JP2013091594A - アルカリ性ルチル型酸化チタンゾル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 平均分散粒子径が15〜70nmであり、ルチル型酸化チタン(TiO2)に対し、水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物をモル比で0.005〜0.5含有することを特徴とするアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルである。
【選択図】 図1
Description
従って、公知の方法を単純に組み合わせても本発明のアルカリ性のルチル型酸化チタンゾルを得ることは容易ではない。
[1]平均分散粒子径が15〜70nmであり、ルチル型酸化チタン(TiO2)に対し、水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物をモル比で0.005〜0.5含有することを特徴とするアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル。
[2]実質的に、ルチル型酸化チタンと、水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物とのみを含有する上記[1]記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル。
[3]水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物が、水酸化第四級アンモニウム及び/又はアンモニアである上記[1]又は[2]記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル。
[4]比表面積が40m2/g〜250m2/gである上記[1]〜[3]のいずれか1項記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル。
[5]一次粒子の形状が棒状であり、長軸方向の長さが4〜70nm、短軸方向の長さが2〜20nm、長軸/短軸の長さの比が1〜10である上記[1]〜[4]のいずれか1項記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル。
[6]下記の工程(1)〜(4)を包含することを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれか1項記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
(1)アルカリ水溶液と水溶性チタン化合物を、常にpH9以上を保ちながら中和して水和酸化チタンゲルを得た後、洗浄する工程。
(2)工程(1)の洗浄物を、塩酸及び/又は硝酸でpH3以下に調整した後、加熱する工程。
(3)工程(2)の加熱物から無機酸根を除去する工程。
(4)工程(3)の無機酸根除去物を、水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物の存在下で加熱する工程。
[7]前記工程(3)が、前記工程(2)の加熱物をアルカリ水溶液で中和した後、洗浄する工程である上記[6]記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
[8]前記工程(4)の水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物が、水酸化第四級アンモニウム及び/又はアンモニアである上記[6]又は[7]記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
[9]前記工程(2)の加熱温度が40〜90℃であり、前記工程(4)の加熱温度が80〜150℃である上記[6]〜[8]のいずれか1項記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
[10]上記[1]〜[5]のいずれか1項記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを含有してなる薄膜形成用塗布液。
本発明のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル(以下、「本発明のゾル」と云うこともある)は、ルチル型酸化チタンの平均分散粒子径が15〜70nmであり、前記ルチル型酸化チタン(TiO2)に対し、水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物をモル比で0.005〜0.5含有することを特徴とするものである。
前記モル比が0.005を下回ると分散安定化効果が充分に得られなくなる。本発明に於いては粒子が小さいため、前記モル比の上限は0.5で十分である。このように分散剤が少量であることが本発明の特徴の一つであり、0.5を上回ると薄膜生成に好影響を及ぼさない。また、高屈折率用途においても好ましくない。
本発明のゾルの製造方法の好ましい態様は、
(1)アルカリ水溶液と水溶性チタン化合物を、常にpH9以上を保ちながら中和して水和酸化チタンゲルを得た後、洗浄する工程。
(2)工程(1)の洗浄物を、塩酸及び/又は硝酸でpH3以下に調整した後、加熱する工程。
(3)工程(2)の加熱物から無機酸根を除去する工程。
(4)工程(3)の無機酸根除去物を、水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物の存在下で加熱する工程。
を包含するものである。
アルカリ水溶液に用いる化合物として、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アンモニア等を好例として挙げることができるがこれらに限定されるものではない。アルカリ金属の水酸化物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が、アルカリ金属の炭酸塩として、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が例示できる。アルカリ水溶液の濃度は、水溶性チタン化合物を添加してもpH9以上を保つことができ、水和酸化チタンゲルが生成できれば特に制限はなく、適宜設定すればよい。
また、洗浄終了後の水和酸化チタンゲルのpHは概ね10〜12の範囲である。
加熱時の酸化チタン濃度(TiO2)は1〜8質量%の範囲であることが好ましい。前記範囲で処理することで最終的に粒子径の小さいルチル型酸化チタンを効率的に得ることができる。
加熱温度は、40〜90℃の範囲が好ましい。前記温度範囲において、アナターゼ型酸化チタンが生成せずに、ルチル型酸化チタンが生成し易くなる。また、加熱時間は、ルチル型酸化チタンを充分に生成させるために、10分以上であることが好ましく、特に好ましくは10分〜240分である。より好ましい加熱条件は、45〜75℃で20分〜80分である。
前記[3]の方法においては、まず、工程(2)の加熱物にアルカリ水溶液を添加して中和する。アルカリ水溶液の添加時の溶液温度に関しては、特段制約はないが一般的には5〜90℃が良い。アルカリ水溶液の化合物としては、工程(1)で例示した化合物を挙げることができるが、分散剤として作用するアンモニアが特に好ましい。アルカリ水溶液の濃度と量は適宜設定すればよいが、アルカリ水溶液添加後の溶液pHが5.5以上となるように設定することが好ましい。尚、後の洗浄工程で液の粘性が高く洗浄が困難な場合は、中和した後に加熱エージングを行っても良い。加熱エージングを行う場合は50〜100℃で1〜5時間行うことが好ましい。続いて、中和した溶液を洗浄する。洗浄方法は上記工程(1)に記載した方法を例示することができ、このうち限外ろ過が特に好ましい。限外ろ過を例にとると、系外へ排出されるろ液のECをおよそ500μS/cm以下まで洗浄することにより、ルチル型酸化チタン(TiO2)に対し無機酸根をモル比で0.01以下まで除去することができる。より好ましくはろ液ECが50μS/cm以下となるまで洗浄する条件であり、これにより、塩素根、硝酸根等の無機酸根だけでなくその他のイオン性物質、例えば、Na+、K+等のアルカリ金属及び遊離のアンモニア等を限外ろ過による洗浄限界まで除去することができる。
一般的には、工程(4)で水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物を添加する態様が長期安定化の点で好ましい。但し、工程(1)でアルカリ水溶液としてアンモニアを使用した場合、又は、工程(3)においてアンモニアで中和した後、洗浄する方法を適用した場合、工程(3)の後の溶液中にアンモニアが残存することがある。この残存アンモニア量は製造条件により異なるが、目安として上記モル比で0.1以下である。この残存アンモニア量を勘案して、上記範囲となるように水溶性アミン化合物の添加量を調整する。
また、工程(3)の後の溶液中にアンモニアがルチル型酸化チタン(TiO2)に対しモル比で0.005以上残存している場合は、工程(4)で水溶性アミン化合物を添加しないことも態様の1つである。但し、当該態様においては安定なゾルが得られ難い場合があるため、加熱前のルチル型酸化チタン(TiO2)の濃度を低く設定することが好ましい。
工程(4)で使用する水溶性アミン化合物としては前記と同じものを例示することができ、この中でも水酸化第四級アンモニウムとアンモニアが分散安定性の点から好適に使用できる。上記水酸化第四級アンモニウムの中でも、特に酸化チタンゾルの分散安定化に効果的であることと入手の容易性から水酸化テトラメチルアンモニウム、コリンを推奨することができる。
加熱温度は80〜150℃の範囲であることが好ましい。前記加熱温度の範囲において、平均分散粒子径15〜70nmのルチル型酸化チタンの微粒子が得られ易くなる。
2.7%水酸化ナトリウム水溶液 10361gにオキシ塩化チタン水溶液(TiO2=27.4%、Cl=32.7%)600gを撹拌下でローラーポンプを用いて30分かけて添加した。得られた水和酸化チタンゲルのpHは12.5であった。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが0.5mS/cmになるまで洗浄を行い、洗浄水和酸化チタンゲルを得た(TiO2=4.5%、pH10.9、EC 1.2mS/cm)。
この洗浄水和酸化チタンゲル800gに純水1756gと35%塩酸を56.3g添加した(pH1.3)。この溶液を60℃に加温し100分経過した時点で18%アンモニア水溶液をpH8になるまで添加し、室温まで放冷した。これをろ液ECが35μS/cmになるまで限外ろ過洗浄し、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=6.0%、pH7.9、EC 0.54mS/cm、比表面積305m2/g)。この酸化チタンゲル300gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液2.46gを添加し、90℃で5時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
3.2%水酸化ナトリウム水溶液 10361gにオキシ塩化チタン水溶液(TiO2=27.4%、Cl=32.7%)600gを撹拌下でローラーポンプを用いて30分かけて添加した。得られた水和酸化チタンゲルのpHは13.1であった。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが1.0mS/cmになるまで洗浄を行い、洗浄水和酸化チタンゲルを得た(TiO2=4.5%、pH11.1、EC 1.2mS/cm)。この洗浄水和酸化チタンゲル800gに純水44gと35%塩酸を56.3g添加した(pH0.8)。この溶液を60℃に加温し30分経過した時点で18%アンモニア水溶液をpH8になるまで添加した後、これを95℃に加温し2時間加熱した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが35μS/cmになるまで洗浄を行い、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=10.5%、pH8.1、EC 0.56mS/cm、比表面積275m2/g)。この酸化チタンゲル300gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液4.31gを添加し、120℃で5時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
4%水酸化ナトリウム水溶液 6000gにオキシ塩化チタン水溶液(TiO2=27.4%、Cl=32.7%)600gを撹拌下でローラーポンプを用いて30分かけて添加した。得られた水和酸化チタンゲルのpHは13.7であった。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが1.0mS/cmになるまで洗浄を行い、洗浄水和酸化チタンゲルを得た(TiO2=4.5%、pH11.0、EC 1.3mS/cm)。この洗浄水和酸化チタンゲル800gに純水44gと35%塩酸を56.3g添加した(pH0.8)。この溶液を50℃に加温し70分経過した時点で18%アンモニア水溶液をpH8になるまで添加し、室温まで放冷した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが35μS/cmになるまで洗浄を行い、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=7.0%、pH8.3、EC 0.42mS/cm、比表面積260m2/g)。この酸化チタンゲル300gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液2.87gを添加し、135℃で4時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例1と同様にして得た洗浄水和酸化チタンゲル800gに純水44gと35%塩酸を56.3g添加した(pH0.8)。この溶液を50℃に加温し45分経過した時点で18%アンモニア水溶液を溶液のpHが6.0になるまで添加し、室温まで放冷した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが35μS/cmになるまで洗浄を行い、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=5.5%、pH6.4、EC 0.3mS/cm)。この酸化チタンゲル300gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液0.52gを添加し、120℃で5時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例2のルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲル300gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液14.3gを添加し、90℃で3時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例2のルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲル300gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液58gを添加し、90℃で3時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液14.3gを添加した後の加熱条件を140℃で10時間に変更した以外は実施例5と同様に製造した。得られたアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの物性値は表1に記載した。
25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液2.46gを添加した後の加熱条件を90℃で2時間に変更した以外は実施例1と同様に製造した。得られたアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの物性値は表1に記載した。
実施例1の洗浄水和酸化チタンゲル800gに純水44gと35%塩酸を56.3g添加した(pH0.8)。この溶液を50℃に加温し45分経過した時点で20%水酸化ナトリウム水溶液を溶液のpHが6になるまで添加し、室温まで放冷した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが35μS/cmになるまで洗浄を行い、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=5.5%、pH6.8、EC 0.3mS/cm)。この酸化チタンゲル300gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液2.26gを添加し、120℃で5時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例1の洗浄水和酸化チタンゲル800gに純水44gと60%硝酸を56.7g添加した(pH0.9)。この溶液を60℃に加温し20分経過した時点で18%アンモニア水溶液をpH8になるまで添加し、室温まで放冷した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが35μS/cmになるまで洗浄を行い、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=3.5%、pH8.1、EC 0.4mS/cm)。この酸化チタンゲル300gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液1.44gを添加し、120℃で5時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例1のルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲル300gに18%アンモニア水3.2gを添加し、120℃で5時間加熱することでルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
2.4%水酸化ナトリウム水溶液 10361gにオキシ塩化チタン水溶液(TiO2=27.4%、Cl=32.7%)600gを撹拌下でローラーポンプを用いて15分かけて添加した。得られた水和酸化チタンゲルのpHは9.5であった。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが0.5mS/cmになるまで洗浄を行い、洗浄水和酸化チタンゲルを得た(TiO2=4.8%、pH10.9、EC 0.84mS/cm)。
この洗浄水和酸化チタンゲル800gに純水100gと35%塩酸を60.1g添加した(pH0.8)。この溶液を50℃に加温し45分経過した時点で18%アンモニア水溶液をpH8になるまで添加し、室温まで放冷した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが35μS/cmになるまで洗浄を行い、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=6.0%、pH7.9、EC 0.43mS/cm、比表面積298m2/g)。この酸化チタンゲル300gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液2.46gを添加し、120℃で5時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
10%炭酸ナトリウム水溶液 5000gに硫酸チタン水溶液(TiO2=10.0%)を撹拌下でローラーポンプを用いて添加した。水和酸化チタンゲルのpHが9.8になった時点で硫酸チタン水溶液の添加を終了した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが0.5mS/cmになるまで洗浄を行い、洗浄水和酸化チタンゲルを得た(TiO2=4.4%、pH10.8、EC 0.89mS/cm)。
この洗浄水和酸化チタンゲル800gに純水25gと35%塩酸55.1g添加した(pH0.8)。この溶液を50℃に加温し40分経過した時点で18%アンモニア水溶液をpH8になるまで添加し、室温まで放冷した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが35μS/cmになるまで洗浄を行い、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=6.0%、pH8.1、EC 0.45mS/cm、比表面積283m2/g)。この酸化チタンゲル300gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液2.46gを添加し、120℃で5時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例2のルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲル50gに純水125gを添加し、120℃で3時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例4のルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲル300gに30%トリメチルアミン水溶液を2.0g添加し、120℃で3時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例4のルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲル300gにイソプロパノールアミンを1.6g添加し、120℃で3時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例4のルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲル300gに50%ジイソプロパノールアミン水溶液を5.5g添加し、120℃で3時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例4のルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲル300gに50%トリイソプロパノールアミン水溶液を3.2g添加し、120℃で3時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例3の洗浄水和酸化チタンゲル800gに純水44gと35%塩酸を62g添加した(pH0.7)。この溶液を60℃に加温し5時間経過した時点で18%アンモニア水溶液をpH8になるまで添加した後、これを95℃に加温し5時間加熱した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが35μS/cmになるまで洗浄を行い、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=6.5%、pH8.3、EC 0.14mS/cm、比表面積140m2/g)。この酸化チタンゲル300gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液2.7gを添加し、120℃で5時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。物性値は表1に記載した。
実施例9のルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲル300gを120℃で5時間加熱したが、得られた溶液は粘度が高くスラリー状の外観であり、ゾルは得られなかった。
純水95gにルチル型酸化チタン粉末(株式会社 高純度化学研究所製)5gと25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液0.68gを混合し、120℃で5時間水熱処理を行ったが、ゾルは得られなかった。
[結晶構造]
結晶構造は、ゲル、ゾルを100℃で乾燥させたものを島津製作所(株)製 X線回折装置 XRD-7000で測定して解析した。
実施例2で得られたアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルのXRDパターンを図1に示した。
実施例2で得られたアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製 超高分解能透過電子顕微鏡JEM-3010)で測定し、図2と図3に示した。尚、図3は図2よりも倍率を上げたものである。
得られたゾルのアンモニア量をTecator社製 ケルダール自動蒸留滴定装置 ケルテック 2300により測定した。
得られたゾルを100℃で乾燥させた後、フィリップス製 蛍光X線分析装置PW-2400にて測定を行った。
得られたゾルをTiO2濃度1%に希釈した後、堀場製作所(株)製 動的光散乱色粒度分布測定装置 LB-500を用いて測定した。
比表面積は、日本ベル(株)製 高精度比表面積・細孔分布測定装置 BELSORP-miniを用いて測定し、BET法で解析することで求めた。
実施例1〜18、及び比較例1〜3で得られたルチル型酸化チタンゾル(スラリー)を純水でTiO2濃度3%に希釈した後、それをガラス基板上に1000rpmで10秒間スピンコートした。これを105℃で5分乾燥させた後、その薄膜のHazeを日本電色工業(株)製 ヘーズメーター COH400で測定した。
実施例1〜18、及び比較例1で得られたルチル型酸化チタンゾルを50℃恒温槽に保存し、その外観変化を観察した。6ヶ月以上外観変化が無かったものを◎、3ヶ月〜6ヶ月の間に増粘、沈殿が見られたものを○、1ヶ月〜3ヶ月の間に増粘、沈殿が見られたものを△、1ヶ月以内に増粘、沈殿が見られたものを×として評価した。
Claims (10)
- 平均分散粒子径が15〜70nmであり、ルチル型酸化チタン(TiO2)に対し、水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物をモル比で0.005〜0.5含有することを特徴とするアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル。
- 実質的に、ルチル型酸化チタンと、水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物とのみを含有する請求項1記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル。
- 水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物が、水酸化第四級アンモニウム及び/又はアンモニアである請求項1又は2項記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル。
- 比表面積が40m2/g〜250m2/gである請求項1〜3のいずれか1項記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル。
- 一次粒子の形状が棒状であり、長軸方向の長さが4〜70nm、短軸方向の長さが2〜20nm、長軸/短軸の長さの比が1〜10である請求項1〜4のいずれか1項記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル。
- 下記の工程(1)〜(4)を包含することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
(1)アルカリ水溶液と水溶性チタン化合物を、常にpH9以上を保ちながら中和して水和酸化チタンゲルを得た後、洗浄する工程。
(2)工程(1)の洗浄物を、塩酸及び/又は硝酸でpH3以下に調整した後、加熱する工程。
(3)工程(2)の加熱物から無機酸根を除去する工程。
(4)工程(3)の無機酸根除去物を、水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物の存在下で加熱する工程。 - 前記工程(3)が、前記工程(2)の加熱物をアルカリ水溶液で中和した後、洗浄する工程である請求項6記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
- 前記工程(4)の水溶性アミン化合物から選ばれた1種以上の化合物が、水酸化第四級アンモニウム及び/又はアンモニアである請求項6又は7記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
- 前記工程(2)の加熱温度が40〜90℃であり、前記工程(4)の加熱温度が80〜150℃である請求項6〜8のいずれか1項記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを含有してなる薄膜形成用塗布液。
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