JP2017208156A - 超電導線材の接続部及び超電導線材の接続方法 - Google Patents

超電導線材の接続部及び超電導線材の接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ばらつきの小さな高い通電特性を有する超電導接続部を実現する。【解決手段】超電導線材1の接続部は、金属容器4内で、複数の超電導線材1が、MgB2を含む焼結体8によって一体化され、超電導線材1が、金属容器4とMg7を介してつながっている。【選択図】図2

Description

本発明は二ホウ化マグネシウム(MgB2)を用いた超電導線材(MgB2線材)の接続部の接続構造、及びMgB2線材の接続方法に関する。
二ホウ化マグネシウム(MgB2)の臨界温度(転移温度)は39Kであり、従来の超電導体(例えばニオブチタン(NbTi)やニオブ3スズ(Nb3Sn)等)の臨界温度よりも高い。また、酸化物超電導体を用いた線材とは異なり、MgB2を用いた線材は、それを使用した閉回路において永久電流モードで運転したとき、磁場安定度が高いという特長を有する。
永久電流モードは、超電導体を用いて形成される閉回路に電流を流し続ける運転方法である。即ち、超電導線材は抵抗がゼロであるため、いったん閉回路に電流を流すと、その電流が減衰せずに流れ続けることになる。このような永久電流モードを実現させるためには、超電導コイルもしくは永久電流スイッチを構成する超電導線材の端部同士を超電導体で接続する技術が重要となる。
例えば、MgB2線材同士、又はMgB2線材と、NbTi線材やNb3Sn線材等の他の線材とを接続する技術として、以下の技術が知られている。
特許文献1には、超電導ハンダを用いたMgB2線材の接続方法が記載されている。超電導ハンダを用いる超電導線材の接続方法は、NbTi線材等の他の超電導線材の接続にも使用されている。
特許文献2には、マグネシウム(Mg)とホウ素(B)との混合粉末を含む線材、又はMgB2線材の先端を研磨して、MgB2コアを露出させ、容器に挿入し、線材に対して直交方向からMgとBの混合粉末を充填及び加圧し、熱処理をする方法が記載されている。熱処理によりMgB2の焼結体が生成し、線材同士が接続される。
非特許文献1には、以下のプロセスでMgB2線材を接続する方法が記載されている。円筒状のステンレス容器に、MgとBの混合粉末を充填し、銅製プラグを挿入後、コアを露出させた未反応のMgB2線材(MgとBの混合粉末を含む線材)を挿入する。その後、銅製プラグで粉末を加圧、セラミックボンドで容器を封止後、熱処理をすることでMgB2焼結体が生成し、線材同士が接続される。
特開2006−174546号公報 特開2012−094413号公報
Jiayin Ling et al. "Monofilament MgB2 Wire for a Whole-Body MRIMagnet: Superconducting Joints and Test Coils", IEEE Transaction on Applied Superconductivity, Vol. 23, No. 3, (2013)
特許文献1に記載の技術においては、超電導ハンダの臨界温度が約9K以下であるため、運転温度を10K以上にして使用することができない。即ち、比較的高温の臨界温度(39K)を有するMgB2を用いた超電導マグネットにおいても、10K以下まで冷却しなければならず、その特性を十分に活かすことができない。
特許文献2及び非特許文献1に記載の技術においては、金属容器内にて線材先端部のコア(MgB2もしくはMgとBを含む混合粉末)が露出され、MgB2焼結体を介して接続される。特許文献1では、接続される線材端部は、金属容器内で全長にわたって超電導ハンダによって固定されるのに対し、特許文献2及び非特許文献1では、線材を挿入するための容器開口部付近、また熱処理により生成するMgB2焼結体によってのみ、金属容器と固定される。そのため容器内で線材が固定されていない部分が存在する。接続部に通電するとその電流と磁場により、線材に電磁力が働く。固定されていない部分に電磁力がかかると、その両端の固定部分に負荷がかかる。線材コアとMgB2焼結体の接合界面は機械的に脆く壊れやすいため、結果的に界面における通電特性の劣化が生じる。非特許文献1のFig2において、サンプル間における通電特性のばらつきが示されており、臨界電流(Ic)が最低のサンプルは、最高のサンプルに対して約1/3であることがわかる。このばらつきは、前述のように、線材の固定が不十分であることに起因すると考えられる。
本発明の目的は、MgB2超電導線材の接続に関する上記のような課題を解決し、サンプル間のバラツキが小さく、かつ高い通電特性を有する接続部を実現することにある。
本発明者らは前述の課題を解決するべく検討した結果、接続部の構造および端部の処理方法により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。本発明に係る超電導線材の接続部は、金属容器内で、複数の超電導線材が、MgB2を含む焼結体によって一体化され、前記超電導線材が、前記金属容器とMgを介してつながっている。
本発明に拠れば、ばらつきが小さく、かつ高い通電特性を有する超電導線材の接続部を実現することができる。
超電導マグネットの構成例 実施例1の超電導線材の接続方法 実施例2の超電導線材の接続方法 実施例3の超電導線材の接続方法 実施例4の超電導線材の接続方法 実施例5の超電導線材の接続方法 実施例6の超電導線材の接続方法
本発明における接続構造は以下に記す通りである。まず接続対象である超電導コイルもしくは永久電流スイッチを構成する、MgおよびB、もしくはそれらを含む化合物をコアとして有する線材の、先端を研磨して線材コアを露出させる。それらの線材端部を金属容器の中へ挿入し、線材端部周辺に形成されるMgB2焼結体の原料(Mg、B、もしくはそれらを含む化合物)を、金属容器の中へ充填する。それを加圧・熱処理することでMgB2焼結体が形成され、金属容器へ挿入した線材同士が接続される。本発明は、熱処理前にMgを過剰に充填し、熱処理後にハンダを流し込むことで、線材の固定改善を図るものである。
超電導マグネットは、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴イメージング)装置、NMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)装置等で用いられる。このような機器では高い磁場安定度が必要となるため、超電導マグネットは超電導体のみで閉回路を構成し、電流を流し続ける「永久電流モード」で運転される。そのためには、超電導コイル、永久電流スイッチ、それらをつなぐ配線を、超電導体を介して接続する技術が必須である。
従来の超電導マグネット装置では、NbTiやNb3Snの超電導線材が使用されており、それらの多くは液体ヘリウムによって4.2Kに冷却して運転される。そのような超電導マグネットにおいては、PbBi合金に代表される超電導ハンダによる接続技術が確立されている。
二ホウ化マグネシウム(MgB2)は超電導に転移する臨界温度が従来の金属系材料よりも高いため、液体ヘリウムを使用しない冷凍機冷却による超電導マグネットとして実用化が期待されている。その場合10K以上で運転することが求められるため、臨界温度が10K以下である従来の超電導ハンダ接続を適用できない。そこでMgB2線材同士をMgB2によって接続する技術の確立が必要となる。
(概要)
金属容器内で、複数の超電導線材が、MgB2を含む焼結体によって一体化された超電導線材の接続部であって、前記超電導線材が、前記金属容器内部で、前記金属容器とMgもしくはハンダを介してつながっている。線材の固定が改善され、通電時に電磁力が働いたときの線材の動きが抑制されることで、ばらつきの小さな高い通電特性を有する超電導接続部の実現が可能となる。
(超電導マグネット)
上記のような超電導線材の接続構造を有する超電導マグネットは、接続部の信頼性が高く、クエンチのない安定した運転が可能である。図1に超電導マグネットの構成例を示す。図1の超電導マグネットは、冷却容器26の内部に超電導コイル22と永久電流スイッチ23が配置されており、これらは支持板25を介して、図示しない冷凍機によって冷却される。超電導コイル22の励磁時には、図示しない室温側の電源と、低温側の超電導コイル22をつなぐ、電流リード24を介して電流が供給される。超電導接続部21は、超電導コイル22と、永久電流スイッチ23の間に2箇所設けられている。
接続する超電導線材として、ここでは金属シースとMgB2コアから構成される単芯線を例に説明する。金属シースは一般に、高い電気的・熱的安定性を確保するための銅などの安定化材および、MgとBをMgB2化するための熱処理の際に、安定化材と反応することを防ぐためのバリア材で構成される。接続する超電導線材はMgB2に限らず、従来の超電導マグネットで使用されているNbTiやNb3Snに対しても本発明は適用可能である。臨界温度が高い(39K)MgB2を介して接続するため、従来の超電導ハンダ(臨界温度:9K)で接続するよりも、高い安定性が期待できる。また超電導線材は一般に、電流容量・線材長・磁気的安定性・交流損失の観点から、複数のコアを有する多芯線として使用されるが、単芯線でも多芯線でも接続部の構成は同じであるため、ここでは単芯線の接続構造についてのみ記述する。接続する超電導線材の本数は2本に限らず、3本以上でも構わない。
図2に本実施例の接続手順を示す。図中には1本の線材のみ示されているが、紙面奥行き方向にもう1本の線材が存在する。まず接続する2本の線材1の端部を研磨し、線材のコア2を露出させる。このときのコア2は、MgとBが未反応状態でもMgB2生成済みでもどちらでも構わない。MgとBが未反応状態の場合、接続のための熱処理時に線材部分も同時に熱処理し、MgB2化させれば良い。端部でコア2を露出させた線材を金属容器4に挿入する。金属容器4の材質は、熱処理中にMgやBと反応しにくい、Fe,Ni,Nb,Taもしくはそれらの合金を使用することが望ましい。
<(a)Mg+B充填>
線材1を挿入後、MgB2焼結体8の原料を充填し、加圧する。本実施例ではMgとBの混合粉末(混合物)5を充填する。混合には通常ボールミルが用いられるが、その手法は問わない。MgB2焼結体8の通電特性を向上させるために、炭素などを添加したり、MgB2粉を混合したりしても良い。MgとBの混合粉末5を充填後、金属ピン6をプレス機などによって加圧する。
<(b)Mg充填>
従来技術では、MgとBの混合粉末5を充填後、封止して熱処理するが、本発明ではこの後さらにMg7を充填する。Mg7粉末は熱処理時に溶けるため、その形態は粉末でも塊でも構わない(粉末の場合は加圧が必要)。
<(c)熱処理後>
その後、熱処理をすることで、線材1の端部にMgB2焼結体8が形成され、線材1の端部同士が接続される。MgB2焼結体8を生成するために、通常、電気炉を用いて、アルゴン・窒素などの不活性ガス中で、500℃〜900℃で加熱する。本実施例では、Mgの融点:650℃以上に加熱し、Mgを溶かして線材1と金属容器4を固定させる。ただし、温度が高いとMgの蒸発量が多くなるため、650℃〜850℃程度の熱処理が望ましい。従来は、Mgの蒸発を防ぐために、熱処理前にセラミックボンドなどの耐熱接着剤で封止していたが、本実施例では後述するハンダ固定を実施するため、熱処理前に封止はできない。よって、Mgの蒸発を抑制するために、できるだけ金属容器4の開口部における隙間がない状態で熱処理を行う。すなわち、金属ピン6と線材1の隙間が小さくなるように設計しておき、金属ピン6を挿入した状態で熱処理を行う。MgとBの混合粉末5の上部にMgが存在することは、線材固定だけでなく、Mg:B=1:2で混合された混合粉からのMg蒸発を抑制する効果もある。
<(d)ハンダ充填>
熱処理後、金属容器4を150℃〜300℃に加熱しながら、金属容器4の開口部よりハンダを流し込み、線材1と金属容器4を固定する。ハンダ9は一般的なPbSnハンダや鉛フリーハンダで構わないが、粘性が低い方が望ましい。本実施例では、Mg7とハンダ9による両方の固定を実施したが、どちらか片方だけでも構わない。ただし、Mg7はMgB2焼結体8の周辺しか固定せず、またハンダは金属容器4の開口部周辺のみにしか流れ込まない恐れがあるため、両方を実施する方が望ましい。ハンダ固定を実施しない場合は、熱処理前に金属容器4の開口部をセラミックボンドなどの耐熱接着剤もしくはネジ止めで封止することで、Mgの蒸発を防ぐことが可能となり、不活性ガス中だけでなく、真空中での熱処理も可能となる。本実施例では、接続部の通電特性は線材性能に対して10%程度であるが、Mgとハンダで線材が固定されることにより、そのバラツキを±10%以内に抑えることが可能となった。
図3に本実施例の接続手順を示す。実施例1と基本的に同じであるが、原料の充填方法が異なる。実施例1のようにMgとBの混合粉末5を熱処理して、MgB2焼結体8を作製した場合、Mgが存在していた部分が空隙となるため、生成したMgB2の密度は理論密度に対して最大50%程度である。
<(a)B充填><(b)Mg充填>
本実施例では、線材1を金属容器4へ挿入後、まずB10粉末のみを充填・加圧し、その後Mg7粉末を充填する。それにより、線材1の端部周辺には理論密度に対して70%以上の密度のMgB2焼結体8が形成され、高い通電特性が実現できる。なお、B10、Mg7は熱処理時に溶けるため、その形態は粉末でも塊でも構わない(粉末の場合は加圧が必要)。
<(c)熱処理後>
Bに対するMgの充填量を0.5モル以上にすれば、熱処理後に余分なMgが残ることになり、超電導線材の固定に寄与する。
<(d)ハンダ充填>
ハンダ9による固定に関しては実施例1と同様である。本実施例により、実施例1よりも高密度なMgB2焼結体が形成されるため、接続部の通電特性は線材性能に対して20%程度まで向上した。
図4〜7に本実施例3〜6の接続手順を示す。基本的な流れは実施例2と同様であるが、各実施例の特徴は、線材挿入方向と粉末加圧方向が異なること、望ましくはほぼ直交(80°〜100°)していることである。実施例1、2のように『線材の挿入方向』と『MgとBの混合粉末(またはB粉末)の加圧方向』が同一である場合、粉末を加圧した力が線材コアの断面に対して伝わりにくく、また加圧方向と平行に粉末密度勾配が生じてしまうため、線材コアと粉末の密着性を高めることが難しい。
一方、実施例3〜6のように『線材の挿入方向』と『Bの混合粉末(またはB粉末)の加圧方向』が直交していれば、加圧した力が直接線材コアの断面に加わり、また加圧面と線材コアの断面を近づけることができるため、粉末と線材コアの高い密着性を実現できる。よって、これらの実施例では、金属容器内部に位置する超電導線材の一端からみて、線材を挿入するための開口部と直交する方向に、Bの混合粉末(またはB粉末)を充填・加圧するための開口部を金属容器に設ける。ここでは、実施例2に記述したBとMgを二層充填する場合についてのみ言及するが、実施例1に記述したMgとBの混合粉を充填する場合でも、本発明に係る超電線材の接続部を製造可能である。
<(a)B充填><(b)Mg充填>
本実施例では、線材1を金属容器4へ挿入後、まずB10粉末のみを充填・加圧し、その後Mg7粉末を充填する。それにより、線材1の端部周辺には理論密度に対して70%以上の密度のMgB2焼結体8が形成され、高い通電特性が実現できる。
実施例3では、実施例2と同様に、過剰なMg7粉末を充填することで、線材1と金属容器4を固定した例である。この場合、金属容器4の開口部と線材1の間の隙間をセラミックボンド11による封止をしないと、線材挿入用の金属容器4の開口部から、溶融したMgが流出してしまうため、封止が必須である。そのため、熱処理後にハンダによる固定を実施することができない。
<(c)熱処理後>
Bに対するMgの充填量を0.5モル以上にすれば、熱処理後に余分なMgが残ることになり、超電導線材の固定に寄与する。図4に示すように、金属容器内部に位置する超電導線材の一端から開口部までの間にMg7が存在する。
図5は、図4とは逆にMgによる固定をあきらめ、ハンダにより固定した例である。
<(a)B充填><(b)Mg充填>
本実施例では、線材1を金属容器4へ挿入後、まずB10粉末のみを充填・加圧し、その後Mg7粉末を充填する。それにより、線材1の端部周辺には理論密度に対して70%以上の密度のMgB2焼結体8が形成され、高い通電特性が実現できる。
実施例4では、実施例2と同様に、過剰なMg7粉末を充填することで、線材1と金属容器4を固定した例である。ここでは、金属容器4の開口部と線材1の間の隙間にセラミックボンド11による封止はしていない。
<(c)熱処理後>
熱処理前に、金属ピン6をセラミックボンド11によって固定し、(b)Mg充填の接続部を約90度左回転して、金属ピン6が下側になるようにして熱処理することで、溶融したMgが流出しないようにする。図5に示すように、金属容器内部に位置する超電導線材の一端から開口部までの間にMg7が存在する。
<(d)ハンダ充填>
この場合、溶融したMg7は金属ピン6側にたまるため、Mg7による線材1の固定は期待できないが、金属容器4の線材挿入用の開口部は封止していないため、ハンダ9による固定を実施することが可能である。熱処理後、金属容器4を150℃〜300℃に加熱しながら、金属容器4の開口部よりハンダ9を流し込み、線材1と金属容器4を固定する。
実施例5は、図6のように、『線材の挿入方向』と『MgとBの混合粉末(またはB粉末)の加圧方向』をほぼ直交させ、さらにMgとハンダによる固定を実現した例である。
<(a)B充填><(b)Mg充填>
B10粉末を充填し、金属ピン6により加圧し、その金属ピン6をセラミックボンド11で固定して封止した後、過剰なMg7を線材挿入方向より充填する。それにより、余分なMg7は線材固定に寄与し、また熱処理後にハンダ9による固定を実施可能である。
なお、実施例5では、実施例3、4と同様に、『線材の挿入方向』と『MgとBの混合粉末(またはB粉末)の加圧方向』が異なること、望ましくはほぼ直交(80°〜100°)していることに加え、線材挿入方向とほぼ同一方向から金属ピン6により加圧することも特徴となる。
<(c)熱処理後>
熱処理後、余分なMg7は線材1と隣り合う位置に存在する。線材挿入方向と同一方向に位置する金属ピン6とMg7の間には空間が存在する。図6に示すように、金属容器内部に位置する超電導線材の一端から、線材1が存在する金属容器4の開口部までの間にMg7が存在する。
<(d)ハンダ充填>
熱処理後、金属容器4を150℃〜300℃に加熱しながら、金属容器4の開口部(線材1が存在する側)よりハンダ9を流し込み、線材1と金属容器4を固定する。
実施例6は、図7のように、線材挿入方向と粉末加圧方向を直交させ、さらにMgとハンダによる固定を実現した例である。Mgを充填するのは、線材と同一の開口部である必要はなく、図7に示すようにMg充填用の開口部を設けても良く、その方が充填の作業性が良い。例えば、複数の超電導線材の金属容器への挿入方向と、金属容器内部に位置する超電導線材の一端からMg充填用の開口部への方向とのなす角が10〜80°であると良い。
<(a)B充填><(b)Mg充填>
金属容器4において、『線材挿入方向』と『線材の挿入方向』と『MgとBの混合粉末(またはB粉末)の加圧方向』の間にMg充填用の開口部を設ける。
B10粉末を充填し、金属ピン6により加圧し、過剰なMg7をMg充填用の開口部から充填する。それにより、余分なMg7は線材固定に寄与し、また熱処理後にハンダ9による固定を実施可能である。
<(c)熱処理後>
熱処理後、余分なMg7は、金属容器4のMg充填用の開口部より内側であって、線材1と隣り合う位置に存在する。Mg充填用の開口部の金属ピン6とMg7の間には空間が存在する。図7に示すように、金属容器内部に位置する超電導線材の一端からMg充填用の開口部までの間にMg7が存在する。
<(d)ハンダ充填>
熱処理後、金属容器4を150℃〜300℃に加熱しながら、金属容器4の開口部(線材1が存在する側)よりハンダ9を流し込み、線材1と金属容器4を固定する。
実施例3〜6で得られる接続部の通電特性の最大値は、いずれも線材性能に対して50%程度の高い値が得られた。さらに、Mgとハンダで固定される実施例5〜6ではそのバラツキを±10%以内に抑えることが可能となった。
1:線材
2:コア
3:シース
4:金属容器
5:MgとBの混合粉末
6:金属ピン
7:Mg
8:MgB2焼結体
9:ハンダ
10:B
11:セラミックボンド
21:超電導接続部
22:超電導コイル
23:永久電流スイッチ
24:電流リード
25:支持板
26:冷却容器

Claims (17)

  1. 金属容器内で、複数の超電導線材が、MgB2を含む焼結体によって一体化された超電導線材の接続部であって、
    前記金属容器内部で、前記超電導線材と隣接して、Mgが存在することを特徴とする超電導線材の接続部。
  2. 請求項1に記載の超電導線材の接続部であって、
    前記超電導線材が、前記金属容器内部で前記金属容器とハンダを介してつながっていることを特徴とする超電導線材の接続部。
  3. 請求項1また2に記載の超電導線材の接続部であって、
    前記焼結体の密度が、MgB2の理論密度の70%以上であることを特徴とする超電導線材の接続部。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の超電導線材の接続部であって、
    前記金属容器が、前記金属容器内部に位置する前記超電導線材の一端からみて、前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向とは異なる方向に、開口部を有することを特徴とする超電導線材の接続部。
  5. 請求項4に記載の超電導線材の接続部であって、
    前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向と、前記金属容器内部に位置する前記超電導線材の一端から前記開口部への方向とのなす角が80〜100°であることを特徴とする超電導線材の接続部。
  6. 請求項4に記載の超電導線材の接続部であって、
    前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向と、前記金属容器内部に位置する前記超電導線材の一端から前記開口部への方向とのなす角が10〜80°であることを特徴とする超電導線材の接続部。
  7. 請求項4乃至6のいずれかに記載の超電導線材の接続部であって、
    前記金属容器内部に位置する前記超電導線材の一端から前記開口部までの間にMgが存在することを特徴とする超電導線材の接続部。
  8. 超電導線材の接続方法であって、
    金属容器の開口部に、複数の超電導線材を挿入する挿入工程と、
    前記複数の超電導線材の近傍にMgB2焼結体の原料を充填する充填工程と、
    前記充填された原料を加熱する加熱工程と、を有し、
    前記MgB2焼結体の原料において、MgのBに対するモル比は0.5より大きいことを特徴とする超電導線材の接続方法。
  9. 請求項8に記載の超電導線材の接続方法であって、
    前記充填工程は、MgとBの混合物を充填する第1充填工程と、前記第1充填工程の後にMgを充填する第2充填工程とを含むことを特徴とする超電導線材の接続方法。
  10. 請求項8に記載の超電導線材の接続方法であって、
    前記充填工程は、Bを充填する第1充填工程と、前記第1充填工程の後にMgを充填する第2充填工程とを含むことを特徴とする超電導線材の接続方法。
  11. 請求項9に記載の超電導線材の接続方法であって、
    前記第1充填工程及び第2充填工程の充填方向と、前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向のなす角が80〜100°であることを特徴とする超電導線材の接続方法。
  12. 請求項10に記載の超電導線材の接続方法であって、
    前記第1充填工程及び第2充填工程の充填方向と、前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向のなす角が80〜100°であることを特徴とする超電導線材の接続方法。
  13. 請求項9に記載の超電導線材の接続方法であって、
    前記第1充填工程の充填方向と、前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向のなす角が80〜100°であり、
    前記第2充填工程の充填方向と、前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向のなす角が−10〜10°であることを特徴とする超電導線材の接続方法。
  14. 請求項10に記載の超電導線材の接続方法であって、
    前記第1充填工程の充填方向と、前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向のなす角が80〜100°であり、
    前記第2充填工程の充填方向と、前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向のなす角が−10〜10°であることを特徴とする超電導線材の接続方法。
  15. 請求項9に記載の超電導線材の接続方法であって、
    前記第1充填工程の充填方向と、前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向のなす角が80〜100°であり、
    前記第2充填工程の充填方向と、前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向のなす角が10〜80°であることを特徴とする超電導線材の接続方法。
  16. 請求項10に記載の超電導線材の接続方法であって、
    前記第1充填工程の充填方向と、前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向のなす角が80〜100°であり、
    前記第2充填工程の充填方向と、前記複数の超電導線材の前記金属容器への挿入方向のなす角が10〜80°であることを特徴とする超電導線材の接続方法。
  17. 請求項8乃至16のいずれかに記載の超電導線材の接続方法であって、
    前記加熱工程の後に、前記複数の超電導線材の隙間から前記金属容器の開口部にハンダを流し込むハンダ工程を有することを特徴とする超電導線材の接続方法。
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