JP2013078241A - 蓄電池装置、蓄電池装置の制御方法及び制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態の蓄電池装置は、複数の組電池群と、組電池群のそれぞれに対応し、対応する組電池群を出力電源線に電気的に接続する複数の電磁接触器と、を備えている。そして、接続制御手段は、組電池群の電圧と出力電源線の電圧との電圧差が所定電圧以下である場合に当該組電池群を接続対象と判断し、対応する電磁接触器を介して出力電源線に接続する。
【選択図】図1
Description
リチウムイオン二次電池を例に考えると、単セルの蓄電容量は概ね100Wh程度である。したがって、MWhオーダーの蓄電池装置を実現するには、数千個乃至数万個オーダーのセルを直列および並列に並べ、所望の電圧及び電流容量を有する蓄電池装置を構成する必要がある。
通常、蓄電池装置を構成している複数のセルは互いに漏れ電流量が異なるため、動作停止中の自己放電電流に差がある。
また、電池ユニットを組み合わせた電池モジュールや電池ユニットを単独で交換した場合には、電池ユニットの充電状態に差があるなどの理由により、複数のユニット間で電位差が生じる。
このため、電磁接触器と並列に電流制限回路を直列に備えた補助電磁接触器(プリチャージコンタクタ)を設け、蓄電池装置の起動時にはその過大な電流を抑制するために、この補助電磁接触器を閉じる仕組みが一般的に提案されている(例えば、特許文献1あるいは特許文献2参照)。
したがって、電池ユニットの電圧と蓄電池装置の主回路の電圧との電圧差が所定電圧以下になり、電磁接触器を閉じたときに発生し得る突入電流が安全な電流と予想される状態になったときに、電磁接触器が閉じる。このため、その後電磁接触器を閉じた場合に過大な電流が流れることがないようになっている。
ここで、700V前後の出力を得るために数百個のリチウムイオン二次電池を直列接続した電池ユニットを想定する。この場合に、充電率100%付近の電池ユニットと、充電率0%付近の電池ユニットでは、リチウムイオン二次電池一つあたり約1Vの電位差があることから数百Vの電位差が発生することとなる。
例えば、50Ahの組電池ユニットに対して、電池ユニット電圧と蓄電池装置の主回路電圧の電圧差100Vで1/10C(=5A)の電流に制限できるプリチャージ抵抗値は20Ωになる。
さらに、この状態で電位差が縮小して10Vになると1/100(=0.5A)となり、流れる電流は1/10になり、それに伴って電位差が縮まる速度が遅くなる。
このため、充電率が異なる電池ユニットが存在する状態で蓄電池装置が起動した場合は、電池ユニットの電圧と蓄電池装置の主回路の電圧の電圧差が大きな電池ユニットは、長時間にわたり電磁接触器を閉じることができない状態が継続してしまう場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電池ユニット間で電位差が生じていた場合でも、より多くの電池ユニットを主回路へ接続して起動可能とする蓄電池装置、蓄電池装置の制御方法及び制御プログラムを提供する。
そして、接続制御手段は、組電池群の電圧と出力電源線の電圧との電圧差が、所定電圧以下である場合に当該組電池群を接続対象と判断し、当該組電池群を対応する電磁接触器を介して出力電源線に接続する。
図1は、実施形態の蓄電池装置を備えた蓄電池システムの概要構成ブロック図である。
蓄電池システム10は、大別すると、電力を蓄える蓄電池装置11と、蓄電池装置11から供給された直流電力を所望の交流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置(PCS:Power Conditioning System)12と、を備えている。
電池盤21−1〜21−Nは、互いに並列に接続された複数の電池ユニット23−1〜23−M(Mは自然数)と、ゲートウェイ装置24と、後述のBMU(Battery Management Unit)及びCMU(Cell Monitoring Unit)に動作用の直流電源を供給する直流電源装置25と、を備えている。
電池ユニット23−1〜23−Mは、それぞれ、高電位側電源供給ライン(高電位側電源供給線)LH及び低電位側電源供給ライン(低電位側電源供給線)LLを介して、出力電源ライン(出力電源線;母線)LHO、LLOに接続され、主回路である電力変換装置に電力を供給している。
電池ユニット23−1は、大別すると、複数のセルモジュール31と、セルモジュール31にそれぞれ設けられた複数のCMU32と、サービスディスコネクト33と、電流センサ34と、コンタクタ35と、を備え、複数のセルモジュール31、サービスディスコネクト33、電流センサ34及びコンタクタ35は、直列に接続されている。
BMU36は、ゲートウェイ装置24の制御下で、電池ユニット23−1全体を制御し、各CMU32との通信結果及び電流センサ34の検出結果に基づいてコンタクタ35の開閉制御を行う。
電池端子盤22は、電池盤21−1〜21−Nに対応させて設けられた複数の盤遮断機41−1〜41−Nと、蓄電池装置11全体を制御するマイクロコンピュータとして構成されたマスタ(MASTER)装置42と、を備えている。
本実施形態においては、主回路電圧と電池ユニット電圧が所定の電圧以下になったまたは所定の電圧以下である場合にコンタクタ35を閉じるようにゲートウェイ装置24がBMU36を制御する構成を採っている。これにより、本実施形態では、コンタクタ35と並列に電流制限回路を接続する補助コンタクタを設ける必要がなくなっている。
図2は、全体動作タイミングチャート(その1)である。
図3は、全体動作タイミングチャート(その2)である。
電力変換装置12に電源が投入されると(ステップS1)、電力変換装置12のUPS12Aからマスタ装置42及びゲートウェイ装置24に電源が供給される(ステップS2、S3)。これによりマスタ装置42及びゲートウェイ装置24は、動作可能状態となる。
そして正常動作可能な場合には、ゲートウェイ装置24は、マスタ装置42に対し、ゲートウェイライフ信号を出力する(ステップS5)。
続いて、マスタ装置42は、使用履歴等に基づいて電池盤21−1〜21−Nのうち、いずれを最初に起動させるかを決定する起動電池盤選択処理を行う(ステップS7)。
続いてマスタ装置42は、ゲートウェイ装置24に対し、盤遮断機41−1〜41−Nが閉状態であることを検出した旨を通知する(ステップS8)。
これによりゲートウェイ装置24は、起動電池盤(電池盤21−1〜21−Nのうちいずれか一つ)に対応するBMU36に対し、電源投入を指示する(ステップS10)。
この電源投入指示に基づいて起動電池盤に対応するBMU36は、自己診断ログチェックを行い正常に起動できるかを判別する(ステップS11)。
そして、ゲートウェイ装置24は、起動電池盤に対応するBMU36が起動すると、当該BMU36に対し、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)を介して、CAN(Controller Area Network)を利用して通信を行うためのCAN_IDを自動付番するように指示する(ステップS13)。
続いて起動電池盤に対応するBMU36は、CAN_IDの自動付番が完了すると、UARTを介して、自動付番完了通知を行う(ステップS16)。
このCANを利用した通信により、BMU36は、自己の配下にある複数のCMU32に対し、ブロードキャストで電源投入を指示する(ステップS18)。
一方、電源投入を指示された複数のCMU32は、それぞれ、自己診断ログチェックを行い正常に起動できるかを判別する(ステップS20)。
このCMU32の自己診断ログチェックと並行して、BMU36は、CMU32の起動待ち状態となる(ステップS21)。
これによりCMU32は、所定の手順に従って、自動付番を行う(ステップS23)。そして、BMU36は、全CMU32において自動付番が完了するまで待機状態となる(ステップS24)。
そして、自動付番が完了して各CMU32は、BMU36との間でCANを利用した通信を開始し、対応するセルモジュール31の温度及び電圧を通知する(ステップS26)。
起動電池盤に対応する複数のBMU36は、自己の配下にある全CMU32と通信ができた場合には、通知されたセルモジュール31の電圧に基づいて、CANを利用した通信により、自己が属する電池ユニット(電池ユニット23−1〜23−Mのいずれか)の電圧であるユニット電圧をゲートウェイ装置24に通知する(ステップS28)。
この結果、運転指令が入力された起動ユニットである電池ユニット23−Xに属するBMU36は、ゲートウェイ装置24に対し、起動の準備中である旨の準備中フラグを通知する(ステップS31)。
そして、コンタクタ閉処理が完了すると、起動ユニットである電池ユニット23−Xに属するBMU36は、コンタクタ状態通知(準備中フラグ解除通知)をゲートウェイ装置24に対して行う(ステップS33)。
そして、マスタ装置42は、主回路の電圧をゲートウェイ装置24に通知する(ステップS35)。
この場合において、ステップS35で通知された主回路の電圧に基づいて、主回路の電圧に対して所定の電圧範囲内(例えば、±15V以内)にある電圧を有する電池ユニットのうち、最もユニット電圧が高い電池ユニット、最もユニット電圧が低い電池ユニットあるいはユニット電圧が平均ユニット電圧に最も近い電池ユニット等が起動対象となり、順次起動されることとなる。
この結果、運転指令が入力された電池ユニット23−Xに属するBMU36は、ゲートウェイ装置24に対し、起動の準備中である旨の準備中フラグを通知する(ステップS38)。
そして、運転指令が入力された電池ユニット23−Xに属するBMU36は、対応するコンタクタ35を閉状態とするコンタクタ閉処理を行う(ステップS40)。
そして、コンタクタ閉処理が完了すると、起動ユニットである電池ユニット23−Xに属するBMU36は、コンタクタ状態通知(準備中フラグ解除通知)をゲートウェイ装置24に対して行う(ステップS41)。
これらの結果、マスタ装置42は、利用可能な電池盤数を電力変換装置12に通知する(ステップS43)。
次にマスタ装置42は、停電停止及びトリップを解除する通知をゲートウェイ装置24に通知する(ステップS45)。
これによりゲートウェイ装置24は、起動対象の電池盤21−Yに対応するBMU36に対し、電源投入を指示する(ステップS46)。
この運転指令に基づいて起動対象の電池盤21−Yに対応するBMU36は、自己診断ログチェックを行い正常に起動できるかを判別する(ステップS48)。
このBMU36の自己診断ログチェックと並行して、ゲートウェイ装置24は、BMU36の起動待ち状態となる(ステップS49)。
これによりBMU36は、所定の手順に従って、自動付番を行う(ステップS51)。そして、ゲートウェイ装置24は、BMU36において自動付番が完了するまで待機状態となる(ステップS52)。
そして、起動対象の電池盤21−Yに対応する複数のBMU36は、ゲートウェイ装置24との間でCANを利用した通信を開始する(ステップS54)。
この結果、運転指令が入力された電池ユニット23−Xに属するBMU36は、ゲートウェイ装置24に対し、起動の準備中である旨の準備中フラグを通知する(ステップS55)。
さらにBMU36は、CANを利用した通信により、自己の配下にある複数のCMU32に対し、ブロードキャストで電源投入を指示する(ステップS56)。
このCMU32の自己診断ログチェックと並行して、BMU36は、CMU32の起動待ち状態となる(ステップS58)。
また、ゲートウェイ装置24は、CAN通信が可能か否かを確認する(ステップS59)。
これによりCMU32は、所定の手順に従って、自動付番を行う(ステップS61)。そして、BMU36は、全CMU32において自動付番が完了するまで待機状態となる(ステップS62)。
そして、自動付番が完了した各CMU32は、BMU36との間でCANを利用した通信を開始し、対応するセルモジュール31の温度及び電圧を通知する(ステップS64)。
そして、起動対象の電池ユニット23−Xに属するBMU36は、対応するコンタクタ35を閉状態とするコンタクタ閉処理を行う(ステップS66)。
そして、コンタクタ閉処理が完了すると、起動対象の電池ユニット23−Xに属するBMU36は、コンタクタ状態通知(準備中フラグ解除通知)をゲートウェイ装置24に対して行う(ステップS68)。
現実には構成する全ての電池ユニットの蓄電可能容量が全く等しいことはないが、通常は等しいとみなして問題は無い。
しかしながら、出力電圧にばらつきがある電池ユニットの電磁接触器を順次閉じていく場合、ばらつき方と閉じる順番によっては、その時点で閉じられる電池ユニットの数が限られてしまうことがある。
この場合に、電池ユニット23−1の出力電圧が20V、電池ユニット23−2の出力電圧が40V、電池ユニット23−3の出力電圧が30Vであって、主回路電圧と電池ユニット23−1〜23−3の出力電圧差が15V以下の時にコンタクタ(電磁接触器)35の閉動作を行えるとする。
ここで、全電池ユニット23−1〜23−3の容量が等しいとすれば、電池ユニット23−1→電池ユニット23−2→電池ユニット23−3の順番で対応するコンタクタ35の閉処理を行うと決めている場合、電池ユニット23−1のコンタクタ35が閉じた後の主回路電圧は20Vとなる。
このときの電池ユニット23−2との出力電圧差は20Vとなり、電池ユニット23−1しか主回路へ接続できないこととなる。
(1)電池ユニットの電圧が高い順に投入する場合の選択手順
図4は、電池ユニットの電圧が高い順に投入する場合にゲートウェイ装置における起動対象の電池ユニットの選択手順の処理フローチャートである。
ゲートウェイ装置24は、コンタクタ35を閉じていない電池ユニット23−1〜23−Mの中で、最も電圧の高い電池ユニット23−Hを選択する(ステップS81)。
ステップS82の判別において、主回路の電圧である母線電圧が0Vではなく、母線電圧と選択した電池ユニット23−Hの電圧の差が所定値を超えている場合には(ステップS82;No)、ゲートウェイ装置24は、待機状態となる。
続いて、ゲートウェイ装置24は、コンタクタ35を閉じる指令を出力したBMU36からコンタクタ35が閉じた旨の報告であるコンタクタ状態通知がなされたか否かを判別する(ステップS84)。
ステップS84の判別において、コンタクタ状態通知がなされた場合には(ステップS84;Yes)、ゲートウェイ装置24は、マスタ装置42に対し、当該時点において、運転可能な電池ユニット数を通知する(ステップS85)。
ステップS86の判別において、未だ全ての電池ユニット23−1〜23−Mが起動していない場合には(ステップS86;No)、処理を再びステップS81に移行して、以下、同様の処理を行う。
以上の説明のように、電池ユニットの電圧が高い順に電池ユニット23−1〜23−Mが順次投入されて、主回路に電力が供給されることとなる。
図5は、電池ユニットの電圧が低い順に投入する場合にゲートウェイ装置における起動対象の電池ユニットの選択手順の処理フローチャートである。
ゲートウェイ装置24は、コンタクタ35を閉じていない電池ユニット23−1〜23−Mの中で、最も電圧の低い電池ユニット23−Lを選択する(ステップS91)。
ステップS92の判別において、主回路の電圧である母線電圧が0Vではなく、母線電圧と選択した電池ユニット23−Lの電圧の差が所定値を超えている場合には(ステップS92;No)、ゲートウェイ装置24は、待機状態となる。
続いて、ゲートウェイ装置24は、コンタクタ35を閉じる指令を出力したBMU36からコンタクタ35が閉じた旨の報告であるコンタクタ状態通知がなされたか否かを判別する(ステップS94)。
ステップS94の判別において、コンタクタ状態通知がなされた場合には(ステップS94;Yes)、ゲートウェイ装置24は、マスタ装置42に対し、当該時点において、運転可能な電池ユニット数を通知する(ステップS95)。
続いてゲートウェイ装置24は、全ての電池ユニット23−1〜23−Mが起動したか否かを判別する(ステップS96)。
ステップS96の判別において、全ての電池ユニット23−1〜23−Mが起動した場合には(ステップS96;Yes)、処理を終了する。
以上の説明のように、電池ユニットの電圧が低い順に電池ユニット23−1〜23−Mが順次投入されて、主回路に供給されることとなる。
図6は、電池ユニットの電圧が電池ユニットの平均値に近い順に投入する場合にゲートウェイ装置における起動対象の電池ユニットの選択手順の処理フローチャートである。
ゲートウェイ装置24は、支配下にある電池ユニット23−1〜23−Mの電圧の平均値を計算する(ステップS100)。
次にゲートウェイ装置24は、主回路の電圧である母線電圧が0Vまたは母線電圧と選択した電池ユニット23−Aの電圧の差が所定値以下であるか否かを判別する(ステップS102)。
ステップS104の判別において、未だコンタクタ状態通知がなされていない場合には(ステップS104;No)、ゲートウェイ装置24は、待機状態となる。
続いてゲートウェイ装置24は、全ての電池ユニット23−1〜23−Mが起動したか否かを判別する(ステップS106)。
ステップS106の判別において、全ての電池ユニット23−1〜23−Mが起動した場合には(ステップS106;Yes)、処理を終了する。
以上の説明のように、電池ユニットの電圧が電池ユニットの平均値に近い順に電池ユニット23−1〜23−Mが順次投入されて、電力が主回路に供給されることとなる。
図7は、電池ユニットの電圧が高い順に投入する場合にゲートウェイ装置における起動対象の電池ユニットの選択手順の処理フローチャートである。
まず、ゲートウェイ装置24は、最初に起動する電池ユニットの電圧の順番を示すインデックスN=1に初期化する(ステップS111)。
続いてゲートウェイ装置24は、N番目に高い電圧の電池ユニットから起動したと仮定したときに起動可能な電池ユニットの電圧の順位を示すインデックスをMとし、M=Nとする(ステップS113)。
次にゲートウェイ装置24は、電池ユニットの電圧が高い順番でN番目からM番目までの電池ユニットの平均電圧値を演算する(ステップS114)。
ステップS115の判別において、ステップS114で演算した電池ユニットの電圧が高い順番でN番目からM番目までの電池ユニットの平均電圧値と、(M+1)番目の電池ユニットの電圧差が所定値を超えている場合には(ステップS115;No)、処理をステップS118に移行する。
ステップS117の判別において、インデックスMの値が総電池ユニット数以下である場合には(ステップS117;Yes)、ゲートウェイ装置24は、処理を再びステップS114に移行して、以下、同様の処理を行う。
ステップS117の判別において、インデックスMの値が総電池ユニット数を超えている場合には(ステップS117;No)、ゲートウェイ装置24は、インデックスN=N+1とする(ステップS118)。
ステップS119の判別において、インデックスNの値が総電池ユニット数以下である場合には(ステップS119;No)、ゲートウェイ装置24は、処理を再びステップS112に移行し、以下、同様の処理を行う。
ステップS119の判別において、インデックスNの値が総電池ユニット数を超えた場合には(ステップS119;Yes)、起動ユニット選択のための情報収集が完了したので、インデックスNを1から電池ユニット数まで変化させて、電池ユニット数SUMNの値が最も大きいインデックスNの値を探索する(ステップS120)。すなわち、最も投入可能な電池ユニットの数が多いインデックスNの値を取得することとなる。
次にゲートウェイ装置24は、主回路の電圧である母線電圧が0Vまたは母線電圧と選択した電池ユニット23−HNの電圧の差が所定値以下であるか否かを判別する(ステップS122)。
ステップS122の判別において、主回路の電圧である母線電圧が0Vではなく、母線電圧と選択した電池ユニット23−HNの電圧の差が所定値を超えている場合には(ステップS122;No)、ゲートウェイ装置24は、待機状態となる。
続いて、ゲートウェイ装置24は、コンタクタ35を閉じる指令を出力したBMU36からコンタクタ35が閉じた旨の報告であるコンタクタ状態通知がなされたか否かを判別する(ステップS124)。
ステップS124の判別において、未だコンタクタ状態通知がなされていない場合には(ステップS124;No)、ゲートウェイ装置24は、待機状態となる。
ステップS124の判別において、コンタクタ状態通知がなされた場合には(ステップS124;Yes)、ゲートウェイ装置24は、マスタ装置42に対し、当該時点において、運転可能な電池ユニット数を通知する(ステップS125)。
ステップS126の判別において、未だ起動して投入した電池ユニットの個数が電池ユニット数SUMNとなっていない場合には(ステップS126;No)、電圧が直前に起動した電池ユニットの次に低い電圧の電池ユニットを選択し、処理を再びステップS122に移行して、以下、同様の処理を行う。
ステップS126の判別において、起動して投入した電池ユニットの個数が電池ユニット数SUMNとなった場合には(ステップS126;Yes)、処理を終了する。
以上の説明のように、最も多くの電池ユニットが投入可能な状態で、電池ユニットの電圧が高い順に電池ユニットが順次投入されて、電力が主回路に供給されることとなる。
図8は、電池ユニットの電圧が低い順に投入する場合にゲートウェイ装置における起動対象の電池ユニットの選択手順の処理フローチャートである。
まず、ゲートウェイ装置24は、最初に起動する電池ユニットの電圧の順番を示すインデックスN=1に初期化する(ステップS131)。
次にゲートウェイ装置24は、電池ユニットの電圧が低い順番でN番目からM番目までの電池ユニットの平均電圧値を演算する(ステップS134)。
ステップS135の判別において、ステップS134で演算した電池ユニットの電圧が低い順番でN番目からM番目までの電池ユニットの平均電圧値と、(M+1)番目の電池ユニットの電圧差が所定値を超えている場合には(ステップS135;No)、処理をステップS138に移行する。
次にゲートウェイ装置24は、インデックスMの値が総電池ユニット数以下であるか否かを判別する(ステップS137)。
ステップS137の判別において、インデックスMの値が総電池ユニット数を超えている場合には(ステップS137;No)、ゲートウェイ装置24は、インデックスN=N+1とする(ステップS138)。
ステップS139の判別において、インデックスNの値が総電池ユニット数以下である場合には(ステップS139;No)、ゲートウェイ装置24は、処理を再びステップS132に移行し、以下、同様の処理を行う。
次にゲートウェイ装置24は、電池ユニット23−1〜23−Mの中で、N番目に電圧の低い電池ユニット23−LNを選択する(ステップS141)。
ステップS142の判別において、主回路の電圧である母線電圧が0Vではなく、母線電圧と選択した電池ユニット23−LNの電圧の差が所定値を超えている場合には(ステップS142;No)、ゲートウェイ装置24は、待機状態となる。
続いて、ゲートウェイ装置24は、コンタクタ35を閉じる指令を出力したBMU36からコンタクタ35が閉じた旨の報告であるコンタクタ状態通知がなされたか否かを判別する(ステップS144)。
ステップS144の判別において、コンタクタ状態通知がなされた場合には(ステップS144;Yes)、ゲートウェイ装置24は、マスタ装置42に対し、当該時点において、運転可能な電池ユニット数を通知する(ステップS145)。
続いてゲートウェイ装置24は、起動して投入した電池ユニットの個数が電池ユニット数SUMNとなったか否かを判別する(ステップS146)。
ステップS146の判別において、起動して投入した電池ユニットの個数が電池ユニット数SUMNとなった場合には(ステップS146;Yes)、処理を終了する。
以上の説明のように、最も多くの電池ユニットが投入可能な状態で、電池ユニットの電圧が低い順に電池ユニットが順次投入されて、電力が主回路に供給されることとなる。
図9は、電池ユニットの電圧が全電池ユニットの平均値に近い順に投入する場合にゲートウェイ装置における起動対象の電池ユニットの選択手順の処理フローチャートである。
まず、ゲートウェイ装置24は、最初に起動する電池ユニットの電圧の順番を示すインデックスN=1に初期化する(ステップS151)。
続いてゲートウェイ装置24は、N番目に全電池ユニットの平均値に近い電圧の電池ユニットから起動したと仮定したときに起動可能な電池ユニットの電圧の順位を示すインデックスをMとし、M=Nとする(ステップS153)。
次にゲートウェイ装置24は、電池ユニットの電圧が全電池ユニットの平均値に近い順番でN番目からM番目までの電池ユニットの平均電圧値を演算する(ステップS154)。
ステップS155の判別において、ステップS154で演算した電池ユニットの電圧が全電池ユニットの平均値に近い順番でN番目からM番目までの電池ユニットの平均電圧値と、(M+1)番目の電池ユニットの電圧差が所定値を超えている場合には(ステップS155;No)、処理をステップS158に移行する。
ステップS157の判別において、インデックスMの値が総電池ユニット数以下である場合には(ステップS157;Yes)、ゲートウェイ装置24は、処理を再びステップS154に移行して、以下、同様の処理を行う。
ステップS157の判別において、インデックスMの値が総電池ユニット数を超えている場合には(ステップS157;No)、ゲートウェイ装置24は、インデックスN=N+1とする(ステップS158)。
ステップS159の判別において、インデックスNの値が総電池ユニット数以下である場合には(ステップS159;No)、ゲートウェイ装置24は、処理を再びステップS152に移行し、以下、同様の処理を行う。
次にゲートウェイ装置24は、主回路の電圧である母線電圧が0Vまたは母線電圧と選択した電池ユニット23−ANの電圧の差が所定値以下であるか否かを判別する(ステップS162)。
ステップS162の判別において、主回路の電圧である母線電圧が0Vではなく、母線電圧と選択した電池ユニット23−ANの電圧の差が所定値を超えている場合には(ステップS162;No)、ゲートウェイ装置24は、待機状態となる。
ステップS164の判別において、コンタクタ状態通知がなされた場合には(ステップS164;Yes)、ゲートウェイ装置24は、マスタ装置42に対し、当該時点において、運転可能な電池ユニット数を通知する(ステップS165)。
ステップS166の判別において、未だ起動して投入した電池ユニットの個数が電池ユニット数SUMNとなっていない場合には(ステップS166;No)、電圧が直前に起動した電池ユニットの次に全電池ユニットの平均値に近い電圧の電池ユニットを選択し(ステップS167)、処理を再びステップS162に移行して、以下、同様の処理を行う。
ステップS166の判別において、起動して投入した電池ユニットの個数が電池ユニット数SUMNとなった場合には(ステップS166;Yes)、処理を終了する。
以上の説明においては、詳細に述べなかったが、いずれの手法においても投入できない電池ユニットが発生する可能性がある。
ところで、各電池ユニット23−1〜23−Mは、各電池ユニット23−1〜23−Mが独立して放電することで各電池ユニット23−1〜23−Mの電圧バランスをとるセルバランス動作が可能とされている。ここで、セルバランス動作とは、セルモジュールを構成するセル(電池)と並列に接続/切り離し可能に設けた放電抵抗(セルバランス抵抗)を用い、セル(電池)単位で放電を行わせてセル(電池)の電圧を下げ、ひいては、セルモジュールの電圧を下げる動作である。
まず、ゲートウェイ装置24は、上述した各処理によって、電池ユニットの投入が終了した時点あるいは電池ユニットの投入処理の途中で投入できないと判断された未投入の電池ユニットが存在する場合には、各電池ユニットの電圧が主回路の電圧である母線電圧より高いか否かを判別する(ステップS171)。
次にゲートウェイ装置24は、未投入の電池ユニットの電圧が主回路の電圧である母線電圧との差が所定電圧以下となったか否かを判別する(ステップS173)。ここで、所定電圧とは、当該未投入の電池ユニットを投入可能と判断される電圧である。
ステップS175の判別において、未投入の電池ユニットの電圧が主回路の電圧である母線電圧との差が所定電圧以下となっている場合には(ステップS175;Yes)、当該未投入の電池ユニットは、投入可能な状態となっているので、その後投入されることとなる。
以上のセルバランス動作は、電池ユニット23−1〜23−Mのセルモジュール31構成するに並列にセルバランス抵抗を接続/切り離し可能としてセル(電池)単位で放電を行わせるものを想定していたが、セルモジュール31と並列にモジュールバランス抵抗を接続/切り離し可能とし、セルモジュール単位で放電をおこなわせるように構成することも可能である。
そこで、これを防ぐために、ゲートウェイ装置24は、マスタ装置42からの通信により蓄電池装置の電力供給先が充放電可能状態にあると判断したときは、電池ユニットの接続を行う主回路電圧と電池ユニット電圧の差を起動時よりも小さい値に設定するようにすることができる。
また、本実施形態の蓄電池装置の制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
11 蓄電池装置
12 電力変換装置
12A UPS
21 電池盤
22 電池端子盤
23−1〜23−M 電池ユニット
24 ゲートウェイ装置(接続制御手段)
25 直流電源装置
31 セルモジュール(組電池群)
32 CMU
33 サービスディスコネクト
34 電流センサ
35 コンタクタ(電磁接触器)
36 BMU
41−1〜41-N 盤遮断機
42 マスタ装置
51 制御電源線
52 制御通信線
LH 高電位側電源供給ライン(高電位側電源供給線)
LL 低電位側電源供給ライン(低電位側電源供給線)
LHO、LLO 出力電源ライン(出力電源線;母線)
Claims (13)
- 複数の組電池群と、
前記組電池群のそれぞれに対応し、対応する組電池群を出力電源線に電気的に接続する複数の電磁接触器と、
前記組電池群の電圧と前記出力電源線の電圧との電圧差が、所定電圧以下である組電池群を接続対象と判断し、当該組電池群を対応する前記電磁接触器を介して前記出力電源線に接続する接続制御手段と、
を備えた蓄電池装置。 - 前記接続制御手段は、前記出力電源線に未接続の組電池群のうち、最も電圧の高い組電池群を前記接続対象の候補とする、
請求項1記載の蓄電池装置。 - 前記接続制御手段は、前記出力電源線に未接続の組電池群のうち、最も電圧の低い組電池群を前記接続対象の候補とする、
請求項1記載の蓄電池装置。 - 前記接続制御手段は、前記出力電源線に接続可能な全組電池群の平均電圧を求め、
前記出力電源線に未接続の組電池群のうち、最も電圧が前記平均電圧に近い組電池群を前記接続対象の候補とする、
請求項1記載の蓄電池装置。 - 前記接続制御手段は、前記出力電源線に接続可能な全組電池群のうち、最初に前記出力電源線に接続した場合に、最も多く他の前記組電池群を前記出力電源線に接続できる組電池群を判別する、
請求項1記載の蓄電池装置。 - 前記接続制御手段は、前記判別を行うに際し、最も多く他の前記組電池群を前記出力電源線に接続できる組電池群のうち、最も電圧の高い組電池群を最初に前記出力電源線に接続する組電池群として判別する、
請求項5記載の蓄電池装置。 - 前記接続制御手段は、前記判別を行うに際し、最も多く他の前記組電池群を前記出力電源線に接続できる組電池群のうち、最も電圧の低い組電池群を最初に前記出力電源線に接続する組電池群として判別する、
請求項5記載の蓄電池装置。 - 前記接続制御手段は、前記出力電源線に接続可能な全組電池群の平均電圧を求め、
前記判別を行うに際し、最も多く他の前記組電池群を前記出力電源線に接続できる組電池群のうち、最も電圧が前記平均電圧に近い組電池群を最初に前記出力電源線に接続する組電池群として判別する、
請求項5記載の蓄電池装置。 - 前記接続制御手段は、前記所定電圧を、前記組電池群を前記出力電源線に接続した場合に前記電磁接触器に流れる電流が許容可能範囲となるように設定する、
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の蓄電池装置。 - 前記接続制御手段は、前記出力電源線に接続される負荷としての装置が、充放電可能な状態である場合に、前記所定電圧を通常時よりも低く設定する、
請求項9記載の蓄電池装置。 - 前記出力電源線の電圧との電圧差が、所定電圧を超えて高い前記組電池群について、前記出力電源線の電圧差が所定電圧が以下となるように、当該組電池群を構成する電池毎あるいは当該組電池群に放電を行わせる放電手段を備えた請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の蓄電池装置。
- 複数の組電池群と、前記組電池群のそれぞれに対応し、対応する組電池群を出力電源線に電気的に接続する複数の電磁接触器と、を備えた蓄電池装置で実行される蓄電池装置の制御方法であって、
前記組電池群の電圧と、前記出力電源線の電圧との電圧差を求める過程と、
前記電圧差が所定電圧以下である場合に当該組電池群を接続対象と判断する過程と、
当該組電池群を対応する前記電磁接触器を介して前記出力電源線に接続する過程と、
を備えた蓄電池装置の制御方法。 - 複数の組電池群と、前記組電池群のそれぞれに対応し、対応する組電池群を出力電源線に電気的に接続する複数の電磁接触器と、を備えた蓄電池装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記組電池群の電圧と、前記出力電源線の電圧との電圧差を求める手段と、
前記電圧差が所定電圧以下である場合に当該組電池群を接続対象と判断する手段と、
当該組電池群を対応する前記電磁接触器を介して前記出力電源線に接続する手段と、
して機能させる制御プログラム。
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