JP2013083631A - 蛍光粒子を用いたコルチゾール免疫アッセイ - Google Patents

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Abstract

【課題】特に臨床的に意義のあるコルチゾール濃度領域(即ち、1〜30μg/dL)においてコルチゾールを高感度で免疫学的に測定することを可能とするようなコルチゾールの免疫測定のための基板及び方法を提供すること。
【解決手段】コルチゾール/アルブミン比が12以上20以下であるコルチゾール・アルブミン結合体が固定化されているコルチゾール免疫測定用基板。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光粒子を用いてコルチゾールを免疫測定するための基板及び方法に関する。
従来、タンパク質、酵素、無機化合物等を定量する、高感度かつ容易な測定法として蛍光検出法が広く用いられている。この蛍光検出法は、特定波長の光により励起されて蛍光を発する検出対象物質(被検物質)を含むと考えられる試料に上記特定波長の励起光を照射し、そのとき蛍光を検出することによって被検物質の存在を確認する方法である。また、被検物質が蛍光体ではない場合、蛍光色素で標識されて被検物質と特異的に結合する物質を試料に接触させ、その後上記と同様にして蛍光を検出することにより、この結合即ち被検物質の存在を確認することも広くなされている。
このような蛍光検出法において、検出の感度を向上させるため、プラズモン共鳴による電場増強の効果を利用する方法が知られている。かかる方法では、プラズモン共鳴を生じさせるため、透明な支持体上の所定領域に金属層を設けたセンサチップを用意し、支持体と金属膜との界面に対して支持体の金属層形成面と反対の面側から、全反射角以上の所定の角度で励起光を入射さる。かかる励起光の照射により金属層に表面プラズモンが発生する。かかる表面プラズモンの発生による電場増強作用によって、蛍光を増強させることによりシグナル/ノイズ比(S/N比)が向上することとなる。表面プラズモン励起による蛍光検出法(以下、「SPF法」とする)と比較して、落射励起による蛍光検出法(落射蛍光法とも称する)に対して、信号増強度が約10倍得られ、高感度に測定することができる。
例えば、特許文献1に記載の被検物質の量を求める光信号検出方法では、誘電体プレートの一面の所定領域に設けられた金属層を備えたセンサ部を有するセンサチップを用意し、センサチップのセンサ部に試料を接触させる。かかる接触により、試料に含有される被検物質の量に応じた量の光応答性標識物質が付与された結合物質がセンサ部に結合する。次いで、所定領域に対して励起光を照射することで金属層上に生じた電場増強場内において生じる光応答性標識物質からの光を検出することにより、被検物質の量を求められる。また、この方法において、光応答性標識物質として、複数の光応答物質が、光応答物質から生じる光を透過する光透過材料により、光応答物質が金属層に近接した場合に生じる金属消光を防止するように、包含されてなるものを用いることも可能である。
副腎皮質ホルモンの一種であるコルチゾールは、炭水化物、脂肪、およびタンパク代謝を制御する糖質コルチコイドの一種である。3種の糖質コルチコイドの中でも、コルチゾールは生体内の量が最も多い。コルチゾールはストレスによっても分泌が上昇することが知られており、その分泌量によっては、血圧や血糖値の上昇又は免疫機能の低下などの作用が生じる場合がある。また、コルチゾール(ヒドロコルチゾンとも称する)は、ステロイド系抗炎症薬として臨床的に使用されており、例えば、急性炎症、慢性炎症、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、ショック、痛風、急性白血病、移植片拒絶反応などの治療に使用される場合がある。コルチゾールの免疫学的測定方法としては、例えば、イムノクロマトアッセイによる測定方法が知られている(非特許文献1)。
特開2010−190880号公報
Anal. Chim. Acta., 2010, 682(1-2) 66-71
上記の通り、コルチゾールの免疫学的測定方法としては、例えば、イムノクロマトアッセイによる測定方法が知られているが、より感度の高い免疫学的測定方法の開発が望まれている。本発明は、特に臨床的に意義のあるコルチゾール濃度領域(即ち、2〜30μg/dL)においてコルチゾールを高感度で免疫学的に測定することを可能とするようなコルチゾールの免疫測定のための基板及び方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、コルチゾールとアルブミンとを一定の割合で結合させたコルチゾール・アルブミン結合体を固定化した基板を使用し、この基板に対して、抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子と、被検物質であるコルチゾールとを接触させることによって、抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子に対して、基板上のコルチゾール(コルチゾール/アルブミン結合体中のコルチゾール)と被検物質であるコルチゾールとを競合的に結合させ、これにより基板に結合した抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子に基づく蛍光を測定することによって、臨床的に意義のあるコルチゾール濃度領域(即ち、2〜30μg/dL)においてコルチゾールを高感度で免疫学的に測定できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、コルチゾール/アルブミン比が12以上20以下であるコルチゾール・アルブミン結合体が固定化されているコルチゾール免疫測定用基板が提供される。
さらに本発明によれば、コルチゾール/アルブミン比が12以上20以下であるコルチゾール・アルブミン結合体が固定化されているコルチゾール免疫測定用基板に、
(1)コルチゾールを含む被検試料及び抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子を接触させる工程、及び
(2)基板に結合した抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子に基づく蛍光を測定する工程、
を含む、被検試料中のコルチゾールを測定する方法が提供される。
さらに本発明によれば、コルチゾール/アルブミン比が12以上20以下であるコルチゾール・アルブミン結合体が提供される。
好ましくは、アルブミンは牛血清アルブミンである。
好ましくは、コルチゾール/アルブミン比が14以上18以下であるコルチゾール・アルブミン結合体である。
好ましくは、コルチゾール・アルブミン結合体が基板上に設けられた金属膜上に固定化されている。
好ましくは、工程(2)において、表面プラズモン蛍光測定または落射蛍光測定により蛍光を測定する。
本発明によれば、臨床的に意義のあるコルチゾール濃度領域(即ち、2〜30μg/dL)においてコルチゾールを高感度で免疫学的に測定することが可能である。
図1は、結合体1(コルチゾール/アルブミン比が15.7)(本発明の実施例)を使用した蛍光測定におけるコルチゾール濃度と蛍光シグナルの規格値B/B0との関係を示す。 図2は、結合体2(コルチゾール/アルブミン比が11.0)(比較例1)を使用した蛍光測定におけるコルチゾール濃度と蛍光シグナルの規格値B/B0との関係を示す。 図3は、結合体3(コルチゾール/アルブミン比が7.0)(比較例2)を使用した蛍光測定におけるコルチゾール濃度と蛍光シグナルの規格値B/B0との関係を示す。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明は、コルチゾール/アルブミン比が12以上20以下であるコルチゾール・アルブミン結合体、上記結合体が固定化されているコルチゾール免疫測定用基板、並びに上記基板に(1)コルチゾールを含む被検試料及び抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子を接触させる工程、及び(2)基板に結合した抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子に基づく蛍光を測定する工程を含む、被検試料中のコルチゾールを測定する方法に関する。
(コルチゾール)
コルチゾールは、以下の構造を有する糖質コルチコイドである。
Figure 2013083631
本発明で用いるアルブミンの種類は特に限定されないが、例えば、動物(ウシ、ヒトなど)に由来するアルブミン、好ましくは動物(ウシ、ヒトなど)に由来する血清アルブミン、特に好ましくは牛血清アルブミン(BSA)などを使用することができる。
(コルチゾール・アルブミン結合体)
本発明の結合体におけるコルチゾール/アルブミン比は12以上20以下であり、好ましくは12以上18以下であり、より好ましくは14以上18以下であり、最も好ましくは15以上17以下である。コルチゾール/アルブミン比が20より大きい場合は、水や有機溶媒への溶解性が下がり、測定精度が低下することとなる。また、コルチゾール/アルブミン比が12未満である場合には、免疫測定の性能が悪くなり、本発明の効果を達成することができない。
コルチゾール/アルブミン比とは、分子数(モル数)の比を意味し、アルブミン(BSA等)1分子に対して結合しているコルチゾールの分子の数を意味する。コルチゾール/アルブミン比は、例えば、MALDI−TOF−MSにより決定することができ、具体的な測定手順は以下の通りであり、ここでは、アルブミンとしてBSAを用いた場合について測定手順を記載する。サンプルを0.1質量%TFA(トリフルオロ酢酸): ACN(アセトニトリル)=2/1に溶解し、1mg/mLに調整する。マトリックス(SA;シナピン酸)4μLとサンプル1μLを混ぜて、金プレートに、1μL×4点着する。その後、サンプルを自然乾燥する。MALDI−TOF−MS装置(Applied Bio Systems社品 Voyger)に金プレートを挿入し、測定する。1スポットごとに積算900ショットでデータを取得(N=4)する。コルチゾール・BSA結合体に対応するピークの、ピーク強度の最大の値の50%以上の強度を有する部分の面積の重心から垂直に降ろした位置をコルチゾール・BSA結合体の分子量と見なして、N=4の平均値をとり、(コルチゾール・BSA結合体の分子量−naive BSAの分子量)/ コルチゾール誘導体の分子量(435−18=417)で個数を計算する。
なお、市販のコルチゾール・アルブミン結合体としては、Sigma社のカタログ番号:H-2384 HYDROCORTISONE 3-(O-CARBOXY-METHYL)OXIME: BSA(26 mol steroid / mol BSA)が市販されているが、コルチゾール/アルブミン比は26であり、水や有機溶媒への溶解性が低く、本発明の測定に適用することができなかった。
本発明のコルチゾール・アルブミン結合体としては、コルチゾールとアルブミンとが直接結合しているものでもよいし、適当なリンカーを介して結合しているものでもよい。例えば、以下の実施例に示すように、カルボキシル基を有するコルチゾールのオキシム誘導体を製造し、このカルボキシル基を1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)とN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)などを用いて活性化し、アルブミンのアミノ基と結合させることにより、コルチゾール・アルブミン結合体を製造することができる。
本発明の結合体におけるコルチゾール/アルブミン比は、コルチゾールとアルブミンとの結合反応の反応条件(コルチゾールとアルブミンの使用量など)を調整することにより調節することができる。上記の調整は、文献(Bioconjugate Chem., 1994, 4, 419-424)を参考に行うことができる。
(基板)
本発明では、上記したコルチゾール/アルブミン比が12以上20以下であるコルチゾール・アルブミン結合体を、基板に固定化することによって、コルチゾール免疫測定用の基板を提供する。基板の種類としては、後述する蛍光分析を行うことができるものであれば特に限定されず任意の基板を使用することができる。コルチゾール・アルブミン結合体は、緩衝液に溶解させて、基板上に点着して、一定時間放置した後、上清を吸引し、乾燥させるなどの方法で基板に結合させることが可能である。
後述する表面プラズモン蛍光(SPF)検出を行う場合における基板としては、表面に金属膜を有する基板を使用することが好ましい。金属膜を構成する金属としては、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであれば特に限定されない。好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、白金等の自由電子金属が挙げられ、特に金が好ましい。それらの金属は単独又は組み合わせて使用することができる。また、上記基板への付着性を考慮して、基板と金属からなる層との間にクロム等からなる介在層を設けてもよい。金属膜の膜厚は任意であるが、例えば、0.1nm以上500nm以下であるのが好ましく、特に1nm以上200nm以下であるのが好ましい。500nmを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出することができない。また、クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、0.1nm以上、10nm以下であるのが好ましい。
金属膜の形成は常法によって行えばよく、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うことができる。
金属膜は好ましくは基板上に配置されている。ここで、「基板上に配置される」とは、金属膜が基板上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が基板に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む。本発明で使用することができる基板の材質としては例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、一般的な光学ガラスの一種であるBK7(ホウ珪酸ガラス)等の光学ガラス、あるいは合成樹脂、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどのレーザー光に対して透明な材料からなるものが使用できる。このような基板は、好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が望ましい。
SPF検出のための基板の一例としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に金膜を蒸着した基板などを挙げることができる。
(蛍光粒子)
さらに本発明によれば、上記した本発明のコルチゾール免疫測定用基板に、コルチゾールを含む被検試料及び抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子を接触させ、次いで基板のコルチゾール・アルブミン結合体に結合した抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子に起因する蛍光を測定することによって、被検試料中のコルチゾールを測定することができる。
本発明で用いる蛍光粒子としては、免疫反応に通常用いられ得る蛍光で着色された粒子を使用することができ、例えば、蛍光ポリスチレンビーズなどの蛍光高分子粒子、蛍光ガラスビーズ等の蛍光ガラス粒子を用いることができる。蛍光粒子の材質の具体例としては、スチレン、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、ブタジエン、塩化ビニル、酢酸ビニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどのモノマーを用いた高分子または、2つ以上のモノマーを用いた共重合体などの合成高分子粉末があり、これらを均一に懸濁させたラテックスが好ましい。また、その他の有機高分子粉末や無機物質粉末、微生物、血球や細胞膜片、リポソームなどが挙げられる。
ラテックス粒子を使用する場合、ラテックスの材質の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニルアクリレートなどが挙げられる。ラテックスとしては、単量体としてスチレンを少なくとも含む共重合体が好ましく、スチレンと、アクリル酸又はメタクリル酸との共重合体が特に好ましい。ラテックスの作成方法は特に限定されず、任意の重合方法により作成することができる。但し、抗体標識の際に界面活性化剤が存在すると抗体固定化が困難となるため、ラテックスの作製には、無乳化剤乳化重合、即ち界面活性剤などの乳化剤を用いない乳化重合が好ましい。
重合により得られたラテックス自体が蛍光性である場合には、そのまま蛍光ラテックス粒子として使用することができる。重合により得られたラテックスが非蛍光性の場合には、ラテックスに蛍光物質(蛍光色素など)を添加することによって、蛍光ラテックス粒子を作製することができる。即ち、蛍光ラテックス粒子は、水および水溶性有機溶剤を含むラテックス粒子の溶液に蛍光色素を添加して攪拌することなどにより製造できる。
蛍光粒子の平均粒径は、粒子の材質や被検物質を定量する濃度範囲、測定機器などによって異なるが、0.001〜10μm(より好ましくは0.001〜1μm)の範囲が好ましい。蛍光色素を含有したリポゾ−ムやマイクロカプセル等も蛍光粒子として使用することができる。蛍光発色は、紫外光等を吸収して励起し、基底状態に戻る際に放出されるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、黄緑(励起波長505nm/放出波長515nm、以下同じ)、青(350〜356nm/415〜440nm)、赤(535〜580nm/575〜605nm)、オレンジ(540nm/560nm)、レッド・オレンジ(565nm/580nm)、クリムゾン(625nm/645nm)、ダークレッド(660nm/680nm)などの蛍光発色が用いられ得る。これらの蛍光を発する蛍光粒子は、例えば、Invitrogen社から入手可能であり、同社においてFluoSpheres(登録商標)の商品名で市販されている。
(平均粒径の測定方法)
本発明に用いられる蛍光粒子の平均粒径は、市販の粒度分布計等で計測することができる。粒度分布の測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。
粒径範囲及び測定の容易さから、本発明においては動的光散乱法を好ましく用いることができる。動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))等が挙げられ、本発明においては、25℃の測定温度で測定したメジアン径(d=50)の値として求める。
(抗コルチゾール抗体)
蛍光粒子に結合させる抗コルチゾール抗体としては、コルチゾールに対して特異性を有する抗体を使用すればよい。抗コルチゾール抗体としては、例えば、コルチゾールによって免疫された動物の血清から調製する抗血清、抗血清から精製された免疫グロブリン画分、コルチゾールによって免疫された動物の脾臓細胞を用いる細胞融合によって得られるモノクローナル抗体、あるいは、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFv]などを用いることができる。これらの抗体の調製は、常法により行なうことができる。さらに、その抗体がキメラ抗体などの場合のように、修飾を加えられたものでもよいし、また市販の抗体でも、動物血清や培養上清から公知の方法により調製した抗体でも使用可能である。
抗体は、その動物種やサブクラス等によらず使用できる。例えば、本発明に用いることが可能な抗体は、マウス、ラット、ハムスター、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ウシ、ニワトリなど免疫反応が起こり得る生物に由来する抗体、具体的には、マウスIgG、マウスIgM、ラットIgG、ラットIgM、ハムスターIgG、IgMウサギIgG、ウサギIgM、ヤギIgG、ヤギIgM、ヒツジIgG、ヒツジIgM、ウシIgG、ウシIgM、トリIgY等であり、ポリクローナルもしくはモノクローナルの両方に適用可能である。断片化抗体は、少なくとも1つの抗原結合部位を持つ、完全型抗体から導かれた分子であり、具体的にはFab、F(ab')2等である。これらの断片化抗体は、酵素あるいは化学的処理によって、もしくは遺伝子工学的手法を用いて得られる分子である。
抗体や抗原などの結合性物質を粒子に固定化する方法は、例えば、特開2000−206115号公報やモレキュラープローブ社FluoSpheres(登録商標)ポリスチレンマイクロスフィアF8813に添付のプロトコールなどに記載されており、免疫凝集反応用試薬を調製する公知の方法がいずれも使用可能である。また、結合性物質として抗体を粒子に固定化する原理として、物理吸着及び共有結合による化学結合のいずれの原理も採用可能である。抗体を粒子に固定させた後に抗体が被覆されていない粒子表面を覆うブロッキング剤として、公知の物質、例えば、BSA(ウシ血清アルブミン)やスキムミルク、カゼイン、大豆由来成分、魚由来成分、ポリエチレングリコールなどや、これらの物質やこれらと性質が同じである物質を含む市販の免疫反応用ブロッキング剤などが使用可能である。これらのブロッキング剤は、必要に応じて熱や酸・アルカリ等により部分変性などの前処理を施すことも可能である。
抗体を粒子に固定化する具体的な方法を、以下に例示する。粒子の固形分濃度が0.1〜10%になるよう分散させた液に、0.01〜20mg/mLの濃度に調整した抗体溶液を添加して、混合する。温度4〜50℃の条件下で5分間〜48時間撹拌を継続する。次いで遠心分離その他の方法により粒子と溶液を分離して、溶液に含まれている、粒子に結合しなかった抗体を十分に除去する。その後、粒子を緩衝液にて洗浄する操作を0〜10回繰り返す。粒子と抗体とを混合して、粒子に抗体を結合させる操作を実施した後に、抗原抗体反応に関与しない成分、好ましくはタンパク質、より好ましくはBSA(ウシ血清アルブミン)、ブロックエース、スキムミルク及びカゼインなどのブロッキング剤を使用して粒子表面の抗体が結合していない部分を保護することが望ましい。
抗原や抗体等を粒子に固定化する際に、安定化剤を必要に応じて添加可能である。安定化剤とは、ショ糖や多糖類などの合成あるいは天然高分子など、抗原や抗体を安定化するものであれば特に制限されず、Immunoassay Stabilizer(ABI社)などの市販のものも使
用可能である
(測定方法)
本発明の測定方法は、コルチゾールの存在の有無の検出やコルチゾールの量の測定(すなわち、定量)などを含む、最も広い概念として解釈される。本発明の測定方法の具体的な実施態様としては競合法が挙げられる。
本発明による競合法では、先ず、コルチゾール/アルブミン比が12以上20以下であるコルチゾール・アルブミン結合体が固定化されているコルチゾール免疫測定用基板に、コルチゾールを含む被検試料及び抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子を接触させる。その被検試料中にコルチゾールが存在しない場合には、抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子と、基板上のコルチゾール(即ち、コルチゾール・アルブミン結合体中のコルチゾール)とにより、基板上で抗原抗体反応が起こる。一方、被検試料中にコルチゾールが存在する場合には、被検試料中のコルチゾールと抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子との間で抗原抗体反応が起こり、抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子と、基板上のコルチゾール(即ち、コルチゾール・アルブミン結合体中のコルチゾール)との間の抗原抗体反応は阻害される。上記の反応が終了した後、上記の基板上のアルブミンに結合しなかった抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子を除去する。次いで基板上の免疫複合体(即ち、抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子と、基板上のコルチゾール・アルブミン結合体中のコルチゾールとの複合体)の形成の度合いを蛍光強度として検出することにより、被検試料中のコルチゾールの濃度などを測定することができる。
競合法では、蛍光の測定の形態は、プレートリーダー測定でもよいし、フロー測定でもよいが、例えば、以下の方法により測定することができる。予め、コルチゾール濃度が異なるコルチゾール量既知の試料を複数用意し、この試料及び抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子を予め混合する。この混合液を、コルチゾール・アルブミン結合体が固定化されている領域に接触させる。コルチゾール・アルブミン結合体が固定化されている領域からの蛍光信号を、特定の時間間隔で混合液が結合体に接触している間、複数の蛍光信号を測定する。この複数の蛍光信号から、各コルチゾール濃度において、蛍光量の時間変化(傾き)を求める。この時間変化をY軸、コルチゾール濃度をX軸としてプロットし、最小二乗法等の適宜ふさわしいフィッティング方法を用いて、蛍光量の時間変化に対するコルチゾール濃度の関係式を取得する。このように取得した関係式に基づき、検査目的とする被検試料を用いた蛍光量の時間変化の結果を用いて、被検試料に含まれるコルチゾール量を定量することができる。
(表面プラズモン蛍光測定)
本発明における蛍光の検出方法としては、特に限定されないが、例えば、蛍光強度を検出することができる機器、具体的には、マイクロプレートリーダー、又は表面プラズモン励起による蛍光検出(SPF)を行うためのバイオセンサーなどを用いて蛍光強度を検出することが好ましい。表面プラズモン励起による蛍光検出法(SPF法)は、落射励起による蛍光検出法(以下、「落射蛍光法」という。)よりも高感度に測定することができる。
上記の表面プラズモン蛍光(SPF)バイオセンサーとしては、例えば、特開2008−249361号公報に記載されているような、所定波長の励起光を透過させる材料から形成された光導波路と、この光導波路の一表面に形成された金属膜と、光ビームを発生させる光源と、前記光ビームを光導波路に通し、該光導波路と金属膜との界面に対して表面プラズモンを発生させる入射角で入射させる光学系と、該表面プラズモンによって増強されたエバネッセント波によって励起されたことによって発生する蛍光を検出する蛍光検出手段とを備えたセンサーを用いることができる。
本発明の蛍光粒子を用いた表面プラズモン励起による蛍光検出(SPF)系は、基板上の金属薄膜上に固定化された被検物質の量に依存した蛍光物質からの蛍光を検出するアッセイ方法であり、溶液中での反応の進行により、光学的な透明度の変化を、例えば濁度として検出する、いわゆるラテックス凝集法とは異なる方法である。ラテックス凝集法では、ラテックス試薬中の抗体感作ラテックスと検体中の抗原が、抗体反応により結合し、凝集する。この凝集塊は時間と共に増大し、この凝集塊に近赤外光を照射して得られた単位時間当たりの吸光度変化から、抗原濃度を定量化する方式が、ラテックス凝集法である。本発明では、ラテックス凝集法に比べて、非常に簡便な被検物質の検出方法を提供できる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
1.コルチゾール・BSA結合体の調製
1−1.コルチゾール−オキシム誘導体1の合成
文献(STEROIDS, 1974, Jan. 49-64)に従い、コルチゾール(COR、あるいはCortiと略記する場合がある)をエナミン化し、ヒドロキシルアミン誘導体と反応させることでコルチゾール−オキシム誘導体1の合成を試みた。下記に反応経路を示した。
Figure 2013083631
コルチゾール(1g、和光純薬社製)のメタノール懸濁液に対してピロリジン(和光純薬社製)を1当量滴下し、室温で5分間攪拌した。反応系中でエナミンが生じ、溶液が赤変した。その後、もう1当量のピロリジン、ヒドロキシルアミン誘導体(和光純薬社製)を加えると消色し、反応温度を55℃にて攪拌、オキシム化を行った。反応はスムーズに進行し、コルチゾール−オキシム誘導体1(1.1g:84%)が得られた。
1−2.コルチゾール・BSA結合体の調製
1−1.で合成したコルチゾール−オキシム誘導体1を使用して、以下の方法でコルチゾール・BSA結合体を製造した。下記に反応経路を示した。
Figure 2013083631
乾燥DMF(ジメチルホルムアミド、和光純薬社製)にコルチゾール−オキシム誘導体1(50mg、115μmol)と過剰量のNHS(和光純薬社製), EDC(和光純薬社製)を用いて活性エステル化した。その後、アルブミンの1種であるBSA(ウシ血清アルブミン、和光純薬社製、193 mg)のPBS(リン酸緩衝液、和光純薬社製)に滴下した。反応終了後、反応溶液をACN(和光純薬社製)/水=1/1(0.1質量% TFA(和光純薬社製)含有)溶液中(5L)で透析精製を行った。最後に、凍結乾燥し、白色の固体を得た(これを結合体1とする)。BSAの使用量とPBSの量を表1の記載の通りにする以外は、上記と同様にして、結合体2及び結合体3を得た。
1−3.MALDI―TOF−MSによるコルチゾール/BSA比(コルチゾール/アルブミン比)測定
(測定手順)
1−2.で調製したコルチゾール・BSA結合体を0.1質量%TFA: ACN=2/1の溶液に溶解し、1mg/mLの濃度に調整した。この溶液1μLと、マトリックス(SA;シナピン酸)4μLとを混合し、金プレート上に1μl×4点着する。自然乾燥した後に、MALDI−TOF−MS装置(Applied Bio Systems社品 Voyger)に金プレートを挿入し、1スポットごとに積算900ショットを行い質量情報となるデータを取得(N=4)する。このデータを用いて、コルチゾール・BSA結合体に対応するピークの、ピーク強度の最大の値の50%強度での分子量中心値をBSA結合体のピークとして採用し、このピーク値から垂直に降ろした位置をコルチゾール・BSA結合体の分子量と見なして、N=4の平均値を取り、(コルチゾール・BSA結合体の分子量−native BSAの分子量)/ コルチゾール誘導体の分子量(435−18=417)でBSAに対するコルチゾールの結合数を計算した。MSスペクトルの強度の一例を下記に、得られた結合体1、2、3のコルチゾール/BSA比を表1に示した。
Figure 2013083631
Figure 2013083631
2.抗コルチゾール抗体で標識した蛍光粒子の調製
抗コルチゾール抗体で標識した蛍光粒子を、以下の通り調製した。
2質量%(固形分濃度)蛍光ラテックス粒子水溶液(Invitrogen社製、平均粒径200nm)250μLに、50mMのMESバッファー(pH6.0)溶液250μLを加え、5mg/mLの抗コルチゾールモノクローナル抗体(Hytest社製;Anti-Cortisol MAb XM210)100μLを添加し、室温で15分間攪拌した。その後、10mg/mLのEDC水溶液を5μL加え、室温で2時間撹拌した。2mol/LのGlycine(和光純薬社製)水溶液を25μL添加して30分間撹拌した後、遠心分離(15,000rpm、4℃、15分)を行い、蛍光ラテックス粒子を沈降させた。その後上清を取り除き、PBS溶液(pH7.4)を500μL加え、超音波洗浄機により蛍光ラテックス粒子を再分散させた。再度、遠心分離(15,000rpm、4℃、15分)を行って上清を除いた後、1質量%BSAを含むPBS(pH7.4)溶液500μL加えて、蛍光ラテックス粒子を再分散させることで、抗コルチゾール抗体結合蛍光ラテックス粒子の1質量%溶液を調製した。
3.流路型センサチップの作製
3−1.コルチゾール・BSA結合体固定基板の作製
ポリメチルメタクリレート(PMMA)の基体(三菱レイヨン(株)社製、アクリペットVH)を用意し、蒸着法により、厚さ50nmの金膜を片面に幅4mmとなるように蒸着して基板を構成するためのチップを作製した。このチップの金蒸着面上に、結合体1(本発明の実施例)、結合体2(比較例1)、又は結合体3(比較例2)を含む液(濃度:50μg/mL in 50 mM MES緩衝液 pH6, 150 mM NaCl )を点着し、乾燥させて、それぞれの結合体を固定化した基板1〜3を複数作製した。
3−2.基板の洗浄
このように調製した3種類の基板をセンサチップの流路に取り付ける前に、予め調製した洗浄用溶液(0.05質量%Tween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラート、和光純薬社製)を含むPBS溶液(pH7.4))300μLを用いて3回繰り返し洗浄した。
3−3.流路型センサチップの作製
日本公開特許公報、特開2010−190880号公報の第2の実施形態の構成となるように、作製した3種類の基板を流路に封入し、流路型センサチップを作製した。
4.蛍光粒子を用いたコルチゾールの免疫測定
各種濃度(1.1μg/dL、2.0μg/dL、3.2μg/dL、9.0μg/dL、24.6μg/dL、29.0μg/dL)のコルチゾールを含む試料を用意し、2.で調製した抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子と予め10分間攪拌しながら混合した。次に、3−3.で作製した基板1〜3を封入した流路型センサチップにそれぞれ点着した。点着後、ポンプ吸引を行いながら混合液を10μL/minの速度で混合液を流下させ、コルチゾール・BSA結合体を固定した金蒸着面上の蛍光強度を1.5分間継続して測定した。各基板において得られた蛍光強度の単位時間における増加速度を蛍光シグナル値として求めた。
コルチゾール濃度0の試料を用意して同様にして求めた蛍光シグナル値をB0とし、コルチゾールを含む各試料のシグナル値をBとしたときに、B/B0を求めることによってシグナル値を規格化した。
5.検量線
文献「The Immunoassay Handbook Third Edition Edited by David Wild (2005)」に競合法の検量線として、シグモイド関数の4パラメータロジスティック曲線モデルが適用できることが記載されており、この方法に従って、近似線を得る方法として一般的に知られている最小二乗法を用いて、4.で測定した各コルチゾール濃度における蛍光シグナナル値の各点の最近傍を通る4パラメータロジスティック曲線を求め、検量線とした。
以上のようにして求めた検量線とそれぞれのコルチゾール濃度の測定値の平均値を、各コルチゾール/BSA比(図には、COR/BSAとして表示した)ごとに、図1から図3に示した。
コルチゾール・BSA結合体の性能は検量線の規格を満たすかどうかで判定した。検量線は2箇所で規定した。一つ目は低濃度域の検量線の傾きであり、逆数を取って、2.0以内であることを規格とした。二つ目は高濃度域の測定点の検量線からの乖離(ズレ)であり、4%以内を規格とした。この範囲内では、測定値の変動係数が10%以内であり、且つ、正確度が10%以内であることが達成でき、高精度な測定が可能となる。
低濃度域として、臨床的に意義のあるコルチゾールの最小濃度である2.0μg/dLにおける検量線の傾きを求めた。また、高濃度域として、コルチゾール濃度が24.6μg/dLと29.0μg/dLのそれぞれの検量線からの乖離(ズレ)を求め、平均値を算出して評価した。結果を表2にまとめた。
Figure 2013083631
図1から3、並びに表2に示した結果から、本発明のコルチゾール・BSA結合体を使用することにより、臨床的に意義のあるコルチゾール濃度領域(2〜30μg/dL)内においてコルチゾールを高感度で免疫学的に測定できることが確認された。
(実施例2)
実施例1と同様にして、コルチゾール−オキシム誘導体1とBSA量の比を変化させることで、コルチゾール標識数が11.0、15.7、16.9のコルチゾール・BSA結合体4、5、6を作製した。
5水準の濃度(1.5μg/dL、4.3μg/dL、10.1μg/dL、20.5μg/dL、33.2μg/dL)のコルチゾールを含む試料を用意し、実施例1と同様に免疫アッセイを行い、各濃度での蛍光シグナル値を得た。また、実施例1と同様にして検量線を得た。実施例1と同様にして、低濃度域の検量線の傾きの逆数と、高濃度域での検量線からの乖離(ズレ)を評価した。低濃度域のコルチゾール濃度4.3μg/dLでの検量線の傾きの逆数を求め、高濃度域のコルチゾール濃度は、臨床的に意義のある30μg/dLでの測定を保証するため、コルチゾール濃度として、33.2μg/dLにおける検量線からの乖離(ズレ)を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2013083631
表3の結果から、本発明のコルチゾール/アルブミン比(コルチゾール/BSA比)のコルチゾール・BSA結合体を使用することにより、コルチゾール濃度2〜30μg/dLの範囲において、高感度で免疫学的に測定できることが確認された。

Claims (10)

  1. コルチゾール/アルブミン比が12以上20以下であるコルチゾール・アルブミン結合体が固定化されているコルチゾール免疫測定用基板。
  2. アルブミンが牛血清アルブミンである、請求項1に記載のコルチゾール免疫測定用基板。
  3. コルチゾール・アルブミン結合体が基板上に設けられた金属膜に固定化されている請求項1又は2に記載の基板。
  4. コルチゾール/アルブミン比が12以上20以下であるコルチゾール・アルブミン結合体が固定化されているコルチゾール免疫測定用基板に、
    (1)コルチゾールを含む被検試料及び抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子を接触させる工程、及び
    (2)基板に結合した抗コルチゾール抗体標識蛍光粒子に基づく蛍光を測定する工程、
    を含む、被検試料中のコルチゾールを測定する方法。
  5. アルブミンが牛血清アルブミンである、請求項4に記載の方法。
  6. 被検試料中の濃度が2〜30μg/dLであるコルチゾールを測定する請求項4又は5に記載の方法。
  7. 工程(2)において、表面プラズモン蛍光測定または落射蛍光測定により蛍光を測定する、請求項4から6のいずれかに記載の方法。
  8. コルチゾール/アルブミン比が12以上20以下であるコルチゾール・アルブミン結合体。
  9. コルチゾール/アルブミン比が14以上18以下であるコルチゾール・アルブミン結合体。
  10. アルブミンが牛血清アルブミンである、請求項8又は9に記載のコルチゾール・アルブミン結合体。
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