JP2013082482A - ダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造、およびこの梱包方法 - Google Patents

ダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造、およびこの梱包方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 冷温での保管を行うと同時に、フィルムの特性に悪影響を与えることがないダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造等を提供する。
【解決手段】 梱包箱3は断熱性を有する樹脂製である。梱包箱3の内部には、一対の仕切り部材9が設けられて内部の空間が仕切られる。梱包箱3の両側方の空間が保冷材収納部5となり、中央の空間が製品収納部7となる。梱包箱3の側壁の厚みをt1(mm)、仕切り部材の厚みをt2(mm)、前記梱包箱の底面の厚みをt3(mm)、前記保冷材収納部の側壁側の表面積の和をA1(mm)、前記保冷材収納部の仕切り部材側の表面積をA2(mm)、前記保冷材収納部の底面側の表面積をA3(mm)とした場合に、T1=A1/t1、T2=A2/t2、T3=A3/t3とすると、(T2/T1)が1.1〜2.0であり、(T3/T1)が0.3以下で設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置を製造する際に用いるダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造およびこの梱包方法に関するものである。
従来、半導体ウェハを個々のチップに切断分離する際に半導体ウェハを固定するためのダイシングテープと、切断された半導体チップをリードフレームやパッケージ基板等に接着するためのダイボンディングフィルムとの2つの機能を併せ持つダイシングダイボンディングフィルムが開発されている。このようなダイシングダイボンディングフィルムとしては、通常プリカット加工が施されている。
図9は、ダイシングダイボンディングフィルムの一例としてフィルム100を示す図であり、図9(a)は正面図、図9(b)は図9(a)のD−D線断面図である。フィルム100は、離型フィルム103、接着剤層105、円形ラベル部107aおよび周辺部107bからなる粘着フィルム107等により構成される。
接着剤層105は、ウェハの形状に対応する円形に加工されたものであり、離型フィルム103上に配置される。粘着フィルム107は、ダイシング用のリングフレームの形状に対応する円形部分の周辺領域が除去されたものである。粘着フィルム107の円形ラベル部107aは、接着剤層105を覆い、外周部が離型フィルム103と接触する。
粘着フィルムは、基材と基材上の粘着剤層から構成される。粘着剤層は半導体ウェハを固定するため、通常、ガラス転移温度が常温以下、好ましくは0℃以下の樹脂を有する。接着剤層は、接着性と信頼性の観点から、通常、熱硬化性樹脂を有する。このため、これらのフィルムは、冷蔵庫やコンテナによって0〜10℃程度に温度管理された輸送が行われる。しかしながら、このような輸送方法はコストが高く、また少量の輸送には適していない。これに対し、梱包箱にドライアイスを入れて輸送する方法が考案されている(特許文献1、2)。
特開2008−116165号公報 特開2004−43020号公報
しかし、特許文献1に記載された方法は、ペレット状のドライアイスと板状のドライアイスの配置を工夫したものであり、ダイシングダイボンディングフィルムのロールに収納袋等を介してドライアイスが接触する恐れがある。
また、特許文献2に記載された方法は、別途冷却室を設けているが、経時でドライアイスが昇華して小さくなるため、通気口より直接ドライアイスが接触する恐れが残る。また、直接接触しなくとも、通気口の出口部分のロールのみが局所的に冷却される。このようにドライアイスによってダイシングダイボンディングフィルムが局所的に冷却されると、フィルムを構成している樹脂がガラス転移温度以下に置かれるために粘着フィルムと接着剤層の密着性が低下する恐れがある。また、粘着フィルムと接着剤層は熱収縮率が異なるため、粘着フィルムと接着剤層の間に空間(ボイド)が生じるといった悪影響を与える恐れがある。粘着フィルムと接着剤層の間に空間が生じると、半導体ウェハを個々のチップに切断分離する際に、半導体ウェハが十分に固定されず、接着剤層付きチップが飛んだり、チップに欠けが発生したりする恐れがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、冷温での保管を行うと同時に、フィルムの特性に悪影響を与えることがないダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造等を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、ダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造であって、内部に、製品収納部と、前記製品収納部の両側に形成される保冷材収納部とを有する梱包箱を用い、前記製品収納部と前記保冷材収納部とは仕切り部材で仕切られおり、ダイシングダイボンディングフィルムが巻き取られたロールが前記製品収納部に収納され、前記保冷材収納部にドライアイスが収納され、前記梱包箱の側壁の厚みをt1(mm)、前記仕切り部材の厚みをt2(mm)、前記梱包箱の底面の厚みをt3(mm)、前記保冷材収納部の側壁側の表面積の和をA1(mm)、前記保冷材収納部の仕切り部材側の表面積をA2(mm)、前記保冷材収納部の底面側の表面積をA3(mm)とした場合に、T1=A1/t1、T2=A2/t2、T3=A3/t3とすると、(T2/T1)が1.1〜2.0であり、(T3/T1)が0.3以下であることを特徴とするダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造である。
前記ロールの両端に、支持部材が取り付けられ、前記ロールと前記支持部材が、前記支持部材で交差するように少なくとも2本のバンドで固定されてもよい。
前記バンドで固定された前記支持部材および前記ロールが、2つ以上並べられて梱包箱内に収容され、前記支持部材は、前記ロールの外径よりも大きく、前記製品収納部に前記ロールを収納した際に、前記ロールと前記仕切り部材との間に隙間が形成されてもよい。
前記梱包箱の側壁の厚みは20mm以上であり、前記製品収納部の容積は0.02〜0.05mであることが望ましい。
第1の発明によれば、製品収納部と保冷材収納部とが仕切り部材で仕切られるため、保冷材であるドライアイスと製品とが接触することがない。したがって、製品が局所的に冷却されることがない。
また、厚みと表面積から算出されるT1〜T3を用い、T2/T1が1.1以上、かつ、T3/T1が0.3以下であるため、製品の冷却を十分に確保することができる。また、T2/T1が2.0以下であるため、製品に対する局所的な過冷却が生じることを防止することができる。
また、ロールの両端に、収納袋の外方から支持部材を取り付け、ロールと支持部材が2本のバンドで固定されれば、フィルムが輸送中等において巻ずれることがない。また、支持部材およびロールが、互いに交差するように2本のバンドで固定されるため、支持部材がずれることがない。
また、バンドで固定された支持部材およびロールが2つ以上並べられて梱包箱内に収容されれば、梱包効率が高く、ハンドリング性にも優れ、複数段の積載も容易となる。また、支持部材がロールの外径よりも大きく、製品収納部にロールを収納した際に、ロールと仕切り部材との間に隙間が形成されれば、フィルムが仕切り部材によって損傷することがなく、また、仕切り部材によって局所的に冷却されることがない。
特に、梱包箱の側壁の厚みが20mm以上であり、製品収納部の容積が0.02〜0.05mであれば、保冷能力と積載効率に優れた梱包構造を得ることができる。
第2の発明は、ダイシングダイボンディングフィルムの梱包方法であって、内部に、製品収納部と、前記製品収納部の両側に形成される保冷材収納部とを有する梱包箱を用い、前記製品収納部と前記保冷材収納部とは仕切り部材で仕切られおり、前記梱包箱の側壁の厚みをt1(mm)、前記仕切り部材の厚みをt2(mm)、前記梱包箱の底面の厚みをt3(mm)、前記保冷材収納部の側壁側の表面積の和をA1(mm)、前記保冷材収納部の仕切り部材側の表面積をA2(mm)、前記保冷材収納部の底面側の表面積をA3(mm)とした場合に、T1=A1/t1、T2=A2/t2、T3=A3/t3とすると、(T2/T1)が1.1〜2.0であり、(T3/T1)が0.3以下であり、ダイシングダイボンディングフィルムが巻き取られたロールを前記製品収納部に収納するとともに、前記保冷材収納部にドライアイスを収納することを特徴とするダイシングダイボンディングフィルムの梱包方法である。
前記ロールの両端に、前記ロールよりも大きな支持部材を取り付け、前記ロールと前記支持部材を、前記支持部材で交差するように少なくとも2本のバンドで固定した後に、前記製品収納部に収納してもよい。
第2の発明によれば、断熱性と収納効率を両立したダイシングダイボンディングフィルムの梱包方法を得ることができる。
特に、ロールの両端に、収納袋の外方からロールよりも大きな支持部材を取り付け、ロールと支持部材を、2本のバンドで固定した後に製品収納部に収納すれば、梱包体の内部でロールが移動することがなく、ロールの巻ずれも防止することができる。
また、支持部材がロールの外径よりも大きく、製品収納部にロールを収納した際に、ロールと仕切り部材との間に隙間が形成されれば、フィルムが仕切り部材によって損傷することがなく、また、仕切り部材によって局所的に冷却されることがない。
本発明によれば、冷温での保管を行うと同時に、フィルムの特性に悪影響を与えることがないダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造等を提供することができる。
梱包構造1を示す分解斜視図。 梱包構造1の蓋部21を除く平面図。 梱包構造1の断面立面図であり、図2のA−A線断面図。 (a)は梱包箱3の平面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図。 支持部材23をロール13に固定する状態を示す分解斜視図。 支持部材23とロール13をバンド27で固定した状態を示す斜視図。 梱包構造1aの蓋部21を除く平面図。 支持部材23とロール13をバンド27で固定した他の状態を示す斜視図。 フィルム100を示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、梱包構造1を示す分解斜視図、図2は、梱包構造1を示す平面図(蓋部を除く)、図3は、梱包構造1の断面立面図であり、図2のA−A線断面図である。梱包構造1は、主に梱包箱3、仕切り部材9、ドライアイス11、ロール13、蓋部21等から構成される。
ロール13は、中空のコア19に対してフィルムが巻きつけられて構成される。なお、フィルムは、ダイシングダイボンディングフィルムである。ロール13は、収納袋15に収納される。なお、ダイシングダイボンディングフィルムは、前述したように、離型フィルム、接着剤層、粘着フィルム等により構成される。
粘着フィルムは、基材と基材上の粘着剤層から構成される。基材の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン共重合体もしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、これらの群から選ばれる2種以上の材料が混合されたものでもよく、これらが単層又は複層化されたものでもよいが、温度による形状変化が小さいものが好ましい。基材の厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmが好ましい。
粘着剤層は公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、付加反応型オルガノポリシロキサン系樹脂、シリコンアクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリイソプレンやスチレン・ブタジエン共重合体やその水素添加物等の各種エラストマー等やその混合物を適宜配合して調製することが好ましい。半導体ウェハを固定するため、ガラス転移温度が常温以下、より好ましくは0℃以下の樹脂が添加されることが望ましい。
また、各種界面活性剤や表面平滑化剤を加えてもよい。放射線硬化型と放射線照射により粘着力が変化しない非放射線硬化型があり、前者は粘着力の制御が容易であり、後者は放射線照射を許さないデバイスに使用可能であることから、用途に応じて適宜選択される。放射線硬化型を選択する場合には光重合性炭素−炭素二重結合を持つ放射線重合性化合物や光重合開始剤を適宜配合して調製することが好ましい。粘着剤層の厚さは特に制限されるものではないが、通常5〜50μmが好ましく、7〜20μmがより好ましい。
接着剤層は、接着剤を予めフィルム化したものであり、接着性と信頼性の観点から、熱硬化性樹脂を有することが好ましい。例えば、接着剤に使用される公知のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、メラミン樹脂等やその混合物を使用することができるが、接着剤層の分断性をよくするためには、アクリル系共重合体、エポキシ樹脂を含み、アクリル系共重合体のTgが10℃以上であることが好ましい。さらには、無機フィラーを5〜50%含有することが好ましい。また、チップやリードフレームに対する接着力を強化するために、シランカップリング剤もしくはチタンカップリング剤を添加剤として前記材料やその混合物に加えることが望ましい。接着剤層の厚さは特に制限されるものではないが、通常5〜100μm程度が好ましい。
梱包箱3の内部には、一対の仕切り部材9が設けられて内部の空間が3つに仕切られる。梱包箱3の両側方の空間が保冷材収納部5となり、中央の空間が製品収納部7となる。
図2に示すように、保冷材収納部5には、保冷材であるドライアイス11が収納される。ドライアイス11は、例えば板状のものである。ドライアイス11のサイズは保冷材収納部5のサイズ及び、輸送時間に応じて適宜設定される。また、ドライアイス11の表面積の合計は保冷材収納部5内部の表面積の合計の0.5〜8倍であることが好ましい。0.5倍未満であると、ドライアイスの量が不足し、製品収納部7の全体を十分に温度管理することができない。8倍以上であると、ドライアイスの昇華速度が速すぎて、輸送途中に冷却効果が失われる可能性がある。
また、製品収納部7には、ロール13が例えば2本並べて収納される。すなわち、製品収納部7には保冷材(ドライアイス11)は収納されない。また、図3に示すように、梱包箱3の上部には蓋部21が設けられて梱包箱が閉じられる。蓋部21は梱包箱3と同一の材質で構成すればよい。
ここで、図3に示したように、梱包箱3の側壁(保冷材収納部5に面する側面)の厚みをt1(mm)とする。また、仕切り部材9の厚みをt2(mm)とする。また、梱包箱の底面(保冷材収納部5に面する底面)をt3(mm)とする。なお、t1は、それぞれの保冷材収納部5の3方向の側壁部の平均厚みとする。
図4は、梱包箱3を示す図で、図4(a)は平面図(蓋部省略)であり、図4(b)は図4(a)のB−B線断面図である。前述の通り、梱包箱3は、保冷材収納部5と、製品収納部7とに区分される。ここで、保冷材収納部5の側面側(図4(a)に示すように、仕切り部材9側を除く三方向の面)の表面積の和をA1(mm)とする。また、保冷材収納部5の仕切り部材9側の表面積をA2(mm)とする。また、保冷材収納部5の底面側の表面積をA3(mm)とする。
以上のように定義した場合の表面積/厚みを各部において以下のように定義する。保冷材収納部5における側面側のT1=A1/t1、保冷材収納部5の仕切り部材9側のT2=A2/t2、保冷材収納部5の底面側のT3=A3/t3とする。このように定義した場合、T2/T1=1.1〜2.0の範囲が望ましい。また、T3/T1=0.05〜0.3の範囲が望ましい。
T2/T1が1.1以上かつ、T3/T1が0.3以下であれば、冷温が外部に放出されずに製品収納部7内部の製品を確実に冷却することができる。一方、T2/T1が2.0を超えると、仕切り部材を介した熱の移動量が大きくなり、製品収納部7内に温度勾配が生じて仕切り部材9に面した部分のロール13のみが過剰に冷却され、粘着フィルムと接着剤層の間に空間が生じる恐れがある。また、T3/T1が0.05未満では、梱包箱3の底面が過剰に厚くなるなど、軽量化等に悪影響を及ぼす。
梱包箱3および仕切り部材9は、例えば同一材質で形成することができる。ここで、熱伝導率は梱包箱3および仕切り部材9を構成する材質を変更することで制御することができる。仕切り部材9及び梱包箱3を構成する材料は、断熱性の点で有機樹脂が望ましく、ポリプロピレン、発泡スチロール、発泡ポリプロピレンなどを用いることができるが、発泡スチロールを用いることが好ましい。発泡スチロールは発泡倍率を制御することで熱伝導率を変化させることもできるが、発泡倍率は30〜200倍が好ましく、より好ましくは30〜120倍である。発泡倍率が200倍以上であると熱伝導率が高くなりすぎ、発泡倍率が30倍未満になると発泡前の樹脂の熱伝導率に近づきすぎるため30倍のときよりも冷却の能力が下がるためである。なお、仕切り部材9の熱伝導率は0.1W/mK以下であることが好ましい。熱伝導率が0.1W/mK以下であると、局所的な冷却を防ぐことが可能である。
ここで、各部の表面積/厚みを定義して各部の関係を規定したのは、以下の理由による。各部における熱の移動のしやすさは、熱抵抗(熱の移動量(W)=温度差(℃)/熱抵抗(℃/W))によって検討することができる。ここで、熱伝導率(W/(m・℃))を考慮すると、熱抵抗=厚さ/(熱伝導率・伝熱面積)と考えることができる。すなわち、同じ熱伝導率であれば、面積が大きければ、熱の移動量が大きく、厚さが厚くなると、熱の移動量が少なくなる。したがって、本発明においては、例えば梱包箱3と仕切り部材9とが同材質の樹脂材を用いた場合において、熱抵抗の逆数(伝熱面積/厚さ)によって、熱の移動のしやすさを表わし、これを考慮して各部の関係を規定したものである。
なお、梱包箱の側壁の厚みは20mm以上であることが望ましく、製品の保冷性能やハンドリング性を考慮すると、製品収納部7の容積は0.02〜0.05mであることが望ましい。
梱包箱3の側壁及び、底面の曲げ強度は0.1MPa以上あることが好ましい。側壁は0.5MPa以上であると、梱包箱の段積みが十分に行えるため望ましい。曲げ強度は大きい分には問題ないが、サイズや重さを考慮すると3MPa程度を上限とするのが妥当である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、例えば、熱硬化性の接着フィルム層を有するようなダイシングダイボンディングフィルムに対しても、確実に保冷した状態で梱包を行うことができる。また、必要な断熱性を確保しつつ、梱包箱の軽量化等を両立することができる。また、仕切り部材9によって、保冷材収納部5と製品収納部7とが区切られるため、ドライアイス11が収納袋15を介してロール13と接触することがない。このため、ロール13の一部が局所的に冷却されることがない。
次に、第2の実施の形態について説明する。図5は、支持部材23をロール13に固定する状態を示す分解斜視図であり、図6は、支持部材23とロール13をバンド27で固定した状態を示す斜視図である。なお、以下の説明において、梱包構造1と同様の機能を奏する構成については、図1〜図4と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2の実施形態においては、ロール13の両端に樹脂製の支持部材23が設けられる。支持部材23は、略矩形形状の部材である。支持部材23の一方の面の略中央には、凸部25が設けられる。凸部25は、支持部材23の一方の面に突出する略円柱状の部位である。支持部材23の外縁部には、凸部25の形成方向と同方向にリブが形成される。また、支持部材23の他方の面の略中央には、凹部26が設けられる。なお、支持部材23の形状は、図示した例に限られず、支持部材23の外形や凸部25の形状や大きさ、リブ形状等については、適宜設定することができる。
支持部材23は、収納袋15の上からロール13に固定される。この際、支持部材23の凸部25は、コア19の両端部の中空部に嵌められて取り付けられる。ここで、支持部材23をロール13に取り付けた状態で、ロール13は支持部材23によって挟み込まれる。このため、ロール13はその両側部が支持部材23で固定される。
ここで、支持部材23をコア19に押し込んだ際、支持部材23によってフィルムの側端部が損傷しないように、コア19の幅は、フィルムの幅と略同一またはやや大きいことが望ましい。また、支持部材23をコア19に嵌めた際に、支持部材23でロール13の両側端部を確実に保持するために、必要に応じて、支持部材23とロール13側端部の隙間に緩衝用の弾性部材等を配置してもよい。
また、支持部材23のサイズはロール13の外径よりもやや大きいことが望ましい。ロール13が支持部材23の外縁部のリブの内部に収まるようにすれば、製品収納部内面とロール13との接触を防止することができる。
図6に示すように、一対の支持部材23が上下端に取り付けられたロール13に対して、支持部材23およびロール13は2本の樹脂製のバンド27で固定される。バンド27は互いに直交するように支持部材23およびロール13(収納袋15)の外部に全周に渡って設けられて、支持部材23およびロール13が固定される。
2本のバンド27は、支持部材23の略中央で交差する。すなわち、2本のバンド27の交差部は、支持部材23の位置となる。なお、2本のバンド27の交差部は、互いに固定してもよい。例えば、バンド27同士を融着や接着、または他の結束部材を用いて固定してもよい。このようにすることで、交差部の位置がずれることがなく、ハンドリングがより容易となる。
図7は、梱包構造1a(蓋部21除く)を示す平面図である。梱包構造1aでは、製品収納部7に支持部材23が固定されたロール13が収納される。製品収納部7の幅は支持部材23の幅と略同一であり、製品収納部7の長さは支持部材23の約2倍で構成される。すなわち、支持部材23が固定されたロール13が2本並列して製品収納部7に収納される。
支持部材23のサイズは、ロール13の外径よりもやや大きい。このため、支持部材23が製品収納部7の内面(梱包箱3または仕切り部材9の内面)と接触しても、ロール13の表面が製品収納部7の内面に接触することがない。すなわち、ロール13の外面と製品収納部7の内面との間には隙間が形成される。このため、ロール13の表面が製品収納部7の内面との接触によって損傷することがない。
また、仕切り部材9の保冷材収納部5側の面はドライアイス11と接触する。したがって、仕切り部材9自体が冷却されることになるが、本実施形態では、支持部材23のサイズがロール13の外径よりもやや大きいため、ロール13の表面と仕切り部材9の内面との間にも隙間が形成される。したがって、ロール13の一部のみが局所的に冷却されることがない梱包構造になっている。このため、局所的な冷却に伴う特性への影響がない。
なお、支持部材23の材質を、断熱性を有する樹脂部材で構成することで、ロール13の上下面の断熱効果を高めることができる。このため、側面の厚み(t1)に対して底面の厚み(t3)や蓋部の厚みを薄くしても、梱包箱3の外部からの熱がロール13に伝達することを防止することができ、梱包箱のサイズを小さくすることが可能である。
以上のように、バンドを2本とする場合、2本のバンド27は、支持部材23の略中央で交差する。すなわち、2本のバンド27の交差部は、凹部26の位置となる。したがって、2本のバンド27の交差部近傍は、支持部材23と接触せず、支持部材23(凹部26)との間に隙間が形成される。したがって、ロール13を持ち上げる際、凹部26で形成される隙間に手(指)を挿入して、バンド27の交差部をつかんで持ち上げることができる。したがって、梱包箱からの取り出し時や、複数のロール13が並べられた状態から、ロール13を容易に持ち上げることができる。
これに対し、図8に示すように、さらにバンドを増やして4本としてもよい。この場合、4本のバンドは、2本ずつを井型状に形成される。したがって、中央部での交差が難しくなりロール13を容易に持ち上げることはやや困難になるが、斜向かいの交差部分に指などを差し入れて持ち上げることでバランス良くロール13を取り出すことが出来る。また、バンド4本の場合は1本と3本を互いに交差するように掛けても良い。いずれにしても1箇所以上の交差部を設けることでロール13を容易に持ち上げることが出来るようになる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、支持部材23によってロール13が挟み込まれ、バンド27で固定されるため、フィルムの巻ずれ等を防止することができる。また、ロール13は支持部材23とともに製品収納部7に収納されるため、ロール13の縁部等が損傷することがない。
また、支持部材23がロール13よりも大きければ、ロール13と仕切り部材9等との間に隙間を形成することができる。このため、仕切り部材9との接触により、ロール13の局所的な冷却を防止することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(接着剤層の作製)
(接着剤層1)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)15重量部、アクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度7℃)70重量部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(水酸基当量104、軟化点80℃)15重量部、促進剤としてキュアゾール2PZ(四国化成株式会社製、商品名:2−フェニルイミダゾール)1部を有機溶剤中で攪拌して接着剤組成物1を得た。この接着剤組成物を、離型フィルムをなすPETフィルムに塗布し、120℃で10分間加熱乾燥して、乾燥後の厚さ20μmのBステージ状態の塗膜を形成し、PETフィルム/接着剤層1/PETフィルムの積層体を得た。
なお、PETフィルムはシリコーン離型処理されたPETフィルム(帝人:ヒューピレックスS−314(商品名)、厚み25μm)を用いた。
(接着剤層2)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)5重量部、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5質量部、平均粒径1.0μmのシリカフィラー50質量部、2,2'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び無水ピロメリット酸より合成された質量平均分子量5万のポリイミド樹脂40質量部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(水酸基当量104、軟化点80℃)5重量部、促進剤としてキュアゾール2PZ1部を有機溶剤中で攪拌して接着剤組成物2を得たのち、接着剤層1と同様の方法で、接着剤層2を得た。
<粘着フィルムの製造>
(粘着剤層組成物1)
ガラス転移温度が−13℃のアクリル共重合体100部に硬化剤としてポリイソシアネート3重量部を加えて混合し、粘着剤層組成物1とした。
(粘着剤層組成物2)
ガラス転移温度が−34℃のアクリル共重合体に硬化剤としてポリイソシアネート3質量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン1質量部を加えて混合し、粘着剤層組成物2とした。
(粘着フィルム1,2)
作製した粘着剤層組成物を乾燥膜厚が10μmとなるように離型フィルムをなすPETフィルムに塗布し、120℃で3分間乾燥した。このPETフィルムに塗工した粘着剤層組成物を、支持基材である厚さ100μmのポリプロピレン−エラストマー(PP:HSBR=80:20のエラストマー)樹脂フィルム上に転写させることで粘着フィルム1、2を作製した。
なお、ポリプロピレン(PP)は、日本ポリケム株式会社製のノバテックFG4(商品名)を用い、水添スチレンブタジエン(HSBR)はJSR株式会社製のダイナロン1320P(商品名)を用いた。また、PETフィルムはシリコーン離型処理されたPETフィルム(帝人:ヒューピレックスS−314(商品名)、厚み25μm)を用いた。
<プリカット加工>
以上のようにして得られた接着剤層1と粘着フィルム1とを、接着剤層のPETフィルムを片側のみ剥がし、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下になるように調整して直径220mmの円形プリカット加工を行った。その後、接着剤層1の不要部分を除去し、粘着フィルム1をその粘着剤層が接着剤層1と接するように、離型フィルムを室温でラミネートした。そして、粘着フィルム1に対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下となるように調節して接着剤層1と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を行ってダイシングダイボンディングフィルムAを作製した。
ダイシングダイボンディングフィルムAと同様に、接着剤層1と粘着フィルム2、接着剤層2と粘着フィルム1、接着剤層2と粘着フィルム2を用いて、ダイシングダイボンディングフィルムB、C、Dを作製した。
プリカット加工したダイシングダイボンディングフィルムは巻き始めと巻き終わりに約1.2mのラベルのない部分を設け、10Nで300枚を巻き取った。これをポリエチレン製の袋に収納し、脱気後、ヒートシールしてポリプロピレン製の側板を両端部に取り付けた。さらに、PPバンド2本が十字になるように掛けて融着して接合した。 結果を表1に示す。
Figure 2013082482
表中のT1〜T3は、図3に示す各部の厚みおよび図4に示す各部の表面積から前述したように算出したものである。また、表中の各項目については以下のように測定および評価を行った。
(ボイド)
まず、各梱包体を1ヶ月間冷蔵庫内(5℃)で保管後、冷蔵庫から取り出して、保冷材収納部と略同体積の板状のドライアイスを収納し、輸送用トラックに載せて平塚〜秋田間(約1000km)を冷蔵状態のまま往復した。その後、各梱包体を開梱し、ロールを常温に戻してから包装袋を開封してロールを解き、目視にて接着剤層と粘着フィルム間のボイドの有無を観察した。ボイドが全く観察されなかったものを「◎」、300枚中ボイドがあるラベルが5枚以内であれば「○」、5枚以上であれば「×」とした。
(接着力の低下率)
ボイドのないラベルを用いて接着力を以下のように測定した。ラベルの接着剤層をウェハへ70℃で1分間加熱貼合した後、リングフレームに固定し、半導体ウェハを5mm×5mmのチップにダイシングした。この接着剤層が付いたチップを、別途準備した10mm×10mmのシリコンチップ土台のミラー面に対して接着剤層が接するように載せ、基板に対して垂直に荷重(0.1MPa)をかけるとともに150℃で3秒間加熱した。その後、175℃で4時間加熱し、接着剤層を硬化させた。これにより、硬化した接着剤層によりチップが土台に固着された試験片を得た。この試験片の土台を熱板に固定した状態で、チップをプッシュプルゲージにて速度0.125mm/秒の速度、熱板温度が265℃で水平方向(土台と平行な方向)に押して、接着力を測定した。輸送直前に測定した接着力の値からの低下率を確認した。低下率が5%未満ものを「○」とし、5%以上のものを「×」とした。
(実施例1)
発泡倍率が50倍の発泡スチロールを加工し、表1の実施例1のようなT1〜T3の比率(以下、単に「比率」)および製品収容部の容積(以下、単に「容積」)、側壁の厚みを有する梱包箱を作製した。この梱包箱に図7のようにダイシングダイボンディングフィルムAを2巻収納して実施例1のダイシングダイボンディングフィルム梱包体を得た。
(実施例2〜8、比較例1〜4)
表1に記載された発泡倍率、比率、容積、側壁の厚み、ダイシングダイボンディングフィルムの種類を用いて、実施例1と同様にして、実施例2〜8及び比較例1〜4のダイシングダイボンディングフィルム梱包体を得た。
実施例1〜8は、ボイドの発生がなく、接着力の低下も小さかった。これに対し、比較例1は、T2/T1が2.0を超えており、仕切り部材を介した熱の移動量が大きくなり、製品収納部内に温度勾配が生じたため、ダイシングダイボンディングフィルムの一部が過剰に冷却され、ボイドが発生した。また、比較例2および比較例3は、T2/T1が1.1未満であるため、製品の保冷が十分でなく接着力の低下が大きかった。また、比較例3は、T3/T1が0.05未満であるため、梱包箱3の底面が非常に厚くなり、軽量化できていないため運搬が困難であった。また、比較例4は、T3/T1が3.0を超えているため、製品の保冷が十分でなく接着力の低下が大きかった。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a………梱包構造
3………梱包箱
5………保冷材収納部
7………製品収納部
9………仕切り部材
11………ドライアイス
13………ロール
15………収納袋
19………コア
21………蓋部
23………支持部材
25………凸部
27………バンド

Claims (6)

  1. ダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造であって、
    内部に、製品収納部と、前記製品収納部の両側に形成される保冷材収納部とを有する梱包箱を用い、
    前記製品収納部と前記保冷材収納部とは仕切り部材で仕切られおり、
    ダイシングダイボンディングフィルムが巻き取られたロールが前記製品収納部に収納され、
    前記保冷材収納部にドライアイスが収納され、
    前記梱包箱の側壁の厚みをt1(mm)、前記仕切り部材の厚みをt2(mm)、前記梱包箱の底面の厚みをt3(mm)、前記保冷材収納部の側壁側の表面積の和をA1(mm)、前記保冷材収納部の仕切り部材側の表面積をA2(mm)、前記保冷材収納部の底面側の表面積をA3(mm)とした場合に、T1=A1/t1、T2=A2/t2、T3=A3/t3とすると、
    (T2/T1)が1.1〜2.0であり、(T3/T1)が0.3以下であることを特徴とするダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造。
  2. 前記ロールの両端に、支持部材が取り付けられ、前記ロールと前記支持部材が、前記支持部材で交差するように少なくとも2本のバンドで固定されることを特徴とする請求項1記載のダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造。
  3. 前記バンドで固定された前記支持部材および前記ロールが、2つ以上並べられて梱包箱内に収容され、
    前記支持部材は、前記ロールの外径よりも大きく、前記製品収納部に前記ロールを収納した際に、前記ロールと前記仕切り部材との間に隙間が形成されることを特徴とする請求項2記載のダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造。
  4. 前記梱包箱の側壁の厚みは20mm以上であり、前記製品収納部の容積は0.02〜0.05mであることを特徴とする請求項3記載のダイシングダイボンディングフィルムの梱包構造。
  5. ダイシングダイボンディングフィルムの梱包方法であって、
    内部に、製品収納部と、前記製品収納部の両側に形成される保冷材収納部とを有する梱包箱を用い、
    前記製品収納部と前記保冷材収納部とは仕切り部材で仕切られおり、
    前記梱包箱の側壁の厚みをt1(mm)、前記仕切り部材の厚みをt2(mm)、前記梱包箱の底面の厚みをt3(mm)、前記保冷材収納部の側壁側の表面積の和をA1(mm)、前記保冷材収納部の仕切り部材側の表面積をA2(mm)、前記保冷材収納部の底面側の表面積をA3(mm)とした場合に、T1=A1/t1、T2=A2/t2、T3=A3/t3とすると、
    (T2/T1)が1.1〜2.0であり、(T3/T1)が0.3以下であり、
    ダイシングダイボンディングフィルムが巻き取られたロールを前記製品収納部に収納するとともに、前記保冷材収納部にドライアイスを収納することを特徴とするダイシングダイボンディングフィルムの梱包方法。
  6. 前記ロールの両端に、前記ロールよりも大きな支持部材を取り付け、前記ロールと前記支持部材を、前記支持部材で交差するように少なくとも2本のバンドで固定した後に、前記製品収納部に収納することを特徴とする請求項5記載のダイシングダイボンディングフィルムの梱包方法。
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