JP2013087725A - 過給機のオイル漏れ抑制構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】リテーナとその中心孔に挿通される回転軸との間を通じてインペラ側へオイルが漏出することを的確に抑制することができる。
【解決手段】過給機は、インペラ2の回転軸3を回転自在に支持する軸受(ラジアル軸受4、スラスト軸受5)を囲繞するベアリングハウジング1と、スラスト軸受5をインペラ2の軸線方向L外側から押圧して保持する保持部24を有する円盤状のリテーナ20と、を備えている。また、リテーナ20においてスラスト軸受5に対向する対向面20aには保持部24の内周側に回転軸3を内包する内側凹部25が形成されている。リテーナ20には保持部24の外周側に位置してドレイン通路に接続される外側通路51と、内側凹部25と外側通路51とを接続する接続通路52とが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、過給機のオイル漏れ抑制構造に関し、詳しくはリテーナとその中心孔に挿通される回転軸との間を通じたインペラ側へのオイルの漏れを抑制する構造に関する。
従来、この種の過給機の構造としては、例えば特許文献1に記載の構造がある。特許文献1に記載の過給機では、同文献の図1に示されるように、ベアリングハウジング(1)の内部に設けられたラジアル軸受(2)及びスラスト軸受(3)によりインペラ(8)の回転軸(4)が回転自在に支持されている。
この回転軸(4)には内側から順に、略円筒状の第1カラー(12)及び第2カラー(13)が外嵌されている。第1カラー(12)の外周溝(12b)と、これに対向するベアリングハウジング(1)の内周面(23)との間には上記スラスト軸受(3)が嵌合されている。一方、第2カラー(13)の外周面と、これに対向するベアリングハウジング(1)の内周面との間には円盤状のリテーナ(11)が嵌められており、このリテーナ(11)の中心孔の縁部によりインペラ(8)側への第2カラー(13)の変位が制限されている。
ここで、スラスト軸受(3)はリテーナ(11)の外周側縁部(以下、保持部)により外側から押圧して保持されている。ちなみに、リテーナ(11)は、ベアリングハウジング(1)の内周面に嵌合されたスナップリング(24)によってベアリングハウジング(1)に対して固定されている。
また従来、図5に示すように、スナップリングに代えてボルト241により、ベアリングハウジング201に対してリテーナ220が固定される過給機がある。この過給機においても、ラジアル軸受204及びスラスト軸受205によりインペラ202の回転軸203が回転自在に支持されている。また、この回転軸203には、先の特許文献1に記載の過給機の構造と同様にして、内側から順に、略円筒状の第1カラー206及び第2カラー207が外嵌されている。
図5の上側に示すように、スラスト軸受205はリテーナ220の保持部224により外側から押圧して保持されている。ここで、リテーナ220は、その保持部224に形成された貫通孔にボルト241が挿通されることによりベアリングハウジング201に対して固定されている。
また、リテーナ220とスラスト軸受205との間にはデフレクタ230が設けられている。このデフレクタ230は略円盤状をなしており、その下部からは鉛直方向下方且つ内側に向けて舌片236が延びている。
また、ベアリングハウジング201の内部には各軸受204,205に対してオイルを供給するためのオイル通路219が形成されている。
こうした構造を有する過給機によれば、スラスト軸受205と第1カラー206との間から流れ出たオイルの一部はデフレクタ230により捕集されてその舌片236を伝ってドレイン通路218に排出される。
また、スラスト軸受205と第1カラー206との間から流れ出たオイルの一部は、デフレクタ230の中心孔を通じてデフレクタ230とリテーナ220との間の空間に漏出して第2カラー207に付着する。こうして第2カラー207に付着したオイルは、回転軸203と共に第2カラー207が回転することに伴い自身に作用する遠心力によって外周に向けて飛散するようになる。そして、自身に作用する重力によって内側凹部225を伝いながら鉛直方向下方に落下することによりドレイン通路218に排出されるようになる。
特開平9―41982号公報
ところで、近年、車両搭載上の制約等によって過給機の小型化が進められており、これに伴ってリテーナ、ひいてはその内側凹部を小さくする必要が生じている。そのため、第2カラーに付着したオイルを飛散させるための空間が小さくされ、飛散したオイルが再び第2カラーに付着するようになる。その結果、第2カラーに再付着したオイルの一部がリテーナの中心孔と第2カラーとの間を通じてインペラ側、すなわち内燃機関の吸気通路に漏出するおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リテーナとその中心孔に挿通される回転軸との間を通じてインペラ側へオイルが漏出することを的確に抑制することのできる過給機のオイル漏れ抑制構造を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、インペラの回転軸を回転自在に支持する軸受を囲繞するハウジングと、回転軸の軸線方向の荷重を受ける前記軸受としてのスラスト軸受と、前記スラスト軸受をインペラの軸線方向外側から押圧して保持する保持部を有する円盤状のリテーナと、を備え、前記リテーナにおいて前記スラスト軸受に対向する対向面には前記保持部の内周側に回転軸を内包する内側凹部が形成された過給機に適用され、前記内側凹部の内部に存在するオイルをハウジングに形成されたドレイン通路を通じて外部に排出することにより、前記リテーナとその中心孔に挿通される回転軸との間を通じてインペラ側へオイルが漏出することを抑制する過給機のオイル漏れ抑制構造であって、前記リテーナには前記保持部の外周側に位置して前記ドレイン通路に接続される外側通路と、前記内側凹部と外側通路とを接続する接続通路とが形成されてなることをその要旨としている。
同構成によれば、遠心力によって飛散するオイルの一部はリテーナの内側凹部及び接続通路を介して外側通路まで移動するようになる。そして、外側通路に移動したオイルは自身に作用する重力によって同外側通路を伝ってドレイン通路に好適に排出されるようになる。このように、内側凹部のみが形成された従来のリテーナに比べて、オイルを飛散させるための空間を大きく確保することができるため、オイルが再び回転軸に付着することが抑制されるようになる。したがって、リテーナとその中心孔に挿通される回転軸との間を通じてインペラ側へオイルが漏出することを的確に抑制することができるようになる。
(2)請求項1に記載の発明は、請求項2に記載の発明によるように、前記保持部には前記軸線方向に沿って延びる貫通孔が形成され、前記リテーナは前記貫通孔に挿通されるボルトによりハウジングに対して固定され、前記外側通路は前記貫通孔の外周側に形成されてなるといった態様をもって具体化することができる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の過給機のオイル漏れ抑制構造において、前記外側通路は前記リテーナの前記対向面に形成された外側凹部を有してなることをその要旨としている。
同構成によれば、内側凹部と共に外側凹部をリテーナの対向面に凹設すればよいことから、外側通路を容易に形成することができるようになる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の過給機のオイル漏れ抑制構造において、前記接続通路は前記リテーナの前記対向面に形成された接続凹部を有してなることをその要旨としている。
同構成によれば、内側凹部と共に接続凹部をリテーナの対向面に凹設すればよいことから、接続通路を容易に形成することができるようになる。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の過給機のオイル漏れ抑制構造において、前記外側通路及び接続通路は、前記リテーナにおいて前記回転軸の軸心を通って鉛直方向に沿って延びる仮想線に対し前記回転軸が鉛直方向下方に向けて変位する側の部位に形成されてなることをその要旨としている。
同構成によれば、遠心力によって飛散するとともに重力によって落下するオイルの移動方向前方に接続通路及び外側通路が位置することとなる。このため、接続通路を通じて外側通路にオイルを好適に導入することができるようになる。
(6)請求項5に記載の構成を具現化する上では請求項6に記載の発明によるように、前記保持部においてその外周側に前記外側通路が形成される部位は前記回転軸の軸心よりも鉛直方向下方に位置してなり、前記接続通路は前記保持部の当該部位よりも鉛直方向上方に形成されてなるといった構成を採用することが望ましい。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の過給機のオイル漏れ抑制構造において、前記リテーナと前記スラスト軸受との間には、落下するオイルを捕集して前記ドレイン通路に案内するデフレクタが設けられてなり、前記リテーナの前記対向面には外側凹部が形成されてなり、前記デフレクタは前記外側凹部に対向する対向部を有してなり、前記外側通路は前記外側凹部と前記対向部との間の空間とされてなることをその要旨としている。
同構成によれば、スラスト軸受側から流れ出たオイルはデフレクタにより捕集されてドレイン通路に排出されるようになる。したがって、ドレイン通路にオイルを好適に排出することができるようになる。
また、上記構成によれば、リテーナの外側凹部、デフレクタの対向部、及びハウジングの内周面によって外側通路が構成されるようになる。このため、外側通路の容積を好適に大きくすることができ、外側通路を通じて多くのオイルをドレイン通路に容易に排出することができるようになる。したがって、オイルが再び回転軸に付着することを的確に抑制することができるようになる。
本発明の一実施形態に係る過給機のオイル漏れ抑制構造について、リテーナを中心とした過給機の断面構造を示す断面図。 同実施形態におけるリテーナの平面構造を示す平面図。 同実施形態におけるデフレクタの平面構造を示す平面図。 同実施形態の変形例について、デフレクタが挿入された状態におけるリテーナの斜視構造を示す斜視図。 従来の過給機について、リテーナを中心とした過給機の断面構造を示す断面図。
以下、図1〜図3を参照して、本発明に係る過給機のオイル漏れ抑制構造を具体化した一実施形態について説明する。
図1に、リテーナを中心とした過給機の断面構造を示す。尚、図1に示す断面図は、図2のA−A線に沿ったリテーナの断面構造に対応するとともに、図3のB−B線に沿ったデフレクタの断面構造に対応するものである。すなわち、図1における上下方向は鉛直方向ではない。また、図1において左側を外側と称し、右側を内側と称する。
図1に示すように、ベアリングハウジング1の内部には内側から順に略円筒状のラジアル軸受4及び略円盤状のスラスト軸受5が設けられており、これら軸受4,5により回転軸3が回転自在に支持されている。この回転軸3の外側端にはインペラ2がナット8により連結されている。尚、ここでは図示を割愛するが、回転軸3の右側端にはタービンホイールが連結されている。
回転軸3は拡径部3aと同拡径部3aからインペラ2側に延びる縮径部3bとを有しており、このうち拡径部3aがラジアル軸受4により支持されている。
また、縮径部3bには内側から順に、略円筒状をなす、第1カラー6及び第2カラー7が外嵌されている。第1カラー6の外周面には全周にわたって外周溝61が形成されており、この外周溝61と、同外周溝61に対向するベアリングハウジング1の内周面との間にスラスト軸受5が嵌合されている。
第2カラー7の外周面には全周にわたって拡径部71が形成されており、この拡径部71の外側には円盤状のリテーナ20が設けられている。リテーナ20は、第2カラー7の外周面と、同外周面に対向するベアリングハウジング1の内周面11との間に嵌合されている。リテーナ20の中心孔23の縁部23aに対して第2カラー7の拡径部71が内側から当接することにより同第2カラー7の外側への変位が制限されている。尚、第2カラー7の外周面において拡径部71よりも外側にはリング溝72が形成されており、このリング溝72にはCリング73が嵌合されている。また、リテーナ20の外周面には全周にわたってリング溝29が形成されており、このリング溝29にはOリング29aが嵌合されている。
また、リテーナ20とスラスト軸受5との間には略円盤状のデフレクタ30が設けられている。ここで、本実施形態では、リテーナ20とデフレクタ30とは同一の外径を有するものとされている。
リテーナ20においてスラスト軸受5に対向する対向面20a(図1の左面)には、デフレクタ30及びスラスト軸受5を外側から押圧して保持する保持部24が形成されている。また、この保持部24の内周側には第2カラー7及び回転軸3の一部を内包する内側凹部25が形成されている。
保持部24には軸線方向Lに沿って延びる2つの貫通孔が形成されている。また、デフレクタ30及びスラスト軸受5にはこれら貫通孔に対応した位置に2つの貫通孔がそれぞれ形成されている。また、ベアリングハウジング1にはこれら貫通孔に対応した位置にボルト穴が形成されている。そして、保持部24、デフレクタ30、及びスラスト軸受5の各貫通孔、並びにベアリングハウジング1のボルト穴にボルト(第1ボルト41,第2ボルト42)がそれぞれ挿通されることにより、ベアリングハウジング1に対してリテーナ20、デフレクタ30、及びスラスト軸受5が固定されている。
また、ベアリングハウジング1の内部には図示しないオイルポンプから圧送されるオイルを潤滑対象である各軸受4,5等に供給するためのオイル通路19が形成されている。このオイル通路19の途中には、ラジアル軸受4に対してオイルを供給するための第1通路19a、及びスラスト軸受5に対してオイルを供給するための第2通路19bが接続されている。また、スラスト軸受5の内部には第2通路19bを通じて供給されるオイルを第1カラー6の外周溝61に対して導入するための内部通路5aが形成されている。
次に、リテーナ20の構造について更に説明する。
図2に、リテーナ20における対向面20aの平面構造を示す。尚、図2において回転軸3の回転方向は反時計回り方向である。また、以降において、リテーナ20の各部の位置を時計の時刻を用いて説明する。すなわち、鉛直方向最上位置を12時位置、鉛直方向最下位置を6時位置、最右位置を3時位置、及び最左位置を9時位置と称するとともに、他の位置についても同様にして称することとする。
図2に示すように、リテーナ20の対向面20aにおいて外周側には保持部24が形成されている。保持部24は、図2において最も手前側に位置する部位であり、前述したように、デフレクタ30及びスラスト軸受5を押圧する部位である。
リテーナ20の2つの貫通孔(第1貫通孔21,第2貫通孔22)は中心孔23を挟むように形成されている。第1貫通孔21は略8時位置に形成されている。これに対して、第2貫通孔22は略2時位置に形成されている。詳しくは、第2貫通孔22は、第1貫通孔21の中心とリテーナ20の軸心Cとを通る直線であるA−A線よりも回転軸3の回転方向前方位置に形成されている。
内側凹部25は、図2において最も奥側に位置する部位であり、全周にわたって形成されている。具体的には、内側凹部25は、周方向において第1貫通孔21よりも回転軸3よりも回転方向前方位置(略8時位置)から第2貫通孔22よりも回転方向後方位置(略2時位置)までにわたるとともに、径方向において中心孔23の縁部23aから保持部24の内周側まで延びる扇形状をなした小径部25aを有している。また、内側凹部25は、周方向において略2時位置から略8時位置までにわたるとともに、径方向において中心孔23の縁部23aから各貫通孔21,22よりも外周側まで延びる扇形状をなした大径部25bを有している。
また、リテーナ20の対向面20aには外側凹部27が形成されている。この外側凹部27は、図2において保持部24よりも奥側であって且つ内側凹部25よりも手前側に位置する部位であり、外側通路51の一部を構成する。具体的には、外側凹部27は、周方向において内側凹部25の大径部25bと同位置(略2時位置)から略10時位置までにわたるとともに、径方向において内側凹部25の大径部25bからリテーナ20の最も外周側の端部まで延びている。すなわち、保持部24においてその外周側に外側通路51が形成される部位24aは回転軸3の軸心Cよりも鉛直方向下方に位置している。尚、先の図5に示す構造と同様にして、ベアリングハウジング1の内部において鉛直方向下部にはドレイン通路18が形成されており、外側通路51はこのドレイン通路18に接続されている。
また、リテーナ20の対向面20aには接続凹部26が形成されている。この接続凹部26は、図2において外側凹部27よりも奥側であって且つ内側凹部25よりも手前に位置する部位であり、接続通路52の一部を構成する。具体的には、接続凹部26は、周方向において内側凹部25の小径部25aと同一の範囲に形成されている。また、接続凹部26において略9時位置から略10時位置までの部位は径方向において外側凹部27に隣接している。すなわち、外側凹部27及び接続凹部26は、少なくとも、リテーナ20において回転軸3の軸心Cを通って鉛直方向に沿って延びる仮想線Vに対し回転軸3が鉛直方向下方に向けて変位する側の部位、すなわち図2において仮想線Vよりも左側の部位に形成されている。また、接続凹部26は、径方向において内側凹部25の小径部25aと第1貫通孔21が形成された保持部24の部位24aとの間、及び内側凹部25の小径部25aと第2貫通孔22が形成された保持部24との間にもそれぞれ形成されている。
次に、デフレクタ30の構造について更に説明する。
図3に、デフレクタ30においてスラスト軸受5に対向する面の平面構造を示す。
図3に示すように、本実施形態のデフレクタ30は略円盤状をなしており、その下部からは鉛直方向下方且つ図3において手前側に向けて舌片36が延びている。尚、先の図1では便宜上、舌片36の図示を割愛している。
また、デフレクタ30は、リテーナ20の保持部24とスラスト軸受5とに挟持される外周部34と、この外周部34の内周側に位置する内周部35とを有している。この内周部35は図3において外周部34よりも奥側に位置している。 尚、舌片36は内周部35の下端から延びている。
デフレクタ30の2つの貫通孔(第1貫通孔31,第2貫通孔32)は、外周部34においてリテーナ20の各貫通孔21,22と同様にして中心孔33を挟むように形成されている。
先の図1の上側に示すように、保持部24において第1ボルト41が挿通される部位24aの外周側には、外側凹部27、これに対向するデフレクタ30の対向部34a、及びベアリングハウジング1の内周面11によって外側通路51の一部が区画されている。
また、接続凹部26とデフレクタ30とによって内側凹部25と外側通路51とを接続する接続通路52が区画されている。
尚、第2カラー7が本発明に係るシール部材に相当する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
こうした構造を有する過給機によれば、スラスト軸受5と第1カラー6との間から流れ出たオイルの一部はデフレクタ30により捕集されてその舌片36を伝ってドレイン通路18に排出される。
また、スラスト軸受5と第1カラー6との間から流れ出たオイルの一部は、デフレクタ30の中心孔33を通じてデフレクタ30とリテーナ20との間の空間に漏出して第2カラー7に付着する。こうして第2カラー7に付着したオイルは、回転軸3と共に第2カラー7が回転することに伴い自身に作用する遠心力によって外周に向けて飛散するようになる。そして、一部のオイルは自身に作用する重力によって内側凹部25を伝いながら鉛直方向下方に落下することによりドレイン通路18に排出されるようになる。
ここで、本実施形態によれば、遠心力によって飛散するオイルの一部はリテーナ20の内側凹部25及び接続通路52を介して外側通路51まで移動するようになる。そして、オイルは自身に作用する重力によって外側通路51を伝ってドレイン通路18に排出されるようになる。このように、内側凹部のみが形成された従来のリテーナに比べて、オイルを飛散させるための空間を大きく確保することができるため、オイルが再び第2カラー7に付着することが抑制されるようになる。
以上説明した本実施形態に係る過給機のオイル漏れ抑制構造によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)過給機は、インペラ2の回転軸3を回転自在に支持する軸受(ラジアル軸受4、スラスト軸受5)を囲繞するベアリングハウジング1と、スラスト軸受5をインペラ2の軸線方向L外側から押圧して保持する保持部24を有する円盤状のリテーナ20と、を備えている。具体的には、保持部24には軸線方向Lに沿って延びる貫通孔21,22が形成されており、リテーナ20は貫通孔21,22に挿通されるボルト41,42によりベアリングハウジング1に対して固定されている。また、リテーナ20においてスラスト軸受5に対向する対向面20aには保持部24の内周側に回転軸3を内包する内側凹部25が形成されている。リテーナ20には保持部24の外周側に位置してドレイン通路18に接続される外側通路51と、内側凹部25と外側通路51とを接続する接続通路52とが形成されている。具体的には、外側通路51は第1貫通孔21の外周側に形成されている。こうした構成によれば、リテーナ20とその中心孔23に挿通される第2カラー7との間を通じてインペラ2側へオイルが漏出することを的確に抑制することができるようになる。
(2)外側通路51はリテーナ20の対向面20aに形成された外側凹部27を有している。こうした構成によれば、内側凹部25と共に外側凹部27をリテーナ20の対向面20aに凹設すればよいことから、外側通路51を容易に形成することができるようになる。また、外側通路51の通路断面積を大きくすることができるようになる。
(3)接続通路52はリテーナ20の対向面20aに形成された接続凹部26を有している。こうした構成によれば、内側凹部25と共に接続凹部26をリテーナ20の対向面20aに凹設すればよいことから、接続通路52を容易に形成することができるようになる。また、接続通路52の通路断面積を大きくすることができるようになる。
(4)外側通路51及び接続通路52は、リテーナ20において回転軸3の軸心Cを通って鉛直方向に沿って延びる仮想線Vに対し回転軸3が鉛直方向下方に向けて変位する側の部位に形成されている。具体的には、保持部24においてその外周側に外側通路51が形成される部位24aは回転軸3の軸心Cよりも鉛直方向下方に位置している。また、接続通路52は保持部24の当該部位24aよりも鉛直方向上方に形成されている。こうした構成によれば、遠心力によって飛散するとともに重力によって落下するオイルの移動方向前方に接続通路52及び外側通路51が位置することとなる。このため、接続通路52を通じて外側通路51にオイルを好適に導入することができるようになる。
(5)リテーナ20とスラスト軸受5との間には、落下するオイルを捕集してドレイン通路18に案内するデフレクタ30が設けられている。こうした構成によれば、スラスト軸受5と第1カラー6との間から流れ出たオイルはデフレクタ30により捕集されてドレイン通路18に排出されるようになる。したがって、ドレイン通路18にオイルを好適に排出することができるようになる。
(6)デフレクタ30は外側凹部27に対向する対向部34aを有している。外側通路51は外側凹部27と対向部34aとの間の空間とされている。こうした構成によれば、リテーナ20の外側凹部27、デフレクタ30の対向部34a、及びベアリングハウジング1の内周面によって外側通路51が構成されるようになる。このため、外側通路51の容積を好適に大きくすることができ、外側通路51を通じて多くのオイルをドレイン通路18に排出することが容易にできるようになる。したがって、オイルが再び第2カラー7に付着することを的確に抑制することができるようになる。
尚、本発明に係る過給機のオイル漏れ抑制構造は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、デフレクタ30がリテーナ20と同一の外径を有するものとしたが、これに代えて、デフレクタの外径がリテーナの内側凹部の外径よりも小さくされるものであってもよい。この場合、例えば図4に示すように、デフレクタ130はリテーナ120の内側凹部125の内部に収容されている。第1貫通孔121及び第2貫通孔122は上記実施形態と同じ位置に形成されている。また、リテーナ120の保持部124は周方向において略11時位置から略6時位置までにわたって形成されており、スラスト軸受を直接押圧するものとされる。また、接続凹部126は周方向において略4時位置から略7時位置までにわたって形成されている。また、外側凹部127は周方向において略6時位置から略11時位置までにわたって形成されている。ちなみに、デフレクタ130の舌片136のみが内側凹部125の外部に突出することとなる。
・上記実施形態によるように、リテーナ20の対向面20aに接続凹部26及び外側凹部27を形成することが接続通路52及び外側通路51の通路断面積を大きくする上では望ましい。また、これら凹部26,27を容易に加工する上では望ましい。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、他に例えば、リテーナの外周面に形成した周溝によって外側通路を構成するとともに、リテーナの内部に同外側通路と内側凹部とを連通する孔によって接続通路を構成することもできる。
・上記実施形態では、ボルト41,42によりリテーナ20をベアリングハウジング1に対して固定するようにした。しかしながら、本発明に係るリテーナの固定態様はこれに限られるものではなく、特許文献1に記載されるようにスナップリング等の他の固定手段によってリテーナを固定するようにしてもよい。この場合においても、リテーナの対向面に、保持部の外周側に位置してドレイン通路に接続される外側通路と、内側凹部と外側通路とを接続する接続通路とが形成されるものであれば、上記実施形態の効果(1)に準じた効果を奏することができるようになる。
1,201…ベアリングハウジング、2,202…インペラ、3,203…回転軸、3a…拡径部、3b…縮径部、4,204…ラジアル軸受、5,205…スラスト軸受、5a…内部通路、6,206…第1カラー、7,207…第2カラー、8…ナット、11…内周面、18,218…ドレイン通路、19,219…オイル通路、19a…第1通路、19b…第2通路、20,120,220…リテーナ、20a…対向面、21、121…第1貫通孔、22、122…第2貫通孔、23、123…中心孔、23a…縁部、24、124…保持部、24a…部位、25、125…内側凹部、25a…小径部、25b…大径部、26、126…接続凹部、27、127…外側凹部、29…リング溝、29a…Oリング、30,130,230…デフレクタ、31…第1貫通孔、32…第2貫通孔、33…中心孔、34…外周部、34a…対向部、35…内周部、36、136,236…舌片、41…第1ボルト、42…第2ボルト、51…外側通路、52…接続通路、61…外周溝、71…拡径部、72…リング溝、73…Cリング、241…ボルト。

Claims (7)

  1. インペラの回転軸を回転自在に支持する軸受を囲繞するハウジングと、回転軸の軸線方向の荷重を受ける前記軸受としてのスラスト軸受と、前記スラスト軸受をインペラの軸線方向外側から押圧してして保持する保持部を有する円盤状のリテーナと、を備え、前記リテーナにおいて前記スラスト軸受に対向する対向面には前記保持部の内周側に回転軸を内包する内側凹部が形成された過給機に適用され、
    前記内側凹部の内部に存在するオイルをハウジングに形成されたドレイン通路を通じて外部に排出することにより、前記リテーナとその中心孔に挿通される回転軸との間を通じてインペラ側へオイルが漏出することを抑制する過給機のオイル漏れ抑制構造であって、
    前記リテーナには前記保持部の外周側に位置して前記ドレイン通路に接続される外側通路と、前記内側凹部と外側通路とを接続する接続通路とが形成されてなる
    ことを特徴とする過給機のオイル漏れ抑制構造。
  2. 請求項1に記載の過給機のオイル漏れ抑制構造において、
    前記保持部には前記軸線方向に沿って延びる貫通孔が形成され、
    前記リテーナは前記貫通孔に挿通されるボルトによりハウジングに対して固定され、
    前記外側通路は前記貫通孔の外周側に形成されてなる
    ことを特徴とする過給機のオイル漏れ抑制構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の過給機のオイル漏れ抑制構造において、
    前記外側通路は前記リテーナの前記対向面に形成された外側凹部を有してなる
    ことを特徴とする過給機のオイル漏れ抑制構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の過給機のオイル漏れ抑制構造において、
    前記接続通路は前記リテーナの前記対向面に形成された接続凹部を有してなる
    ことを特徴とする過給機のオイル漏れ抑制構造。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の過給機のオイル漏れ抑制構造において、
    前記外側通路及び接続通路は、前記リテーナにおいて前記回転軸の軸心を通って鉛直方向に沿って延びる仮想線に対し前記回転軸が鉛直方向下方に向けて変位する側の部位に形成されてなる
    ことを特徴とする過給機のオイル漏れ抑制構造。
  6. 請求項5に記載の過給機のオイル漏れ抑制構造において、
    前記保持部においてその外周側に前記外側通路が形成される部位は前記回転軸の軸心よりも鉛直方向下方に位置してなり、
    前記接続通路は前記保持部の当該部位よりも鉛直方向上方に形成されてなる
    ことを特徴とする過給機のオイル漏れ抑制構造。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の過給機のオイル漏れ抑制構造において、
    前記リテーナと前記スラスト軸受との間には、落下するオイルを捕集して前記ドレイン通路に案内するデフレクタが設けられてなり、
    前記リテーナの前記対向面には外側凹部が形成されてなり、
    前記デフレクタは前記外側凹部に対向する対向部を有してなり、
    前記外側通路は前記外側凹部と前記対向部との間の空間とされてなる
    ことを特徴とする過給機のオイル漏れ抑制構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106285923A (zh) * 2016-07-29 2017-01-04 中国北方发动机研究所(天津) 一种涡轮增压器密封甩油结构
US10557377B2 (en) 2016-03-31 2020-02-11 Ihi Corporation Turbocharger

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