以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、上部寄りに設けられる収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図3参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f(図4参照))がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー(効果音出力装置)30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)31a(図4参照)を内蔵する演出ボタン31が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(盤表示装置、画像表示装置、図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール35で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール35の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール35で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)を備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース46の窓部下方には、ステージ部46aが設けられる。センターケース46のステージ部46aには、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域10aに向けて開口し、センターケース46の内部に配置されたワープ通路(図示省略)を通過した遊技球が排出される。センターケース46のステージ部46aは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されているため、ステージ部46a上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、補助始動領域)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲーム(補助ゲーム)が実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1特別始動領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態(誘導状態)に変換する一対の可動部材(誘導部材)38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2特別始動領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態、非誘導状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態、誘導状態)に変化させられるように構成されている。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
さらに遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の普図変動表示部(補助変動表示部、普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する状態表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器(補助表示部)53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
状態表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲーム(変換抽選)が実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる(変換抽選の当選)。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば(変換抽選の当選)、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材(誘導部材)38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態(誘導状態)となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b、データを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511c及び個別IDレジスタ511dを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、スペシャル4リーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<スペシャル4リーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
ここで、信頼度の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの期待度はSP3リーチの期待度よりも低いということが言える。
本願発明においても、このようなリーチ演出(もしくは特定の演出)に対して選択割合を異ならせているため、上記のような、信頼度の高い演出、信頼度の低い演出の比較が可能となっている。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S901)や特図普段処理(S909)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、カードユニットと接続されていることを条件に、払出制御装置580が遊技球の発射許可信号を出すことで、発射制御装置581が発射可能状態になる。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを、中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を生成し、払出制御装置580にパラレル通信によって送信する第1出力ポート531aと、演出制御装置550にシリアル通信によってデータを送信するシリアル送信回路535とを備える。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを、中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子板の情報伝達部508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子板の情報伝達部508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板の情報伝達部508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板の情報伝達部508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。また、フォトカプラ534は、遊技用マイコン511から受信した情報をシリアル通信によって外部情報端子板の情報伝達部508に出力する。
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って盤表示装置(表示装置)48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511からシリアル通信によって送信された制御コマンド(演出制御指令)を、シリアル受信回路565を介して受信する。そして、受信した制御コマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行したりする。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、PROM553、音源LSI560、音声ROM561、アンプ回路562a、562bとともに演出統括制御手段をなしている。また、音源LSI560、音声ROM561、アンプ回路562a、562bは音を出力する効果音処理手段をなしている。さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、PROM555及びVDP558とともに画像処理手段をなしている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。VDP558には、VSYNCを生成するための構成が含まれており、画像更新信号生成手段をなしている。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。
また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせる。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するシリアル受信回路565を備える。シリアル受信回路565は、遊技制御装置500からシリアル通信された制御コマンドを受信し、主制御用マイコン(1stCPU)551に通知する。シリアル受信回路565は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ31bのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12Vの電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成したりすることが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500におけるシリアル送信回路535の構成例を示すブロック図である。
シリアル送信回路535は、送信シリアルチャンネル設定レジスタ633、送信データステータスレジスタ631、送信制御レジスタ632、送信データレジスタ635(送信データバッファレジスタ635a、送信データシフトレジスタ635b)、ボーレート生成回路(送信速度設定手段)634を含んで構成される。
送信シリアルチャンネル設定レジスタ633は、データ送信時の通信速度及び通信フォーマットを指定するレジスタである。送信シリアルチャンネル設定レジスタ633には、後述するメイン処理の初期化処理において各値が設定される。
図6は、本発明の第1の実施の形態の送信シリアルチャンネル設定レジスタ633の構成例を示す図である。図6に示すように、送信シリアルチャンネル設定レジスタ633は、16ビットで構成されており、ビット0〜15はすべて書き込み/読み出し可能とされる。
送信シリアルチャンネル設定レジスタ633において、ビット0〜12には、送信ボーレート(通信速度)を算出するためのボーレート設定値(例えば、分周比)が設定される。ビット13には、送信データ長を8ビットとする場合に“0”が設定され、9ビットとする場合に“1”が設定される。ビット14には、送信データにパリティを付加しない場合に“0”が設定され、パリティを付加する場合に“1”が設定される。ビット15には、送信データに付加するパリティを偶数パリティとする場合に“0”が設定され、奇数パリティとする場合に“1”が設定される(ビット14に“1”(パリティ有り)が設定されているとき)。
図5において、送信制御レジスタ632は、シリアル送信回路535の動作を制御するためのレジスタである。
図7は、本発明の第1の実施の形態の送信制御レジスタ632の構成例を示す図である。図7に示すように、送信制御レジスタ632は、例えば8ビットで構成され、ビット6は読み出し専用とされ、他のビット0、4、5、7は書き込み/読み出し可能とされる。なお、本実施形態では送信制御レジスタ632のビット1〜3は未使用としているため、図7では記載を省略している。
送信制御レジスタ632において、ビット0には、送信回路(シリアル送信回路535)を初期化する場合に“1”が設定される。送信回路が初期化されると送信データレジスタ635のデータも含めて全てのレジスタが初期値とされる。ビット4には、送信データレジスタ635(送信データシフトレジスタ635b)からのデータ送信を禁止する場合に“0”が設定され、データ送信を許可する場合に“1”が設定される。ビット5には、送信データレジスタ635が空になったときに送信割り込みを要求しない場合に“0”が設定され、送信割り込みを要求する場合に“1”が設定される。ビット6には、送信割り込み要求が発生しているか否か(送信割り込み状態)を示す値が設定される。ビット6に“0”が設定されていると送信割り込みを要求していない状態であることを示し、“1”が設定されていると送信割り込みを要求している状態であることを示す。ビット7には、送信データレジスタのビット8の値(データ長が9ビットの場合)が設定される。
図5において、送信データステータスレジスタ631は、送信データレジスタ635の状態を示すレジスタである。CPU511aは、送信データステータスレジスタ631の設定値によって、送信データレジスタ635の状態を確認することができる。
図8は、本発明の第1の実施の形態の送信データステータスレジスタ631の構成例を示す図である。送信データステータスレジスタ631は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜5、7はすべて読み出し専用とされる。なお、本実施形態では送信データステータスレジスタ631のビット6は未使用としているため、図8では省略している。
送信データステータスレジスタ631において、ビット0〜5には、送信データの残量を示す値が設定される。例えば、ビット0〜5に“00h”(16進数の“0”)が設定されていると送信データがないことを示し、“01h”が設定されていると送信データが1バイト残っていることを示し、“20h”が設定されていると送信データが32バイト残っていることを示す。ビット7には、送信データレジスタ635におけるデータの送信状態を示す値が設定される。ビット7に“1”が設定されているとデータを送信していない状態であることを示し、“0”が設定されているとデータを送信している状態であることを示す。
図5において、送信データレジスタ635は、シリアル送信回路535が送信するデータを格納するレジスタである。送信データレジスタ635は、例えば、1段の送信データシフトレジスタ635bと、31段の送信データバッファレジスタ635aで構成される。
図9は、本発明の第1の実施の形態の送信データレジスタ635(1段分)の構成例を示す図である。1段の送信データレジスタ635は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜7はすべて書き込み専用とされる。
この送信データレジスタ635には、タイマ割り込み処理で生成される制御指令データが格納され、送信制御レジスタのビット4に“1”(送信許可)が設定されていれば、格納された制御指令データは自動的に演出制御装置550に送信される。
制御指令データは、例えば、1バイトのモードデータと1バイトのアクションデータの2バイトで構成されるので、2段の送信データレジスタ635に1つの制御指令データが格納されることとなる。そして、本実施形態では、送信データレジスタ635を32段で構成しているので、1回のタイマ割り込み処理で最大16の制御指令データが生成される場合、これをすべて送信データレジスタ635に格納することができる。
図3において、ボーレート生成回路634は、図示しないクロック回路から出力されるクロック信号及び送信シリアルチャンネル設定レジスタ633に設定されている設定値(ボーレート設定値)に基づいて、シリアル送信回路535が用いる送信ボーレートを生成する。このとき、ボーレート生成回路634は、クロック信号及びボーレート設定値に基づいて、所定の計算式を用いて送信ボーレートを求める。
シリアル送信回路535では、送信許可の設定(送信制御レジスタ632のビット4を“1”)がなされた後、送信するデータを送信データレジスタ635(送信データバッファレジスタ635a)に書き込むことにより自動的に送信が開始される。送信が開始されると、送信データバッファレジスタ635aのデータが送信データシフトレジスタ635bに転送され、送信データシフトレジスタ635bからシリアル変換されて、最下位ビット(ビット0)から1ビットずつ順次出力される。そして、データの送信が完了すると送信データシフトレジスタ635bは空になるので、送信データバッファレジスタ635aに書き込まれている次のデータが送信データシフトレジスタ635bに転送され、出力される。
したがって、シリアル送信回路535では、送信データレジスタ635(送信データシフトレジスタ635b、送信データバッファレジスタ635a)に書き込まれたデータ(制御指令データ)が、演出制御装置550に1ビットずつ順次送信されることとなる。
このように、シリアル送信回路(制御指令送信手段)535は、送信データ(例えば、制御指令データ、後述する送信開始特定データ及び送信終了特定データ)を格納する送信データレジスタ635を備え、送信データレジスタ635に送信データが格納されると、遊技制御装置500から演出制御装置550へ向かう方向に、格納された送信データを1ビットずつ順次送信する(いわゆるシリアル通信)ように構成されている。
具体的には、送信データレジスタ635は、格納されたデータをすぐに送信する送信データシフトレジスタ635bと、格納されたデータを保持するとともに、送信データシフトレジスタ635bがデータを格納可能な状態(データの送信が完了した状態)となったときに、保持しているデータを送信データシフトレジスタ635bに転送する送信データバッファレジスタ635aと、で構成される。
これにより、タイマ割り込み処理のバックグラウンドで制御指令データの送信処理が実行されることとなり、従来のパラレル通信では必須とされていたタイマ割り込み処理における制御指令データの送信処理を省略できるので、CPU511aの負担を軽減することができる。
また、シリアル通信とすることで、制御指令データを送信するための配線本数を少なくすることができる。
また、遊技制御装置500と演出制御装置550との間の通信は、遊技制御装置500から演出制御装置550へのみデータを送信可能な単方向通信とされ、遊技制御装置500にデータは入力されないので、不正が行われるのを防止できる。
また、送信データレジスタ(送信データ格納手段)635は、1回のタイマ割り込み処理において生成される一連の制御指令データをすべて格納可能に構成され、遊技制御装置500は、タイマ割り込み処理において制御指令データを生成するとすぐに、生成された制御指令データを送信データレジスタ635に格納する。
これにより、タイマ割り込み毎に生成される制御指令データを、一旦RAM511cに保持することなく確実に送信することができる。
図10は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550におけるシリアル受信回路565の構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、シリアル受信回路565は、受信シリアルチャンネル設定レジスタ641、受信制御レジスタ642、受信データステータスレジスタ643、受信データレジスタ644(受信データシフトレジスタ644a、受信データバッファレジスタ644b)、ボーレート生成回路645、通信割込信号発生回路646を含んで構成される。
受信シリアルチャンネル設定レジスタ641は、データ受信時の通信速度及び通信フォーマットを指定するレジスタである。
図11は、本発明の第1の実施の形態の受信シリアルチャンネル設定レジスタ641の構成例を示す図である。図11に示すように、受信シリアルチャンネル設定レジスタ641は、例えば16ビットで構成され、ビット0〜15はすべて書き込み/読み出し可能とされる。
受信シリアルチャンネル設定レジスタ641において、ビット0〜12には、受信ボーレート(通信速度)を算出するためのボーレート設定値(例えば、分周比)が設定される。ビット13には、受信データ長を8ビットとする場合に“0”が設定され、9ビットとする場合に“1”が設定される。ビット14には、受信データにパリティが付加されていないものとして扱う場合に“0”が設定され、パリティが付加されているものとして扱う場合に“1”が設定される。ビット15には、受信データに付加されたパリティが偶数パリティであるとする場合に“0”が設定され、奇数パリティであるとする場合に“1”が設定される。
図10において、受信制御レジスタ642は、シリアル受信回路565の動作を制御するためのレジスタである。
図12は、本発明の第1の実施の形態の受信制御レジスタ642の構成例を示す図である。図12に示すように、受信制御レジスタ642は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜5、7は書き込み/読み出し可能とされる。なお、本実施形態では受信制御レジスタ642のビット6は未使用としているため、図12では省略している。
受信制御レジスタ642において、ビット0〜5には、主制御用マイコン(1stCPU)551に対して割り込みを要求するときの条件が設定される。例えば、ビット0〜5には、1バイトのデータを受信したときに受信割り込み要求を発生する場合に“01h”が設定され、2バイトのデータを受信したときに受信割り込み要求を発生する場合に“02h”が設定され、32バイトのデータを受信したときに受信割り込み要求を発生する場合に“20h”が設定される。また、割り込み要求を発生しない場合は、ビット0〜5には“00h”又は“21h〜2fh”が設定される。ビット7には、受信データレジスタ644(受信データシフトレジスタ644a)におけるデータ受信を禁止する場合に“0”が設定され、データ受信を許可する場合に“1”が設定される。
図10において、受信データステータスレジスタ643は、受信データレジスタ644の状態を示すレジスタである。主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信データステータスレジスタ643の設定値によって、受信データレジスタ644の状態を確認することができる。
図13は、本発明の第1の実施の形態の受信データステータスレジスタ643の構成例を示す図である。図13に示すように、受信データステータスレジスタ643は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜5はすべて読み出し専用とされる。なお、本実施形態では受信データステータスレジスタ643のビット6、7は未使用としているため、図13では省略している。
受信データステータスレジスタ643において、ビット0〜5には、受信データレジスタ644におけるデータの受信量を示す値が設定される。例えば、ビット0〜5に“00h”が設定されていると受信データがないことを示し、“01h”が設定されていると受信データが1バイトあることを示し、“20h”が設定されていると受信データが32バイトあることを示す。
図10において、受信データレジスタ644は、シリアル受信回路565で受信したデータを格納するレジスタである。受信データレジスタ644は、例えば、1段の受信データシフトレジスタ644aと、31段の受信データバッファレジスタ644bを備える。
図14は、本発明の第1の実施の形態の受信データレジスタ644(1段分)の構成例を示す図である。図14に示すように、1段の受信データスレジスタ644は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜7はすべて読み出し専用とされる。この受信データレジスタ644には、遊技制御装置500から送信された制御指令データが格納される。
また、受信データシフトレジスタ644aがデータを受信し、受信データバッファレジスタ644bにデータが送信されると、通信割込信号発生回路646に通知する。このとき、通信割込信号発生回路646は、主制御用マイコン(1stCPU)551に通信割込信号を出力するように構成されている。
ボーレート生成回路645は、図示しないクロック回路から出力されるクロック信号及び受信シリアルチャンネル設定レジスタ641に設定されている設定値(ボーレート設定値)に基づいて、シリアル受信回路565が用いるボーレートを生成する。このとき、ボーレート生成回路645は、クロック信号及びボーレート設定値に基づいて、所定の計算式を用いて受信ボーレートを求める。
シリアル受信回路565では、受信許可の設定(受信制御レジスタ642のビット7を“1”)がなされ、受信データに含まれるスタートビットが検出されると自動的に受信が開始される。受信データは、受信データシフトレジスタ644aに1ビットずつ順次格納され、ストップビットが検出されると受信データシフトレジスタ644aから受信データバッファレジスタ644bに転送される。そして、受信データバッファレジスタ644bに格納された受信データは、RAM551aに順次転送される。
このように、シリアル受信回路565では、遊技制御装置500から送信されたデータ(制御指令データ、演出制御指令)が1ビットずつ順次受信され、受信データはRAM511aに格納されることとなる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、遊技制御装置500から演出制御装置550に送信される指令コード(制御コマンド)について説明する。
図15は、本発明の第1の実施の形態における遊技制御装置500から演出制御装置550に送信される指令コードの一例を示す図である。本発明の第1の実施の形態の指令コードは、前半バイト及び後半バイトの2バイト構成となっている。
前半バイトは指令コードの種類を示しており、後半バイトは詳細な内容となっている。例えば、前半バイトが“81h”の場合には、変動表示ゲームの結果がはずれの場合の変動開始コマンドとなっている。後半バイトは、“00h”から“27h”の値が設定可能となっており、図16にて後述するように、設定された値に応じた変動態様で変動表示ゲームが実行される。このように、演出制御指令が複数バイトで構成されているので指令の種類を数多く設定することが可能となる。
図16は、本発明の第1の実施の形態の変動開始の指令コードを説明する図である。(A)は、はずれ時の変動開始指令テーブル(指令コードの後半バイトの値の設定に用いられる振り分け用のテーブル)、(B)は大当り時の変動開始指令テーブル(指令コードの後半バイトの値の設定に用いられる振り分け用のテーブル)である。
本発明の第1の実施の形態では、3種類の変動が実行される。具体的には、「予告無変動」「予告A変動」「予告B変動」の3種類である。予告無変動は、予告演出が実行されず、予告B変動は予告A変動よりも信頼度の高い予告演出となっている。予告A変動と予告B変動との相違点としては、例えば、予告A変動では予告表示と音声が同時に出力され、予告B変動では予告表示と音声がずれた状態で出力される。
また、本実施形態では、7種類のリーチ(前述のノーマルリーチと各スペシャルリーチをさらに細分化すると計7種類となる)が定義されており、変動表示ゲームの結果に関わらず、後半バイトの下一桁(1〜7)が実行されるリーチに対応する。また、リーチが発生しない場合には後半バイトの下一桁が0になる。具体的には、変動表示ゲームの結果がはずれの場合(前半バイトが“81h”)であって後半バイトが“00h”の場合となる。なお、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には必ずリーチが発生するため、後半バイトに“00h”は設定されない。
本実施形態では、変動表示ゲームの結果がはずれとなる確率は6000/6020、大当りとなる確率は20/6020に設定されている。変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合には、高い頻度(6000回のうちの5950回)で「予告無変動」が選択され、「予告A変動」が選択される頻度(6000回のうちの45回)や、「予告B変動」が選択される頻度(6000回のうちの5回)よりも格段に頻度が高いことから、滅多に予告演出が実行されないように構成されている。
これに対して、変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、「予告無変動」が選択される頻度が20回のうちの10回、「予告A変動」が選択される頻度が20回のうちの5回、「予告B変動」が選択される頻度が20回のうちの5回となっている。故に、大当り確率と、当該各予告が選択される頻度とを考慮すると、予告A変動が実行された場合には、5/(45+5)=1/10の確率で大当りが発生し、予告B変動が実行された場合には、5/(5+5)=1/2の確率で大当りが発生することになる。したがって、前述のように、予告演出が発生しない場合よりも予告変動が発生した場合のほうが大当りの期待度が大きくなり、さらに、予告B変動が発生した場合のほうが、予告A変動が発生した場合よりも大当りの期待度が大きくなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)・タイマ割込み処理〕
次に、図17及び図18を参照して、遊技制御装置500で実行される遊技に関する処理を説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500によって実行されるメイン処理のフローチャートである。図18は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、遊技に関する処理として、図17に示すメイン処理と、図18に示す所定時間(例えば2msec)毎のタイマ割込処理とを実行する。
図17に示すメイン処理は、遊技機の電源投入時に実行を開始し、遊技機への電源供給が途絶えるまで継続して実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行を開始し、遊技場での営業を終了するために遊技機の電源を切断するまで(または、停電が発生するまで)継続して実行される。
遊技制御装置500は、プログラム開始時の処理として、まず電源投入時の初期化処理を実行し(S1)、その後停電復旧処理を実行する(S2)。
停電復旧処理では、停電発生時にバックアップ電源によって遊技制御装置500のRAM511cに保存記憶されていたデータを用いて、停電発生時点の遊技状態で遊技制御を再開するための処理が行われる。ただし、遊技機の裏面には、図示されない初期化操作部が設けられており、遊技機が電源投入される際に初期化操作部が操作されている場合には、遊技機の遊技状態を予め定めた状態に初期化する。この初期化により、特図変動表示ゲームの遊技状態が低確率状態となり、普電作動状態(第2始動入賞口38の可動部材(誘導部材)38aの作動状態)が抑制状態になる。
また、停電復旧処理では、遊技機の種別を含む仕様データを演出制御装置550に送信する。遊技機の種別とは、遊技機が正規版であるか廉価版であるかを示す情報である。前述のように、正規版の遊技機と廉価版の遊技機とでは演出装置の構成が異なるため、演出制御装置550が種別に応じた演出制御を行うことが可能となるように仕様データを送信している。
次に、遊技制御装置500は、メインループ処理を実行する。メインループ処理では、まず、割込みタイマを起動し(S3)、CTC(カウンタ タイマ サーキット)を起動する。次に、遊技制御装置500は、割込みを禁止する(S4)。その後、大当り判定用乱数(特図判定用乱数)や大当り図柄乱数(特図図柄用乱数)等の乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行し(S5)、割込みを許可する(S6)。
遊技制御装置500は、RAM511cの停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かを判定する(S7)。なお、RAM511cの停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断された場合にチェックデータが記憶されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。したがって、RAM511cの停電検査領域のチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することが可能となる。
停電が発生していない場合(S7の結果が「N」)には、ステップS4の割込み禁止処理に戻り、以降、遊技制御装置500はステップS4からステップS7の処理を繰り返し行う。一方、停電が発生した場合(S7の結果が「Y」)には、遊技制御装置500はステップS8の停電発生時処理を行う。なお、停電発生時には、電源供給装置のバックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。また、バックアップ電源は、遊技制御装置500のRAM511cの内容を保持するために必要な電力を停電中に供給する。このとき、バックアップ電源は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
ステップS8の停電発生時処理では、まず割り込みを禁止する処理を行い、全出力ポートをOFFにする処理を行った後に、停電検査領域をクリアする処理を行う。そして、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM511cの電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM511cへのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して保持することで、電源遮断前にRAM511cに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断することができる。
続いて、図18を参照して、遊技制御装置500のタイマ割込処理について説明する。タイマ割込処理は、割込信号(割込みタイマにより所定間隔で発生する)の発生に対応して、メイン処理に割込む形態で実行される。
タイマ割込処理においては、遊技制御装置500は、まずレジスタに格納されたデータを待避する(S10)。次に、各種センサ(始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートSW34a、入賞口SW44a〜44n、カウントSW42d、ガラス枠開放検出スイッチ18b、前面枠開放検出SW3b等)からの入力、及び各種処理で設定された出力データに基づき大入賞口SOL42bや普電SOL38b等の駆動制御を行うための出力を処理する入出力処理を実行する(S11)。このとき、送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550等に出力する。
遊技制御装置500は、各種処理で準備されたコマンドを送信バッファにセットするコマンド送信処理を実行する(S12)。
遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの当りはずれを判定したり、特図変動表示ゲームの大当り図柄を判定したりするための乱数を更新する乱数更新処理1を実行する(S13)。その後、遊技制御装置500は、乱数の初期値を更新し、乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S14)。
遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターン(実行態様)を決定する乱数を更新するための乱数更新処理2を実行する(S15)。
ステップS13及びステップS15において、特図変動表示ゲームに関連する大当り乱数、大当り図柄乱数、及び変動パターン乱数(第1変動パターン乱数〜第3変動パターン乱数)の5つの乱数はセットで更新される。
遊技制御装置500は、始動口1SW37d、始動口2SW38d、ゲートSW34a、入賞口SW44a〜44n、カウントSW42dから信号の入力があるか否か(遊技球の検出を示す信号が入力されているか否か)を監視する入賞口スイッチ監視処理を実行する(S16)。
その後、遊技制御装置500は、各信号とエラーの監視を行うエラー監視処理を実行する(S17)。エラーが検出された場合には、遊技者にエラーの発生を報知するために、演出制御装置にコマンドを送信する。例えば、図15に示したエラー指令などである。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S18)。特図ゲーム処理では、特図変動表示ゲーム関連の処理を行い、演出制御装置550に関連するコマンドを送信する。具体的には、図15に示した変動開始コマンドや変動停止コマンド、保留数更新コマンドなどである。また、大当り関連のコマンドも送信する。
遊技制御装置500は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(S19)を実行する。さらに、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDに関するセグメントLED編集処理を実行し(S20)、さらに、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(S21)を実行する。
そして、遊技制御装置500は、割込み処理の終了を宣言し(S22)、待避したレジスタのデータを復帰する(S23)。そして最後に、割込みを再び許可する処理を実行し(S24)、タイマ割込み処理を終了する。
以上が遊技制御装置500で実行される処理である。続いて、演出制御装置550で実行される処理について説明する。
〔演出登録情報〕
図19は、本発明の第1の実施の形態の演出登録情報の一例を示す図である。各装飾装置に対する演出コードと、当該演出コードに対応する待機カウンタとが定義される。演出登録情報は、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551のRAM551aに記憶される。
演出コードは、演出を行う装飾制御装置及び演出内容が対応している。例えば、演出コード“10h”が設定されると、スピーカー30から効果音Aが出力される効果音演出Aが実行される。
また、待機カウンタは、演出の実行が指示されてから実際に実行されるまでの待機時間である。具体的には、待機カウンタに設定された回数分のVSYNC(映像用の同期信号、画像信号割込(画像割込))が発生するまで待機する。例えば、演出コード“11h”が設定されると、2回のVSYNCが発生してから効果音演出Bが実行される。このように、待機カウンタに基づいて音声出力のタイミングを遅らせることによって、処理に時間を要する画像出力のタイミングと音声出力のタイミングとを合わせることが可能となる。
〔演出制御装置の各CPUによる処理〕
図20は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550に備えられたCPUによる処理である。各CPUは、所定のタイミング(画像割込)で同期しながら処理を実行している。
まず、遊技制御装置500から送信されたコマンドに応じて演出制御を統括して行う主制御用マイコン(1stCPU)による処理ついて説明する。主制御用マイコン(1stCPU)551は、電源が投入されると、初期化処理を実行する(S30)。この初期化処理にて、図12に示す受信制御レジスタ642のビット0〜5の割込要求設定に「00h」の値を設定する。この値を設定することにより、シリアル受信回路565(図10)に対して割込要求を発生させない設定が完了し、通信割込信号発生回路646(図10)から主制御用マイコン(1stCPU)551へ割込信号が出力されなくなる。そして、タイマ割込及び画像割込を許可する(S31)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、画像割込が発生するまで待機する(S32)。画像割込は、画像処理を行うVDP558がVSYNC(映像用の同期信号)を出力することによって発生する。画像割込が発生すると(S32の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、制御コマンド(演出制御指令)の取り込みを行うとともに演出ボタン31の操作などを検出し、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に画像表示コマンドを出力する入出力処理が実行される(S33)。
さらに、この入出力処理では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、盤装飾LED制御回路10c、枠装飾LED制御回路18c、盤演出モータ/SOL制御回路10e、枠演出モータ制御回路18e及び音源LSI560に連動演出コマンドを出力して、遊技盤10や前面枠3に設けられている各種の演出装置を駆動させたり、スピーカ30a、30bから効果音を出力させたりしている。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信した制御コマンドに基づいて、変動表示ゲームの進行を管理するゲーム処理を実行する(S34)。ゲーム処理の詳細については、図21にて説明する。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信する画像表示コマンドを生成及び格納する演出指令処理を実行する(S35)。演出指令処理の詳細については、図24にて説明する。演出指令処理で生成された画像表示コマンドは、次に入出力処理(S33)が実行されたときに映像制御用マイコン(2ndCPU)554に出力される。その後、次の画像割込が発生するまで待機する。
次に、主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554による処理ついて説明する。映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、電源が投入されると、主制御用マイコン551と同様に、初期化処理を実行する(S40)。そして、各種割込を許可する(S41)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、画像割込が発生するまで待機する(S42)。画像割込が発生すると(S42の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551から送信された画像表示コマンドが入力され、表示更新処理で生成されたVDP制御コマンドをVDP558に出力する入出力処理が実行される(S43)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に表示された画像を更新するためのVDP制御コマンドを生成する表示更新処理を実行する(S44)。表示更新処理の詳細については、図25にて説明する。その後、次の画像割込が発生するまで待機する。
次に、映像制御用マイコン554からのVDP制御コマンドにしたがって表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP558による処理ついて説明する。VDP558は、電源が投入されると、主制御用マイコン551と同様に、初期化処理を実行する(S50)。そして、画像割込を発生させる時期となるまで待機する(S51)。
VDP558は、画像割込を発生させる時期となった場合には(S51の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551及び映像制御用マイコン(2ndCPU)554に対して画像割込を発生させる(S52)。そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)554から送信されたVDP制御コマンドが入力される入出力処理が実行される(S53)。このとき、表示装置48に画像データを出力する。
最後に、VDP558は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554から送信されたVDP制御コマンドに基づいて、表示装置48に表示される画像データを生成する画像データ生成処理を実行する(S54)。その後、次の画像割込の発生時期まで待機する。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)によって実行されるゲーム処理(図20のS34)について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態のゲーム処理の手順を示すフローチャートである。前述のように、ゲーム処理は、変動表示ゲームの進行を管理する処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、シリアル受信回路565から制御コマンドを取得する(S60)。本実施形態では、シリアル受信回路565(図10)からの割込信号が発生しないので、受信データレジスタ(図12)に格納されている演出制御指令を、主制御用マイコン(1stCPU)551によって周期的に取得する必要がある。そのため、取得のタイミングによっては、2バイト構成の演出制御指令のコマンドを1バイト毎に分割して受信することが可能となっているため、未完のコマンド(前半バイトのみを受信した状態のコマンド)を受信している状態となることがある。この場合には、前回発生(受信)した未完コマンド(前半バイト)と、今回受信したコマンド(後半バイト)とを合成して完成コマンド(前半バイトと後半バイトとの組合せが完了した制御コマンド)を生成する(S61)。
このように制御することによって、そして、制御コマンド(演出制御指令)が分離して送信される構成であっても、確実な処理を行うことが可能となる。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、未完コマンドがある状態か否かを判定する(S62)。未完コマンドがある場合には(S62の結果が「Y」)、未完コマンドを退避する(S63)。退避した未完コマンドは、次回のゲーム処理実行時に受信したコマンドと合成される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、完成コマンド(即ち、前半バイトと後半バイトとをともに受信できたコマンド)があるか否かを判定する(S64)。完成コマンドがある場合には(S64の結果が「Y」)、ゲーム初期化処理を実行する(S65)。ゲーム初期化処理では、受信したコマンドに基づいて、指定された処理を実行する。ゲーム初期化処理の詳細については、図22にて説明する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、完成コマンドがない場合には(S64の結果が「N」)、ゲーム継続処理を実行する(S66)。ゲーム継続処理では、受信済みのコマンドに基づいて実行中の演出を継続する。ゲーム継続処理の詳細については、図23にて説明する。
続いて、ゲーム処理において実行されるゲーム初期化処理(図21のS65)について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態のゲーム初期化処理の手順を示すフローチャートである。ゲーム初期化処理は、受信したコマンドに基づく処理を開始する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、受信したコマンド(演出制御指令)を解析する(S70)。そして、コマンドの解析結果に基づいて、コマンドの種類に応じた処理を実行する(S71)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したコマンドが変動開始コマンドの場合には、変動表示ゲームにおける変動パターン(リーチの種類など)を決定し(S72)、決定された変動パターンに対応するアニメーションの内容を画像表示パターンとして決定する(S73)。さらに、決定された画像表示パターンに対応する画像表示コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するための準備を行う(S74)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、待機カウンタの初期値を決定する(S75)。待機カウンタの初期値は、決定された画像表示パターンとなる画像が、実際に表示装置48に表示されるまでの遅れ時間を考慮して決定される。ここでは、決定された画像表示パターンを反映した画像データが画像表示装置48に出力されるまでに発生する画像更新割込の回数としており、原則として“3”が設定されることになる。
ただし、待機カウンタの初期値は固定値でなくてもよい。例えば、決定された画像表示パターンを画像データとして反映するまでに発生する画像更新割込の回数が可変する場合は、その都度、待機カウンタの初期値を変更しても良い。例えば、映像制御用マイコン(2ndCPU)554の処理が長時間となるような画像表示パターンの画像を生成する場合には、待機カウンタの初期値を“4”や“5”に設定してもよい。このように構成することによって、画像処理に要する時間に対応して違和感なく効果音の出力タイミングを合わせることができる。
また、画像処理に必要な時間の長短に拘らず、最長の時間に合わせて待機カウンタの初期値を設定してもよい。例えば、決定された画像表示パターンを画像データとして反映するまでに発生する画像更新割込の回数が、“3” 〜“5”の間で変化するのであれば、最長となる“5”の値を待機カウンタに設定するようにしてもよい。このように、画像表示タイミングと効果音出力タイミングとのずれを最長の時間に合わせることによって、画像処理に要する時間が変化しても効果音の出力タイミングを合わせることができる。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、効果音に関する演出登録情報を設定する(S76)。さらに、発光及び可動物に関する演出登録情報を設定する(S77)。さらに、設定された各演出登録情報に対応する待機カウンタを設定する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、特殊演出を実行するか否かを判定する(S78)。本実施形態における特殊演出は、大当りの期待度の高い予告B変動(図16)に対応する。主制御用マイコン(1stCPU)551は、特殊演出を実行する場合には(S78の結果が「Y」)、特殊演出フラグをオンに設定する(S79)。特殊演出を実行しない場合には(S78の結果が「N」)、特殊演出フラグをオフに設定する(S80)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動停止コマンドを受信した場合には、変動停止処理を実行する(S81)。また、大当り関連のコマンドを受信した場合には、大当り関連処理を実行する(S82)。さらに、始動入賞口に遊技球が入賞して保留数が増加、又は、変動表示ゲームが開始された保留数が減少した場合に送信される保留数コマンドを受信した場合には、保留数を更新する保留更新処理を実行する(S83)。また、エラーコマンドを受信した場合には、エラー関連処理を実行する(S84)。
続いて、ゲーム処理において実行されるゲーム継続処理(図21のS66)について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態のゲーム継続処理の手順を示すフローチャートである。ゲーム継続処理は、受信したコマンドに基づいて実行中の演出を継続して行う。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、継続中の演出において、キャラクタの出現タイミングであるか否かを判定する(S100)。このとき、キャラクタの他、メッセージなどが表示される場合もキャラクタの出現と同様に処理する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、キャラクタの出現タイミングの場合には(S100の結果が「Y」)、キャラクタを出現させるための表示コマンドを準備する(S101)。この表示コマンドは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に通知される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、特殊演出フラグがオンに設定されているか否かを判定する(S102)。特殊演出フラグがオンに設定されている場合には(S102の結果が「Y」)、キャラクタ出現の効果音に関する演出登録情報を設定する(S103)。このとき、効果音に関する演出登録情報の待機カウンタの値は、決定された画像表示パターンを反映した画像データが画像表示装置48に出力されるまでに必要な画像更新割込の回数である“3”ではなく、より小さな値である“1”に変更する。
これにより、直後に実行される演出指令処理(図20のS35、図24参照)にて待機カウンタが減算されて“0”になり(図24のS123)、効果音を出力するための連動演出コマンドが準備されることで(図24のS125)、次回の画像割込の発生のタイミングで入出力処理(図20のS33)が実行されて、効果音が出力されることになる。
ただし、キャラクタが出現する画像が実際に表示装置48に表示されるまでには、画像更新割込が3回発生するまで待機しなくてはならないので、必然的に、キャラクタが画像として出現する前に、キャラクタが出現する効果音が聞こえることになる。このようにして、画像表示のタイミングと効果音出力のタイミングとをずらしたりして遊技者に違和感を覚えさせるようにする。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、特殊演出フラグがオンに設定されていない場合には(S102の結果が「N」)、待機カウンタには、通常設定される値である“3”を設定して、キャラクタ出現の効果音に関する演出登録情報を設定する(S104)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、キャラクタ出現の効果音に関する演出登録情報を設定すると、キャラクタ出現にともなう発光及び可動物に関する演出登録情報を設定する(S105)。このとき、待機カウンタには、通常設定される値である“3”を設定する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S105の処理の終了後、又は、キャラクタの出現タイミングでない場合には(S100の結果が「N」)、演出ボタン31の操作が可能となる条件が成立したか否かを判定する(S106)。演出ボタン31の操作可能条件が成立した場合には(S106の結果が「Y」)、演出ボタン31を操作するように遊技者に要請する表示を表示装置48にさせる表示コマンドを準備する(S107)。このとき、演出ボタン31の操作によって中断すべき演出があれば、関連する演出登録情報を削除する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン31の操作可能条件が成立しなかった場合(S106の結果が「Y」)、又は、S107の処理が終了した場合には、ボタン操作タイミングとなっているか否かを判定する(S108)。ボタン操作タイミングとなっていない場合には(S108の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、ボタン操作タイミングとなっている場合には(S108の結果が「Y」)、ボタン操作があるか否かを判定する(S109)。ボタン操作があった場合には(S109の結果が「Y」)、操作内容に応じた処理を実行するボタン操作対応処理を実行する(S110)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、ボタン操作がなかった場合には(S109の結果が「N」)、カウントダウンのタイミングになったか否かを判定する(S111)。カウントダウンのタイミングになった場合には(S111の結果が「Y」)、カウントダウンの効果音に関する演出登録情報を設定する(S112)。カウントダウンのタイミングになっていない場合には(S111の結果が「N」)、本処理を終了する。
以上のように構成することによって、カウントダウンのタイミングに合わせて効果音が出力される。カウントダウン中には、演出ボタン31を操作することが可能な状態となっており、効果音とともに、カウントダウン表示(後述の図28の(J))が行われる。演出ボタン31が操作されると、カウントダウン表示及びカウントダウンの効果音が停止して、演出ボタン操作実行時の画面(後述の図28の(K))に切り替わるようになっている。そのため、効果音の出力の有無によって演出ボタン31の操作が行われたか否かを遊技者が把握しやすくなる。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)によって実行される演出指令処理(図20のS35)について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の演出指令処理の手順を示すフローチャートである。前述のように、演出指令処理は、設定された演出登録情報に基づいて、音源LSI560や他の制御回路(盤装飾LED制御回路10c、枠装飾LED制御回路18c、盤演出モータ/SOL制御回路10e、枠演出モータ制御回路18e)に送信する連動演出コマンドを生成する処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、設定された演出登録情報があるか否かを判定する(S120)。設定された演出登録情報がある場合には(S120の結果が「Y」)、1番目(最初)の演出登録情報を処理対象に設定する(S121)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、処理対象の演出登録情報の待機カウンタが0になったか否かを判定する(S122)。処理対象の演出登録情報の待機カウンタが0になっていない場合には(S122の結果が「N」)、待機カウンタを減算し(S123)、処理対象の演出登録情報の待機カウンタが0になったか否かを判定する(S124)。そして、処理対象の演出登録情報の待機カウンタが0になった場合には(S122の結果が「N」)、演出コードに対応する演出開始の連動演出コマンドを準備する(S125)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、残りの演出登録情報、すなわち、演出開始の指令データが準備されていない演出登録情報があるか否かを判定する(S126)。残りの演出登録情報がある場合には(S126の結果が「Y」)、次の演出登録情報を処理対象として設定し(S127)、S122以降の処理を実行する。一方、残りの演出登録情報がない場合には(S126の結果が「N」)、本処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、処理対象の演出登録情報の待機カウンタが0になった場合には(S122の結果が「Y」)、演出終了タイミングか否かを判定する(S128)。演出終了タイミングでない場合には(S128の結果が「N」)、演出コードに対応する演出を継続し(S131)、S126以降の処理を実行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出終了タイミングの場合には(S128の結果が「N」)、演出コードに対応する演出終了の連動演出コマンドを準備し(S129)、処理対象となっている演出登録情報を削除する(S130)。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行される表示更新処理(図20のS44)について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の表示更新処理の手順を示すフローチャートである。前述のように、表示更新処理は、表示装置48に表示された画像を更新するためのVDP制御コマンドを生成する処理である。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、画像表示コマンドを主制御用マイコン(1stCPU)から受信したか否かを判定する(S140)。画像表示コマンドを受信した場合には(S140の結果が「Y」)、初期化が単発であるか否か、すなわち、一の画像表示コマンドを受信して初期化が完了するか否かを判定する(S141)。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、初期化が単発でない場合には(S141の結果が「N」)、アニメーションの初期化(前半)を行う(S142)。そして、初期化フラグをオンに設定する(S143)。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に表示されるアニメーションを更新し(S144)、更新内容に対応するVDP制御コマンドを準備する(S145)。
一方、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、初期化が単発の場合には(S141の結果が「Y」)、アニメーションを初期化し(S146)、初期化に対応するVDP制御コマンドを準備する(S147)。
また、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、画像表示コマンドを受信していない場合には(S140の結果が「N」)、初期化フラグがオンに設定されているか否かを判定する(S148)。初期化フラグがオンに設定されていない場合には(S148の結果が「N」)、S144以降の処理を実行する。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、初期化フラグがオンに設定されている場合には(S148の結果が「Y」)、アニメーションの初期化(後半)を行う(S149)。そして、初期化フラグをオフに設定する(S150)。その後、初期化に対応するVDP制御コマンドを準備し(S147)、本処理を終了する。
〔タイミングチャート(コマンド送信時)〕
以上が演出制御装置550における処理である。続いて、遊技制御装置500から送信された制御コマンド(演出制御指令、指令コード)を、演出制御装置550が受信し、各制御回路にコマンド(画像表示コマンド、VDP制御コマンド、連動演出コマンド)を送信する過程について説明する。
図26は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500から送信された複数バイトの制御コマンドを、前半バイトと後半バイトに分割することなくシリアル受信回路565で受信できた場合において、演出制御装置550内部の各制御回路同士のデータの送受信タイミングを示すタイミングチャートである。
なお、図26以降の同様のタイミングチャートにおいて、「COM」は、各CPUやVDP558において、連動演出コマンド以外の各種コマンドの送受信が行われるタイミングを示す。また、「演算」は、コマンドに基づいて実行される所要の演算処理のタイミングを示す。さらに、「SND」は、主制御用マイコン(1stCPU)551が音源LSI560に連動演出コマンドを出力するタイミングを示す。さらに、「LCD」は、VDP558が表示装置48に画像データを出力するタイミングを示す。
遊技制御装置500から制御コマンドが出力される(701のCOM)と、前述のように、シリアル受信回路565によって受信される。そして、画像割込タイミングで主制御用マイコン(1stCPU)551に取り込まれる(711のCOM)。主制御用マイコン(1stCPU)551は、取り込んだコマンドに基づいて演算処理を行う(712の演算)。このとき、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するための画像表示コマンドを生成する。次の画像割込タイミングで映像制御用マイコン(2ndCPU)554に生成された画像表示コマンドを送信する(713のCOM)。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、主制御用マイコン(1stCPU)551から出力された画像表示コマンドを受信すると(721のCOM)、受信したコマンドに基づいて演算処理を行い(722の演算)、VDP558に送信する画像表示コマンドを生成する。次の画像割込タイミングでVDP558に生成された画像表示コマンドを送信する(723のCOM)。
VDP558は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554から出力されたVDP制御コマンドを受信すると(731のCOM)、受信したVDP制御コマンドに基づいて画像データを生成し(732の演算)、次の画像割込タイミングで画像表示装置(LCD)48に生成された画像データを出力する(733のLCD)。このとき、主制御用マイコン(1stCPU)551からは、音源LSI560に、当該画像データに対応する効果音の出力を指示する連動演出コマンドが出力される(714のSND)。
これにより、画像表示装置(LCD)48に画像が表示されたタイミングで、スピーカ30a、30bから効果音が出力される。例えば、カウントダウン表示を行う場合には、数字が更新されたタイミングで効果音が出力される。
図27は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500から送信された複数バイトの制御コマンドが、前半バイトと後半バイトに分割されてシリアル受信回路565で受信された場合において、演出制御装置550内部の各制御回路同士のデータの送受信タイミングを示すタイミングチャートである。これは、複数バイトの制御コマンドがシリアル受信回路565に送信されている途中で、画像更新の割込が発生すると起こりうる処理である。なお、図26とタイミングが共通する処理については、同一の付番を付けて説明する。
図27に示す場合では、遊技制御装置500から制御コマンドが出力されると(701のCOM)、最初の画像割込タイミングで制御コマンドの前半部分が主制御用マイコン(1stCPU)551に取り込まれる(711aのCOM)。そして、次の画像割込タイミングで制御コマンドの後半部分を取り込み(711bのCOM)、前半と後半で取り込んだ各コマンドから合成された完成コマンドに基づいて演算処理を行う(712の演算)。なお、制御コマンドを取り込んだ後の各CPUや各制御回路の処理については、図26と同様である。
〔画面表示例〕
次に、表示装置48の表示内容について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態の変動表示の一例を示す図である。
(A)〜(E)の順に示すように、本実施形態では、停止状態から変動表示が開始されると、全図柄が変動表示され、左図柄、右図柄、中図柄の順に各図柄を停止させて、外れとなる。
ただし(D)の状態において左図柄と右図柄とが同一図柄で停止した場合には、(F)に示すように、中図柄がゆっくりと変動表示するリーチ状態となる。リーチ状態となると、最終的には、(G)のように全ての図柄が同一図柄で停止して大当りとなるか、(H)のように中図柄のみが異なる図柄で停止して外れとなる。
なお、この(D)のリーチ状態のとき(或いは、リーチ状態に変化する直前の通常変動状態のとき)には、予告表示がなされる場合がある。これは、図16にて前述した「予告変動A」又は「予告変動B」となる変動が実行された場合であり、具体的には、(I)のように識別図柄の前面に「CHANCE」の文字が表示されることで、予告表示がなされる。
このとき、「CHANCE」の表示が出現するタイミングに合わせて、スピーカ30a、30bからは効果音が出力される。この場合、「予告変動A」となる変動の場合には「CHANCE」の表示が出現すると同時に効果音が出力されるのに対して、「予告変動B」となる変動の場合には「CHANCE」の表示が出現する以前に、効果音が出力される。即ち、「予告変動A」では違和感の少ない演出が実行されるが、「予告変動B」では表示タイミングと効果音出力タイミングとをずらすことで遊技者に違和感を抱かせる。このように制御することによって、「予告変動B」の期待度が高いことを報知する。
したがって、本発明の第1の実施の形態によれば、「予告変動A」では予告表示のタイミングと効果音の出力タイミングとを合わせることによって、違和感のない報知を行うことが可能となる。一方、「予告変動B」のように、違和感を意図的に発生させることによって、遊技の興趣を高めることができる。
なお、予告演出が実行される場合には、(J)に示すように、遊技者に演出ボタン31の操作を促す報知を行っても良い。この場合の演出ボタン31の操作は、報知メッセージが出現した時点から、所定時間(例えば、5秒間)に限り操作が可能となる。このとき、(J)に示すように報知メッセージ内の残り時間の秒数が変化し、さらに、秒数の表示が変化するタイミングで効果音が出力される。
そして、この演出ボタン31の操作可能時間において、演出ボタン31が操作されると、(K)に示すように、演出ボタンが操作されたことを報知するメッセージが流れる画面に切り替わる。
なお、演出ボタン31を操作しない状態で、演出ボタン31の操作可能時間が終了すると、(F)に示すリーチ状態の識別図柄が再表示され、変動表示が継続される。
〔タイミングチャート(カウントダウン)〕
続いて、予告表示が行われる場合に各演算装置で生成及び送受信されるコマンド、及び当該コマンドの送信タイミングについて説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の予告表示におけるボタン操作可能タイミング前後のタイミングチャートである。
なお、図29〜図31のタイミングチャートにおいて、「開始音」、「終了音」、「更新音」、「PS音」等は、主制御用マイコン(1stCPU)551が、音源LSI560に対応する効果音の連動演出コマンドを出力する処理のタイミングを示す。また、「CD」は、主制御用マイコン(1stCPU)551が、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に対して、カウントダウン表示(図28の(J))を行わせるための画像表示コマンドを出力するタイミングを示す。
さらに「出力」は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が、VDP558に対して、画像データ生成を行わせるためのVDP制御コマンドを出力するタイミングを示す。ここで「出力1」〜「出力5」は、表示装置48の表示をカウントダウン表示(図28の(J))とするためのVDP制御コマンドであり、例えば、「出力1」であれば「残り時間1秒」、「出力5」であれば「残り時間5秒」を指定するものである。
また「出力N」は、表示装置48の表示を、リーチ状態(図28の(F))の表示とするためのVDP制御コマンドである。また、「出力PS」は、表示装置48の表示を、演出ボタン31の操作がされたことを示す画像(図28の(K))の表示とするためのVDP制御コマンドである。
さらに「表示」は、VDP558が表示装置48に画像データを出力するタイミングを示す。ここで「表示1」〜「表示5」は、表示装置48の表示がカウントダウン表示(図28の(J))となる画像データであり、例えば、「表示1」であれば「残り時間1秒」、「表示5」であれば「残り時間5秒」の画像データである。
また「表示N」は、表示装置48の表示がリーチ状態(図28の(F))となる画像データである。また、「表示PS」は、表示装置48の表示が、演出ボタン31の操作がされたことを示す画像(図28の(K))となる画像データである。
図29を参照すると、まず、最初の画像割込タイミングで、主制御用マイコン(1stCPU)551から映像制御用マイコン(2ndCPU)554にカウントダウン(CD)の画像表示コマンドが送信されている。このとき、映像制御用マイコン(2ndCPU)554からVDP558に「出力N」のVDP制御コマンド、及び、VDP558からLCD(表示装置)48に「表示N」の画像データが送信されている。従って、このタイミングでは、カウントダウン(CD)の画像表示コマンドが、まだ反映されていない状態であるので、表示装置48には、カウントダウン表示(図28の(J))のメッセージが出力されていない。
次の画像割込タイミングでは、「CD」の画像表示コマンドを受信した映像制御用マイコン(2ndCPU)554が、カウントダウン表示するボタン操作可能時間の初期値(5秒)を設定して、「出力5」のVDP制御コマンドを送信する。このタイミングでも、VDP558から表示装置48に、「表示N」の画像データが出力されるので、表示装置48には、カウントダウン表示(図28の(J))のメッセージが出力されていない。
次の画像割込タイミングでは、主制御用マイコン(1stCPU)551から音源LSI56に、「開始音」の連動演出コマンドが出力されるので、カウントダウンの開始音が出力される。また、同じタイミングで、「出力5」のVDP制御コマンドと「表示5」の画像データが出力されることで、表示装置48には、ボタン操作可能期間の残時間を「5秒」とするカウントダウン表示のメッセージが出力される。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551から映像制御用マイコン(2ndCPU)554にカウントダウン(CD)の画像表示コマンドを出力する時点において、カウントダウンの開始音を出力する演出登録情報には待機カウンタに「2」が設定される。そして、この待機カウンタが画像割込タイミングとなる毎に減算されて、待機カウンタが「0」になるタイミングでカウントダウンの開始音が出力される。
このように、本実施形態の遊技機では、カウントダウン(CD)の画像表示コマンドが出力される時点よりも遅れてカウントダウンの開始音が出力されるように、待機カウンタの値が設定される。このような構成により、主制御用マイコン(1stCPU)551から出力される画像表示コマンドが、映像制御用マイコン(2ndCPU)554を介してVDP558にまで到達するまでの遅れに対応させて、カウントダウンの開始音を出力させることができる。
その後、残時間の表示が更新されるたびに、表示の更新タイミングにあわせてカウントダウン効果音が出力される(後述の図30及び図31の「更新音」に対応)。このとき、ボタン操作可能期間の残時間の表示が「5秒」から「4秒」に切り替わるタイミング、「4秒」から「3秒」に切り替わるタイミング、「3秒」から「2秒」に切り替わるタイミング、「2秒」から「1秒」に切り替わるタイミングの各々で、カウントダウン効果音が出力される。
以上のように、残り時間を表示可能なタイミングと、効果音を出力可能なタイミングとの間でタイムラグが生じるが、前述のように、待機カウンタを設定することによって、効果音の出力タイミングと残時間の表示タイミングとを合わせることが可能となる。
図に戻り、ボタン操作可能期間が終了すると、主制御用マイコン(1stCPU)551から音源LSI56に「終了音」の連動演出コマンドが出力され、カウントダウンの終了音が出力される。このタイミングでは、VDP558から表示装置48に「表示N」の画像データが出力されることで、表示装置48に表示されていた「残り時間1秒」のカウントダウン表示のメッセージが消え、図28の(F)に示すリーチ状態の画面に戻って変動表示ゲームが継続される。
図30は、本発明の第1の実施の形態の予告表示におけるカウントダウン効果音の出力タイミングを示すタイミングチャートである。(A)は演出ボタン31の操作を見送ったためにカウントダウン効果音が出力される場合、(B)は演出ボタン31が操作されることでカウントダウン効果音が出力されない場合を示している。
(A)では、残時間の表示が“3秒”から“2秒”に更新されるタイミングで効果音が出力される。このとき、演出ボタン31は操作されていない。
一方、(B)では、ボタン操作可能時間において、残時間に“3秒”が表示されている状態で演出ボタン31が操作されている。このとき、残時間の表示が“3秒”から“2秒”に更新されるタイミングでは効果音が出力されない(図中の「更新音」の連動演出コマンドは出力されない)。具体的には、図23のS109の処理の結果が「Y」であるため、S110のボタン操作対応処理によってカウントダウンの効果音に関する演出登録情報が削除されるためである。ただし、このタイミングでも「表示2」の画像データが出力されるので、残時間の表示が“2秒”となるカウントダウン表示が一時的に行われる。
このように、表示装置48の残時間の表示が切り替わる直前で、演出ボタン31が操作された場合には、切替後の残時間の表示(“2秒”の表示)は実行してしまうものの、残時間の表示の更新にともなう効果音(“3秒”から“2秒”に切り替わる際の効果音)を出力しないので、遊技者は、残時間が更新される前に演出ボタン31が操作できたことを確認できる。そのため、本実施形態の遊技機のように、遊技の進行に対して効果音が遅れて出力されるような構成の遊技機であっても、遊技者に操作に関する違和感を感じさせない。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン31の操作を検出すると、ボタン操作対応処理(図23のS110)を実行する。ボタン操作対応処理では、主制御用マイコン(1stCPU)551から映像制御用マイコン(2ndCPU)554に演出ボタン31の操作指令に対応する画像表示コマンド(PS指令)が出力される。映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、「PS指令」の画像表示コマンドを受信すると、表示装置48で対応する演出表示を行うために、VDP558にVDP制御コマンド(出力PS)を送信する。VDP558は、VDP制御コマンド(出力PS)を受信すると、LCD(表示装置)48に「表示PS」の画像データを出力する。そして、表示装置48に対応する演出が表示されるとともに、同じタイミングで、演出ボタン31を操作したことによる演出の効果音(PS音)が出力される。
〔第1の実施の形態の効果〕
主制御用マイコン(1stCPU)551から映像制御用マイコン(2ndCPU)554に画像表示コマンドが送信され、映像制御用マイコン(2ndCPU)554からVDP558にVDP制御コマンドが送信され、さらにVDP558からLCD(表示装置)48に画像データが出力されることによって画像表示の制御が行われる。ただし、最初に出力された画像表示コマンドがVDP制御コマンドに反映され、そのVDP制御コマンドが画像データに反映するまでには、2回の画像更新割込を要することになるので、その分の遅れ時間を経過しないと表示内容を更新することができない。
一方、効果音の出力制御は、遊技制御装置500から制御コマンドを受信した後、次の画像更新割込タイミングで、主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行可能となっている。したがって、コマンド受信後すぐに効果音を出力しようとすると、画像更新のタイミングと、効果音の出力タイミングとがずれてしまう。
そこで、本発明の第1の実施の形態によれば、待機カウンタを用いることによって、画像表示の遅れに対応した効果音出力を実行することが可能となるので、画像表示タイミングと効果音出力タイミングとを同期させることが可能となる。
また、画像を表示するための構成(映像制御用マイコン(2ndCPU)554、VDP558)と効果音を出力するための構成(主制御用マイコン(1stCPU)551、音源LSI560)による制御の処理負担を分担させることが可能となる。
(第1の実施の形態の変形例)
本発明の第1の実施の形態では、シリアル受信回路565からの割込信号を使用しないで、画像更新タイミング(画像更新割込発生時)にコマンドを取り込むように構成されていたが、第1の実施の形態の変形例として、シリアル受信回路565で発生した通信割込信号に基づいて、主制御用マイコン(1stCPU)551が制御コマンドを取り込む構成について説明する。
シリアル受信回路565には、前述のように、通信割込信号発生回路646が備えられており、図12に示す受信制御レジスタ642のビット0〜5の割込要求設定に所定値を設定することで、受信データレジスタ644(図10)がデータ(制御コマンド)を受信すると、主制御用マイコン(1stCPU)551に通信割込信号を出力するように構成することもできる。当該変形例では、図20のCPU(1st)の処理にてS30の初期化処理を行う際に、図12に示す受信制御レジスタ642のビット0〜5の割込要求設定に「02h」の値を設定する。この値を設定することにより、受信データレジスタ644が2バイトのデータを受信する毎に、通信割込信号発生回路646(図10)から主制御用マイコン(1stCPU)551へ割込信号が出力される。
〔通信割込処理〕
変形例では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、通信割込信号発生回路646からの通信割込信号が入力されると、メイン処理に割込む形で通信割込処理を実行するものとする。図31は、本発明の第1の実施の形態の変形例の通信割込処理の一例を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、通信割込信号が入力されると、シリアル受信回路565からコマンドを取得する(S160)。そして、取得したコマンドが異常コマンドである場合には破棄し、正常なコマンドであればRAM551aに保存する。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、RAM551aに保存されたコマンドを取得し、処理を実行する。
〔ゲーム処理〕
また、第1の実施の形態の変形例では、画像更新割込のタイミングでコマンドを取得するように構成されていないため、ゲーム処理でコマンドを取得する手順が第1の実施の形態と相違する。図32は、本発明の第1の実施の形態の変形例のゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、RAM551aにコマンドが保存されているか否かを判定する(S170)。コマンドが保存されている場合には(S170の結果が「Y」)、ゲーム初期化処理を実行する(S171)。一方、コマンドが保存されていない場合には(S170の結果が「N」)、ゲーム継続処理を実行する(S172)。
第1の実施の形態の変形例では、第1の実施の形態のように、制御コマンド(演出制御指令)が複数バイトで構成されている場合であっても、複数回に分けて受信しない。前述の様に、シリアル受信回路565が複数バイト(2バイト)受信する毎に割込信号が発生するように構成しているので、制御コマンド(演出制御指令)が1バイト受信された状態では割込信号が発生したいため、コマンドが分割されない。
図33は、本発明の第1の実施の形態の変形例の遊技制御装置500から送信されたコマンドを演出制御装置550の各構成に通知する過程を示すタイミングチャートである。
図33に示すように、遊技制御装置500から制御コマンドが出力されると、シリアル受信回路565によって受信されるが、前述のように、シリアル受信回路565は、コマンドを複数バイト(2バイト)受信する毎に、主制御用マイコン(1stCPU)551に割込信号により通知する(701のCOM)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、シリアル受信回路565からコマンド受信の通知を受けると、図33に示すように、画像割込タイミングにかかわらず、受信したコマンドを取得する(711cのCOM)。主制御用マイコン(1stCPU)551がコマンドを受信してからの処理については、第1の実施の形態と同様である。
〔第1の実施の形態の変形例の効果〕
したがって、本発明の第1の実施の形態の変形例によれば、演出制御指令が分離するおそれがないので確実な処理を行うことが可能となる。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、主制御用マイコン(1stCPU)551とともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554を備えていたが、第2の実施の形態は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が含まれない構成となっている。つまり、主制御用マイコン(1stCPU)551自身が、VDP588に対してVDP制御コマンドを出力する構成となっている。以下、図34から図36を参照して第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と共通する構成については適宜省略する。
図34は、本発明の第2の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態の演出制御装置550では、前述のように、映像制御用マイコン(2ndCPU)554を備えない点で第1の実施の形態と相違する。その他の構成については、第1の実施の形態と同様である。
図35及び図36は、本発明の第2の実施の形態の遊技制御装置500から送信されたコマンドを演出制御装置550の各構成に通知する過程を示すタイミングチャートである。図35は遊技制御装置500から送信された複数バイトの制御コマンドが1回で受信できた場合、図36は遊技制御装置500から送信された複数バイトの制御コマンドが1回で受信できなかったために、2回の画像更新タイミングに分けて受信した場合である。
図35及び図36を参照すると、主制御用マイコン(1stCPU)551が遊技制御装置500からの制御コマンドを受信する処理は、第1の実施の形態と同様のタイミングで実行されている(711、711a、711bのCOM)。ただし、映像制御用マイコン(2ndCPU)による処理をVDP558が行うように構成されているため、演算処理に時間を要している(732aの演算)。そのため、第1の実施の形態の場合よりも必要に応じて待機カウンタの値が大きくなるように設定する必要がある。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551の演算処理時間が、複数の画像更新タイミングにまたがる程度に長くなる(712aの演算処理等が長くなる)ような構成にして、VDP558へのVDP制御コマンドの出力を幾分遅らせる構成(713aのCOMが遅れる構成)でもよいが、この場合であっても、遅れ時間を考慮して効果音の出力タイミング(714のSND)を決定する必要がある。
〔第2の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、映像制御用マイコン(2ndCPU)554を備えない構成であっても第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能となる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。