うことができる。そのため内燃機関10の出力トルクの低下を抑えつつ凝縮水の発生を抑えることができる。
そして、所定周期Tw毎の所定時間Toにわたる開弁駆動が実行回数COだけ実行されると、本処理は終了される。
なお、外気温度THAOが所定温度T1以上である場合や(ステップS101:NO)、吸入空気量GAが所定量V1以下である場合(ステップS102:NO)、ブローバイガス量VLBが所定量V2以下である場合(ステップS103:NO)には、凝縮水の発生を抑えるためのエアバイパス弁42の開弁駆動は実行されない。こうした場合には、吸気通路11の上記接続部分において凝縮水が発生する可能性がごく低い、あるいは凝縮水が発生したとしても問題にならない量であるとして、前述した過給機30におけるサージング現象の発生を抑えることの必要なタイミングでのエアバイパス弁42の開弁駆動のみを実行する通常制御処理が実行される(ステップS109)。
また、接続部分温度TCN1が下限温度TL1以上である場合にも(ステップS105:NO)、通常制御処理が実行される(ステップS109)。この場合には、吸気通路11の上記接続部分におけるブローバイガスの露点温度より接続部分温度TCN1が高いために凝縮水が発生する可能性がごく低いとして、凝縮水の発生を抑えるためのエアバイパス弁42の開弁駆動は実行されない。
さらに、コンプレッサ出口温度THAIが所定温度T2以下である場合にも(ステップS106:NO)、通常制御処理が実行される(ステップS109)。この場合には、エアバイパス通路41を介して吸気通路11の上記接続部分に導入される吸入空気の温度が低いために、吸入空気を導入しても同接続部分を十分に暖める効果が得られないとして、凝縮水の発生を抑えるためのエアバイパス弁42の開弁駆動は実行されない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)接続部分温度TCN1が下限温度TL1より低いときにエアバイパス弁42を開弁するようにした。そのため、ブローバイガス通路51を介して吸気通路11に導入されたブローバイガスの温度が大きく低下することを抑えることができ、吸気通路11内におけるブローバイガスの冷却に伴う凝縮水の発生を抑えることができる。したがって、専用のヒータを設けることなくブローバイガスの過度の温度低下を抑えて凝縮水の発生を抑えることができる。
(2)下限温度TL1として、吸気通路11の上記接続部分におけるブローバイガスの露点温度を設定するようにした。そのため、エアバイパス弁42の開弁を凝縮水の発生を招く可能性があるときにおいて的確に実行することができ、凝縮水の発生を的確に抑えることができる。
(3)外気温度THAOに基づき接続部分温度TCN1を推定するとともに、接続部分温度TCN1が下限温度TL1より低いときにエアバイパス弁42を開弁するようにした。そのため、外気温度THAOが低いときには吸気通路11における上記接続部分の温度が低くなり易いといった関係をもとに接続部分温度TCN1を精度良く推定することができ、同接続部分温度TCN1をもとに適正なタイミングでエアバイパス弁42の開弁を実行することができる。
(4)接続部分温度TCN1が下限温度TL1より低いときに、エアバイパス弁42を間欠的に開弁させる処理の実行に合わせて、内燃機関10の出力トルクを増大させるための処理を実行するようにした。そのため、エアバイパス弁42の開弁に伴う過給圧の低下に起因して内燃機関10の出力トルクの低下を招くおそれがある場合に、内燃機関10の出力トルクを増大させて同出力トルクの低下分を補うことができる。したがって内燃機関10の出力トルクの低下を抑えつつ凝縮水の発生を抑えることができる。
(5)接続部分温度TCN1が下限温度TL1より低いときに、エアバイパス弁42を間欠的に開弁させるようにした。そのため、エアバイパス弁42の開弁状態が長く継続されることを抑えて過給圧の大きな低下を抑えることができる。しかも、エアバイパス弁42の開弁を繰り返し実行することにより、エアバイパス通路41を介して十分な量の高温の吸入空気を吸気通路11における上記接続部分に導入することもできる。
(6)所定時間Toおよび実行回数COに基づきエアバイパス弁42が開弁駆動される可能性のある期間においてエアバイパス通路41を介して吸気通路11に導入される吸入空気の総量が接続部分温度TCN1の低いときほど多くなるように、所定時間Toと実行回数COとを設定するようにした。そのため、エアバイパス通路41を介した吸入空気の導入量が不要に多くなることを抑えて内燃機関10の出力性能の低下を抑えつつ、最低限必要な吸入空気の導入量を確保して凝縮水の発生を抑えることができる。
(7)所定時間Toおよび実行回数COに基づきエアバイパス弁42が開弁駆動される可能性のある期間においてエアバイパス通路41を介して吸気通路11に導入される吸入空気の総量がコンプレッサ出口温度THAIの低いときほど多くなるように、所定時間Toと実行回数COとを設定するようにした。そのため、エアバイパス通路41を介した吸入空気の導入量が不要に多くなることを抑えて内燃機関10の出力性能の低下を抑えつつ、最低限必要な吸入空気の導入量を確保して凝縮水の発生を抑えることができる。
(8)接続部分温度TCN1を推定する際の推定パラメータの一つとして、ブローバイガス量VLBを用いるようにした。そのため、ブローバイガスの量VLBが少ないときほど吸気通路11における前記接続部分の温度が低くなり易いといった関係をもとに接続部分温度TCN1を精度良く推定することができ、同接続部分温度TCN1をもとに適正なタイミングでエアバイパス弁42の開弁を実行することができる。
(9)接続部分温度TCN1を推定する際の推定パラメータの一つとして、吸入空気量GAを用いるようにした。そのため、吸入空気量GAが多いときほど吸気通路11における上記接続部分の温度が低くなり易いといった関係をもとに接続部分温度TCN1を精度良く推定することができ、同接続部分温度TCN1をもとに適正なタイミングでエアバイパス弁42の開弁を実行することができる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第2の実施の形態について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお以下では、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、同構成についての詳細な説明は省略する。
本実施の形態にかかる装置には、前記ブローバイガス通路51およびPCV弁52(共に、図1参照)により構成されるブローバイガス処理装置が設けられておらず、内燃機関10の排気通路20内の排気の一部をEGRガスとして吸気通路11内に戻すEGR装置が設けられている。詳しくは、図4に示すように、内燃機関10の吸気通路11の前記コンプレッサ31より上流側の部分と排気通路20の前記タービン32より排気流れ方向下流側の部分とを連通する排気再循環(EGR)通路61が取り付けられている。また、このEGR通路61には、同通路61の通路断面積を変更するEGR弁62が設けられている。このEGR弁62としては電磁駆動式の開閉弁が採用されている。そして、このEGR弁62の作動制御を通じて内燃機関10の排気通路20から吸気通路11に戻されるEGRガスの量が調節される。EGR弁62の作動制御は電子制御装置24により実行される。
ここで、内燃機関10の排気であるEGRガスは温度が高くなり易いのに対して、吸気通路11の上記コンプレッサ31より上流側の部分は比較的低温の吸入空気が流れるために比較的温度が低い。そのため、吸気通路11(詳しくは、EGR通路61が接続される部分)の温度がごく低い状況でEGR通路61を介してEGRガスが吸気通路11に流入すると、高温のEGRガスが低温の吸入空気や吸気通路11の壁面によって冷却されて同EGRガスの温度が急低下して、凝縮水の発生を招くおそれがある。こうした凝縮水の発生は、強酸性の凝縮水による腐食によって吸気系部品の耐久性能の低下を招いたり、凝縮水の衝突によってコンプレッサホイール31Aの耐久性能の低下を招いたりするなど、種々の不都合の発生を招く原因になる。
この点をふまえて本実施の形態では、吸気通路11の上記EGR通路61が接続される部分(以下、単に「接続部分」)の温度が予め定めた下限温度より低いとき、言い換えれば吸気通路11内におけるEGRガスの温度低下に伴って凝縮水の発生を招くおそれのあるときに、エアバイパス弁42を開弁するようにしている。
このとき、吸気通路11における上記コンプレッサ31より下流側の吸入空気、すなわちコンプレッサ31による圧送に伴い高温になった吸入空気の一部がエアバイパス通路41を介してコンプレッサ31より上流側の部分に戻される。これにより、吸気通路11におけるコンプレッサ31より上流側の部分、言い換えればEGR通路61の接続部分に高温の吸入空気が導入されるようになるため、同接続部分の温度が上昇するようになる。そのため、EGR通路61を介して吸気通路11の上記接続部分に導入されたEGRガスの温度が大きく低下することが抑えられて、吸気通路11内におけるEGRガスの冷却に伴う凝縮水の発生が抑えられるようになる。このように本実施の形態によれば、専用のヒータを設けることなくEGRガスの過度の温度低下を抑えて凝縮水の発生を抑えることができる。
また本実施の形態の装置において、発生した凝縮水が機関運転の停止時において氷結してEGR通路61の吸気通路11側の開口を部分的に塞いでしまうようなことがあると、EGRガスを吸気通路11に適正に流入させることができなくなってしまう。本実施の形態によれば、そうした場合であっても、吸気通路11の上記接続部分を暖めることによって氷結した凝縮水を溶かして除去することができ、EGRガスを吸気通路11に適正に流入させることができる。
以下、本実施の形態にかかる発生抑制処理について詳細に説明する。
図5に上記発生抑制処理の実行手順を示す。同図のフローチャートに示される一連の処理は、上記発生抑制処理の実行手順を概念的に示したものであり、実際の処理は所定周期毎の割り込み処理として、電子制御装置24により実行される。
図5に示すように、この処理では先ず、前記[条件A](ステップS101)、前記[条件B](ステップS102)、および以下の[条件D](ステップS201)が全て満たされるか否かが判断される。
[条件D]EGR通路61を介して吸気通路11に流入するEGRガスの量VLEが所定量V3より多いこと(ステップS201)。なおEGR量VLEは、そのときどきの燃料噴射量および機関回転速度NEに基づき算出される。
本処理では、[条件A]、[条件B]および[条件D]の全てが満たされることをもって、内燃機関10の運転状態が吸気通路11の前記接続部分において凝縮水の発生を招く可能性のある状態になっていると判断される。
ここで、外気温度THAOが十分に高いときには、吸気通路11の前記接続部分を流れる吸入空気の温度も高いために、同接続部分に流入したEGRガスが過度に冷却されることがなく、凝縮水が発生することもない。また、内燃機関10の吸入空気量GAがごく少ないときには、吸気通路11の前記接続部分を流れる吸入空気の量も少なく吸入空気によるEGRガスの冷却の度合いが小さいために、凝縮水の発生を招く可能性は低い。さらに、EGR通路61を介して吸気通路11に排出されるEGRガスの量VLEが少ない場合には、同EGRガスに含まれる水分の絶対量(前記接続部分を通過する水分の絶対量)も少ないために、仮に凝縮水が発生したとしても少量であり問題にならない。
本実施の形態では、こうした実情をふまえて各種の実験やシミュレーションの結果をもとに、吸気通路11の前記接続部分において凝縮水の発生を招く可能性のある機関運転状態であることを的確に判断可能な[条件A]の所定温度T1と[条件B]の所定量V1と[条件D]の所定量V3とが予め求められて、電子制御装置24に記憶されている。
そして、[条件A]、[条件B]および[条件D]の全てが満たされる場合には(ステップS101,S102,S201の全てが「YES」)、外気温度THAO、吸入空気量GA、EGR量VLEに基づいて、吸気通路11における上記EGR通路61の接続部分の温度の推定値(接続部分温度TCN2)が算出される(ステップS202)。
接続部分温度TCN2の算出は、次のような考えのもとに実行される。すなわち先ず、外気温度THAOが低いときには、吸気通路11内を流れる吸入空気の温度も低いために、吸気通路11における上記接続部分を通過する吸入空気の温度や同接続部分の内壁温度が低くなる。また、前述したようにEGRガスの温度は高くなり易いために、EGR通路61を介して吸気通路11に排出されるEGRガスの量VLEが少ないときほど前記接続部分の温度は低くなり易い。さらに、前述したように吸気通路11を流れる吸入空気の温度は比較的低いため、吸気通路11における前記接続部分を通過する吸入空気の量が多いときほど同接続部分の温度は低くなり易い。
本実施の形態では、こうした実情をふまえて、前記接続部分の温度(接続部分温度TCN2)を精度良く推定することの可能な同接続部分温度TCN2と外気温度THAOと吸入空気量GAとEGR量VLEとの関係が各種の実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められて、電子制御装置24に記憶されている。ステップS202の処理では、この関係をもとに、外気温度THAOと吸入空気量GAとEGR量VLEとに基づいて、接続部分温度TCN2が算出される。これにより、上述した外気温度THAOや吸入空気量GA、並びにEGR量VLEと接続部分の温度との関係をもとに同接続部分の温度を精度良く推定することができる。なお、接続部分温度TCN2として具体的には、外気温度THAOが低いときほど、吸入空気量GAが多いときほど、EGR量VLEが少ないときほど、高い温度が算出される。
このようにして接続部分温度TCN2が算出された後、外気温度THAOおよび外気湿度HOに基づいて下限温度TL2が算出されるとともに、接続部分温度TCN2が下限温度TL2より低いか否かが判断される(ステップS203)。なお本実施の形態では、吸気通路11の上記接続部分におけるEGRガスの露点温度(詳しくは、下限温度TL2)と外気温度THAOと外気湿度HOとの関係が各種の実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められて、電子制御装置24に記憶されている。そして、ステップS203の処理では、この関係をもとに、外気温度THAOと外気湿度HOとに基づいて下限温度TL2が算出される。このように本実施の形態では、下限温度TL2として、前記吸気通路11の上記接続部分におけるEGRガスの露点温度が設定される。
接続部分温度TCN2が下限温度TL2より低いときには(ステップS203:YES)、吸気通路11における上記EGR通路61の接続部分の温度がEGRガスの露点温度より低くなっている可能性があるため、吸気通路11内におけるEGRガスの温度低下に伴って凝縮水の発生を招くおそれがあると判断される。
そして、この場合にはコンプレッサ出口温度が所定温度T2より高いことを条件に(ステップS106:YES)、前述したエアバイパス弁42の開弁駆動が実行される(ステップS107)。
このように本実施の形態によれば、吸気通路11における上記EGR通路61の接続部分の温度がEGRガスの露点温度以下になったとき、すなわちEGRガスの温度低下による凝縮水の発生が懸念される状況になったときにおいてエアバイパス弁42を開弁することができる。そのため、エアバイパス弁42の開弁を凝縮水の発生を招く可能性があるときにおいて的確に実行することができ、凝縮水の発生を的確に抑えることができる。
なお、こうした吸入空気による昇温効果を大きくするためには、吸気通路11における上記ブローバイガス通路51が接続される部分と上記エアバイパス通路41が接続される部分との距離が近いことが望ましい。
本処理では、エアバイパス弁42を間欠的に開弁させる処理の実行に合わせて、内燃機関10の出力トルクを増大させるための処理(トルク増大処理)が実行される(ステップS108)。この後に本処理は終了される。
なお、外気温度THAOが所定温度T1以上である場合や(ステップS101:NO)、吸入空気量GAが所定量V1以下である場合(ステップS102:NO)、EGR量VLEが所定量V3以下である場合(ステップS201:NO)には、前述した通常制御処理が実行される(ステップS109)。また、接続部分温度TCN2が下限温度TL2以上である場合(ステップS105:NO)や、コンプレッサ出口温度THAIが所定温度T2以下である場合にも(ステップS106:NO)、通常制御処理が実行される(ステップS109)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態の(3)〜(7)および(9)に記載した効果に準じた効果に加えて、以下の(10)〜(12)に記載する効果が得られるようになる。
(10)接続部分温度TCN2が下限温度TL2より低いときにエアバイパス弁42を開弁するようにした。そのため、EGR通路61を介して吸気通路11に導入されたEGRガスの温度が大きく低下することを抑えることができ、吸気通路11内におけるEGRガスの冷却に伴う凝縮水の発生を抑えることができる。したがって、専用のヒータを設けることなくEGRガスの過度の温度低下を抑えて凝縮水の発生を抑えることができる。
(11)下限温度TL2として、吸気通路11の上記接続部分におけるEGRガスの露点温度を設定するようにした。そのため、エアバイパス弁42の開弁を凝縮水の発生を招く可能性があるときにおいて的確に実行することができ、凝縮水の発生を的確に抑えることができる。
(12)接続部分温度TCN2を推定する際の推定パラメータの一つとして、EGR量VLEを用いるようにした。そのため、EGR量VLEが少ないときほど吸気通路11における前記接続部分の温度が低くなり易いといった関係をもとに接続部分温度TCN2を精度良く推定することができ、同接続部分温度TCN2をもとに適正なタイミングでエアバイパス弁42の開弁を実行することができる。
(その他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・駆動源として内燃機関10が搭載された車両において、凝縮水の発生を抑えるためのエアバイパス弁42の開弁駆動の実行条件として、以下の[条件E]を採用してもよい。
[条件E]車両の走行速度が所定速度以上の状態が継続されていること。
駆動源として車両に搭載される内燃機関では、走行風の吹き付けによる冷却によって、吸気通路11におけるブローバイガス通路51(第1の実施の形態)の接続部分あるいはEGR通路61(第2の実施の形態)の接続部分の温度が一時的に低下することがある。この場合、吸気通路11の上記接続部分においてブローバイガス(第1の実施の形態)あるいはEGRガス(第2の実施の形態)の温度が低下して凝縮水が発生するおそれがある。上記[条件E]を採用することにより、そうした状況であることを的確に特定したうえでエアバイパス弁42を開弁することができるため、同状況における凝縮水の発生を好適に抑えることができる。
・発生抑制処理(図2または図5)のステップS106の処理を省略してもよい。
・下限温度TL1(第1の実施の形態)や下限温度TL2(第2の実施の形態)の算出パラメータとして外気湿度HOを用いなくてもよい。この場合、湿度センサを省略することもできる。
・また第1の実施の形態の下限温度TL1として、吸気通路11の上記接続部分におけるブローバイガスの露点温度を設定することに代えて、凝縮水の凝固点温度を設定するようにしてもよい。こうした構成によれば、吸気通路11の上記接続部分における凝縮水の凍結を抑えることができる。そのため、例えば凍結した凝縮水によってブローバイガス通路51の吸気通路11側の開口が部分的に塞がれてしまいブローバイガスを適正に処理することができなくなるといった不都合など、凝縮水の凍結による不都合の発生を抑えることができる。
・また第2の実施の形態の下限温度TL2として、吸気通路11の上記接続部分におけるEGRガスの露点温度を設定することに代えて、凝縮水の凝固点温度を設定するようにしてもよい。こうした構成によれば、吸気通路11の上記接続部分における凝縮水の凍結を抑えることができる。そのため、例えば凍結した凝縮水によってEGR通路61の吸気通路11側の開口が部分的に塞がれてしまいEGRガスを吸気通路11に適正に流入させることができなくなるといった不都合など、凝縮水の凍結による不都合の発生を抑えることができる。
・さらに下限温度TL1(第1の実施の形態)あるいは下限温度TL2(第2の実施の形態)として、上記露点温度と上記凝固点温度との間の温度や同露点温度より若干高い温度など、任意の温度を設定することができる。要は、実験結果やシミュレーションの結果などに基づいて凝縮水の発生あるいは凍結を好適に抑えることの可能な温度(下限温度に相当する温度)を予め求めるとともに、同温度を下限温度として設定するようにすればよい。
・下限温度TL1(第1の実施の形態)や下限温度TL2(第2の実施の形態)として、予め定めた一定の値を用いるようにしてもよい。
・第1の実施の形態において、クランクケース23の内部やブローバイガス通路51にブローバイガスの温度を検出するための温度センサを設けるとともに、同温度センサにより検出されるブローバイガスの温度を接続部分温度TCN1の推定パラメータの一つとして用いるようにしてもよい。同装置によれば、ブローバイガス通路51を介して吸気通路11に排出されるブローバイガスの温度に基づいて接続部分温度TCN1を精度良く推定することができる。
・第2の実施の形態において、排気通路20やEGR通路61にEGRガスの温度を検出するための温度センサを設けるとともに、同温度センサにより検出されるEGRガスの温度を接続部分温度TCN2の推定パラメータの一つとして用いるようにしてもよい。同装置によれば、EGR通路61を介して吸気通路11に戻されるEGRガスの温度に基づいて接続部分温度TCN2を精度良く推定することができる。
・第1の実施の形態において吸入空気量GAおよびブローバイガス量VLBの少なくとも一方を推定パラメータとして用いることなく接続部分温度TCN1を推定するようにしてもよい。また第2の実施の形態において吸入空気量GAおよびEGR量VLEの少なくとも一方を推定パラメータとして用いることなく接続部分温度TCN2を推定するようにしてもよい。こうした装置では例えば、外気温度THAOが予め定めた所定温度より低いときに、吸気通路11における上記接続部分の温度が下限温度より低いと判断して、凝縮水の発生あるいは凍結を抑えるためのエアバイパス弁42の開弁駆動を実行することができる。
・例えば機関始動時における冷却水の温度が所定温度以下であるときなどといった内燃機関10の冷間始動時に、吸気通路11における上記接続部分の温度が下限温度より低くなっていると判断して、凝縮水の発生あるいは凍結を抑えるためのエアバイパス弁42の開弁駆動を実行するようにしてもよい。
・第1の実施の形態において所定時間Toおよび実行回数COを、コンプレッサ出口温度THAIおよび接続部分温度TCN1の一方のみに基づき設定するようにしてもよい。また、第2の実施の形態において所定時間Toおよび実行回数COを、コンプレッサ出口温度THAIおよび接続部分温度TCN2の一方のみに基づき設定することができる。
・エアバイパス弁42の単位時間あたりの開弁時間を可変設定するための構成としては、所定時間Toと実行回数COとを可変設定する構成に限らず、実行回数CO、所定時間Toおよび実行周期Twの全てを可変設定する構成や、それらのいずれか二つのみを可変設定する構成、それらのいずれか一つのみを可変設定する構成を採用することができる。
・一定の開弁時間および一定の実行周期でのエアバイパス弁42の開弁駆動を実行停止条件が成立するまでの期間にわたり実行するようにしてもよい。実行停止条件としては、「コンプレッサ出口温度THAIが予め定めた実行停止温度以上であること」といった[条件F]を採用することができる。ここで上記各実施の形態の装置では、吸気通路11における上記接続部分の温度が高くなると、同接続部分より下流側の部分の温度も高くなる。そのため、上記[条件F]を採用することにより、吸気通路11における上記接続部分より下流側の部分の温度(詳しくは、コンプレッサ出口温度THAI)が十分に高くなっていることをもって同接続部分の温度が十分に高くなっていると判断することができ、その判断をもとにエアバイパス弁42の開弁駆動を停止させることができる。
・吸気通路11における上記接続部分に新たに温度センサを設けるとともに、同温度センサにより検出される接続部分の温度を接続部分温度TCN1(第1の実施の形態)あるいは接続部分温度TCN2(第2の実施の形態)に代えて用いるようにしてもよい。
・凝縮水の発生あるいは凍結を抑えるためのエアバイパス弁42の開弁駆動を、実行回数CO、所定時間To、および実行周期Twの全てを予め定めた一定値にして実行するようにしてもよい。
・トルク増大処理(図2あるいは図5のステップS108の処理)として、燃料噴射量を増量補正する処理を実行することに限らず、内燃機関10の出力トルクを増大させることの可能な任意の処理を実行することができる。そうした処理としては、燃料噴射時期を進角補正する処理や、スロットル開度TAを増大補正する処理、過給機30の調節機構33の作動状態を吸気圧送量が多くなる作動状態に変更する処理、ウェイストゲート弁が設けられた過給機において同ウェイストゲート弁の開度を縮小補正する処理などを採用することができる。また、吸気通路11におけるコンプレッサ31より下流側の部分にアキュムレータを取り付けるとともに、トルク増大処理として、このアキュムレータに蓄えられた高圧の吸入空気を同部分に放出する処理を実行することができる。その他、過給機の回転軸を強制回転するための電動モータを取り付けるとともに、トルク増大処理として、その電動モータの出力を増大補正する処理を実行することなども可能である。
・トルク増大処理(図2あるいは図5のステップS108の処理)を省略してもよい。
・本発明は、排気駆動式の過給機が設けられた内燃機関に限らず、機関出力軸により駆動されるタイプの過給機や、電動モータによって駆動されるタイプの過給機が設けられた内燃機関にも適用することができる。
10…内燃機関、11…吸気通路、12…スロットル機構、13…スロットル弁、14…スロットルモータ、15…燃焼室、15A…シリンダ内壁面、16…燃料噴射弁、18…ピストン、18A…ピストンリング、19…クランクシャフト、20…排気通路、21…オイルタンク、22…ポンプ、23…クランクケース、24…電子制御装置、30…過給機、31…コンプレッサ、31A…コンプレッサホイール、32…タービン、32A…タービンホイール、33…調節機構、41…エアバイパス通路、42…エアバイパス弁、51…ブローバイガス通路、52…PCV弁、61…EGR通路、62…EGR弁。

Claims (11)

  1. 吸気通路とクランクケースとを連通するブローバイガス通路を介して前記クランクケース内のブローバイガスを前記吸気通路に排出して処理するブローバイガス処理装置を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記吸気通路における前記ブローバイガス通路が接続される部分より吸気流れ方向下流側の部分に取り付けられて吸入空気を圧送するコンプレッサと、前記吸気通路における前記コンプレッサの吸気流れ方向上流側と吸気流れ方向下流側とを連通するエアバイパス通路と、同エアバイパス通路の通路断面積を変更するエアバイパス弁と、を備え、
    前記吸気通路における前記ブローバイガス通路が接続される部分の温度が予め定めた下限温度より低いときに、前記エアバイパス弁を開弁する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記下限温度は、前記接続される部分におけるブローバイガスの露点温度である
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 吸気通路と排気通路とを連通するEGR通路を介して前記排気通路内の排気の一部をEGRガスとして前記吸気通路内に戻すEGR装置を備えた内燃機関の内燃機関の制御装置において、
    前記吸気通路における前記EGR通路が接続される部分より吸気流れ方向下流側の部分に取り付けられて吸入空気を圧送するコンプレッサと、前記吸気通路における前記コンプレッサの吸気流れ方向上流側と吸気流れ方向下流側とを連通するエアバイパス通路と、同エアバイパス通路の通路断面積を変更するエアバイパス弁と、を備え、
    前記吸気通路における前記EGR通路が接続される部分の温度が予め定めた下限温度より低いときに、前記エアバイパス弁を開弁する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記下限温度は、前記接続される部分におけるEGRガスの露点温度である
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該装置は、前記内燃機関の外気の温度に基づいて前記接続される部分の温度を推定するとともに、該推定した温度が前記下限温度より低いときに前記エアバイパス弁を開弁する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該装置は、前記接続される部分の温度が前記下限温度より低いときに、前記エアバイパス弁の開弁に合わせて、前記内燃機関の出力トルクを増大させるための処理を実行する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該装置は、前記接続される部分の温度が前記下限温度より低いときに前記エアバイパス弁を間欠的に開弁させるものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該装置は、前記内燃機関の外気の温度に基づいて前記接続される部分の温度を推定するとともに、前記エアバイパス弁を間欠的に開弁させるに際して前記推定した温度が低いときほど前記エアバイパス弁の単位時間あたりの開弁時間を長くする
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  9. 請求項7または8に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該装置は、前記エアバイパス弁を間欠的に開弁させる際に、前記吸気通路における前記コンプレッサより吸気流れ方向下流側の部分における吸入空気の温度が低いときほど前記エアバイパス弁の単位時間あたりの開弁時間を長くする
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  10. 請求項5または8に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該装置は、前記接続される部分の温度を推定する際の推定パラメータの一つとして、前記接続される部分に流入する前記ガスの量を用いる
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  11. 請求項5または8または10に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該装置は、前記接続される部分の温度を推定する際の推定パラメータの一つとして、前記接続される部分を通過する吸入空気の量を用いる
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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