JP2013084046A - 作業工程作成システム、作業工程作成方法、及び作業工程作成プログラム - Google Patents

作業工程作成システム、作業工程作成方法、及び作業工程作成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の製品で同一条件の処理を行う場合には、複数の製品をまとめて炉内に入れて一括してバッチ処理を行うことができる作業工程作成システムを提供する。
【解決手段】仮日程計画作成手段2は、製品が納期内に納まるように仮日程計画を立てる。バッチ処理工程判定手段3が、納期内の所定期間に同一の処理条件で作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在していると判定し、かつ、リソース容量判定手段4が、バッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕があると判定した場合は、再日程計画作成手段5が、バッチ処理工程によって仮日程計画を修正する再スケジューリングを行う。そして、再日程計画作成手段5が、再スケジューリングによって作成された再日程計画に基づいて、バッチ処理工程を含む作業工程を立てることにより、効率的で最適な日程計画による作業工程を実現させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、工場等において稼動される生産プロセスの作業工程を作成するための作業工程作成システム等に関し、特に、コンピュータによって生産スケジュールを作成するための作業工程作成システム、作業工程作成方法、及び作業工程作成プログラムに関する。
例えば、工場等における受注生産品の長期日程計画(大日程計画)を高精度にスケジューリングする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、製造すべき製品の型式ごとの納期が営業情報として入力され、基準工期データ、物量データ、及び稼働日等を示すシフトデータに基づいて、製品ごとの作業工程表をスケジューリングデータとして生成している。そして、このスケジューリングデータを、最適化手法を用いて最適化し、最適化スケジューリングデータとして実際の作業工程に活用している。これによって、大日程計画を最適化して精度よくスケジューリングを行うことができる。なお、最適化手法としては、例えば、タブ検索による制約充足問題アルゴリズムを用いて、できるだけ多くの制約を満たす解を一つだけ見つけ、この解に基づいて制約を満たす範囲内で大日程計画を最適化する方法が用いられている。
また、製造現場において同一処理条件の複数のタスク(処理の実行単位=1工程)を一つのロットとして集約し、ロット単位で処理を実行する作業スケジュール作成技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この技術によれば、タスク単位で作成された作業スケジュールが、自動的にロット単位の作業スケジュールに変換されて表示されるので、制約条件であるロットまとめ条件の推移を容易に把握することができる。そのため、作業スケジュールの操作性の良し悪しを容易に判定し、必要に応じて、作業スケジュールの操作性を改善させるように該作業スケジュールを練り直すことができる。すなわち、この技術によれば、多品種の製品を生産する現場において、使用する機械などのリソースが競合しないようにして、多品種の製品が納期内に完成できるように生産計画を立てた作業スケジュールを立案することが可能となる。
特開2003−131721号公報 特許第4319026号公報
しかしながら、前記特許文献1の技術は、作業の長期日程計画を高精度にスケジューリングすることはできるが、共通する作業内容を一括処理するバッチ処理などは考慮していないので、作業の工程時間(工程期間)を短縮化することができない。
また、前記特許文献2の技術は、複数のタスクをロットとして集約して作業スケジュールを作成しているので、バッチ処理によってリソースが競合しないように生産計画を立てることができるが、作業者による段取り時間のさらなる削減を行うことはできない。言い換えると、作業の工程内容によっては、機械加工を行う設備などのように1つずつの部品しか処理できない工程もあれば、熱処理炉などのように複数の部品を炉に入れることができれば、それらの部品をまとめて処理することができる工程もある。後者のような複数の部品をまとめて処理する工程に対しては、直近の工程で同じ処理条件のものは一括処理するなどの計画を人間系で(つまり、作業関係者が)考慮しながら行っている。この場合は、多数のタスクをロット単位で集約しても、作業関係者の熟練度のばらつきなどによって、それらのロットを一括処理することなくシリーズに処理している場合には、段取り時間を短縮化することができない。つまり、温度条件や処理時間が同じ条件の処理内容であっても、それらのロットの部品を一括してまとめることなく、個々の部品をシリーズに炉内に入れて処理しているために、段取り時間等の短縮化は難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数の製品(または部品)で温度条件や処理時間などが同じ条件の処理を行う場合には、それらの製品(または部品)をまとめて炉内に入れて一括してバッチ処理を行うことにより、処理の段取り時間を省くことができる作業工程作成システム、作業工程作成方法、及び作業工程作成プログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、生産プロセスの作業工程を作成するための作業工程作成システムであって、製品が納期内に納まるように前記作業工程のスケジューリングを行い、仮日程計画を立てる仮日程計画作成手段と、前記仮日程計画作成手段が立てた前記仮日程計画に基づいて、前記納期内における所定期間に同一の処理条件で前記作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在するか否かを判定するバッチ処理工程判定手段と、前記バッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕があるか否かを判定するリソース容量判定手段と、前記所定期間に前記バッチ処理工程が存在し、かつ前記リソースの容量に余裕がある場合は、前記仮日程計画作成手段が立てた前記仮日程計画を修正して再スケジューリングを行い、前記バッチ処理工程を含めた前記作業工程を実行させるための再日程計画を作成する再日程計画作成手段とを備え、前記再日程計画作成手段が作成した前記再日程計画に基づいて前記作業工程を実行させるように構成された作業工程作成システムを提供する。
また、本発明は、前記再日程計画作成手段が、前記所定期間で最も早い日時に実行される工程日時に前記バッチ処理工程を合わせ、前記再日程計画を作成することを特徴とする作業工程作成システムを提供する。
また、本発明は、前記再日程計画作成手段が、前記バッチ処理工程の日程を固定した状態で、該バッチ処理工程より前の前記作業工程については、日程をさかのぼるバックワードで前記再スケジューリングを行い、該バッチ処理工程より後の前記作業工程については、日程が繰り下がるフォワードで前記再スケジューリングを行うことを特徴とする作業工程作成システムを提供する。
また、本発明は、前記再日程計画作成手段が作成した前記再日程計画が前記製品の納期を逸脱したときは、前記仮日程計画作成手段が、前記作業工程の開始日を早めたスケジューリングを行うことを特徴とする作業工程作成システムを提供する。
また、本発明は、前記バッチ処理工程判定手段が、前記バッチ処理工程における同一の処理条件を示すバッチコードを標準データとして格納していることを特徴とする作業工程作成システムを提供する。
また、本発明においては、前記バッチ処理工程における同一の処理条件は、前記作業工程を実行するときの雰囲気条件と処理時間であることを特徴とする作業工程作成システムを提供する。
また、本発明は、生産プロセスの作業工程を作成するための作業工程作成システムであって、製品が納期内に納まるように前記作業工程のスケジューリングを行い、仮日程計画を立てる仮日程計画作成手段と、前記仮日程計画作成手段が立てた前記仮日程計画に基づいて、前記納期内における第1所定期間と該第1所定期間を前後に延長させた第2所定期間とのそれぞれにおいて同一の処理条件で前記作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在するか否かを判定するバッチ処理工程判定手段と、前記バッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕があるか否かを判定するリソース容量判定手段と、前記第1所定期間及び前記第2所定期間のそれぞれに前記バッチ処理工程が存在し、かつ、それぞれの前記リソースの容量に余裕がある場合は、前記第1所定期間及び前記第2所定期間のそれぞれについて、前記仮日程計画作成手段が立てた前記仮日程計画を修正して再スケジューリングを行い、前記バッチ処理工程を含めた前記作業工程を実行させるための再日程計画を作成し、コストの安い方の再日程計画を採用する再日程計画作成手段とを備え、前記再日程計画作成手段が採用した前記再日程計画に基づいて、前記作業工程を実行させるように構成された作業工程作成システムを提供する。
また、本発明は、生産プロセスの作業工程を作成するための作業工程作成方法であって、製品が納期内に納まるように前記作業工程のスケジューリングを行い、仮日程計画を立てる第1のステップと、前記第1のステップで立てた前記仮日程計画に基づいて、前記納期内における所定期間に同一の処理条件で前記作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在するか否かを判定する第2のステップと、前記バッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕があるか否かを判定する第3のステップと、前記所定期間に前記バッチ処理工程が存在し、かつ前記リソースの容量に余裕がある場合は、前記第1のステップで立てた前記仮日程計画を修正して再スケジューリングを行い、前記バッチ処理工程を含めた前記作業工程を実行させるための再日程計画を作成する第4のステップとを含み、前記第4のステップで作成された前記再日程計画に基づいて、前記作業工程を実行させる作業工程作成方法を提供する。
また、本発明は、前記第4のステップで、前記所定期間で最も早い日時に実行される工程日時に前記バッチ処理工程を合わせ、前記再日程計画を作成することを特徴とする作業工程作成方法を提供する。
また、本発明は、前記第4のステップにおいて、前記バッチ処理工程の日程を固定した状態で、該バッチ処理工程より前の前記作業工程については、日程をさかのぼるバックワードで前記再スケジューリングを行い、該バッチ処理工程より後の前記作業工程については、日程が繰り下がるフォワードで前記再スケジューリングを行うことを特徴とする作業工程作成方法を提供する。
また、本発明は、前記第4のステップで作成された前記再日程計画が前記製品の納期を逸脱したときは、前記第1のステップにさかのぼって、前記作業工程の開始日を早めたスケジューリングを行うことを特徴とする作業工程作成方法を提供する。
また、本発明は、前記第2のステップにおいて、同一の処理条件が標準データとして格納されているバッチコードに基づいて、前記バッチ処理工程が存在するか否かを判定することを特徴とする作業工程作成方法を提供する。
また、本発明においては、前記バッチ処理工程における同一の処理条件は、前記作業工程を実行するときの雰囲気条件と処理時間であることを特徴とする作業工程作成方法を提供する。
また、本発明は、生産プロセスの作業工程を作成するための作業工程作成方法であって、製品が納期内に納まるように前記作業工程のスケジューリングを行い、仮日程計画を立てる第1のステップと、前記第1のステップで立てた前記仮日程計画に基づいて、前記納期内における第1所定期間と該第1所定期間を前後に延長させた第2所定期間とのそれぞれにおいて同一の処理条件で前記作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在するか否かを判定する第2のステップと、前記バッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕があるか否かを判定する第3のステップと、前記第1所定期間及び前記第2所定期間のそれぞれに前記バッチ処理工程が存在し、かつ、それぞれの前記リソースの容量に余裕がある場合は、前記第1所定期間及び前記第2所定期間のそれぞれについて、前記第1のステップで立てた仮日程計画を修正して再スケジューリングを行い、前記バッチ処理工程を含めた前記作業工程を実行させるための再日程計画を作成し、コストの安い方の再日程計画を採用する第4のステップとを含み、前記第4のステップで採用された前記再日程計画に基づいて、前記作業工程を実行させることを特徴とする作業工程作成方法を提供する。
また、本発明は、コンピュータに、前記各発明の作業工程作成方法を実行させることを特徴とする作業工程作成プログラムを提供する。
本発明によれば、複数の製品について同じ条件で処理を行うバッチ処理工程を一括処理できるため、処理の段取り時間を省いて効率的かつ最適な作業工程を立案することができる。
本発明の一実施形態に係る作業工程作成システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る作業工程を作成するための仮日程計画作成画面である。 図2の仮日程計画作成画面によって作成された変更前のバッチ処理日程計画画面である。 図3の変更前のバッチ処理日程計画画面によって作成された変更後のバッチ処理日程計画画面である。 図4の変更後のバッチ処理日程計画画面によって作成された最終的な作業工程のバッチ処理日程計画画面(再日程計画画面)である。 本発明の第1実施形態における作業工程作成方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における作業工程作成方法の流れを示すフローチャートである。 複数の製品を生産する場合の一般的な作業工程表を示す図である。 図8に示す作業工程表をベースにして、特許文献2の技術によって実行される作業工程表を示す図である。 図8に示す作業工程表をベースにして、本発明の実施形態によるバッチ処理によって実行される作業工程表を示す図である。
《概要》
本発明の実施形態に係る作業工程作成方法は、あらかじめ、製品の完成が納期内に納まるように仮日程計画を立てる。次に、納期内における所定期間に同一の処理条件で作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在していて、かつ、そのバッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕がある場合は、そのバッチ処理工程によって仮日程計画を修正する再スケジューリングを行う。そして、再スケジューリングによって作成された再日程計画に基づいて、バッチ処理工程を含む作業工程を実行することにより、効率的で最適な日程計画による作業工程を実現させることができる。
《第1実施形態》
〈作業工程作成システムの構成〉
以下、本実施形態の作業工程作成方法を実現させるための作業工程作成システムの構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る作業工程作成システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、生産プロセスの作業工程を作成するための作業工程作成システム1は、製品が納期内に納まるように作業工程のスケジューリングを行って仮日程計画を立てる仮日程計画作成手段2と、仮日程計画作成手段2が立てた仮日程計画に基づいて、納期内における所定期間に同一の処理条件で作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在するか否かを判定するバッチ処理工程判定手段3と、バッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕があるか否かを判定するリソース容量判定手段4と、所定期間にバッチ処理工程が存在し、かつリソースの容量に余裕がある場合は、仮日程計画作成手段2が立てた仮日程計画を修正して再スケジューリングを行い、バッチ処理工程を含めた作業工程を実行させるための再日程計画を作成する再日程計画作成手段5とを備えて構成されている。これによって、再日程計画作成手段5が作成した再日程計画に基づいて、効率的かつ最適な日程で作業工程を実行させることができる。
ここで、再日程計画作成手段5は、所定期間で最も早い日時に実行される工程日時にバッチ処理工程を合わせて再日程計画を作成する。また、再日程計画作成手段5は、バッチ処理工程の日程を固定した状態で、該バッチ処理工程より前の作業工程については、日程をさかのぼるバックワードで再スケジューリングを行い、該バッチ処理工程より後の作業工程については、日程が繰り下がるフォワードで再スケジューリングを行う。
なお、再日程計画作成手段5が作成した再日程計画が製品の納期を逸脱したときは、仮日程計画作成手段2は、作業工程の開始日を早めたスケジューリングを行う。また、バッチ処理工程判定手段3は、バッチ処理工程における同一の処理条件を示すバッチコードを標準データとして格納している。ここで、バッチ処理工程における同一の処理条件は、作業工程を実行するときの雰囲気条件(例えば、温度条件)と処理時間である。
〈作業工程作成システムの基本的な動作〉
以下の説明では、図1に示す作業工程作成システムの動作を作業工程作成方法として説明する。本実施形態の作業工程作成方法は、バッチ処理工程を考慮してより効率のよい作業日程計画を立てるために、仮日程計画と再日程計画の2段階の日程計画によってスケジューリングを行う。なお、バッチ処理工程としては、熱処理、塗装、コーティング、及び洗浄などの工程のように、複数の製品(または部品)を一括して処理することができるような工程が挙げられる。
本発明の実施形態に係る作業工程作成方法は、基本的には次のように行われる。すなわち、
1.最初に、バッチ処理を考慮せずに、納期内に納まるように納期日からバックワードで(つまり、納期日から前にさかのぼって)スケジューリングを行い、仮日程計画を立てる。
2.仮日程計画の結果から、所定期間(例えば、1週間内)において同一の処理条件の製品があり、かつ、リソースの容量に余裕がある場合には、一括して処理を行うことが可能なバッチ処理工程であると判断して、そのバッチ処理工程を一括してまとめる。このとき、その週のうちで最も早い工程日時に合わせるようにバッチ処理工程を一括してまとめる。
3.2項でまとめたバッチ処理工程を固定化しておき、これを制約条件としてそのバッチ処理工程よりも前の作業工程はバックワードで(つまり、前工程にさかのぼって)再スケジューリングを行い、そのバッチ処理工程よりも後の作業工程はフォワードで(つまり、前工程から後工程に向かって)再スケジューリングを行う。
4.このようにして作成した作業日程計画(再日程計画)が納期に間に合わないなどの状態になったときは、作業工程の開始日を早めて、前述の1項から3項までについて再度スケジューリングを行う。
前述のようなバッチ処理の作業日程計画(再日程計画)を立てるために、パーソナルコンピュータ(以下、パソコン)によってバッチ処理日程計画画面を立ち上げる。そして、バッチ処理が可能な工程には、バッチ処理条件(つまり、処理するための温度条件や処理時間など)ごとに、あらかじめ標準工程データ内にバッチコードを保持しておく。なお、バッチ処理をまとめる場合には、パソコンのバッチ処理日程計画画面において同じバッチコードを持つ工程をマニュアルでまとめることができる。
このとき、バッチ処理日程計画画面では、バッチ処理工程と熱処理炉などのリソースの日程とを同時に確認しながら工程調整を行うことができるため、リソースの容量を確認しながらバッチ処理日程計画を立てることができる。また、バッチ処理の工程日を動かしても前後の工程に影響が出ない期間を表示しておき、バッチ処理日程計画を簡単に考えることができるようにする。このようなバッチ処理による作業工程の作成では、バッチ処理工程を一括して処理できるように作業日程計画を行うため、最適な再日程計画を立案することが可能となる。
〈作業工程作成システムの具体的な動作〉
次に、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る作業工程作成方法について詳細に説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る作業工程を作成するための仮日程計画作成画面であり、図3、図2の仮日程計画作成画面によって作成された変更前のバッチ処理日程計画画面である。また、図4は、図3の変更前のバッチ処理日程計画画面によって作成された変更後のバッチ処理日程計画画面であり、図5は、図4の変更後のバッチ処理日程計画画面によって作成された最終的な作業工程のバッチ処理日程計画画面(再日程計画画面)である。いずれも横軸に時間の流れを示している。
図2に示すように、部品A1については、熱処理a11、機械加工a12、溶接a13、及び仕上げa14の各工程がシリーズに画面表示されている。また、部品A2については、それぞれのリソースが部品A1の工程と競合しないように、熱処理a21、機械加工a22、溶接a23、及び仕上げa24の各工程がシリーズに画面表示されている。同様にして、部品A3については、それぞれのリソースが部品A2の各工程と競合しないように、熱処理a31、機械加工a32、溶接a33、及び仕上げa34の各工程がシリーズに画面表示されている。
また、部品B1については、加工外注b11、研磨b12、洗浄b13の各工程がシリーズに画面表示され、部品B2については、それぞれのリソースが部品B1の各工程と競合しないように、加工外注b21、研磨b22、洗浄b23の各工程がシリーズに画面表示されている。
ここで、部品A1の熱処理a11と部品A2の熱処理a21は、いずれも、400℃、18Hの熱処理条件である。したがって、部品A1の熱処理a11と部品A2の熱処理a21は熱処理条件が同じであるので、まとめてバッチ処理を行うことが可能である。
また、部品B1の洗浄b13と部品B2の洗浄b23は、いずれも、3Hの洗浄条件が同じである。したがって、部品B1の洗浄b13と部品B2の洗浄b23は洗浄条件が同じであるので、まとめてバッチ処理を行うことが可能である。
次に、図2に示すような仮日程計画画面に基づいて、図3に示すような変更前のバッチ処理日程計画画面に遷移させる。すなわち、図3のバッチ処理日程計画画面では、バッチ処理工程のみが抽出されて表示される。なお、バッチ処理の種類の選択では全てのバッチコードが選択表示され、リソースの選択ではリソース1が選択表示される。
さらに詳しく述べると、図3の画面では、部品A1においては、バッチ処理工程として、400℃、18Hの熱処理条件の熱処理a11のみが表示され、かつ、この熱処理a11の工程を移動させても前後工程に影響がない範囲が黒印三角マークとして表示される。同様にして、部品A2においても、バッチ処理工程として、400℃、18Hの熱処理条件の熱処理a21のみが表示され、かつ、この熱処理a21の工程を移動させても前後工程に影響がない範囲が黒印三角マークとして表示される。さらに、熱処理a21の工程の移動可能な方向として、週単位で工程を確認して同一条件の工程である早い方の工程(つまり、熱処理a11)への移動方向が、矢印aで表示される。
なお、部品A3の熱処理a31については、熱処理a11及び熱処理a21とは熱処理条件が異なるので、図2の画面で表示されていた熱処理a31がそのままの工程で図3の画面に表示され、かつ、この熱処理a31の工程を移動させても前後工程に影響がない範囲が黒印三角マークとして表示される。
また、図3の画面では、部品B1においては、バッチ処理工程として、3Hの洗浄条件である洗浄b13のみが表示され、かつ、この洗浄b13の工程を移動させても前後工程に影響がない範囲が黒印三角マークとして表示される。同様にして、部品B2においても、バッチ処理工程として、同じ条件である3Hの洗浄条件での洗浄b23のみが表示され、かつ、この洗浄b23の工程を移動させても前後工程に影響がない範囲が黒印三角マークとして表示される。さらに、洗浄b23の工程の移動可能な方向として、週単位で工程を確認して同一条件の工程である早い方の工程(つまり、洗浄b13)への移動方向が、矢印bで表示される。
また、図3の画面では、リソースの工程としては、部品A1、A2、A3の各熱処理工程(つまり、熱処理a11、熱処理a21、熱処理a31)で使用されるリソース1(つまり、リソースra11、リソースra21、リソースra31)と、部品B1、B2の各洗浄工程(つまり、洗浄13、洗浄23)で使用されるリソース2(つまり、リソースrb13、rb23)の工程が表示される。
次に、図3の変更前のバッチ処理日程計画画面によって作成された、図4の変更後のバッチ処理日程計画画面に示すように、部品A2の熱処理a21の工程は、部品A1の熱処理a11の工程側へ前倒しに遷移される。すなわち、図4の画面で示すように、部品A1の熱処理a11と部品A2の熱処理a21は同じ熱処理炉内において同時工程で熱処理が施される。そのため、リソース1においては、熱処理a21のリソースra21が熱処理a11のリソースra11側へ移動し、相互のリソースの予定や容量などを確認しながら、2つのリソースra11、ra21が並列に稼動して、熱処理a11と熱処理a21を同時にバッチ処理できる状態になる。
これに伴って、部品A3の熱処理a31も、部品A1の熱処理a11と部品A2の熱処理a21のリソースが空き次第稼動できるように前工程側へ遷移するため、図3の画面から図4の画面への遷移で示すように、熱処理a31を稼動させるためのリソースra31も同時に前工程側へ移動する。
また、部品B2の洗浄b23の工程も、図3の画面から図4の画面への遷移で示すように、部品B1の洗浄b13の工程側へ前倒しに遷移される。すなわち、図4の画面で示すように、部品B1の洗浄b13と部品B2の洗浄b23は同時工程で洗浄が施される。そのため、リソース2においては、洗浄b23のリソースra23が洗浄b13のリソースra13側へ移動し、相互のリソースの予定や容量などを確認しながら、2つのリソースra13、ra23が並列に稼動して、洗浄b13と洗浄b23を同時にバッチ処理できる状態になる。
次に、図5に示すような最終的な作業工程のバッチ処理日程計画画面(再日程計画画面)のように、図4に示す変更後のバッチ処理日程計画画面のバッチ処理工程を固定して再スケジューリングが行われる。すなわち、図5に示すように、400℃で18Hの熱処理を行う部品A1の熱処理a11と部品A2の熱処理a21は、同じ工程内においてバッチ処理によって同時に熱処理が行われる。
このとき、熱処理a11と熱処理a21のバッチ処理より後の作業工程は、このバッチ処理を基準としてフォワードで(つまり、前工程から後工程に向かって)、スケジューリングが行われる、その結果、お互いのリソースが競合しないようにして、熱処理a11に続いて、機械加工a12、溶接a13、仕上げa14の各工程が配列され、熱処理a21に続いて、機械加工a22、溶接a23、仕上げa24の各工程が配列される。
また、熱処理a31についても、熱処理a11及び熱処理a21とリソースが競合しないように、熱処理a11及び熱処理a21の終了に続いて熱処理a31の工程が配列され、それに続いて、相互のリソースが競合しないように、機械加工a32、溶接a33、仕上げa34の各工程が配列される。
一方、部品B1の洗浄b13と部品B2の洗浄b23は、最後の工程において同一の処理条件(つまり、3H洗浄の同じ条件)でバッチ処理が行われるので、このバッチ処理より前の作業工程は、該バッチ処理を基準としてバックワードで(つまり、後工程から前工程にさかのぼって)スケジューリングが行われる、その結果、お互いのリソースが競合しないようにして、洗浄b13から前工程にさかのぼって、研磨b12、加工外注b11の各作業工程が配列され、同様にして、洗浄b23から前工程にさかのぼって、研磨b22、加工外注b21の各作業工程が配列される。
この結果、図2に示す仮日程計画では、2011年6月1日の始業から6月4日の午後までの4日間の作業工程が必要であったが、本実施形態のバッチ処理を行うことにより、図5の再日程計画画面に示すように、全工程は6月1日の始業から6月4の午前中までとなり、約半日分の作業工程の短縮が可能となる。
図6は、本発明の第1実施形態における作業工程作成方法の流れを示すフローチャートである。図6において、先ず、パソコン上において、作業工程の日程計画を行うための日程期間を入力する(ステップS1)。次に、通常行われる標準工程の読み込みを行う(ステップS2)その後、納期からさかのぼって図2に示すような仮日程計画画面を作成する(ステップS3)。
そして、作業工程期間内における最初の週を選択し(ステップS4)、選択された最初の週の中において、図3に示すように、同一処理条件でバッチ処理を行うことが可能な工程があるか否かを判定する(ステップS5)。
ここで、バッチ処理を行うことが可能な工程があれば(ステップS5でYes)、該当するバッチ処理を行うためのリソースの容量に余裕があるか否かを判定する(ステップS6)。このとき、バッチ処理を行うためのリソースの容量に余裕があれば(ステップS6でYes)、図4に示すように、例えば熱処理や洗浄などの項目別に分けた処理内容ごとにバッチ処理をまとめる(ステップS7)。
その後、バッチ処理のまとめが工程期間内の最後の週まで行われたか否かを判定し(ステップS8)、まだ、バッチ処理のまとめが最後の週まで行われていなければ(ステップS8でNo)、バッチ処理のまとめを翌週へ移動して(ステップS9)、前述のステップS5からステップS8までの処理を繰り返す。なお、ステップS5でバッチ処理を行うことが可能な工程がない場合(ステップS5でNo)、及び、ステップS6でバッチ処理を行うためのリソースの容量に余裕がない場合(ステップS6でNo)については、直ちに、期間内の最後の週までバッチ処理のまとめが行われたか否かを判定し(ステップS8)、バッチ処理のまとめが最後の週まで行われていなければ(ステップS8でNo)、バッチ処理のまとめを翌週へ移動して(ステップS9)、前述のステップS5からステップS8までの処理を繰り返す。
一方、ステップS8で、バッチ処理のまとめが最後の週まで行われたならば(ステップS8でYes)、図5に示すような、図4のバッチ処理日程計画画面によって作成された最終的な作業工程のバッチ処理日程計画画面(つまり、再日程計画画面)を作成する(ステップS10)。
そして、図5に示すような再日程計画画面の作業工程が納期を満足させる工程であるか否かを判定し(ステップS11)、この再日程計画画面が納期を満足させる工程であれば(、ステップS11でYes)、この作業工程の作成処理を終了する。一方、ステップS11で、この再日程計画画面が納期を満足させる工程になっていなければ(、ステップS11でNo)、工程開始日を早めるように設定を変え(ステップS12)、ステップS3に戻って図2の仮日程計画画面を修正した後に、前述のステップS3からステップS11までの処理を繰り返す。
このようにして、納期中の一週間以内において同一処理条件の工程が複数あって、複数の部品(製品)を熱処理炉などのリソースに同時に収納することができれば、温度条件や処理時間などの処理条件を同じにして、複数の部品をまとめて一括処理を行うことにより、作業工程内において効率的な処理を実現することができる。すなわち、パソコン上において、バッチ処理工程を一括処理できるように作業日程計画を立案することができるので、個々の納期に対応して最適な作業日程計画(再日程計画)を立てることが可能となる。
《第2実施形態》
前述の第1実施形態では、工程期間内の一週間のうちに同じ条件の作業工程があってリソースの容量に余裕があれば、該当する複数の部品をまとめて一括バッチ処理を実行した。第2実施形態では、その週を含めた前後の週についても同じ条件の作業工程があってリソースに余裕があるか否かを確認し、このときの設備(リソース)の稼動時におけるコストを算出してスケジューリングを行う。
図7は、本発明の第2実施形態における作業工程作成方法の流れを示すフローチャートである。図7において、先ず、前述の図6に示したフローチャートのように、工程期間内の一週間のみを対象として作業日程計画のスケジューリングを行う(ステップS21)。そして、この作業日程計画によって工程を進めた場合のコスト(第1コスト)を算出する(ステップS22)。
次に、ステップS21で実行した週を含めて前後の週を対象として、前述の図6に示したフローチャートのように作業日程計画のスケジューリングを行う(ステップS23)。そして、この作業日程計画によって工程を進めた場合のコスト(第2コスト)を算出する(ステップS24)。その後、前述の第1コストと第2コストとを比較して、コストの安い方をパソコンの画面に表示して(ステップS25)、処理を終了する。
このようにして、一週間だけの範囲でバッチ処理をまとめた場合と、前後の週も含めてバッチ処理をまとめた場合とにおいてケーススタディ(事例解析)を行い、それぞれのコストを比較して極力コストが安くなる作業日程計画画面、つまり再日程計画画面をパソコンに表示する。これによって、第1実施形態の場合よりも、さらに低コストで効率のよい作業日程計画(再日程計画)を立案することができる。
なお、熱処理や洗浄などの工程におけるバッチ処理条件(つまり、処理温度や処理時間など)をあらかじめデータベースに保存しておき、該当する週を含めた前後の週においてバッチ処理が可能な工程があるか否かを自動検索して、バッチ処理工程をまとめることもできる。
第2実施形態の作業工程作成システムは、図1に示す作業工程作成システムの構成によって実現されるが、それぞれの要素の機能は前述の第1実施形態の場合とは異なる、
すなわち、第2実施形態においては、生産プロセスの作業工程を作成するための作業工程作成システム1は、製品が納期内に納まるように作業工程のスケジューリングを行い、仮日程計画を立てる仮日程計画作成手段2と、仮日程計画作成手段2が立てた仮日程計画に基づいて、納期内における第1所定期間と該第1所定期間を前後に延長させた第2所定期間とのそれぞれにおいて同一の処理条件で作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在するか否かを判定するバッチ処理工程判定手段3と、バッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕があるか否かを判定するリソース容量判定手段4と、第1所定期間及び第2所定期間のそれぞれにバッチ処理工程が存在し、かつ、それぞれのリソースの容量に余裕がある場合は、第1所定期間及び第2所定期間のそれぞれについて、仮日程計画作成手段2が立てた仮日程計画を修正して再スケジューリングを行い、バッチ処理工程を含めた作業工程を実行させるための再日程計画を作成し、コストの安い方の再日程計画を採用する再日程計画作成手段5とを備えて構成される。これにより、再日程計画作成手段5が採用した再日程計画に基づいて、最もコストの安い再日程計画による作業工程を実行させることができる。
《比較例》
ここで、本実施形態による作業工程作成方法の優位性を示すために、従来技術と比較しながら本実施形態によるバッチ処理工程の利点について説明する。図8は、複数の製品を生産する場合の一般的な作業工程表を示す図である。また、図9は、図8に示す作業工程表をベースにして、特許文献2の技術によって実行される作業工程表を示す図である。さらに、図10は、図8に示す作業工程表をベースにして、本発明の実施形態によるバッチ処理によって実行される作業工程表を示す図である。いずれの図も横軸に時間の流れを示している。
図8に示すように、複数の製品を熱処理する場合は、製品A、製品B、製品C、及び製品Dについて、それぞれ、熱処理、機械加工、溶接、及び仕上げの工程を行うときに、それぞれで使用する熱処理炉や機械などのリソースが競合しないように工程表を作成している。なお、製品Aと製品Bの熱処理は、処理温度と処理時間が同じであり、製品Cと製品Dの熱処理は、処理温度と処理時間が同じである。
このとき、熱処理の工程においては、熱処理炉などのリソースが競合しないように、製品A、製品B、製品C、及び製品Dについて、それぞれの段取り時間を考慮しながら、3日間に亘って時間的にシリーズに作業工程を配列している。そして、熱処理の次の工程である機械加工においては、製品A、製品B、製品C、及び製品Dのそれぞれの熱処理の工程が終了した後に、それぞれ時間的にシリーズに機械加工の工程を配列している。もちろん、製品A、製品B、製品C、及び製品Dのそれぞれの機械加工の工程においても機械加工のリソースが競合しないように配慮されている。
次に、機械加工の次の工程である溶接においても、製品A、製品B、製品C、及び製品Dのそれぞれの機械加工の工程が終了した後に、それぞれ時間的にシリーズに溶接の工程を配列している。もちろん、製品A、製品B、製品C、及び製品Dのそれぞれの溶接の工程においても機械のリソースが競合しないように配慮されている。
さらに、溶接の次の工程である仕上げにおいても、製品A、製品B、製品C、及び製品Dのそれぞれの溶接の工程が終了した後に、それぞれ時間的にシリーズに仕上げの工程を配列している。もちろん、製品A、製品B、製品C、及び製品Dのそれぞれの仕上げの工程においても機械のリソースが競合しないように配慮されている。
このようにして作業工程表を作成すると、2011年6月1日の朝から開始した製品A、製品B、製品C、及び製品Dの作業工程が全て終了するのは6月4日の午前中までとなり、全作業工程は4日間となる。
一方、特許文献2の技術においては、図9に示すように、製品Aと製品Bは、熱処理の処理温度と処理時間が同じであるので、段取り時間なしで同一炉内において熱処理を連続して行っている。また、製品Cと製品Dについても、熱処理の処理温度と処理時間が同じであるので、製品A、製品Bの熱処理が終了した後に、段取り時間を設けて同じ炉内において熱処理を連続して行っている。この結果、製品A、製品B、製品C、及び製品Dの全熱処理時間は3日間となる。
そして、製品A、製品B、製品C、及び製品Dのそれぞれの熱処理が終了した後に、それぞれのリソースが競合しないように、それぞれ、機械加工、溶接、及び仕上げを時間的にシリーズに行っている。このような作業工程表を作成した場合は、2011年6月1日の朝から開始した製品A、製品B、製品C、及び製品Dの作業工程が全て終了するのは6月4日の午前中までの4日間の全作業工程となり、図1に示すような一般的な作業工程表に比べて工程時間は短縮されていない。
次に、本実施形態のバッチ処理による作業工程の場合は、図10に示すように、製品Aと製品Bは熱処理の処理温度と処理時間が同じであるので、初日(6/1)に一括して熱処理炉に入れて熱処理を行い、製品Cと製品Dは熱処理の処理温度と処理時間が同じであるので、次の日(6/2)に一括して熱処理炉に入れて熱処理を行うことができる。
熱処理の次の工程である機械加工においては、製品Aと製品Bの各熱処理の工程が終了した後に、機械加工のリソースが競合しないように、それぞれ時間的にシリーズに機械加工の工程を配列している。さらに、機械加工の次の工程である溶接においても、製品Aと製品Bのリソースが競合しないように、それぞれ時間的にシリーズに溶接の工程を配列している。そして最後の工程の仕上げにおいても、製品Aと製品Bの溶接の工程が終了した後に、製品Aと製品Bのリソースが競合しないように、それぞれ時間的にシリーズに仕上げの工程を配列している。
同様にして、製品Cと製品Dについても、熱処理の次の工程である機械加工においては、製品Cと製品Dの各熱処理の工程が終了した後に、機械加工のリソースが競合しないように、それぞれ時間的にシリーズに機械加工の工程を配列している。さらに、機械加工の次の工程である溶接においても、製品Cと製品Dのリソースが競合しないように、それぞれ時間的にシリーズに溶接の工程を配列している。そして最後の工程の仕上げにおいても、製品Cと製品Dの溶接の工程が終了した後に、製品Cと製品Dのリソースが競合しないように、それぞれ時間的にシリーズに仕上げの工程を配列している。
このようにして作業工程表を作成すると、2011年6月1日の朝から開始した製品A、製品B、製品C、及び製品Dの作業工程が全て終了するのは6月3日の終業時間までとなり、全作業工程は3日間となって従来の作業工程に比べて作業日数が1日短縮される。
すなわち、本実施形態の作業工程作成方法によれば、製品ごとの熱処理時の制約条件(つまり、熱処理の処理温度や処理時間が同じであるか否かという条件)に基づいて、複数の製品を集約するバッチ処理を行っているので、より最適な作業日程計画(再日程計画)を立てることができる。言い換えると、複数の製品について、熱処理の処理温度や処理時間が同一条件の処理であれば、複数の製品をまとめて一括して炉内で熱処理を行うことにより、効率的に熱処理を行って、作業時間を短縮した最適な作業工程表を作成することができる。
《まとめ》
以上、本発明の作業工程作成方法について図面を参照して詳述してきたが、この作業工程作成方法によれば、バッチ処理の工程をまとめて処理する作業日程計画(再日程計画)を立案することができるため、常に最適な作業日程計画を立案することが可能となる。また、作業者またはその関係者が作業日程計画の工程を調整するため、現場の作業者に理解不能なスケジュールが立案されるおそれはない。
なお、本発明の具体的な構成は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、それらは本発明に含まれる。
また、上述した作業工程作成方法は、プログラムの形式でコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上述した各処理が実現される。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、プログラムの配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
本発明は、工場等の生産プロセス全般において利用することができるが、特に、製造過程における処理条件(例えば、温度条件や処理時間など)が同じである生産プロセスにおいて有効に利用することができる。
1 作業工程作成システム
2 仮日程計画作成手段
3 バッチ処理工程判定手段
4 リソース容量判定手段
5 再日程計画作成手段

Claims (15)

  1. 生産プロセスの作業工程を作成するための作業工程作成システムであって、
    製品が納期内に納まるように前記作業工程のスケジューリングを行い、仮日程計画を立てる仮日程計画作成手段と、
    前記仮日程計画作成手段が立てた前記仮日程計画に基づいて、前記納期内における所定期間に同一の処理条件で前記作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在するか否かを判定するバッチ処理工程判定手段と、
    前記バッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕があるか否かを判定するリソース容量判定手段と、
    前記所定期間に前記バッチ処理工程が存在し、かつ前記リソースの容量に余裕がある場合は、前記仮日程計画作成手段が立てた前記仮日程計画を修正して再スケジューリングを行い、前記バッチ処理工程を含めた前記作業工程を実行させるための再日程計画を作成する再日程計画作成手段とを備え、
    前記再日程計画作成手段が作成した前記再日程計画に基づいて、前記作業工程を実行させることを特徴とする作業工程作成システム。
  2. 前記再日程計画作成手段は、前記所定期間で最も早い日時に実行される工程日時に前記バッチ処理工程を合わせ、前記再日程計画を作成することを特徴とする請求項1に記載の作業工程作成システム。
  3. 前記再日程計画作成手段は、前記バッチ処理工程の日程を固定した状態で、
    該バッチ処理工程より前の前記作業工程については、日程をさかのぼるバックワードで前記再スケジューリングを行い、
    該バッチ処理工程より後の前記作業工程については、日程が繰り下がるフォワードで前記再スケジューリングを行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の作業工程作成システム。
  4. 前記再日程計画作成手段が作成した前記再日程計画が前記製品の納期を逸脱したときは、前記仮日程計画作成手段は、前記作業工程の開始日を早めたスケジューリングを行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の作業工程作成システム。
  5. 前記バッチ処理工程判定手段は、前記バッチ処理工程における同一の処理条件を示すバッチコードを標準データとして格納していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の作業工程作成システム。
  6. 前記バッチ処理工程における同一の処理条件は、前記作業工程を実行するときの雰囲気条件と処理時間であることを特徴とする請求項5に記載の作業工程作成システム。
  7. 生産プロセスの作業工程を作成するための作業工程作成システムであって、
    製品が納期内に納まるように前記作業工程のスケジューリングを行い、仮日程計画を立てる仮日程計画作成手段と、
    前記仮日程計画作成手段が立てた前記仮日程計画に基づいて、前記納期内における第1所定期間と該第1所定期間を前後に延長させた第2所定期間とのそれぞれにおいて、同一の処理条件で前記作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在するか否かを判定するバッチ処理工程判定手段と、
    前記バッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕があるか否かを判定するリソース容量判定手段と、
    前記第1所定期間及び前記第2所定期間のそれぞれに前記バッチ処理工程が存在し、かつ、それぞれの前記リソースの容量に余裕がある場合は、前記第1所定期間及び前記第2所定期間のそれぞれについて、前記仮日程計画作成手段が立てた前記仮日程計画を修正して再スケジューリングを行い、前記バッチ処理工程を含めた前記作業工程を実行させるための再日程計画を作成し、コストの安い方の再日程計画を採用する再日程計画作成手段とを備え、
    前記再日程計画作成手段が採用した前記再日程計画に基づいて、前記作業工程を実行させることを特徴とする作業工程作成システム。
  8. 生産プロセスの作業工程を作成するための作業工程作成方法であって、
    製品が納期内に納まるように前記作業工程のスケジューリングを行い、仮日程計画を立てる第1のステップと、
    前記第1のステップで立てた前記仮日程計画に基づいて、前記納期内における所定期間に同一の処理条件で前記作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在するか否かを判定する第2のステップと、
    前記バッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕があるか否かを判定する第3のステップと、
    前記所定期間に前記バッチ処理工程が存在し、かつ前記リソースの容量に余裕がある場合は、前記第1のステップで立てた前記仮日程計画を修正して再スケジューリングを行い、前記バッチ処理工程を含めた前記作業工程を実行させるための再日程計画を作成する第4のステップとを含み、
    前記第4のステップで作成された前記再日程計画に基づいて、前記作業工程を実行させることを特徴とする作業工程作成方法。
  9. 前記第4のステップでは、前記所定期間で最も早い日時に実行される工程日時に前記バッチ処理工程を合わせ、前記再日程計画を作成することを特徴とする請求項8に記載の作業工程作成方法。
  10. 前記第4のステップでは、前記バッチ処理工程の日程を固定した状態で、
    該バッチ処理工程より前の前記作業工程については、日程をさかのぼるバックワードで前記再スケジューリングを行い、
    該バッチ処理工程より後の前記作業工程については、日程が繰り下がるフォワードで前記再スケジューリングを行う
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の作業工程作成方法。
  11. 前記第4のステップで作成された前記再日程計画が前記製品の納期を逸脱したときは、前記第1のステップにさかのぼって、前記作業工程の開始日を早めたスケジューリングを行うことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の作業工程作成方法。
  12. 前記第2のステップでは、同一の処理条件が標準データとして格納されているバッチコードに基づいて、前記バッチ処理工程が存在するか否かを判定することを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の作業工程作成方法。
  13. 前記バッチ処理工程における同一の処理条件は、前記作業工程を実行するときの雰囲気条件と処理時間であることを特徴とする請求項12に記載の作業工程作成方法。
  14. 生産プロセスの作業工程を作成するための作業工程作成方法であって、
    製品が納期内に納まるように前記作業工程のスケジューリングを行い、仮日程計画を立てる第1のステップと、
    前記第1のステップで立てた前記仮日程計画に基づいて、前記納期内における第1所定期間と該第1所定期間を前後に延長させた第2所定期間とのそれぞれにおいて同一の処理条件で前記作業工程を一括処理できるバッチ処理工程が存在するか否かを判定する第2のステップと、
    前記バッチ処理工程を実行させるためのリソースの容量に余裕があるか否かを判定する第3のステップと、
    前記第1所定期間及び前記第2所定期間のそれぞれに前記バッチ処理工程が存在し、かつ、それぞれの前記リソースの容量に余裕がある場合は、前記第1所定期間及び前記第2所定期間のそれぞれについて、前記第1のステップで立てた前記仮日程計画を修正して再スケジューリングを行い、前記バッチ処理工程を含めた前記作業工程を実行させるための再日程計画を作成し、コストの安い方の再日程計画を採用する第4のステップとを含み、
    前記第4のステップで採用された前記再日程計画に基づいて、前記作業工程を実行させることを特徴とする作業工程作成方法。
  15. コンピュータに、
    請求項8乃至14のいずれかに記載の作業工程作成方法を実行させることを特徴とする作業工程作成プログラム。
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