JP2013087871A - 振動減衰装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トルクコンバータ100のロックアップピストン2に固定されて、ロックアップピストン2と一体に回転するホールドプレート3と、ドリブンプレート4と、ホールドプレート3とドリブンプレート4とを回転方向で弾性的に連結すると共に、中心軸X回りの周方向に配置された内径側スプリング6および外径側スプリング5とを、備える振動減衰装置1において、ホールドプレート3では、内径側スプリング6の保持孔36を有するスプリング保持部35が、ロックアップピストン2とのリング状の固定部31から内径側に延出して形成されており、スプリング保持部35では、中心軸X周りの周方向における保持孔36の両側の把持部39に、保持孔36に連絡して貫通部40が設けられている構成とした。
【選択図】図7
Description
しかし、ホールドプレート202の剛性強度が高いと、ロックアップピストン201の湾曲が阻害されてしまい、ロックアップピストン201を速やかにカバーコンバータ206に締結させることが難しくなる。そのため、ホールドプレート202は、ロックアップピストン201の湾曲方向(軸方向)での剛性が低いことが好ましい。
前記ホールドプレートの前記ロックアップピストンとの固定部から内径側に突設されると共に前記スプリングを保持する保持孔が穿設されたスプリング保持部と、
前記スプリングの中心軸線に沿う前記保持孔の両側に形成された貫通孔と、を設けた構成の振動減衰装置とした。
図1は、トルクコンバータ100における振動減衰装置1を説明する図である。
図2は、振動減衰装置1を説明する図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図であり、(c)は、(a)におけるB−B断面図である。
なお、図2の(a)において、右下の略1/3は、ドリブンプレート4が存在する状態の平面図であり、左下の略1/3は、ドリブンプレート4の図示を省略した平面図であり、上側の略1/3は、中心軸Xに直交する面で振動減衰装置1を切断した断面図である。
図3は、ホールドプレート3を説明する図であって、(a)は、平面図、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。図4の(a)は、ホールドプレート3の一部を拡大した拡大図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
図2に示すように、ホールドプレート3は、ロックアップピストン2のカバーコンバータ101とは反対側の面に固定されており、ロックアップピストン2と一体に回転するように設けられている。
固定部31には、当該固定部31を厚み方向に貫通してリベット孔31aが設けられており、ホールドプレート3は、リベット孔31aを挿通させたリベットRにより、ロックアップピストン2に固定されている。
実施の形態では、リベット孔31aは、中心軸X周りの周方向に所定間隔で合計9箇所に設けられており、これらは、中心軸Xを中心とした仮想円Im1(図4の(a)参照)上に位置している。
平面視において当接部34は、中心軸Xから離れるにつれて周方向の幅が広くなる形状を有しており、各当接部34の外周縁は、固定部31の径方向外側に位置するフランジ部33に接続している。
具体的には、図3の(b)および図4の(b)に示すように、この当接部34は、内径側から順に、ロックアップピストン2から離れる方向に膨出するように湾曲した内径側湾曲部34aと、ロックアップピストン2に近づく方向に膨出するように湾曲した外径側湾曲部34bと、中心軸Xに対して平行にロックアップピストン2から離れる方向に延びる線状部34cと、を備えており、外径側スプリング5のロックアップピストン2側の周縁に沿うような形状となっている。
フランジ部33は、固定部31よりも変速機構部側(ロックアップピストン2から離れる側)に位置しており、中心軸Xの略直交方向に沿って延びている(図3の(b)参照)。
開口部32内には、ホールドプレート3とロックアップピストン2との間に形成された収容空間S(図3の(b)参照)に配置された、外径側スプリング5が位置している。
開口部32は、中心軸Xから見て、周方向に配置された2つの外径側スプリング5(5a、5b)を収容可能な角度範囲Wに亘って形成されている(図2の(a)、図3の(a)参照)。
この内側規制部31bは、中心軸Xから見て、リベット孔31aの径方向外側に重なる位置を避けて、周方向において2分割で形成されており、図4の(a)に示すように、内側規制部31bは、中心軸Xを中心とする仮想円Im2に沿って弧状に形成されている。
分割ばね5a、5bの一端は、リテーナ8を介してホールドプレート3の当接部34に周方向から当接し、他端は、後記するイコライザ7の支持部72に周方向から当接している。
よって、外径側スプリング5は、その両端が、中心軸Xまわりの周方向で隣接する当接部34、34で把持された状態で保持されており、中心軸X周りの周方向に沿って配置されている。
スプリング保持部35は、中心軸Xから見て当接部34と重なる位置関係で形成されており、実施の形態では、中心軸X周りの周方向に所定間隔で3箇所に設けられている。
規制部37は、ロックアップピストン2から離れる方向に曲げられており、規制部38は、ロックアップピストン2側に曲げられている。実施の形態では、これら規制部37、38により、内径側スプリング6の内径方向と、外径方向への移動が規制されるようになっている。
実施の形態では、内径側スプリング6は、後記するドリブンプレート4の開口部43(図5参照)により、当該内径側スプリング6の軸方向に圧縮されるようになっている。そのため、内径側スプリング6の軸方向への伸縮が、規制部37により大きく阻害されないようにするために、内径側スプリング6の長手方向における中央部分のみが、規制部37、38に当接するようにされている。
図4の(b)に示すように、この把持部39は、断面視においてロックアップピストン2に近づく方向に膨出するように湾曲しており、この湾曲した部分における最もロックアップピストン2の近くに位置する頂点39aが、保持孔36の径方向幅W3における略中央に位置するようになっている。
図5は、ドリブンプレート4を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は、(a)におけるA−A断面図であり、(c)は、(b)における領域Bの拡大図である。
振動減衰装置1において、取付部41は、中心軸Xに直交する向きで設けられており、この取付部41には、取付孔41aが設けられている。この取付孔41aは、取付部41を厚み方向に貫通して設けられており、中心軸X周りの周方向に所定間隔で複数設けられている。
実施の形態では、湾曲部42のロックアップピストン2側に最も位置する頂点部42aが、開口部43の径方向幅W4における略中間に位置するように形成されており、開口部43は、中心軸X周りの周方向で所定間隔を空けて3つ設けられている。
平面視においてばね受部45は、中心軸Xから離れるにつれて周方向の幅が広くなる形状を有しており、外径側スプリング5が周方向から当接するようになっている。
ばね受部45は、ロックアップピストン2側に位置するホールドプレート3の当接部34との干渉を避けつつ、外径側スプリング5との当接面を確保するために、断面視において湾曲した形状を有している。
図6は、イコライザ7を説明する図であり、(a)は、軸方向から見た平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図であり、(c)は、(b)における領域Cの拡大図である、(d)は、(a)におけるB−B断面図である。
実施の形態では、遠心力で径方向外側に移動した外径側スプリング5が、本体部70の内周面70aに接触するようになっており、本体部70が外径側スプリング5から受ける応力により変形することを防止するために、本体部70にフランジ部71を設けて強度を確保している。
実施の形態では、支持部72は、中心軸Xまわりの周方向で、等間隔で3つ形成されており、一対の分割ばね5a、5bを中心軸X周りの周方向に連結するために設けられている。
そして、イコライザ7の内径方向(中心軸X)側への移動は、基本的には外径側スプリング5により規制され、外径方向への移動はロックアップピストン2の円筒部2cにより規制されるようになっている。
ロックアップ状態では、エンジンの回転駆動力が、ロックアップピストン2を介してホールドプレート3に直接入力されるので、ホールドプレート3が中心軸X回りで、ドリブンプレート4に対して相対的に回転する。
この際、ドリブンプレート4のばね受部45の当接面45c(図5の(a)参照)が、外径側スプリング5に軸方向から当接しているので、ホールドプレート3は、ばね受部45で外径側スプリング5を周方向に押し縮めながら、ドリブンプレート4に対して相対的に回転する。
そのため、ホールドプレート3からドリブンプレート4への回転駆動力の伝達が開始された直後では、外径側スプリング5のみが圧縮される。
そして、伝達される回転駆動力(トルク)が大きくなって、ホールドプレート3がドリブンプレート4に対して相対的にθだけ回転すると、内径側スプリング6の開口部43の縁43aによる圧縮が開始される。
よって、ドリブンプレート4には、最終的に外径側スプリング5と内径側スプリング6を介して、回転駆動力が入力されることになる。
図7は、ホールドプレート3のスプリング保持部35周りを拡大して示す拡大図である。
図7に示すように、ホールドプレート3のスプリング保持部35は、ホールドプレート3のリング状の固定部31から内径側(中心軸X側)に延出して形成されている。
この保持孔36は、スプリング保持部35を厚み方向に貫通して設けられており、内径側スプリング6は、その長手方向(軸方向)の両端が、保持孔36の周方向の縁36aで支持されている。
平面視において、規制部37の基端と保持孔36との接続部36bは、応力集中を緩和するために弧状に形成されている。
貫通部40は、中心軸X回りの周方向に沿って、所定長さW6で形成されている。貫通部40の仮想線Im3側の端部は、保持孔36の径方向外側に及んで形成されており、貫通部40は、保持孔36の径方向外側から保持孔36に連絡している。
図7の場合、リベット孔31aの内径側の縁を通る仮想円Im6と外径側の縁を通る仮想円Im7との間の領域に、中心軸X周りの周方向に捩り応力が作用する。
よって、リベット孔31aの周方向で、仮想円Im6と仮想円Im7とで挟まれた領域に及んで貫通部40が形成されると、ホールドプレート3の捩り応力に対する剛性が低下してしまう。
そのため、実施の形態では、仮想円Im6(リベット孔31a)よりも内径側に貫通部40が形成されるように、外周縁40bの位置を設定している。
仮想円Im4は、内径側スプリング6と保持孔36の縁36aとの外径側の当接点Pよりも径方向外側を通る仮想円であって、貫通部40が形成されていない場合の保持孔36の外径側の縁36c(図中仮想線で示す)を通る仮想円Im8よりも径の小さい仮想円である。
貫通部40が当接点Pよりも内径側で保持孔36に連絡すると、把持部39における内径側スプリング6の把持が阻害されてしまうからである。
図7に示すホールドプレート3の場合、中心軸Xから見て、固定部31を挟んでスプリング保持部35とは反対側の径方向外側に当接部34が位置している。
そのため、例えば貫通部40が形成されていない場合には、把持部39から当接部34までのおおよそ幅W7の範囲が、中心軸Xから見て径方向外側に連なって延びる連続部となる。
そのため、貫通部40を設けていない場合に比べて、連続部の幅が狭くなった分だけ、ホールドプレート3の軸方向への曲げに対する剛性が弱められている。
よって、このことによっても、ホールドプレート3が固定されたロックアップピストン2の軸方向の曲げに対する剛性が弱められている。
例えば、ホールドプレート3の板厚が厚くなると、ホールドプレートの剛性が高くなるので、実施の携帯では、板厚が長くなるにつれて、貫通部40の周方向の幅W6を長くすることで、ホールドプレートの剛性を適切に調整している。
ホールドプレート3では、内径側スプリング6の保持孔36が穿設されたスプリング保持部35が、ロックアップピストン2とのリング状の固定部31から内径側に延出(突設)して形成されており、スプリング保持部35では、中心軸X周りの周方向における保持孔36の両側の把持部39に、保持孔36に連絡して貫通部40が設けられており、保持孔36は内径側スプリング6の中心軸線に沿って形成されている構成とした。
上記のように構成すると、中心軸Xから見て径方向外側に連なって延びる連続部の周方向の幅が狭められるので、ホールドプレート3の軸方向の剛性強度を弱めることができる。これにより、ホールドプレート3が、軸方向に撓みやすい、柔軟性に優れた部材となるので、ホールドプレート3が固定された固定されたロックアップピストン2の軸方向の曲げに対する剛性も弱めることができる。
上記のように構成して、貫通部40を、リベット孔31aよりも内径側に設けることで、ホールドプレート3の周方向の剛性を高く維持したままで、軸方向の剛性を抑えることができる。
2 ロックアップピストン
3 ホールドプレート
4 ドリブンプレート
5 外径側スプリング
6 内径側スプリング
7 イコライザ
8 リテーナ
31 固定部
31a リベット孔(挿通孔)
31b 内側規制部
31c 接続部
32 開口部
33 フランジ部
33a 周壁部
33b 外側規制部
34 当接部
35 スプリング保持部
36 保持孔
37 規制部
38 規制部
39 把持部
40 貫通部
41 取付部
41a 取付孔
42 湾曲部
43 開口部
45 ばね受部
70 本体部
71 フランジ部
72 支持部
100 トルクコンバータ
101 カバーコンバータ
P 当接点
R リベット(締結部材)
S 収容空間
X 中心軸(回転中心軸)
Claims (4)
- トルクコンバータのロックアップピストンに固定されて、ロックアップピストンと一体に中心軸回りに回転するホールドプレートと、
トルクコンバータのタービンに連結されて、前記中心軸回りに回転するドリブンプレートと、
前記中心軸回りの周方向に配置されて、ホールドプレートとドリブンプレートとを回転方向で弾性的に連結するスプリングとを、備える振動減衰装置において、
前記ホールドプレートの前記ロックアップピストンとの固定部から内径側に突設されると共に前記スプリングを保持する保持孔が穿設されたスプリング保持部と、
前記スプリングの中心軸線に沿う前記保持孔の両側に形成された貫通孔と、を設けたことを特徴とする振動減衰装置。 - 前記貫通孔は、前記保持孔の両側から、前記保持孔に連通していることを特徴とする請求項1に記載の振動減衰装置。
- 前記ホールドプレートの前記固定部には、前記ホールドプレートを前記ロックアップピストンに締結させる締結部材を挿通させる挿通孔が、前記周方向に所定間隔で複数設けられており、
前記貫通孔は、前記挿通孔よりも内径側に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動減衰装置。 - 前記貫通孔は、前記周方向に沿って形成された長孔であり、前記長孔の前記周方向および前記径方向の幅は、前記ホールドプレートの板厚に応じて設定されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の振動減衰装置。
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