JP2013075774A - 無機質多孔体及びその製造方法 - Google Patents

無機質多孔体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無機質骨材を主成分とする焼結体からなる無機質多孔体において、吸水性能が高く、焼結による収縮が抑制されて生産性の高い無機質多孔体とその製造方法を提供する。
【解決手段】無機質多孔体に含まれる無機質骨材1は、溶融したガラス粉末2及びリン酸アルミニウム3によって結合されて一体化している。この無機質多孔体は、無機質骨材1を60〜90重量%、ガラス粉末を10〜30重量%及びリン酸アルミニウム3を2〜20重量%混合して混合物を得る工程と、この混合物を成形して成形体を得る工程と、この成形体を乾燥させた後に600〜900℃で焼結する工程とを含む方法によって製造される。
【選択図】図1

Description

本発明は、シラスバルーン等の無機質骨材を主成分とする焼結体からなる無機質多孔体及びその製造方法に関するものである。
従来より、内外装用の吸音材、透水材及び保水材等を形成するための無機質軽量多孔体が開発されている。例えば、特許文献1には、無機質軽量粒子と溶融温度600℃以上の無機質細粒とを焼結してなる無機質軽量多孔体及びその製造方法が開示されている。
特開昭60−231475号公報
しかしながら、特許文献1に開示された無機質軽量多孔体の製造方法では、溶融した無機質細粒がフローすることで無機質軽量粒子表面の細孔を覆ってしまうため、高い吸水性能を有する無機質軽量多孔体が得られなかった。
また、上記の製造方法では、上記のように溶融してフローした無機質細粒が無機質軽量粒子表面を覆うことによって無機質軽量粒子同士が近づくため、無機質軽量多孔体の焼結による収縮が大きくなる。従って、必要な大きさや形状を有する無機質軽量多孔体を得るには、材料の配合比や加熱方法等の諸条件を十分に検討しなければならず、その分、生産性が低かった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、吸水性能が高く、焼結による収縮が抑制されて生産性の高い無機質多孔体及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、無機質骨材同士を連結する結合材がガラス粉末及び無機添加剤を含有するようにした。
この請求項1の発明の無機質多孔体は、無機質骨材を主成分とする焼結体からなる無機質多孔体であって、上記無機質骨材同士を連結する結合材は、ガラス粉末及び無機添加剤を含有することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、焼結時にガラス粉末が溶融状態になっても、無機添加剤の存在によって溶融ガラスのフローが邪魔されて当該フローが制限され、溶融ガラスが無機質骨材表面を覆って細孔を塞ぐ箇所が殆ど発生しないため、無機質多孔体の吸水性能が向上する。そして、上記のように無機添加剤が溶融ガラスのフローを制限するため、溶融ガラスの溶融状態をフローしない程度に制御するための温度制御が不要となる。
また、請求項1の発明によれば、無機添加剤の存在によって溶融ガラスのフローが制限されて無機質骨材同士が近づかないため、焼結による無機質多孔体全体の収縮が小さくなる。このように無機質多孔体全体の収縮が小さくなることで、内部応力によるクラックの発生が少なくなる。従って、製品歩留まりが向上する。
更に、請求項1の発明によれば、上記のように無機質多孔体全体の収縮によるクラックの発生が少ないため、従来のように温度調整によってクラックの発生を抑制する必要がなく、焼成炉内の温度管理が容易になる。
請求項2の発明の無機質多孔体は、上記請求項1の発明の無機質多孔体において、上記無機添加剤は、リン酸アルミニウムであることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、リン酸アルミニウムが溶融ガラスのフローを効果的に制限するため、上記請求項1の発明の効果を顕著に奏することができる。
請求項3の発明の無機質多孔体は、上記請求項1又は請求項2の発明の無機質多孔体において、混合物に含有された有機繊維が焼結によって焼失することにより形成された焼失痕からなる空洞を有することを特徴とする。
この請求項3の発明によれば、焼結前の混合物に含有された有機繊維が焼結によって焼失し、その焼失痕からなる空洞が無機質多孔体に形成されるため、無機質多孔体の吸水性能が更に向上する。
請求項4の発明の無機質多孔体は、上記請求項3の発明の無機質多孔体において、上記有機繊維は、木質繊維であることを特徴とする。
この請求項4の発明によれば、有機繊維として比較的安価な木質繊維を用いるため、コストを抑えつつ無機質多孔体の吸水性能を向上させることができる。
請求項5の発明の無機質多孔体の製造方法は、無機質骨材を主成分とする焼結体からなる無機質多孔体の製造方法であって、上記無機質骨材60〜90重量%、ガラス粉末10〜30重量%及びリン酸アルミニウム2〜20重量%を混合して混合物を得る工程と、上記混合物を成形して成形体を得る工程と、上記成形体を乾燥させた後に600〜900℃で焼結する工程と、含むことを特徴とする。
この請求項5の発明によれば、上記請求項1又は請求項2の発明に係る無機質多孔体を容易に得ることができる。
尚、上記無機質骨材は上記混合物全体に対して60〜90重量%添加されるのが好ましい。無機質骨材が混合物全体に対して60重量%を下回ると軽量性が損なわれて所望の無機質多孔体が得られず、90重量%を上回ると無機質多孔体に必要な強度が損なわれるからである。
また、上記ガラス粉末は上記混合物全体に対して10〜30重量%添加されるのが好ましい。ガラス粉末が混合物全体に対して10重量%を下回ると無機質多孔体の強度が低下し、30重量%を上回ると無機質多孔体が重くなり軽量性が損なわれるからである。
また、上記リン酸アルミニウムは上記混合物全体に対して2〜20重量%添加されるのが好ましく、特に2〜10重量%添加されるのが好ましい。リン酸アルミニウムが混合物全体に対して2重量%を下回ると成形体が欠損し易く取り扱いが困難となって生産性が低下し、10重量%を上回るとリン酸アルミニウムが比較的高価なため経済性が低下し、更に20重量%を上回ると無機質多孔体の吸水率が低下してしまうからである。
更に、焼結温度は600〜900℃程度が好ましい。この焼結温度が600℃を下回ると、十分な焼結が行われない一方、900℃を上回ると、無機質骨材が溶融してしまうからである。
請求項6の発明の無機質多孔体の製造方法は、上記請求項5の発明の無機質多孔体の製造方法において、上記混合物は、有機繊維を含有することを特徴とする。
この請求項6の発明によれば、上記請求項3の発明に係る無機質多孔体を得ることができる。
以上説明したように、請求項1の発明の無機質多孔体によると、溶融ガラスが無機質骨材表面を覆って細孔を塞ぐ箇所が殆ど発生せず、無機質多孔体の吸水性能が向上する。そして、溶融ガラスの溶融状態を制御するための温度制御が不要になる。また、無機質多孔体全体の収縮が小さくなることで内部応力によるクラックの発生が少なくなる。更に、クラックの発生が抑制されることで焼成炉内の温度管理が容易になる。
請求項2の発明の無機質多孔体によると、リン酸アルミニウムが溶融ガラスのフローを効果的に制限するため、請求項1の発明の効果を顕著に奏することができる。
請求項3の発明の無機質多孔体によると、焼結前の混合物に含有された有機繊維が焼結によって焼失し、その焼失痕からなる空洞が無機質多孔体に形成されるため、該無機質多孔体の吸水性能が更に向上する。
請求項4の発明の無機質多孔体によると、有機繊維として比較的安価な木質繊維を用いるため、コストを抑えつつ無機質多孔体の吸水性能を向上させることができる。
請求項5の発明の無機質多孔体の製造方法によると、上記請求項1又は請求項2の発明に係る無機質多孔体を得ることができる。
請求項6の発明の無機質多孔体の製造方法によると、上記請求項3の発明に係る無機質多孔体を得ることができる。
本発明の実施形態に係る無機質多孔体の構造を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る無機質多孔体の製造方法における無機質多孔体の焼結前後における構造の変化を説明するための図である。 従来の無機質多孔体の製造方法における無機質多孔体の焼結前後における構造の変化を説明するための図である。 実施例及び比較例として製造した無機質多孔体の原料となる混合物の成分の割合並びに無機質多孔体の厚さ変化率及び吸水率を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
−無機質多孔体の構成−
本発明の実施形態に係る無機質多孔体は、無機質骨材1を主成分とする焼結体からなるものであって、図1に示すように、当該無機質骨材1同士を連結する結合材は、ガラス粉末2及び無機添加剤3を含有している。そして、上記無機質多孔体は、上記無機質骨材1と上記結合材との混合物を成形して成形体を得て、この成形体を乾燥させて一次成形品を得て、更にこの一次成形品を焼結することによって得られる。
上記無機質骨材1は、シラスバルーン及びパーライト等の軽量骨材又は発泡体であって、その粒径は0.5〜6.0mmである。粒径が0.5mmを下回ると無機質骨材1の比表面積が大きくなり、結合材が多量に必要となって生産性が低下し、6.0mmを上回ると無機質多孔体に形成される空隙が大きくなることで保水効果が得られにくくなるからである。この無機質骨材1は、上記混合物全体の60〜90重量%添加されるのが好ましい。無機質骨材1の割合が60重量%を下回ると無機質多孔体の軽量性が損なわれて所望の無機質多孔体が得られず、90重量%を上回ると無機質多孔体に必要な強度が損なわれてしまうからである。
上記結合材は、ガラス粉末2及び無機添加剤としてリン酸アルミニウム3を含有している。ガラス粉末2は、その粒径が0.05〜0.5mmである。粒径が0.05mmを下回ると無機質骨材1の表面細孔を埋めてしまって無機質多孔体の保水効果が得られにくくなるからであり、0.5mmを上回ると得られる無機質多孔体の空隙が大きくなって該無機質多孔体の所望の強度が得られないからである。このガラス粉末2は、上記混合物全体の10〜30重量%添加されるのが好ましい。ガラス粉末2の割合が10重量%を下回ると無機質多孔体の強度が低下し、30重量%を上回ると無機質多孔体が重くなるからである。
上記リン酸アルミニウム3は、第一リン酸アルミニウムが好ましい。第一リン酸アルミニウムは耐水性を有しており、この第一リン酸アルミニウムを用いて得られる無機質多孔体の用途が広がるからである。リン酸アルミニウム3は、固形分として上記混合物全体の2〜20重量%添加されるのが好ましい。リン酸アルミニウム3の固形分の割合が2重量%を下回ると上記成形体が欠損し易く、取り扱いが困難となって生産性が低下してしまい、10重量%を上回るとリン酸アルミニウム3が比較的高価なため経済性が低下し、更に20重量%を上回ると無機質多孔体の吸水性能が低下してしまうからである。
尚、上記混合物には、有機繊維、特に木質繊維の粉末を添加してもよい。木質繊維は、繊維長が15mm以下程度のものである。この木質繊維は、上記混合物全体の1〜10重量%添加されるのが好ましい。木質繊維の割合が1重量%を下回ると保水性向上の効果が得られず、10重量%を上回ると一次成形品の保型性が低下し、焼結後の強度も空隙によって低下するからである。
−無機質多孔体の製造方法−
次に、本実施形態の無機質多孔体の製造方法について説明する。この製造方法は、(1)無機質骨材1と結合材とを含む混合物を調製する調整工程と、(2)調整した混合物を成形して乾燥させ、一次成形品を得る成形工程と、(3)一次成形品を焼成炉で焼成して焼結させる焼結工程と、を含む。以下、各工程について説明する。
(1)調整工程
先ず、粒径0.5〜6.0mmの無機質骨材1と、粒径0.05〜0.5mmのガラス粉末2と、第一リン酸アルミニウム3とを準備する。次に、60〜90重量%の無機質骨材1に、結合材として、ガラス粉末2を10〜30重量%添加すると共に混合物全体に対して第一リン酸アルミニウム3の固形分が2〜20重量%となるように第一リン酸アルミニウム溶液を添加する。添加して得られたものを混合して混合物を得る。尚、この他に、木質繊維を混合物全体に対して1〜10重量%添加するのが好ましい。
(2)成形工程
次に、上記(1)調整工程で得られた混合物をプレス成形する。プレス成形した成形体を所定の乾燥温度(例えば105℃)で所定時間乾燥させて一次成形品を得る。
(3)焼結工程
最後に、上記(2)成形工程で得られた一次成形品を焼成炉に入れて600〜900℃で所定時間焼結する。この焼結温度が600℃を下回ると、十分な焼結が行われない一方、900℃を上回ると、無機質骨材1が溶融してしまうからである。焼結後、焼成炉から無機質多孔体を取り出す。
ここで、焼結工程におけるガラス粉末2及び第一リン酸アルミニウム3の挙動について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態に係る製造方法における無機質多孔体の焼結前後における構造の変化を説明するための図である。図3は、従来の製造方法における無機質多孔体の焼結前後における構造の変化を説明するための図である。尚、本発明の実施形態に係る無機質多孔体の製造方法は、結合材が第一リン酸アルミニウム3を含む点で従来の無機質多孔体の製造方法と異なる。
従来の無機質多孔体の製造方法では、図3(a)に示すように、焼結工程において一次成形品が昇温し、ガラス粉末2が溶融すると、溶融したガラス粉末2がフローし、図3(b)に示すように無機質骨材1の表面を覆って細孔を塞ぐ。そして、焼結が進むと、無機質骨材1同士が近接して、無機質多孔体全体が収縮する。
一方、本発明の実施形態に係る無機質多孔体の製造方法では、図2(a)に示すように、焼結工程においてガラス粉末2が溶融すると、図2(b)に示すように、第一リン酸アルミニウム3が、溶融したガラス粉末2を囲んでガラス粉末2のフローを邪魔する。従って、溶融したガラス粉末2のフローが制限されるため、焼結後の無機質多孔体は従来の無機質多孔体と比較して高い吸水性能を有する。そして、上記のように第一リン酸アルミニウム3が溶融したガラス粉末2のフローを制限するため、ガラス粉末2の溶融状態を制御するための温度制御が不要になる。
また、本発明の実施形態に係る無機質多孔体の製造方法では、上記のように溶融したガラス粉末2が無機質骨材1の表面を覆い難くなって無機質骨材1同士が近づかないため、焼結による無機質多孔体全体の収縮が従来よりも小さくなる。このように無機質多孔体全体の収縮が小さくなることで、内部応力によるクラックの発生が少なくなり、製品の歩留まりが向上する。また、焼結時の無機質多孔体の収縮が小さくなるので、昇温速度等の炉内温度の管理が容易になる。
更に、本発明の実施形態に係る無機質多孔体の製造方法では、混合物に木質繊維を含有させた場合、該木質繊維が焼結によって焼失し、それによって形成された焼失痕からなる空洞が溶融したガラス粉末2で埋まり難くなるため、無機質多孔体がより多孔質になり、吸水性能を更に向上させることが可能となる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、リン酸アルミニウムを用いたが、これに限定されず、水ガラスでもよい。但し、無機質多孔体の用途を広げるために耐水性を有する第一リン酸アルミニウムを用いるのが好ましい。特に、無機質多孔体を保水ブロックの製造に用いる場合には、第一リン酸アルミニウムを用いるのが望ましい。
また、上記実施形態では、混合物に有機繊維として木質繊維を含有させたが、これに限定されず、他の有機繊維や有機粉末を含有させてもよい。但し、木質繊維は比較的安価なため、木質繊維を用いることでコストを抑えつつ無機質多孔体の吸水性能を向上させることができる。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
次に、具体的に実施した実施例について図4を参照して説明する。図4は、実施例及び比較例として製造した無機質多孔体の原料となる混合物の成分の割合並びに無機質多孔体の厚さ変化率及び吸水率を示す図である。
(実施例1)
無機質骨材としての平均粒径1.5mmのシラス発泡体と、平均粒径0.2mmのガラス粉末と、固形分60%の第一リン酸アルミニウム溶液を約2倍に希釈したものとを準備した。次に、シラス発泡体80重量%に、ガラス粉末16重量%と、第一リン酸アルミニウムの固形分が4重量%となるように第一リン酸アルミニウム溶液を添加し、混合して混合物を得た。次に、混合物をプレス成形し、矩形板状の成形体を得た。次に、この成形体を乾燥温度105℃で24時間乾燥させて一次成形品を得た。最後に、一次成形品を電気炉に入れて焼成温度850℃で10分間焼成して無機質多孔体を得た。
無機質多孔体の焼結による収縮率の測定は、一次成形品及び無機質多孔体のそれぞれの厚みをノギスで測定し、厚さ変化率を算出することで行った。また、無機質多孔体の吸水率は、無機質多孔体を水温20℃の水中に浸漬し、24時間後の吸水量を測定して算出した。その結果、厚さ変化率は−0.9%であり、吸水率は45%であった。
(実施例2)
無機質骨材としての平均粒径1.5mmのシラス発泡体と、平均粒径0.2mmのガラス粉末と、繊維長1mmの木粉と、固形分60%の第一リン酸アルミニウム溶液を約2倍に希釈したものとを準備した。次に、シラス発泡体77重量%に、ガラス粉末15重量%と、木粉4重量%と、第一リン酸アルミニウムの固形分が4重量%となるように第一リン酸アルミニウム溶液を添加し、混合して混合物を得た。成形から焼結までの工程は上記実施例1と同じであった。また、厚さ変化率及び吸水率を上記実施例1と同じ方法で測定した。その結果、厚さ変化率は−0.5%であり、吸水率は50%であった。
(比較例1)
無機質骨材としての平均粒径1.5mmのシラス発泡体と、平均粒径0.2mmのガラス粉末と、ポバール(PVA)とを準備した。次に、シラス発泡体81重量%に、ガラス粉末16重量%と、PVA3重量%とを添加し、混合して混合物を得た。成形から焼結までの工程は上記実施例1と同じであった。また、厚さ変化率及び吸水率を上記実施例1と同じ方法で測定した。その結果、厚さ変化率は−4.8%であり、吸水率は41%であった。
(比較例2)
無機質骨材としての平均粒径1.5mmのシラス発泡体と、平均粒径0.2mmのガラス粉末と、PVAと、繊維長1mmの木粉とを準備した。次に、シラス発泡体78重量%に、ガラス粉末16重量%と、PVA2重量%と、木粉4重量%とを添加し、混合して混合物を得た。成形から焼結までの工程は上記実施例1と同じであった。また、厚さ変化率及び吸水率を上記実施例1と同じ方法で測定した。その結果、厚さ変化率は−6.8%、吸水率は42%であった。
実施例1と比較例1との比較、及び、実施例2と比較例2との比較から、第一リン酸アルミニウムを添加することによって、焼結による無機質多孔体の収縮が抑制され、更に、無機質多孔体の吸水性能が向上することが確認できた。
また、実施例1と実施例2との比較、及び、比較例1及び比較例2との比較から、木粉を添加することによって、無機質多孔体の吸水性能が更に向上することが確認できた。
以上説明したように、本発明に係る無機質多孔体及びその製造方法は、無機質多孔体の焼結による収縮を抑制すると共に吸水性を向上させることが必要な用途等に適用することができる。
1 無機質骨材
2 ガラス粉末
3 リン酸アルミニウム

Claims (6)

  1. 無機質骨材を主成分とする焼結体からなる無機質多孔体であって、
    上記無機質骨材同士を連結する結合材は、ガラス粉末及び無機添加剤を含有することを特徴とする無機質多孔体。
  2. 請求項1記載の無機質多孔体において、
    上記無機添加剤は、リン酸アルミニウムであることを特徴とする無機質多孔体。
  3. 請求項1又は2記載の無機質多孔体において、
    混合物に含有された有機繊維が焼結によって焼失することにより形成された焼失痕からなる空洞を有することを特徴とする無機質多孔体。
  4. 請求項3記載の無機質多孔体において、
    上記有機繊維は、木質繊維であることを特徴とする無機質多孔体。
  5. 無機質骨材を主成分とする焼結体からなる無機質多孔体の製造方法であって、
    上記無機質骨材60〜90重量%、ガラス粉末10〜30重量%及びリン酸アルミニウム2〜20重量%を混合して混合物を得る工程と、
    上記混合物を成形して成形体を得る工程と、
    上記成形体を乾燥させた後に600〜900℃で焼結する工程と、
    を含むことを特徴とする無機質多孔体の製造方法。
  6. 請求項5記載の無機質多孔体の製造方法において、
    上記混合物は、有機繊維を含有することを特徴とする無機質多孔体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106351136A (zh) * 2016-10-21 2017-01-25 山西省交通科学研究院 一种基于粉煤灰综合利用的环保型公路声屏障

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