以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、ロボット仕分けシステムを宅配便事業者のトラックターミナルに適用した例である。また、本実施形態は、トラックターミナルが、既存の設備として、仕分けを行うロボットが配設された仕分けスペースを1つ有し、複数の被仕分け物品である荷物の仕分け先である仕向地が属する区域を「A区域」「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」「F区域」の6区域とした場合の例である。
図1に示すように、本実施形態のロボット仕分けシステム1は、宅配便事業者のトラックターミナル2に設けられている。トラックターミナル2は、搬入側トラック3により搬入された、仕向地(仕分け先に相当)が定められた仕分け対象となる箱状の複数の荷物4(被仕分け物品)を、仕向地が属する区域(以下適宜、単に「仕向地区域」と称する)に応じて「A区域」「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」「F区域」へ仕分け、これら「A区域」〜「F区域」それぞれへの仕分け済み荷物4として、搬出側トラック5へ積み替えるための物流施設である。なお、仕分け済み荷物4は、特許請求の範囲に記載の仕分け済み物品に相当する。このトラックターミナル2には、搬入側トラック3により搬入された複数の荷物4を受け入れるための搬入側バース6と、仕分け済み荷物4を搬出側トラック5へ送り出すための搬出側バース7とが設けられている。
搬入側トラック3により搬入された複数の荷物4には、外郭寸法(すなわち、後述の箱4aの寸法)が異なる荷物4が混在している。各荷物4は、図2に示すように、外郭を構成する箱4a(例えば段ボール箱)と、箱4aの内部に収容された宅配対象物4bとから構成されている。各荷物4の箱4aの上面には、仕向地の住所等の情報を含む仕向地情報(仕分け先情報に相当)、及び、箱4aの長さ方向寸法情報、幅方向寸法情報、及び高さ方向寸法情報等を含む箱4aの寸法情報が記録された(対応付けられた)バーコード8が設けられている。以下適宜、荷物4の箱4aの上面を、単に「荷物4の上面」と称する。
図1及び図3に示すように、ロボット仕分けシステム1は、搬入側カーゴ9(第1供給側載置部)と、搬出側カーゴ10A,10B,10C,10D,10E,10F(以下適宜、これらを区別なく示す場合には「搬出側カーゴ10」と称する)と、仕分けスペースSSと、搬入側カーゴ用搬送台車17と、搬出側カーゴ用搬送台車18と、PLC(Programmable Logic Controller)16と、PC(Personal Computer)15とを有している。
PLC16は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等の図示しない記憶装置(対応情報記憶手段、パラメータ情報記憶手段)を有している。また、PLC16には、操作者の手動操作により操作情報を入力可能なキーボードやマウス等のユーザインターフェース50(操作手段)が接続されている。PLC16の記憶装置には、荷物4に関する仕分けパラメータ情報として、荷物4の数量情報、及び、各仕向地区域ごとの荷物4の数量情報(例えば、「A区域」:200個、「B区域」:100個、「B区域」:300個・・・、等の情報)が記憶されている。なお、各仕向地区域ごとの荷物4の数量情報に代えて、各仕向地区域ごとの荷物4の数量比率情報(例えば、「A区域」:「B区域」:「C区域」:・・・=2:1:3:・・・、等の情報)を記憶させてもよい。
搬入側カーゴ9及び搬出側カーゴ10A〜10Fは、それぞれ同等の構造を有しており、図4(a)(b)に示すように、側壁29,30と、背壁31と、荷物4を載置するための下棚19と、下棚19の上方に設けられ、荷物4を載置するための跳ね上げ式の上棚20とをそれぞれ有している。下棚19の下面の四隅には、キャスタ21がそれぞれ取り付けられており、搬入側カーゴ9及び搬出側カーゴ10A〜10Fは、それぞれ移動自在に構成されている。
搬入側カーゴ9の下棚19及び上棚20には、搬入側トラック3により搬入された複数の荷物4が、上記バーコード8が設けられた上面側が上方を向くように、複数段に亘って載置される(段積みされる)。
搬出側カーゴ10A〜10Fは、各仕向地区域ごとに設けられており、上記PLC16の記憶装置に記憶された仕分けパラメータ情報(荷物4の数量情報、、及び、各仕向地区域ごとの荷物4の数量情報)に基づいて、「A区域」「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」「F区域」のそれぞれが、これら搬出側カーゴ10A〜10Fのいずれかに対応付けられている。この例では、「A区域」は搬出側カーゴ10A、「B区域」は搬出側カーゴ10B、「C区域」は搬出側カーゴ10C、「D区域」は搬出側カーゴ10D、「E区域」は搬出側カーゴ10E、「F区域」は搬出側カーゴ10F、に対応付けられている。これら搬出側カーゴ10A〜10Fの下棚19及び上棚20には、対応する仕向地区域への仕分け済み荷物4が複数段に亘って載置される(段積みされる)。
図1及び図3に戻り、仕分けスペースSSには、アーム24(ロボットアーム)を有するロボット11と、仮置き台12と、コンベア13と、ロボットコントローラ14とが配設されている。ロボット11とロボットコントローラ14とは、相互通信可能に接続され、ロボットコントローラ14と、上記PLC16と、上記PC15とは、相互通信可能に接続されている。なお、図3中では、図示の煩雑を防止するため、ロボットコントローラ14の図示を省略している。この仕分けスペースSSのロボット11の周囲には、搬入側バース6から受け入れた上記搬入側カーゴ9を設置するための搬入側カーゴ用設置領域22と、所定の領域から受け入れた上記搬出側カーゴ10A,10B,10C,10D,10E,10Fをそれぞれ設置するための搬出側カーゴ用設置領域23A,23B,23C,23D,23E,23Fとが設けられている。
また、仕分けスペースSSにおいては、搬入側カーゴ9及び搬出側カーゴ10A〜10Fは、ロボット11のアーム24の基端部を中心とする略円周上に、放射状の向きとなるように、言い換えれば正面(上記背壁31に対向する面)がアーム24の基端部側を向くように、配設されている。また、本実施形態では、上記PLC16の記憶装置に記憶された仕分けパラメータ情報に基づいて検出された、荷物4の数量が比較的多い(荷物4の数量比率が比較的高い)仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10(この例では、「A区域」「F区域」に対応した搬出側カーゴ10A,10F)は、それ以外の仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10(この例では、「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」に対応した搬出側カーゴ10B,10C,10D,10E)よりも搬入側カーゴ9の近くに配設されている。
ロボット11は、搬入側カーゴ用設置領域22に設置された搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、仕向地区域に応じて「A区域」「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」「F区域」へ仕分けつつ、搬出側カーゴ用設置領域23A〜23Fにそれぞれ設置された搬出側カーゴ10A〜10Fへ搬送することで積み替える。すなわち、ロボット11は、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、「A区域」への仕分け済み荷物4と、「B区域」への仕分け済み荷物4と、「C区域」への仕分け済み荷物4と、「D区域」への仕分け済み荷物4と、「E区域」への仕分け済み荷物4と、「F区域」への仕分け済み荷物4とに仕分け、仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10へ積み替える。
具体的には、ロボット11は、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4のうち、仕向地が「A区域」に属する荷物4については、「A区域」への仕分け済み荷物4として、「A区域」に対応した搬出側カーゴ10Aへ積み替える。仕向地が「B区域」に属する荷物4については、「B区域」への仕分け済み荷物4として、「B区域」に対応した搬出側カーゴ10Bへ積み替える。仕向地が「C区域」に属する荷物4については、「C区域」への仕分け済み荷物4として、「C区域」に対応した搬出側カーゴ10Cへ積み替える。仕向地が「D区域」に属する荷物4については、「D区域」への仕分け済み荷物4として、「D区域」に対応した搬出側カーゴ10Dへ積み替える。仕向地が「E区域」に属する荷物4については、「E区域」への仕分け済み荷物4として、「E区域」に対応した搬出側カーゴ10Eへ積み替える。仕向地が「F区域」に属する荷物4については、「F区域」への仕分け済み荷物4として、「F区域」に対応した搬出側カーゴ10Fへ積み替える。
このロボット11は、図5及び図6に示すように、上記アーム24を有しており、このアーム24の先端には、4つの吸着パッド25(ツール)、鉤状治具28、レーザセンサ26、及びビジョンセンサ27(仕分け先取得手段)が設けられている。
アーム24は、複数の部材から構成されており、各部材同士が回転自在に取り付けられている。
吸着パッド25は、図示しない真空装置により真空状態にされることで、荷物4を真空吸着により持ち上げ可能に構成されている。
鉤状治具28は、搬入側カーゴ9及び搬出側カーゴ10A〜10Fの上棚20の上げ下げを行うための治具である。
レーザセンサ26は、搬入側カーゴ9の仕分け対象とする棚(下棚19及び上棚20のどちらか一方)の上方から下方へ向けて、すなわち当該棚に載置された、上面(天面)に他の荷物4が載置されていない最上段の荷物4の上面へ向けて、レーザ光を照射し、そのレーザ光の反射光を受光して、当該最上段の荷物4全ての上面を走査することで、当該最上段の荷物4それぞれの上面までの距離情報を取得する。
ビジョンセンサ27は、搬入側カーゴ9の仕分け対象とする棚に載置された特定の荷物4(上面が最も高い位置に存在する荷物4。詳細は後述)の上面をセンシングすることで、特定の荷物4の上面の外形情報を取得すると共に、特定の荷物4の上面に設けられた上記バーコード8から上記仕向地情報及び箱4aの寸法情報の取得を図る。
図3に戻り、仮置き台12は、荷物4を一時的に載置する(仮置きする)ための台である。
コンベア13は、ビジョンセンサ27によりバーコード8から仕向地情報及び箱4aの寸法情報が取得できなかった(バーコード8が読み取れなかった)荷物4を所定の場所へ搬送するためのコンベアである。コンベア13により所定の場所へ搬送された荷物4は、例えば作業者により仕向地等が確認され、その後仕分けられる。
また、仕分けスペースSSにおいてロボット11により仕分けが行われる際には、PLC16の制御に基づいて、上記搬入側バース6に配設された、複数の荷物4が載置された搬入側カーゴ9が、搬入側カーゴ用搬送台車17により牽引されつつ当該搬入側バース6から上記搬入側カーゴ用設置領域22へ搬送され設置される。またこれと共に、所定の領域に配設された、(空の)搬入側カーゴ10A〜10Fが、搬出側カーゴ用搬送台車18により牽引されつつ当該所定の領域から上記搬出側カーゴ用設置領域23A〜23Fへそれぞれ搬送され設置される。そして、仕分けが終了した際には、上記搬入側カーゴ用設置領域22に設置されている、仕分けが終了した(空の)搬入側カーゴ9が、搬入側カーゴ用搬送台車17により牽引されつつ当該搬入側カーゴ用設置領域22から所定の領域へ搬送される。またこれと共に、上記搬出側カーゴ用設置領域23A〜23Fにそれぞれ設置されている、対応する仕向地区域への仕分け済み荷物4が載置された搬入側カーゴ10A〜10Fが、搬出側カーゴ用搬送台車18により牽引されつつ当該搬出側カーゴ用設置領域23A〜23Fから上記搬出側バース7へ搬送される。
図1に戻り、ロボットコントローラ14は、ロボット11(アーム24、吸着パッド25、レーザセンサ26、及びビジョンセンサ27等)の動作を制御する(詳細は後述)。
PC15は、搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚(下棚19及び上棚20のどちらか一方)への荷物4の積み付けパターンを複数種類記憶した図示しない記憶装置を有している。このPC15の記憶装置に記憶された複数種類の積み付けパターンには、予め、載置効率や載置状態の安定性等に応じて、優先度指標(この例では「1」「2」「3」・・・の複数のランクがあり、値が小さいほど優先度が高い)が付与されている。図7(a)(b)に、PC15の記憶装置に記憶された積み付けパターンの一例を示す。図7(a)に示す積み付けパターンは、比較的優先度指標の高いパターンであり、複数の荷物4がほぼ隙間なく積み付けられており、載置効率及び載置状態の安定性は比較的高くなっている。図7(b)に示す積み付けパターンは、上記図7(a)に示す積み付けパターンよりも優先度指標の低いパターンであり、載置された複数の荷物4の間に隙間が多少形成されている部分があり、載置効率及び載置状態の安定性は上記図7(a)に示す積み付けパターンよりも低くなっている。
以下、図8〜図11を用いて、ロボットコントローラ14の制御に基づいたロボット11の動作の概要の一例を説明する。
図8に示すように、ロボット11は、アーム24を動作し、レーザセンサ26を搬入側カーゴ9の仕分け対象とする棚の上方へ移動させる。その後、レーザセンサ26により、当該棚に載置された上記最上段の荷物4の上面へ向けてレーザ光を照射し、そのレーザ光の反射光を受光して、当該最上段の荷物4全ての上面を走査することで、当該最上段の荷物4それぞれの上面までの距離情報を取得する。レーザセンサ26の取得結果、すなわち上記最上段の荷物4それぞれの上面までの距離情報は、ロボットコントローラ14へ出力される。これにより、搬入側カーゴ9の仕分け対象とする棚に載置された複数の荷物4のうち、上面が最も高い位置に存在する荷物4が特定される。
そして、図9に示すように、ロボット11は、アーム24を動作し、ビジョンセンサ27を上記特定された特定の荷物4の上方へ移動させる。その後、ビジョンセンサ27により、特定の荷物4の上面をセンシングすることで、特定の荷物4の上面の外形情報を取得すると共に、特定の荷物4の上面に設けられたバーコード8から上記仕向地情報及び箱4aの寸法情報の取得を図る。以下では、上記においてビジョンセンサ27によりバーコード8から仕向地情報及び箱4aの寸法情報が取得できた(バーコード8が読み取れた)場合を例にとって説明する。すなわち、上記においてビジョンセンサ27によりバーコード8から仕向地情報及び箱4aの寸法情報が取得できた場合には、ビジョンセンサ27の取得結果、すなわち特定の荷物4の上面の外形情報、及び、特定の荷物4の仕向地情報及び箱4aの寸法情報が、ロボットコントローラ14へ出力される。これにより、特定の荷物4の上面の形状及び大きさ(長さ方向寸法及び幅方向寸法)が算出されると共に、特定の荷物4の箱4aの高さ方向寸法(以下適宜、荷物4の箱4aの高さ方向寸法を、単に「荷物4の高さ方向寸法」と称する)、及び、特定の荷物4に対応した特定の仕向地区域が決定され、搬出側カーゴ10A〜10Fのうち、特定の仕向地区域に対応した特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚への特定の荷物4の積み付け位置が決定される。
そして、図10に示すように、ロボット11は、アーム24及び吸着パッド25を動作し、上記算出された特定の荷物4の上面の形状及び大きさに基づいて決定された持ち上げ位置へ吸着パッド25を移動させ、吸着パッド25により特定の荷物4を持ち上げ、その持ち上げた特定の荷物4を、図11に示すように、特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚(図11に示す例では下棚19)の上記決定された積み付け位置へ積み付けて、仕分け済み荷物4とする。以上のような手順を繰り返し実行することにより、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、仕向地区域に応じて「A区域」「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」「F区域」へ仕分けつつ搬出側カーゴ10A〜10Fへ積み替えて、「A区域」〜「F区域」それぞれへの仕分け済み荷物4とする。
以下、図12を用いて、本実施形態においてPLC16の制御に基づいてロボットコントローラ14が実行する、仕分け済み荷物4の製造方法による制御内容の一例を説明する。
図12において、このフローに示す処理は、所定の開始操作(例えば、ロボットコントローラ14の電源オン)が行われることによって開始される。まずステップS10で、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、レーザセンサ26を搬入側カーゴ9の仕分け対象とする棚の上方へ移動するように、アーム24を動作させる。
そして、ステップS20に移り、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、レーザセンサ26を上述のように動作させ、レーザセンサ26を介して、搬入側カーゴ9の仕分け対象とする棚に載置された上記最上段の荷物4それぞれの上面までの距離情報を取得する。
その後、ステップS30で、ロボットコントローラ14は、上記ステップS20でレーザセンサ26を介して取得された上記最上段の荷物4それぞれの上面までの距離情報に基づき、搬入側カーゴ9の仕分け対象とする棚に載置された複数の荷物4のうち、上面が最も高い位置に存在する荷物4を特定する。
そして、ステップS40に移り、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、ビジョンセンサ27を上記ステップS30で特定された特定の荷物4の上方へ移動するように、アーム24を動作させる。
その後、ステップS50で、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、ビジョンセンサ27を上述のように動作させ、ビジョンセンサ27を介して、上記特定の荷物4の上面の位置情報を含む外形情報を取得すると共に、特定の荷物4の上面に設けられたバーコード8から仕向地情報及び箱4aの寸法情報の取得を図る。
そして、ステップS60に移り、ロボットコントローラ14は、上記ステップS50でビジョンセンサ27を介して取得された上記特定の荷物4の上面の外形情報に基づき、当該特定の荷物4の上面の位置を含む形状及び大きさを算出する。
その後、ステップS70で、ロボットコントローラ14は、上記ステップS50でビジョンセンサ27を介して仕向地情報及び箱4aの寸法情報が取得できたかどうかを判定する。仕向地情報及び箱4aの寸法情報が取得できていなかった場合(バーコード8が読み取れていなかった)には、ステップS70の判定が満たされず、ステップS80に移る。
ステップS80では、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、上記ステップS60で算出された特定の荷物4の上面の形状及び大きさに基づいて決定した持ち上げ位置へ吸着パッド25を移動して、吸着パッド25により上記特定の荷物4を持ち上げ、その持ち上げた特定の荷物4をコンベア13の搬送面へ載置するように、アーム24及び吸着パッド25を動作させる。その後、上記ステップS10に戻り、同様の手順を繰り返す。なお、コンベア13の搬送面に載置された特定の荷物4は、コンベア13により所定の場所へ搬送される。
一方、上記ステップS70において、上記ステップS50でビジョンセンサ27を介して仕向地情報及び箱4aの寸法情報を取得できていた場合(バーコード8が読み取れていた)には、ステップS70の判定が満たされて、ステップS90に移る。
ステップS90では、ロボットコントローラ14は、上記ステップS50でビジョンセンサ27を介して取得された上記特定の荷物4の仕向地情報に基づき、当該特定の荷物4に対応した特定の仕向地区域を決定する。
そして、ステップS100に移り、ロボットコントローラ14は、上記ステップS50でビジョンセンサ27を介して取得された上記特定の荷物4の箱4aの寸法情報に基づき、当該特定の荷物4の高さ方向寸法を決定する。
その後、ステップS110で、ロボットコントローラ14は、PC15の記憶装置にアクセスし、上記ステップS90で決定された特定の仕向地区域に対応した特定の搬出側カーゴ10における荷物4の積み付けパターンとして、上記記憶装置に記憶された複数種類の積み付けパターンのうち、優先度指標の最も高い積み付けパターンを選択して取得する。但し、後述のステップS150で、このステップS110で特定の搬出側カーゴ10に関して選択する積み付けパターンの優先度指標を下げるように設定されていた場合には、その設定された優先度指標に対応する積み付けパターンを選択して取得する。なお、後述のステップS150では、特定の搬出側カーゴ10に関して選択する積み付けパターンの優先度指標を1つずつ下げるように設定されるので、このステップS110では、ロボットコントローラ14は、実質的には、PC15の記憶装置に記憶された複数種類の積み付けパターンを、優先度指標が高い順に選択して取得することとなる。
そして、ステップS120に移り、ロボットコントローラ14は、上記ステップS60で算出された上記特定の荷物4の上面の形状及び大きさ、上記ステップS100で決定された特定の荷物4の高さ方向寸法、後述のステップS180で記憶された上記特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚における荷物4の載置状況、及び、上記ステップS110で取得された積み付けパターンに基づき、現時点で特定の荷物4を特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置するかどうかを判定する。現時点で特定の荷物4を特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置したら、当該棚における載置効率や載置状態の安定性が悪化する場合には、特定の荷物4を特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置しないとみなし、ステップS120の判定が満たされず、ステップS130に移る。
ステップS130では、ロボットコントローラ14は、上記ステップS60で算出された上記特定の荷物4の上面の形状及び大きさ、上記ステップS100で決定された特定の荷物4の高さ方向寸法、及び、後述のステップS180で記憶された仮置き台12における荷物4の載置状況に基づき、仮置き台12に特定の荷物4を載置するスペースが存在するかどうかを判定する。仮置き台12に特定の荷物4を載置するスペースが存在した場合には、ステップS130の判定が満たされて、ステップS140に移る。
ステップS140では、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、上記ステップS60で算出された特定の荷物4の上面の形状及び大きさに基づいて決定した持ち上げ位置へ吸着パッド25を移動して、吸着パッド25により特定の荷物4を持ち上げ、その持ち上げた特定の荷物4を仮置き台12へ載置するように、アーム24及び吸着パッド25を動作させる。その後、後述のステップS180に移る。
一方、上記ステップS130において、仮置き台12に特定の荷物4を載置するスペースが存在しなかった場合には、ステップS130の判定が満たされず、ステップS150に移る。
ステップS150では、ロボットコントローラ14は、上記ステップS110で上記特定の搬出側カーゴ10に関して選択する積み付けパターンの優先度指標を、現時点よりも1つ下げるように設定する。その後、上記ステップS110に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップS120において、現時点で特定の荷物4を特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置しても、当該棚における載置効率や載置状態の安定性が悪化しない場合には、特定の荷物4を特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置するとみなし、ステップS120の判定が満たされて、ステップS160に移る。
ステップS160では、ロボットコントローラ14は、上記ステップS60で算出された上記特定の荷物4の上面の形状及び大きさ、上記ステップS100で決定された特定の荷物4の高さ方向寸法、後述のステップS180で記憶された上記特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚における荷物4の載置状況、及び、上記ステップS110で取得された積み付けパターンに基づき、特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚への特定の荷物4の積み付け位置を決定する。
その後、ステップS170で、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、上記ステップS60で算出された特定の荷物4の上面の形状及び大きさに基づいて決定した持ち上げ位置へ吸着パッド25を移動して、吸着パッド25により特定の荷物4を持ち上げ、その持ち上げた特定の荷物4を、上記特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚の上記ステップS160で決定された積み付け位置へ積み付けるように、アーム24及び吸着パッド25を動作させる。
そして、ステップS180へ移り、ロボットコントローラ14は、例えば図示しないメモリに、搬出側カーゴ10A〜10Fにおける荷物4の載置状況(荷物4の載置位置、形状、大きさ、高さ方向寸法、仕向地区域等の情報)、及び、仮置き台12における荷物4の載置状況(荷物4の載置位置、形状、大きさ、高さ方向寸法、仕向地区域等の情報)を記憶する。
その後、ステップS190で、ロボットコントローラ14は、仮置き台12に載置された荷物4に、仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置可能な荷物4が存在するかどうかを判定する。仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置可能な荷物4が存在しなかった場合には、ステップS190の判定が満たされず、上記ステップS10に戻り、同様の手順を繰り返す。一方、仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置可能な荷物4が存在した場合には、ステップS190の判定が満たされて、ステップS200に移る。
ステップS200では、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、吸着パッド25により仮置き台12に載置された上記ステップS190で仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置可能と判定された荷物4を持ち上げ、その持ち上げた荷物4を、仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置するように、アーム24及び吸着パッド25を動作させる。その後、上記ステップS180に戻り、同様の手順を繰り返す。
なお、このフローに示す処理は、所定の終了操作(例えば、ロボットコントローラ14の電源オフ)が行われた場合に終了する。このフローに示す処理を実行することにより、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、仕向地区域に応じて「A区域」「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」「F区域」へ仕分けつつ搬出側カーゴ10A〜10Fへ積み替えて、「A区域」〜「F区域」それぞれへの仕分け済み荷物4とする。
以上説明したように、本実施形態のロボット仕分けシステム1においては、レーザセンサ26を介して、搬入側カーゴ9に載置された最上段の荷物4それぞれの上面までの距離情報が取得され、その取得結果に基づいて、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4のうち、上面が最も高い位置に存在する荷物4が特定される。その後、ビジョンセンサ27を介して、上記特定された特定の荷物4の外形情報が取得されると共に、特定の荷物4に設けられる当該特定の荷物4の仕向地情報の取得が図られる。そして、ビジョンセンサ27を介して取得された特定の荷物4の外形情報に基づいて、当該特定の荷物4の形状及び大きさが算出され、ビジョンセンサ27を介して特定の荷物4の仕向地情報が取得できた場合には、その取得された特定の荷物4の仕向地情報に基づいて、当該特定の荷物4に対応した特定の仕向地区域が決定される。その後、上記算出された特定の荷物4の形状及び大きさに応じて、搬入側カーゴ9に載置された特定の荷物4が吸着パッド25によって持ち上げられ、特定の仕向地区域に対応した特定の搬出側カーゴ10へ積み付けられる。以上のような手順が繰り返し実行されることにより、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4が、仕向地区域に応じて仕分けられつつ搬出側カーゴ10A〜10Fへ積み替えられて、対応する仕向地区域への仕分け済み荷物4とされると共に、(空の)搬出側カーゴ10A〜10Fが、対応する仕向地区域への仕分け済み荷物4が載置された搬出側カーゴ10A〜10Fとされる。
以上のように、本実施形態においては、仕分け作業をロボット11により自動で行うので、仕分け作業を作業者の人手により行う場合に比べ、作業者の労力負担を低減することができる。また、ビジョンセンサ27を介して荷物4の上面に設けられたバーコード8から荷物4の仕向地情報を取得することで、当該荷物4に対応した仕向地区域を正確に決定することが可能となる。これにより、荷物4を誤った仕向地区域に仕分けてしまうのを防止することができ、信頼性を向上することができる。
また、仕分け作業を作業者の人手により場合、作業者の肉体的負担及び疲労の問題から、1人の作業者に対し長時間に亘る作業を行わせることができず、複数の作業者を用意して作業を交替で行わせたり、作業を中断する必要がある。これに対し、本実施形態では、仕分け作業を自動化することができるので、上記のような問題を考慮することなく、作業を円滑に連続して行うことができ、作業効率を向上することができる。
また、本実施形態では特に、PC15の記憶装置には、搬出側カーゴ10への荷物4の積み付けパターンが記憶されており、上記算出された上記特定の荷物4の形状及び大きさ、上記特定の搬出側カーゴ10における荷物4の載置状況、及び、PC15の記憶装置に記憶された積み付けパターンに基づいて、特定の搬出側カーゴ10への特定の荷物4の積み付け位置が決定される。そして、上述のように吸着パッド25によって持ち上げられた特定の荷物4が、上記決定された積み付け位置へ積み付けられる。このとき、載置効率が高く(多数載置でき)かつ載置状態の安定性が高い(荷崩れのし難い)積み付けパターンをPC15の記憶装置に記憶させておくことで、搬出側カーゴ10への荷物4の効率的かつ安定的な積み付け位置を決定することができ、仕分け作業を効率的かつ安定的に行うことができる。
また、本実施形態では特に、上記特定の荷物4を上記特定の搬出側カーゴ10へ載置しないと判定された場合には、当該特定の荷物4は、仮置き台12へ載置され、搬出側カーゴ10への積み付けが後回しにされる。これにより、搬出側カーゴ10における載置効率や載置状態の安定性が悪化するのを防止することが可能となる。また、搬出側カーゴ10へ載置される荷物4の積み付けパターンを、PC15の記憶装置に記憶された積み付けパターンへ確実に導くことが可能となり、仕分け作業をより効率的かつ安定的に行うことが可能となる。
また、本実施形態では特に、PC15の記憶装置には、予め優先度指標が付与された複数種類の積み付けパターンが記憶されており、これら複数種類の積み付けパターンは優先度指標が高い順に選択される。このとき、載置効率が高く(多数載置でき)かつ載置状態の安定性が高い(荷崩れのし難い)複数種類の積み付けパターンを、載置効率が高くかつ載置状態の安定性が高いパターンほど高い優先度指標を付与してPC15の記憶装置に記憶させておくことで、複数種類の積み付けパターンを載置効率が高くかつ載置状態の安定性が高い順に選択させることができる。これにより、まず最も優先度指標の高い積み付けパターンが選択させ、仕分け作業を最も効率的かつ安定的に行っている際に、仮置き台12へ荷物4を仮置きできなくなり、最も優先度指標の高い積み付けパターンへ導くことが困難になった場合でも、優先度指数が1つ下の積み付けパターンを選択させ、仕分け作業を効率的かつ安定的に続行させることができる。
また、本実施形態では特に、荷物4の上面の形状及び大きさに加え、決定した荷物4の高さ方向寸法にも基づいて、上述の積み付け位置が決定される。これにより、搬出側カーゴ10への荷物4の効率的かつ安定的な積み付け位置をより正確に決定することができる。
また、本実施形態では特に、搬入側カーゴ9及び搬出側カーゴ10A〜10Fが、ロボット11のアーム24の基端部を中心とする略円周上に配設されている。これにより、アーム24の基端部と搬入側カーゴ9及び各搬出側カーゴ10との距離がぼほ均一となるので、アーム24は主に先端に設けられた吸着パッド25を周方向に移動させる動作を行いつつ仕分け作業を行うこととなり、吸着パッド25の径方向の移動量を少なくすることができる。その結果、仕分け作業を迅速に行うことが可能となり、仕分け作業のタクトタイムを短縮することができる。また、搬入側カーゴ9及び各搬出側カーゴ10を放射状の向きとなるように配設することにより、搬入側カーゴ9及び各搬出側カーゴ10の正面をアーム24の基端部側に向けることができ、吸着パッド25により搬入側カーゴ9及び各搬出側カーゴ10へ円滑にアクセスすることが可能となる。
また、本実施形態では特に、荷物4の数量が比較的多い仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10(上記の例では、「A区域」「F区域」に対応した搬出側カーゴ10A,10F)を、それ以外の搬出側カーゴ10(上記の例では、「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」に対応した搬出側カーゴ10B,10C,10D,10E)よりも搬入側カーゴ9の近くに配設している。これにより、搬入側カーゴ9から搬出側カーゴ10への吸着パッド25の移動量を全体的に少なくすることができ、仕分け作業のタクトタイムを短縮することができる。
また、本実施形態では特に、搬入側カーゴ用搬送台車17及び搬出側カーゴ用搬送台車18により搬入側カーゴ9及び搬出側カーゴ10A〜10Fの搬送が行われる。これにより、作業者の労力負担をさらに低減することができる。
また、本実施形態では特に、ビジョンセンサ27を介して上記特定の荷物4の仕向地情報が取得できなかったと判定された場合には、上述のように吸着パッド25によって持ち上げられた特定の荷物4が、コンベア13の搬送面へ載置される。これにより、仕向地情報が取得できなかった仕向地が不明な荷物4を、他の荷物4と区別して載置しておくことができ、仕向地が不明な荷物4が搬出側カーゴ10へ混入するのを防止することができる。その結果、荷物4を誤った仕向地に仕分けてしまうのを確実に防止することができ、信頼性をより向上することができる。
また、本実施形態では特に、搬入側カーゴ9及び搬出側カーゴ10A〜10Fが、下棚19と、跳ね上げ式の上棚20とを有している。搬入側カーゴ9及び搬出側カーゴ10A〜10Fをこのような構造とすることで、荷物4を下棚19と上棚20とに分けて載置することができるので、載置状態の安定性を高くすることができ、載置された荷物4の荷崩れを防止することができる。また、ロボット11が鉤状治具28を有することで、この鉤状治具28を用いて上棚20の上げ下げを行うことができる。したがって、例えば、搬入側カーゴ9の下棚19に載置された荷物4の移載を行う前に、搬入側カーゴ9の上棚20を跳ね上げておくことで、当該上棚20をアーム24や吸着パッド25の動作の邪魔にならない状態にしておくことができる。また例えば、搬出側カーゴ10の下棚19への荷物4の載置を行う前に、当該搬出側カーゴ10の上棚20を跳ね上げておくことで、当該上棚20をアーム24や吸着パッド25の動作の邪魔にならない状態にしておくことができ、搬出側カーゴ10の下棚19への荷物4の載置が終了した後に、当該搬出側カーゴ10の上棚20を下げることで、当該上棚20への荷物4の載置を行うことができる状態へすることができる。したがって、仕分け作業を円滑に行うことができる。
なお、実施の形態は、上記内容に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順次説明する。
(1)搬入側カーゴ上部にセンサを設け、荷物の高さ方向寸法を推定する場合
上記実施形態においては、荷物4の上面のバーコード8に箱4aの高さ方向寸法情報を含む箱4aの寸法情報が記録されていて、ビジョンセンサ27により箱4aの寸法情報を取得することで、荷物4の高さ方向寸法を特定する例を説明した。しかしながら、荷物4の上面のバーコード8に箱4aの高さ方向寸法情報が記録されていない場合もある。本変形例は、そのような場合に対応した例である。
すなわち、本変形例では、各荷物4の上面に設けられたバーコード8(図2参照)には、前述の仕向地情報だけが記録されており、箱4aの寸法情報は記録されていない。
本変形例では、ロボット11は、搬入側カーゴ9から荷物4を吸着パッド25により持ち上げつつ移動させる際に、吸着パッド25により持ち上げた荷物4を所定の移動経路に沿って移動させるように、アーム24の動作が制御されている。また、図13に示すように、本変形例では、搬入側カーゴ9の上部には、投光部32a及び受光部32bを備えたセンサ32が設けられている。センサ32の投光部32aは、搬入側カーゴ9の側壁29の上部の内面側に設けられており、光軸が略水平方向となると共に上記所定の移動経路と交差するように投光する。センサ32の受光部32bは、投光部32aと対向するように、搬入側カーゴ9の側壁30の上部の内面側に設けられており、投光部32aから投光された光を受光する。受光部32bの受光結果は、前述のロボットコントローラ14へ出力される。
以下、図14及び図15を用いて、搬入側カーゴ9から荷物4を所定の移動経路に沿って移動させる際の、ロボットコントローラ14の制御に基づいたロボット11の動作の概要の一例を説明する。
図14(a)(b)及び図15(a)(b)において、ロボット11は、アーム24及び吸着パッド25を動作し、前述のように吸着パッド25により前述の特定の荷物4を持ち上げると、その持ち上げた特定の荷物4を、所定の移動経路(各図中の実線矢印を参照)に沿って移動させる。このとき、センサ32の投光部32aからの光の光軸が所定の移動経路と交差しているので、特定の荷物4は、投光部32aの光軸と交差するように移動する。したがって、特定の荷物4が投光部32aの光軸と交差する前は、投光部32aからの光は受光部32bにより受光される(図14(a)(b)参照)。その後、特定の荷物4が投光部32aの光軸と交差するように移動している間は、投光部32aからの光は特定の荷物4により遮断されるので、投光部32aからの光は受光部32bにより受光されない(図15(a)参照)。そして、特定の荷物4が投光部32aの光軸を通過すると、投光部32aからの光は受光部32bにより受光される(図15(b)参照)。
本変形例では、ロボット11が特定の荷物4の所定の移動経路に沿った移動を行っている際の、特定の荷物4の位置に対応するアーム24の姿勢(アーム24の制御点の位置)、及び、受光部32bの受光結果に基づいて、特定の荷物4の高さ方向寸法が推定される。すなわち、特定の荷物4が投光部32aの光軸と交差して、投光部32aからの光が受光部32bにより受光されなくなったときのアーム24の姿勢と、特定の荷物4が投光部32aの光軸を通過して、投光部32aからの光が受光部32bにより受光されたときのアーム24の姿勢とを比較することで、特定の荷物4の高さ方向寸法が推定される。
その後、ロボット11は、所定の移動経路に沿って移動させた特定の荷物4を、上記実施形態と同様、前述の特定の搬出側カーゴ10の仕分け対象とする棚の、前述のようにして決定された積み付け位置へ積み付けて、仕分け済み荷物4とする。
以下、図16を用いて、本変形例においてPLC16の制御に基づいてロボットコントローラ14が実行する、仕分け済み荷物4の製造方法による制御内容の一例を説明する。なお、この図16は、前述の図12に対応する図であり、図12と同様の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図16において、ステップS10〜ステップS40は、前述の図12と同様であり、ステップS40で、ビジョンセンサ27を前述の特定の荷物4の上方へ移動するように、アーム24を動作させたら、ステップS50に代えて設けたステップS50′に移る。
ステップS50′では、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、ビジョンセンサ27を前述のように動作させ、ビジョンセンサ27を介して、上記特定の荷物4の上面の外形情報を取得すると共に、特定の荷物4の上面に設けられたバーコード8から仕向地情報の取得を図る。
その後のステップS60は、前述の図12とほぼ同様であり、上記特定の荷物4の上面の形状及び大きさを算出する。
そして、ステップS70に代えて設けたステップS70′に移り、ロボットコントローラ14は、上記ステップS50′でビジョンセンサ27を介して仕向地情報が取得できたかどうかを判定する。仕向地情報が取得できていなかった場合には、ステップS70′の判定が満たされず、ステップS80に移る。
ステップS80は、前述の図12とほぼ同様であり、吸着パッド25により上記特定の荷物4を持ち上げ、その持ち上げた特定の荷物4をコンベア13の搬送面へ載置するように、アーム24及び吸着パッド25を動作させる。その後、前述のステップS10に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップS70′において、上記ステップS50′でビジョンセンサ27を介して仕向地情報を取得できていた場合には、ステップS70′の判定が満たされて、ステップS90に移る。
ステップS90は、前述の図12とほぼ同様であり、上記特定の荷物4に対応した特定の仕向地区域を決定する。
その後、新たに設けたステップS95で、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、上記ステップS60で算出された上記特定の荷物4の上面の形状及び大きさに基づいて決定した持ち上げ位置へ吸着パッド25を移動して、吸着パッド25により特定の荷物4を持ち上げ、その持ち上げた特定の荷物4を所定の移動経路に沿って移動させるように、アーム24及び吸着パッド25を動作させる。
そして、新たに設けたステップS96に移り、ロボットコントローラ14は、上記ステップS95で上記特定の荷物4の所定の移動経路に沿った移動を行っている際の、特定の荷物4の位置に対応するアーム24の姿勢情報(アーム24の制御点の位置情報)、及び、センサ32の受光部32bの受光結果を取得する。
その後、ステップS100に代えて設けたステップS100′で、ロボットコントローラ14は、上記ステップS96で取得された、上記特定の荷物4の位置に対応するアーム24の姿勢情報、及び、センサ32の受光部32bの受光結果に基づき、特定の荷物4がセンサ32の投光部32aの光軸と交差して、投光部32aからの光が受光部32bにより受光されなくなったときのアーム24の姿勢と、特定の荷物4が投光部32aの光軸を通過して、投光部32aからの光が受光部32bにより受光されたときのアーム24の姿勢とを比較することで、特定の荷物4の高さ方向寸法を推定する。
その後のステップS110は、前述の図12とほぼ同様であり、PC15の記憶装置に記憶された複数種類の積み付けパターンを、優先度指標が高い順に選択して取得する。
そして、ステップS120に代えて設けたステップS120′に移り、ロボットコントローラ14は、上記ステップS60で算出された上記特定の荷物4の上面の形状及び大きさ、上記ステップS100′で推定された特定の荷物4の高さ方向寸法、前述のステップS180で記憶された上記特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚における荷物4の載置状況、及び、上記ステップS110で取得された積み付けパターンに基づき、現時点で特定の荷物4を特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置するかどうかを判定する。現時点で特定の荷物4を特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置したら、当該棚における載置効率や載置状態の安定性が悪化する場合には、特定の荷物4を特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置しないとみなし、ステップS120′の判定が満たされず、ステップS130に代えて設けたステップS130′に移る。
ステップS130′では、ロボットコントローラ14は、上記ステップS60で算出された上記特定の荷物4の上面の形状及び大きさ、上記ステップS100′で推定された特定の荷物4の高さ方向寸法、及び、前述のステップS180で記憶された仮置き台12における荷物4の載置状況に基づき、仮置き台12に特定の荷物4を載置するスペースが存在するかどうかを判定する。仮置き台12に特定の荷物4を載置するスペースが存在した場合には、ステップS130′の判定が満たされて、ステップS140に代えて設けたステップS140′に移る。
ステップS140′では、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、上記ステップS95で所定の移動経路に沿って移動させた上記特定の荷物4を仮置き台12へ載置するように、アーム24及び吸着パッド25を動作させる。その後、前述のステップS180に移る。
一方、上記ステップS130′において、仮置き台12に特定の荷物4を載置するスペースが存在しなかった場合には、ステップS130′の判定が満たされず、ステップS150に移る。
ステップS150は、前述の図12とほぼ同様であり、上記ステップS110で上記特定の搬出側カーゴ10に関して選択する積み付けパターンの優先度指標を、現時点よりも1つ下げるように設定する。その後、上記ステップS110に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップS120′において、現時点で特定の荷物4を特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置しても、当該棚における載置効率や載置状態の安定性が悪化しない場合には、特定の荷物4を特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚へ載置するとみなし、ステップS120′の判定が満たされて、ステップS160に代えて設けたステップS160′に移る。
ステップS160′では、ロボットコントローラ14は、上記ステップS60で算出された上記特定の荷物4の上面の形状及び大きさ、上記ステップS100′で推定された特定の荷物4の高さ方向寸法、前述のステップS180で記憶された上記特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚における荷物4の載置状況、及び、上記ステップS110で取得された積み付けパターンに基づき、特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚への特定の荷物4の積み付け位置を決定する。
その後、ステップS170に代えて設けたステップS170′で、ロボットコントローラ14は、ロボット11に制御信号を出力し、上記ステップS95で所定の移動経路に沿って移動させた上記特定の荷物4を、上記特定の搬出側カーゴ10の積み付け対象とする棚の上記ステップS160′で決定された積み付け位置へ積み付けるように、アーム24及び吸着パッド25を動作させる。
その後のステップS180〜ステップS200は、前述の図12と同様であるので、説明を省略する。
以上説明した本変形例においては、荷物4の上面の形状及び大きさに加え、推定した荷物4の高さ方向寸法にも基づいて、上述の積み付け位置が決定される。これにより、上記実施形態と同様、搬出側カーゴ10への荷物4の効率的かつ安定的な積み付け位置をより正確に決定することができる。
なお、以上においては、1つの仕分けスペースSSで1台のロボット11により仕分けを行う例を説明したが、これに限られず、複数の仕分けスペースで複数台のロボットにより仕分けを行ってもよい。このとき、PLC16が、当該PLC16の記憶装置に記憶された仕分けパラメータ情報に基づき、各仕分けスペースでの各ロボットによる仕分けの態様(各仕分けスペースに配設する搬出側カーゴの数量や配置、搬出側カーゴのそれぞれに対応付ける仕向地区域等)を自動決定してもよい。以下、(2)(3)(4)の変形例を用いて、各仕分けスペースでの各ロボットによる仕分けの態様が互いに異なる例を説明する。なお、以下で説明する(2)(3)(4)の変形例における、各図に示すロボット仕分けシステムの構成は、以下で説明する(2)(3)(4)の変形例におけるPLC16が、当該PLC16の記憶装置に記憶された仕分けパラメータ情報に基づいて生成した対応情報に対応した態様となっている。
(2)複数の仕分けスペースで直列的に仕分けを行う場合(その1)
本変形例は、複数の仕分けスペースで複数台のロボットが直列的に(段階的に)仕分けを行う場合に対応する例である。また、本変形例は、トラックターミナルが、既存の設備として、仕分けを行うロボットが配設された仕分けスペースを2つ有し、複数の荷物4の仕向地区域を「G区域」「H区域」「I区域」「J区域」「K区域」「L区域」「M区域」「N区域」「O区域」「P区域」の10区域とした場合の例である。
図17及び図18に示すように、本変形例のロボット仕分けシステム1Aは、トラックターミナル2Aに設けられている。トラックターミナル2Aは、搬入側トラック3により搬入された複数の荷物4を、仕向地区域に応じて「G区域」「H区域」「I区域」「J区域」「K区域」「L区域」「M区域」「N区域」「O区域」「P区域」へ仕分け、これら「G区域」〜「P区域」それぞれへの仕分け済み荷物4として、搬出側トラック5へ積み替えるための物流施設である。
ロボット仕分けシステム1Aは、前述の搬入側カーゴ9と、搬出側カーゴ33G,33H,33I,33J,33K,33L,33M,33N,33O,33P,33Z(以下適宜、これらを区別なく示す場合には「搬出側カーゴ33」と称する)と、2つの仕分けスペースSS1,SS2と、待機スペースWSと、前述の搬入側カーゴ用搬送台車17と、搬出側カーゴ用搬送台車37と、前述のPLC16と、前述のPC15とを有している。なお、図17中では、図示の煩雑を防止するため、PLC16、PLC16に接続されている前述のユーザインターフェース50、及びPC15の図示を省略している。
本変形例では、PLC16によって、当該PCL16の記憶装置に記憶された前述の仕分けパラメータ情報(荷物4の数量情報、及び、各仕向地区域ごとの荷物4の数量情報)に基づいて、各仕分けスペースSS1,SS2での各ロボット11A,11B(後述)による仕分けの態様(各仕分けスペースSS1,SS2に配設する搬出側カーゴ33の数量や配置、搬出側カーゴ33のそれぞれに対応付ける仕向地区域等)が決定され、搬出側カーゴ33G〜33P,33Zのそれぞれに対応付ける仕向地区域が決定されている。そして、「G区域」「H区域」「I区域」「J区域」「K区域」「L区域」「M区域」「N区域」「O区域」「P区域」と、後述の「Z区域」とのそれぞれを搬出側カーゴ33G〜33P,33Zのいずれかに対応付けた対応情報が生成され、PLC16の記憶装置に記憶されている。この例では、PLC16の記憶装置には、「G区域」「H区域」「I区域」「J区域」「K区域」に関し、「G区域」を搬出側カーゴ33G、「H区域」を搬出側カーゴ33H、「I区域」を搬出側カーゴ33I、「J区域」を搬出側カーゴ33J、「K区域」を搬出側カーゴ33K、に対応付け、「L区域」「M区域」「N区域」「O区域」「P区域」をまとめて「Z区域」として、当該「Z区域」を搬出側カーゴ33Zに対応付け、「Z区域」に含まれる「L区域」「M区域」「N区域」「O区域」「P区域」に関し、「L区域」を搬出側カーゴ33L、「M区域」を搬出側カーゴ33M、「N区域」を搬出側カーゴ33N、「O区域」を搬出側カーゴ33O、「P区域」を搬出側カーゴ33P、に対応付けた、対応情報が記憶されている。
すなわち、この例では、「G区域」「H区域」「I区域」「J区域」「K区域」のそれぞれが、特許請求の範囲に記載の第1仕分け先に相当し、「Z区域」が、第2仕分け先に相当し、「L区域」「M区域」「N区域」「O区域」「P区域」のそれぞれが、第3仕分け先に相当する。また、搬出側カーゴ33G〜33K,33Zのそれぞれが、第1送り出し側載置部に相当し、そのうち、搬出側カーゴ33G〜33Kは、一部の第1送り出し側載置部にも相当し、搬出側カーゴ33Zは、残りの第1送り出し側載置部及び第2供給側載置部にも相当する。また、搬出側カーゴ33L〜33Pのそれぞれが、第2送り出し側載置部に相当する。
搬出側カーゴ33G〜33P,33Zは、それぞれ前述の搬入側カーゴ9や前述の搬出側カーゴ10A〜10F(図4(a)(b)参照)と同等の構造を有している。
仕分けスペースSS1には、ロボット11A(第1ロボット)と、前述の仮置き台12と、前述のコンベア13と、ロボット11Aの動作を制御するロボットコントローラ14Aとが配設されている。ロボット11Aとロボットコントローラ14Aとは、相互通信可能に接続されている。なお、図18中では、図示の煩雑を防止するため、ロボットコントローラ14Aの図示を省略している。この仕分けスペースSS1のロボット11Aの周囲には、前述の搬入側カーゴ用設置領域22と、所定の領域から受け入れた上記搬出側カーゴ33G,33H,33I,33J,33K,33Zをそれぞれ設置するための搬出側カーゴ用設置領域34G,34H,34I,34J,34K,34Zとが設けられている。
ロボット11Aは、搬入側カーゴ用設置領域22に設置された搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、仕向地区域に応じて「G区域」〜「K区域」「Z区域」へ仕分ける1次仕分けを行いつつ、搬出側カーゴ用設置領域34G〜34K,34Zにそれぞれ設置された搬出側カーゴ33G〜33K,33Zへ搬送することで積み替える。すなわち、ロボット11Aは、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、「G区域」への仕分け済み荷物4と、「H区域」への仕分け済み荷物4と、「I区域」への仕分け済み荷物4と、「J区域」への仕分け済み荷物4と、「K区域」への仕分け済み荷物4と、「Z区域」への荷物4とに仕分ける1次仕分けを行って、仕向地区域に対応した搬出側カーゴ33へ積み替える。
具体的には、ロボット11Aは、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4のうち、仕向地が「G区域」に属する荷物4については、「G区域」への仕分け済み荷物4として、「G区域」に対応した搬出側カーゴ33Gへ積み替える。仕向地が「H区域」に属する荷物4については、「H区域」への仕分け済み荷物4として、「H区域」に対応した搬出側カーゴ33Hへ積み替える。仕向地が「I区域」に属する荷物4については、「I区域」への仕分け済み荷物4として、「I区域」に対応した搬出側カーゴ33Iへ積み替える。仕向地が「J区域」に属する荷物4については、「J区域」への仕分け済み荷物4として、「J区域」に対応した搬出側カーゴ33Jへ積み替える。仕向地が「K区域」に属する荷物4については、「K区域」への仕分け済み荷物4として、「K区域」に対応した搬出側カーゴ33Kへ積み替える。仕向地が「Z区域」、すなわち「L区域」「M区域」「N区域」「O区域」「P区域」のいずれかに属する荷物4については、「Z区域」への荷物4として、搬出側カーゴ33Zへ積み替える。
また、仕分けスペースSS1においてロボット11Aにより仕分けが行われる際には、PLC16の制御に基づいて、搬入側バース6に配設された、複数の荷物4が載置された搬入側カーゴ9が、搬入側カーゴ用搬送台車17により牽引されつつ当該搬入側バース6から上記搬入側カーゴ用設置領域22へ搬送され設置される。またこれと共に、所定の領域に配設された、(空の)搬出側カーゴ33G〜33K,33Zが、搬出側カーゴ用搬送台車37により牽引されつつ当該所定の領域から上記搬出側カーゴ用設置領域34G〜34K,34Zへそれぞれ搬送され設置される。そして、仕分けが終了した際には、上記搬入側カーゴ用設置領域22に設置されている、仕分けが終了した(空の)搬入側カーゴ9が、搬入側カーゴ用搬送台車17により牽引されつつ当該搬入側カーゴ用設置領域22から所定の領域へ搬送される。またこれと共に、上記搬出側カーゴ用設置領域34G〜34Kにそれぞれ設置されている、対応する仕向地区域への仕分け済み荷物4が載置された搬出側カーゴ33G〜33Kが、搬出側カーゴ用搬送台車37により牽引されつつ当該搬出側カーゴ用設置領域34G〜34Kから搬出側バース7へ搬送される。またこれと共に、上記搬出側カーゴ用設置領域34Zに設置されている、上記「Z区域」への荷物4が載置された搬出側カーゴ33Zが、搬出側カーゴ用搬送台車37により牽引されつつ当該搬出側カーゴ用設置領域34Zから待機スペースWSを介して仕分けスペースSS2の後述の搬出側カーゴ用設置領域34Z′へ搬送される。
仕分けスペースSS2には、ロボット11B(第2ロボット)と、前述の仮置き台12と、前述のコンベア13と、ロボット11Bの動作を制御するロボットコントローラ14Bとが配設されている。ロボット11Bとロボットコントローラ14Bとは、相互通信可能に接続されている。なお、図18中では、図示の煩雑を防止するため、ロボットコントローラ14Bの図示を省略している。また、上記仕分けスペースSS1に配設されたロボットコントローラ14Aと、この仕分けスペースSS2に配設されたロボットコントローラ14Bと、これらロボットコントローラ14A,14Bを制御する上記PLC16と、上記PC15とが、特許請求の範囲に記載のコントローラ手段に相当する。この仕分けスペースSS2には、上記待機スペースWSを介して上記仕分けスペースSS1から受け入れた上記搬出側カーゴ33Zを設置するための搬出側カーゴ用設置領域34Z′と、所定の領域から受け入れた上記搬出側カーゴ33L,33M,33N,33O,33Pをそれぞれ設置するための搬出側カーゴ用設置領域34L,34M,34N,34O,34Pとが設けられている。
ロボット11Bは、搬出側カーゴ用設置領域34Z′に設置された搬出側カーゴ33Zに載置された、上記仕分けスペースSS1においてロボット11Aにより1次仕分けが行われた上記「Z区域」への荷物4を、仕向地区域に応じて当該「Z区域」に含まれる上記「L区域」〜「P区域」へ仕分ける2次仕分けを行いつつ、搬出側カーゴ用設置領域34L〜34Pにそれぞれ設置された搬出側カーゴ33L〜33Pへ搬送することで積み替える。すなわち、ロボット11Bは、搬出側カーゴ33Zに載置された「Z区域」への荷物4を、「L区域」への仕分け済み荷物4と、「M区域」への仕分け済み荷物4と、「N区域」への仕分け済み荷物4と、「O区域」への仕分け済み荷物4と、「P区域」への仕分け済み荷物4とに仕分ける2次仕分けを行って、仕向地区域に対応した搬出側カーゴ33へ積み替える。
また、仕分けスペースSS2においてロボット11Bにより仕分けが行われる際には、PLC16の制御に基づいて、待機スペースWSに配設された、「Z区域」への荷物4が載置された搬出側カーゴ33Zが、搬出側カーゴ用搬送台車37により牽引されつつ当該待機スペースWSから上記搬出側カーゴ用設置領域34Z′へ搬送され設置される。またこれと共に、所定の領域に配設された、(空の)搬出側カーゴ33L〜33Pが、搬出側カーゴ用搬送台車37により牽引されつつ当該所定の領域から上記搬出側カーゴ用設置領域34L〜34Pへそれぞれ搬送され設置される。そして、仕分けが終了した際には、上記搬出側カーゴ用設置領域34Z′に設置されている、仕分けが終了した(空の)搬出側カーゴ33Zが、搬出側カーゴ用搬送台車37により牽引されつつ当該搬出側カーゴ用設置領域34Z′から所定の領域へ搬送される。またこれと共に、上記搬出側カーゴ用設置領域34L〜34Pにそれぞれ設置されている、対応する仕向地区域への仕分け済み荷物4が載置された搬出側カーゴ33L〜33Pが、搬出側カーゴ用搬送台車37により牽引されつつ当該搬出側カーゴ用設置領域34L〜34Pから上記搬出側バース7へ搬送される。
以上のように、本変形例では、複数の荷物4をまず仕分けスペースSS1で受け入れてロボット11Aが1次仕分けを行って、「G区域」への仕分け済み荷物4、「H区域」への仕分け済み荷物4、「I区域」への仕分け済み荷物4、「J区域」への仕分け済み荷物4、「K区域」への仕分け済み荷物4、及び「Z区域」への荷物4とする。その後、1次仕分けが行われた「Z区域」への荷物4を仕分けスペースSS2で受け入れてロボット11Bが2次仕分けを行って、「L区域」への仕分け済み荷物4、「M区域」への仕分け済み荷物4、「N区域」への仕分け済み荷物4、「O区域」への仕分け済み荷物4、及び「P区域」への仕分け済み荷物4とする。すなわち、仕分けスペースSS1でロボット11Aが1次仕分けを行った後に、仕分けスペースSS2でロボット11Bが2次仕分けを行うといったように、2つの仕分けスペースSS1,SS2で直列的に仕分けを行う。
これら2つの仕分けスペースSS1,SS2に配設された2台のロボット11A,11Bは、それぞれ前述のロボット11(図5及び図6参照)と同等の構造・機能を有している。
本変形例においてPLC16の制御に基づいてロボットコントローラ14A,14Bがそれぞれ実行する、仕分け済み荷物4の製造方法による制御内容は、前述の図12のフローに示す処理における、仕向地区域、仕向地区域の数、仕分け・積み付け対象となるカーゴ等が異なるだけで、基本的にはほぼ同様の手順で足りるので、詳細な説明は省略する。以下、図19を用いて、本変形例においてPLC16が実行する制御内容の一例を説明する。
図19において、このフローに示す処理は、所定の開始操作(例えば、PLC16の電源オン)が行われることによって開始される。まずステップS330で、PLC16は、当該PLC16の記憶装置に記憶された仕分けパラメータ情報(荷物4の数量情報、及び、各仕向地区域ごとの荷物4の数量情報)に基づき、各仕分けスペースSS1,SS2での各ロボット11A,11Bによる仕分けの態様(各仕分けスペースSS1,SS2に配設する搬出側カーゴ33の数量や配置、搬出側カーゴ33のそれぞれに対応付ける仕向地区域等)を決定して、その決定内容に基づいた対応情報を生成する。このステップS330の手順が、特許請求の範囲に記載の第1対応情報生成手段として機能する。本変形例では、上記図18に示すように、仕分けスペースSS1に搬出側カーゴ33を6つ(搬出側カーゴ33G〜33K,33Z)、仕分けスペースSS2に搬出側カーゴ33を5つ(搬出側カーゴ33L〜33P)配設し、搬出側カーゴ33Gを「G区域」、搬出側カーゴ33Hを「H区域」、搬出側カーゴ33Iを「I区域」、搬出側カーゴ33Jを「J区域」、搬出側カーゴ33Kを「K区域」、搬出側カーゴ33Lを「L区域」、搬出側カーゴ33Mを「M区域」、搬出側カーゴ33Nを「N区域」、搬出側カーゴ33Oを「O区域」、搬出側カーゴ33Pを「P区域」、搬出側カーゴ33Zを「Z区域」、に対応付けると決定され、その決定内容に基づいた対応情報が生成されている。
その後、ステップS340で、PLC16は、上記ステップS330で生成された対応情報を、当該PLC16の記憶装置に記憶させる。このステップS340の手順が、特許請求の範囲に記載の対応情報記憶手順に相当する。
そして、ステップS350に移り、PLC16は、当該PLC16の記憶装置に記憶された対応情報に基づき、各ロボットコントローラ14A,14Bに制御信号を出力し、複数の荷物4を、仕分けスペースSS1,SS2のロボット11A,11Bが連携して、対応する搬出側カーゴ33のそれぞれへ積み替えるように、各ロボット11A,11Bを制御する各ロボットコントローラ14A,14Bを制御する。すなわち、本変形例では、PLC16は、搬入側カーゴ9を仕分けスペースSS1で受け入れて、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、搬出側カーゴ33G〜33K,33Zのうち、前述の特定の仕向地区域に対応付けられた特定の搬出側カーゴ33のそれぞれへ積み替えて、「G区域」〜「K区域」それぞれへの仕分け済み荷物4と、「Z区域」への荷物4とするように、ロボット11Aの動作を制御するロボットコントローラ14Aを制御している。またこれと共に、PLC16は、「Z区域」への荷物4が載置された搬出側カーゴ33Zを仕分けスペースSS2で受け入れて、搬出側カーゴ33Zに載置された「Z区域」への荷物4を、搬出側カーゴ33L〜33Pのうち、前述の特定の仕向地区域に対応付けられた特定の搬出側カーゴ33のそれぞれへ積み替えて、「L区域」〜「P区域」それぞれへの仕分け済み荷物4とするように、ロボット11Bの動作を制御するロボットコントローラ14Bを制御している。その後、このフローに示す処理を終了する。
なお、各ロボットコントローラ14A,14Bが実行する前述の図12に示すステップS50に対応する手順が、特許請求の範囲に記載の仕分け先取得手順に相当する。また、各ロボットコントローラ14A,14Bが実行する前述の図12に示すステップS60に対応する手順が、算出手段として機能すると共に、算出手順に相当する。また、各ロボットコントローラ14A,14Bが実行する前述の図12に示すステップS90に対応する手順が、仕分け先決定手段として機能すると共に、仕分け先決定手順に相当する。また、各ロボットコントローラ14A,14Bが実行する前述の図12に示すステップS170に対応する手順と、PLC16が実行する上記図19に示すステップS350の手順とが、動作制御手段として機能すると共に、積み替え手順に相当する。
以上説明した本変形例においては、仕分け作業を2台のロボット11A,11Bにより自動で行うので、前述の実施形態と同様、作業者の労力負担を低減することができると共に、作業効率を向上することができる。また、ロボット11A,11Bに設けた前述のビジョンセンサ27で荷物4の上面に設けられた前述のバーコード8から前述の仕向地情報を取得することで、当該荷物4に対応した仕向地区域を正確に決定することが可能となる。これにより、荷物4を誤った仕向地区域に仕分けてしまうのを防止することができ、信頼性を向上することができる。
また、本変形例では、PLC16の記憶装置に、予め記憶された仕分けパラメータ情報(荷物4の数量情報、及び、各仕向地区域ごとの荷物4の数量情報)に基づいて決定された、仕向地区域のそれぞれを複数の搬出カーゴ33のいずれかに対応付けた対応情報、上記の例では、「G区域」〜「P区域」「Z区域」のそれぞれを搬出側カーゴ33G〜33P,33Zのいずれかに対応付けた対応情報、が記憶されている。そして、このPLC16の記憶装置に記憶された対応情報に基づいて、前述のビジョンセンサ27により取得された仕向地情報に応じて、複数の荷物4を、ロボット11A,11Bが連携して、対応する搬出側カーゴ33G〜33P,33Zのそれぞれへ積み替えるように、各ロボット11A,11Bの動作が制御されている。これにより、荷物4の数量や各仕向地区域ごとの荷物4の数量等の仕分けパラメータを予めPLC16へ入力しておき、これらの仕分けパラメータ情報をPLC16の記憶装置に記憶させることで、仕分けパラメータの変動に応じて、各仕分けスペースSS1,SS2での各ロボット11A,11Bによる仕分けの態様を変えることが可能となる。その結果、既存の設備で、仕分けパラメータの変動に柔軟に対応して仕分けを行うことができる。
また、本変形例では、PLC16の記憶装置に記憶された仕分けパラメータ情報(荷物4の数量情報、及び、各仕向地区域ごとの荷物4の数量情報)に基づき、搬出側カーゴ33G〜33P,33Zのそれぞれに対応付ける仕向地区域を決定し、その決定内容に基づいた対応情報を生成して、PLC16の記憶装置に記憶させる。このように、搬出側カーゴ33G〜33P,33Zのそれぞれに対応付ける仕向地区域を自動決定して対応情報を生成することで、操作者の手動操作に基づき対応情報を生成する場合に比べ、操作者の労力負担を低減することができる。また、操作者の操作忘れ等による対応情報の生成不実行等の不具合を回避することができる。
また、本変形例では、PLC16の記憶装置には、仕分けパラメータ情報として、荷物4の数量情報、及び、各仕向地ごとの荷物4の数量情報が記憶されている。これにより、既存の設備で、荷物4の数量や各仕向地ごとの荷物4の数量の変動に柔軟に対応して仕分けを行うことができる。
また、本変形例では、仕分けスペースSS1でロボット11Aが1次仕分けを行った後に、仕分けスペースSS2でロボット11Bが2次仕分けを行うといったように、2つの仕分けスペースSS1,SS2で直列的に仕分けを行う。これにより、作業効率を向上することができる。
(3)複数の仕分けスペースで直列的に仕分けを行う場合(その2)
本変形例は、トラックターミナルが、既存の設備として、仕分けを行うロボットが配設された仕分けスペースを3つ有し、複数の荷物4の仕向地区域を「X‐A区域」「X‐B区域」「X‐C区域」「X‐D区域」「X‐E区域」「Y‐F区域」「Y‐G区域」「Y‐H区域」「Y‐I区域」「Y‐J区域」の10区域とした場合の例である。
図20及び図21に示すように、本変形例のロボット仕分けシステム1Bは、トラックターミナル2Bに設けられている。トラックターミナル2Bは、搬入側トラック3により搬入された複数の荷物4を、仕向地区域に応じて「X‐A区域」「X‐B区域」「X‐C区域」「X‐D区域」「X‐E区域」「Y‐F区域」「Y‐G区域」「Y‐H区域」「Y‐I区域」「Y‐J区域」へ仕分け、これら「X‐A区域」〜「X‐E区域」「Y‐F区域」〜「Y‐J区域」への仕分け済み荷物4として、搬出側トラック5へ積み替えるための物流施設である。
ロボット仕分けシステム1Bは、前述の搬入側カーゴ9と、搬出側カーゴ41A,41B,41C,41D,41E,41F,41G,41H,41I,41J,41X,41Y(以下適宜、これらを区別なく示す場合には「搬出側カーゴ41」と称する)と、3つの仕分けスペースSS3,SS4,SS5と、待機スペースWS1,WS2と、前述の搬入側カーゴ用搬送台車17と、搬出側カーゴ用搬送台車43と、前述のPLC16と、前述のPC15とを有している。なお、図20中では、図示の煩雑を防止するため、PLC16、PLC16に接続されている前述のユーザインターフェース50、及びPC15の図示を省略している。
本変形例では、PLC16によって、当該PCL16の記憶装置に記憶された前述の仕分けパラメータ情報(荷物4の数量情報、及び、各仕向地区域ごとの荷物4の数量情報)に基づいて、各仕分けスペースSS3,SS4,SS5での各ロボット11C,11D,11E(後述)による仕分けの態様(各仕分けスペースSS3,SS4,SS5に配設する搬出側カーゴ41の数量や配置、搬出側カーゴ41のそれぞれに対応付ける仕向地区域等)が決定され、搬出側カーゴ41A〜41J,41X,41Yのそれぞれに対応付ける仕向地区域が決定されている。そして、「X‐A区域」「X‐B区域」「X‐C区域」「X‐D区域」「X‐E区域」「Y‐F区域」「Y‐G区域」「Y‐H区域」「Y‐I区域」「Y‐J区域」と、後述の「X区域」「Y区域」とのそれぞれを搬出側カーゴ41A〜41J,41X,41Yのいずれかに対応付けた対応情報が生成され、PLC16の記憶装置に記憶されている。
この例では、PLC16の記憶装置には、所定の分類基準に基づき分類された「X区域」「Y区域」に関し、「X区域」を搬出側カーゴ41X、「Y区域」を搬出側カーゴ41Y、に対応付け、「X区域」よりも細かく分類された(「X区域」に分類される)「X‐A区域」「X‐B区域」「X‐C区域」「X‐D区域」「X‐E区域」に関し、「X‐A区域」を搬出側カーゴ41A、「X‐B区域」を搬出側カーゴ41B、「X‐C区域」を搬出側カーゴ41C、「X‐D区域」を搬出側カーゴ41D、「X‐E区域」を搬出側カーゴ41E、に対応付け、「Y区域」よりも細かく分類された(「Y区域」に分類される)「Y‐F区域」「Y‐G区域」「Y‐H区域」「Y‐I区域」「Y‐J区域」に関し、「Y‐F区域」を搬出側カーゴ41F、「Y‐G区域」を搬出側カーゴ41G、「Y‐H区域」を搬出側カーゴ41H、「Y‐I区域」を搬出側カーゴ41I、「Y‐J区域」を搬出側カーゴ41J、に対応付けた、対応情報が記憶されている。
すなわち、この例では、「X区域」「Y区域」のそれぞれが、特許請求の範囲に記載の第4仕分け先に相当し、「X‐A区域」〜「X‐E区域」「Y‐F区域」〜「Y‐J区域」のそれぞれが、第5仕分け先に相当する。また、搬出側カーゴ41X,41Yのそれぞれが、第1送り出し側載置部及び第2供給側載置部に相当し、搬出側カーゴ41A〜41Jのそれぞれが、特許請求の範囲に記載の第2送り出し側載置部に相当する。
搬出側カーゴ41A〜41J,41X,41Yは、それぞれ前述の搬入側カーゴ9や前述の搬出側カーゴ10A〜10F(図4(a)(b)参照)と同等の構造を有している。
仕分けスペースSS3には、ロボット11C(第1ロボット)と、前述の仮置き台12と、前述のコンベア13と、ロボット11Cの動作を制御するロボットコントローラ14Cとが配設されている。ロボット11Cとロボットコントローラ14Cとは、相互通信可能に接続されている。なお、図21中では、図示の煩雑を防止するため、ロボットコントローラ14Cの図示を省略している。この仕分けスペースSS3のロボット11Cの周囲には、前述の搬入側カーゴ用設置領域22と、所定の領域から受け入れた上記搬出側カーゴ41X,41Yをそれぞれ設置するための搬出側カーゴ用設置領域47X,47Yとが設けられている。
ロボット11Cは、搬入側カーゴ用設置領域22に設置された搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、仕向地区域に応じて「X区域」「Y区域」へ仕分ける1次仕分けを行いつつ、搬出側カーゴ用設置領域47X,47Yにそれぞれ設置された搬出側カーゴ41X,41Yへ搬送することで積み替える。すなわち、ロボット11Cは、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、「X区域」への荷物4と「Y区域」への荷物4とに仕分ける1次仕分けを行って、仕向地区域に対応した搬出側カーゴ41X,41Yへ積み替える。
具体的には、ロボット11Cは、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4のうち、仕向地が「X区域」に属する荷物4については、「X区域」への荷物4として、搬出側カーゴ41Xへ積み替える。仕向地が「Y区域」に属する荷物4については、「Y区域」への荷物4として、搬出側カーゴ41Yへ積み替える。
また、仕分けスペースSS3においてロボット11Cにより仕分けが行われる際には、PLC16の制御に基づいて、搬入側バース6に配設された、複数の荷物4が載置された搬入側カーゴ9が、搬入側カーゴ用搬送台車17により牽引されつつ当該搬入側バース6から上記搬入側カーゴ用設置領域22へ搬送され設置される。またこれと共に、所定の領域に配設された、(空の)搬出側カーゴ41X,41Yが、搬出側カーゴ用搬送台車43により牽引されつつ当該所定の領域から上記搬出側カーゴ用設置領域47X,47Yへそれぞれ搬送され設置される。そして、仕分けが終了した際には、上記搬入側カーゴ用設置領域22に設置されている、仕分けが終了した(空の)搬入側カーゴ9が、搬入側カーゴ用搬送台車17により牽引されつつ当該搬入側カーゴ用設置領域22から所定の領域へ搬送される。またこれと共に、上記搬出側カーゴ用設置領域47Xに設置されている、上記「X区域」への荷物4が載置された搬出側カーゴ41Xが、搬出側カーゴ用搬送台車43により牽引されつつ当該搬出側カーゴ用設置領域47Xから待機スペースWS1を介して仕分けスペースSS4の後述の搬出側カーゴ用設置領域47X′へ搬送される。またこれと共に、上記搬出側カーゴ用設置領域47Yに設置されている、上記「Y区域」への荷物4が載置された搬出側カーゴ41Yが、搬出側カーゴ用搬送台車43により牽引されつつ当該搬出側カーゴ用設置領域47Yから待機スペースWS2を介して仕分けスペースSS5の後述の搬出側カーゴ用設置領域47Y′へ搬送される。
仕分けスペースSS4には、ロボット11D(第2ロボット)と、前述の仮置き台12と、前述のコンベア13と、ロボット11Dの動作を制御するロボットコントローラ14Dとが配設されている。ロボット11Dとロボットコントローラ14Dとは、相互通信可能に接続されている。なお、図21中では、図示の煩雑を防止するため、ロボットコントローラ14Dの図示を省略している。この仕分けスペースSS4には、上記待機スペースWS1を介して上記仕分けスペースSS3から受け入れた上記搬出側カーゴ41Xを設置するための搬出側カーゴ用設置領域47X′と、所定の領域から受け入れた上記搬出側カーゴ41A,41B,41C,41D,41Eをそれぞれ設置するための搬出側カーゴ用設置領域47A,47B,47C,47D,47Eとが設けられている。
ロボット11Dは、搬出側カーゴ用設置領域47X′に設置された搬出側カーゴ41Xに載置された、上記仕分けスペースSS3においてロボット11Cにより1次仕分けが行われた上記「X区域」への荷物4を、仕向地区域に応じて当該「X区域」に分類される上記「X‐A区域」〜「X‐E区域」へ仕分ける2次仕分けを行いつつ、搬出側カーゴ用設置領域47A〜47Eにそれぞれ設置された搬出側カーゴ41A〜41Eへ搬送することで積み替える。すなわち、ロボット11Dは、搬出側カーゴ41Xに載置された「X区域」への荷物4を、「X‐A区域」への仕分け済み荷物4と、「X‐B区域」への仕分け済み荷物4と、「X‐C区域」への仕分け済み荷物4と、「X‐D区域」への仕分け済み荷物4と、「X‐E区域」への仕分け済み荷物4とに仕分ける2次仕分けを行って、仕向地区域に対応した搬出側カーゴ41へ積み替える。
また、仕分けスペースSS4においてロボット11Dにより仕分けが行われる際には、PLC16の制御に基づいて、待機スペースWS1に配設された、「X区域」への荷物4が載置された搬出側カーゴ41Xが、搬出側カーゴ用搬送台車43により牽引されつつ当該待機スペースWS1から上記搬出側カーゴ用設置領域47X′へ搬送され設置される。またこれと共に、所定の領域に配設された、(空の)搬出側カーゴ41A〜41Eが、搬出側カーゴ用搬送台車43により牽引されつつ当該所定の領域から上記搬出側カーゴ用設置領域47A〜47Eへそれぞれ搬送され設置される。そして、仕分けが終了した際には、上記搬出側カーゴ用設置領域47X′に設置されている、仕分けが終了した(空の)搬出側カーゴ41Xが、搬出側カーゴ用搬送台車43により牽引されつつ当該搬出側カーゴ用設置領域47X′から所定の領域へ搬送される。またこれと共に、上記搬出側カーゴ用設置領域47A〜47Eにそれぞれ設置されている、対応する仕向地区域への仕分け済み荷物4が載置された搬出側カーゴ41A〜41Eが、搬出側カーゴ用搬送台車43により牽引されつつ当該搬出側カーゴ用設置領域47A〜47Eから上記搬出側バース7へ搬送される。
仕分けスペースSS5には、ロボット11E(第2ロボット)と、前述の仮置き台12と、前述のコンベア13と、ロボット11Dの動作を制御するロボットコントローラ14Eとが配設されている。ロボット11Eとロボットコントローラ14Eとは、相互通信可能に接続されている。なお、図21中では、図示の煩雑を防止するため、ロボットコントローラ14Eの図示を省略している。また、上記仕分けスペースSS3に配設されたロボットコントローラ14Cと、上記仕分けスペースSS4に配設されたロボットコントローラ14Dと、この仕分けスペースSS5に配設されたロボットコントローラ14Eと、これらロボットコントローラ14C,14D,14Eを制御する上記PLC16と、上記PC15とが、特許請求の範囲に記載のコントローラ手段に相当する。この仕分けスペースSS5には、上記待機スペースWS2を介して上記仕分けスペースSS3から受け入れた上記搬出側カーゴ41Yを設置するための搬出側カーゴ用設置領域47Y′と、所定の領域から受け入れた上記搬出側カーゴ41F,41G,41H,41I,41Jをそれぞれ設置するための搬出側カーゴ用設置領域47F,47G,47H,47I,47Jとが設けられている。
ロボット11Eは、搬出側カーゴ用設置領域47Y′に設置された搬出側カーゴ41Yに載置された、上記仕分けスペースSS3においてロボット11Cにより1次仕分けが行われた上記「Y区域」への荷物4を、仕向地区域に応じて当該「Y区域」に分類される上記「Y‐F区域」〜「Y‐J区域」へ仕分ける2次仕分けを行いつつ、搬出側カーゴ用設置領域47F〜47Jにそれぞれ設置された搬出側カーゴ41F〜41Jへ搬送することで積み替える。すなわち、ロボット11Eは、搬出側カーゴ41Yに載置された「Y区域」への荷物4を、「Y‐F区域」への仕分け済み荷物4と、「Y‐G区域」への仕分け済み荷物4と、「Y‐H区域」への仕分け済み荷物4と、「Y‐I区域」への仕分け済み荷物4と、「Y‐J区域」への仕分け済み荷物4とに仕分ける2次仕分けを行って、仕向地区域に対応した搬出側カーゴ41へ積み替える。
また、仕分けスペースSS5においてロボット11Eにより仕分けが行われる際には、PLC16の制御に基づいて、待機スペースWS2に配設された、「Y区域」への荷物4が載置された搬出側カーゴ41Yが、搬出側カーゴ用搬送台車43により牽引されつつ当該待機スペースWS2から上記搬出側カーゴ用設置領域47Y′へ搬送され設置される。またこれと共に、所定の領域に配設された、(空の)搬出側カーゴ41F〜41Jが、搬出側カーゴ用搬送台車43により牽引されつつ当該所定の領域から上記搬出側カーゴ用設置領域47F〜47Jへそれぞれ搬送され設置される。そして、仕分けが終了した際には、上記搬出側カーゴ用設置領域47Y′に設置されている、仕分けが終了した(空の)搬出側カーゴ41Yが、搬出側カーゴ用搬送台車43により牽引されつつ当該搬出側カーゴ用設置領域47Y′から所定の領域へ搬送される。またこれと共に、上記搬出側カーゴ用設置領域47F〜47Jにそれぞれ設置されている、対応する仕向地区域への仕分け済み荷物4が載置された搬出側カーゴ41F〜41Jが、搬出側カーゴ用搬送台車43により牽引されつつ当該搬出側カーゴ用設置領域47F〜47Jから上記搬出側バース7へ搬送される。
以上のように、本変形例では、複数の荷物4を仕分けスペースSS1で受け入れてロボット11Cが1次仕分けを行って、「X区域」への荷物4と「Y区域」への荷物4とする。その後、1次仕分けが行われた「X区域」への荷物4を仕分けスペースSS4で受け入れてロボット11Dが2次仕分けを行って、「X‐A区域」への仕分け済み荷物4、「X‐B区域」への仕分け済み荷物4、「X‐C区域」への仕分け済み荷物4、「X‐D区域」への仕分け済み荷物4、及び「X‐E区域」への仕分け済み荷物4とする。またこれと共に、1次仕分けが行われた「Y区域」への荷物4を仕分けスペースSS5で受け入れてロボット11Eが2次仕分けを行って、「Y‐F区域」への仕分け済み荷物4、「Y‐G区域」への仕分け済み荷物4、「Y‐H区域」への仕分け済み荷物4、「Y‐I区域」への仕分け済み荷物4、及び「Y‐J区域」への仕分け済み荷物4とする。すなわち、仕分けスペースSS3でロボット11Cが1次仕分けを行った後に、2つの仕分けスペースSS4,SS5で2台のロボット11C,11Dが2次仕分けをそれぞれ行うといったように、仕分けスペースSS3と2つの仕分けスペースSS4,SS5とで直列的に仕分けを行う。
これら3つの仕分けスペースSS3,SS4,SS5に配設された3台のロボット11C,11D,11Eは、それぞれ前述のロボット11(図5及び図6参照)と同等の構造・機能を有している。
本変形例においてPLC16の制御に基づいてロボットコントローラ14C,14D,14Eがそれぞれ実行する、仕分け済み荷物4の製造方法による制御内容は、前述の図12のフローに示す処理における、仕向地区域、仕向地区域の数、仕分け・積み付け対象となるカーゴ等が異なるだけで、基本的にはほぼ同様の処理で足りるので、詳細な説明は省略する。また、本変形例においてPLC16が実行する制御内容は、前述の図19のフローに示す処理と同様の処理で足りる。以下、前述の図19を用いて、本変形例においてPLC16が実行する制御内容の一例を説明する。
まず前述の図19のステップS330で、PLC16は、当該PLC16の記憶装置に記憶された仕分けパラメータ情報(荷物4の数量情報、及び、各仕向地区域ごとの荷物4の数量情報)に基づき、各仕分けスペースSS3,SS4,SS5での各ロボット11C,11C,11Eによる仕分けの態様(各仕分けスペースSS3,SS4,SS5に配設する搬出側カーゴ41の数量や配置、搬出側カーゴ41のそれぞれに対応付ける仕向地区域等)を決定して、その決定内容に基づいた対応情報を生成する。本変形例においても、このステップS330の手順が、特許請求の範囲に記載の第1対応情報生成手段として機能する。本変形例では、上記図21に示すように、仕分けスペースSS3に搬出側カーゴ41を2つ(搬出側カーゴ41X,41Y)、仕分けスペースSS4に搬出側カーゴ41を5つ(搬出側カーゴ41A〜41E)、仕分けスペースSS5に搬出側カーゴ41を5つ(搬出側カーゴ41F〜41J)配設し、搬出側カーゴ41Xを「X区域」、搬出側カーゴ41Yを「Y区域」、搬出側カーゴ41Aを「X‐A区域」、搬出側カーゴ41Bを「X‐B区域」、搬出側カーゴ41Cを「X‐C区域」、搬出側カーゴ41Dを「X‐D区域」、搬出側カーゴ41Eを「X‐E区域」、搬出側カーゴ41Fを「Y‐F区域」、搬出側カーゴ41Gを「Y‐G区域」、搬出側カーゴ41Hを「Y‐H区域」、搬出側カーゴ41Iを「Y‐I区域」、搬出側カーゴ41Jを「Y‐J区域」、に対応付けると決定され、その決定内容に基づいた対応情報が生成されている。
その後、前述の図19のステップS340で、PLC16は、上記ステップS330で生成された対応情報を、当該PLC16の記憶装置に記憶させる。本変形例においても、このステップS340の手順が、特許請求の範囲に記載の対応情報記憶手順に相当する。
そして、前述の図19のステップS350に移り、PLC16は、当該PLC16の記憶装置に記憶された対応情報に基づき、各ロボットコントローラ14C,14D,14Eに制御信号を出力し、複数の荷物4を、仕分けスペースSS3,SS4,SS5のロボット11C,11D,11Eが連携して、対応する搬出側カーゴ41のそれぞれへ積み替えるように、各ロボット11C,11D,11Eを制御する各ロボットコントローラ14C,14D,14Eを制御する。すなわち、本変形例では、PLC16は、搬入側カーゴ9を仕分けスペースSS3で受け入れて、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、搬出側カーゴ41X,41Yのうち、前述の特定の仕向地区域に対応付けられた特定の搬出側カーゴ41のそれぞれへ積み替えて、「X区域」「Y区域」それぞれへの荷物4とするように、ロボット11Cの動作を制御するロボットコントローラ14Cを制御している。またこれと共に、PLC16は、「X区域」への荷物4が載置された搬出側カーゴ41Xを仕分けスペースSS4で受け入れて、搬出側カーゴ41Xに載置された「X区域」への荷物4を、搬出側カーゴ41A〜41Eのうち、前述の特定の仕向地区域に対応付けられた特定の搬出側カーゴ41のそれぞれへ積み替えて、「X‐A区域」〜「X‐E区域」それぞれへの仕分け済み荷物4とするように、ロボット11Dの動作を制御するロボットコントローラ14Dを制御している。またこれと共に、PLC16は、「Y区域」への荷物4が載置された搬出側カーゴ41Yを仕分けスペースSS5で受け入れて、搬出側カーゴ41Yに載置された「Y区域」への荷物4を、搬出側カーゴ41F〜41Jのうち、前述の特定の仕向地区域に対応付けられた特定の搬出側カーゴ41のそれぞれへ積み替えて、「Y‐F区域」〜「Y‐J区域」それぞれへの仕分け済み荷物4とするように、ロボット11Eの動作を制御するロボットコントローラ14Eを制御している。その後、このフローに示す処理を終了する。
なお、各ロボットコントローラ14C,14D,14Eが実行する前述の図12に示すステップS50に対応する手順が、特許請求の範囲に記載の仕分け先取得手順に相当する。また、各ロボットコントローラ14C,14D,14Eが実行する前述の図12に示すステップS60に対応する手順が、算出手段として機能すると共に、算出手順に相当する。また、各ロボットコントローラ14C,14D,14Eが実行する前述の図12に示すステップS90に対応する手順が、仕分け先決定手段として機能すると共に、仕分け先決定手順に相当する。また、各ロボットコントローラ14C,14D,14Eが実行する前述の図12に示すステップS170に対応する手順と、PLC16が実行する前述の図19に示すステップS350の手順とが、動作制御手段として機能すると共に、積み替え手順に相当する。
以上説明した本変形例においては、仕分けスペースSS3でロボット11Cが1次仕分けを行った後に、2つの仕分けスペースSS4,SS5で2台のロボット11C,11Dが2次仕分けをそれぞれ行うといったように、仕分けスペースSS3と2つの仕分けスペースSS4,SS5とで直列的に仕分けを行う。これにより、上記(2)の変形例と同様の効果を得ることができる。
(4)複数の仕分けスペースで並列的に仕分けを行う場合
本変形例は、複数の仕分けスペースで複数台のロボットが並列的に(並行して)仕分けを行う場合に対応する例である。また、本変形例は、トラックターミナルが、既存の設備として、仕分けを行うロボットが配設された仕分けスペースを2つ有し、複数の荷物4の仕向地区域を前述の「A区域」「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」「F区域」の6区域とした場合の例である。
図22及び図23に示すように、本変形例のロボット仕分けシステム1Cは、トラックターミナル2Cに設けられている。トラックターミナル2Cは、搬入側トラック3により搬入された複数の荷物4を、仕向地区域に応じて前述の「A区域」「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」「F区域」へ仕分け、これら「A区域」〜「F区域」それぞれへの仕分け済み荷物4として、搬出側トラック5へ積み替えるための物流施設である。
ロボット仕分けシステム1Cは、前述の搬入側カーゴ9と、前述の搬出側カーゴ10A〜10Fと、2つの仕分けスペースSS6,SS7と、前述の搬入側カーゴ用搬送台車17と、前述の搬出側カーゴ用搬送台車18と、前述のPLC16と、前述のPC15とを有している。なお、図22中では、図示の煩雑を防止するため、PLC16、PLC16に接続されている前述のユーザインターフェース50、及びPC15の図示を省略している。
本変形例では、PLC16によって、当該PCL16の記憶装置に記憶された前述の仕分けパラメータ情報(荷物4の数量情報、及び、各仕向地区域ごとの荷物4の数量情報)に基づいて、各仕分けスペースSS6,SS7での各ロボット11,11(後述)による仕分けの態様(各仕分けスペースSS6,SS7に配設する搬出側カーゴ10の数量や配置、搬出側カーゴ10のそれぞれに対応付ける仕向地区域等)が決定され、搬出側カーゴ10A〜10Fのそれぞれに対応付ける仕向地区域が決定されている。そして、「A区域」「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」「F区域」のそれぞれを搬出側カーゴ10A〜10Fのいずれかに対応付けた対応情報が生成され、PLC16の記憶装置に記憶されている。
仕分けスペースSS6は、前述の仕分けスペースSS(図3参照)と同様であり、この仕分けスペースSS6には、前述のロボット11と、前述の仮置き台12と、前述のコンベア13と、前述のロボットコントローラ14とが配設され、ロボット11の周囲には、前述の搬入側カーゴ用設置領域22と、前述の搬出側カーゴ用設置領域23A〜23Fとが設けられている。なお、図23中では、図示の煩雑を防止するため、ロボットコントローラ14の図示を省略している。
この仕分けスペースSS6に配設されたロボット11は、前述の実施形態と同様の処理を行う。すなわち、仕分けスペースSS6の搬入側カーゴ用設置領域22に設置された搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、仕向地区域に応じて「A区域」「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」「F区域」へ仕分けつつ、仕分けスペースSS6の搬出側カーゴ用設置領域23A〜23Fにそれぞれ設置された搬出側カーゴ10A〜10Fへ積み替える。なお、本変形例では、この仕分けスペースSS6に配設されたロボット11が、特許請求の範囲に記載の第1ロボットに相当し、仕分けスペースSS6の搬入側カーゴ用設置領域22に設置される搬入側カーゴ9が、第1供給側載置部に相当し、仕分けスペースSS6の搬出側カーゴ用設置領域23A〜23Fにそれぞれ設置される搬出側カーゴ10A〜10Fが、第1送り出し側載置部に相当する。
仕分けスペースSS7は、前述の仕分けスペースSS(図3参照)と同様であり、この仕分けスペースSS7には、前述のロボット11と、前述の仮置き台12と、前述のコンベア13と、前述のロボットコントローラ14とが配設され、ロボット11の周囲には、前述の搬入側カーゴ用設置領域22と、前述の搬出側カーゴ用設置領域23A〜23Fとが設けられている。なお、図23中では、図示の煩雑を防止するため、ロボットコントローラ14の図示を省略している。また、上記仕分けスペースSS6に配設されたロボットコントローラ14と、この仕分けスペースSS7に配設されたロボットコントローラ14と、これらロボットコントローラ14,14を制御する上記PLC16と、上記PC15とが、特許請求の範囲に記載のコントローラ手段に相当する。
この仕分けスペースSS7に配設されたロボット11は、前述の実施形態と同様の処理を行う。すなわち、仕分けスペースSS7の搬入側カーゴ用設置領域22に設置された搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、仕向地区域に応じて「A区域」「B区域」「C区域」「D区域」「E区域」「F区域」へ仕分けつつ、仕分けスペースSS7の搬出側カーゴ用設置領域23A〜23Fにそれぞれ設置された搬出側カーゴ10A〜10Fへ積み替える。なお、本変形例では、この仕分けスペースSS7に配設されたロボット11が、特許請求の範囲に記載の第2ロボットに相当し、仕分けスペースSS7の搬入側カーゴ用設置領域22に設置される搬入側カーゴ9が、第2供給側載置部に相当し、仕分けスペースSS7の搬出側カーゴ用設置領域23A〜23Fにそれぞれ設置される搬出側カーゴ10A〜10Fが、第2送り出し側載置部に相当する。
以上のように、本変形例では、複数の荷物4を仕分けスペースSS6,SS7で分担して受け入れ、各仕分けスペースSS6,SS7で各ロボット11,11が並行して仕分けを行って、「A区域」への仕分け済み荷物4、「B区域」への仕分け済み荷物4、「C区域」への仕分け済み荷物4、「D区域」への仕分け済み荷物4、「E区域」への仕分け済み荷物4、及び「F区域」への仕分け済み荷物4とする。すなわち、仕分けスペースSS6でのロボット11の仕分け作業と、仕分けスペースSS7でのロボット11の仕分け作業とを並行して行うといったように、2つの仕分けスペースSS6,SS7で並列的に仕分けを行う。
本変形例においてPLC16の制御に基づいて各ロボットコントローラ14がそれぞれ実行する、仕分け済み荷物4の製造方法による制御内容は、前述の図12のフローに示す処理とほぼ同様の手順で足りるので、詳細な説明は省略する。また、本変形例においてPLC16が実行する制御内容は、前述の図19のフローに示す処理と同様の処理で足りる。以下、前述の図19を用いて、本変形例においてPLC16が実行する制御内容の一例を説明する。
まず前述の図19のステップS330で、PLC16は、当該PLC16の記憶装置に記憶された仕分けパラメータ情報(荷物4の数量情報、及び、各仕向地区域ごとの荷物4の数量情報)に基づき、各仕分けスペースSS6,SS7での各ロボット11,11による仕分けの態様(各仕分けスペースSS6,SS7に配設する搬出側カーゴ10の数量や配置、搬出側カーゴ10のそれぞれに対応付ける仕向地区域等)を決定して、その決定内容に基づいた対応情報を生成する。本変形例においても、このステップS330の手順が、特許請求の範囲に記載の第1対応情報生成手段として機能する。本変形例では、上記図23に示すように、各仕分けスペースSS6,SS7に搬出側カーゴ10を6つ(搬出側カーゴ10A〜10F)ずつ配設し、搬出側カーゴ10Aを「A区域」、搬出側カーゴ10Aを「A区域」、搬出側カーゴ10Bを「B区域」、搬出側カーゴ10Cを「C区域」、搬出側カーゴ10Dを「D区域」、搬出側カーゴ10Eを「E区域」、に対応付けると決定され、その決定内容に基づいた対応情報が生成されている。
その後、前述の図19のステップS340で、PLC16は、上記ステップS330で生成された対応情報を、当該PLC16の記憶装置に記憶させる。本変形例においても、このステップS340の手順が、特許請求の範囲に記載の対応情報記憶手順に相当する。
そして、前述の図19のステップS350に移り、PLC16は、当該PLC16の記憶装置に記憶された対応情報に基づき、各ロボットコントローラ14,14に制御信号を出力し、複数の荷物4を、仕分けスペースSS6,SS7のロボット11,11が連携して、対応する搬出側カーゴ10のそれぞれへ積み替えるように、各ロボット11,11を制御する各ロボットコントローラ14,14を制御する。すなわち、本変形例では、PLC16は、搬入側カーゴ9を各仕分けスペースSS6,SS7で受け入れて、搬入側カーゴ9に載置された複数の荷物4を、各ロボット11,11が並行して、搬出側カーゴ10A〜10Fのうち、前述の特定の仕向地区域に対応付けられた特定の搬出側カーゴ10のそれぞれへ積み替えて、「A区域」〜「F区域」それぞれへの仕分け済み荷物4とするように、各ロボット11,11の動作を制御する各ロボットコントローラ14,14を制御している。その後、このフローに示す処理を終了する。
なお、各ロボットコントローラ14が実行する前述の図12に示すステップS50に対応する手順が、特許請求の範囲に記載の仕分け先取得手順に相当する。また、各ロボットコントローラ14が実行する前述の図12に示すステップS60に対応する手順が、算出手段として機能すると共に、算出手順に相当する。また、各ロボットコントローラ14が実行する前述の図12に示すステップS90に対応する手順が、仕分け先決定手段として機能すると共に、仕分け先決定手順に相当する。また、各ロボットコントローラ14が実行する前述の図12に示すステップS170に対応する手順と、PLC16が実行する前述の図19に示すステップS350の手順とが、動作制御手段として機能すると共に、積み替え手順に相当する。
以上説明した本変形例によれば、前述の(2)の変形例と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、仕分けスペースSS6でのロボット11の仕分け作業と、仕分けスペースSS7でのロボット11の仕分け作業とを並行して行うといったように、2つの仕分けスペースSS6,SS7で並列的に仕分けを行う。これにより、一方の仕分けスペースのロボット11(例えば仕分けスペースSS6のロボット11)が故障やメンテナンス等で停止した場合でも、他方の仕分けスペースのロボット11(例えば仕分けスペースSS7のロボット11)で仕分け作業を継続して行うことができるので、システム全体が停止するのを防止することができる。その結果、ロボット仕分けシステム1Cの安定性及び信頼性を向上することができる。
(5)操作者の手動操作に基づき対応情報を生成する場合
上記(2)〜(4)の変形例においては、各仕分けスペースに配設する搬出側カーゴのそれぞれに対応付ける仕向地区域を自動決定して対応情報を生成していたが、これに限られない。すなわち、操作者自らが、各仕分けスペースでの各ロボットによる仕分けの態様(各仕分けスペースに配設する搬出側カーゴの数量や配置、搬出側カーゴのそれぞれに対応付ける仕向地区域等)を決定し、PLC16がその決定内容に基づいた対応情報を生成してもよい。この場合、PLC16は、操作者によるユーザインターフェース50の操作情報に基づき、上記対応情報を生成して(=第2対応情報生成手段としての機能)、その生成した対応情報を当該PLC16の記憶装置に記憶させる。本変形例によれば、操作者の意図する対応情報を確実に生成させることができるので、自動で対応情報を生成させる場合に比べ、信頼性を高めることができる。
(6)荷物の数量が多い仕向地区域に対応した搬出側カーゴの数量を多くする場合
前述の実施形態においては、搬出側カーゴ10A〜10Eのうち、荷物4の数量が比較的多い仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10を、それ以外の搬出側カーゴ10よりも搬入側カーゴ9の近くに配設していたが、これに限られない。すなわち、荷物4の数量が比較的多い仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10を、それ以外の搬出側カーゴ10よりも設置個数が多くなるように設置してもよい。これにより、荷物4の数量が比較的多い仕向地区域に対応した搬出側カーゴ10の交換頻度を低減することが可能となり、仕分け作業のタクトタイムを短縮することができる。
(7)その他
なお、以上においては、搬入側カーゴ9及び搬入側カーゴ10等の搬送を搬入側カーゴ用搬送台車17及び搬出側カーゴ用搬送台車18により行っていたが、これに限られず、搬入側カーゴ9及び搬入側カーゴ10等の搬送を作業者の人手により行ってもよい。
また、以上においては、ロボット11等のアーム24の先端に吸着パッド25を設け、この吸着パッド25により荷物4を吸着して持ち上げていたが、これに限られず、アーム24に把持部材(ツールに相当)を設け、この把持部材により荷物4を把持して持ち上げてもよい。
また、以上においては、荷物4の上面に仕向地情報等を記録したバーコード8が設けられ、アーム24の先端に設けたビジョンセンサ27によりバーコード8から仕向地情報等を取得していたが、これに限られない。すなわち、アーム24の先端にバーコードリーダ(仕分け先取得手段に相当)を設け、このバーコードリーダによりバーコード8から仕向地情報等を取得してもよい。あるいは、荷物4の上面に仕向地情報等が記録したICタグを設けると共に、アーム24の先端にICタグリーダ(仕分け先取得手段に相当)を設け、このICタグリーダにより上記ICタグから仕向地情報等を取得してもよい。
また、以上においては、荷物4を搬入側カーゴ9及び搬入側カーゴ10等に載置していたが、これに限られず、荷物4を載置部であるパレットに載置してもよい。
また、以上においては、複数の荷物4を仕向地区域(例えば、市町村単位)ごとに仕分けていたが、これに限られず、複数の荷物4を仕向地(例えば、1件単位)ごとに仕分けてもよい。あるいは、複数の荷物4を種類(仕分け先に相当)ごとに仕分けてもよい。
また、以上においては、ロボット仕分けシステム1等を宅配便事業者のトラックターミナル2等に適用した場合を説明したが、これに限られず、ロボット仕分けシステムを他の物流施設(例えば、通信販売事業者のフルフィルメントセンター等)に適用してもよい。
また、前述の図12等に示すフローは実施の形態を図示する手順に限定するものではなく、趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、前述の実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、前述の実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。