JP2013084500A - 信号伝送ケーブル用中空絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部導体(30)となる導体を巻き付ける方向に加わる捩り力(P)に対する機械的強度を向上させる。
【解決手段】中空絶縁コア(21)のリブ部(3)の内端の片側および外端の片側に隅肉部(6a,6b)を設ける。
【効果】誘電体体積をほとんど増加させることなく、外部から加わる捩り力(P)に対する機械的強度を向上させることが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、信号伝送ケーブル用中空絶縁電線に関し、さらに詳しくは、誘電体体積をほとんど増加させないか又は全く増加させることなく、外部から加わる捩り力に対する機械的強度を向上させた信号伝送ケーブル用中空絶縁電線に関する。
従来、図3に示すように、複数の素線1,1,……を集合させて撚った撚り線を用いた内部導体11と、その内部導体11を被覆する内環部2と該内環部2から放射状に延びる複数のリブ部9と該リブ部9の外端を連結する外環部4とそれら内環部2及びリブ部9及び外環部4で囲まれた複数の中空部5とを有する中空絶縁コア29と、その中空絶縁コア29の外周に細線素線や金属箔ラミネートプラスチックテープを巻き付けてなる外部導体30とを備えた信号伝送ケーブル用中空絶縁電線900が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−335393号公報
上記従来の信号伝送ケーブル用中空絶縁電線900において、中空絶縁コア29の外周に細線素線や金属箔ラミネートプラスチックテープを巻き付けて外部導体30としているのは、信号伝送ケーブル用中空絶縁電線として必要な電気特性・柔軟性・屈曲性を得るためである。
しかし、図4に示すように、中空絶縁コア29の外周に細線素線や金属箔ラミネートプラスチックテープを巻き付けて外部導体30を設けるときに、巻き付け方向に強い捩り力Pが加わるため、中空絶縁コア29のリブ部9の端部分が塑性変形することがある問題点があった。
上記問題点はリブ部9を太くすれば解消するが、そうすると誘電体体積が増加するため、電気的特性が劣化してしまう問題点があった。
そこで、本発明の目的は、誘電体体積をほとんど増加させないか又は全く増加させることなく、外部から加わる捩り力に対する機械的強度を向上させた信号伝送ケーブル用中空絶縁電線を提供することにある。
第1の観点では、本発明は、内部導体(11)と、前記内部導体(11)を被覆する内環部(2)と前記内環部(2)から放射状に延びる複数のリブ部(3)と前記リブ部(3)の外端を連結する外環部(4)と前記内環部(2)及びリブ部(3)及び外環部(4)で囲まれた複数の中空部(5)とを有する中空絶縁コア(21,22)と、前記中空絶縁コア(21,22)の外周に導体を巻き付けてなる外部導体(30)とを備えた信号伝送ケーブル用中空絶縁電線であって、前記リブ部(3)の内端の片側および外端の片側に隅肉部(6a,6b)を設けたことを特徴とする信号伝送ケーブル用中空絶縁電線(100,200)を提供する。
上記第1の観点による信号伝送ケーブル用中空絶縁電線(100,200)では、前記リブ部(3)の内端の片側および外端の片側に隅肉部(6a,6b)を設けたので、誘電体体積をほとんど増加させない。そして、外部導体(30)となる導体を巻き付ける方向に加わる捩り力(P)に対する耐性を隅肉部(6a,6b)が向上させるため、外部から加わる捩り力(P)に対する機械的強度を向上することが出来る。
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による信号伝送ケーブル用中空絶縁電線において、前記隅肉部(6a,6b)による誘電体体積の増加を相殺するように、前記リブ部(3)の中央部(7)を薄くしたことを特徴とする信号伝送ケーブル用中空絶縁電線(200)を提供する。
上記第2の観点による信号伝送ケーブル用中空絶縁電線(200)では、誘電体体積を全く増加させることなく、外部から加わる捩り力(P)に対する機械的強度を向上することが出来る。
本発明の信号伝送ケーブル用中空絶縁電線(100,200)によれば、誘電体体積をほとんど増加させないか又は全く増加させることなく、外部から加わる捩り力に対する機械的強度を向上することが出来る。
実施例1に係る信号伝送ケーブル用中空絶縁電線を示す断面図である。 実施例2に係る信号伝送ケーブル用中空絶縁電線を示す断面図である。 従来例に係る信号伝送ケーブル用中空絶縁電線を示す断面図である。 従来例に係る信号伝送ケーブル用中空絶縁電線の捩り力によるリブ部の両端部分の変形を示す断面図である。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
−実施例1−
図1は、実施例1に係る信号伝送ケーブル用中空絶縁電線100を示す断面図である。
この信号伝送ケーブル用中空絶縁電線100は、内部導体11と、中空絶縁コア21と、外部導体30とを具備してなる。
内部導体11は、7本の素線1,1,……を集合させて撚った撚り集合線である。
素線1は、例えば線径0.16mmの軟銅丸線である。
内部導体11の外径は、例えば0.48mmである。また、内部導体11の抵抗値は、例えば126.6Ω/kmである。
中空絶縁コア21は、内部導体11を被覆する内環部2と、その内環部2から放射状に延びる6本のリブ部3,3,……と、そのリブ部3,3,……の外端を連結する外環部4と、それら内環部2及びリブ部3,3,……及び外環部4で囲まれた6個の中空部5,5,……と、リブ部3,3,……の内端の片側に設けた隅肉部6aおよび外端の片側に設けた隅肉部6bとを有している。
中空絶縁コア21の内環部2の最薄部分の厚さは、例えば0.04mmである。
リブ部3,3,……は、それぞれ断面矩形であり、その厚さは例えば0.065mmである。
外環部の厚さは、例えば0.06mmである。外環部の外径は、例えば1.17mmである。
中空絶縁コア21の断面積(内部導体11の断面積は含まない)に対する中空部5,5,……の断面積比率(=中空率)は、例えば45%である。
中空絶縁コア21は、押出ダイを走行する内部導体11の外周に例えばFEP樹脂を押出しして成形する。製造速度は、例えば20m/minである。
外部導体30は、細線素線や金属箔ラミネートプラスチックテープを巻き付けたものである。この巻き付け時に加わる捩り力Pに対する耐性を高めるように、リブ部3,3,……の内端の片側および外端の片側にそれぞれ隅肉部6a、6bを設けている。
外部導体30の外周を絶縁被覆で取り巻いて、特性インピーダンス約50Ωの信号伝送ケーブルとする。その信号伝送ケーブルの減衰量は、0.83dB/m(1GHz,20℃)であった。
実施例1の信号伝送ケーブル用中空絶縁電線100によれば、リブ部3,3,……の内端の片側および外端の片側にそれぞれ隅肉部6a,6bを設けたので、誘電体体積をほとんど増加させずに、外部導体30となる導体を巻き付ける方向に加わる捩り力Pに対する機械的強度を向上することが出来る。
−実施例2−
図2は、実施例2に係る信号伝送ケーブル用中空絶縁電線200を示す断面図である。
この信号伝送ケーブル用中空絶縁電線200は、実施例1において隅肉部6a,6bを設けたことによる誘電体体積の増加を相殺するように、リブ部3,3,……の中央部7,7,……を薄くした構成である。リブ部3,3,……の中央部7,7,……を薄くした構成以外は実施例1の構成と同様である。
実施例2の信号伝送ケーブル用中空絶縁電線100によれば、誘電体体積を全く増加させずに、外部導体30となる導体を巻き付ける方向に加わる捩り力Pに対する機械的強度を向上することが出来る。
−実施例3−
図1,図2では隅肉部6a,6bを捩り力Pの方向で見てリブ部3,3,……の後片側に設けたが、リブ部3,3,……の前片側に設けてもよく、隅肉部6aをリブ部3,3,……の後片側に設け且つ隅肉部6bをリブ部3,3,……の前片側に(つまり、対角位置に)設けてもよく、さらに、隅肉部6aをリブ部3,3,……の前片側に設け且つ隅肉部6bをリブ部3,3,……の後片側に(つまり、対角位置に)設けてもよい。
本発明の信号伝送ケーブル用中空絶縁電線は、信号伝送ケーブルに利用することが出来る。
1 素線
11 内部導体
21,22,29 中空絶縁コア
2 内環部
3,9 リブ部
4 外環部
5 中空部
100,200,900 信号伝送ケーブル用中空絶縁
P 捩り力

Claims (2)

  1. 内部導体(11)と、前記内部導体(11)を被覆する内環部(2)と前記内環部(2)から放射状に延びる複数のリブ部(3)と前記リブ部(3)の外端を連結する外環部(4)と前記内環部(2)及びリブ部(3)及び外環部(4)で囲まれた複数の中空部(5)とを有する中空絶縁コア(21,22)と、前記中空絶縁コア(21,22)の外周に導体を巻き付けてなる外部導体(30)とを備えた信号伝送ケーブル用中空絶縁電線であって、前記リブ部(3)の内端の片側および外端の片側に隅肉部(6a,6b)を設けたことを特徴とする信号伝送ケーブル用中空絶縁電線(100,200)。
  2. 請求項1に記載の信号伝送ケーブル用中空絶縁電線において、前記隅肉部(6a,6b)による誘電体体積の増加を相殺するように、前記リブ部(3)の中央部(7)を薄くしたことを特徴とする信号伝送ケーブル用中空絶縁電線(200)。
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