JP2013075372A - インクジェット記録装置、および、そのインクジェット記録装置における記録制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、および、そのインクジェット記録装置における記録制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記録中でのノズル内のメニスカス振動によるインク不吐出を防ぎ、画像品質の低下を防ぐインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】画像データから取得されるインク色データに基づき、当該画像データが表わす画像上の2値データを構成する総ドット数に対する記録デューティを各インク色について算出し、当該各インク色に対応する各記録デューティのうち最大値を求める。複数の記録デューティのそれぞれに対応した、ノズルに形成されるインクのメニスカスに起因するインク不吐出を回避可能な記録ヘッドの駆動周波数の一覧を示すテーブルから、算出された最大値に対応する駆動周波数を取得し、当該取得された駆動周波数で記録ヘッドを駆動する。
【選択図】図10

Description

本発明は、ノズルからの不吐出を検出するインクジェット記録装置、および、そのインクジェット記録装置における記録制御方法に関する。
高速記録、高解像度、高画質の要求に応える記録装置の一つとしてインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、駆動パルスに応じた熱エネルギーをインクに供給して膜沸騰による気泡を形成させ、その形成された気泡によってインクを記録ヘッドに設けられた吐出口から記録媒体上に吐出して画像を記録する。
インクジェット記録装置は、記録ヘッドの吐出口(以下、ノズルともいう)からインク滴を吐出飛翔させ記録媒体に着弾させて記録するが、安定的にノズルからインク滴を吐出するためには、ノズル内のインクのメニスカス状態及びノズル周辺のフェイス面の状態が安定していることが求められる。
しかしながら、相隣接するノズルのクロストークや、吐出後のインクの供給によって生じるメニスカス位置の変動(以下、メニスカス振動ともいう)が次のインク吐出の安定性に影響を与えることがある。例えば、インクのメニスカス位置がノズル面より盛り上がった状態でインク吐出を行うとする。その場合には、余剰なインクがフェイス面に滞積してしまう。この余剰なインクがノズル近傍に滞積した状態で続けてインク吐出を行うと、吐出されたインク滴が余剰インクに引き寄せられて吐出方向によれを生じてしまう。あるいは、インク滴の飛散が生じてしまう。また、余剰なインクがノズル面を覆ってしまい、インク不吐出の原因ともなり得る。
反対に、メニスカス位置がノズル面より極端に引き込まれた状態で吐出を行うとする。その場合には、ノズル内のインク量が減少しているので、所望の液滴量が吐出されない、あるいは、インク不吐出の原因となることが考えられる。以上のことから、インク吐出を安定的に保つには、メニスカス振動が収束してメニスカス位置が安定した状態でインク吐出を行うことが重要である。
特許文献1では、圧電素子に電圧を印加し、ノズルの容積を変化させて吐出を行うピエゾ式インクジェット記録装置において、インク滴の吐出後、メニスカスの後退量が最大の時に圧力発生室を膨張させ、ノズル口側に復帰しようとしたメニスカスに供給側に引き戻す力を加える構成が記載されている。特許文献1によると、メニスカス復帰時の運動エネルギーを減衰してメニスカスの安定性を促進すると記載されている。
特許文献2では、発熱素子に電圧を印加し、膜沸騰作用によって気泡を発生させて吐出を行うサーマル式インクジェット記録装置において、ノズル流路中に設けられたダンパ室によって運動エネルギーを減衰し、メニスカスの安定性を促進する構成が記載されている。
特開平09−052360号公報 特開平06−191030号公報
しかしながら、メニスカス振動の安定化を待つことは、記録の高速化を妨げる要因となってしまう。画像の記録時においては、キャリッジの搬送速度、インクの打ち込み量、解像度等に応じて、インク吐出のための駆動周波数が変化している。従って、メニスカス振動の安定化を待たずに画像を記録すると、ノズル面よりインクが盛り上がった状態でインク吐出が行われる場合がある。その結果、フェイス面に余剰なインクが過剰に滞積することになって、インク吐出方向のよれやインク不吐出の原因となってしまう。
また、メニスカス振動は、記録ヘッドの製造時の公差やインクの増粘による物性変化によるところが大きい。つまり、記録ヘッド毎や経時変化によって、メニスカス挙動は変動するために、メニスカス振動を制御することは極めて難しく、その制御のための構成も複雑化してしまう。
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。上記の点に鑑み、本発明は、記録中でのノズル内のメニスカス振動によるインク不吐出を防ぎ、画像品質の低下を防ぐインクジェット記録装置、および、そのインクジェット記録装置における記録制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッドからインクを記録媒体に吐出して記録するインクジェット記録装置であって、画像データから取得されるインク色データに基づき、当該画像データが表わす画像上の2値の画像データを構成する総ドットに対する記録デューティを各インク色について算出し、当該各インク色に対応する各記録デューティのうち最大値を求める算出手段と、複数の記録デューティのそれぞれに対応した、ノズルに形成されるインクのメニスカスに起因するインク不吐出を回避可能な前記記録ヘッドの駆動周波数の一覧を示すテーブルと、前記算出手段が求めた前記最大値に対応する駆動周波数を前記テーブルから取得し、当該取得された駆動周波数で前記記録ヘッドを駆動する記録制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、記録中でのノズル内のメニスカス振動によるインク不吐出を防ぎ、画像品質の低下を防ぐことができる。
インクジェット記録装置を含むシステム構成を示す図である。 インクジェット記録装置の制御回路周辺の構成を示すブロック図である。 インク吐出によって生じるメニスカス振動を説明するための図である。 インク吐出によって生じるメニスカス振動を説明するための他の図である。 インク不吐出を引き起こす現象を説明するための図である。 不吐出が生じる記録デューティを決定するためのテストチャートを示す図である。 テストチャートを読み取るための構成を示す図である。 インク不吐出と判定するための原理を説明するための図である。 記録デューティと搬送速度とから決定される駆動周波数の一覧を示す図である。 不吐出駆動周波数を検出する処理の手順を示すフローチャートである。 各記録デューティでの最適搬送速度の一覧を示す図である。 KCMYの二値データ生成処理の手順を示すフローチャートである。 各二値データについて記録デューティを算出する処理の手順を示すフローチャートである。 記録デューティを説明するための図である。 実施例1における、不吐出を防ぐための最適搬送速度を決定する処理の手順を示すフローチャートである。 実施例2における、回復モードを決定する処理の手順を示すフローチャートである。 本実施例における、回復動作の制御処理の手順を示すフローチャートである。 実施例3における、回復動作の制御処理の手順を示すフローチャートである。 実施例4における、回復動作の制御処理の手順を示すフローチャートである。 実施例5における、画像のブロック分割を説明するための図である。 実施例6における、不吐出を防ぐための最適搬送速度を決定する処理の手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳しく説明する。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
〔実施例1〕
図1は、本実施例において用いられるインクジェット記録装置100を含むシステムの構成を示す図である。インクジェット記録装置100は、ホスト装置110とインタフェースケーブルを介して接続される。インクジェット記録装置100は、ロール状に巻かれて複数のラベルが仮付けされた記録媒体101を、搬送ベルト102によって図中の矢印方向に搬送する。搬送モータ103は、0[mm/sec]〜100[mm/sec]で搬送ベルト102を駆動可能である。
先端検知センサ105が搬送された記録媒体101の各ラベルの先端を検出すると、その検知された位置を基準として、解像度600dpiの記録ヘッド104K〜104Yの各ノズル内の発熱素子(ヒータ)に電圧が印加される。その結果、熱エネルギーによりインクが所定の記録タイミングで吐出され、各ラベルに記録が行われる。
インクジェット記録装置100には、各記録ヘッド104K〜104Yに対応して、インクカートリッジ106K〜106Y、サブタンク107K〜107Y、及び、メンテナンスカートリッジ108K〜108Yが設けられている。本実施例において、各記録ヘッド104K〜104Yはライン型の記録ヘッドであり、記録ヘッドは移動せずに、記録媒体101を搬送させることによって記録が行われる。以下、各記録ヘッド104K〜104Yはライン型の記録ヘッドとして説明する。しかしながら、インクジェット記録装置100に、記録媒体101の搬送方向と交差する方向にキャリッジが走査されるいわゆるシリアル型の記録ヘッドが用いられても良い。
記録ヘッド104K〜104Yの下部には、各記録ヘッドに対応してキャッピング機構及びそれに付随するワイパブレード109K〜109Yが設けられている。また、記録ヘッド104K〜104Yの75mm下方には、キャッピング位置上でサブタンク107K〜107Yが設けられている。その位置エネルギーの差(水頭差)によって、記録ヘッドに負圧が付与され、ノズルにメニスカスが形成される。なお、図1に示す6個のキャッピング機構は、淡シアン、淡マゼンタもしくは特別な色のインク(特色インク)を追加するための予備機構を含んでいる。さらに、インクジェット記録装置100の排紙側には、テストチャートに基づき不吐出を検出するための不吐出検出装置111が構成されている。
図2は、インクジェット記録装置100の制御回路周辺の構成を示すブロック図である。ホスト装置110から送信された記録データは、インクジェット記録装置100のインタフェースコントローラ202で受信される。ここで、記録データとは、例えば、画像を表わす画像データである。また、記録媒体101に関するデータ(種類、サイズ、枚数等)を含む各種コマンドも、インタフェースコントローラ202で受信されて解析される。CPU201は、インクジェット記録装置100全体の動作を制御する。例えば、CPU201は、コマンド解析の他、記録データの受信、画像記録動作、回復動作、記録媒体の搬送制御、不吐出検出装置111によって検出した信号の解析等の各種動作をプログラムROM203に記憶された各種プログラムに基づいて実行する。
イメージメモリ204は、インタフェースコントローラ202を介して受信した記録データを各色毎に格納する。格納された記録データは、CPU201によって解析され、記録ヘッド制御回路209を介して各色毎に記録ヘッド104K〜104Yに転送される。ワークRAM205は、プログラム作業用のメモリであり、CPU201による制御プログラムの実行時に用いられる。EEPROM206は書き換え可能な不揮発性メモリであって、例えば前回のノズル回復動作を実行した時刻を記憶したり、複数の記録ヘッド相互の幅及び用紙の搬送方向の記録位置を微調整するための補正値等を記憶する。また、EEPROM206は、インクジェット記録装置100に固有のパラメータも記憶する。
モータ駆動部211は、回復動作を行うための加圧ポンプモータ212や、サブポンプモータ213、及び記録媒体101を搬送するための搬送モータ103の駆動を、CPU201から入出力ポート210を介して受信した命令に従って制御する。モータ駆動部211は、搬送モータ103を10〜100[mm/sec]の間で10[mm/sec]毎に切り替えて制御可能である。また、操作パネル215から入力された各種情報は、入出力ポート(I/O)214を介してCPU201によって処理される。CPU201によって処理された各種情報は、I/O214を介して操作パネル215に表示される。インク検知センサは、サブインクタンク107K〜107Yに構成されており、検知した情報は、A/Dコンバータ207を介してCPU201に送信される。
[インク吐出によるメニスカス振動]
図3及び図4は、インク吐出によって生じるメニスカス振動を説明するための図である。図3は、フェイス面の位置をゼロ点として、インク供給側の位置をプラスとし、インク吐出側の位置をマイナスとした場合、インク吐出後の経過時間に対するメニスカス位置の変位を示している。図4中の斜線部は記録ヘッドの基材を示し、網点はインクを示している。記録ヘッドの基材のフェイス面401に挟まれてメニスカスが発生している。また、基材中に発熱素子(ヒータ)402が構成されている。図4中の矢印Aは、インクの吐出方向を示す。
図3での原点でのメニスカス位置は、インク流路、水頭差、インク物性等から決定された平衡位置である(図3中(a)、図4(a))。ヒータに電圧が印加され、膜沸騰によりインクが押し出されると、フェイス面に対してメニスカスが盛り上がる(図3中(b)、図4(b))。その後、インクが吐出されることによりノズル内のインクが消費されてメニスカス位置が、インク供給側に後退する(図3中(c)、図4(c))。次に、インクがノズルに供給されてメニスカス位置が平衡位置に復帰する力が発生することによって、インク吐出方向にインクの流れが生じ、メニスカス位置が後退位置からフェイス面位置まで復帰する(図3中(d)、図4(d))。そして、復帰する時のインク流れの慣性より生じるオーバーシュートによってフェイス面からインクが盛り上がる(図3中(e)、図4(e))。再び、水頭差圧によってインク供給側にメニスカス位置が引き込まれる。続いて、インクの移動に伴う慣性力による振動が繰り返され、最後に、メニスカス振動が収束して最初の平衡位置に戻る(図3中(f)、図4(f))。以上のようなメニスカス振動の位相や振幅や周期は、一般的に、インク粘度や表面張力等のインク物性、及び、インクタンクからノズルまでの流路構造によって異なっている。
[駆動周波数と、メニスカス振動による不吐出との関係]
図4では、図4(a)に示す状態からインク吐出を行う例を示していた。しかしながら、画像記録中には、図4(a)に示す以外のタイミングにおいて、ある駆動周波数でインク吐出を繰り返して行う場合があり得る。図5は、図4(e)に示すようなフェイス面からインクが突出している状態からのインク吐出を繰り返す場合を示す図である。図5(a)は、インク吐出開始前の状態を示す。図5(a)に示すように、フェイス面からインクが突出している。図5(b)は、図5(a)に示す状態からインク吐出を開始した状態を示す。フェイス面からインクが吐出している状態でインク吐出を行うと、メニスカス位置は、図4(c)で説明したように変化するが、図5(c)及び図5(d)に示すようにインクがフェイス面に残留してしまう。
図5(a)〜図5(g)は、図5(a)〜図5(c)に示すインク吐出を2回繰り返した様子を示している。インク吐出を繰り返してもインクは正常に吐出されるが、図5(g)に示すように、フェイス面に残留するインクは多くなっていく。その状態で、インク吐出をしばらく停止すると、図5(h)に示すように、ノズルの毛管力によってフェイス面のインクがノズル内に引き込まれる。すると、図5(i)に示すように、フェイス面のインクがノズルを覆い、インクを吐出できなくなってしまう(図5(j)〜図5(l))。また、インクを吐出できたとしても、吐出方向によれを生じてしまう。
このように、ある駆動周波数で画像記録を行う場合には、インク吐出後にフェイス面にインクが残留していき、インク不吐出が発生してしまうことがある。
ところで、ヒータの駆動周波数は、搬送速度、インクジェット記録装置の解像度、インクの打ち込み量(以下、記録デューティともいう)に基づき、以下の式(1)によって算出される。ここで、搬送速度とは、記録ヘッドと記録媒体との相対的な速度を意味し、本実施例においては、記録媒体の搬送速度に相当する。仮に、シリアル型の記録ヘッドを用いた場合には、キャリッジの搬送速度を意味することになる。
ヒータの駆動周波数 = 記録媒体の搬送速度×インクジェット記録装置の解像度×記録デューティ ・・・(1)
ここで、解像度は、インクジェット記録装置の設定値から求められる値である。また、記録デューティは、画像データから決定される値である。つまり、上式(1)から、記録デューティを固定値とすると、記録媒体の搬送速度を変化させることによって駆動周波数を変化させ、その結果インク不吐出を防ぐことができるといえる。
本実施例では、インク不吐出が発生する駆動周波数(以下、不吐出駆動周波数ともいう)をテストチャートを用いて検出し、記録媒体の搬送速度を変化させることによって駆動周波数を不吐出駆動周波数とならないように設定して、インク不吐出を防ぐことができる。また、本実施例では、不吐出駆動周波数未満のうち最も高い駆動周波数に設定する。そのように設定することによって、不吐出を防ぎつつ画像の記録速度の低下を防ぐことができる。
[テストチャートの記録と読み取り]
まず、インクジェット記録装置100がテストチャートを用いて不吐出駆動周波数を検出する方法を説明する。
図6は、不吐出駆動周波数を検出する前段として、インク不吐出が生じる記録デューティを検出するためのテストチャートを示す図である。本テストチャートは、記録デューティ100%の画像601と、記録デューティ80%の画像602と、記録デューティ60%の画像603と、記録デューティ40%の画像604と、記録デューティ20%の画像605とから構成されている。また、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色について、上記のテストチャートが構成されているので、合計20種類の画像が記録されていることになる。以下、各色についての構成は同じであるので、ブラックを一例として説明する。
テストチャートには、各記録デューティについてさらに2種類の画像が記録されている。画像601a、602a、603a、604a、605aは、メニスカス振動を励起するための画像である。また、画像601b、602b、603b、604b、605bは、後述するインク不吐出が生じる記録デューティを検出するための画像である。画像601aと画像601bとの間は、吐出を行わない非記録領域である。画像602〜605についても同様である。また、テストチャートが記録される記録媒体101は、白色又は白色に準じる色の記録媒体である。以下、各色、及び、各記録デューティの画像を総じてテストチャート600という。
本実施例では、インクジェット記録装置100は、まず、図6に示すテストチャート600を記録媒体101に記録する。ここで、テストチャート記録手順について説明する。インクジェット記録装置101は、例えばブラックについて、画像601a、601b、602a、602b、・・・という順に記録する。インクジェット記録装置100は、画像601bを記録し、画像602aを記録する前に、ワイパブレード109Kによってフェイス面をワイプする。同じく、インクジェット記録装置100は、画像603a、604a、605aを記録する前にワイパブレード109Kによってフェイス面をワイプする。そのようにワイプ動作を行うことによって、各記録デューティに対応する各画像601〜605の記録開始前に、フェイス面を同じ状態とすることができる。また、シアン、マゼンタ、イエローについても同様に記録が行われる。
図7は、テストチャート600を読み取るための構成を示す図である。図7(a)に示すように、不吐出検出装置111は、RGB各色に対応したLED701と、LED701からの各光を受光するフォトダイオードセンサ702とを含んでいる。不吐出検出装置111は、テストチャート600の搬送方向Aに対して垂直方向に構成されている。LED701内の複数の発光素子は、RGB各色について600dpiの解像度でライン状に配列されている。図7(b)は、不吐出検出装置111内のLED701とフォトダイオードセンサ702の構成を示す図である。LED701から発光された光は、記録媒体101上で反射し、フォトダイオードセンサ702によりその反射光が受光される。図7(b)に示すように、LED701とフォトダイオードセンサ702は、上記の発光及び受光動作を可能とするように、一定の角度を以って構成される。
不吐出検出装置111は、フォトダイオードセンサ702が受光する反射光量によってインク吐出の有無を各色ごとに検出することができる。フォトダイオードセンサ702に含まれる複数の受光素子の配列解像度は発光素子と同じ600dpiで配列されていなくても良く、記録幅方向の解像度以上の分解能を持つようにライン状に配列されていれば良い。また、不吐出検出装置111は、インク不吐出が生じていることが検出可能な構成であれば良い。例えば、各発光素子と各受光素子とを記録ヘッドのノズル列方向を挟んで対向して設け、吐出されたインク滴が各発光素子と各受光素子との間で形成される光束を通過する際の光量変化によってインク吐出又は不吐出を検出するような構成でも良い。
図8は、インク不吐出と判定するための原理を説明するための図である。図8(a)は、二値データ(インク色データともいう)が表わすドット配列のテストパターンを示しており、図8(b)は、記録媒体101に記録されたそのテストパターンを不吐出検出装置111によって読み取った結果を示している。図8(a)に示すようにドット配列パターンと読み取り結果とが一致した場合には、不吐出検出装置111は、インク不吐出は検出されなかったと判定する。一方、図8(b)に示すように、ドット配列パターンと読み取り結果とが不一致であった場合には、不吐出検出装置111は、インク不吐出が検出されたと判定する。
本実施例では、インクジェット記録装置100は、図9に示すようなテーブルを備えている。図9に示すテーブルは、各記録デューティと各搬送速度とから一義的に決定される駆動周波数の一覧を示している。インクジェット記録装置100は、テストチャートの読み取り結果と図9に示すテーブルとに基づき、不吐出駆動周波数を求める。
[不吐出駆動周波数の検出]
図10は、不吐出駆動周波数を検出する処理の手順を示すフローチャートである。図10に示すフローチャートは、例えば、CPU201によって実行される。まず、CPU201は、テストチャート600を表わす二値データを入力する。CPU201は、テストチャート600を記録媒体101に記録し(S1001)、その時の記録媒体の搬送速度を取得する(S1002)。次に、不吐出検出装置111は、テストチャート600を光学的に読み取り(S1003)、不吐出を検出した記録デューティを色毎に取得する(S1004)。CPU201は、S1002で取得した搬送速度とS1004で取得した記録デューティとから、図9に示す駆動周波数テーブルを参照して(S1005)、不吐出駆動周波数を検出する(S1006)。例えば、テストチャート600を記録した際の記録媒体の搬送速度が100[mm/sec]であり、不吐出を検出した記録デューティが50%であった場合には、図9に基づき、不吐出駆動周波数は1.2KHzと検出される。
次に、各記録デューティにおける最適搬送速度の一覧を示すテーブルを生成する。図9に示す駆動周波数テーブルから、各記録デューティにおいてS1008で検出された不吐出駆動周波数(例えば1.2KHz)未満のうち最も高い駆動周波数を最適駆動周波数として抽出する。図11は、不吐出駆動周波数が1.2kHzと検出された場合の、各記録デューティで抽出された最適駆動周波数と最適搬送速度との一覧を示す図である。
以上のように、本実施例においては、インクジェット記録装置100は、まずテストチャート600に基づき不吐出が生じる記録デューティを検出し、予め定められた図9に示すテーブルに基づき、各記録デューティと最適搬送速度とが対応付けられたテーブルを生成する。このテーブルは、画像記録の際に、記録速度の低下を防ぎつつインク不吐出を回避する駆動周波数を求めるために用いられる。
[最適搬送速度の決定]
次に、最適搬送速度の決定方法について説明する。本実施例では、まず、記録対象の記録データを二値化したKCMYデータに基づき、各色について記録デューティを算出する。そして、その算出された各記録デューティに基づき、作成された図11に示すテーブルから最適搬送速度を決定する。
図12は、二値データの生成処理の手順を示すフローチャートである。まず、S1201において、CPU201は、ホストPC110から、記録対象である256階調のRGBデータを入力する。S1201において、CPU201は、そのRGBデータに対して輝度濃度変換を行い、KCMYデータを生成する(S1202)。次に、CPU201は、そのKCMYデータに対して二値化処理を行い(S1203)、各色について二値データを生成する(S1204)。以降、図12に示す処理によって生成されたKCMYそれぞれの二値データに対して、記録デューティを算出する。
図13は、各色の記録デューティの算出処理の手順を示すフローチャートである。CPU201は、S1204で生成されたブラックの二値データを入力する。まず、ブラックの二値データに対してドットカウント処理を行う(S1301)。次に、S1301でカウントされたドット数を、2値データを構成する操作方向のドット数と副操作方向のドット数の乗算より求まる画像全体における総ドット数(即ち、単色での最大ドット数)で除する(S1302)。つまり、S1302の処理は、ブラックのドット数の、画像全体における総ドット数に対する割合を算出するということである。CPU201は、S1302で算出された割合から、ブラックについての記録デューティを算出する(S1303)。なお、他のシアン、マゼンタ、イエローについても同様に処理を行う。
図14は、記録デューティを説明するための図である。図14(a)に示すように、画像全体の総ドット数は、6×6=36ドットとする。ここで、図14(b)に示すように、ブラックのドット数が22ドットとカウントされた場合には、S1302においては、22/36≒0.6、つまり、記録デューティは60%と算出される。
図15は、最適搬送速度を決定する処理の手順を示すフローチャートである。まず、CPU201は、S1303で算出されたCMYKそれぞれについての記録デューティを入力する。S1501において、CPU201は、各色の記録デューティのうち最大値を持つ記録デューティを選択する。次に、CPU201は、その最大値の記録デューティの色に対応した図11に示すテーブルを参照し(S1502)、S1501で選択された記録デューティの値に対応する最適搬送速度を決定する(S1503)。
例えば、S1006で不吐出駆動周波数が1.2KHZと検出され、S1303で各色の記録デューティがK=60%、C=5%、M=30%、Y=10%と算出された場合にには、記録デューティの最大値として60%が選択され、ブラックに対応した図11に示すテーブルを参照して、記録デューティ60%に対応した最適搬送速度70[mm/sec]が決定される。
インクジェット記録装置100は、その決定された最適搬送速度と、最適搬送速度が求められた記録デューティと、インクジェット記録装置に設定された解像度と、に基づき式(1)によって算出される駆動周波数で記録を行う。
以上、本実施例によれば、テストチャートの読取結果からインク不吐出を回避した駆動周波数を求めることができる。従って、メニスカス振動の安定を待つことを必要としない。また、駆動周波数には、不吐出駆動周波数に極力近い駆動周波数が設定されるので、画像記録速度の大幅な低下を防ぐこともできる。
〔実施例2〕
実施例1では、記録データの記録デューティに応じて最適な搬送速度を設定した。一方、本実施例では、記録データの記録デューティに応じて、予備吐(回復動作)を行うモードを設定する。また、本実施例においても、実施例1と同様に、図10に従って、各色での不吐出駆動周波数を検出する。
図16は、本実施例における回復モードを決定する処理の手順を示すフローチャートである。まず、インクジェット記録装置100は、図13のS1303で算出されたCMYKそれぞれについての記録デューティを取得する。インクジェット記録装置100は、現在設定されている搬送速度を取得し(S1601)、図9に示すテーブルを参照する(S1602)。以下、S1603〜S1606によって、S1601で取得された各色の記録デューティとS1601で取得された搬送速度とから得られる駆動周波数のうち、S1006において検出された不吐出駆動周波数があるか否かを判定する。
S1603において、S1303で算出されたブラックの記録デューティと搬送速度とに基づいて図9から取得される駆動周波数(記録デューティと搬送速度と解像度との積と等価である。)が、S1006において検出されたブラックの不吐出駆動周波数と一致するか否かを判定する。ここで、一致すると判定された場合にはS1608に進み、一致しないと判定された場合にはS1604に進む。
S1604において、S1303で算出されたシアンの記録デューティと搬送速度とに基づいて図9から取得される駆動周波数が、S1006において検出されたシアンの不吐出駆動周波数と一致するか否かを判定する。ここで、一致すると判定された場合にはS1608に進み、一致しないと判定された場合にはS1605に進む。
S1605において、S1303で算出されたマゼンタの記録デューティと搬送速度とに基づいて図9から取得される駆動周波数が、S1006において検出されたマゼンタの不吐出駆動周波数と一致するか否かを判定する。ここで、一致すると判定された場合にはS1608に進み、一致しないと判定された場合にはS1606に進む。
S1606において、S1303で算出されたイエローの記録デューティと搬送速度とに基づいて図9から取得される駆動周波数が、S1006において検出されたイエローの不吐出駆動周波数と一致するか否かを判定する。ここで、一致すると判定された場合にはS1608に進み、一致しないと判定された場合にはS1607に進む。
S1607においては後述する回復モード1が選択され、S1608においては後述する回復モード2が選択される。本実施例では、図16に示す処理によって選択された回復モードに従って、画像記録中の回復処理が制御される。
図17は、画像記録中に行われる回復処理の手順を示すフローチャートである。S1701において、図16に示す処理で選択された回復モードを取得し、それが回復モード1であるか回復モード2であるかを判定する(S1702)。
回復モード1であると判定された場合には、記録データに従って記録を開始し(S1703)、前回の回復動作からの総ドットカウント数が200,000,000発未満か否かを判定する(S1704)。ここで、200,000,000発以上と判定された場合には、ワイプ動作1回(S1705)及び予備吐1,000発(S1706)を行い、S1704に戻り、記録を継続する。
一方、200,000,000発未満と判定された場合には、S1707に進み、記録が終了したか否かを判定する。ここで、記録が終了していないと判定された場合には、S1704に戻って記録を継続し、終了したと判定された場合には、本処理を終了する。
S1701において回復モード2と判定された場合を説明する。その場合には、S1708で記録を開始し、S1709において、前回の回復動作からの総ドットカウント数が100,000,000発未満か否かを判定する。ここで、100,000,000発以上と判定された場合には、ワイプ動作1回(S1710)及び予備吐1,000発(S1711)を行い、S1709に戻って記録を継続する。
一方、100,000,000発未満と判定された場合には、S1712に進み、記録が終了したか否かを判定する。ここで、記録が終了していないと判定された場合には、S1709に戻って記録を継続し、終了したと判定された場合には、本処理を終了する。
本実施例によれば、記録データから変換される二値データから、不吐出駆動周波数でノズルを駆動するインク色が含まれていることが判明した場合には(回復モード2が選択された場合)、記録中に行われる回復動作の間隔を短縮する。その結果、不吐出が発生する前に回復動作を行う可能性を高めることができ、画像品質の低下を防ぐことができる。
〔実施例3〕
実施例2では、回復モード1と回復モード2とで回復動作の間隔を異ならせる処理を行ったが、本実施例では、回復モード1と回復モード2とで、その回復動作を異ならせるように制御する。
図18は、本実施例における回復処理の制御の手順を示すフローチャートである。まず、図16に示す処理で選択された回復モードを取得し(S1801)、記録を開始する(S1802)。次に、前回の回復動作からの総ドットカウント数が200,000,000発以上であるか否かを判定する(S1803)。ここで、200,000,000発以上であると判定された場合には、S1801で取得した回復モードが回復モード1であるか否かを判定する(S1804)。S1804で回復モード1であると判定された場合には、ワイプ動作1回(S1805)及び予備吐1000発(S1806)を行い、記録を継続する。一方、S1804で回復モード1ではない、即ち、回復モード2であると判定された場合には、ワイプ動作2回(S1807)及び予備吐3000発(S1808)を行い、記録を継続する。
S1803において200,000,000発未満であると判定された場合は、記録が終了したか否かを判定する(S1809)。ここで、記録が終了していないと判定された場合には、S1803に戻って記録を継続し、終了していると判定された場合には、本処理を終了する。
本実施例によれば、記録データから変換される二値データから、不吐出駆動周波数でノズルを駆動するインク色が含まれていることが判明した場合には(回復モード2が選択された場合)、記録中に行われる回復動作においてワイプ回数及び予備吐発数を多く行う。その結果、フェイス面を確実に回復して画像品質の低下を防ぐことができる。
〔実施例4〕
実施例3では、前回の回復動作からの総ドットカウント数に応じて、回復動作の内容を切り替えたが、本実施例では、さらにインク温度を検出し、その検出したインク温度に応じて回復動作の内容を切り替える。
図19は、本実施例における回復処理の手順を示すフローチャートである。図16に示す処理で選択された回復モードを取得し(S1901)、インク温度を検出し(S1902)、記録を開始する(S1903)。次に、前回の回復動作からの総ドットカウント数が200,000,000発以上であるか否かを判定する(S1904)。ここで、200,000,000発以上であると判定された場合には、S1901で取得した回復モードが回復モード1であるか否かを判定する(S1905)。S1905で回復モード1であると判定された場合には、S1902で検出したインク温度が40℃以上であるか否かを判定する(S1906)。S1906で40℃以上であると判定された場合には、ワイプ動作1回(S1907)及び予備吐2000発(S1908)を行い、40℃未満であると判定された場合には、ワイプ動作1回(S1909)及び予備吐1000発(S1910)を行い、記録を継続する。
S1905で回復モード1でない、即ち、回復モード2と判定された場合には、S1902で検出したインク温度が40℃以上であるか否かを判定する(S1911)。S1911で40℃以上であると判定された場合には、ワイプ動作2回(S1912)及び予備吐6000発(S1913)を行い、40℃未満と判定された場合には、ワイプ動作2回(S1914)及び予備吐3000発(S1915)を行い、記録を継続する。
S1904で200,000,000発未満であると判定された場合には、記録が終了したか否かを判定する(S1916)。S1916で終了していないと判定された場合には、S1904に戻って記録を継続し、終了したと判定された場合には、本処理を終了する。
本実施例によれば、記録データから変換される二値データから、不吐出駆動周波数でノズルを駆動するインク色が含まれていることが判明し(回復モード2が選択された場合)、かつ、インク温度が閾値よりも高くなった場合には、記録中に行われる回復動作においてワイプ回数及び予備吐数をより多く行うことによってフェイス面を確実に回復する。その結果、連続印刷などによりインクの温度が上がっても、画像品質の低下を防ぐことができる。
〔実施例5〕
図13において、各色ごとに、総ドット数に対する記録デューティを算出したが、本実施例では各色について、画像全体を複数のブロックに分割し、各ブロックごとに記録デューティを算出し、そのうち最も高い値の記録デューティをその色の記録デューティとして決定し、その決定された記録デューティに基づき記録を行う。
図20は、画像全体をブロックに分割することを説明するための図である。図20(a)は画像全体を示す。本画像は図20(b)のように、3×3画素で形成される4つのブロックに分割され、各ブロック2001〜2004においてドット数がカウントされて記録デューティが算出される。
例えば、図20(c)は、ユーザから入力された記録デューティ50%の画像を示す。本画像を、図20(d)に示すように4つのブロック2005〜2008に分割し、各ドット数をカウントして記録デューティを算出する。つまり、ブロック2005の記録デューティは44%、ブロック2006の記録デューティは56%、ブロック2007の記録デューティは56%、ブロック2008の記録デューティは44%と算出される。従って、本画像の記録デューティは最大値となる56%として決定される。このような処理が各色で行われ、各色で決定された記録デューティに基づき、図15の処理が行われる。
本実施例によれば、1つの画像の中に記録デューティの高い部分と低い部分とが混在する場合、記録デューティの高い部分で発生するおそれのあるメニスカス位置の変動による画像品質の低下を防ぐことができる。
〔実施例6〕
実施例1では、記録データの記録デューティに応じて最適な搬送速度を設定した。本実施例では、さらに画質優先か記録速度優先かを選択可能とし、画質優先モードが選択された場合には、実施例1と同様の処理を行う。一方、記録速度優先モードが選択された場合には、不吐出駆動周波数未満の駆動周波数に対応する記録デューティとなるように、画像データを間引処理して記録を行う。
図21は、本実施例における最適搬送速度を決定する処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、図13により算出されたブラックの記録デューティ、シアンの記録デューティ、マゼンタの記録デューティ、イエローの記録デューティと、図9から検出された不吐出駆動周波数とを取得して開始する。
まず、CPU201は、各色の記録デューティのうち最大値を持つ記録デューティを特定する(S2101)。次に、CPU201は、ユーザから設定されたモードが画質優先モードか否かを判定する(S2102)。ここで、ユーザからの設定は、例えば、インクジェット記録装置100上のディスプレイ等を介して行われる。画質優先モードが選択されたと判定された場合には、CPU201は、図11に示した最適搬送速度テーブルを参照し(S2103)、搬送速度を決定する(S2104)。S2103及びS2104は、図15のS1502及びS1503と同じである。
一方、S2102で画質優先モードでない(即ち、記録速度優先モード)と判定された場合には、図9に示した駆動周波数の一覧テーブルを参照し(S2105)、不吐出駆動周波数未満のうち最も高い駆動周波数を最大の搬送速度とする記録デューティ(吐出可能記録デューティ)を特定する(S2106)。
次に、CPU201は、S2101で特定された最大値を持つ記録デューティが、S2106で特定された吐出可能記録デューティ以下であるか否かを判定する(S2107)。ここで、吐出可能記録デューティよりも大きいと判定された場合には、吐出可能記録デューティと同じ割合まで間引くための間引きマスクによって、記録データの間引き処理を行う(S2108)。
CPU201は、記録を開始し(S2109)、記録が終了したか否かを判定する(S2110)。ここで、終了していないと判定された場合には、S2109に戻って記録が継続され、終了したと判定された場合には、本処理を終了する。
例えば、記録速度優先モードがユーザによって設定されていた際に、不吐出駆動周波数が1.2KHzと検出された場合には、図9を参照して吐出可能記録デューティは40%と特定される。また、ブラックの記録デューティが60%、シアンの記録デューティが5%、マゼンタの記録デューティが30%、イエローの記録デューティが10%と検出された場合には、最大値を持つ記録デューティは60%と算出される。従って、記録デューティ60%>吐出可能記録デューティ40%となるので、記録デューティ60%が40%となるまでブラックについての二値データの間引き処理が行われる。
本実施例によると、画質優先であるか記録速度優先であるかを考慮して、メニスカス振動による画像品質の低下を抑制することができる。
100 インクジェット記録装置
101 記録媒体
102 搬送ベルト
103 搬送モータ
104K、104C、104M、104Y 記録ヘッド
105 先端検知センサ
106K、106C、106M、106Y インクカートリッジ
107K、107C、107M、107Y サブタンク
108K、108C、108M、108Y メンテナンスカートリッジ
109K、109C、109M、109Y ワイパブレード
110 ホスト装置
111 不吐出検出装置

Claims (13)

  1. 記録ヘッドからインクを記録媒体に吐出して記録するインクジェット記録装置であって、
    画像データから取得されるインク色データに基づき、当該画像データが表わす画像上の2値データを構成する総ドット数に対する記録デューティを各インク色について算出し、当該各インク色に対応する各記録デューティのうち最大値を求める算出手段と、
    複数の記録デューティのそれぞれに対応した、ノズルに形成されるインクのメニスカスに起因するインク不吐出を回避可能な前記記録ヘッドの駆動周波数の一覧を示すテーブルと、
    前記算出手段が求めた前記最大値に対応する駆動周波数を前記テーブルから取得し、当該取得された駆動周波数で前記記録ヘッドを駆動する記録制御手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記インクジェット記録装置は、固定されたライン型の前記記録ヘッドに対して、前記記録媒体を搬送させながら記録を行い、
    前記テーブルは、前記複数の記録デューティのそれぞれを、前記記録媒体の搬送速度と対応付けていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 同じテスト画像をインク色ごとに複数の記録デューティで前記記録媒体に記録するテスト記録手段と、
    前記テスト記録手段が記録した前記各テスト画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段が読み取った前記各テスト画像上でインク不吐出があるか否かを判定し、当該インク不吐出があると判定された前記テスト画像の記録デューティを特定する特定手段と、
    前記特定手段が特定した前記テスト画像の記録デューティと前記記録媒体の搬送速度とからインク不吐出を生じる前記記録ヘッドの不吐出駆動周波数を前記インク色ごとに取得する取得手段と、
    前記取得手段が取得した前記不吐出駆動周波数に基づき、前記テーブルを前記インク色ごとに生成するテーブル生成手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記取得手段は、各記録デューティと前記記録媒体の各搬送速度とに予め対応付けられた前記記録ヘッドの駆動周波数の一覧テーブルを参照することによって、前記不吐出駆動周波数を取得することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記テーブル生成手段は、前記一覧テーブルの各記録デューティに対応する複数の駆動周波数のうち、前記不吐出駆動周波数未満で且つ最大の駆動周波数を特定し、当該特定された各駆動周波数に対応する各搬送速度を各記録デューティに対応付けて前記テーブルを前記インク色ごとに生成することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記一覧テーブルを参照して、前記算出手段が各インク色について算出した各記録デューティに対応する各駆動周波数を前記記録媒体の搬送速度に基づき取得する周波数取得手段と、
    前記周波数取得手段が取得した前記駆動周波数のうちのいずれかが、前記取得手段が取得した前記不吐出駆動周波数に一致するか否かを判定する判定手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記判定手段が当該一致すると判定した場合に、前記記録制御手段は、前記画像データに基づく記録時における前記ノズルの回復動作の頻度を、前記判定手段が当該一致しないと判定した場合よりも多くすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記判定手段が当該一致すると判定した場合に、前記記録制御手段は、前記画像データに基づく記録時における前記ノズルの回復動作1回当たりの予備値の回数を、前記判定手段が当該一致しないと判定した場合よりも多くすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  9. インクの温度を検出する検出手段をさらに備え、
    前記判定手段が当該一致すると判定し、且つ、前記検出手段が検出したインクの温度が閾値より高い場合には、前記記録制御手段は、前記画像データに基づく記録時における前記ノズルの回復動作1回当たりの予備値の回数を、前記判定手段が当該一致しないと判定した場合よりも多くすることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記算出手段は、各インク色について、前記画像を複数の領域に分割し、当該各領域において記録デューティを算出し、当該複数の領域に対応する複数の記録デューティのうちの最大値を当該インク色の記録デューティとすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記画像データに基づく記録の際に、画像品質と記録速度とのいずれを優先するかの設定をユーザから受け付ける受付手段をさらに備え、
    前記受付手段が前記ユーザから画像品質を優先する設定を受け付けた場合に、前記記録制御手段は、前記算出手段が求めた前記最大値に対応する駆動周波数を前記テーブルから取得し、当該取得された駆動周波数で前記記録ヘッドを駆動することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記一覧テーブルを参照して、前記記録ヘッドのいずれの搬送速度においても前記不吐出駆動周波数を含まない記録デューティを特定する特定手段と、
    前記算出手段が求めた最大値の記録デューティに対応する前記インク色データを、前記特定手段が特定した記録デューティまで間引く間引手段とをさらに備え、
    前記受付手段が前記ユーザから記録速度を優先する設定を受け付けた場合に、前記記録制御手段は、前記間引手段が間引いた前記インク色データに基づき記録を行うように、前記記録ヘッドを駆動することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。
  13. 記録ヘッドからインクを記録媒体に吐出して記録するインクジェット記録装置であって、複数の記録デューティのそれぞれに対応した、ノズルに形成されるインクのメニスカスに起因するインク不吐出を回避可能な前記記録ヘッドの駆動周波数の一覧を示すテーブルを備える前記インクジェット記録装置において実行される記録制御方法であって、
    前記インクジェット記録装置の算出手段が、画像データから取得されるインク色データに基づき、当該画像データが表わす画像上の2値データを構成する総ドット数に対する記録デューティを各インク色について算出し、当該各インク色に対応する各記録デューティのうち最大値を求める算出工程と、
    前記インクジェット記録装置の記録制御手段が、前記算出工程において求められた前記最大値に対応する駆動周波数を前記テーブルから取得し、当該取得された駆動周波数で前記記録ヘッドを駆動する記録制御工程と、
    を有することを特徴とする記録制御方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018065287A (ja) * 2016-10-19 2018-04-26 富士ゼロックス株式会社 液滴吐出装置、画像形成装置、及びプログラム
WO2018225489A1 (ja) * 2017-06-07 2018-12-13 富士フイルム株式会社 画像形成装置及びその制御方法
JP7434988B2 (ja) 2020-02-13 2024-02-21 ブラザー工業株式会社 記録装置

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