JP2013093401A - 超電導マグネット及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】通電特性の低下を抑制しつつ接続可能な超電導線材を備える超電導マグネット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】二ホウ化マグネシウムを含む超電導線材1と、超電導線材1が捲回されてなる超電導コイル2と、超電導線材1の端部1a,1bと別の超電導線材の端部とが一体化されてなる接続部3と、を備え、接続部3は二ホウ化マグネシウムを含んでなる焼結体であり、超電導線材1の接続部3における二ホウ化マグネシウムの平均粒径が、超電導コイル2の捲回された部分における二ホウ化マグネシウムの平均粒径よりも大きいことを特徴とする、超電導マグネット10。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導マグネット及びその製造方法に関する。
二ホウ化マグネシウム(MgB)の臨界温度(転移温度)は39Kである。この温度は、従来の金属超電導体(例えばニオブチタン(NbTi)やニオブ3スズ(NbSn)等)の臨界温度よりも高い。また、酸化物超電導体を用いた線材とは異なり、二ホウ化マグネシウムを用いた線材は、それを使用した閉回路において永久電流モードで運転したとき、磁場安定度が高いという特長を有する。
永久電流モードは、超電導体を用いて形成される閉回路に電流を流し続ける運転方法である。即ち、超電導線材は抵抗がゼロであるため、いったん電流を通流し始めると閉回路を電流が通流し続けることになる。このような永久電流モードを実現させるためには、通常、超電導線材の端部同士を超電導体で接続する技術が重要となる。
例えば、二ホウ化マグネシウム線材同士、又は二ホウ化マグネシウム線材と、ニオブチタン線材やニオブ3スズ線材等の他の線材とを接続する技術として、以下の技術が知られている。
例えば特許文献1には、超電導はんだを用いる二ホウ化マグネシウム線材の接続方法が記載されている。超電導はんだを用いる超電導線材の接続方法は、ニオブチタン線材等の他の超電導線材の接続にも使用されている。
さらに例えば特許文献2には、二ホウ化マグネシウム線材をパイプに挿入した後二ホウ化マグネシウム粉末を充填し、それらを圧着する二ホウ化マグネシウム線材の接続方法が記載されている。また、二ホウ化マグネシウム粉末の粒子間の結合性を向上するため、低融点の金属を混合する方法が記載されている。
そして例えば非特許文献1には、マグネシウムとホウ素との混合粉末を含む線材、又は二ホウ化マグネシウム線材を筒状の容器に挿入し、線材に対して逆側から前記混合粉末を充填及び加圧し、熱処理をすることが記載されている。そして、この熱処理により二ホウ化マグネシウムが生成し、二ホウ化マグネシウム線材を接続する方法が記載されている。
特開2006−174546号公報 特開2003−22719号公報
W. Yao et al. "A Superconducting Joint Technique for MgB2 Round Wires", IEEE Transaction on Applied Superconductivity, Vol. 19, No. 3, (2009)
例えば特許文献1に記載の技術においては、超電導はんだの臨界温度が約9K以下であるため、運転温度を10K以上にして使用することができない。即ち、比較的高温の臨界温度(39K)を有する二ホウ化マグネシウムを用いた超電導マグネットにおいても、10K以下まで冷却しなければならず、その特性を十分に活かすことができない。
また、特許文献2に記載の技術においては、二ホウ化マグネシウム粉末を充填して圧着するので、二ホウ化マグネシウム粒間の結合性が良好ではない。その結果、超電導マグネットに要求される良好な通電特性が得られにくい。そして、このような粒間の結合性を向上させようとする場合には、低融点金属を混合しなければならない等の手間を要する。
さらに、非特許文献1に記載の技術においては、接続部のマグネシウム及びホウ素を反応させるための熱処理において、二ホウ化マグネシウム線材が再度加熱されることになる。その結果、二ホウ化マグネシウム線材の通電特性が低下することがある。
本発明は前記課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、通電特性の低下を抑制しつつ接続可能な超電導線材を備える超電導マグネット及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するべく検討した結果、二ホウ化マグネシウム線材(超電導線材)に対して所定の熱処理を施すことにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明に拠れば、通電特性の低下を抑制しつつ接続可能な超電導線材を備える超電導マグネット及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る超電導マグネットの全体構成を示す模式図である。 本実施形態に係る超電導コイルの全体及び端部を模式的に示す図である。 接続部を形成する際の様子を模式的に示す図である。 実施例の超電導線材における磁場と臨界電流との関係を示すグラフである。 比較例の超電導線材における磁場と臨界電流との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明するが、本発明は以下の内容に何ら限定されず、本発明の要旨を損なわない範囲で任意に変更して実施可能である。
[1.本実施形態に係る超電導マグネットの構成]
はじめに、図1を参照しながら、本実施形態に係る超電導マグネットの全体構成を説明する。図1に示すように、超電導マグネットは、超電導線材1が捲回された超電導コイル2と、接続部3と、永久電流スイッチ4と、電流リード5と、支持板6と、フレーム(冷却容器)7と、を備えている。
超電導線材1は、二ホウ化マグネシウムを含むものである。二ホウ化マグネシウムの臨界温度は39Kであり、従来は液体ヘリウムで4.2Kに冷却している超電導マグネットを、より高温(10〜20K)で運転することが容易となる。
超導電線材1の形状としては特に制限されず、通常は二ホウ化マグネシウムが金属で被覆された線材となっている。即ち、金属シースに二ホウ化マグネシウムが充填されている。また、超電導線材1の断面形状も特に制限されないが、本実施形態においては、円形状となっている。超電導線材1の断面形状が円形状となっていることにより、超電導コイル2(後記する)を製造する際のボビンへの捲回を行い易いという利点がある。
超電導コイル2は、ボビン2a(芯;図2参照)に超電導線材1が捲回されてなる。超電導コイル2に捲回されている超電導線材1の両端部は接続部3(3a,3b)を介して永久電流スイッチ4に接続されている。なお、接続部3及び永久電流スイッチ4の詳細については後記する。
また、超電導コイル2には、永久電流スイッチ4がオフの際に、超電導コイル2に電流を供給する電流リード5が接続されている。従って、永久電流スイッチ4がオフの際には、外部電源(図示しない)から電流リード5を介して、超電導コイル2に捲回された超電導線材1に電流が通流するようになっている。即ち、この際に、超電導コイル2が励磁されるようになっている。
なお、図1において超電導コイル2の数は1つであるが、必要に応じて複数設けられてもよい。超電導コイル2が複数設けられる場合、超電導コイル2同士は直列に接続されるため、接続部3の数も増加することになる。
接続部3は、永久電流スイッチ4を構成する超電導線材1の端部と、超電導コイル2に捲回されている超電導線材1の端部とを一体化して接続するものである。接続部3は、二ホウ化マグネシウムを含んでなる焼結体である。
永久電流スイッチ4は、通常ボビンに超電導線材1が無誘導に捲回されている。そして、前記のように、永久電流スイッチ4を加熱すると超電導状態から常電導状態へと相転移するのでスイッチオフ状態になる。その結果、電流リード5を介して、外部電源から超電導線材1に電流が通流するようになっている。
一方、永久電流スイッチ4の加熱を停止すると、図示しない冷凍機、若しくは冷媒(液体ヘリウム等)により永久電流スイッチ4が冷却され、超電導状態へと相転移する(即ちスイッチオンになる)。そして、超電導コイル2と永久電流スイッチ4との間で閉回路が形成されることになる。その結果、既に外部電源から供給されていた電流が当該閉回路中を永久電流として通流し続け、高安定な磁場が維持される。
電流リード5は、前記のように外部電源に接続されているものである。そして、永久電流スイッチ4がオフになると、電流リード5からの電流が超電導コイル2に通流するようになっている。また、永久電流スイッチ4がオンになり、外部電源からの電流がゼロになると、前記閉回路において電流が通流し続けることになる。
支持板6及びフレーム(冷却容器)7は、例えば超電導コイル2や永久電流スイッチ4等を固定し、低温を維持するためのものである。従って、超電導マグネット10を構成する部材を確実に固定し、外部と断熱されていれば具体的な構成及び種類は何ら制限されず、任意のものを用いることができる。
次に、超電導コイル2に捲回されている超電導線材1の端部1a,1bについて、図2を参照しながら説明する。前記した、さらには図2に示すように、超電導コイル2は、超電導線材1がボビン2aに捲回されてなる。そして、超電導線材1の端部1a,1bが外部(具体的には、図1に示す永久電流スイッチ4)に接続部3を介して接続されている。即ち、端部1a,1bにおいて、超電導線材1と他の超電導線材とが接続されることになる。
前記したように、超電導線材1は、二ホウ化マグネシウムを含んでいる。そして、超電導コイル2での超電導線材1の端部1a,1bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径は、捲回されている部分(捲回部2b;図2参照)の平均粒径よりも大きい。このようにすることで、通電特性の低下を抑制しつつ、超電導線材と他の超電導線材とを良好に接続させることができる。
ここで、本発明における「平均粒径」の定義について説明する。本発明における「平均粒径」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)により二ホウ化マグネシウムの粒子を複数個撮影(観察)し、撮影された粒子のうちの任意の100個の粒子径を測定して得られた粒子径の平均値を表している。
なお、SEM写真における粒子は厳密には円形状ではない。従って、当該粒子の最も長い径と最も短い径との平均値を、その粒子の粒子径とするものとする。また超電導線材1の断面には無数の粒子があるため、長さ方向のどの位置で切断しても平均粒径は略同じであると見做し、前記の測定を行うものとする。
従って、「端部1a,1bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径」とは、以下のようにして測定できる。即ち、はじめに、超電導線材1の端部1a,1bを電流の通流方向に垂直な方向に切断して、切断面を研磨する。この際に用いられる超電導線材1は第1熱処理後(詳細は後記する。)のものである。
その後、この研磨した切断面に対し、SEMを用いて二ホウ化マグネシウムの様子を観察する。この際の拡大倍率は、二ホウ化マグネシウムが十分に観察できる適度に任意に設定すればよい。そして、観察された二ホウ化マグネシウムについて、前記の方法で平均粒径を測定すればよい。「捲回部2bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径」についても同様である。
前記したように、超電導線材1の端部1a,1bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径は、ボビン2aに捲回されている部分(捲回部2b)における二ホウ化マグネシウムの平均粒径よりも大きい。平均粒径をこのように設定することで、端部1a,1bにおいて別の超電導線材と接続するために熱処理を行う際に、超電導線材1の通電特性が劣化するのを抑制することができる。しかも、捲回部2bにおいては、平均粒径が小さいため、通電特性が良好なものとなる。
端部1a,1bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径と、捲回部2bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径との具体的な値は特に制限されない。二ホウ化マグネシウムの粒径は原料として使用するホウ素粉末の粒径に依存するため、一概には言えないが、一例として、平均粒径が0.2μm〜0.3μmのホウ素粉末を使用した場合について記述する。端部1a,1bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径としては、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、また、その上限は、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下とすることが望ましい。従って、捲回部2bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径は、この範囲の平均粒径よりも小さくする。
また、端部1a,1bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径は、捲回部2bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径に対し、好ましくは2倍以上、より好ましくは4倍以上、また、その上限は、好ましくは20倍以下、より好ましくは10倍以下とすることが望ましい。
また、他の超電導線材との接続部位である端部1a,1bと捲回部2bとの境界部分、即ちボビン2aに捲回されておらず、かつ他の超電導線材とも接続されていない部分の長さは特に制限されない。さらに、そのような部分における二ホウ化マグネシウムの平均粒径も特に制限されない。ただし、端部1a,1bにおける平均粒径が最も大きく、捲回部2bに向かう方向に徐々に平均粒径が小さくなるようにすることが好ましい。詳細は後記するが、このようにすることで、一つの電気炉内で超電導コイル2を製造することができ、より安定した通電特性を得ることができる。また、一つの電気炉内で同時に端部1a,1bと捲回部2bとの平均粒径を制御することができることから、超電導コイル2を低コストで簡便に製造することができる。
また、端部1a,1bにおいて、超電導線材1と他の超電導線材とを接続する際、端部1a,1bの断面形状は、ボビン2aに捲回されている超電導線材1の断面形状と異なる形状としてもよい。具体的には例えば、端部1a,1bの断面形状を略矩形状とし、捲回されている部分の断面形状を略円形状とすることができる。断面形状を例えばこのように設定することにより、ボビン2aへの捲回が容易になるとともに、超電導線材1と他の超電導線材とを接続した際の通電特性の低下をより一層抑制することができる。
[2.本実施形態に係る超電導マグネットにより奏される効果]
従来の超電導マグネットは、通常ニオブチタン、ニオブ3スズ等の超電導体が使用されている。そして、これらの超電導体を用いた超電導線材同士の接続には、鉛−ビスマス(PbBi)合金に代表される超電導はんだが使用されている。ただ、このような超電導はんだの臨界温度は約9K以下であるため、ほとんどの超電導マグネットは液体ヘリウムを用いて4.2K程度に冷却して運転されている。
ビスマス系(BiSrCaCu10など)等の酸化物超電導体は、臨界温度が高いが、従来の金属系の超電導体と比べるとわずかに電気抵抗が大きいため、高い磁場安定度が要求される超電導マグネット用途にはあまり適していない。
二ホウ化マグネシウムの主な特長は、従来の超電導体であるニオブチタンやニオブ3スズ等と比べて臨界温度が高く、しかも従来の超電導体と同等の磁場安定度を有することにある。なお、酸化物超電導体の臨界温度は二ホウ化マグネシウムの臨界温度よりもさらに高いが、前記のように抵抗が大きいため、永久電流モードで運転したときの磁場安定度が低い。そのため、酸化物超電導体を用いた場合、磁気共鳴イメージング装置(MRI;Magnetic Resonance Imaging)や核磁気共鳴装置(NMR;Nuclear Magnetic Resonance)のように高い磁場安定度が求められる用途には適用し難い。
そこで、本実施形態に係る超電導マグネットは、超電導体として二ホウ化マグネシウムを用いているため、高い磁場安定度が要求されるMRIやNMR等に特に好適である。即ち、超電導マグネットの超電導線材として二ホウ化マグネシウム線材を用いる場合、高い磁場安定度で永久電流モード運転が可能である。また、10K以上で良好な通電特性を確保できれば、液体ヘリウムを使用せず、冷凍機冷却可能な超電導マグネットの実現が可能となる。
しかも、通電特性の低下を抑制しつつ、必要に応じて別の超電導線材を接続することが可能になる。具体的には例えば、既に接続されている例えば超電導コイル、永久電流スイッチ等が故障した場合に、新たな部品に通電特性を維持したまま交換することが可能になる。
しかしながら、前記のように、10K以上で運転可能な閉回路を構成するためには、二ホウ化マグネシウムを含む超電導線材同士を通電特性の低下を抑制しつつ、それらを接続しなければならないことがある。
従来、マグネシウムとホウ素とを含む線材、若しくは二ホウ化マグネシウム線材を筒状の容器に挿入し、これらに対して逆側からマグネシウムとホウ素との混合粉末を充填・加圧し、熱処理をすることで二ホウ化マグネシウムを生成させていた(例えば前記非特許文献1参照)。そして、これにより、二ホウ化マグネシウム線材同士の接続が可能なようになっている。即ち、マグネシウムとホウ素とを用いて線材同士の接続が可能になるようになっている。
一方で、二ホウ化マグネシウム線材(即ち超電導線材)同士を接続しようとすると、超電導線材中の二ホウ化マグネシウムが再度加熱されることになる。そのため、再度加熱された後の超電導線材の通電特性が低下することがある。この原因は、本発明者らの検討によると、二ホウ化マグネシウム周囲の金属シース管の熱膨張率と二ホウ化マグネシウムの熱膨張率との間に差があるためであると考えられる。そして、このような差のため、熱サイクルによって超電導線材内の二ホウ化マグネシウムが機械的に破壊されることにより生じるものであると考えられる。
このような現象を防止するために、本発明者らが検討したところ、例えば超電導線材中の二ホウ化マグネシウムの機械的な強度を高めることが考えられた。即ち、金属管内の二ホウ化マグネシウムの粒径が小さいと外部から力が加わったときに壊れやすいが、粒径が大きければ粒同士の結合性が向上し、外部からの力に対する耐性が改善すると考えられた。
しかしながら、二ホウ化マグネシウムは、粒径が小さい、即ち粒界が多いほど通電特性は向上するため、機械強度を向上させようとして粒径を大きくすると通電特性が低下してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みて想起されたものである。即ち、本実施形態に係る超電導マグネットにおいては、超電導線材の端部(接続部)における二ホウ化マグネシウムの平均粒径が大きくなるように設定している。即ち、最良の通電特性が要求される超電導コイルに捲回されている部分は平均粒径が小さくなるようにし、超電導コイルから離れた磁場の低い場所に配置される端部は、平均粒径が大きくなるようにする。このようにすることにより、超電導マグネット全体として通電特性の低下を抑制しつつ、超電導線材同士を良好に接続することが可能となる。
[3.本実施形態に係る超電導マグネットの製造方法]
次に、本実施形態に係る超電導マグネットの製造方法(以下、適宜「本実施形態に係る製造方法」と言う。)について、図1〜図3を適宜参照しながら説明する。なお、以下では主に超電導コイル2の製造方法について説明し、例えば各種部材の組立等は任意に行うことができるため、その詳細な説明は省略する。
通常、超電導線材1は、金属シース管に原料粉末を充填した後伸線加工を行う、所謂「Powder In Tube法(PIT)」により製造される。中でも、原料粉末(超電導体が二ホウ化マグネシウムの場合、マグネシウム及びホウ素)をそのまま充填する場合には、このような方法は「in−situ法」と呼称される。本発明における超電導線材1は、この「in−situ法」によって作製した線材とする。
また、超電導線材1には、線材の通電特性を向上させる観点から、例えば炭化ケイ素等を混合することも好ましい。さらに、超電導線材1は通常、複数のコアを有する多芯線として使用されるが、以下の説明では、便宜上、1つのコアを有する単芯線として超電導線材1の製造方法を説明する。
本実施形態に係る製造方法としては、主に、以下の各工程を有するものである。
(1)少なくともマグネシウム及びホウ素を含む材料からなる線材をボビンに捲回してコイルを製造するコイル製造工程
(2)ボビンに捲回された部分を最適な温度、線材端部をそれよりも高い温度で熱処理して、超電導コイルを製造する第1熱処理工程
(3)高温熱処理された超電導線材の端部と別の超電導線材とを一体化して接続部を形成する第2熱処理工程
以下、各工程に分けて説明する。
(コイル製造工程)
本工程においては、少なくともマグネシウム及びホウ素を含む材料を金属シース管に充填し、線引き・圧延等により線材へ加工する。そして、作製した線材をボビンに捲回してコイルを作製する。
後記する第1熱処理工程後に、超電導線材端部における二ホウ化マグネシウムの平均粒径を大きくするためには、原料を金属シース管に充填する際に、端部に充填する原料であるホウ素の平均粒径を大きくすることが考えられる。熱処理後の二ホウ化マグネシウムの平均粒径は原料であるホウ素の平均粒径に依存するためである。ただし、充填後の伸線加工性が悪化する可能性があること、また大きな平均粒径のホウ素を充填した位置で端部の長さが決定されることから、この方法はあまり現実的ではない。そこで、後記する第1熱処理工程において温度を制御することで、二ホウ化マグネシウムの平均粒径を制御する方法が望ましい。
(第1熱処理工程)
本工程においては、線材が捲回されて得られたコイルに対して熱処理を行い、金属シース管内のマグネシウムとホウ素を反応させて、二ホウ化マグネシウムを生成させる。熱処理には、通常は電気炉が用いられる。また熱処理雰囲気は、真空、又はアルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
前記したように、金属シース管内に粒径の異なるホウ素を充填した場合は、所望の温度で超電導線材1全体(即ち、ボビン2aに捲回後の超電導線材1全体)に対して熱処理をすればよい。これにより、超電導コイル2を製造することができる。ただし、製造方法の簡便さや製造コスト削減の観点から、前記のように、熱処理温度を制御することで平均粒径を制御することが好ましい。以下、この方法について説明する。
マグネシウム及びホウ素から二ホウ化マグネシウムを生成させる場合、熱処理温度が低過ぎるとマグネシウム及びホウ素が十分に反応せず、二ホウ化マグネシウムの十分な収率が得られないことがある。また、熱処理温度が高過ぎると、二ホウ化マグネシウムの結晶成長が促進されて粒径が大きくなり過ぎ、通電特性が低下することがある。
ただし、前記したように、線材端部における二ホウ化マグネシウムの機械強度を高めるためには、二ホウ化マグネシウムの平均粒径を大きくすることが好ましい。そこで、超電導線材の端部1a,1bの機械強度を向上させることを目的として、端部1a,1bのみを高温で熱処理する。
そのため、電熱線ヒータの配置を調整した温度勾配を有する電気炉(図示しない)を用意して熱処理を行う。具体的には、ヒータの直下に端部1a,1bが存在するように、また、ヒータから離れた場所にボビン2(捲回された超電導線材1を含む)が存在するように、超電導コイル2(熱処理前のもの)を電気炉内に設置する。このように超電導コイル2を電気炉内に設置することで、端部1a,1bに対して高温で熱処理を行うことができ(図2の「高温熱処理」)、捲回部2bに対して最適温度(前記の「高温」よりも低温)で熱処理を行うことができる(図2の「最適熱処理」)。
熱処理温度が高い場合、前記したように二ホウ化マグネシウムの結晶成長が促進され、平均粒径が大きくなる。従って、このように超電導コイル2を一つの電気炉内で同時に熱処理することにより、簡便な方法で熱処理温度を変えることができる。そのため、簡便な方法で、端部1a,1bにおける平均粒径を、捲回部2bにおける平均粒径と比べて容易に大きなものとすることができる。その結果、前記したように、超電導コイル2における通電特性の低下を抑制しつつも、端部1a,1bにおける機械強度を高めることができる。
端部1a,1b及び捲回部2bの熱処理温度は何れも特に制限されない。ただし、前記のように、端部1a,1bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径は、捲回部2bの平均粒径よりも大きなものとなる。従って、端部1a,1bに対する熱処理温度は、捲回部2bに対する熱処理温度よりも通常は高くなる。具体的には、端部1a,1bの熱処理温度と捲回部2bに対する熱処理温度との温度差は、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、また、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下とすることが望ましい。
なお、ボビン2aに捲回された部分と端部1a,1bを2回に分けて個々に熱処理をしても、超電導コイル2を製造することができる。しかしながら、2回に分けて個々に熱処理を行う場合、熱処理しない部分に伝熱しない処理を施すことと、2回分の手間及び時間が必要になる。従って、前記したような、一つの電気炉を用いて同時に熱処理を行うことが好ましい。
高温熱処理を行う端部1a,1bの長さは、通常は後記する第2熱処理工程において、電気炉の中に入れて加熱される線材の部分の長さ以上であれば良いが、構成部品の交換や接続不良等で接続部を切断して接続しなおすことができるように、長めに高温熱処理をしておくことが好ましい。
(第2熱処理工程)
本工程においては、前記の第1熱処理工程で得られた超電導コイル2の端部1a,1bと他の超電導線材とを一体化して接続部3を形成する。ここで、他の超電導線材とは、例えば永久電流スイッチに接続されている超電導線材、他のコイルに接続されている超電導線材、配線用の超電導線材等が挙げられる。ただし、いずれの超電導線材であっても、その端部は前記第1熱処理工程において高温熱処理を施しておくことが好ましい。
接続部3の具体的な形成方法(接続方法)は特に限定されるものではないが、例えば接続する超電導線材同士を容器(図示しない)に挿入し、マグネシウムとホウ素との混合粉末を充填して熱処理を行えばよい。このようにして接続することで、通電特性を低下させることなく、二ホウ化マグネシウムが露出している超電導線材1の端面同士を良好に接続することができる。
接続部3(3a,3b)を設ける具体的な方法を図3に示す。図3に示す超電導線材1のうち、破線で示す部分が前記高温熱処理が行われた部分である。図3においては、図示の便宜上、接続部3a,3b及び電気炉9近傍を拡大して示している。
図3に示す例においては、超電導線材1の端部1a,1b(図3においては図示しない)と、別の超電導線材と、マグネシウム及びホウ素と、を容器(図示しない)に挿入し、加熱している。加熱は、電気炉9内で行われ、真空中、又はアルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気下で行われている。
そして、このようにすることで、接続部3が形成される。即ち、接続部3においては、二ホウ化マグネシウムが露出した端面を含む2本の超電導線材1同士が、二ホウ化マグネシウムを含む焼結体を介して接続(固着)されることになる。なお、この端面の形状は、円形状のままであってもよく、楕円形状や矩形状等の加工がされた形状であってもよい。
そしてこの操作により、二ホウ化マグネシウムを含む焼結体からなる接続部3に拠って、2本の超電導線材1が接続されることになる。なお、高温熱処理された超電導線材1の端部のうちの少なくとも一部が電気炉9内で加熱されるようになっている。
また、電気炉9の熱が超電導コイル2や高温熱処理を行っていない超電導線材1に伝播しないように、超電導線材1の途中には冷却部分8が設けられている。この冷却部分8の具体的な構成は特に制限されず、例えば水に浸す等により行うことができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
前記した製造方法に従って、断面が直径0.7mmの円形状を有する二ホウ化マグネシウムからなる超電導線材1を作製した。そして、得られた超電導線材1を用いて、図1に示す超電導マグネット10を製造した。
マグネシウムとホウ素との混合粉末を焼結するためには、通常は500℃〜800℃、好ましくは600℃〜700℃の熱処理を行うことが好ましい。そして、本発明者らによるこれまでの実験結果から、前記した直径0.7mmの超電導線材1の特に好適な熱処理温度は630℃であった。そこで、第1熱処理工程における捲回部2bの最適熱処理温度として630℃に設定した。
得られた超電導線材1の端部1a,1bに対し、最適熱処理温度である630℃よりも高い温度(750℃)で熱処理を行い、第2熱処理工程における特性の低下を調べた。超電導線材1の磁場と臨界電流(Ic)との関係を図4に示す。
図4において、実施例1は750℃で1回のみ熱処理を行った場合(即ち第2熱処理前の状態)、実施例2は750℃で熱処理を行った後500℃で第2熱処理を行った場合、実施例3は750℃で熱処理を行った後600℃で第2熱処理を行った場合を示している。なお、参考例として、最適熱処理温度である630℃で1回のみ熱処理を行った例も示している。
図4に示すように、超電導線材1の端部1a,1bを750℃で熱処理することにより、500℃〜600℃の温度で第2熱処理を行っても、通電特性の大きな低下は見られなかった。従って、端部1a,1bを高温で熱処理することにより、第2熱処理における通電特性への影響を小さなものにすることができることがわかった。なお、750℃で熱処理を行った端部1a,1bにおける二ホウ化マグネシウムの具体的な平均粒径については、後記する。
即ち、端部1a,1bを高温で熱処理して二ホウ化マグネシウムの平均粒径を大きなものにしても、通電特性への大きな影響は無かった。しかも、端部1a,1bでの二ホウ化マグネシウムの平均粒径が大きいことから、端部1a,1bにおける機械強度が高められることがわかった。
実施例1〜3及び参考例1の超電導線材を製造する際に用いたホウ素は、その平均粒径を0.2μm〜0.3μmとした。そして、このような平均粒径を有するホウ素を用いて最適熱処理温度である630℃で熱処理した場合(「参考例」参照)、得られた二ホウ化マグネシウムの平均粒径は0.2μm〜0.3μmであった。即ち、630℃で熱処理を行っても、ホウ素と二ホウ化マグネシウムとの平均粒径はほとんど変化しなかった。
なお、平均粒径は、前記した方法によって測定した。
また、750℃で熱処理した場合(「実施例1」〜「実施例3」参照)、二ホウ化マグネシウムの平均粒径は1μm〜2μmであった。なお、グラフでは示していないが、700℃で熱処理した場合、平均粒径が2倍程度であった。そして、700℃で熱処理を行った場合、第2熱処理による通電特性の低下抑制に一定の効果はあったが、電流が流れなくなる場合もある等、通電特性にバラツキが見られた。
さらに、グラフでは図示していないが、800℃及び900℃で熱処理すると平均粒径はさらに大きく数μmとなったが、それにより第1熱処理後の通電特性(臨界電流)がそれぞれ約1/2、1/5となった。ただし、800℃及び900℃で熱処理した場合、通電特性が低下したものの、第2熱処理後に電流が流れなくなることはなかった。
以上の結果から、端部1a,1bにおいてどの程度の通電特性が要求されるかにもよるが、電流が流れなくなることを避ける観点から、第1熱処理における端部1a,1bへの熱処理温度としては、750℃以上800℃以下が好適であることがわかった。即ち、捲回部2bに対する熱処理温度(630℃)よりも高い温度(750℃〜800℃)で端部1a,1bを熱処理し、端部1a,1bにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径を捲回部2bの平均粒径よりも大きくすることで、通電特性等を向上させることができることがわかった。
図5は、第1熱処理工程において超電導線材端部を高温での熱処理を行わず、第2熱処理を行った場合の、磁場と臨界電流との関係を示すグラフである。即ち、図5に示す結果は、端部1a,1bと捲回部2aとで熱処理温度を変えておらず、それぞれにおける二ホウ化マグネシウムの平均粒径を同程度とした場合のグラフである。
図5において、比較例1は630℃で熱処理後400℃で熱処理を、比較例2は630℃で熱処理後450℃で熱処理を、比較例3は630℃で熱処理後500℃で熱処理を行ったものである。なお、参考例として、630℃で熱処理後、熱処理を行わないグラフも示している。この参考例は、図4に示す参考例と同じものである。
図5に示すように、第2熱処理温度が450℃以下では通電特性に大きな低下は見られなかった。しかしながら、第2熱処理温度が500℃になると約1/10に低下し、550℃になるとゼロ磁場中で臨界電流は0になった。従って、500℃以上で第2熱処理を行うと通電特性が大きく低下することがわかった。
以上の結果から、第1熱処理工程において端部を高温熱処理していない超電導線材同士を接続した場合、通電特性が大きく低下することがわかった。即ち、端部1a,1bを高温で予め熱処理して平均粒径を大きくしておくことで、別の超電導線材と接続した場合でも、通電特性の低下を抑制できることがわかった。
1 超電導線材
2 超電導コイル
3 接続部
4 永久電流スイッチ
5 電流リード
6 支持板
7 冷却容器
8 冷却部
9 電気炉
10 超電導マグネット

Claims (5)

  1. 二ホウ化マグネシウムを含む超電導線材と、
    前記超電導線材が捲回されてなる超電導コイルと、
    前記超電導線材の端部と別の超電導線材の端部とが一体化されてなる接続部と、
    を備え、
    前記接続部は二ホウ化マグネシウムを含んでなる焼結体であり、
    前記超電導線材の前記接続部における二ホウ化マグネシウムの平均粒径が、前記超電導コイルの捲回された部分における二ホウ化マグネシウムの平均粒径よりも大きい
    ことを特徴とする、超電導マグネット。
  2. 前記端部における二ホウ化マグネシウムの平均粒径が、前記超電導コイルに捲回された部分における二ホウ化マグネシウムの平均粒径の2倍以上20倍以下である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の超電導マグネット。
  3. 請求項1又は2に記載の超電導マグネットを製造する方法であって、
    少なくともマグネシウム及びホウ素を含む材料からなる線材を捲回してコイルを製造するコイル製造工程と、
    前記コイルにおける前記線材の端部を、前記コイルに捲回された部分よりも高温で熱処理して前記超電導コイルを製造する第1熱処理工程と、
    高温で熱処理された前記超電導線材の端部と前記別の超電導線材とを一体化して前記接続部を形成する第2熱処理工程と、
    を含む
    ことを特徴とする、超電導マグネットの製造方法。
  4. 前記第1熱処理工程において、前記端部の熱処理温度が、前記コイルに捲回された部分の熱処理温度に対して50℃以上250℃以下高い温度である
    ことを特徴とする、請求項3に記載の超電導マグネットの製造方法。
  5. 前記第2熱処理工程において、前記第1熱処理工程で熱処理された前記端部のうちの少なくとも一部が再び熱処理される
    ことを特徴とする、請求項3又は4に記載の超電導マグネットの製造方法。
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