JP2013075781A - カーボンナノファイバー、およびカーボンナノファイバー分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い導電性を有し、分散剤を使用しなくても、分散媒への分散性および分散安定性が良いカーボンナノファイバー、ならびにこのカーボンナノファイバーを用いる分散液を提供することを目的とする。
【解決手段】 波長が514.5nmであるアルゴンイオンレーザーを使用するラマン分光測定におけるDバンドの半値幅が、70〜90cm−1であることを特徴とする、カーボンナノファイバーである。また、このカーボンナノファイバーと、分散媒とを含む、カーボンナノファイバー分散液である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カーボンナノファイバー、およびカーボンナノファイバー分散液に関する。より詳しくは、溶媒に対する分散性に優れたカーボンナノファイバー、およびこのカーボンナノファイバーを含む分散液に関する。
現在、カーボンナノファイバーを代表とした各種のカーボンナノ材料が開発されており、カーボンナノファイバーは、例えば、プラスチック、セラミックス、塗料等のフィラーとして好適であり、また、各種成形材料、部品、電池やキャパシター等の各種分野の導電性付与材や補強剤等に広く使用されている。
しかしながら、これらのカーボンナノ材料は、一般に、製造されたままの状態では、凝集体を形成しており、十分に分散させた状態にすることが難しい。このため、製品にした際に特性を十分に発揮できない、という問題がある。
従来、カーボンナノファイバーの分散性を高める手段として、例えば、環内に、アミド基またはエステル基を含有するラクタム化合物を主体とする分散剤(特許文献1)等が知られている。
しかしながら、カーボンナノファイバー表面に分散剤が存在するため、カーボンナノファイバーの導電性が低下するおそれがある。また、特に、電池やキャパシターの分野では、分散剤の分解が問題になるため、分散剤を用いないカーボンナノファイバー分散液が求められている。
一方、分散剤を用いることなく、カーボンナノチューブを分散させる分散液として、カーボンナノチューブ表面に、COOR基(式中、Rは、水素または炭素数1もしくは2アルキル基等である)およびOR基(式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基である)が結合した、カーボンナノチューブ化合物を含むカーボンナノチューブ分散液(特許文献2)が知られている。
しかしながら、このカーボンナノチューブ化合物は、製造プロセスが煩雑であり、高コストである、という問題がある。
また、カーボンナノファイバーの分散液の製造の一例として、カーボンナノファイバーを硝酸と硫酸の混合液を用いて表面酸化処理を行う方法も開示されている(特許文献3の第0035段落)。
しかしながら、この表面酸化処理の方法で得られたカーボンナノファイバーは、分散媒への分散性が十分ではない場合がある、という問題がある。
本発明者らは、カーボンナノファイバーの分散性を阻害する原因が、カーボンナノファイバーの表面に存在するグラファイトの欠陥構造であると考え、このグラファイト構造の欠陥を分析する方法としてラマン分光測定を行った。ラマン分光測定では、1590cm−1付近にグラファイト由来のGバンドが、1350cm−1付近にグラファイトの欠陥に由来するDバンドが、現れる。カーボンナノチューブのラマン分光測定については、導電性の向上を目的として、GバンドとDバンドの高さ比が5以上であるカーボンナノチューブ(特許文献4)、または30以上であるカーボンナノチューブ(特許文献5)が報告されている。
しかしながら、カーボンナノファイバーのGバンドとDバンドの高さ比と、カーボンナノファイバーの分散性との間には、有意な関係は見出せない。
特開2006−327878号公報 特開2008−81384号公報 特開2009−272041号公報 特開2009−149503号公報 特開2009−29695号公報
本発明は、従来の上記問題および要求を解決したものである。本発明者らは、ラマン分光測定における1350cm−1付近に現れるDバンドの半値幅を特定範囲内にすることにより、カーボンナノファイバーの分散性を向上できることを見出した。本発明は、高い導電性を有し、分散剤を使用しなくても、分散媒への分散性および分散安定性が良いカーボンナノファイバー、ならびにこのカーボンナノファイバーを用いる分散液を提供することを目的とする。
本発明は、以下に示す構成によって上記課題を解決するカーボンナノファイバー、およびカーボンナノファイバー分散液に関する。
(1)波長が514.5nmであるアルゴンイオンレーザーを使用するラマン分光測定におけるDバンドの半値幅が、70〜90cm−1であることを特徴とする、カーボンナノファイバー。
(2)上記(1)のカーボンナノファイバーと、分散媒とを含有する、カーボンナノファイバー分散液。
本発明(1)によれば、高い導電性を有し、分散媒への分散性および分散安定性が良いカーボンナノファイバーが提供される。また、本発明(2)によれば、分散性および分散安定性が良いカーボンナノファイバー分散液が得られる。
実施例1のカーボンナノファイバーのラマン分光測定結果である。 実施例1および比較例1のカーボンナノファイバーのラマン分光測定結果である。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。なお、%は特に示さない限り、また数値固有の場合を除いて質量%である。
〔カーボンナノファイバー〕
本発明のカーボンナノファイバーは、波長が514.5nmであるアルゴンイオンレーザーを使用するラマン分光測定におけるDバンドの半値幅が、70〜90cm−1であることを特徴とする。
カーボンナノファイバーは、直径が1〜1000nmで、アスペクト比が5以上のものをいい、直径が1〜100nmで、アスペクト比が10〜1000であると好ましい。また、カーボンナノファイバーは、X線回折測定によるグラファイトの[002]面の面間隔が、0.35nm以下であると好ましい。上記直径とアスペクト比のカーボンナノファイバーは、溶媒中で均一に分散し易く、分散液を乾燥して形成される塗膜中で、相互に十分な接触点を形成することができる。X線回折測定によるグラファイト層の[002]面の面間隔が上記範囲内であるカーボンナノファイバーは、結晶性が高いため、電気抵抗が小さい。さらに、カーボンナノファイバーの圧密体の体積抵抗値が1.0Ω・cm以下であると、良好な導電性を発揮することができる。
ここで、直径は、透過型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を観察して求めた平均直径である(n=50)。アスペクト比は、透過型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を観察して、(長さ/直径)を計算して求める(n=50)。X線回折測定は、CuKα線により行う。カーボンナノファイバーの圧密体の体積抵抗値は、試料粉末を円筒ドーナツ状のPP製絶縁ジグに入れ、開口部の両端を円筒の真鍮電極によって100kgf/cmで加圧し、真鍮電極間の抵抗値をデジタルマルチメーターによって測定し、この測定値から算出する。
カーボンナノファイバーは、気相成長法で作製され、触媒が、Fe、Ni、Co、Mn、Cu、Mg、AlおよびCaの酸化物からなる群より選ばれる1種または2種以上の系であると、好ましい直径、アスペクト比、グラファイト層の[002]面の面間隔のカーボンナノファイバーを得られ易いので、好ましい。
なお、一酸化炭素を主な原料ガスとした気相成長法によって製造されたカーボンナノファイバーを用いると、本発明の効果をより発揮することができる。この一酸化炭素を主な原料ガスとした気相成長法によって製造されたカーボンナノファイバーは、分散性に優れ、かつ透明性も優れている。また、一酸化炭素を主な原料ガスとした気相成長法によって製造されたカーボンナノファイバーは、トルエン着色透過量を95%以上にすることができ、カーボンナノファイバーの透明性を向上させることができる。ここで、トルエン着色透過量の測定は、JISK6218−4「ゴム用カーボンブラック−付随的特性−第4部:トルエン着色透過度の求め方」に準拠して行う。
次に、カーボンナノファイバーの波長が514.5nmであるアルゴンイオンレーザーを使用するラマン分光測定におけるDバンドの半値幅(Δν)は、70〜90cm−1である。図1に、実施例1のカーボンナノファイバーのラマン分光測定結果を示す。図1に示すように、カーボンナノファイバーのラマン分光測定では、1360cm−1付近にDバンドが現れ、1590cm−1付近にGバンドが現れる。図1からわかるように、DバンドとGバンドは、ピーク末端が重なっている。Δνを求める際には、ベースラインを4次関数で曲線補正した後、4成分のローレンツ関数近似によるフィッティングにより、DバンドとGバンドの分離を行ってから、分離の後のDバンドのΔνを算出する。このとき、Gバンドの半値幅(Δν)は、56cm−1に固定する。このΔνが、70cm−1未満であると、カーボンナノファイバーの溶媒への分散性が十分ではなく、一方、Δνが、90cm−1を超えると、カーボンナノファイバーの結晶性が低下しすぎ、導電性が低下してしまう。このΔνは、製造したままのカーボンナノファイバーでは、60〜65程度であり、カーボンナノファイバーに特定の親水化処理をすることにより、Δνが、70〜90cm−1となる。Δνの増加は、グラファイト構造の結晶性低下を示すものであり、カーボンナノファイバー表面の親水基の増加等に起因する、と考えられる。
図2に、実施例1および比較例1のカーボンナノファイバーのラマン分光測定結果を示す。実施例1では、カーボンナノファイバーは、後述するオゾン処理と混酸の酸化処理を行っている。一方、比較例1は、気相成長法で製造したままのカーボンナノファイバーである。図2での実施例1と比較例1との比較からわかるように、実施例1では、Dバンドがブロードに、すなわち、Δνが大きくなっていることがわかる。
ラマン分光測定は、ジョバンイボン(Jobin Yvon)製ラマン分光装置で行う。測定条件を以下に示す。
光 源 :Arレーザー(波長:514.5nm)
測定モード:マクロラマン
測定配置 :60°
ビーム径 :100μm
レーザーパワー:10mW
回折格子 :Single 600gr/mm
分 散 :21A/mm
スリット :100μm
検出器 :CCD/ジョバンイボン(Jobin Yvon) 1024×256
また、カーボンナノファイバーは、Gバンドのピーク波数(ν)が、1586〜1592cm−1であると、カーボンナノファイバーの結晶性の観点から好ましい。νが1586cm−1以上であると、カーボンナノファイバーの溶媒への分散性が十分であり、一方、νが、1592cm−1以下であると、カーボンナノファイバーの結晶性が低下せず、カーボンナノファイバーが高導電性である。なお、一般に、νは、高結晶性のグラファイトでは1580cm−1付近にピークを示すが、アモルファスカーボンでは1600−1付近にピークを示す。
また、カーボンナノファイバーは、〔Dバンドの面積強度(A)/Gバンドの面積強度(A)〕が、1.6〜2.0であると、好ましい。A/Aが1.6以上であると、カーボンナノファイバーの溶媒への分散性が十分であり、一方、A/Aが2.0以下であると、カーボンナノファイバーの結晶性が低下せず、カーボンナノファイバーが高導電性である。
波長:514.5nmで、レーザーパワーが10mWのArレーザーでのラマン分光測定におけるDバンドの半値幅(Δν)が、70〜90cm−1であるカーボンナノファイバーは、例えば、以下のようにして製造することができる。原料となるカーボンナノファイバー(以下、原料ファイバーという)は、特に限定されないが、上述のように、一酸化炭素を主な原料ガスとした気相成長法によって製造されたカーボンナノファイバーを用いると、好ましい。原料ファイバーを、オゾン処理した後、硫黄含有強酸と酸化剤を含む混酸で酸化処理すると、原料ファイバーのΔνを高くし、原料ファイバーの表面の親水化を促進することができる。
まず、原料ファイバーにオゾン処理を行う。オゾン処理を混酸の酸化処理前に行うことで、原料ファイバー表面が親水化し、さらに後工程の混酸での酸化処理によって親水化が促進される。詳細には、オゾン処理によって、オゾンと、周囲の酸素、窒素、水分等が反応して、原料ファイバー表面に、カルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシル基等の極性官能基が形成され、原料ファイバー表面が親水化すると、考えられる。
オゾン処理でのオゾン量は、50〜200g/Nm(流速:1dm/min)であると好ましい。オゾン量が、50g/Nm未満と弱すぎても十分な濡れ性および分散性が得られず、また、200g/Nmを超えて強すぎても、カーボンナノファイバーの結晶に欠陥を増加させてしまい、カーボンナノファイバーの導電性が低下してしまう。また、オゾン処理時間は、10〜120/分であると好ましい。オゾン処理時間が10分未満と短すぎても十分な濡れ性および分散性が得られず、また、120分を超えて長すぎても、カーボンナノファイバーの結晶に欠陥を増加させてしまい、カーボンナノファイバーの導電性が低下してしまう。このオゾン処理の好ましい範囲は、日本オゾン社製オゾン発生装置(型番:ON−3−2型)を使用したときの値である。
次に、オゾン処理後の原料ファイバーに、硫黄含有強酸と酸化剤を含む混酸で酸化処理を行う。例えば、原料ファイバーに、硫酸等の硫黄含有強酸と、硝酸等の酸化剤を含む混酸を加えて、スラリーとし、このスラリーを加熱下で攪拌した後、濾過し、残留する酸を洗浄して除去すればよい。この酸化処理によって、原料ファイバーの表面に、カルボニル基やカルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシル基などの極性官能基が形成されるので親水化することができる。具体例としては、コロナ放電後の原料ファイバー(ファイバー)を、硝酸(濃度60%)と硫酸(濃度95%以上)の混合液に、ファイバー:硝酸:硫酸=1質量部:5質量部:15質量部の割合で混合し、加熱して表面酸化処理を行う。得られた溶液を濾過し、数回水洗を行って残留する酸を洗い流し、その後、乾燥して粉末化し、カーボンナノファイバーを製造することができる。なお、この酸化処理で、カーボンナノファイバーの触媒の少なくとも一部を除去することができる。
〔カーボンナノファイバー分散液〕
本発明のカーボンナノファイバーは、上記カーボンナノファイバーと、分散媒とを含有する。
分散媒の種類は限定されず、例えば、水系、アルコール系、ケトン系、エステル系などの溶媒を用いることができる。上記カーボンナノファイバーは、表面に極性官能基が形成されていると考えられるので、分散媒としては、極性溶媒が好ましい。また、分散性の観点から、分散媒としては、水、エタノール、イソプロパノール(IPA)、シクロヘキサノン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン(NMP)、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトンが、より好ましい。
分散媒の含有量は、カーボンナノファイバー分散液:100質量部に対して、50〜99質量部であると、好ましい。この含有量が50質量部以上であれば、カーボンナノファイバーを溶媒中に、十分に分散できる。一方、この含有量が99質量部以下であれば、カーボンナノファイバー分散液から形成される塗膜に十分な導電性が得られる。
カーボンナノファイバー分散液は、本発明の目的を損なわない範囲で、更に必要に応じ、慣用の各種添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、レベリング剤、粘度調整剤、消泡剤、硬化触媒、酸化防止剤等が挙げられる。
カーボンナノファイバー分散液は、上述の成分を、常法により、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、セントリミル、三本ロール等によって混合し、カーボンナノファイバー等を分散させ、作製することができる。無論、通常の攪拌操作によって作製することもできる。
このカーボンナノファイバー分散液を、基材上に、塗布し、乾燥して、導電性膜を簡便に得ることができる。基材は、当業者に公知のものでよく、特に限定されない。基材としては、プラスチック成形体、ガラス基板等が挙げられる。
なお、カーボンナノファイバー分散液は、バインダー成分を含有させて、カーボンナノファイバー組成物として使用することができる。バインダー成分としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、塩ビ−酢ビ樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
バインダー成分の含有量は、カーボンナノファイバー組成物:100質量部に対して、5〜60質量部であると、カーボンナノファイバー組成物の塗工性、密着性の観点から、好ましい。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
《カーボンナノファイバーの製造》
Co、Mg酸化物を触媒にし、一酸化炭素を主な原料ガスとして気相成長法によって合成された平均直径:20nmのカーボンナノファイバー(以下、CNFという)を、原料として使用した。
使用したCNFのアスペクト比は、10〜1000であり、X線回折測定によるグラファイトの[002]面の面間隔は、0.339〜0.344nmであり、圧密体の体積抵抗率は、0.06Ω・cmであった。また、一酸化炭素を原料とする場合のトルエン着色透過率は、98〜99%であった。CNFの平均直径は、透過型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を観察して求めた(n=50)。アスペクト比は、透過型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を観察して、(長さ/直径)を計算して求めた(n=50)。X線回折測定は、CuKα線により行った。トルエン着色透過量の測定は、JISK6218−4「ゴム用カーボンブラック−付随的特性−第4部:トルエン着色透過度の求め方」に準拠して行った。
このCNFを、オゾン処理した。オゾン処理は、日本オゾン社製オゾン発生装置(型番:ON−3−2型)を用い、10質量%のカーボンナノファイバー水分散液に、150g/Nm(流速:1dm/min)の条件でオゾンガスを60分間吹き込み、その後、ろ過、乾燥して粉末化し、カーボンナノファイバーを得た。
次に、オゾン処理後のCNFを、硝酸(濃度60%)と硫酸(濃度95%以上)の混合液に、CNF:硝酸:硫酸=1質量部:5質量部:15質量部の割合で混合し、加熱して表面酸化処理を行った。得られた溶液を濾過し、5回水洗を行って残留する酸を洗い流した。その後、乾燥して粉末化し、カーボンナノファイバーを得た。
《カーボンナノファイバーの評価》
CNFのラマン分光測定を、ジョバンイボン(Jobin Yvon)製ラマン分光装置で行った。測定条件を以下に示す。
光 源 :Arレーザー(波長:514.5nm)
測定モード:マクロラマン
測定配置 :60°
ビーム径 :100μm
レーザーパワー:10mW
回折格子 :Single 600gr/mm
分 散 :21A/mm
スリット :100μm
検出器 :CCD/ジョバンイボン(Jobin Yvon) 1024×256
Dバンドの実測値は、1355.3cm−1、Gバンドの実測値は、1590.3cm−1であった。これらの実測値は、3回測定の平均値である。表2に、Dバンドの半値幅(Δν)、Gバンドのピーク波数(ν)、〔Dバンドの面積強度(A)/Gバンドの面積強度(A)〕、〔Gバンドのピーク強度(I)/Dバンドのピーク強度(I)〕を示す。
次に、CNFの圧密体の体積抵抗値を測定した。表2に、結果を示す。CNFの圧密体の体積抵抗値は、試料粉末を円筒ドーナツ状のPP製絶縁ジグに入れ、開口部の両端を円筒の真鍮電極によって100kgf/cmで加圧し、真鍮電極間の抵抗値をデジタルマルチメーターによって測定し、この測定値から算出した。
《カーボンナノファイバー分散液の製造》
次に、上記の粉末化したCNF:0.5g(5質量部)と、水:9.5g(95質量部)を、ホモミキサーを用いて混合し、CNF分散液を製造した。
《カーボンナノファイバー分散液の評価》
製造したCNF分散液の分散度の評価を行った。均一にCNFが分散したCNF分散液ができなかった場合、分散度を「×」にした。次に、均一にCNFが分散したCNF分散液ができたものについて、CNF分散液を、室温で静置し、10日後に目視で、CNFの沈降が確認できない場合を「◎」、CNFの沈降は確認されないが、CNF分散液にわずかな濁りが確認された場合を「○」、CNFの沈降が確認できた場合を「△」とした。すなわち、分散度が◎と○の場合は、分散性および分散安定性がよいことを示し、分散度が△の場合は、初期の分散性はよいが、分散安定性が悪いことを示し、分散度が×の場合は、初期の分散性が悪いことを示す。表2に、結果を示す。
〔実施例2〜13〕
表1に記載した組成になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、CNF、CNF分散液を製造し、評価を行った。なお、実施例9のCを原料とするCNFのトルエン着色透過率は、93%であった。表2に、結果を示す。
〔比較例1〕
原料として使用したCNFを用い、実施例1と同様に評価を行った。また、このCNFにオゾン処理および酸化処理をしなかったこと以外は、実施例1と同様にして、CNF分散液を作製し、評価を行った。表2に、結果を示す。
〔比較例2〕
CNFにオゾン処理をしなかったこと以外は、実施例1と同様にして、CNF、CNF分散液を作製し、評価を行った。表2に、結果を示す。
〔比較例3、4〕
表1に記載した条件で、CNFにオゾン処置をしたこと以外は、実施例1と同様にして、CNF、CNF分散液を作製し、評価を行った。表2に、結果を示す。
〔比較例5〕
CNFに酸化処理をしなかったこと以外は、実施例1と同様にして、CNF、CNF分散液を作製し、評価を行った。表2に、結果を示す。
〔比較例6〕
CNFの酸化処理を濃硝酸で行ったこと以外は、実施例1と同様にして、CNF、CNF分散液を作製し、評価を行った。表2に、結果を示す。
表2からわかるように、実施例1〜13の全てで、Δνが70〜90cm−1であり、十分に低い体積抵抗値と、良好な分散度、すなわち良好な分散性と分散安定性を示した。これに対して、CNFにオゾン処理および酸化処理をしなかった比較例1は、Δνが60で、初期の分散性が悪かった。CNFにオゾン処理をしなかった比較例2と、オゾン処理が弱すぎた比較例3は、Δνが65と66で、分散安定性が悪かった。一方、オゾン処理が強すぎた比較例4は、Δνが100で、体積抵抗値が高かった。また、CNFに酸化処理をしなかった比較例5は、Δνが64で、初期の分散性が悪かった。CNFの酸化処理を濃硝酸で行った比較例6は、Δνが100で、体積抵抗値が高かった。

Claims (2)

  1. 波長が514.5nmであるアルゴンイオンレーザーを使用するラマン分光測定におけるDバンドの半値幅が、70〜90cm−1であることを特徴とする、カーボンナノファイバー。
  2. 請求項1のカーボンナノファイバーと、分散媒とを含有する、カーボンナノファイバー分散液。
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