JP2011021086A - 油中水型孔版印刷用エマルションインキ - Google Patents

油中水型孔版印刷用エマルションインキ Download PDF

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Abstract

【課題】油中水型孔版印刷用エマルションインキを、孔版印刷機の両面転写汚れを抑制することが可能であって、印刷機の版胴とマスターの端部からのインキ漏れ、マスターにじみによるマスター周辺の印刷機および印刷物の汚れを抑制することができるものとする。
【解決手段】油相および水相を有する油中水型孔版印刷用エマルションインキにおいて、油相成分中に含まれるカーボンブラックを、pH値6以上10以下、一次粒子径が20nm以上50nm以下、かつDBP吸収量が70cm3/100g以上175cm3/100g以下のものとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、油中水型孔版印刷用エマルションインキ、詳細にはカーボンブラックを含有する油中水型孔版印刷用エマルションインキに関するものである。
孔版印刷用インキとしては、従来より油中水(W/O)型エマルションインキが使用されており、一般に使用されている孔版印刷用エマルションインキは、インキ自体が乾燥固化するものではなく、紙などの印刷物に浸透して乾燥する浸透乾燥方式のインキである。
近年、孔版印刷機においても両面印刷の要求が増えてきている。しかし、浸透乾燥方式が一般的である孔版印刷機においては、両面印刷時の1版目(表面)に印刷されたインキがプレスロールおよび搬送ロールに転写し、このプレスロールおよび搬送ロールに付着したインキが2版目(裏面)に転写することによる汚れ(転写汚れ)が発生するという問題があった。
W/O型エマルションインキは紙などの被印刷体に印刷されると、まずエマルションの外相である油相成分が被印刷体に浸透し、次いで内相である水相成分が紙部分に浸透および飛散すると考えられており、紙への浸透速度はインクの粘度に依存する。つまり、インキの粘度を低くすれば紙への浸透速度が速くなって、両面印刷時の転写汚れを抑制することが可能であると考えられる。
しかし、孔版印刷用インキはインキ粘度が低いと、版胴外部へのインキのはみ出しが起きやすくなる。例えば、軟らかいインキを使用した場合に孔版印刷用原紙(いわゆるマスター)の後端部からインキが漏出してプレスロールや被印刷体を汚す問題(特許文献1)、流動特性として見かけ粘度の割に降伏値が低ければ印刷機内での尻漏れ(マスターの後端部からのインキ漏出現象)・脇漏れ(マスターの側縁部からのインキ漏出現象)が発生する問題(特許文献2)が指摘されている。
これらの問題を具体的に解決する手段として、水分が蒸発しても見かけ粘度が低下しないようにする方法(特許文献3)、印刷機内の版胴上に存在するインキ量(貯留インキ量)を最少量にする方法(特許文献4)、油相に有機ベントナイトを配合する方法(特許文献5)などが提案されている。
特開昭63−161064号公報 特開平10−81846号公報 特開平4−288375号公報 特開平10−245516号公報 特公昭54−23601号公報
しかし、上記特許文献3〜5に記載されている方法は、両面印刷を想定したものではないため両面印刷時の転写汚れを抑制することは十分ではなく、実際の印刷機で数千枚以上の多数枚印刷を行うと、マスターの後端部からインキの漏出(インキ漏れ)を生じることがある。
また、印刷機を長期間使用せずに放置しておくと、インキ中の揮発成分の飛散によりインキ粘度の低下は避けられず、マスターの印面にあるインキ成分が多孔質支持体を通じて拡散し、マスターの印面外まで展開しやすくなる(いわゆるマスターにじみ)。これにより、インキ成分がクランプ板(ドラムにマスターを装着し支える部位)まで達して排版不良を引き起こしたり、用紙の搬送がずれた際にマスターの端面からはみ出したインキ成分によってマスター周辺の印刷機および印刷物を汚すという問題が起きる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、孔版印刷機の両面転写汚れを抑制することが可能であって、印刷機の版胴とマスターの端部からのインキ漏れ、マスターにじみによるマスター周辺の印刷機および印刷物の汚れを抑制することが可能な油中水型孔版印刷用エマルションインキを提供することを目的とするものである。
本発明の油中水型孔版印刷用エマルションインキは、油相および水相を有する油中水型孔版印刷用エマルションインキにおいて、油相成分中に含まれるカーボンブラックが、pH値6以上10以下、一次粒子径が20nm以上50nm以下、かつDBP吸収量が70cm3/100g以上175cm3/100g以下であることを特徴とするものである。
前記pH値は7以上8以下であることがより好ましい。前記DBP吸収量は95cm3/100g以上175cm3/100g以下であることがより好ましい。
前記油相中には望ましくは顔料分散剤を含むことが好ましい。
本発明の油中水型孔版印刷用エマルションインキは、油相成分中に含まれるカーボンブラックが、特定のpH値、一次粒子径、DBP吸収量を有するものであり、pH値6以上10以下のカーボンブラックを使用することで、放置によるマスター上での顔料展開が抑制することができマスターにじみを抑制することが可能である。また、一次粒子径が20nm以上のカーボンブラックを使用することで、顔料分散性が良く、両面印刷時の転写汚れを抑制することができる。さらに、一次粒子径が50nm以下であって、DBP吸収量が70cm3/100g以上175cm3/100g以下のカーボンブラックを使用することで、多枚数印刷時のインキ漏れを抑制することができる。
本発明の油中水型孔版印刷用エマルションインキに用いられるカーボンブラックの概略模式図である。 pH値とマスターにじみとの関係を示す図である。 一次粒子径と転写汚れとの関係を示す図である。 一次粒子径、DBP吸収量およびインキ漏れとの関係を示す図である。
本発明の油中水型孔版印刷用エマルションインキは、油相および水相を有する油中水型孔版印刷用エマルションインキ(以下、単にインキという)において、油相成分中に含まれるカーボンブラックが、pH値6以上10以下、一次粒子径が20nm以上50nm以下、かつDBP吸収量が70cm3/100g以上175cm3/100g以下であることを特徴とする。
まず、カーボンブラックの基本特性について説明する。図1はカーボンブラックの特性を説明するためのカーボンブラックの概略模式図である。カーボンブラックの基本特性は、図1に示すように一次粒子径の大きさ、ストラクチャーの大きさ、及び表面性状(カーボンブラック表面の官能基に由来する化学的性質)で説明することができる。
一次粒子径はカーボンブラックの球状の粒子の大きさであり、カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径として求められる。この一次粒子径の大きさはインキの色相、着色力、顔料分散性、流動性に影響を与える因子となる。
カーボンブラックの最小分散体である一次凝集体は、通常は粒子が多数凝集して不規則な枝分かれした複雑な形状をしている。この粒子のつながりの大きさがストラクチャーである。カーボンブラックは、ストラクチャーの大きさによって作られる空隙が異なるため、DBP吸収量によってストラクチャーを間接的に定量化することができる。DBP吸収量は、カーボンブラック100gが吸収するDBP(ジブチルフタレート)量であり(JIS K6221)、一般にストラクチャーが発達しているほど大きくなる。このストラクチャーの大きさはインキの色相、顔料分散性、流動性に影響を与える因子となる。
また、カーボンブラックの表面には図1に模式的に示すように、ヒドロキシル基やカルボキシル基など各種の官能基が存在しており、これらの量や組成により表面性状が異なる。この表面性状はpHを測定することで間接的に測定できる。カーボンブラックのpHは、JIS Z8802に従い、カーボンブラックを室温で水中に添加して充分攪拌し、その水のpHを測定することにより得られる。この表面性状はインキの光沢、乳化特性、インキの乾燥に影響を与える因子となる。
一般に油系の顔料分散は、酸塩基相互作用により樹脂や顔料分散剤が顔料に吸着し、樹脂や顔料分散剤の立体障害によって安定化していると考えられている。カーボンブラックは通常中性〜弱アルカリ性を有しているが、酸塩基相互作用を高めて顔料分散性を向上させるために、極性の高い官能基を付与させる酸性処理を施すことがある。しかし、酸性処理を施したカーボンブラックを使用すると、樹脂や顔料分散剤との吸着が高くなるため、印刷機を長期間使用しない時に、マスターの印面上にあるインキが顔料を伴って印面外に展開しマスターにじみが起こる。本発明のインキはpH6以上10以下のカーボンブラックを使用することにより、酸性に処理されたカーボンブラックより酸塩基相互作用が乏しくなるため、顔料表面への吸着点が少なくなり、顔料を伴ったビヒクルの展開を抑制することが可能で、マスター周辺機器および印刷物の汚れの原因となるマスターにじみを抑制することができる。本発明のカーボンブラックのpHは7以上8以下であることがより好ましい。
しかし、表面処理が施されていないカーボンブラックは、上記理由により、表面処理されているカーボンブラックよりも顔料分散性は悪くなる。カーボンブラックは、一次粒子径が大きいほど同じ重量添加率では顔料粒子数が少ないため、粒子間の距離が長くなり顔料分散性を向上させることができる。また、ストラクチャーが高いほど一次凝集体の平均距離が大きくなっており、一次凝集体を引き離すのに必要なエネルギーは小さくて済むため、顔料分散性を向上させることができると考えられる。さらに、一次粒子径が大きいほど同じ重量添加では顔料粒子数が少ないからカーボンブラックの表面積は小さくなる。このため、ビヒクルからのカーボンブラックの離脱が早まるため乾燥性が向上し、両面印刷時の転写汚れが抑制できると考えられる。本発明では、カーボンブラックの一次粒子径を20nm以上とすることにより、転写汚れの抑制と顔料分散性を両立することが可能である。
一方で、インキの流動性は多枚数印刷時の漏れに大きな影響を与える要因であるが、一次粒子径が小さくなると、同じ重量添加率ではカーボンブラックの粒子数が多くなるため流動性が減少する。また、ストラクチャーが大きいと、粒子同士の空隙が大きくなるため、溶剤が保持されやすくなり流動性が減少する。本発明では、カーボンブラックの一次粒子径の上限を50nm以下、DBP吸収量が70cm3/100g以上、より好ましくは95cm3/100g以上のストラクチャーの高いカーボンブラックを用いることにより多枚数印刷時のインキ漏れを抑制することができる。なお、DBP吸収量は大きいほど多枚数印刷時のインキ漏れを抑制できるが、カーボンブラックの想定されるDBP吸収量の上限は175cm3/100g以下である。
本発明において用いられるpH6以上10以下のカーボンブラックは、各種製造方法によって得られるカーボンブラックのうち、酸化処理量が少ないか又は酸化処理を施さない製造方法によって得られたものの中から適宜選択することができ、また、製造工程において酸化処理量を変化させることによってpH6以上10以下に調整することもできる。
本発明に用いられるカーボンブラックは、例えば、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等から選択することができる。
本発明において、カーボンブラックの添加量は、インキ全量に対して1〜30質量%が好ましく、特に、3〜10質量%の範囲であることが好ましい。
本発明のインキは、油相と水相とからなり、油相は、基本的に、カーボンブラック、界面活性剤(乳化剤)、樹脂成分、油成分、顔料分散剤等から構成される。
本発明のインキには、カーボンブラックの他に、着色剤として、例えば、銅、鉄、酸化チタン、紺青等の無機顔料、フタロシアニン顔料、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、キナクリドン等の有機顔料を添加してもよい。
また、印刷物の画質を向上させるために、インキ中に体質顔料を含有させることができる。体質顔料としては、たとえば、シリカ、白土、タルク、クレー、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウムを用いることができ、これらの2種以上を併用してもよい。体質顔料は、多量に含有させると被印刷体への着色剤の定着を阻害したり、印刷機の非使用後の印刷性能に支障をきたす恐れがあるため、5質量%以下の範囲で含有させることが好ましく、より好ましくは2質量%以下である。
界面活性剤は、油中水型エマルションを構成するために用いられ、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤のいずれを用いてもよい。このうち、油中水型エマルションの乳化性や保存安定性の観点から、非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。具体的には、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノイソステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルテトラオレエート、デカグリセリルデカオレエート、ヘキサグリセリルペンタオレエート等の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、(ポリ)エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油等を好ましく挙げることができる。上記界面活性剤は、単独で用いてもよいし、二種類以上を適宜組み合わせて用いることもできる。界面活性剤の含有量は、インキ全質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
樹脂はインキに粘度を付与し、エマルションの安定性を向上させるもので、油相に溶解するものが用いられる。樹脂を含ませることにより、カーボンブラック、その他の顔料や体質顔料の顔料分散性、紙への定着性、転写汚れの抑制を向上させることができる。樹脂としては、たとえば、ロジン、ギルソナイト、ロジンエステル、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、石油樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂、天然ゴム誘導体樹脂等を好ましく用いることができ、アルキド樹脂、フェノール樹脂をより好ましく用いることができる。また、アルキド樹脂またはロジン変性樹脂とアルミニウムキレート化合物またはアルミニウムアルコラートとの反応生成物も、好ましく用いることができる。樹脂の含有量は、インキ全質量に対して1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。
上記したように、一般的に油系の顔料分散は、酸塩基相互作用により樹脂・顔料分散剤が顔料に吸着し、樹脂・顔料分散剤の立体障害によって安定化していると考えられている。例えばアルキド樹脂であれば、ヒドロキシル基やカルボキシル基が存在し、それらの極性基が顔料表面に吸着する。そして、炭素鎖が長いため、顔料表面に吸着した樹脂によって、顔料同士の凝集をより抑制することが可能である。
油成分としては、各種工業用溶剤、モーター油、ギヤー油、軽油、灯油、スピンドル油、マシン油、流動パラフィン等の鉱物油、オリーブ油、ナタネ油、アマニ油、ヒマシ油、サラダ油、大豆油等の植物油のほか、合成油等を用いることもできる。油成分としては、印刷機の長期未使用後の印刷性能を高める等の目的のため、揮発性の異なる油を複数種混合して用いることが好ましい。油成分の含有量は、インキ全質量に対して1〜50質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましい。
本発明で用いられる顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を用いることができ、中でも主鎖にポリアミド構造を有し、側鎖にポリエステル構造を有した櫛型のポリマーが好ましい。顔料分散剤の含有量は、インキ全質量に対して0〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
油相中には、必要に応じて、ゲル化剤、酸化防止剤等の公知の成分を適宜含ませることができる。
水相は、水、電解質、水蒸発防止剤、水溶性高分子、防黴剤、防腐剤、pH調整剤、凍結防止剤、顔料・染料等の着色剤等を常法に従って適宜分散及び混合することにより調製することができる。
本発明のインキは、公知の方法で調製することができる。例えば油相は、公知の分散機でカーボンブラック、その他の顔料を溶剤に分散した後、さらに溶剤で希釈し、その際その他の油相成分を添加して調製することができる。希釈には、それ自体公知の撹拌機を使用することができる。水相は、水相の成分を、撹拌機により水に混合・溶解することにより調製することができる。そして、公知の乳化機を使用し、攪拌下の油相中に水相を滴下することにより、油中水型のエマルションインキを得ることができる。これらの分散、稀釈、乳化等を行うにあたって採用される条件等は、適宜選択することができる。
以下に本発明の油中水型孔版印刷用エマルションインキの実施例を示す。
(インキの調製)
下記表1に示す配合(表1に示す数値は質量部である)により、以下の手順に従い、各実施例、比較例のインキを調製した。まず、ファーネスカーボンブラック(実施例1〜7、比較例1〜4はいずれも三菱化学株式会社製カーボンブラック、各カーボンブラックの一次粒子径、DBP吸収量、pH値は表2に示すとおり)、体質顔料として疎水性フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製)、樹脂成分としてアルキド樹脂(荒川化学工業株式会社製)、顔料分散剤としてソルスパース11200(日本ルーブリゾール株式会社製)、溶剤としてスピンドル油、界面活性剤としてソルビタンモノオレートを混合し、三本ロールで充分に分散した。この油相中に水とエチレングリコールを混合した水相混合溶液を徐々に滴下し、攪拌翼を回転させて乳化を行い、油中水型孔版印刷用エマルションインキを得た。
(評価)
転写汚れは、特願2008−152691号、図1記載の両面孔版印刷機を用いて23℃50%環境下、100ppmで50枚印刷して転写汚れの度合いを目視で評価した。インキ漏れは、同環境下、孔版印刷機リソグラフRZ970(理想科学工業株式会社製)を用いて無製版・180ppmで印刷し、ドラムからのインキの漏れ度合いを観察した。マスターにじみは、同環境下、インキ漏れと同様に孔版印刷機リソグラフRZ970を用いて無製版で1週間放置したドラムに装着したマスターの印面外へのインキの展開度合いを観察した。それぞれの評価基準の詳細を下記表3に示す。また、実施例および比較例における各カーボンブラックの、pH値とマスターにじみとの関係を図2に、一次粒子径と転写汚れとの関係を図3に、一次粒子径、DBP吸収量およびインキ漏れとの関係を図4にそれぞれ示す。
Figure 2011021086
Figure 2011021086
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上記表および図2に示す結果から、pHが6以上10以下のカーボンブラック(実施例1〜7)ではマスターにじみが起きなかったが、pHが酸性の比較例3および4ではマスターにじみが発生した。これは、pHが酸性のカーボンブラックを使用すると、樹脂および顔料分散剤との吸着が高くなるため、印刷機を長期間使用しない時に、マスターの印面上にあるインキが顔料を伴って印面外に展開し、マスターにじみが発生したものと考えられる。
また、図3から明らかなように一次粒子径が20nm以上のカーボンブラック(実施例1〜7)は両面印刷時の転写汚れが殆どなかったが、一次粒子径が20nmよりも小さい比較例2では転写汚れが目立った。これは、一次粒子径が小さいと同じ重量添加では顔料粒子数が多く、必然的に表面積が大きくなることから、ビヒクルからのカーボンブラックの離脱が遅くなって乾燥が阻害される結果、両面印刷時の転写汚れが目立ったものと考えられる。
さらに、一次粒子径が50nm以下であってDBP吸収量が70cm3/100g以上のカーボンブラック(実施例1〜7)は多枚数印刷時の漏れが発生しにくかった。一方、一次粒子径が50nm以下であってもDBP吸収量が69cm3/100gの比較例1では、多枚数印刷においてインキ漏れがすぐに発生した。また、DBP吸収量が93cm3/100gであっても一次粒子径が55nmの比較例4では、多枚数印刷時においてインキ漏れがすぐに発生し、またマスターにじみも抑制されなかった。
なお、実施例7および8は顔料分散剤を配合しなかったインキであるが、この場合には顔料分散剤を配合した他の実施例に比べて、転写汚れの評価が若干劣った。これより、顔料分散剤は転写汚れ抑制に寄与し、配合することが好ましいことが看取できる。
以上のように、本発明の油中水型孔版印刷用エマルションインキは、油相成分中に含まれるカーボンブラックを、pH値6以上10以下、一次粒子径が20nm以上50nm以下、かつDBP吸収量が70cm3/100g以上175cm3/100g以下のものとすることにより、孔版印刷機の両面転写汚れを抑制することが可能であって、印刷機の版胴とマスターの端部からのインキ漏れ、マスター周辺の印刷機および印刷物の汚れの原因となるマスターにじみを抑制することができる。

Claims (4)

  1. 油相および水相を有する油中水型孔版印刷用エマルションインキにおいて、前記油相成分中に含まれるカーボンブラックが、pH値6以上10以下、一次粒子径が20nm以上50nm以下、かつDBP吸収量が70cm3/100g以上175cm3/100g以下であることを特徴とする油中水型孔版印刷用エマルションインキ。
  2. 前記pHが7以上8以下であることを特徴とする請求項1記載の油中水型孔版印刷用エマルションインキ。
  3. 前記DBP吸収量が95cm3/100g以上175cm3/100g以下であることを特徴とする請求項1または2記載の油中水型孔版印刷用エマルションインキ。
  4. 前記油相中に、顔料分散剤を含むことを特徴とする請求項1、2または3記載の油中水型孔版印刷用エマルションインキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013035982A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Riso Kagaku Corp 非水系インク及びその製造方法

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