JP2013096029A - 填料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】填料X5の製造に際して、無機粒子(X4)、珪酸アルカリ水溶液L及び鉱酸Nを混合する先の工程と、この先の工程で得た混合スラリーSにアルミニウム塩Aを混合する後の工程とを設ける。
【選択図】図1
Description
〔請求項1記載の発明〕
無機粒子、珪酸アルカリ及び鉱酸を混合する先の工程と、
この先の工程で得た混合スラリーにアルミニウム塩を混合する後の工程と、を有する、
ことを特徴とする填料の製造方法。
無機粒子、珪酸アルカリ及び鉱酸を混合する先の工程においては、無機粒子にシリカが複合される。したがって、本方法によると白色度等の紙質を改善することができる填料が製造される。また、アルミニウム塩を混合する後の工程においては、シリカ表面にアルミニウムイオンが結合し(カチオン化)、アニオン性のシリカ表面をカチオン性に改質できる。したがって、パルプ原料に添加した際の歩留りがよい填料が製造される。これは、当該アルミニウムイオンはカチオン性であり、アニオン性であるパルプ繊維に対してイオン結合するために得られる効果であり、したがって、本方法によると、パルプ繊維に対して自己定着性を有する填料が製造される。この点、この自己定着性は、歩留り向上に寄与するほか、例えば填料を湿紙全体に均一に分布させるのにも寄与する。
以上に対し、無機粒子にシリカを複合する際にアルミニウム塩を混合すると、アルミニウムイオンを核にしてシリカが凝結してしまい、ホワイトカーボンが生成される。したがって、当該方法によると、無機粒子とホワイトカーボンとの混合品が製造されてしまうおそれがある。本発明者等は、この知見等を通して、上記発明を創作するに至ったものである。
前記アルミニウム塩として硫酸バンドを使用する、
請求項1記載の填料の製造方法。
アルミニウム塩として硫酸バンドを使用すると、アルミニウムイオンによってシリカ複合粒子がカチオン化され、しかも硫酸イオンによって珪酸アルカリの中和反応が生じ、シリカの複合が進められる。また、硫酸バンドは製紙業界において一般的に使用されている薬品であるため、薬品管理や安全基準の順守等が容易であり、また、コストの上昇を抑えることができる。
前記先の工程における混合を先行槽で行い、前記後の工程における混合を前記先行槽とは異なる後行槽で行い、前記先行槽の混合スラリーが前記先行槽から直接又は他の槽を介して前記後行槽へ流れるものとし、
少なくとも前記先行槽の混合スラリーにポリアクリル酸曹達を主剤とする分散剤を添加して、填料を連続的に製造する、
請求項1又は請求項2記載の填料の製造方法。
先の工程における混合を先行槽で行い、後の工程における混合を先行槽とは異なる後行槽で行い、先行槽の混合スラリーが先行槽から直接又は他の槽を介して後行槽へ流れるものとすると、一時的には填料を連続的に製造する方法となるが、スケール析出の問題が生じ、継続的に実施することはできない。しかるに、少なくとも先行槽の混合スラリーにポリアクリル酸曹達を主剤とする分散剤を添加すると、スケール析出の問題が解消され、継続的に実施することができるようになる。
本形態の填料の製造方法は、無機粒子、珪酸アルカリ(好ましくは水溶液)、鉱酸及びアルミニウム塩を主な原料とし、無機粒子にシリカを複合させ、更に当該シリカをカチオン化させるものである。
本形態の製造方法においては、図1に示すように、まず、製紙スラッジを主原料(50質量%以上)とする被処理物X1を熱処理工程10において熱処理して熱処理物X2を得る。被処理物X1の主原料となる製紙スラッジとしては、例えば、パルプ等の繊維成分、澱粉や合成樹脂接着剤等の有機物、填料や顔料等の無機物などが利用されずに排水中へ移行したもの、パルプ化工程等で発生するリグニンや微細繊維、古紙由来の填料や印刷インキ、生物排水処理工程から生じる余剰汚泥などを使用することができる。
得られた熱処理物X2は、例えば、体積平均粒子径のメディアン径(D50)が0.2〜5.0μmとなるように、好ましくは1.0〜4.0μmとなるように粒径調節工程20において粉砕や分級等を行うと好適である。粉砕等して得られた粉砕物X3の体積平均粒子径が0.2μm未満であると、歩留りを十分に向上させることができなくなるおそれがある。他方、熱処理物X2は粒度分布がブロードであるため、粉砕物X3の体積平均粒子径が5.0μmを超える程度の粉砕を行っても粒度分布がシャープにならず、紙面劣化等の問題が生じるおそれがある。
以上のようにして得た無機粒子(粉砕物)X3は、珪酸アルカリ及び鉱酸と混合して無機粒子X3にシリカが複合されたシリカ複合物を得る。このシリカの複合によって無機粒子X3に含まれる微粒子が凝集体を形成することにより粒子径が大きくなるため、パルプ原料に内添した際の歩留りが改善される。また、このシリカの複合によってワイヤー摩耗度が低減されるとの利点もある。
このようにして得たシリカ複合物のスラリーには、更にアルミニウム塩を混合する。この混合によって無機粒子X3に複合されたシリカのシラノール基にアルミニウムイオンが結合され、シリカ表面がカチオン化する。したがって、パルプ原料に添加した際の歩留りが向上する。これは、アルミニウムイオンはカチオン性であり、アニオン性であるパルプ繊維に対してイオン結合するために得られる効果である。したがって、この工程を経ることで、製造される填料は、パルプ繊維に対して自己定着性を有するものとなる。この点、この自己定着性は、歩留り向上に寄与するほか、例えば、填料を湿紙全体に均一に分布させるのにも寄与する。
以上の先の工程及び後の工程は、所定量毎に処理を繰り返すバッチ式で行うこともできるが、生産効率の点において連続式で行う方が好適である。以下、この連続式とする場合について、詳説する。
Re=ρvd/μ …(1)
なお、式(1)において、「ρ」はスラリーの密度(g/cm3)、「v」はスラリーの流速(cm/s)、「d」は第1の反応槽41の径(cm)、「μ」はスラリーの粘性係数(Ns/cm3)である。
吸油量(ml/100)=(アマニ油量(ml)×100)/試料(g)
以上の製造方法によって得られた填料X5は、抄紙工程においてパルプ原料に添加(内添)し、填料内添紙とすることができる。この填料内添紙は、前述填料X5が有する特性によって、不透明度、白色度、印刷適性等の紙質が改善された紙となる。また、填料X5は歩留りが高いため、以上の紙質改善効果は確実に奏せられ、また、填料X5の添加量を減らすことができるため、経済性に優れた紙となる。さらに、填料の添加量を増やすと濾水(白水)中に填料が蓄積してしまい、この填料が微細繊維や有機系抄紙薬品、ピッチ等と結合し、紙面の欠陥発生につながるおそれがあるが、填料X5を用いた場合は、この問題が生じない。
本発明者等は、シリカ複合粒子をカチオン化した場合に歩留りが向上するか否かを確認するための試験を行った。この試験は、無機粒子スラリーに対して、先の工程において希硫酸を添加し、後の工程において硫酸バンドを添加する例(実施例1〜4)、後の工程においてアルミン酸ソーダを添加する例(実施例5)と、先の工程及び後の工程のいずれにおいても希硫酸を添加する例(比較例1)、シリカの複合、カチオン化を行わない例(比較例2)との比較によるものとした。結果を表1に示した。なお、その他の条件は以下の通りとした。
無機粒子としては、製紙スラッジを主原料(50質量%)とする被処理物を横型燃焼キルンで熱処理して得た体積平均粒子径(D50)が2.0μmの再生粒子(熱処理物)を使用した。なお、この再生粒子を製造するにあたっては、特願2006−313496号公報に開示されている方法に従った。
レーザー回折粒度分布測定装置〔マイクロトラック/日機装社〕(型番:MT−3300)を使用し、10%(D10)、50%(D50)、90%(D90)の割合における粒子径(μm)、最大粗粒の粒子径(測定最大頻度値を示す粒子径)を測定した。測定試料の調製にあたっては、0.1%ヘキサメタ燐酸ソーダ水溶液に、填料を添加し、超音波で1分間分散した。
JIS K 5101に記載の練り合わせ法に準じて測定した。すなわち、105℃〜110℃で2時間乾燥した填料試料2g〜5gをガラス板に取り、精製アマニ油(酸価4以下のもの)をビュレットから少量ずつ填料試料の中央に滴下しその都度ヘラで練り合わせ、滴下練り合わせの操作を繰り返し、全体が初めて1本の棒状にまとまったときを終点として、精製アマニ油の滴下量を求め、次式によって吸油量を算出した。
吸油度=[アマニ油量(mL)×100]/紙料(g)
X線回析法(理学電気製、RAD2X)によって測定した。測定条件は、Cu‐Kα‐湾曲モノクロメーター:40KV‐40mA、発散スリット:1mm、SS:1mm、RS:0.3mm、走査速度:0.8度/分、走査範囲:2シータ=7〜85度、サンプリング:0.02度とした。
新聞古紙パルプ85%、サーモメカニカルパルプ15%のパルプ原料に試験対象の填料を添加し、それぞれ固形分基準でカチオン化澱粉1%、硫酸バンド0.5%、中性サイズ剤(商品名:KW−504、荒川化学工業製)0.1%を添加し、実験用角型手抄シートマシン(25cm×25cm、ワイヤー:80メッシュ、熊谷理機工業社)を使用して、JIS P 8222:1998に基づいて手抄きシート5枚を作製し、プレスで水分調節した後、ドラムドライヤーで乾燥させ、坪量45g/m2の手抄シートサンプル(填料内添紙)を作成した。このようにして得られた填料内添紙の坪量、灰分(JIS P 8251に準拠して測定)から紙中填料量を算出し、填料仕込量との比から歩留りを算出した。
Claims (3)
- 無機粒子、珪酸アルカリ及び鉱酸を混合する先の工程と、
この先の工程で得た混合スラリーにアルミニウム塩を混合する後の工程と、を有する、
ことを特徴とする填料の製造方法。 - 前記アルミニウム塩として硫酸バンドを使用する、
請求項1記載の填料の製造方法。 - 前記先の工程における混合を先行槽で行い、前記後の工程における混合を前記先行槽とは異なる後行槽で行い、前記先行槽の混合スラリーが前記先行槽から直接又は他の槽を介して前記後行槽へ流れるものとし、
少なくとも前記先行槽の混合スラリーにポリアクリル酸曹達を主剤とする分散剤を添加して、填料を連続的に製造する、
請求項1又は請求項2記載の填料の製造方法。
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