JP2013094790A - 摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合物、及び摩擦攪拌接合工具 - Google Patents

摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合物、及び摩擦攪拌接合工具 Download PDF

Info

Publication number
JP2013094790A
JP2013094790A JP2011237434A JP2011237434A JP2013094790A JP 2013094790 A JP2013094790 A JP 2013094790A JP 2011237434 A JP2011237434 A JP 2011237434A JP 2011237434 A JP2011237434 A JP 2011237434A JP 2013094790 A JP2013094790 A JP 2013094790A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction stir
stir welding
pin
tool
plastic flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011237434A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5490076B2 (ja
Inventor
Shujiro Inatani
修二郎 稲谷
Tsutomu Hiromasa
努 廣政
Tomoyuki Murakami
友幸 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
REIZU ENG KK
Rays Engineering Co Ltd
Original Assignee
REIZU ENG KK
Rays Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by REIZU ENG KK, Rays Engineering Co Ltd filed Critical REIZU ENG KK
Priority to JP2011237434A priority Critical patent/JP5490076B2/ja
Publication of JP2013094790A publication Critical patent/JP2013094790A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5490076B2 publication Critical patent/JP5490076B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

【課題】材料の攪拌が十分に行われ、且つ塑性流動域外周部における重ね合わせ界面の移動を抑制して、接合強度の高い接合を行える摩擦攪拌接合方法などを提供する。
【解決手段】2つの被加工材を重ね合わせた重ね合わせ部に対して表側の被加工材表面から工具を回転しつつ押し当てて2つの被加工材中に塑性流動域を生成する。この際、2つの被加工材の重ね合わせ界面を含まない表側の被加工材に対して板厚方向に対流して塑性流動させる第1塑性流動域を生成するとともに、前記重ね合わせ界面及び裏側の被加工材に対して板厚方向から傾いた斜め方向に前記第1塑性流動域とは逆方向に対流して塑性流動させる第2塑性流動域を生成することにより、前記塑性流動域外周部での重ね合わせ界面の板厚方向への移動を抑制して前記2つの被加工材を摩擦攪拌接合する。
【選択図】図5

Description

本発明は、2つの被加工材を重ね合わせた重ね合わせ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合物、及び摩擦攪拌接合工具に関する。
一般に摩擦攪拌接合は2つの同一もしくは異なる材料を突合せ、突合せ端面間に摩擦攪拌接合工具のピンを回転しつつ挿入して突合せ端面同士を摩擦攪拌することで接合する技術である。この突合せ接合では、板厚ないし接合深さが浅い材料の場合は片面からの工具挿入・摩擦攪拌接合を行い、肉厚な材料の場合は裏面からも同様に工具挿入・摩擦攪拌接合を行っている。この他、重ね合わせの場合はスポット溶接のように工具を挿入・保持して摩擦攪拌を行う摩擦攪拌スポット溶接と呼ばれるものがある。
摩擦攪拌接合によって2つの被加工材を重ね合わせた重ね合わせ部を接合する場合、重ねた被加工材の一方の表面から工具を挿入して接合する。この場合、工具は、工具本体の端面に肩部を設けるとともに肩部の工具回転軸線上にネジ部を形成したピンを突設したものが使用される。
ところで、2つの被加工材の重ね合わせ部に対し、工具を回転させながら連続して線状の接合を行うと、工具回転・ネジ部の向きによって線状の接合部の左右のいずれかに平行して連続した強度の強いとされるAS(アドバンシングサイド)と、強度の劣るRS(リトリーティングサイド)とが生じる。ASは工具の回転方向と工具の進行方向とが一致した側であり、RSは工具の回転方向と工具の進行方向とが反対となる側である。RSでは工具の回転の相対速度が小さくなり、攪拌不足となる結果、2つの被加工材の重ね合わせ界面における各材料面の酸化層が残存して接合強度が弱くなる。そこで、従来、RSを覆うように円ないし角で接合部を設ける、もしくは1度目の接合で発生したRSを1度目の接合進行方向と逆方向に再度接合を行うことで強度の劣る部位を重ねて接合強度の弱い部位をカバーする方法が提案された(特許文献1)。しかし、これらの接合方法では、接合面積が増えるほか、接合距離も伸び、すなわち加工時間が大幅に伸び、生産性の向上を阻害し、また接合部位面積確保のため、被加工材の形状にも制約を生じざるを得なかった。
そこで、ASならびにRSの特性が生じない、もしくは同等レベルの接合強度が得られるであろう摩擦攪拌接合方法であったり、それに用いる工具形状の見直しが行なわれてきた。ネジ部の巻き方向と工具回転方向が逆であれば、一般に下方へ塑性流動が生じ、ネジ部の巻き方向と工具回転方向が同一であれば、上方に塑性流動が生じる。後者のみであると表側板材、すなわち工具挿入側表面には、肩部で抑えられるものの、その外周部分に余肉を生じさせるとともに、本来内部にあるべき材料が失われ、トンネル状欠陥などと呼ばれる接合不良を生じさせる傾向にあった。いずれも単体であれば何らかの欠陥を有する形状であるが、いずれも異なる特性がある。これらを組み合わせることで欠点をカバーする工具形状が研究開発されることとなった。
そこで、円柱状のピンにおいて左右ネジを組み合わせることで上下方向いずれもの塑性流動を生じさせることで、2つの被加工材の重ね合わせ接合を行うことが提案された(特許文献2)。この場合、ピンの周囲の塑性流動域では、左右ネジの重複した部分に生じる複数のボスによって塑性流動の方向を不規則、不均一に流動させて重ね合わせ界面の移動を抑えるようにする。しかし、この特許文献2では、塑性流動域における材料の塑性流動が板厚方向には十分に行われ難く、そのため、十分に高い接合強度で2つの被加工材を接合させることが困難であった。さらには、ピン先端面が単純な円弧平面であるため、ピン先端付近で材料の攪拌不足が生じ、接合不十分な状態となっていた。
また、円柱状のピンにおいて先端側に右ネジの螺旋形状である第1ネジ部を設け、基端側に左ネジの螺旋形状である左ネジの螺旋形状である第2ネジ部を設け、ピンを時計方向に回転し、第1ネジ部と第2ネジ部との境界部を2つの被加工材の重ね合わせ界面に一致させて摩擦攪拌接合を行うことが提案された(特許文献3)。この場合、ピンの周囲の塑性流動域では、第1ネジ部によって上方へ塑性流動する第1の流動体と第2ネジ部によって下方へ塑性流動する第2の流動体とを、第1ネジ部と第2ネジ部の境界部で合流させて重ね合わせ界面に沿って外径方向へ押し出し、重ね合わせ界面部分を重点的に攪拌させるようにする。しかし、この特許文献3では、あくまでスポット摩擦攪拌接合に適した工具形状である。1点での回転であれば裏側の板部分で生じるべき上方向への塑性流動が十分行なえるが、これに横方向の動き、すなわち線状に連続接合を行なうと上方向の塑性流動が不十分になりやすく、スポット時であれば実現できる外形方向への押し出しも不十分となり、接合強度の向上が図れない。さらにはスポット摩擦攪拌接合においても塑性流動域の外周部において重ね合わせ界面に押し出された流動体によって重ね合わせ界面が上下にそれぞれ移動され、上下の被加工材がともに薄肉化されて接合高さが小さくなり、高い接合強度が得られないおそれがあった。さらには、ピン先端面が単純な平面であるため、ピン先端付近で材料の攪拌不足が生じ、接合不十分な状態となっていた。
特開2010−137274号公報 特表2002−514512号公報 特開2005−205423号公報
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、2つの被加工材の重ね合わせ部を摩擦攪拌接合する場合に、材料の攪拌が十分に行われ、且つ塑性流動域外周部における重ね合わせ界面の移動を抑制して、接合強度の高い接合を行える摩擦攪拌接合方法を提供することを目的とする。
また、本発明の目的は、前記摩擦攪拌接合方法によって接合強度の高い接合を行った摩擦攪拌接合物を提供する。
また、本発明の目的は、前記摩擦攪拌接合方法を実現するための摩擦攪拌接合工具を提供する。
本発明に係る摩擦攪拌接合方法は、
2つの被加工材を重ね合わせた重ね合わせ部に対して表側の被加工材表面から工具本体の肩部にピンを設けた摩擦攪拌接合工具を回転しつつ押し当てて前記2つの被加工材中に塑性流動域を生成し、この摩擦攪拌接合工具を前記重ね合わせ部に沿って相対移動させることにより前記2つの被加工材を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合方法において、
前記塑性流動域として、2つの被加工材の重ね合わせ界面を含まない表側の被加工材に対して板厚方向に対流して塑性流動させる第1塑性流動域を生成するとともに、前記重ね合わせ界面及び裏側の被加工材に対して板厚方向から傾いた斜め方向に前記第1塑性流動域とは逆方向に対流して塑性流動させる第2塑性流動域を生成することにより、前記塑性流動域外周部での重ね合わせ界面の板厚方向への移動を抑制して前記2つの被加工材を摩擦攪拌接合する。
前記摩擦攪拌接合方法において、
前記摩擦攪拌接合工具は、回転される工具本体の端面に設けられた径大の肩部と、前記肩部の工具回転軸線上に突設された径小のピンとを有し、
前記ピンは、ネジ部が形成された円柱状のピン基端部と、前記ピン基端部からピン先端に向かって先細状に形成されたテーパー部を有し且つ前記ネジ部と逆方向の巻き方向となった渦状溝が全域に形成されたピン先端部とを備え、
前記摩擦攪拌接合時に、前記摩擦攪拌接合工具をピンのネジ部の巻き方向と逆方向に回転しつつ、表側の被加工材表面に肩部を平行に押し付けてピンを2つの被加工材中に挿入し、この際、ピン先端部のテーパー部を2つの被加工材の重ね合わせ界面に配置させ、
前記ネジ部を形成した円柱状のピン基端部の全部を表側の被加工材中に配置して前記ネジ部により前記重ね合わせ界面を含まない表側の被加工材に対して板厚方向に対流して塑性流動させる第1塑性流動域を生成するとともに、前記渦状溝を形成したピン先端部のテーパー部の一部を裏側の被加工材中に挿入して前記渦状溝により前記重ね合わせ界面及び裏側の被加工材に対して板厚方向から傾いた斜め方向に前記第1塑性流動域とは逆方向に対流して塑性流動させる第2塑性流動域を生成することにより、前記塑性流動域外周部での重ね合わせ界面の板厚方向への移動を抑制して前記2つの被加工材を摩擦攪拌接合することができる。
また、前記摩擦攪拌接合方法において、
前記肩部は、工具本体の径方向に平行な平面を有し、且つピンの突設部分から肩部の外径付近まで延びて工具本体の側面に開放しない凹部が形成され、
前記肩部を押し当てている表側の被加工材表面の材料を工具回転に伴って前記凹部により中心部側へ誘導させることが望ましい。
また、前記摩擦攪拌接合方法において、
前記ピン先端部は、先端部分がピン径方向と平行な平面部で構成され、前記渦状溝が前記テーパー部から前記平面部の全域にわたって連続して形成され、
前記テーパー部及び前記平面部に沿って前記第2塑性流動域を生成することが望ましい。
また、前記摩擦攪拌接合方法において、
前記ネジ部を形成した円柱状のピン基端部の全部を表側の被加工材中にその板厚の70%〜95%の範囲で挿入するとともに、前記渦状溝を形成したテーパー部を有するピン先端部の一部を裏側の被加工材中に表側の被加工材板厚の20%〜70%の深さで挿入することが望ましい。
また、前記摩擦攪拌接合方法において、
摩擦攪拌接合工具を重ね合わせ部に沿って相対移動させた接合線終端の最終接合部では、工具引抜位置を囲むように摩擦攪拌接合工具を移動させて、工具引抜位置のピン穴周りを補う形で接合部を形成することが望ましい。この場合、工具をピン穴周りに1周移動させたり部分円弧状に移動させたり進行方向と反対方向に並行移動させる等の種々の方法を含む。
また、前記摩擦攪拌接合方法において、
前記ピンを工具回転軸線に対して傾けて肩部に突設した摩擦攪拌接合工具により摩擦攪拌接合することが望ましい。
また、前記摩擦攪拌接合方法において、
工具引抜位置のピン穴周りに生じる攪拌部位を切除する形で裏側の被加工材を含めて貫通又は非貫通する加工を行い、最終接合部における工具引抜位置のピン穴周辺に発生しやすい接合欠陥を除去することが望ましい。
また、前記摩擦攪拌接合方法において、
表側の被加工材として2枚の板材を左右に配置して突合せ、この突合せ部に沿って裏側の被加工材と重ね合わせ接合することができる。
そして、前記摩擦攪拌接合方法によって2つの被加工材を重ね合わせた重ね合わせ部を摩擦攪拌接合した接合部を備えた摩擦攪拌接合物は、前記接合部外周部での前記2つの被加工材の重ね合わせ界面の板厚方向への変動が抑制された断面形状を有する。
また、前記摩擦攪拌接合物は、リム部とディスク部とを重ね合わせた重ね合わせ部を摩擦攪拌接合した接合部を備えた車両用ホイールとすることができる。この車両用ホイールの場合、工具引抜位置に形成された非貫通穴には耐圧性シリコン樹脂等の封止材を充填してエア漏れを防止する構成とする一方、貫通穴の場合には該貫通穴をバルブ穴とする構成を採用することができる。
一方、本発明に係る摩擦攪拌接合工具は、
2つの被加工材を重ね合わせた重ね合わせ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合工具において、
回転される工具本体の端面に設けられて表側の被加工材表面を押さえる径大の肩部と、
前記肩部の工具回転軸線上に突設されて2つの被加工材中に挿入される径小のピンとを有し、
前記ピンは、
表側の被加工材板厚の70%〜95%の長さに設定された円柱状のピン基端部と、
前記ピン基端部からピン先端に向かって先細状に形成されたテーパー部を有し、先端部分をピン径方向と平行な面で形成された平面部とするピン先端部とで構成され、且つ
前記ピン基端部には全長にわたって摩擦攪拌接合時の工具回転方向に対して巻き方向が逆方向となるネジ部が形成されるとともに、
前記ピン先端部にはテーパー部から平面部の全域にわたって前記ネジ部と逆方向の巻き方向となった渦状溝が連続して形成されている。
前記摩擦攪拌接合工具において、
前記テーパー部のテーパー角は、60度以上120度以内に設定されることが望ましい。
また、前記摩擦攪拌接合工具において、
前記ピンは、工具回転軸線に対して傾けて肩部に突設されるようにしてもよい。
本発明によれば、2つの被加工材の重ね合わせ部を摩擦攪拌接合する場合に材料の攪拌が十分に行われ且つ塑性流動域外周部における重ね合わせ界面の移動が抑制され、その結果、接合強度の高い接合が実現される。従って、接合部においては重ね合わせ界面が起点となる破断を防止することができる。しかも、線状の接合部におけるRS(リトリーティングサイド)でもAS(アドバンシングサイド)と略同等の接合強度を実現することができる。
実施形態による摩擦攪拌接合工具を示す側面図である。 実施形態による摩擦攪拌接合工具を先端側から見た状態を示す底面図である。 実施形態による摩擦攪拌接合工具を被加工材に挿入した状態を示す断面図である。 実施形態による摩擦攪拌接合工具を被加工材に挿入し、材料の塑性流動が発生した状態を示す断面図である。 塑性流動域の拡大断面図である。 摩擦攪拌接合した接合部の断面形状を模式的に示す断面図である。 車両用ホイールにおいて、リムとディスクとを摩擦攪拌接合している状態を示す断面図である。 車両用ホイールにおいて、ディスクの窓部外側又はスポーク部外側の摩擦攪拌接合する部位を示す正面図である。 車両用ホイールにおいて、リムとディスクとを摩擦攪拌接合した接合部を示す側面図である。 車両用ホイールにおいて、リムとディスクとを摩擦攪拌接合した接合部の他の例を示す側面図である。 摩擦攪拌接合工具の変形例として、肩部を平面のみで形成したものを示す側面図である。 摩擦攪拌接合工具の変形例として、ピンのみを傾斜して設けたものを示す側面図である。 摩擦攪拌接合工具の変形例として、図1のものとネジ部及び渦状溝の螺旋の向きを反対向きにしたものを示す側面図である。 摩擦攪拌接合工具の変形例として、図1のものとネジ部及び渦状溝の螺旋の向きを反対向きにしたものを先端側から見た状態を示す底面図である。
以下、本発明における実施形態を図面に基づき説明する。
図1、図2及び図3に示すように、実施形態の摩擦攪拌接合工具1は、回転駆動装置(図示せず)に装着されて回転しつつ、上下に重ね合わせた2つの被加工材61,62の重ね合わせ部に対して上側の被加工材61表面から押し当てて前記重ね合わせ部を摩擦攪拌接合するためのものである。この摩擦攪拌接合工具(以下、適宜「工具」という。)1は、接合する被加工材61,62よりも硬質で且つ接合時の摩擦熱に耐え得る耐熱材料から形成される。例えば、被加工材61,62がアルミニウム、マグネシウム、これらの合金などの場合、工具1はSKDなどの鋼材で製作することができる。
摩擦攪拌接合工具1は、回転される円柱状の工具本体2の端面に設けられ、上下に重ね合わせた2つの被加工材61,62のうちの上側(表側)の被加工材61表面を押さえる径大の肩部21と、肩部21の工具回転軸線上にまっすぐ突設され、上下2つの被加工材61,62中に挿入される径小のピン3とを備える。
肩部21は、工具本体2の径方向に平行な平面23によって構成されている(図2参照)。これにより、摩擦攪拌接合時、上側の被加工材61表面に対してこの肩部21を平行姿勢にして押さえ付けることで、摩擦攪拌に伴う材料の浮き上がりを抑制し、肩部21が当接される被加工材61の接触面を均一な表面状態にすることができる。
また、肩部21には、その平面23においてピン3の突設部分から肩部21の外径付近まで延びて工具本体2の側面に開放しないスリット24が形成されている(図2参照)。スリット24は、放射状に延ばして複数形成されているが、これに限らず、連続する渦状溝等の凹部とすることができる。ところで、摩擦攪拌接合時に被加工材61表面に隆起する材料が摩擦攪拌接合工具の回転の遠心力で肩部の外側に放出されると、バリを発生させるとともに放出された材料による欠肉が生じ、表面状態の悪化を招くおそれがある。これに対し、肩部21にスリット24を形成することで、各スリット24は肩部21の外縁部には形成されず外端部で閉塞されているため、スリット24の閉塞された外端部によって工具1の回転の遠心力で外方向へ流動する材料が肩部21の外側へ放出されないようにせき止めることができる。また、各スリット24によって、被加工材61表面に隆起する材料を掻き取りつつ被加工材61表面を平坦にならすことができる。従って、接合部において、バリの発生を抑制するとともに被加工材61の表面状態を均一な状態にすることができる。
また、放射状に延ばした複数のスリット24は、その外方へ延びる向きを工具回転方向側に傾くように形成されている。この場合、スリット24を湾曲状に形成して外方へ延びる向きを工具回転方向側へ向けるようにしてもよい。これによって、スリット24内に入り込んだ材料を工具1の回転に伴って中心部側へ誘導する力が作用する。従って、被加工材61の表面に浮き上がってきた材料を被加工材61中へ押し戻し材料の塑性流動を活発に行わせることができる。
肩部21の外周部22(肩部21と工具本体2側面とが連続する部位)は、R状に形成されている。これは、肩部21の外周部22に角が立っていると、エンドミル等の切削工具の如く、この角で材料表面をすくってバリを発生させ得る。これに対して、肩部21の外周部22をR状とすることで、肩部21の外周部22で材料表面をすくい上げる現象を防止してバリの発生を抑制することができる。
ピン3は、上側(表側)の被加工材61を貫通し且つ下側(裏側)の被加工材62中に浅く挿入される部分であって、円柱状のピン基端部3aと、テーパー部31及び平面部32を有するピン先端部3bとで構成されている。
ピン基端部3aの外周面には、全長にわたってネジ部4が形成されている。このネジ部4の螺旋の巻き方向は、工具1が装着される回転駆動装置によって規定される摩擦攪拌接合時の工具1の回転方向に対して逆方向となっている。すなわち、この工具1は、摩擦攪拌接合時、回転駆動装置によってネジ部4の巻き方向と逆方向に回転させて使用される。図1、図2に示した工具1は、回転駆動装置によって工具1の上(工具本体2の基端側)から見て時計方向に回転され(回転方向S1)、ネジ部4の螺旋の巻き方向は、ピン3の基端から先端に向けて反時計方向(左ネジ)に形成される。
テーパー部31は、ピン基端部3aからピン先端まで先細状に形成されている。このテーパー部31のテーパー角α(図3参照)は、60度以上120度以内に設定される。テーパー角αを60度以上とすることでテーパー部31の立ち過ぎに伴った欠けやピン折れ等を防ぐことができ、また、テーパー角αを120度以内とすることでテーパー部31の必要な軸線方向長さを確保し易くすることができる。また、ピン先端の平面部32は、ピン径方向と平行な面で形成されている。この平面部32の直径W2は、ピン基端部3aの軸径W1の50%程度に設定される(図1参照)。
そして、テーパー部31から平面部32の全域にわたって平面部32の中心点を起点にした渦状溝5が連続して形成されている(図2参照)。この渦状溝5は、テーパー部31側(渦状溝5の外周側)から平面部32中心(渦状溝5の中心)へ向かう巻き方向がネジ部4と逆方向(時計方向)に形成されている。すなわち、この渦状溝5の巻き方向は、工具1が装着される回転駆動装置によって規定される摩擦攪拌接合時の工具1の回転方向S1と同じ方向となる。図1〜図3に示す工具1では、ネジ部4の螺旋の巻き方向が工具1の上から見て反時計方向(左ネジ)であるから、テーパー部31から平面部32にわたる渦状溝5の巻き方向は、工具1の上から見て時計方向に形成される。なお、図2は、ピン先端側である工具1の下から見た図であるため、渦状溝5の巻き方向は、外周側から中心へ向けて反時計方向に示され、工具1の回転方向S1も同様に反時計方向に示されている。
ピン3の全長は、ピン3を上下2つの被加工材61,62中に挿入した際、テーパー部31が上下の被加工材61,62の重ね合わせ界面60に配置される長さに設定される(図3参照)。この場合、重ね合わせ界面60に対してテーパー部31における上下位置関係は、テーパー部31が重ね合わせ界面60に配置される限り任意の位置に設定することができる。すなわち、ピン基端側のネジ部4を形成したピン基端部3aの長さL1は、ピン挿入側である上側の被加工材61の板厚t1よりも短い長さに設定され(図3参照)、具体的には、上側の被加工材61板厚t1の70%〜95%の長さに設定される。また、ピン先端側のテーパー部31の軸線方向長さL2は、摩擦攪拌接合時、下側の被加工材62中への挿入長さL3が上側の被加工材61板厚の20%〜70%となる長さを確保するように設定される(図1、図3参照)。この場合、ピン先端部3bが下側の被加工材62を貫通しない範囲で設定される。なお、ピン3の全長(L1+L2)はピン基端部3aの軸径W1以下であることが好ましく、これにより、摩擦攪拌接合時のピン3の折損を抑えることができる。
一方、工具1の肩部21は、摩擦攪拌接合時、上下の被加工材61,62の重ね合わせ界面60に隙間が形成されないように上側の被加工材61表面を押し付ける。そのため、肩部21は、上側の被加工材61表面から一定深さに埋没される。この肩部21の埋没量L4は、上側の被加工材61板厚t1の1%〜20%に設定されるが(図3参照)、ピン3のテーパー部31が上下の被加工材61,62の重ね合わせ界面60に配置される範囲内で且つテーパー部31が下側の被加工材62中に挿入される挿入長さL3として上側の被加工材61板厚の20%〜70%となる範囲内に制限される。
例えば、ピン3のネジ部4を形成したピン基端部3aの長さL1が上側の被加工材61板厚t1の95%の長さの場合、肩部21の埋没量L4は、上側の被加工材61板厚t1の1%以上5%未満に制限され、また、ピン基端部3aの長さL1が上側の被加工材61板厚t1の70%の長さの場合、肩部21の埋没量L4は、上側の被加工材61板厚t1の1%以上20%以下に制限される。なお、ピン3の挿入深さは、ネジ部4を形成したピン基端部3aの下端位置(ピン基端部3aとテーパー部31との境界位置)が、上側の被加工材61表面からこの板厚t1の80%〜95%の位置となるのが好ましい。そして更に、肩部21の埋没量L4は、前記したピン基端部3aの長さL1との関係による制限に加えて、テーパー部31が下側の被加工材62中に挿入される挿入長さL3としてこの下側の被加工材62板厚t2に左右されることなく、上側の被加工材61板厚の20%〜70%となる範囲内に制限する。
また、ピン3は、ピン基端部3aに連設する軸部30が肩部21に設けられた穴部に圧入されて肩部21から取り外し可能に設けられている。これにより、接合する2つの被加工材61,62の板厚t1,t2に応じて適切なピン長さ(L1+L2)のピン3を装着して使用することができる。また、ピン3のネジ部4の磨耗やピン3が折損した場合等、ピン3だけを交換して再使用することができる。従って、ピン3の磨耗による接合強度の変化・低下を防止することができる。なお、ピン3は、軸部30を肩部21に圧入する構成の他に、肩部21にタップ穴を設けて軸部30を螺合させてもよいし、また、肩部21の穴部に挿入した軸部30を工具本体2の側面に設けたネジ孔からボルト止めする等の種々の固定手段で肩部21に脱着可能とすることができる。また、ピン3は、前記のように肩部21に着脱可能とせずに肩部21に一体形成されてあってもよい。
次に、前記構成の摩擦攪拌接合工具1を用いて、重ね合わせた2つの被加工材61,62を重ね合わせ部で摩擦攪拌接合する方法を、図3、図4及び図5を参照して説明する。なお、摩擦攪拌接合工具1は、図示しない回転駆動装置に装着されて一方向に回転されるとともに昇降可能とされる。
そして、この工具1を回転方向S1としてピン3のネジ部4の巻き方向と逆方向(時計方向)に回転しつつ、ピン3を上側の被加工材61表面からこの被加工材61を貫通させて上下の被加工材61,62に跨る態様で挿入するとともに、肩部21を上側の被加工材61表面に対して平行に押し付けて所定の埋没量L4(上側の被加工材61板厚t1の1%〜20%の深さ)でもって埋没させる。その後、工具1を重ね合わせ部に沿って移動させると、2つの被加工材61,62の重ね合わせ部が工具1の接合線(工具移動軌跡)に沿って摩擦攪拌により重ね合わせ接合される。なお、接合条件として、例えば、工具回転は2000〜3000rpm、前進速度は500〜1000mm/分に設定される。また、工具1は、前進角を設けず肩部21を被加工材61表面と平行にして移動させる。また、摩擦攪拌接合操作に際して、重ね合わせた被加工材61,62の表側又は裏側等から接合部に向けて水などの冷媒、あるいは冷却空気などを噴き付けて冷却しながら接合操作を行うようにしてもよい。
前記の工具挿入操作により、図3示すように、ピン3は、ピン基端側のネジ部4を形成するピン基端部3aの全体が上側の被加工材61中に埋入されるとともに、ピン先端側のテーパー部31の先端部分が下側の被加工材62中に所定の挿入深さL3(下側の被加工材62の板厚には左右されず、上側の被加工材61板厚t1の20%〜70%の深さ)でもって浅く挿入され、テーパー部31が上下の被加工材61,62の重ね合わせ界面60に配置される。すると、ピン3の周囲の被加工材61,62には、ピン3の回転による摩擦熱で加熱されて軟化し、塑性流動する塑性流動域7が生成される。
具体的には、図4、図5を参照して、ピン基端部3aの周囲の軟化した上側の被加工材61に対しては、板厚方向に向いてネジ部4回りで下降しその外側で上昇するように対流(A1)して塑性流動する第1塑性流動域71が生成される。このとき、被加工材61の表面に上昇した材料は、肩部21の複数のスリット24によって中心部側へ強制的に誘導されるとともに、肩部21によって下方へ押し戻される。その結果、前記A1の対流現象が良好に行われて第1塑性流動域71の塑性流動が活発に行われて材料の攪拌が高められる。
一方、テーパー部31及び平面部32の周囲において重ね合わせ界面60を含んで軟化した上側及び下側の被加工材61,62に対しては、板厚方向から傾いた斜め方向に向いて渦状溝5周りで上昇しその外側で下降するように対流(A2)して流動する第2塑性流動域72が生成される。この第2塑性流動域72における対流(A2)の向きは、第1塑性流動域71の対流(A1)の向きと逆方向となっている。また、第2塑性流動域72では、テーパー部31は先端部へ向かうほど軸径が小さくなっているので、工具回転によるテーパー部31の周速は、ネジ部4を形成した円柱状のピン基端部3aの周速よりも低速となる。従って、第2塑性流動域72の塑性流動は、第1塑性流動域71よりも低いと考えられる。
このように、塑性流動域7における第1塑性流動域71と第2塑性流動域72は、各々の塑性流動の対流(A1)(A2)の方向が逆方向となっているので、第1塑性流動域71と第2塑性流動域72の境界部分P(図5参照)での塑性流動が抑えられると考えられる。従って、塑性流動域7の外周部において前記境界部分Pの周辺(B)における被加工材61,62の材料の移動が抑制される。前記境界部分Pは、ピン基端部3aとピン先端部3bとの境目に対応し、2つの被加工材61,62の重ね合わせ界面60近く(上側の被加工材61中で重ね合わせ界面から少し上の位置)に位置しているので、塑性流動域7の外周部の重ね合わせ界面60bの移動が抑制される。
また、第1塑性流動域71と第2塑性流動域72の境界部分Pで互いの塑性流動のぶつかり合う力が作用しても、前記境界部分Pは重ね合わせ界面60から少し外れて位置しているので、ぶつかり合った材料の重ね合わせ界面60への侵入が阻止される。さらに、重ね合わせ界面60及び下側の被加工材62に対する第2塑性流動域72での塑性流動は、板厚方向から傾いた斜め方向に起こっている。これらによっても、塑性流動域7の外周部における重ね合わせ界面60bの板厚方向への移動が抑制される。
従って、図6に示すように、摩擦攪拌接合物としては、接合部Jの外周部での重ね合わせ界面60bの板厚方向への移動がほとんど見られない断面形状を有するものとなる。以上の結果として、ピン3周辺の材料の摩擦攪拌を十分に行うことができるともに、塑性流動域7の外周部における重ね合わせ界面60bの移動を抑制することができるので、高い接合強度の接合を実現することができる。
また、先端側のテーパー部31が2つの被加工材61,62の重ね合わせ界面60に配置されることで、重ね合わせ界面60の酸化層60aは、テーパー部31の周囲での軟化材料の斜め上方への塑性流動に伴って被加工材板厚方向の上方へ押し上げられる(図4参照)。そして、この酸化層60aは、上下に対流する軟化材料の塑性流動によって良好に分散される。その結果、重ね合わせ界面60の酸化層60aの残存が抑制されるので、残存する酸化層60aが起点となって破断することが防止され、接合強度を向上することができる。そして、この回転する摩擦攪拌接合工具1を被加工材に対して横方向に平行移動させて線状に接合を行った場合、RS(リトリーティングサイド)であっても、酸化層60aの残存が抑制されてAS(アドバンシングサイド)と略同等の接合強度を得ることができる。ここで、RSとは、工具1の回転方向と工具1の進行方向とが反対となる側であり、回転の相対速度が小さくなって攪拌不足となり易い。ASとは、工具1の回転方向と工具1の進行方向とが一致する側であり、回転の相対速度が大きく良好な攪拌が行われる。
また、ピン先端が平面部32となっているので、ピン先端を尖らせた場合に比して、工具1の押し付け圧力がピン先端に局所集中することが低減され、押し付け圧力による下側の被加工材62の裏面での変形を防ぐことができる。しかも、下側の被加工材62へのピン3の挿入深さを浅くすることができ、下側の被加工材62の裏面への熱影響も抑えられる。そして、平面部32の周囲の軟化した下側の被加工材62は、平面部32の渦状溝5によって平面部32に沿って外方(横方向)へ塑性流動され、下方へ向かう塑性流動が抑制される。従って、薄板の被加工材(下側の被加工材62の板厚が上側の被加工材61の板厚よりも薄い場合も含む。)であっても、下側の被加工材62の裏面の変形や熱影響を防止することができる。
このように、2つの被加工材61,62を重ね合わせた重ね合わせ部の軟化材料が、対流するように上下に塑性流動されて良好に攪拌され、且つ重ね合わせ界面60の酸化層60aが良好に分散されて酸化層60aの残存が抑制される。従って、接合部において、トンネル状欠陥を生じさせず良好な接合を得ることができ、且つ残存する酸化層60aが起点となって破断することが防止され、接合強度を向上することができる。しかも、線状に接合した場合、RS(リトリーティングサイド)であっても、酸化層60aの残存が抑制されてAS(アドバンシングサイド)と略同等の接合強度を得ることができる。さらに、下側の被加工材62の裏面の変形や熱影響を防止することができ、接合部の裏側も良好な表面状態にすることができる。
因みに、図1〜図3に示す実施形態の構成の摩擦攪拌接合工具1を用いて上述した実施形態の摩擦攪拌接合方法(図3、図4)により、2枚のアルミ板を重ね合わせ、この重ね合わせ部を線状に摩擦攪拌接合した接合材の接合試料に対して、その接合部の折り曲げ試験を行ったところ、従来の工具(円柱状ピンにピン回転方向と逆方向のネジを形成しただけのもの)による接合部のRSで生じるような重ね合わせ界面60からの破断が発生しなかったことを確認した。また、前記接合試料の裏面(工具挿入の反対側の面)を目視したところ、変形や熱影響による焼け等もなく、接合前とほとんど変わりなく綺麗な表面状態であったことも確認した。さらに、前記接合試料の表面(工具挿入側の面)の接合表面状態もバリがなく、均一な表面状態であったことも確認した。そして、接合試料(摩擦攪拌接合物)において、接合部Jの断面形状は、図6に示したように接合部Jの外周部で重ね合わせ界面60bの移動が抑制されていることも確認した。
ところで、摩擦攪拌接合を線状に行うと接合線終端の最終接合部では、工具引抜位置にピン穴が残ってしまう。そのため、最終接合部のピン穴部分は、接合断面積が他の接合部分と比べてピン断面積分だけ無くなるほか、横方向の工具ないし材料移動がなくなり、定点停止下での工具回転のみに依存するため、連続接合から大きな条件変動を招いてしまうため、接合欠陥を生じやすい。このため接合強度が低下し得るので、このピン穴が接合部の疲労破壊の起点となり得る。
そこで、接合線終端の最終接合部では、工具1を引き抜く前に先行して工具引抜位置を囲むように工具1を工具引抜位置の周りに連続して1周させてから工具1を引き抜くようにして、工具引抜位置のピン穴周りに接合部を形成する(図9参照。なお、図9中、Jは接合部、hはピン穴、eは最終接合部を示す。)。これによって、最終接合部のピン穴周りに接合部分の面積が広く形成されるので、ピン穴の抜けによる接合強度不足が補強され、ピン穴を起点にした接合部の疲労破壊を防止することができる。なお、このような工具引抜位置のピン穴周りを補う形で最終接合部eを形成する場合、前記した工具1をピン穴hの周りに1周移動させる他に、部分円弧状に移動させたり進行方向と反対方向に並行移動させる等の種々の方法を含むものとする。
また、これと併用・否併用問わず、最終接合部のピン穴周りに形成される摩擦攪拌影響部を下側の被加工材62を含めて貫通させるか非貫通とするかは問わず切除することで最終接合部に生じやすい欠陥部位を除去することで破断起点となることを防止してもよい。
(車両用ホイールへの適用例)
以上の摩擦攪拌接合方法及び摩擦攪拌接合工具1は、車両用ホイールにおいて、円筒状のリムの内周部に円盤状のディスクを嵌め合わせ、このリムとディスクとの重ね合わせ部を摩擦攪拌接合して車両用ホイールを製造する場合に適用することができる。この場合、図7に示すように、リム8とディスク9との重ね合わせ部Tにおいて、前記摩擦攪拌工具1を回転しつつピン3をリム8の外周面から差し込み、ピン3がリム8を貫通してディスク9の外周部に達するように挿入するとともに、肩部21をリム8の外周面に対して略平行に押し付ける。このとき、上述のとおり、ピン3のテーパー部31がリム8とディスク9の重ね合わせ界面(60)に配置される高さに設定する。そして、この摩擦攪拌接合工具1をリム8の周方向に相対移動させ、リム8とディスク9との重ね合わせ部を摩擦攪拌接合する(図9参照)。
この摩擦攪拌接合操作は、例えば、図8(a)に示すように、ディスク9の各スポーク部92の外周部位J2のみに対して行ってもよいし、また、ディスク9の各窓部91の外周部位J1のみに対して行ってもよいし、また、ディスク9全周に対して行ってもよい。なお、図8(b)に示すように、ディスク9として窓部91の外周部位が形成されずスポーク部92の外周部位J2のみがリム8の内周面に接する形状のものでは、各スポーク部92の外周部位J2の位置で摩擦攪拌接合を行うようにしてもよい。
また、接合線終端の最終接合部では、ピン穴を起点にした接合部の疲労破壊を防止するため、図9に示すように、最終接合部eにおいて、工具1を引き抜く前に先行して工具引抜位置を囲むように工具1を工具引抜位置の周りに連続して1周させる等(例えば、円弧弧状に移動、工具進行方向と反対方向へ並行移動など)してから工具1を引き抜くようにして、工具引抜位置のピン穴h周りを補う形で最終接合部eを形成するようにしてもよい。さらに、このようなピン穴h周りを補強する、しないのいずれの方法においても、最終接合部のピン穴h周りに形成される摩擦攪拌影響部に対して、下側板材となるディスク側部材を含んで貫通させるか、非貫通とするかは問わず切除することで工具引抜位置に発生しやすい摩擦攪拌欠陥部の除去を行うことも有効である。
なお、前記ピン穴hには耐圧性シリコン樹脂等の封止材を充填するのが好ましく、その場合、封止材によって当該ピン穴h部分からのタイヤの空気漏れを確実に防止することができる。また、貫通穴を設けた場合、該貫通穴をエアバルブ穴として用いることも可能である。
以上の摩擦攪拌接合によれば、リム8とディスク9の接合部の接合強度を高くすることができ、しかも溶接の場合と異なり高温の熱影響による劣化を回避することができる。従って、リム8とディスク9の接合強度が高く、品質の優れた車両用ホイールが得られる。
なお、前記摩擦攪拌接合操作に際して、リム8の外周面側又は内周面側から接合部(J1)(J2)に向けて水などの冷媒、あるいは冷却空気などを噴き付けて冷却しながら接合操作を行うようにしてもよい。この場合、ディスク9への熱影響を確実に阻止することができるので、ディスク9の塗膜やディスク面の焼けや変色を防止して、高品質の車両用ホイールを得ることができる。
また、前記車両用ホイールを含む円筒形状物に対して工具1を周方向に連続して1周させて円筒接合を行う場合、工具1の移動の始点と終点とを同じ位置とするか、終点を始点より少しオーバーラップ(図10(a)参照。)させるようにしてもよい。この場合、最終接合部で接合面積を広く確保でき、接合強度を高く確保することができる。なお、工具1の移動始点付近に工具移動の終点を設け、始点と終点とをオーバーラップさせないようにしてもよい(図10(b)参照)。
さらに、車両用ホイールにおいて、工具1をリム8の周方向に連続して1周させてリム8とディスク9との重ね合わせ部を接合する場合、最終接合部eの工具引抜位置のピン穴hに対して、ピン穴hより大きい貫通穴を設け、この貫通穴をリム8に装着するタイヤのエアバルブ穴として使用するようにしてもよい。これにより、最終接合部eのピン穴hを無くしてピン穴hを起点とした接合部Jの疲労破壊を防止することができ、また、ピン穴hをエアバルブ穴として有効に活用して車両用ホイールを効率的に製造することができる。
なお、本発明は、前記実施形態にのみ限定されず、本発明の要旨の範囲内で適宜に変更することができる。
本発明は、表側の被加工材61として2枚の板材を左右に配置して突合せ、この突合せ部に沿って裏側の被加工材62と重ね合わせ接合するようにしてもよい。すなわち、裏側の被加工材62上に、表側の被加工材61として2枚の板材を突合せて配置し、この2枚の板材を突合せた突合せ部に沿って工具1を相対移動させることで、表側の2枚の板材の被加工材61を突合せ接合するとともに、裏側の被加工材62との重ね合わせ接合を同時に行う。
図11に示すように、摩擦攪拌接合工具1Aの肩部21は、スリット24等の凹部を形成することなく平面23のみとしてもよい。
また、図12に示すように、摩擦攪拌接合工具1Bのピン3は、工具回転軸線に対して所定の傾斜角Cで傾けて肩部21に突設させてもよい。これにより、塑性流動域7の材料の攪拌を一層高め、接合強度をさらに高めることができる。すなわち、摩擦攪拌接合時に工具に前進角を持たせると工具進行方向後側等が浮いて被加工材表面の押し付けが不十分となり、材料の対流による塑性流動(第1塑性流動域71)が抑制され得る。これに対して、ピン3のみを肩部21に対して傾けて設けることで、肩部21を被加工材表面に対して平行にして工具1を前進させることができるから、肩部21全面で被加工材表面を押し付けて材料の対流による塑性流動(第1塑性流動域71)を活発に行わせて摩擦攪拌を高めることができる。なお、この場合、ピン3の傾斜角Cは、例えば、工具回転軸線に対して0度より大きく10度以下に設定するのが好ましいが、これに限定されず10度よりも大きく傾けることも可能である。これにより、被加工材へのピン挿入を支障なく行え、且つ工具前進時のピン3への負荷増大を抑えてピン3の折損を防ぐことができる。なお、前進角を持たせる場合と同様、ピン傾斜角Cをより大きくすることで材料の攪拌増大効果を確実に得ることができる。
また、前記実施形態の摩擦攪拌接合工具1は、回転駆動装置によって時計方向に回転(回転方向S1)されるものとして説明したが、反時計方向に回転(回転方向S2)される場合は、図13、図14に示すように、摩擦攪拌接合工具1Cとして、ピン3のピン基端部3aのネジ部4の螺旋の巻き方向は、工具1Cの上から見て時計方向(右ネジ)に形成され、ピン3のテーパー部31から平面部32にわたる渦状溝5の巻き方向は、反時計方向に形成されるものとする。
1 摩擦攪拌接合工具
2 工具本体
3 ピン
3a ピン基端部
3b ピン先端部
4 ネジ部
5 渦状溝
7 塑性流動域
8 リム
9 ディスク
21 肩部
22 肩部21の外周部
23 肩部21の平面
24 スリット(凹部)
30 軸部
31 テーパー部
32 平面部
60 重ね合わせ界面
60a 酸化層
60b 塑性流動域外周部の重ね合わせ界面
61 上側の被加工材(表側)
62 下側の被加工材(裏側)
71 第1塑性流動域
72 第2塑性流動域
α テーパー角
C ピン傾斜角

Claims (15)

  1. 2つの被加工材を重ね合わせた重ね合わせ部に対して表側の被加工材表面から工具本体の肩部にピンを設けた摩擦攪拌接合工具を回転しつつ押し当てて前記2つの被加工材中に塑性流動域を生成し、この摩擦攪拌接合工具を前記重ね合わせ部に沿って相対移動させることにより前記2つの被加工材を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合方法において、
    前記塑性流動域として、2つの被加工材の重ね合わせ界面を含まない表側の被加工材に対して板厚方向に対流して塑性流動させる第1塑性流動域を生成するとともに、前記重ね合わせ界面及び裏側の被加工材に対して板厚方向から傾いた斜め方向に前記第1塑性流動域とは逆方向に対流して塑性流動させる第2塑性流動域を生成することにより、前記塑性流動域外周部での重ね合わせ界面の板厚方向への移動を抑制して前記2つの被加工材を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合方法。
  2. 請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法において、
    前記摩擦攪拌接合工具は、回転される工具本体の端面に設けられた径大の肩部と、前記肩部の工具回転軸線上に突設された径小のピンとを有し、
    前記ピンは、ネジ部が形成された円柱状のピン基端部と、前記ピン基端部からピン先端に向かって先細状に形成されたテーパー部を有し且つ前記ネジ部と逆方向の巻き方向となった渦状溝が全域に形成されたピン先端部とを備え、
    前記摩擦攪拌接合時に、前記摩擦攪拌接合工具をピンのネジ部の巻き方向と逆方向に回転しつつ、表側の被加工材表面に肩部を平行に押し付けてピンを2つの被加工材中に挿入し、この際、ピン先端部のテーパー部を2つの被加工材の重ね合わせ界面に配置させ、
    前記ネジ部を形成した円柱状のピン基端部の全部を表側の被加工材中に配置して前記ネジ部により前記重ね合わせ界面を含まない表側の被加工材に対して板厚方向に対流して塑性流動させる第1塑性流動域を生成するとともに、前記渦状溝を形成したピン先端部のテーパー部の一部を裏側の被加工材中に挿入して前記渦状溝により前記重ね合わせ界面及び裏側の被加工材に対して板厚方向から傾いた斜め方向に前記第1塑性流動域とは逆方向に対流して塑性流動させる第2塑性流動域を生成することにより、前記塑性流動域外周部での重ね合わせ界面の板厚方向への移動を抑制して前記2つの被加工材を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合方法。
  3. 請求項1又は2に記載の摩擦攪拌接合方法において、
    前記肩部は、工具本体の径方向に平行な平面を有し、且つピンの突設部分から肩部の外径付近まで延びて工具本体の側面に開放しない凹部が形成され、
    前記肩部を押し当てている表側の被加工材表面の材料を工具回転に伴って前記凹部により中心部側へ誘導させる摩擦攪拌接合方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合方法において、
    前記ピン先端部は、先端部分がピン径方向と平行な平面部で構成され、前記渦状溝が前記テーパー部から前記平面部の全域にわたって連続して形成され、
    前記テーパー部及び前記平面部に沿って前記第2塑性流動域を生成する摩擦攪拌接合方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合方法において、
    前記ネジ部を形成した円柱状のピン基端部の全部を表側の被加工材中にその板厚の70%〜95%の範囲で挿入するとともに、前記渦状溝を形成したテーパー部を有するピン先端部の一部を裏側の被加工材中に表側の被加工材板厚の20%〜70%の深さで挿入する摩擦攪拌接合方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合方法において、
    摩擦攪拌接合工具を重ね合わせ部に沿って相対移動させた接合線終端の最終接合部では、工具引抜位置を囲むように摩擦攪拌接合工具を移動させて、工具引抜位置のピン穴周りを補う形で接合部を形成する摩擦攪拌接合方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合方法において、
    前記ピンを工具回転軸線に対して傾けて肩部に突設した摩擦攪拌接合工具により摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合方法において、
    工具引抜位置のピン穴周りに生じる攪拌部位を切除する形で裏側の被加工材を含めて貫通又は非貫通する加工を行い、最終接合部における工具引抜位置のピン穴周辺に発生しやすい接合欠陥を除去する摩擦攪拌接合方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合方法において、
    表側の被加工材として2枚の板材を左右に配置して突合せ、この突合せ部に沿って裏側の被加工材と重ね合わせ接合する摩擦攪拌接合方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合方法によって2つの被加工材を重ね合わせた重ね合わせ部を摩擦攪拌接合した接合部を備えた摩擦攪拌接合物であって、
    前記接合部外周部での前記2つの被加工材の重ね合わせ界面の板厚方向への変動が抑制された断面形状を有する摩擦攪拌接合物。
  11. 請求項10に記載の摩擦攪拌接合物であって、
    リム部とディスク部とを重ね合わせた重ね合わせ部を摩擦攪拌接合した接合部を備えた車両用ホイール。
  12. 請求項8を引用する請求項10を引用する請求項11に記載の車両用ホイールであって、
    工具引抜位置に形成された非貫通穴には耐圧性シリコン樹脂等の封止材を充填してエア漏れを防止する構成とする一方、貫通穴の場合には該貫通穴をバルブ穴とする構成の車両用ホイール。
  13. 2つの被加工材を重ね合わせた重ね合わせ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合工具において、
    回転される工具本体の端面に設けられて表側の被加工材表面を押さえる径大の肩部と、
    前記肩部の工具回転軸線上に突設されて2つの被加工材中に挿入される径小のピンとを有し、
    前記ピンは、
    表側の被加工材板厚の70%〜95%の長さに設定された円柱状のピン基端部と、
    前記ピン基端部からピン先端に向かって先細状に形成されたテーパー部を有し、先端部分をピン径方向と平行な面で形成された平面部とするピン先端部とで構成され、且つ
    前記ピン基端部には全長にわたって摩擦攪拌接合時の工具回転方向に対して巻き方向が逆方向となるネジ部が形成されるとともに、
    前記ピン先端部にはテーパー部から平面部の全域にわたって前記ネジ部と逆方向の巻き方向となった渦状溝が連続して形成されている摩擦攪拌接合工具。
  14. 請求項13に記載の摩擦攪拌接合工具において、
    前記テーパー部のテーパー角は、60度以上120度以内に設定される摩擦攪拌接合工具。
  15. 請求項13又は14に記載の摩擦攪拌接合工具において、
    前記ピンは、工具回転軸線に対して傾けて肩部に突設されている摩擦攪拌接合工具。
JP2011237434A 2011-10-28 2011-10-28 摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合物、及び摩擦攪拌接合工具 Active JP5490076B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011237434A JP5490076B2 (ja) 2011-10-28 2011-10-28 摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合物、及び摩擦攪拌接合工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011237434A JP5490076B2 (ja) 2011-10-28 2011-10-28 摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合物、及び摩擦攪拌接合工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013094790A true JP2013094790A (ja) 2013-05-20
JP5490076B2 JP5490076B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=48617319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011237434A Active JP5490076B2 (ja) 2011-10-28 2011-10-28 摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合物、及び摩擦攪拌接合工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5490076B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015066574A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 三菱重工業株式会社 摩擦撹拌工具、摩擦撹拌接合装置、摩擦撹拌接合方法及び接合材
WO2015053258A1 (ja) * 2013-10-07 2015-04-16 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 摩擦撹拌接合工具、及び積層材の接合方法
JP2018020591A (ja) * 2016-08-01 2018-02-08 株式会社レイズエンジニアリング 車両用ホイール及び車両用ホイールの製造方法
CN109434273A (zh) * 2018-12-24 2019-03-08 广东省焊接技术研究所(广东省中乌研究院) 一种制造微细通道的工具及方法
WO2022049113A1 (en) * 2020-09-01 2022-03-10 Element Six (Uk) Limited Friction stir welding tool insert
CN114555274A (zh) * 2019-10-08 2022-05-27 山崎马扎克公司 搅拌销、摩擦搅拌接合用工具以及机床

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1133750A (ja) * 1997-07-22 1999-02-09 Showa Alum Corp 摩擦撹拌接合用ツール及び同ツールを用いた継手の形成方法
JP2003048083A (ja) * 2001-08-01 2003-02-18 Mazda Motor Corp 回転工具、当該回転工具を用いた部材の処理方法及び表面処理方法
JP2004066325A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 2ピースホイールの製造方法
JP2004202536A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ボビンツールを用いた摩擦攪拌接合装置とその接合方法
JP2005205423A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Honda Motor Co Ltd 摩擦撹拌接合用工具
JP2007245175A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd 摩擦攪拌接合用工具
JP2007301579A (ja) * 2006-05-09 2007-11-22 Osaka Industrial Promotion Organization 摩擦攪拌加工用ツールおよびこれを用いる摩擦攪拌加工品の製造方法
JP2009297755A (ja) * 2008-06-16 2009-12-24 Nippon Light Metal Co Ltd 枠構造体の製造方法および枠構造体

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1133750A (ja) * 1997-07-22 1999-02-09 Showa Alum Corp 摩擦撹拌接合用ツール及び同ツールを用いた継手の形成方法
JP2003048083A (ja) * 2001-08-01 2003-02-18 Mazda Motor Corp 回転工具、当該回転工具を用いた部材の処理方法及び表面処理方法
JP2004066325A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 2ピースホイールの製造方法
JP2004202536A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ボビンツールを用いた摩擦攪拌接合装置とその接合方法
JP2005205423A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Honda Motor Co Ltd 摩擦撹拌接合用工具
JP2007245175A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd 摩擦攪拌接合用工具
JP2007301579A (ja) * 2006-05-09 2007-11-22 Osaka Industrial Promotion Organization 摩擦攪拌加工用ツールおよびこれを用いる摩擦攪拌加工品の製造方法
JP2009297755A (ja) * 2008-06-16 2009-12-24 Nippon Light Metal Co Ltd 枠構造体の製造方法および枠構造体

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015066574A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 三菱重工業株式会社 摩擦撹拌工具、摩擦撹拌接合装置、摩擦撹拌接合方法及び接合材
WO2015053258A1 (ja) * 2013-10-07 2015-04-16 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 摩擦撹拌接合工具、及び積層材の接合方法
JP5879460B2 (ja) * 2013-10-07 2016-03-08 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 積層材の接合方法
JP2018020591A (ja) * 2016-08-01 2018-02-08 株式会社レイズエンジニアリング 車両用ホイール及び車両用ホイールの製造方法
CN109434273A (zh) * 2018-12-24 2019-03-08 广东省焊接技术研究所(广东省中乌研究院) 一种制造微细通道的工具及方法
CN114555274A (zh) * 2019-10-08 2022-05-27 山崎马扎克公司 搅拌销、摩擦搅拌接合用工具以及机床
US11938559B2 (en) 2019-10-08 2024-03-26 Yamazaki Mazak Corporation Stir pin, friction stir welding tool, and machine tool
WO2022049113A1 (en) * 2020-09-01 2022-03-10 Element Six (Uk) Limited Friction stir welding tool insert

Also Published As

Publication number Publication date
JP5490076B2 (ja) 2014-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5490076B2 (ja) 摩擦攪拌接合方法、摩擦攪拌接合物、及び摩擦攪拌接合工具
JP6338770B2 (ja) 摩擦攪拌接合方法
US8579180B2 (en) Mandrel tool probe for friction stir welding having physically-separate spiraled surfaces
US20090140027A1 (en) Friction stir spot welding tool and method
JP2016150380A (ja) 接合方法及び複合圧延材の製造方法
JP5614054B2 (ja) ビーム溶接部材およびこれを備えた差動装置
US20070241163A1 (en) Apparatus And Method For Friction Stir Spot Welding
EP3711892B1 (en) Joining method
JP2017113792A (ja) 異種金属接合方法及び異種金属接合部材
WO2020095483A1 (ja) 液冷ジャケットの製造方法及び摩擦攪拌接合方法
TWI538758B (zh) 攪拌摩擦補焊工藝及採用該補焊工藝之攪拌摩擦焊接方法
US11590605B2 (en) Joining method
JP2007209986A (ja) 摩擦攪拌接合方法
WO2019239623A1 (ja) 接合方法及び複合圧延材の製造方法
EP2508292A1 (en) Friction stir welding process for large structures
JP2010253534A (ja) 冷却路内蔵部材および冷却路内蔵部材の製造方法
KR20140087406A (ko) 마찰교반용접용 툴
CN103801817A (zh) 一种厚板焊接用双速旋转搅拌工具
JP6964840B2 (ja) 摩擦攪拌接合用回転工具及び摩擦攪拌接合方法
JP2006205190A (ja) 異種金属材料の接合方法
JP2004209499A (ja) ガスボンベ用ライナおよびその製造方法
JP6740960B2 (ja) 接合方法
JP2006239778A (ja) 接合方法および接合ツール
WO2017104155A1 (ja) 接合方法
KR20130068260A (ko) 마찰교반접합에 의한 모터케이스의 용접 방법 및 그에 의해 형성된 모터케이스

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5490076

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250