JP2013084496A - 全固体電池用正極、及び当該正極を備える全固体電池 - Google Patents

全固体電池用正極、及び当該正極を備える全固体電池 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れる全固体電池用正極、及び当該正極を備える全固体電池を提供する。
【解決手段】粉末状の正極活物質、及び粉末状のリチウムイオン伝導性固体電解質を含有する全固体電池用正極であって、さらに、粉末状の導電助剤を含有し、且つ、前記導電助剤が、クロム、チタン、及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属元素を含む金属又は合金であることを特徴とする、全固体電池用正極。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐久性に優れる全固体電池用正極、及び当該正極を備える全固体電池に関する。
二次電池は、化学反応に伴う化学エネルギーの減少分を電気エネルギーに変換し、放電を行うことができる他に、放電時と逆方向に電流を流すことにより、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄積(充電)することが可能な電池である。二次電池の中でも、リチウム二次電池は、エネルギー密度が高いため、ノート型のパーソナルコンピューターや、携帯電話機等の電源として幅広く応用されている。
リチウム二次電池においては、負極活物質としてグラファイト(Cと表現する)を用いた場合、放電時において、負極では下記式(I)の反応が進行する。
LiC→C+xLi+xe (I)
(上記式(I)中、0<x<1である。)
式(I)の反応で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、正極に到達する。そして、式(I)の反応で生じたリチウムイオン(Li)は、負極と正極に挟持された電解質内を、負極側から正極側に電気浸透により移動する。
また、正極活物質としてコバルト酸リチウム(Li1−xCoO)を用いた場合、放電時において、正極では下記式(II)の反応が進行する。
Li1−xCoO+xLi+xe→LiCoO (II)
(上記式(II)中、0<x<1である。)
充電時においては、負極及び正極において、それぞれ上記式(I)及び式(II)の逆反応が進行し、負極においてはグラファイトインターカレーションによりリチウムが入り込んだグラファイト(LiC)が、正極においてはコバルト酸リチウム(Li1−xCoO)が再生するため、再放電が可能となる。
リチウム二次電池の中でも、電解質を固体電解質とし、電池を全固体化したリチウム二次電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないため、装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。特許文献1には、少なくとも、負極、リチウムイオン伝導性固体電解質、正極及び集電体が積層されてなる全固体リチウム二次電池において、粉末状の正極と粉末状のリチウムイオン伝導性固体電解質とを積層状にして一体に加圧成型したものを用いたことを特徴とする全固体リチウム二次電池が開示されている。
特開2009−164059号公報
特許文献1の明細書の段落[0021]には、正極活物質とリチウムイオン伝導性固体電解質との混合物を正極に用いることが記載されている。しかし、本発明者らが検討したところ、リチウムイオン伝導性固体電解質と反応するおそれのある正極活物質や導電助剤を正極に用いた場合には、正極の耐久性が低下し、全固体電池の劣化が促進されることが明らかとなった。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、耐久性に優れる全固体電池用正極、及び当該正極を備える全固体電池を提供することを目的とする。
本発明の全固体電池用正極は、粉末状の正極活物質、及び粉末状のリチウムイオン伝導性固体電解質を含有する全固体電池用正極であって、さらに、粉末状の導電助剤を含有し、且つ、前記導電助剤が、クロム、チタン、及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属元素を含む金属又は合金であることを特徴とする。
本発明の全固体電池は、正極、負極、並びに、当該正極及び当該負極の間に介在する固体電解質層を備える全固体電池であって、前記正極が上記全固体電池用正極であることを特徴とする。
本発明によれば、リチウムイオン伝導性固体電解質と反応するおそれのない導電助剤を用いることにより、本発明に係る正極を全固体電池に導入した場合に、当該全固体電池の耐久性を従来の全固体電池よりも向上させることができる。
本発明に係る全固体電池の層構成の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。 実施例2、比較例3及び比較例4の電子ブロッキングセルについて、開回路電位から8V(vsLi/Li)までの1回目及び2回目の掃引結果を示したサイクリックボルタモグラムである。
1.全固体電池用正極
本発明の全固体電池用正極は、粉末状の正極活物質、及び粉末状のリチウムイオン伝導性固体電解質を含有する全固体電池用正極であって、さらに、粉末状の導電助剤を含有し、且つ、前記導電助剤が、クロム、チタン、及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属元素を含む金属又は合金であることを特徴とする。
リチウム電池においては、電極内の導電性を確保するため、通常、電極中には導電助剤が含まれる。しかし、電解液を電解質層に用いたリチウム電池では、電極中に金属が混入すると、当該金属からなる析出物が電解質層を貫通して電気的短絡の原因となったり、溶解した当該金属が電極上に再析出したりすることにより、電池自体の寿命が縮まることが知られている。
そのため、電解液を電解質層に用いた従来のリチウム電池においては、カーボンブラックや繊維状炭素等の金属を含まない導電助剤が用いられている。
本発明者らは、全固体電池の一種である硫化物系全固体電池において、電極中にカーボンブラックや繊維状炭素等の炭素材料を用いると、後述する比較例3及び比較例4に示すように、これらの炭素材料が2.8V(vsLi/Li)付近で硫化物系固体電解質と反応する結果、全固体電池の耐久性が低下する課題を発見した。これは、硫化物系全固体電池において、炭素材料表面におけるカルボキシル基(−COOH)、ヒドロキシ基(−OH)、カルボニル基(C=O)、スルホン酸基(−SOH)、及びチオール基(−SH)等の酸性官能基と、硫化物系固体電解質とが反応する結果、上記式(I)等の電気化学反応により発生した金属イオンが消費されるためであると考えられる。
本発明者らは、鋭意努力の結果、全固体電池の正極中の導電助剤として、固体電解質に対して安定であり、且つ電気化学的にも安定な金属又は合金を用いることにより、全固体電池の耐久性を向上できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明に係る全固体電池用正極は、粉末状の正極活物質、粉末状のリチウムイオン伝導性固体電解質、及び粉末状の導電助剤を含有する。
本発明に係る全固体電池用正極は、好ましくは上記正極活物質、リチウムイオン伝導性固体電解質、及び導電助剤をいずれも含有する正極活物質層を備えるものであり、通常、これに加えて、正極集電体、及び当該正極集電体に接続された正極リードを備える。
本発明には、導電助剤として、固体電解質に対して安定であり、且つ電気化学的にも安定な金属又は合金を用いる。ここで、固体電解質に対して安定な金属又は合金とは、固体電解質に対し不活性な金属又は合金のことを指す。特に、硫化物系固体電解質に対して安定な金属又は合金とは、硫化物系固体電解質と混合したときに硫化物とならない金属又は合金のことを指す。また、電気化学的に安定な金属又は合金とは、標準電極電位が0V以上である金属又は合金、及び/又は、表面に不動態皮膜ができる金属又は合金のことを指す。また、本発明に用いられる導電助剤は、リチウム等に対しある一定の値以上の電位範囲において、電極材料として使用できる金属又は合金であってもよい。
このような金属又は合金を用いることにより、導電助剤と固体電解質との反応を抑えることができ、電池の耐久性が向上する。
導電助剤としては、具体的には、クロム、チタン、又はアルミニウムを含む金属又は合金を用いる。これらの金属元素は、導電助剤に1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。また、導電助剤には、クロム、チタン、又はアルミニウム以外の金属元素が含まれていてもよい。
クロム元素を含む金属又は合金としては、クロム単体、SUS、ニッケル・クロム合金(例えば、インコネル(登録商標)、インコロイ(登録商標)、ハステロイ(登録商標)等)等が挙げられる。これらのクロム単体及びクロム合金は、固体電解質、特に硫化物系固体電解質に対して不活性であるため好ましい。これらクロム含有金属又は合金の中でも、特に、クロム単体及びSUSを用いることが好ましい。
アルミニウム元素を含む金属又は合金としては、アルミニウム単体、アルミニウム・マンガン系合金、アルミニウム・マグネシウム系合金等が挙げられる。
チタン元素を含む金属又は合金としては、チタン単体、チタン・パラジウム系合金、チタン・アルミニウム・バナジウム系合金等が挙げられる。
これらのアルミニウム単体、アルミニウム合金、チタン単体、及びチタン合金は、固体電解質と共に混合した際、金属又は合金の表面に、固体電解質に対して不活性であると考えられる不動態皮膜が形成されるため好ましい。特にアルミニウム単体は、全固体電池動作環境下で安定に存在するため、より好ましい。
電気化学的に貴な金属、すなわち、標準電極電位が0V以上の金属を導電助剤に用いてもよい。電気化学的に貴な金属としては、例えば、白金、パラジウム等が挙げられる。
導電助剤として、他の材料(例えば、炭素材料等)を芯とし、当該芯を、上述したクロム、チタン、若しくはアルミニウムを含む金属又は合金等で被覆した材料も使用できる。
導電助剤の形状・大きさは特に限定されない。導電助剤の形状としては、例えば、球状、繊維状、板状等が挙げられる。
正極活物質層における導電助剤の含有割合は、導電助剤の種類によって異なるものであるが、好ましくは0.5〜10質量%である。
本発明に用いられる正極活物質としては、具体的には、LiCoO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiNiPO、LiMnPO、LiNiO、LiMn、LiCoMnO、LiNiMn、LiFe(PO及びLi(PO等を挙げることができる。正極活物質からなる微粒子の表面にLiNbO等を被覆してもよい。
正極活物質の平均粒径としては、例えば1〜50μm、中でも1〜20μm、特に3〜5μmであることが好ましい。正極活物質の平均粒径が小さすぎると、取り扱い性が悪くなるおそれがあり、正極活物質の平均粒径が大きすぎると、平坦な正極活物質層を得るのが困難になるおそれがあるからである。なお、正極活物質の平均粒径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される活物質担体の粒径を測定して、平均することにより求めることができる。
本発明に用いられるリチウムイオン伝導性固体電解質としては、硫化物系固体電解質、及び酸化物系固体電解質等を用いることができる。
硫化物系固体電解質としては、具体的には、LiS−P、LiS−P、LiS−P−P、LiS−SiS、LiS−SiS、LiS−B、LiS−GeS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−SiS−P、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、LiPS−LiGeS、Li3.40.6Si0.4、Li3.250.25Ge0.76、Li4−xGe1−x等を例示することができる。これらの硫化物系固体電解質の中でも、特に、LiS及びPを含む固体電解質、すなわち、LiS−P、LiS−P−P、LiI−LiS−P、LiI−LiS−SiS−P、Li3.40.6Si0.4、Li3.250.25Ge0.76、Li4−xGe1−xが好ましい。
酸化物系固体電解質としては、具体的には、LiPON(リン酸リチウムオキシナイトライド)、Li1.3Al0.3Ti0.7(PO、La0.51Li0.34TiO0.74、LiPO、LiSiO、LiSiO等を例示することができる。
固体電解質は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
正極活物質層は、必要に応じて結着剤等を含有していても良い。
本発明に用いられる結着剤としては、例えばポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。また、正極活物質層における結着剤の含有量は、正極活物質等を固定化できる程度の量であれば良く、より少ないことが好ましい。結着剤の含有割合は、通常1〜10質量%である。
本発明に用いられる正極活物質層の厚さは、目的とする全固体電池の用途等により異なるものであるが、10〜250μmであるのが好ましく、20〜200μmであるのがより好ましく、30〜150μmであるのがさらに好ましい。
本発明に用いられる正極集電体は、上記正極活物質層の集電を行う機能を有するものである。上記正極集電体の材料としては、例えばアルミニウム、SUS、ニッケル、鉄及びチタン等を挙げることができ、中でもアルミニウム及びSUSが好ましい。また、正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
本発明に係る全固体電池用正極を製造する方法は、特に限定されない。なお、正極活物質層を形成した後、電極密度を向上させるために、正極活物質層をプレスしてもよい。
2.全固体電池
本発明の全固体電池は、正極、負極、並びに、当該正極及び当該負極の間に介在する固体電解質層を備える全固体電池であって、前記正極が上記全固体電池用正極であることを特徴とする。
上記全固体電池用正極が、固体電解質に対し不活性な導電助剤を含むことにより、当該全固体電池用正極を備える本発明に係る全固体電池は、従来の全固体電池よりも優れた耐久性を発揮し、長寿命の運転を可能とする。
図1は、本発明に係る全固体電池の層構成の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。なお、本発明に係る全固体電池は、必ずしもこの例のみに限定されるものではない。
全固体電池100は、正極活物質層2及び正極集電体4を備える正極6と、負極活物質層3及び負極集電体5を備える負極7と、正極6及び負極7に挟持される固体電解質層1を備える。
本発明に係る全固体電池には、正極として上述した全固体電池用正極が用いられる。以下、本発明に係る全固体電池に用いられる負極及び固体電解質層、並びに本発明に係る全固体電池に好適に用いられる電池ケースについて、詳細に説明する。
(負極)
本発明に用いられる負極は、本発明に係る上記電極活物質を含む。上記負極は、好ましくは、上記電極活物質を含む負極活物質層を備える。上記負極は、通常、負極活物質層に加えて、負極集電体、及び当該負極集電体に接続された負極リードを備える。
(負極活物質層)
本発明に用いられる負極活物質層は、金属、合金材料、及び/又は炭素材料を含む負極活物質を含有する。負極活物質に用いることができる金属及び合金材料としては、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等の第2族元素;アルミニウム等の第13族元素;亜鉛、鉄等の遷移金属;又は、これらの金属を含有する合金材料や化合物が例示できる。負極活物質に用いることができる炭素材料としては、グラファイト等が例示できる。負極活物質は、粉末状であっても良く、薄膜状であっても良い。
リチウム元素を含有する化合物としては、リチウム合金、リチウム元素を含有する金属酸化物、リチウム元素を含有する金属窒化物、リチウム元素を含有する金属硫化物が例示できる。
リチウム合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。リチウム元素を含有する金属酸化物としては、例えばリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。
負極活物質層には、固体電解質をコートしたリチウムを用いることもできる。
上記負極活物質層は、負極活物質のみを含有するものであっても良く、負極活物質の他に、導電性材料及び結着剤の少なくとも一方を含有するものであっても良い。例えば、負極活物質が箔状である場合は、負極活物質のみを含有する負極活物質層とすることができる。一方、負極活物質が粉末状である場合は、負極活物質及び結着剤を有する負極活物質層とすることができる。
本発明に用いられる導電性材料としては、負極活物質層の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等を挙げることができる。また、負極活物質層における導電性材料の含有割合は、導電性材料の種類によって異なるものであるが、通常1〜10質量%である。
なお、結着剤については、上述した全固体電池用正極の発明において説明した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
負極活物質層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、例えば10〜200μm、中でも10〜100μmであることが好ましい。
負極活物質層は、固体電解質を含有していてもよい。固体電解質としては、上述した硫化物系固体電解質、及び酸化物系固体電解質等を用いることができる。
(負極集電体)
負極集電体の材料としては、上述した全固体電池用正極中の正極集電体と同様の材料を用いることができる。また、負極集電体の形状としては、上述した全固体電池用正極中の正極集電体と同様の形状を採用することができる。
本発明に用いられる負極を製造する方法は、上記負極を得ることができる方法であれば特に限定されない。なお、負極活物質層を形成した後、電極密度を向上させるために、負極活物質層をプレスしても良い。
(固体電解質層)
本発明に用いられる固体電解質層は、正極及び負極の間に保持され、正極と負極との間で金属イオンを交換する働きを有する。
固体電解質としては、上述した硫化物系固体電解質、及び酸化物系固体電解質の他に、ポリマー電解質等を用いることができる。
ポリマー電解質は、通常、リチウム塩及びポリマーを含有する。リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO及びLiAsF等の無機リチウム塩;LiCFSO、LiN(SOCF(Li−TFSI)、LiN(SO及びLiC(SOCF等の有機リチウム塩等を挙げることができる。ポリマーとしては、リチウム塩と錯体を形成するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
固体電解質は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(電池ケース)
本発明に係る全固体電池は、通常、上記全固体電池用正極、負極、及び固体電解質層等を収納する電池ケースを備える。電池ケースの形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
1.電子ブロッキングセルの作製
[実施例1]
まず、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質として平均粒径34.8μmの75LiS−25Pを、導電助剤として平均粒径10μmのSUS316Lを、さらに正極活物質をそれぞれ秤量し、十分に混合した。
次に、底面積が1cmの円筒形の型に、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質として75LiS−25P 65mgを加え、100MPaでプレスし、固体電解質層を形成した。続いて、当該固体電解質層の上から、上記混合物を51mg加え、400MPaでプレスし、正極を形成した。次に、固体電解質層における、正極を形成した面の反対側の面に、面積が約1cmの円盤型に加工した金属リチウムを加え、100MPaでプレスし、負極を形成した。
上記手順により、正極−固体電解質層−負極からなる積層体を、当該積層体の積層方向から一対の合金工具鋼で狭持し、実施例1の電子ブロッキングセルを作製した。
[比較例1]
まず、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質として平均粒径34.8μmの75LiS−25Pを、導電助剤として繊維状炭素(昭和電工製)を、さらに正極活物質をそれぞれ秤量し、十分に混合した。
次に、上記実施例1と同様に、底面積が1cmの円筒形の型に固体電解質層を形成した。続いて、当該固体電解質層の上から、上記混合物を21mg加え、400MPaでプレスし、正極を形成した。あとは、上記実施例1と同様に、負極の形成、及び、一対の合金工具鋼による積層体の狭持を行い、比較例1の電子ブロッキングセルを作製した。
[比較例2]
まず、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質として平均粒径34.8μmの75LiS−25Pを、導電助剤としてカーボンブラック(電気化学工業製)を、さらに正極活物質をそれぞれ秤量し、十分に混合した。
次に、上記実施例1と同様に、底面積が1cmの円筒形の型に固体電解質層を形成した。続いて、当該固体電解質層の上から、上記混合物を21mg加え、400MPaでプレスし、正極を形成した。あとは、上記実施例1と同様に、負極の形成、及び、一対の合金工具鋼による積層体の狭持を行い、比較例2の電子ブロッキングセルを作製した。
以上の実施例1、比較例1、及び比較例2の電子ブロッキングセルを用いてサイクリックボルタンメトリーを行った場合、得られるサイクリックボルタモグラム(以下、CVと称する。)は、正極活物質自身の酸化還元電流値が1mA/cmのオーダー以上と大きいために、より小さいオーダーの酸化還元電流値のピークに帰属される導電助剤と固体電解質との反応の確認が困難となるおそれがある。そこで、正極活物質を含まず、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質及び導電助剤を含む正極を備える、以下の実施例2、比較例3、及び比較例4の電子ブロッキングセルを作製し、サイクリックボルタンメトリーに供した。なお、実施例2、比較例3、及び比較例4の電子ブロッキングセルは、正極活物質を含まないこと以外、それぞれ、上記実施例1、比較例1、及び比較例2の電子ブロッキングセルと同様である。
[実施例2]
まず、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質として平均粒径34.8μmの75LiS−25Pを、及び、導電助剤として平均粒径10μmのSUS316Lを、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質:導電助剤=50体積%:50体積%となるようにそれぞれ秤量し、十分に混合した。
次に、底面積が1cmの円筒形の型に、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質として75LiS−25P 65mgを加え、100MPaでプレスし、固体電解質層を形成した。続いて、当該固体電解質層の上から、上記混合物を51mg加え、400MPaでプレスし、正極を形成した。次に、固体電解質層における、正極を形成した面の反対側の面に、面積が約1cmの円盤型に加工した金属リチウムを加え、100MPaでプレスし、負極を形成した。
上記手順により、正極−固体電解質層−負極からなる積層体を、当該積層体の積層方向から一対の合金工具鋼で狭持し、実施例2の電子ブロッキングセルを作製した。
[比較例3]
まず、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質として平均粒径34.8μmの75LiS−25Pを、及び、導電助剤として繊維状炭素(昭和電工製)を、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質:導電助剤=50体積%:50体積%となるようにそれぞれ秤量し、十分に混合した。
次に、上記実施例2と同様に、底面積が1cmの円筒形の型に固体電解質層を形成した。続いて、当該固体電解質層の上から、上記混合物を21mg加え、400MPaでプレスし、正極を形成した。あとは、上記実施例2と同様に、負極の形成、及び、一対の合金工具鋼による積層体の狭持を行い、比較例3の電子ブロッキングセルを作製した。
[比較例4]
まず、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質として平均粒径34.8μmの75LiS−25Pを、及び、導電助剤としてカーボンブラック(電気化学工業製)を、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質:導電助剤=50体積%:50体積%となるようにそれぞれ秤量し、十分に混合した。
次に、上記実施例2と同様に、底面積が1cmの円筒形の型に固体電解質層を形成した。続いて、当該固体電解質層の上から、上記混合物を21mg加え、400MPaでプレスし、正極を形成した。あとは、上記実施例2と同様に、負極の形成、及び、一対の合金工具鋼による積層体の狭持を行い、比較例4の電子ブロッキングセルを作製した。
2.サイクリックボルタンメトリー
実施例2、比較例3、及び比較例4の電子ブロッキングセルを、それぞれポテンショスタット(Solartron製、ポテンショスタット1287型)に接続し、下記の条件でサイクリックボルタンメトリーを行った。なお、ポテンショスタットに接続する際には、固体電解質に対して、実施例2ではSUSが作用極となり、比較例3及び比較例4ではカーボンが作用極となるように接続した。また、ポテンショスタットに接続する際には、固体電解質に対して、金属リチウムが対極且つ参照極となるように接続した。
掃引速度:5mV/sec
掃引範囲:開回路電位から8V(vsLi/Li)まで2往復掃引し、さらに開回路電位から8V(vsLi/Li)まで掃引させた後に停止させた。
温度:25℃
図2(a)は、実施例2、比較例3、及び比較例4の電子ブロッキングセルについて、開回路電位から8V(vsLi/Li)までの1回目の掃引結果を示したCVである。図2(a)において、比較例3及び比較例4のCVには、2.8V(vsLi/Li)付近に、いずれもCV曲線の盛り上がり(いわゆるピークの肩)が見られる。このピークの肩は、2.8V(vsLi/Li)付近で、導電助剤(繊維状炭素又はカーボンブラック)と固体電解質(75LiS−25P)とが反応していることを示す。これに対し、図2(a)において、実施例2のCVには、2.8V(vsLi/Li)付近にいわゆるピークの肩は見られない。
図2(b)は、実施例2、比較例3、及び比較例4の電子ブロッキングセルについて、開回路電位から8V(vsLi/Li)までの2回目の掃引結果を示したCVである。図2(b)において、比較例3及び比較例4のCVには、2.8V(vsLi/Li)付近にいずれもピークが見られる。このピークは、2.8V(vsLi/Li)付近で、導電助剤(繊維状炭素又はカーボンブラック)と固体電解質(75LiS−25P)とが顕著に反応していることを示す。なお、開回路電位から8V(vsLi/Li)までの3回目の掃引結果においても、比較例3及び比較例4のCVには、2.8V(vsLi/Li)付近にいずれもピークが見られた(図示せず)。これに対し、図2(b)において、実施例2のCVには、2.8V(vsLi/Li)付近にピークは見られない。
以上より、炭素材料を導電助剤として含む従来の比較例3及び比較例4の電子ブロッキングセルにおいては、全固体電池の常用範囲内の電位である2.8V(vsLi/Li)において、導電助剤と固体電解質とが反応し続けていることが分かる。これに対し、SUSを導電助剤として含む実施例2の電子ブロッキングセルにおいては、2.8V(vsLi/Li)において導電助剤と固体電解質とは反応しないため、耐久性に優れることが分かる。
1 固体電解質層
2 正極活物質層
3 負極活物質層
4 正極集電体
5 負極集電体
6 正極
7 負極
100 全固体電池

Claims (2)

  1. 粉末状の正極活物質、及び粉末状のリチウムイオン伝導性固体電解質を含有する全固体電池用正極であって、
    さらに、粉末状の導電助剤を含有し、且つ、
    前記導電助剤が、クロム、チタン、及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属元素を含む金属又は合金であることを特徴とする、全固体電池用正極。
  2. 正極、負極、並びに、当該正極及び当該負極の間に介在する固体電解質層を備える全固体電池であって、
    前記正極が、前記請求項1に記載の全固体電池用正極であることを特徴とする、全固体電池。
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