JP2013091739A - 孔版印刷用w/oエマルションインク - Google Patents
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Abstract
【課題】孔版印刷用W/Oエマルションインクを、孔版印刷機上で長期放置されても版胴やスクリーン目詰まりによる画像カスレなどの印刷不良を起こさないものとする。
【解決手段】油相および水相からなる孔版印刷用エマルションインクにおいて、モース硬度が2以上9以下で、平均粒径が4μm以上30μm以下である不溶性微粒子を含有させる。
【選択図】なし
【解決手段】油相および水相からなる孔版印刷用エマルションインクにおいて、モース硬度が2以上9以下で、平均粒径が4μm以上30μm以下である不溶性微粒子を含有させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、孔版印刷用W/Oエマルションインクに関するものである。
孔版印刷は、孔版印刷原紙(マスター)を用いて製版を行い、原紙に形成された穿孔部からインクを供給して印刷用紙等の被印刷体に印刷を行うものであり、版の作製が容易なことから幅広い分野で利用されている。孔版印刷に用いるインクとしては、一般に油中水(W/O)型エマルションインクが使用されている。
エマルションインクには印刷用紙等への固着性を良好にする目的で、固形の樹脂等が添加されている(特許文献1)。また、エマルションインクの油相中の樹脂成分に酸化重合等の重合タイプの樹脂を使用する方法が知られており、指触乾燥性向上のために特許文献2には、アルキド樹脂とアルミニウムキレート化合物を添加することが記載されている。特許文献3には、インクの定着性向上を目的として、樹脂とゲル化剤を含む孔版印刷エマルションインクが記載されている。さらに、水相に樹脂を添加したものも知られており、特許文献4に記載のエマルションインクでは、定着性を向上するために多量の疎水性樹脂を水相に添加している。
上記のようにエマルションインクにおいて、樹脂等のような印刷用紙等に対して固着性、定着性を付与する物質(以下、固着性付与物質ともいう)は印刷用紙等への良好な固着性、定着性を確保するためには必須である。しかし一方で、長期未使用状態で放置すると孔版印刷機の版胴やスクリーンのインク溜まり部でインクに含まれる固着性付与物質が皮膜を形成してしまい、これが孔版印刷機の版胴やスクリーンで目詰まりを起こし、画像カスレを発生してしまうという問題があった。
目詰まり等を解決するためには固着性付与物質の添加量を減らすということが考えられるが、固着性付与物質の添加量を減らせば勢いエマルションインクの固着性、定着性は悪くなる。すなわち、印刷用紙等への固着性等と長期放置性能とはトレードオフの関係にあり、いずれかを優先してインクを製造しているというのが実情である。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、孔版印刷機上で長期放置されても版胴やスクリーン目詰まりによる画像カスレなどの印刷不良をおこさず、固着性、定着性の良好な孔版印刷用W/Oエマルションインクを提供することを目的とするものである。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、孔版印刷機上で長期放置されても版胴やスクリーン目詰まりによる画像カスレなどの印刷不良をおこさず、固着性、定着性の良好な孔版印刷用W/Oエマルションインクを提供することを目的とするものである。
本発明の孔版印刷用W/Oエマルションインクは、油相および水相からなる孔版印刷用エマルションインクにおいて、モース硬度が2以上9以下で、平均粒径が4μm以上30μm以下である不溶性微粒子を含有することを特徴とするものである。
前記不溶性微粒子のモース硬度は3以上7以下であることが好ましい。
前記不溶性微粒子の含有量はインク全量に対し0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
前記不溶性微粒子のモース硬度は3以上7以下であることが好ましい。
前記不溶性微粒子の含有量はインク全量に対し0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
本発明の孔版印刷用W/Oエマルションインクは、モース硬度が2以上9以下で、平均粒径が4μm以上30μm以下である不溶性微粒子を含有するので、長期放置によって孔版印刷機の版胴やスクリーンのインク溜まり部で固着性付与物質が皮膜を形成して目詰まりが発生しても、機械放置後の刷り出しで新たに供給されたインク中に含有する不溶性微粒子によって皮膜を破壊することで目詰まりを解消でき、画像カスレのない印刷物を得ることができる。
また、上記所定の不溶性微粒子を含有するので、樹脂等のような固着性付与物質の含有量を減らす必要がないため、インクの固着性、定着性を確保することができる。
また、上記所定の不溶性微粒子を含有するので、樹脂等のような固着性付与物質の含有量を減らす必要がないため、インクの固着性、定着性を確保することができる。
以下、本発明の孔版印刷用W/Oエマルションインクを詳細に説明する。本発明の孔版印刷用W/Oエマルションインクは、油相および水相からなる孔版印刷用エマルションインクにおいて、モース硬度が2以上9以下で、平均粒径が4μm以上30μm以下である不溶性微粒子を含有することを特徴とする。
ここで、不溶性微粒子とはインクの溶剤に不溶であって、インクの色味に影響を与えない微粒子を意味する。
ここで、不溶性微粒子とはインクの溶剤に不溶であって、インクの色味に影響を与えない微粒子を意味する。
不溶性微粒子はモース硬度が2以上9以下であり、3以上7以下がより好ましい。モース硬度が2未満であると、長期放置で形成したインク皮膜の破壊が困難であり、目詰まりが解消されないため、画像カスレが発生する。一方で、モース硬度が9よりも大きくなると、目詰まりの解消は容易であるものの、印刷機内の版胴やスクリーンを磨耗してしまい、機械耐久性を低下させてしまうため好ましくない。
不溶性微粒子の平均粒径は4μm以上30μm以下であり、好ましくは4μm以上20μm以下、さらには4μm以上15μm以下が望ましい。平均粒径が4μm未満の場合には、長期放置で形成したインク皮膜の破壊が充分でないため、目詰まりが解消され難く、画像カスレの発生枚数が多くなる。一方で、平均粒径が30μmよりも大きくなると、不溶性微粒子自体がマスターに詰まり、多数枚印刷するにつれて画像がかすれてしまう。なお、本発明において、平均粒径は、島津製作所製、粉体比表面積測定装置SS−100型による粉末1g当たりの比表面積値を用いて下記計算式から算出した粉末の平均粒径を意味する。
平均粒子径=6/(比重×比表面積)×10000〔μm〕
平均粒子径=6/(比重×比表面積)×10000〔μm〕
不溶性微粒子の含有量はインク全量に対し0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、さらには0.1質量%以上3質量%以下であることが望ましい。含有量が0.1質量%未満の場合には、長期放置で形成したインク皮膜の破壊が充分でないため、目詰まりが解消され難く、画像カスレの発生枚数が多くなる。一方で、含有量が10質量%よりも多くなるとインクの粘度が高くなりすぎたり、インクの粘性が高くなってドラム後端からインクが漏れるなどの印刷適正に問題を生じる。
不溶性微粒子としては、例えばケイ酸アルミニウム(カオリン)[モース硬度2]、炭酸カルシウム[モース硬度3]、酸化マグネシウム[モース硬度4]、ゼオライト[モース硬度4〜6]、リン酸カルシウム[モース硬度5]、アルミノシリケート[モース硬度5〜7]、二酸化ケイ素[モース硬度7]、酸化チタン(ルチル)[モース硬度7〜7.5]、酸化アルミニウム[モース硬度9]等を好適に挙げることができる。
エマルションインクの場合、紙への固着性を確保するためには樹脂等の固着性付与物質の含有は必須である。一方で、長期未使用状態で放置すると孔版印刷機の版胴やスクリーンのインク溜まり部でインクに含まれる固着性付与物質が皮膜形成してしまい、孔版印刷機の版胴やスクリーンで目詰まりを起こし、画像カスレを発生してしまう。通常、目詰まりを解決するためには樹脂等の添加量を減らして皮膜の形成を抑制するという手法をとるが、本発明のインクは固着性付与物質が形成する皮膜を不溶性微粒子によって破壊して取り去るという、発想の転換を図ることによって固着性と長期放置性能の両立に成功したものである。
なお、従来、インクの滲みや裏抜けを抑制する等の目的でインクに添加されている体質顔料の平均粒径は、インクを印刷用紙等の表面に留めるという観点から印刷用紙等の繊維が形成する間隙よりも大きく、マスターへの詰まりを防止するため原紙に形成される穿孔よりも小さく、概ね平均粒径は1.6〜3.5μmの範囲のものが使用されている。本発明のインクは、従来こういった事情によって使用されていなかった不溶性微粒子をあえて含有させることによって、固着性付与物質が形成する皮膜を除去するものであり、従来のインクの処方に大きな変更を来すことなく、長期放置性能を得ることが可能となる。
従って、本発明のインクの処方は不溶性微粒子を含むこと以外は、従来公知のエマルションインクの処方と基本的に変わりはなく、通常のエマルションインクと同様に油相と水相とからなる。不溶性微粒子は水相、油相のどちらに配合してもよい。油相は、溶剤、樹脂、着色剤、分散剤から主として構成されるが、必要に応じて、ゲル化剤、酸化防止剤等の公知の成分を適宜含ませることができる。油相の割合はインク全量に対して20質量%〜50質量%であることが好ましく、30質量%〜60質量%であることがより好ましい。
溶剤としては、非極性溶剤及び極性溶剤の何れも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、または、単一の相を形成する限り、2種以上を組み合わせて使用できる。非極性溶剤としては、ナフテン系、パラフィン系、イソパラフィン系等の石油系炭化水素溶剤を使用でき、具体的には、ドデカンなどの脂肪族飽和炭化水素類、エクソンモービル社製「アイソパー、エクソール」(いずれも商品名)、新日本石油社製「AFソルベント」(商品名)、サン石油社製「サンセン、サンパー」(いずれも商品名)等が挙げられる。極性溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤などが挙げられる。植物油も使用でき、植物油としてはヤシ油、パーム油等の植物脂、大豆油、オリーブ油、ヒマシ油、アマニ油等が挙げられる。溶剤及び植物油の含有量は、インク全量に対して1〜50質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましい。
樹脂はインクに粘度を付与し、エマルションの安定性を向上させるもので、油相に溶解するものが用いられる。樹脂を含ませることにより、顔料の分散性、印刷用紙等への定着性、転写汚れの抑制を向上させることができる。樹脂としては、たとえば、ロジン、ギルソナイト、ロジンエステル、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、石油樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂、天然ゴム誘導体樹脂等を好ましく用いることができ、アルキド樹脂、フェノール樹脂をより好ましく用いることができる。また、アルキド樹脂またはロジン変性樹脂とアルミニウムキレート化合物またはアルミニウムアルコラートとの反応生成物も、好ましく用いることができる。
樹脂の含有量は、インク全量に対して3〜25質量%であることが好ましく、8〜20質量%であることがより好ましい。樹脂の含有量が3質量%より少なくなると、顔料の分散性が悪くなる。また、インクの油相粘度が低くなってしまい、インクの転写量が過剰になってしまうため好ましくない。本発明のインクは樹脂等の固着性付与物質が放置によって形成する皮膜を不溶性微粒子によって破壊して取り去るものであるが、樹脂の含有量が25質量%より多くなると、インクの油相粘度が高くなってしまい、被印刷体への浸透が遅くなってしまうため好ましくない。
着色剤としては、印刷物の耐候性が高いことから、顔料を使用することが好ましい。顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、カーボンブラック、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料などが好適に使用できる。とりわけ、アゾ系顔料は本発明の効果が特に顕著に確認できる顔料である。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。着色剤は、インク全量に対して0.01〜20質量%の範囲で含有されることが好ましい。
着色剤として顔料を使用する場合、油相中における顔料の分散を良好にするために、油相に顔料分散剤を添加することができる。本発明で使用できる顔料分散剤としては、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであれば特に限定されないが、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を用いることができ、中でも主鎖にポリアミド構造を有し、側鎖にポリエステル構造を有した櫛型のポリマーが好ましい。顔料分散剤の含有量は、インク全量に対して0〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
界面活性剤はW/Oエマルションを構成するために用いられ、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤のいずれを用いてもよい。このうち、油中水型エマルションの乳化性や保存安定性の観点から、非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。
具体的には、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノイソステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルテトラオレエート、デカグリセリルデカオレエート、ヘキサグリセリルペンタオレエート等の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、(ポリ)エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油等を好ましく挙げることができる。上記界面活性剤は、単独で用いてもよいし、二種類以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
水相中には、水の他、必要に応じて水蒸発抑制剤(または凍結防止剤)、電解質、pH調整剤、酸化防止剤等を含ませることができる。
水蒸発抑制剤(または凍結防止剤)としては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類等の、水溶性有機溶剤等を好ましく挙げることができ、その含有量は、水相全量に対して1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。
水蒸発抑制剤(または凍結防止剤)としては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類等の、水溶性有機溶剤等を好ましく挙げることができ、その含有量は、水相全量に対して1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。
電解質としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素カリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸カリウム、ホウ酸ナトリウム等が挙げられ、その含有量は、水相全量に対して0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜2.0質量%であることがより好ましい。
本発明のインクは、公知の方法で調製することができる。例えば油相は、公知の分散機で着色剤を溶剤、樹脂の混合体に分散した後、さらに溶剤で希釈し、その他の油相成分を添加して調製することができる。希釈には、それ自体公知の撹拌機を使用することができる。水相は、水相の成分を、撹拌機により水に混合・溶解することにより調製することができる。不溶性微粒子は市販のものを未処理で添加してもよいし、着色剤と同様に分散機で分散させてもよい。そして、公知の乳化機を使用し、攪拌下の油相中に水相を滴下することにより、本発明のインクを得ることができる。これらの分散、稀釈、乳化等を行うにあたって採用される条件等は、適宜選択することができる。
以下に本発明のインクの実施例を示す。
以下に本発明のインクの実施例を示す。
(インクの調製)
表1に示す配合(表1に示す数値は質量部である)により、以下の手順に従い、各実施例、比較例のインクを調製した。まず、顔料として縮合アゾ顔料、樹脂成分としてアルキド樹脂(荒川化学工業株式会社製)、界面活性剤としてソルビタンモノオレエート(花王株式会社製)、溶剤としてAF6号ソルベントを混合し、三本ロールで充分に分散した。この油相中に市販の不溶性微粒子(社名は表1中に表記)を添加した後、油相中に水、グリセリンおよび硫酸マグネシウム7水和物を混合した水相混合溶液を徐々に滴下し、攪拌翼を回転させて乳化を行い、油中水型孔版印刷用エマルションインクを得た。
表1に示す配合(表1に示す数値は質量部である)により、以下の手順に従い、各実施例、比較例のインクを調製した。まず、顔料として縮合アゾ顔料、樹脂成分としてアルキド樹脂(荒川化学工業株式会社製)、界面活性剤としてソルビタンモノオレエート(花王株式会社製)、溶剤としてAF6号ソルベントを混合し、三本ロールで充分に分散した。この油相中に市販の不溶性微粒子(社名は表1中に表記)を添加した後、油相中に水、グリセリンおよび硫酸マグネシウム7水和物を混合した水相混合溶液を徐々に滴下し、攪拌翼を回転させて乳化を行い、油中水型孔版印刷用エマルションインクを得た。
(評価)
(長期放置後の画像カスレ)
実施例および比較例のインクを用いて孔版印刷機リソグラフRZ970(理想科学工業株式会社製)により印刷を行った後、3ヶ月間放置し、放置後にオートアイドリングを1回実施した後、製版・印刷を行い、画像が全面に出ているかどうかを目視により、以下の基準で評価した。
◎:画像が全面に速やかに出る
○:立ち上がりに数枚要するものの、全面立ち上がっている
△:僅かに画像が立ち上がらない部分がある
×:立ち上がらない箇所が多く、実使用に耐えない
(長期放置後の画像カスレ)
実施例および比較例のインクを用いて孔版印刷機リソグラフRZ970(理想科学工業株式会社製)により印刷を行った後、3ヶ月間放置し、放置後にオートアイドリングを1回実施した後、製版・印刷を行い、画像が全面に出ているかどうかを目視により、以下の基準で評価した。
◎:画像が全面に速やかに出る
○:立ち上がりに数枚要するものの、全面立ち上がっている
△:僅かに画像が立ち上がらない部分がある
×:立ち上がらない箇所が多く、実使用に耐えない
(多数枚印刷時の画像安定性)
実施例および比較例のインクを用いて孔版印刷機リソグラフRZ970(理想科学工業株式会社製)により4,000枚の印刷を行ない、印刷初期と終期の画像の変化について目視により、以下の基準で評価した。
◎:画像に変化はなく、安定している
×:画像がかすれてしまい、実使用に耐えない
実施例および比較例のインクを用いて孔版印刷機リソグラフRZ970(理想科学工業株式会社製)により4,000枚の印刷を行ない、印刷初期と終期の画像の変化について目視により、以下の基準で評価した。
◎:画像に変化はなく、安定している
×:画像がかすれてしまい、実使用に耐えない
(版胴・スクリーンの耐久性)
実施例および比較例のインクを用いて孔版印刷機リソグラフRZ970(理想科学工業株式会社製)により、4,000枚の印刷を行ない、印刷機の版胴、スクリーン上のインクを布で拭き取り、傷や磨耗の有無を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
◎:傷付きはない
○:やや傷いている
×:傷が多く、すり減っている
インクの処方とともに評価結果を表1に示す。
実施例および比較例のインクを用いて孔版印刷機リソグラフRZ970(理想科学工業株式会社製)により、4,000枚の印刷を行ない、印刷機の版胴、スクリーン上のインクを布で拭き取り、傷や磨耗の有無を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
◎:傷付きはない
○:やや傷いている
×:傷が多く、すり減っている
インクの処方とともに評価結果を表1に示す。
表1に示すように、モース硬度が2以上9以下で、平均粒径が4μm以上30μm以下である不溶性微粒子を含有する実施例1〜5では長期放置後の画像カスレがなく、多数枚印刷時の画像も安定しており、樹脂の含有によって良好な定着性も得られた。一方、不溶性微粒子を含まない比較例1は版胴やスクリーンに形成した固着性付与物質に起因する皮膜によって目詰まりが起こり画像カスレが生じた。不溶性微粒子の平均粒径が小さすぎる比較例2やモース硬度が小さすぎる比較例4では形成した目詰まりを解消することができず、画像かすれが生じた。また、比較例3では長期放置後の画像カスレは起こらなかったものの、不溶性微粒子の平均粒径が大きいために、不溶性微粒子自体がマスターに詰まり、多数枚印刷するにつれて画像カスレが起きた。
機械放置後の刷り出しで新たに供給されたインク中に含有する不溶性微粒子によって皮膜を破壊することで目詰まりを解消できるもので、不溶性微粒子はいわば研磨剤として機能するため、版胴やスクリーンに摩耗が発生することが懸念されるが、本発明のインクに含まれる特定範囲のモース硬度、平均粒径を有する不溶性微粒子は版胴やスクリーンの耐久性に影響を起こさなかった。一方で、モース硬度の高い不溶性微粒子を含む比較例5では印刷機内の版胴やスクリーンに傷が発生した。
以上のように、本発明のインクは長期放置によって孔版印刷機の版胴やスクリーンのインク溜まり部で固着性付与剤が皮膜を形成して目詰まりが発生しても、機械放置後の刷り出しで新たに供給されたインク中に含有する不溶性微粒子によって皮膜を破壊することで目詰まりを解消でき、画像カスレのない印刷物を得ることができる。
なお、上記実施例では不溶性微粒子を油相に含有する場合を示したが、上記作用からすれば水相に含有させた場合にも同様の効果が得られることが推測される。
なお、上記実施例では不溶性微粒子を油相に含有する場合を示したが、上記作用からすれば水相に含有させた場合にも同様の効果が得られることが推測される。
Claims (3)
- 油相および水相からなる孔版印刷用エマルションインクにおいて、モース硬度が2以上9以下で、平均粒径が4μm以上30μm以下である不溶性微粒子を含有することを特徴とする孔版印刷用W/Oエマルションインク。
- 前記不溶性微粒子のモース硬度が3以上7以下であることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷用W/Oエマルションインク。
- 前記不溶性微粒子の含有量がインク全量に対し0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の孔版印刷用W/Oエマルションインク。
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