JP2015066574A - 摩擦撹拌工具、摩擦撹拌接合装置、摩擦撹拌接合方法及び接合材 - Google Patents

摩擦撹拌工具、摩擦撹拌接合装置、摩擦撹拌接合方法及び接合材 Download PDF

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Abstract

【課題】積層した一対の金属材の界面における接合を強固なものとすることができる摩擦撹拌工具等を提供する。
【解決手段】界面6が形成される一対の金属板5の一方側に配置される第1回転ツール21と、他方側に配置される第2回転ツール22とを備え、第1回転ツール21は、一対の金属板5の表面と接する第1ショルダ部35を有する第1ツール本体31を有し、第2回転ツール22は、一対の金属板5の裏面と接する第2ショルダ部45を有する第2ツール本体41と、第2ツール本体41から第1回転ツール21に向かって突出し、第1ショルダ部35と第2ショルダ部45との間に挟まれた一対の金属板5を撹拌するプローブ42とを有し、プローブ42は、外周面の一方側に形成される第1ねじ溝51と、外周面の他方側に形成される第2ねじ溝52と、を含み、プローブ42は、第1ねじ溝51と第2ねじ溝52との境界53が、界面6に位置するように形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦撹拌接合に用いられる摩擦撹拌工具、摩擦撹拌接合装置、摩擦撹拌接合方法及び接合材に関するものである。
従来、ボビンツール式の摩擦撹拌接合用工具が知られている(例えば、特許文献1参照)。この摩擦撹拌接合用工具は、上部回転体と、下部回転体と、上部回転体と下部回転体との間で回転する撹拌軸とを有しており、撹拌軸の外周面には、撹拌溝が形成されている。摩擦撹拌接合用工具は、重ね合わせた一対のプレートを上部回転体と下部回転体とで挟み込み、上部回転体、下部回転体及び撹拌軸を回転させることで、撹拌溝により軸方向にプレートの材料を流動させ、一対のプレートを接合する。
また、ボビンツール式の摩擦撹拌接合用工具ではないが、表側のワークに接する円筒体と、表側のワーク及び裏側のワークに挿入されるプローブとを有する摩擦撹拌接合用工具が知られている(例えば、特許文献2参照)。この摩擦撹拌接合用工具において、プローブには、先端部の右ねじである第1ねじ部と、後端部の左ねじである第2ねじ部とが設けられている。第1ねじ部は、裏側のワークに配置され、第2ねじ部は、表側のワークに配置される。摩擦撹拌接合用工具は、プローブを回転させることで、第1ねじ部により裏側のワークを表側に巻き上げ、第2ねじ部により表側のワークを裏側へ押し下げる。
特開2007−307579号公報 特開2005−205423号公報
特許文献1に記載の摩擦撹拌接合用工具では、摩擦撹拌時において、撹拌溝により軸方向にプレートの材料を流動させることができる。しかしながら、重ね合わせた一対のプレートの界面における撹拌が考慮されていないことから、界面における撹拌を好適に行うことができず、界面における接合の強度が低下する可能性がある。
また、特許文献2に記載の摩擦撹拌接合用工具では、円筒体が回転することにより表側のワークに入熱が行われるが、裏側のワークに入熱が行われず、入熱が不均一となる。その結果として、表側の温度が高く、裏側の温度が低くなる。このため、第1ねじ部により裏側のワークを表側に巻き上げ、第2ねじ部により表側のワークを裏側へ押し下げるものの、温度分布が不均一であることから、ワークの流動が均一とならず、つまり、温度の低い先端側(裏側)のワークよりも、温度の高い後端側(表側)のワークが流動し易いため、界面における撹拌を好適に行うことができず、界面の巻き上がり等が発生することもあり、界面における接合の強度が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、積層した一対の金属材の界面における接合を強固なものとすることができる摩擦撹拌工具、摩擦撹拌接合装置、摩擦撹拌接合方法及び接合材を提供することを課題とする。
本発明の摩擦撹拌工具は、一方の金属材と他方の金属材とを積層することで界面が形成される一対の金属材に対し、積層方向の一方側に配置される第1回転ツールと、一対の前記金属材を挟んで前記第1回転ツールの反対側となる他方側に配置され、前記第1回転ツールに対向して設けられる第2回転ツールと、を備え、前記第1回転ツールは、一対の前記金属材の一方側の面と接する第1ショルダ部を有する第1ツール本体を、有し、前記第2回転ツールは、一対の前記金属材の他方側の面と接する第2ショルダ部を有する第2ツール本体と、前記第2ツール本体から前記第1回転ツールに向かって突出し、前記第2ツール本体と前記第1ツール本体との間に設けられ、前記第1ショルダ部と前記第2ショルダ部との間に挟まれた一対の前記金属材を撹拌するプローブとを有し、前記プローブは、前記積層方向の一方側の前記金属材と接する接触面に形成され、撹拌した前記金属材を前記界面に向かって流動させる第1撹拌溝と、前記積層方向の他方側の前記接触面に形成され、撹拌した前記金属材を前記界面に向かって流動させる第2撹拌溝と、を含み、前記プローブは、前記第1撹拌溝と前記第2撹拌溝との境界が、前記界面に位置するように形成されることを特徴とする。
この構成によれば、第1回転ツール及び第2回転ツールを回転させることで、第1ショルダ部及び第2ショルダ部によって一対の金属材の両側に入熱を行いながら、入熱(摩擦熱)により軟化した金属材をプローブにより撹拌することができる。このため、一対の金属材の両側から入熱を加えることで、第1回転ツール側の金属材と第2回転ツール側の金属材との温度をほぼ同じにすることができる。このとき、回転するプローブの第1撹拌溝により撹拌した金属材を、第1ショルダ部側から界面に向かって流動させることができ、また、回転するプローブの第2撹拌溝により撹拌した金属材を、第2ショルダ部側から界面に向かって流動させることができる。これにより、第1撹拌溝及び第2撹拌溝によって流動する金属材は、ほぼ同じような流動性を有し、界面を跨いでバランスよく流動するため、界面における巻き上げを防止しつつ、接合強度を強固にすることができ、界面破断等の接合不良を抑制することができる。
また、前記第1撹拌溝は、1本以上の第1ねじ溝で構成され、前記第2撹拌溝は、前記第1ねじ溝の回転方向と逆方向となる1本以上の第2ねじ溝で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、プローブに第1ねじ溝を形成することで、簡易に第1撹拌溝を構成することができ、また、プローブに第2ねじ溝を形成することで、簡易に第2撹拌溝を構成することができる。このとき、第1ねじ溝及び第2ねじ溝を、複数本とすることで、撹拌による金属材の流動を促進することができる。
また、前記第1ねじ溝によって形成される第1ねじ山の高さは、前記第1ショルダ部から前記境界に向かうにつれて高くなり、前記第2ねじ溝によって形成される第2ねじ山の高さは、前記第2ショルダ部から前記境界に向かうにつれて高くなることが好ましい。
この構成によれば、第1ショルダ部側から界面へ向かう金属材の流動量を減少させることができ、また、第2ショルダ部側から界面へ向かう金属材の流動量を減少させることができる。ここで、撹拌域中央部(界面付近)での金属材の流動量が多すぎると、撹拌域がその部分で幅方向に過度に広がってしまう。この場合、撹拌域が広がった部分には、第1及び第2ショルダ部からの圧力が充分に付与されず、接合不良部が形成されることがある。このため、金属材の流動量を減少させることにより、界面への金属材の過剰な流動によって発生する撹拌域の幅方向の過度な広がりを抑制することができることから、撹拌域の中央部に接合不良部を形成することなく、界面において金属材を好適に撹拌することができる。
また、前記第1ねじ溝は、前記第1ショルダ部と前記境界との間の所定の部位から、前記境界まで設けられ、前記第2ねじ溝は、前記第2ショルダ部と前記境界との間の所定の部位から、前記境界まで設けられていることが好ましい。
この構成によれば、第1ショルダ部から第1ショルダ部と境界との間の所定の部位までの間に、第1ねじ溝が形成されないため、第1ショルダ部側から界面へ向かう金属材の流動量を減少させることができる。また、第2ショルダ部から第2ショルダ部と境界との間の所定の部位までの間に、第2ねじ溝が形成されないため、第2ショルダ部側から界面へ向かう金属材の流動量を減少させることができる。このため、界面への金属材の過剰な流動によって発生する撹拌域の幅方向の過度な広がりを抑制することができることから、撹拌域の中央部に接合不良部を形成することなく、界面において金属材を好適に撹拌することができる。
また、前記第1ねじ溝及び前記第2ねじ溝には、平坦面が形成されていることが好ましい。より好ましくは、複数の平坦面が形成されていることが好ましい。複数の平坦面はプローブの回転軸に対し対称性を有するように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、第1ねじ溝及び第2ねじ溝に平坦面を形成することで、第1及び第2ショルダ部側から界面へ向かう金属材の流動量を減少させることができる。このため、界面への金属材の過剰な流動によって発生する撹拌域の幅方向の過度な広がりを抑制することができることから、撹拌域の中央部に接合不良部を形成することなく、界面において金属材を好適に撹拌することができる。
また、前記第1ねじ溝と前記第2ねじ溝とは、前記第2回転ツールの回転軸の周方向において、異なる位相となるように形成されることが好ましい。より好ましくは、前記第1ねじ溝と前記第2ねじ溝とは、二つのねじ溝の対称性を維持した状態で異なる位相となるように形成されることが好ましい。
この構成によれば、例えば、第1ねじ溝と第2ねじ溝とが1本のねじ溝で構成される場合、180°位相を異ならせることで、180°位相が異なる位置において、金属材の流動を発生させることができ、界面における金属材の撹拌性を向上させることができる。なお、第1ねじ溝と第2ねじ溝とが2本のねじ溝で構成される場合、90°位相を異ならせればよい。なお、第1ねじ溝と第2ねじ溝とを、プローブの回転軸に対し対称性を維持した状態で異なる位相となるように形成することで、プローブの回転バランスをとることができる。
また、前記第1ねじ溝の一部は、前記境界を超えて前記第2ねじ溝側に形成され、前記第2ねじ溝の一部は、前記境界を超えて前記第1ねじ溝側に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、界面を跨いで金属材を流動させやすくすることができるため、界面における金属材の撹拌性を向上させることができる。
また、前記第1回転ツールの回転方向は、前記第2回転ツールの回転方向と逆方向となっていることが好ましい。
この構成によれば、第1ショルダ部の回転によって形成される金属材の流動と、第2ショルダ部の回転によって形成される金属材の流動とによって、界面において流動する金属材に対しせん断力を発生させることができる。このため、界面における金属材の撹拌性を向上させることができる。さらには、接合を阻害する酸化被膜等の界面の被膜を破壊することができる。
また、一対の前記金属材のうち、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、前記第2回転ツールの回転軸に直交する前記第2ショルダ部の直径は、前記第1回転ツールの回転軸に直交する前記第1ショルダ部の直径に比して大径となり、一対の前記金属材のうち、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、前記第1回転ツールの回転軸に直交する前記第1ショルダ部の直径は、前記第2回転ツールの回転軸に直交する前記第2ショルダ部の直径に比して大径となることが好ましい。
この構成によれば、厚さが厚い金属材に接するショルダ部の直径を大きくすることができるため、厚さが厚い金属材に対する入熱量を多くすることができ、二つの金属材の界面付近の温度分布をそろえることができる。このため、界面近傍における二つのショルダ部から中央に集まる金属材の流動性を同じ状態にすることが可能であり、界面を跨いで金属材を、バランスを取りながら流動させることができる。
本発明の摩擦撹拌接合装置は、上記の摩擦撹拌工具と、前記摩擦撹拌工具の前記第1回転ツールの前記第1ショルダ部を一方の前記金属材の一方側の面に押し当てた状態で、前記第1回転ツールを回転させる第1押圧回転機構と、前記摩擦撹拌工具の前記第2回転ツールの前記第2ショルダ部を他方の前記金属材の他方側の面に押し当てた状態で、前記第2回転ツールを回転させる第2押圧回転機構と、前記第1押圧回転機構及び前記第2押圧回転機構を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、上記の摩擦撹拌工具を用いることで、積層した一対の金属材の界面における接合を強固なものとすることができる。
また、前記制御部は、一対の前記金属材のうち、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、前記第2回転ツールの回転速度が、前記第1回転ツールの回転速度に比して速くなるように制御し、一対の前記金属材のうち、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、前記第1回転ツールの回転速度が、前記第2回転ツールの回転速度に比して速くなるように制御することが好ましい。
この構成によれば、制御部は、厚さが厚い金属材に接するショルダ部の回転速度を速くすることができるため、厚さが厚い金属材に対する入熱量を多くすることができ、二つの金属材の界面付近の温度分布をそろえることができる。このため、界面近傍における二つのショルダ部から中央に集まる金属材の流動性を同じ状態にすることが可能であり、界面を跨いで金属材を、バランスを取りながら流動させることができる。
本発明の他の摩擦撹拌接合装置は、一方の金属材と他方の金属材とを積層することで界面が形成される一対の金属材に対し、積層方向の一方側に配置される第1回転ツールと、一対の前記金属材を挟んで前記第1回転ツールの反対側となる他方側に配置され、前記第1回転ツールに対向して設けられる第2回転ツールと、を有する摩擦撹拌工具と、前記第1回転ツールを一方の前記金属材の一方側の面に押し当てた状態で、前記第1回転ツールを回転させる第1押圧回転機構と、前記第2回転ツールを他方の前記金属材の他方側の面に押し当てた状態で、前記第2回転ツールを回転させる第2押圧回転機構と、前記第1押圧回転機構及び前記第2押圧回転機構を制御する制御部と、を備え、前記第1回転ツールは、一方の前記金属材の一方側の面と接する第1ショルダ部を有する第1ツール本体を、有し、前記第2回転ツールは、他方の前記金属材の他方側の面と接する第2ショルダ部を有する第2ツール本体と、前記第2ツール本体から前記第1回転ツールに向かって突出し、前記第2ツール本体と前記第1ツール本体との間に設けられ、前記第1ショルダ部と前記第2ショルダ部との間に挟まれた一対の前記金属材を撹拌するプローブとを有し、前記プローブは、前記金属材と接する接触面に形成され、撹拌した前記金属材を前記界面を跨いで流動させる撹拌溝を含み、前記制御部は、一対の前記金属材のうち、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、前記第2回転ツールの回転速度が、前記第1回転ツールの回転速度に比して速くなるように制御し、一対の前記金属材のうち、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、前記第1回転ツールの回転速度が、前記第2回転ツールの回転速度に比して速くなるように制御することを特徴とする。
この構成によれば、制御部は、厚さが厚い金属材に接するショルダ部の回転速度を速くすることができるため、厚さが厚い金属材に対する入熱量を多くすることができ、二つの金属材の界面付近の温度分布をそろえることができる。このため、界面近傍における二つのショルダ部から中央に集まる金属材の流動性を同じ状態にすることが可能であり、界面を跨いで金属材を、バランスを取りながら流動させることができる。
本発明の摩擦撹拌接合方法は、上記の摩擦撹拌工具を用いて、一対の前記金属材を摩擦撹拌接合する摩擦撹拌接合方法であって、積層された一対の前記金属材に対し、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールを回転させることで、回転する前記第1ショルダ部により一方の前記金属材の一方側の面から摩擦による入熱を行うと共に、回転する前記第2ショルダ部により他方の前記金属材の他方側の面から摩擦による入熱を行い、回転する前記プローブの前記第1撹拌溝により撹拌した前記金属材を、前記第1ショルダ部側から前記界面に向かって流動させ、回転する前記プローブの前記第2撹拌溝により撹拌した前記金属材を、前記第2ショルダ部側から前記界面に向かって流動させることを特徴とする。
この構成によれば、第1回転ツール及び第2回転ツールを回転させることで、第1ショルダ部及び第2ショルダ部によって一対の金属材の両側に入熱を行いながら、入熱により軟化した金属材をプローブにより撹拌することができる。このとき、回転するプローブの第1撹拌溝により撹拌した金属材を、第1ショルダ部側から界面に向かって流動させることができ、また、回転するプローブの第2撹拌溝により撹拌した金属材を、第2ショルダ部側から界面に向かって流動させることができる。これにより、第1撹拌溝及び第2撹拌溝によって流動する金属材は、界面を跨いで流動するため、界面における接合強度を強固にすることができ、界面破断等の接合不良を抑制することができる。
本発明の接合材は、上記の摩擦撹拌接合方法によって、一対の前記金属材が摩擦撹拌接合されることで形成されることを特徴とする。
この構成によれば、一対の金属材の界面において強固に接合された接合材を提供することができる。
図1は、実施例1に係る摩擦撹拌接合装置を模式的に表した概略構成図である。 図2は、第1ショルダ部の形状の一例を示す平面図である。 図3は、第1ショルダ部の形状の一例を示す平面図である。 図4は、第1ショルダ部の形状の一例を示す平面図である。 図5Aは、実施例2に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。 図5Bは、実施例2の変形例1に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。 図5Cは、実施例2の変形例2に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。 図6Aは、実施例3に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。 図6Bは、摩擦撹拌工具のプローブを軸方向に直交する面で切った一例の断面図である。 図6Cは、摩擦撹拌工具のプローブを軸方向に直交する面で切った一例の断面図である。 図7は、実施例4に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。 図8は、実施例5に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。 図9は、比較例1に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。 図10は、比較例2に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。 図11は、接合材の界面における強度を比較した表である。 図12は、実施例6に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。 図13は、実施例7に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。 図14は、実施例8に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。 図15は、実施例9に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。
以下に、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、実施例1に係る摩擦撹拌接合装置を模式的に表した概略構成図である。図2から図4は、第1ショルダ部の形状の一例を示す平面図である。
実施例1の摩擦撹拌接合装置1は、重ね合わせた一対の金属板5の表裏に配置される一対の回転ツール21,22を用いて摩擦撹拌することにより、重ね合わせた一対の金属板5を接合する、いわゆる摩擦撹拌接合(FSW:Friction Stir Welding)を行う装置である。先ず、図1及び図4を参照し、接合対象となる一対の金属板5について説明する。
金属板5は、例えば、アルミニウム合金を用いて構成されている。図1に示すように、一対の金属板5は、積層方向に重ね合わせられることで、一対の金属板5の重ね合わせ面となる界面6が形成される。また、一対の金属板5は、一方の金属板5の厚さと、他方の金属板5の厚さとが略同じ厚さとなっている。なお、摩擦撹拌接合により接合された一対の金属板5は、接合材として取り扱われる。
次に、図1を参照して、摩擦撹拌接合装置1について説明する。図1に示す摩擦撹拌接合装置1は、一対の金属板5の積層方向の両側から摩擦撹拌接合を行っている。摩擦撹拌接合装置1は、摩擦撹拌工具10と、第1押圧回転機構11と、第2押圧回転機構12と、制御部20とを備えている。なお、摩擦撹拌接合装置1は、一対の金属板5の位置を固定した状態で、摩擦撹拌工具10を移動させながら、摩擦撹拌接合を行ってもよいし、摩擦撹拌工具10の位置を固定した状態で、一対の金属板5を移動させながら、摩擦撹拌接合を行ってもよい。
摩擦撹拌工具10は、いわゆるボビンツールと呼ばれる工具であり、第1回転ツール21と第2回転ツール22とを有している。第1回転ツール21は、一対の金属板5を挟んで、積層方向の一方側(表面側:図1の上側)に配置されている。第1回転ツール21は、第1回転軸I1を中心に回転すると共に、一方側の金属板5の表面に押圧される。第2回転ツール22は、一対の金属板5を挟んで、積層方向の他方側(裏面側:図1の下側)に配置されている。第2回転ツール22は、第2回転軸I2を中心に回転すると共に、他方側の金属板5の裏面に押圧される。そして、第1回転ツール21と第2回転ツール22とは、積層方向において対向するように配置され、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の回転方向は、相互に逆方向となっている。また、第1回転ツール21の第1回転軸I1と第2回転ツール22の第2回転軸I2とは、同軸となっている。このため、第1回転軸I1及び第2回転軸I2は、一方の金属板5の表面及び他方の金属板5の裏面に対して、それぞれ直交している。
なお、実施例1では、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の回転方向が、相互に逆方向となるようにしたが、この構成に限定されない。第1回転ツール21及び第2回転ツール22は、摩擦撹拌接合に適していれば、相互に同じ回転方向であってもよく、また、いずれの回転速度であってもよい。
第1回転ツール21は、第1ツール本体31を有している。第1ツール本体31は、一方の金属板5の表面に接触可能に設けられている。この第1ツール本体31は、第2回転ツール22の後述するシャフト43が挿通されるシャフト挿通穴33が形成されている。シャフト挿通穴33は、第1回転軸I1と同軸上に形成され、中空円柱状に形成されている。また、第1ツール本体31は、第2回転ツール22側となる先端側に、第1ショルダ部35が形成されている。第1ショルダ部35は、その先端側の面が、一方側の金属板5の表面と接する円環状の第1ショルダ面35aとなっている。第1回転ツール21は、第1ショルダ部35の第1ショルダ面35aを一方の金属板5の表面に接触させた状態で回転することで、一方の金属板5に対して摩擦による熱を与える。
ここで、第1ショルダ部35は、図2から図4に示す形状となっており、実施例1では、いずれの形状であってもよい。第1ショルダ部35は、第1ショルダ面35aから第1ツール本体31側に溝形状の凹部36が形成されている。この凹部36は、第1ショルダ部35と一方の金属板5とを擦ることで軟化した金属材が、第1ショルダ部35の中心側へ向かうような形状となっている。
具体的に、図2に示す凹部36は、1本で構成されており、1本の凹部36は、第1ショルダ面35aにおいて、外側から内側に向かう渦巻状(スクロール形状)に配置されている。図3に示す凹部36は、2本で構成されており、2本の凹部36は、第1ショルダ面35aにおいて、180°位相が異なる位置に設けられ、外側から内側に向かう渦巻状に配置されている。図4に示す凹部36は、複数本で構成されており、複数本の凹部36は、第1ショルダ面35aの周方向に所定の間隔を空けて設けられると共に、外側から内側に向かって直線状に配置されている。
再び、図1を参照し、第2回転ツール22は、第2ツール本体41と、プローブ42と、シャフト43と、を有している。第2ツール本体41は、他方の金属板5の裏面に接触可能に設けられている。第2ツール本体41は、第1回転ツール21側となる先端側に、第2ショルダ部45が形成されている。第2ショルダ部45は、第1ショルダ部35と同様に構成されており、その先端側の面が、他方側の金属板5の裏面と接する円環状の第2ショルダ面45aとなっている。第2回転ツール22は、第2ショルダ部45の第2ショルダ面45aを他方の金属板5の裏面に接触させた状態で回転することで、他方の金属板5に対して摩擦による熱を与える。
なお、第2ショルダ部45は、第1ショルダ部35と同様の凹部36が設けられており、凹部36については、第1ショルダ部35と同様であるため、説明を省略する。
このため、一対の金属板5は、第1ショルダ部35と第2ショルダ部45との間に挟み込まれ、この状態で、第1回転ツール21及び第2回転ツール22が回転することで、一対の金属板5の表裏両側から入熱が与えられる。
プローブ42は、第2ツール本体41の第2ショルダ面45aの中心から第1回転ツール21側に突出して設けられている。プローブ42は、第2回転軸I2と同軸上に設けられ、円柱状に形成されている。このプローブ42は、第1ツール本体31の第1ショルダ部35と第2ツール本体41の第2ショルダ部45との間に設けられることから、第1ショルダ部35と第2ショルダ部45との間に挟み込まれた一対の金属板5の内部に位置することとなる。このプローブ42は、第2ツール本体41と一体となって回転するように、第2ツール本体41に固定されている。また、プローブ42の外周面には、軟化した金属材を撹拌するための撹拌溝44が形成されている。
シャフト43は、プローブ42の第1ショルダ部35側から第1回転ツール21側に延びて設けられている。シャフト43は、第1回転ツール21のシャフト挿通穴33に挿通される。このシャフト43は、第2回転軸I2と同軸上に設けられ、円柱状に形成されている。
ここで、図1を参照して、プローブ42の外周面に形成される撹拌溝44について説明する。撹拌溝44は、積層方向の一方側(表側)に形成される第1ねじ溝51と、積層方向の他方側(裏側)に形成される第2ねじ溝52とを有している。
第1ねじ溝51は、撹拌した金属材を第1ショルダ部35側から界面6に向かって流動させる溝となっている。第1ねじ溝51は、一本のねじ溝で構成されていてもよいし、複数本のねじ溝で構成されていてもよい。第1ねじ溝51によって形成される第1ねじ山54は、その突出方向(径方向外側)の高さが、第2回転軸I2に沿って同じ高さとなっている。
第2ねじ溝52は、撹拌した金属材を第2ショルダ部45側から界面6に向かって流動させる溝となっており、第1ねじ溝51の回転方向と逆方向となっている。第2ねじ溝52は、第1ねじ溝51と同様に、一本のねじ溝で構成されていてもよいし、複数本のねじ溝で構成されていてもよい。第2ねじ溝52によって形成される第2ねじ山55は、その突出方向(径方向外側)の高さが、第2回転軸I2に沿って同じ高さとなっている。
ここで、第2回転軸I2の軸方向において、第1ねじ溝51と第2ねじ溝52との境界53は、一対の金属板5の界面6とほぼ同じ位置となるように、プローブ42が形成されている。このため、回転するプローブ42は、第1ねじ溝51により撹拌された金属材を、一方の金属板5側から界面6を跨いで他方の金属板5側に流動させる。また、回転するプローブ42は、第2ねじ溝52により撹拌された金属材を、他方の金属板5側から界面6を跨いで一方の金属板5側に流動させる。
また、第1ねじ溝51と第2ねじ溝52とは、第2回転ツール22の第2回転軸I2の周方向おいて、同じ位相となるように形成されている。なお、実施例1では、第1ねじ溝51と第2ねじ溝52とを、第2回転軸I2の周方向おいて同じ位相としたが、この構成に限定されない。例えば、第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52が1本のねじ溝で構成される場合には、180°位相が異なる位置に形成してもよい。また、例えば、第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52が2本のねじ溝で構成される場合には、90°位相が異なる位置に形成してもよい。このとき、第1ねじ溝51と第2ねじ溝52とは、二つのねじ溝の対称性を維持した状態で異なる位相となるように形成されることが好ましい。
次に、図1を参照して、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12について説明する。第1押圧回転機構11は、第1回転ツール21の第1ツール本体31に連結されており、制御部20によって制御されている。第1押圧回転機構11は、第1回転ツール21の第1ツール本体31を一方の金属板5へ向けて移動させると共に、第1回転ツール21を回転させる。このため、第1押圧回転機構11は、第1回転ツール21の第1ショルダ部35の第1ショルダ面35aを、一方の金属板5の表面に押し当てた状態で、第1回転ツール21を回転させる。
第2押圧回転機構12は、第2回転ツール22のシャフト43に連結されており、制御部20によって制御されている。第2押圧回転機構12は、第2回転ツール22の第2ツール本体41を他方の金属板5へ向けて移動させると共に、第2回転ツール22を回転させる。このため、第2押圧回転機構12は、第2回転ツール22の第2ショルダ部45の第2ショルダ面45aを、他方の金属板5の裏面に押し当てた状態で、第2回転ツール22を回転させる。
制御部20は、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12が接続され、これらをそれぞれ制御する。具体的に、制御部20は、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12を制御して、第1回転ツール21と第2回転ツール22との間に挟まれる一対の金属板5に対する荷重が所定の荷重となるように、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を一対の金属板5へ向けて移動させる。また、制御部20は、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12を制御して、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の回転方向が相互に逆方向となるように、また、所定の回転速度となるように、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を回転制御する。
次に、図1を参照して、上記の摩擦撹拌接合装置1を用いた摩擦撹拌接合方法について説明する。摩擦撹拌接合を行う場合、制御部20は、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12を制御して、一対の金属板5を、第1回転ツール21及び第2回転ツール22により挟み込み、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を回転させる。この後、制御部20は、第1回転ツール21及び第2回転ツール22から一対の金属板5に対して与えられる荷重が所定の荷重となるように、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12を制御する。そして、制御部20は、接合開始点から接合終了点まで、一対の金属材5または第1回転ツール21及び第2回転ツール22を移動させて、摩擦撹拌接合を行う。これにより、上記の摩擦撹拌接合装置1を用いて摩擦撹拌接合が行われた一対の金属材5は、界面6において接合された接合材とすることができる。
以上のように、実施例1の構成によれば、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を回転させることで、第1ショルダ部35及び第2ショルダ部45によって一対の金属板5の表裏両側に入熱を行いながら、入熱(摩擦熱)により軟化した金属材をプローブ42により撹拌することができる。このとき、回転するプローブ42の第1ねじ溝51により撹拌した金属材を、第1ショルダ部35側から界面6に向かって流動させることができ、また、回転するプローブ42の第2ねじ溝52により撹拌した金属材を、第2ショルダ部45側から界面6に向かって流動させることができる。これにより、第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52によって流動する金属材は、界面6を跨いで流動するため、界面6における接合強度を強固にすることができ、界面破断等の接合不良を抑制することができる。
また、実施例1の構成によれば、プローブ42の一方側に第1ねじ溝51を形成し、プローブ42の他方側に第2ねじ溝52を形成することで、簡易に撹拌溝44を構成することができる。なお、第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52を、複数本とすることで、撹拌による金属材の流動を促進することができる。
なお、上記したように、第1ねじ溝51と第2ねじ溝52とが1本のねじ溝で構成される場合、180°位相を異ならせることで、180°位相が異なる位置において、金属材の流動を発生させることができるため、界面6における金属材の撹拌性を向上させることができる。なお、第1ねじ溝51と第2ねじ溝52とが2本のねじ溝で構成される場合、90°位相を異ならせれば、上記と同様に、界面6における金属材の撹拌性を向上させることができる。このとき、第1ねじ溝51と第2ねじ溝52とを、プローブ42の第2回転軸I2に対し対称性を維持した状態で異なる位相となるように形成することで、プローブ42の回転バランスをとることができる。
また、実施例1の構成によれば、第1回転ツール21の回転方向を、第2回転ツール22の回転方向と逆方向にすることができる。このため、第1ショルダ部35の回転によって形成される金属材の流動と、第2ショルダ部45の回転によって形成される金属材の流動とによって、界面6において流動する金属材に対しせん断力を発生させることができる。このため、界面6における金属材の撹拌性を向上させることができる。さらには、接合を阻害する酸化被膜等の界面6の被膜を破壊することができる。
次に、図5Aを参照して、実施例2に係る摩擦撹拌接合装置100について説明する。図5Aは、実施例2に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例2では、重複した記載を避けるべく、実施例1と異なる部分について説明すると共に、実施例1と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例2に係る摩擦撹拌接合装置100は、摩擦撹拌工具10のプローブ42に形成される第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52の形状が、実施例1の形状と異なっている。以下、実施例2に係る摩擦撹拌接合装置100について説明する。
図5Aに示すように、実施例2に係る摩擦撹拌接合装置100において、摩擦撹拌工具10の第2回転ツール22のプローブ42は、第1ねじ溝51の第1ねじ山54及び第2ねじ溝52の第2ねじ山55が、境界53に向かって高くなっている。つまり、第1ねじ山54の突出方向(径方向の外側に突出する方向)における高さは、第2回転軸I2の軸方向に沿って、第1ショルダ部35から境界53に向かうにつれて高くなるテーパ形状となっている。また、第2ねじ山55の突出方向における高さは、第2ショルダ部45から境界53に向かうにつれて高くなるテーパ形状となっている。
具体的に、テーパ形状となる第1ねじ山54は、実施例1に示す形状、すなわち、第2回転軸I2の軸方向に沿って同じ高さとなる第1ねじ山54に対し、テーパ加工を行って第1ねじ山54の頂部を切り欠くことで、実施例2に示す形状とする。第2ねじ山55も、第1ねじ山54と同様に加工する。
以上のように、実施例2の構成によれば、第1ショルダ部35側の第1ねじ山54を低くし、境界53側の第1ねじ山54を高くすることができる。このため、回転するプローブ42に形成される第1ねじ溝51は、第1ショルダ部35側から界面6へ向かう金属材の流動量を減少させることができる。また、第2ショルダ部45側の第2ねじ山55を低くし、境界53側の第2ねじ山55を高くすることができる。このため、回転するプローブ42に形成される第2ねじ溝52は、第2ショルダ部45側から界面6へ向かう金属材の流動量を減少させることができる。このため、界面6への金属材の過剰な流動によって発生する撹拌域の幅方向の過度な広がりを抑制することができることから、金属材が接合不良部を形成することなく、界面6において金属材を好適に撹拌することができる。
なお、実施例2では、第2回転軸I2の軸方向に沿って同じ高さとなる第1ねじ山54に対し、第1ねじ山54の頂部を切り欠くテーパ加工を行うことで、テーパ形状となる第1ねじ山54を形成した。しかしながら、このテーパ加工に限定されず、第1ねじ山54及び第2ねじ山55は、第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52の加工時において、境界53に向かって第1ねじ山54及び第2ねじ山55が高くなるように形成してもよく、例えば、図5Bに示す変形例1、または図5Cに示す変形例2の構成としてもよい。変形例1では、第2回転ツール22の加工前のプローブ42の直径が、境界53に向かって大きくなるテーパ形状となっており、この加工前のテーパ形状のプローブ42に対し、同じ高さのねじ山53,54となるように第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52を形成することで、第1ねじ山54及び第2ねじ山55が境界53に向かって高くなるように形成している。また、変形例2では、第2回転ツール22の加工前のプローブ42の直径が、軸方向において同じ径となる円柱形状っており、この加工前の円柱形状のプローブ42に対し、境界53に向かって溝が深くなるように第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52を形成することで、第1ねじ山54及び第2ねじ山55が境界53に向かって高くなるように形成している。
次に、図6Aから図6Cを参照して、実施例3に係る摩擦撹拌接合装置110について説明する。図6Aは、実施例3に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。図6Bは、摩擦撹拌工具のプローブを軸方向に直交する面で切った一例の断面図である。図6Cは、摩擦撹拌工具のプローブを軸方向に直交する面で切った一例の断面図である。なお、実施例3でも、重複した記載を避けるべく、実施例1及び2と異なる部分について説明すると共に、実施例1及び2と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例3に係る摩擦撹拌接合装置110は、実施例1の第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52に対し、平坦面が形成される構成となっている。以下、実施例3に係る摩擦撹拌接合装置110について説明する。
図6Aに示すように、実施例3に係る摩擦撹拌接合装置110において、摩擦撹拌工具10の第2回転ツール22のプローブ42に形成される第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52には、平坦面111が形成されている。この平坦面111は、第2回転軸I2の軸方向に沿って接線方向に切った面となっている。平坦面111は、プローブ42の周方向に1つ形成してもよいし、所定の間隔を空けて複数形成してもよい。
なお、平坦面111は、実施例1に示す形状、すなわち、第2回転軸I2の軸方向に沿って同じ高さとなる第1ねじ山54及び第2ねじ山55に対し、フラット加工を行って第1ねじ山54及び第2ねじ山55の頂部を切り欠くことで、実施例3に示す形状とする。
ここで、平坦面111は、図6Bに示すように、周方向に2つ形成してもよい。2つの平坦面111は、プローブ42の第2回転軸I2に対して対称性を有するように配置されている。つまり、2つの平坦面111は、プローブ42の第2回転軸I2を中心にして、180°位相を異ならせた位置となっている。また、平坦面111は、図6Cに示すように、周方向に4つ形成してもよい。4つの平坦面111は、プローブ42の第2回転軸I2に対して対称性を有するように配置されている。つまり、4つの平坦面111は、プローブ42の第2回転軸I2を中心にして、90°位相を異ならせた位置となっている。
以上のように、実施例3の構成によれば、第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52に平坦面111を形成することで、界面6において金属材の過剰な流動によって発生する撹拌域の幅方向の過度な広がりを抑制することができることから、金属材が接合不良部を形成することなく、界面6において金属材を好適に撹拌することができる。
また、実施例3では、複数の平坦面111を、プローブ42の第2回転軸I2に対して対称性を有するように配置することができるため、プローブ42の回転バランスをとることができる。
次に、図7を参照して、実施例4に係る摩擦撹拌接合装置120について説明する。図7は、実施例4に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例4でも、重複した記載を避けるべく、実施例1から3と異なる部分について説明すると共に、実施例1から3と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例4に係る摩擦撹拌接合装置120は、実施例1の第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52を境界53周りにのみ設けた構成となっている。以下、実施例4に係る摩擦撹拌接合装置120について説明する。
図7に示すように、実施例4に係る摩擦撹拌接合装置120において、摩擦撹拌工具10の第2回転ツール22のプローブ42に形成される第1ねじ溝51は、第2回転軸I2の軸方向において、第1ショルダ部35と境界53との間の所定の部位から、境界53まで設けられている。このため、プローブ42は、第1ショルダ部35から第1ショルダ部35と境界53との間の所定の部位までの間が、第1ねじ溝51が形成されない滑らかな外周面121となる。また、第2ねじ溝52は、第2回転軸I2の軸方向において、第2ショルダ部45と境界53との間の所定の部位から、境界53まで設けられている。このため、プローブ42は、第2ショルダ部45から第2ショルダ部45と境界53との間の所定の部位までの間が、第2ねじ溝52が形成されない滑らかな外周面122となる。
以上から、プローブ42には、第1ショルダ部35から所定の部位までの間の外周面121と、所定の部位から境界53までの間の第1ねじ溝51と、第2ショルダ部45から所定の部位までの間の外周面122と、所定の部位から境界53までの間の第2ねじ溝52と、が形成される。
以上のように、実施例4の構成によれば、第1ショルダ部35から所定の部位までの間に、第1ねじ溝51が形成されないため、第1ショルダ部35側から界面6へ向かう金属材の流動量を減少させることができる。また、第2ショルダ部45から所定の部位までの間に、第2ねじ溝52が形成されないため、第2ショルダ部45側から界面6へ向かう金属材の流動量を減少させることができる。このため、界面6への金属材の過剰な流動によって発生する撹拌域の幅方向の過度な広がりを抑制することができることから、金属材が接合不良部を形成することなく、界面6において金属材を好適に撹拌することができる。
次に、図8を参照して、実施例5に係る摩擦撹拌接合装置130について説明する。図8は、実施例5に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例5でも、重複した記載を避けるべく、実施例1から4と異なる部分について説明すると共に、実施例1から4と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例5に係る摩擦撹拌接合装置130は、実施例1の第1ねじ溝51の一部及び第2ねじ溝52の一部が境界53を超えて形成される構成となっている。以下、実施例5に係る摩擦撹拌接合装置130について説明する。
図8に示すように、実施例5に係る摩擦撹拌接合装置130において、摩擦撹拌工具10の第2回転ツール22のプローブ42に形成される第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52は、境界53におけるプローブ42の周方向において、重複(オーバーラップ)した状態となっている。具体的に、第2回転軸I2の軸方向において、第1ねじ溝51の一部は、境界53を超えて第2ねじ溝52側に形成される一方で、第1ねじ溝51の他の一部は、境界53を超えて形成される第2ねじ溝52を許容すべく、境界53よりも第1ショルダ部35側に形成されている。また、第2回転軸I2の軸方向において、第2ねじ溝52の一部は、境界53を超えて第1ねじ溝51側に形成される一方で、第2ねじ溝52の他の一部は、境界53を超えて形成される第1ねじ溝51を許容すべく、境界53よりも第2ショルダ部45側に形成されている。
実施例5の構成によれば、第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52を、境界53におけるプローブ42の周方向において、重複(オーバーラップ)させることができるため、第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52によって、界面6を跨いで金属材を流動させ易くでき、界面6における金属材の撹拌性を向上させることができる。
比較例
ここで、図9から図11を参照して、上記した実施例1から3における界面6の強度と、下記する比較例1及び比較例2における界面の強度との比較について説明する。図9は、比較例1に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。図10は、比較例2に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。図11は、接合材の界面における強度を比較した表である。なお、比較例1及び比較例2でも、重複した記載を避けるべく、実施例1から5と異なる部分について説明すると共に、実施例1から5と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。
図9に示すように、比較例1の摩擦撹拌接合装置140の摩擦撹拌工具10において、第2回転ツール22のプローブ42の外周面には、周方向に沿って形成される円環状のリング溝が、第2回転軸I2の軸方向に所定ピッチで複数形成されている。
また、図10に示すように、比較例2の摩擦撹拌接合装置150の摩擦撹拌工具10において、第2回転ツール22のプローブ42の外周面には、実施例1の第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52を、境界53周り以外に設けた構成となっている。つまり、比較例2は、実施例4と逆の構成となっており、プローブ42には、第1ショルダ部35から所定の部位までの間の第1ねじ溝51と、第2ショルダ部45から所定の部位までの間の第2ねじ溝52と、第1ショルダ部35側の所定の部位から境界53を挟んで第2ショルダ部45側の所定の部位までの滑らかな外周面151と、が形成される。
ここで、図11の表に示すように、摩擦撹拌接合された接合材である一対の金属板5の界面6の強度は、一方の金属板5と他方の金属板5とを引っ張ったときの引張強度で評価されている。実施例1の引張強度を、Ns1とし、実施例2の引張強度を、Ns2とし、実施例3の引張強度を、Ns3とする。また、比較例1の引張強度を、Nw1とし、比較例2の引張強度を、Nw2とする。
このとき、比較例1の引張強度Nw1が最も弱く、比較例2の引張強度Nw2が比較例1の引張強度Nw1よりも大きくなることが確認された。しかしながら、比較例1及び比較例2において、一方の金属板5と他方の金属板5とを引っ張ったときの破断は、界面6で発生することが確認された。
一方で、実施例1の引張強度Ns1は、比較例2の引張強度Nw2よりも大きくなることが確認された。また、実施例2の引張強度Ns2は最も強く、実施例3の引張強度Ns3よりも大きくなることが確認された。実施例3の引張強度Ns3は、実施例1の引張強度Ns1よりも大きくなることが確認された。そして、実施例1から実施例3において、一方の金属板5と他方の金属板5とを引っ張ったときの破断は、界面6以外で発生することが確認された。
以上から、引張強度は、強いほうから順に、引張強度Ns2、引張強度Ns3、引張強度Ns1、引張強度Nw2、引張強度Nw1となっている。
次に、図12を参照して、実施例6に係る摩擦撹拌接合装置200について説明する。図12は、実施例6に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例6でも、重複した記載を避けるべく、実施例1から5と異なる部分について説明すると共に、実施例1から5と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例6に係る摩擦撹拌接合装置200は、一対の金属板5の厚さが異なる厚さとなっている。以下、実施例6に係る摩擦撹拌接合装置200について説明する。
図12に示すように、一対の金属板5は、一方(図12の上方)の金属板5が積層方向において薄く、他方(図12の下方)の金属板5が積層方向において厚くなっている。このとき、実施例6に係る摩擦撹拌接合装置200において、摩擦撹拌工具10の第2回転ツール22のプローブ42に形成される第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52は、その境界53が、一対の金属板5の界面6とほぼ同じ位置となるように、プローブ42が形成されている。このため、第2回転軸I2の軸方向において、第1ねじ溝51の長さは短く、第2ねじ溝52の長さは長くなっている。
実施例6の構成によれば、回転するプローブ42の第1ねじ溝51により撹拌した金属材を、第1ショルダ部35側から界面6に向かって流動させることができ、また、回転するプローブ42の第2ねじ溝52により撹拌した金属材を、第2ショルダ部45側から界面6に向かって流動させることができる。これにより、一対の金属板5の厚さが異なる場合であっても、第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52によって流動する金属材は、界面6を跨いで流動するため、界面6における接合強度を強固にすることができ、界面破断等の接合不良を抑制することができる。
次に、図13を参照して、実施例7に係る摩擦撹拌接合装置210について説明する。図13は、実施例7に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例7でも、重複した記載を避けるべく、実施例1から6と異なる部分について説明すると共に、実施例1から6と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例7に係る摩擦撹拌接合装置210は、一対の金属板5の厚さが異なる厚さとなっており、摩擦撹拌工具10のプローブ42に形成される第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52の形状が、実施例6の形状と異なっている。以下、実施例7に係る摩擦撹拌接合装置210について説明する。なお、実施例6と同様に、一対の金属板5は、一方(図13の上方)の金属板5が積層方向において薄く、他方(図13の下方)の金属板5が積層方向において厚くなっている。
図13に示すように、実施例7に係る摩擦撹拌接合装置210において、摩擦撹拌工具10の第2回転ツール22のプローブ42に形成される第1ねじ溝51は、第2回転軸I2の軸方向において、第1ショルダ部35から境界53まで設けられている。また、第2ねじ溝52は、第2回転軸I2の軸方向において、第2ショルダ部45と境界53との間の所定の部位から、境界53まで設けられている。このとき、第1ねじ溝51と第2ねじ溝52との第2回転軸I2の軸方向における長さは同じ長さとなっている。このため、プローブ42は、第2ショルダ部45から第2ショルダ部45と境界53との間の所定の部位までの間が、第2ねじ溝52が形成されない滑らかな外周面211となる。
以上から、プローブ42には、第1ショルダ部35から境界53までの間の第1ねじ溝51と、第2ショルダ部45から所定の部位までの間の外周面211と、所定の部位から境界53までの間の第2ねじ溝52と、が形成される。
以上のように、実施例7の構成によれば、第2ショルダ部45から所定の部位までの間に、第2ねじ溝52が形成されないため、第2ショルダ部45側から界面53へ向かう金属材の流動量を減少させることができる。このため、界面6への金属材の過剰な流動によって発生する撹拌域の幅方向の過度な広がりを抑制することができることから、金属材が接合不良部を形成することなく、界面6において金属材を好適に撹拌することができる。
次に、図14を参照して、実施例8に係る摩擦撹拌接合装置220について説明する。図14は、実施例8に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例8でも、重複した記載を避けるべく、実施例1から7と異なる部分について説明すると共に、実施例1から7と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例8に係る摩擦撹拌接合装置220は、一対の金属板5の厚さが異なる厚さとなっており、第1回転ツール21の回転速度と第2回転ツール22の回転速度とが異なっている。以下、実施例8に係る摩擦撹拌接合装置220について説明する。なお、実施例6及び7と同様に、一対の金属板5は、一方(図14の上方)の金属板5が積層方向において薄く、他方(図14の下方)の金属板5が積層方向において厚くなっている。
図14に示すように、実施例8に係る摩擦撹拌接合装置220において、摩擦撹拌工具10の第2回転ツール22のプローブ42に形成される第1ねじ溝51及び第2ねじ溝52は、実施例6と同様の構成となっている。このため、摩擦撹拌工具10の説明については省略する。
制御部20は、厚さが厚い金属板5に接する回転ツールの回転速度を速くし、厚さが薄い金属板5に接する回転ツールの回転速度を遅くする。つまり、図14では、制御部20は、第1回転ツール21の回転速度を遅くし、第2回転ツール22の回転速度を速くする。
以上のように、実施例8の構成によれば、制御部20は、厚さが厚い金属板5に接するショルダ部35,45の回転速度を速くすることができるため、厚さが厚い金属板5に対する入熱量を多くすることができる一方で、厚さが薄い金属板5に対する入熱量を少なくすることができる。このため、二つの金属板5の界面6付近の温度分布をそろえることができるため、界面6近傍における二つのショルダ部35,45から中央に集まる金属材の流動性を同じ状態にすることが可能であり、一対の金属板5の厚さが異なる場合であっても、界面6を跨いで金属材を、バランスを取りながら流動させることができる。なお、実施例8の構成は、実施例7の摩擦撹拌工具10に適用してもよい。
なお、実施例8のプローブ42の撹拌溝44は、実施例6及び実施例7に限定されず、界面6を跨いで金属材を流動させる撹拌溝44であれば、いずれであってもよい。
次に、図15を参照して、実施例9に係る摩擦撹拌接合装置230について説明する。図15は、実施例9に係る摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌工具を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例9でも、重複した記載を避けるべく、実施例1から8と異なる部分について説明すると共に、実施例1から8と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例9に係る摩擦撹拌接合装置230は、一対の金属板5の厚さが異なる厚さとなっており、第1ショルダ部35の直径と第2ショルダ部45の直径とが異なっている。以下、実施例9に係る摩擦撹拌接合装置230について説明する。なお、実施例6から8と同様に、一対の金属板5は、一方(図15の上方)の金属板5が積層方向において薄く、他方(図15の下方)の金属板5が積層方向において厚くなっている。
図15に示すように、実施例9に係る摩擦撹拌接合装置230において、摩擦撹拌工具10の第2回転ツール22の第2ショルダ部45の直径R2は、第1回転ツール21の第1ショルダ部35の直径R1に比べて大径となっている。つまり、厚さが厚い金属板5に接する回転ツール21,22のショルダ部35,45の直径を大きくし、厚さが薄い金属板5に接する回転ツール21,22のショルダ部35,45の直径を小さくする。
以上のように、実施例9の構成によれば、厚さが厚い金属板5に接するショルダ部35,45の直径を大きくすることができるため、厚さが厚い金属板5に対する入熱量を多くすることができる一方で、厚さが薄い金属板5に対する入熱量を少なくすることができる。このため、二つの金属板5の界面6付近の温度分布をそろえることができるため、界面6近傍における二つのショルダ部35,45から中央に集まる金属材の流動性を同じ状態にすることが可能であり、一対の金属板5の厚さが異なる場合であっても、界面6を跨いで金属材を、バランスを取りながら流動させることができる。なお、実施例9のプローブ42の撹拌溝44は、実施例6及び実施例7のいずれの形状であってもよい。また、実施例9のプローブ42の撹拌溝44は、実施例6及び実施例7に限定されず、界面6を跨いで金属材を流動させる撹拌溝44であれば、いずれであってもよい。
なお、実施例9の構成に、実施例8の構成を組み合わせてもよい。すなわち、厚さが厚い金属板5に接する回転ツール21,22のショルダ部35,45の直径を大きくし、厚さが薄い金属板5に接する回転ツール21,22のショルダ部35,45の直径を小さくすると共に、厚さが厚い金属板5に接する回転ツール21,22の回転速度を速くし、厚さが薄い金属板5に接する回転ツール21,22の回転速度を遅くする構成であってもよい。
また、実施例1から9の摩擦撹拌接合装置1,100,110,120,130,200,210,220,230は、適宜組み合わせた構成としてもよい。
1 摩擦撹拌接合装置
5 金属板
6 界面
10 摩擦撹拌工具
11 第1押圧回転機構
12 第2押圧回転機構
20 制御部
21 第1回転ツール
22 第2回転ツール
31 第1ツール本体
33 シャフト挿通穴
35 第1ショルダ部
41 第2ツール本体
42 プローブ
43 シャフト
44 撹拌溝
45 第2ショルダ部
51 第1ねじ溝
52 第2ねじ溝
53 境界
54 第1ねじ山
55 第2ねじ山
100 摩擦撹拌接合装置(実施例2)
110 摩擦撹拌接合装置(実施例3)
120 摩擦撹拌接合装置(実施例4)
130 摩擦撹拌接合装置(実施例5)
140 摩擦撹拌接合装置(比較例1)
150 摩擦撹拌接合装置(比較例2)
200 摩擦撹拌接合装置(実施例6)
210 摩擦撹拌接合装置(実施例7)
220 摩擦撹拌接合装置(実施例8)
230 摩擦撹拌接合装置(実施例9)

Claims (14)

  1. 一方の金属材と他方の金属材とを積層することで界面が形成される一対の金属材に対し、積層方向の一方側に配置される第1回転ツールと、
    一対の前記金属材を挟んで前記第1回転ツールの反対側となる他方側に配置され、前記第1回転ツールに対向して設けられる第2回転ツールと、を備え、
    前記第1回転ツールは、
    一対の前記金属材の一方側の面と接する第1ショルダ部を有する第1ツール本体を、有し、
    前記第2回転ツールは、
    一対の前記金属材の他方側の面と接する第2ショルダ部を有する第2ツール本体と、
    前記第2ツール本体から前記第1回転ツールに向かって突出し、前記第2ツール本体と前記第1ツール本体との間に設けられ、前記第1ショルダ部と前記第2ショルダ部との間に挟まれた一対の前記金属材を撹拌するプローブとを有し、
    前記プローブは、
    前記積層方向の一方側の前記金属材と接する接触面に形成され、撹拌した前記金属材を前記界面に向かって流動させる第1撹拌溝と、
    前記積層方向の他方側の前記接触面に形成され、撹拌した前記金属材を前記界面に向かって流動させる第2撹拌溝と、を含み、
    前記プローブは、前記第1撹拌溝と前記第2撹拌溝との境界が、前記界面に位置するように形成されることを特徴とする摩擦撹拌工具。
  2. 前記第1撹拌溝は、1本以上の第1ねじ溝で構成され、
    前記第2撹拌溝は、前記第1ねじ溝の回転方向と逆方向となる1本以上の第2ねじ溝で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の摩擦撹拌工具。
  3. 前記第1ねじ溝によって形成される第1ねじ山の高さは、前記第1ショルダ部から前記境界に向かうにつれて高くなり、
    前記第2ねじ溝によって形成される第2ねじ山の高さは、前記第2ショルダ部から前記境界に向かうにつれて高くなることを特徴とする請求項2に記載の摩擦撹拌工具。
  4. 前記第1ねじ溝は、前記第1ショルダ部と前記境界との間の所定の部位から、前記境界まで設けられ、
    前記第2ねじ溝は、前記第2ショルダ部と前記境界との間の所定の部位から、前記境界まで設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の摩擦撹拌工具。
  5. 前記第1ねじ溝及び前記第2ねじ溝には、平坦面が形成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  6. 前記第1ねじ溝と前記第2ねじ溝とは、前記第2回転ツールの回転軸の周方向おいて、異なる位相となるように形成されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  7. 前記第1ねじ溝の一部は、前記境界を超えて前記第2ねじ溝側に形成され、
    前記第2ねじ溝の一部は、前記境界を超えて前記第1ねじ溝側に形成されていることを特徴とする請求項2または6のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  8. 前記第1回転ツールの回転方向は、前記第2回転ツールの回転方向と逆方向となっていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  9. 一対の前記金属材のうち、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、
    前記第2回転ツールの回転軸に直交する前記第2ショルダ部の直径は、前記第1回転ツールの回転軸に直交する前記第1ショルダ部の直径に比して大径となり、
    一対の前記金属材のうち、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、
    前記第1回転ツールの回転軸に直交する前記第1ショルダ部の直径は、前記第2回転ツールの回転軸に直交する前記第2ショルダ部の直径に比して大径となることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具と、
    前記摩擦撹拌工具の前記第1回転ツールの前記第1ショルダ部を一方の前記金属材の一方側の面に押し当てた状態で、前記第1回転ツールを回転させる第1押圧回転機構と、
    前記摩擦撹拌工具の前記第2回転ツールの前記第2ショルダ部を他方の前記金属材の他方側の面に押し当てた状態で、前記第2回転ツールを回転させる第2押圧回転機構と、
    前記第1押圧回転機構及び前記第2押圧回転機構を制御する制御部と、を備えることを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
  11. 前記制御部は、
    一対の前記金属材のうち、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、前記第2回転ツールの回転速度が、前記第1回転ツールの回転速度に比して速くなるように制御し、
    一対の前記金属材のうち、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、前記第1回転ツールの回転速度が、前記第2回転ツールの回転速度に比して速くなるように制御することを特徴とする請求項10に記載の摩擦撹拌接合装置。
  12. 一方の金属材と他方の金属材とを積層することで界面が形成される一対の金属材に対し、積層方向の一方側に配置される第1回転ツールと、一対の前記金属材を挟んで前記第1回転ツールの反対側となる他方側に配置され、前記第1回転ツールに対向して設けられる第2回転ツールと、を有する摩擦撹拌工具と、
    前記第1回転ツールを一方の前記金属材の一方側の面に押し当てた状態で、前記第1回転ツールを回転させる第1押圧回転機構と、
    前記第2回転ツールを他方の前記金属材の他方側の面に押し当てた状態で、前記第2回転ツールを回転させる第2押圧回転機構と、
    前記第1押圧回転機構及び前記第2押圧回転機構を制御する制御部と、を備え、
    前記第1回転ツールは、
    一方の前記金属材の一方側の面と接する第1ショルダ部を有する第1ツール本体を、有し、
    前記第2回転ツールは、
    他方の前記金属材の他方側の面と接する第2ショルダ部を有する第2ツール本体と、
    前記第2ツール本体から前記第1回転ツールに向かって突出し、前記第2ツール本体と前記第1ツール本体との間に設けられ、前記第1ショルダ部と前記第2ショルダ部との間に挟まれた一対の前記金属材を撹拌するプローブとを有し、
    前記プローブは、
    前記金属材と接する接触面に形成され、撹拌した前記金属材を前記界面を跨いで流動させる撹拌溝を含み、
    前記制御部は、
    一対の前記金属材のうち、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、前記第2回転ツールの回転速度が、前記第1回転ツールの回転速度に比して速くなるように制御し、
    一対の前記金属材のうち、一方の前記金属材の前記積層方向における厚さが、他方の前記金属材の前記積層方向における厚さに比して厚くなる場合、前記第1回転ツールの回転速度が、前記第2回転ツールの回転速度に比して速くなるように制御することを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
  13. 請求項1から9のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具を用いて、一対の前記金属材を摩擦撹拌接合する摩擦撹拌接合方法であって、
    積層された一対の前記金属材に対し、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールを回転させることで、回転する前記第1ショルダ部により一方の前記金属材の一方側の面から摩擦による入熱を行うと共に、回転する前記第2ショルダ部により他方の前記金属材の他方側の面から摩擦による入熱を行い、回転する前記プローブの前記第1撹拌溝により撹拌した前記金属材を、前記第1ショルダ部側から前記界面に向かって流動させ、回転する前記プローブの前記第2撹拌溝により撹拌した前記金属材を、前記第2ショルダ部側から前記界面に向かって流動させることを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
  14. 請求項13に記載の摩擦撹拌接合方法によって、一対の前記金属材が摩擦撹拌接合されることで形成されることを特徴とする接合材。
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