JP2013096342A - 船外機の吸気装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】船外機の吸気装置52は、エンジンカバー24に空気を導入可能な右吸気開口部26Aおよび左吸気開口部26Bが設けられ、各開口部26A,26Bからエンジンカバーの内部に吸い込んだ空気をスロットルボディ42に導入可能に構成されている。この船外機の吸気装置は、各開口部26A,26Bから導かれた空気をスロットルボディまで案内する右吸気通路71Aおよび左吸気通路71Bと、各吸気通路71A,71Bの途中に設けられ、吸気音を減少させる右干渉型消音器73Aおよび左干渉型消音器73Bとを備えている。各干渉型消音器73A,73Bは各々略L字状に形成されてスロットルボディの上方に設けられている。
【選択図】図5
Description
吸気室はエンジンカバーの吸気口を経てエンジンカバーの外部に連通されている。
空気取入管はスロットルボディ(スロットルバルブ)に連通されている。
吸気ダクトに吸い込んだ空気を、吸気ダクトの出口を経て空気取入管に吸い込み、空気取入管に吸い込まれた空気をスロットルボディに吸い込むことができる(例えば、特許文献1参照。)。
よって、エンジンの駆動時に吸気脈動や衝撃波にともなって吸気音が発生した際に、発生した吸気音は、吸気ダクトを経てエンジンカバーの吸気口から横向きに伝えられる。
このように、吸気音を横向きに伝えられることで吸気音を船体側に伝わり難くすることができる。
しかし、吸気音を横向きに伝える方法では吸気音を充分に低減させることが難しい。
干渉型消音器は、音波を分岐させ、分岐させた音波を分岐前の音波と干渉させて吸気音を低減させるもので、その特性上、特定の周波数帯域を減衰させることが可能である。
これにより、エンジンの駆動時に吸気脈動や衝撃波にともなって吸気音が発生した際に、干渉型消音器で吸気音を充分に低減することができる。
例えば、干渉型消音器の形状を、配置箇所に合わせて直線状やL字状などに形成することが可能である。
この空き空間は、平面視略矩形状に形成されている。
これにより、干渉型消音器を設けるための空間を、エンジンカバーの内部に新たに確保する必要がないので船外機の小型化を図ることができる。
これにより、排気音のうち、特に大きな音圧が発生する吸気音の周波数帯域に合わせて、干渉型消音器として必要な全長を確保できるので、干渉型消音器で吸気音を充分に低減することができる。
よって、一対の吸気通路の吸気音を一対の干渉型消音器で各々低減することができる。
これにより、エンジンの駆動時に発生する吸気音を一対の干渉型消音器で充分に低減することができる。
一体に形成された一対の干渉型消音器は、外形寸法が小さく抑えられている(すなわち、外形が小さくまとめられている)。
これにより、一対の干渉型消音器を設けるための空間を、エンジンカバーの内部に新たに確保する必要がないので船外機の小型化を図ることができる。
これにより、排気音のうち、特に大きな音圧が発生する吸気音の周波数帯域に合わせて、干渉型消音器として必要な全長を確保できるので、干渉型消音器で吸気音を充分に低減することができる。
図1に示すように、船外機10は、船外機本体12と、船外機本体12に設けられて船体14(具体的には、船尾15)に着脱可能な取付手段16とを備えている。
取付手段16は、船外機本体12を左右方向(水平方向)に揺動可能なスイベル軸17と、船外機本体12を上下方向に揺動可能なチルト軸18とを備えている。
ギヤ機構29およびプロペラ軸31は、エクステンションケース33の下側に設けられたギヤケース34で覆われている。
一対の吸気開口部26のうち、他方の吸気開口部(奥側の吸気開口部)26は図4に示す。
よって、クランク軸27が回転することにより駆動プーリ48が回転する。駆動プーリ48の回転が駆動ベルト49を介して従動プーリ47に伝えられる。従動プーリ47が回転することにより発電機43が駆動する。
排気ファン44は、排気ファン室58に収容され、駆動プーリ48の上部に同軸上に設けられている。
よって、駆動プーリ48が回転することにより排気ファン44が回転される。
排気通路57は、エンジンカバー24の上部24aおよびエアガイド61の前半部61aでエンジンカバー24の上部24aに沿って設けられている。
エアガイド61は、エンジンカバー24の上部24aに沿って設けられている。
すなわち、排気ファン室58は、排気口59、排気通路57および排気開口部25を経てエンジンカバー24の外部35に連通されている。
排気ファン室58の空気がエンジンカバー24の外部35に排出されることで、エンジンカバー24内の空気が排気ファン室58を経てエンジンカバー24の外部35に排出される。
以下、一対の吸気開口部26のうち、右側の吸気開口部を右吸気開口部26A、左側の吸気開口部を左吸気開口部26Bとして説明する。
また、一対の吸気通路71は、各々の通路が矢印で示すように形成され、エンジンカバー24の一対の吸気開口部26から導かれた空気をスロットルボディ42に各々案内可能に形成されている。
以下、一対の吸気通路71のうち、右側の吸気通路を右吸気通路71A、左側の吸気通路を左吸気通路71Bとして説明する。
右吸気通路71Aおよび左吸気通路71Bのうち一体に形成された下流側吸気通路71Cで、サイレンサ81およびスロットルボディ42間が連通されている。
右吸気通路71Aの途中に、一対の干渉型消音器73の右干渉型消音器73Aと、サイレンサ81とが連通されている。
右干渉型消音器73Aの下流側にサイレンサ81が設けられている。
左吸気通路71Bの途中に、一対の干渉型消音器73の左干渉型消音器73Bと、サイレンサ81とが連通されている。
左干渉型消音器73Bの下流側にサイレンサ81が設けられている。
すなわち、サイレンサ81は、右吸気通路71Aおよび左吸気通路71Bの両方に用いられている(兼用されている)。
なお、左右の干渉型消音器73A,73Bおよびサイレンサ81については後で詳しく説明する。
さらに、エアガイド61は、ガイド底部62の右側部に設けられた複数の右ガイドプレート65と、ガイド底部62の左側部に設けられた複数の左ガイドプレート66とを備えている。
排気通路57は、後端部が排気開口部25に連通されている。
よって、前述したように、排気ファン44を回転することにより、排気ファン室58の空気が排気口59、排気通路57および排気開口部25を経てエンジンカバー24の外部35に排出される。
右吸気開口部26Aに対向させて複数の右ガイドプレート65を設けることで、右吸気開口部26Aからエンジンカバー24内に空気を導く際に、空気を案内するとともに空気から水を分離することができる。
左吸気開口部26Bに対向させて複数の左ガイドプレート66を設けることで、左吸気開口部26Bからエンジンカバー24内に空気を導く際に、空気を案内するとともに空気から水を分離することができる。
右サイドガイド部88は、案内口87からサイレンサ81の右入口81aまで形成されている。
左サイドガイド部89は、案内口87からサイレンサ81の左入口81bまで形成されている。
一対の干渉型消音器73は、各々の形状が平面視略L字状に形成され、かつ各々が一体に形成されている。
一対の干渉型消音器73が一体に形成された状態でスロットルボディ42の上両側に配設されている。
右直交中空部74および右平行中空部75は、右干渉型消音器73Aが全長L1になるように平面視略L字状に形成されている。
右干渉型消音器73Aを平面視略L字状に形成することで、右干渉型消音器73Aの外形寸法L2を小さく抑えた状態(すなわち、外形を小さくまとめた状態)で、右干渉型消音器73Aとして必要な全長L1を確保できる。
これにより、右干渉型消音器73Aで吸気音を充分に低減することができる。
右平行中空部75は、右直交中空部74の奥側端部74bから右吸気通路71Aに沿って前側に向けて延出され、右前端部75aが閉塞されている。
すなわち、右干渉型消音器73Aは、エンジン23の駆動時に吸気脈動や衝撃波にともなって発生した吸気音を減少可能なサイドブランチである。
左直交中空部76および左平行中空部77は、左干渉型消音器73Bが全長L1になるように平面視略L字状に形成されている。
左干渉型消音器73Bを平面視略L字状に形成することで、左干渉型消音器73Bの外形寸法L2を小さく抑えた状態(すなわち、外形を小さくまとめた状態)で、左干渉型消音器73Bとして必要な全長L1を確保できる。
これにより、左干渉型消音器73Bで吸気音を充分に低減することができる。
左平行中空部77は、左直交中空部76の奥側端部76bから左吸気通路71Bに沿って前側に向けて延出され、左前端部77aが閉塞されている。
すなわち、左干渉型消音器73Bは、エンジン23の駆動時に吸気脈動や衝撃波にともなって発生した吸気音を減少可能なサイドブランチである。
よって、エンジン23(燃焼室)から発生した吸気音が、スロットルボディ42を経てサイレンサ81に矢印(破線で示す)の如く伝えられる。
以下、図中において吸気音の伝達方向を破線の矢印で示す。
右吸気通路71Aに伝えられた吸気音は、右吸気通路71Aを経て右直交中空部74および右平行中空部75に矢印の如く伝えられる。
右干渉型消音器73Aで逆向きに変えられた吸気音は、サイレンサ81の右入口81aから右干渉型消音器73Aの上流側に直接伝えられた吸気音に干渉位置P1で干渉する。
左平行中空部77に伝えられた吸気音は、左前端部77aで伝えられる方向が矢印の如く逆向きに変えられる。
左干渉型消音器73Bで逆向きに変えられた吸気音は、サイレンサ81の左入口81bから左干渉型消音器73Bの上流側に直接伝えられた吸気音に干渉位置P2で干渉する。
具体的には、一対の干渉型消音器73A,73Bは、各干渉型消音器73A,73Bの全長L1を調整することにより、逆向きの吸気音の位相を、上流側に直接導かれた吸気音に対して反転させるように形成されている。
このように、干渉位置P1,P2において、位相が反転された逆向きの吸気音を、上流側に直接導かれた吸気音に干渉させることで、サイレンサ81の右入口81aおよび左入口81bから伝えられた吸気音を低減できる。
一対の干渉型消音器(サイドブランチ)73A,73Bは、音波を分岐させ、分岐させた音波を分岐前の音波と干渉させて吸気音を低減させるもので、その特性上、特定の周波数帯域を減衰させることが可能である。
よって、エンジン23の駆動時に吸気脈動や衝撃波にともなって発生する吸気音のうち、音圧の高い吸気音に合わせて調整することで、吸気音を効率よく充分に低減することができる。
すなわち、図3、図5に示すように、一対の干渉型消音器(サイドブランチ)73A,73Bは、音波を分岐させるための管であり、その構造上、形状の選択に自由度を持たせることが可能である。
例えば、一対の干渉型消音器73A,73Bの形状を、配置箇所に合わせて直線状やL字状などに形成することが可能である。
この空き空間79は、平面視略矩形状に形成されている。
空き空間79は、最大長さ寸法が一対の干渉型消音器73A,73Bの全長L1(図7参照)より小さい。
このため、一対の干渉型消音器73A,73Bを直線状に形成した場合、空き空間79に配置することは難しい。
これにより、一対の干渉型消音器73A,73Bの外形寸法L2を、空き空間79の最大長さ寸法より小さく抑えることができる。
具体的には、右干渉型消音器73Aの右平行中空部75および左干渉型消音器73Bの左平行中空部77が互いに平行に接触された状態で一体に形成されている。
よって、一対の干渉型消音器73A,73Bが平面視略T字状に形成されている。
このように、一対の干渉型消音器73A,73Bは、外形寸法L2が小さく抑えられ(すなわち、外形が小さくまとめられ)、かつ、右平行中空部75および左平行中空部77の幅寸法Wが小さく抑えられている。
これにより、一対の干渉型消音器73A,73Bを設けるための空間を、エンジンカバー24の内部に新たに確保する必要がないので船外機10の小型化を図ることができる。
このサイレンサ81はサイレンサ室84を備えている。サイレンサ室84は、サイレンサ下半室84aおよびサイレンサ上半室84bを備えている。
サイレンサ上半室84bおよびサイレンサ下半室84aは、右開口85および左開口86で連通されている。
このサイレンサ81は、サイレンサ室84が出口81cおよび下流側吸気通路71Cを介してスロットルボディ42に連通されている。
以下、図中において空気の流れる方向を実線の矢印で示す。
このように、右吸気通路71Aからサイレンサ室84(すなわち、サイレンサ上半室84bおよびサイレンサ下半室84a)に空気を導くことにより、導かれた空気がサイレンサ室84で膨張して流速が遅くなる。
サイレンサ下半室84aに導かれた空気は出口81cおよび下流側吸気通路71Cを経てスロットルボディ42に矢印の如く導かれる。
サイレンサ上半室84bに導かれた空気は、左開口86を経てサイレンサ下半室84aに矢印の如く導かれる。
サイレンサ下半室84aに導かれた空気は、出口81cおよび下流側吸気通路71Cを経てスロットルボディ42に矢印の如く導かれる。
よって、右吸気通路71Aや左吸気通路71Bからサイレンサ室84に空気を導いて、サイレンサ室84で空気を膨張させることで、エンジン23の駆動時に吸気脈動や衝撃波にともなって発生した吸気音の音圧を低減できる。
なお、図8〜図9において空気の流れ方向を矢印(実線)で示す。
同時に、エンジンカバー24の左吸気開口部26Bからエアガイド61の左側部に向けて空気が矢印ALの如く導かれる。
以下、右吸気開口部26Aから矢印ARの如く導かれた空気の流れについて詳しく説明する。
右吸気通路71Aに導かれた空気は、吸気ガイド部64内に向けて矢印BRの如く下向きに導かれる。
右サイドガイド部88に導かれた空気は、右サイドガイド部88を経てサイレンサ81の右入口81aを経てサイレンサ室84のサイレンサ上半室84bに矢印DRの如く導かれる。
図9(a)に示すように、サイレンサ上半室84bに導かれた空気は、サイレンサ81の右開口85を経てサイレンサ下半室84a(図9(b)参照)に矢印ERの如く導かれる。
サイレンサ室84の出口81cまで導かれた空気は、下流側吸気通路71Cからスロットルボディ42に矢印GRの如く導かれ、さらにスロットルボディ42を経てエンジン23の燃焼室に導かれる。
図8(b)〜図9(a),(b)に示すように、左吸気通路71Bに導かれた空気は、右吸気通路71Aに導かれた空気と同様に、矢印CL、矢印DL、矢印EL、矢印FLおよび矢印GLの如くスロットルボディ42を経てエンジン23の燃焼室に導かれる。
なお、図10において吸気音の伝達方向を矢印(破線)で示す。
発生した吸気音は、スロットルボディ42を経てサイレンサ81のサイレンサ下半室84aに向けて矢印Hの如く伝えられる。
以下、サイレンサ下半室84aの右側に矢印IRの如く伝えられた吸気音について詳しく説明する。
ここで、サイレンサ81のサイレンサ室84(サイレンサ下半室84aおよびサイレンサ上半室84b)に導かれた空気は、膨張して流速が遅くなる。
サイレンサ室84に伝えられた吸気音の音圧が低下し、吸気音が減衰されて低減する。
右吸気通路71Aの右サイドガイド部88に伝えられた吸気音は、サイドガイド部88を経て右干渉型消音器73Aに伝えられる。
右平行中空部75に伝えられた吸気音は、右前端部75aで伝えられる方向が矢印LRの如く逆向きに変えられる。
逆向きに変えられた吸気音は、サイレンサ81の右入口81aから右干渉型消音器73Aの上流側に矢印MRの如く直接伝えられた吸気音に干渉位置P1で干渉する。
これにより、干渉位置P1において、位相が反転された逆向きの吸気音を、上流側に直接導かれた吸気音に干渉させることで、サイレンサ81の右入口81aから伝えられた吸気音を低減することができる。
このように、上流側に直接導かれた吸気音に反転された吸気音を干渉位置P2において干渉させることで、サイレンサ81の左入口81bから伝えられた吸気音を低減することができる。
よって、右吸気通路71Aおよび左吸気通路71Bの途中に、右干渉型消音器73Aおよび左干渉型消音器73Bを設けることで、音圧の高い吸気音を減衰することが可能になり、吸気音を効率よく充分に低減できる。
これにより、エンジン23の駆動時に吸気脈動や衝撃波にともなって発生した吸気音を充分に好適に低減できる。
例えば、前記実施例で示した船外機10、エンジン23、エンジンカバー24、左右の吸気開口部26B,26A、スロットルボディ42、左右の吸気通路71B,71Aおよび左右の干渉型消音器73B,73Aなどの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
Claims (2)
- エンジンがエンジンカバーで覆われ、前記エンジンカバーに空気を導入可能な開口部が設けられ、前記開口部から前記エンジンカバーの内部に吸い込んだ空気をスロットルボディに導入可能な船外機の吸気装置であって、
前記エンジンカバーの内部に設けられ、前記開口部から導かれた空気を前記スロットルボディまで案内する吸気通路と、
前記吸気通路の途中に設けられ、吸気音を減少させる干渉型消音器と、を備え、
前記干渉型消音器は、
略L字状に形成され、前記スロットルボディの上方に設けられたことを特徴とする船外機の吸気装置。 - エンジンがエンジンカバーで覆われ、前記エンジンカバーの上両側に空気を導入可能な一対の開口部が設けられ、前記一対の開口部から前記エンジンカバーの内部に吸い込んだ空気をスロットルボディに導入可能な船外機の吸気装置であって、
前記エンジンカバーの内部において上両側に設けられるとともに、前記一対の開口部に各々連通され、前記一対の開口部から導かれた空気を前記スロットルボディまで案内する一対の吸気通路と、
前記一対の吸気通路の途中に各々設けられ、吸気音を減少させる一対の干渉型消音器と、を備え、
前記一対の干渉型消音器は、
各々の形状が略L字状に形成され、かつ各々が一体に形成されるとともに前記スロットルボディの上両側に配設されたことを特徴とする船外機の吸気装置。
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