JP2013075254A - 接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、該接着剤付きポリイミドフィルムをシワの発生なく巻き取ることが出来、ラミネート直前のTD方向への延伸工程を必要とせず、作製した金属積層板はシワ・欠点のない該接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法を提供することにある。
【解決手段】
厚み1〜12μmの耐熱性ポリイミドフィルムにポリアミック酸および溶媒を含有する溶液を塗布した後、前記溶媒の沸点以上の温度で処理し、得られたフィルムをロールにより幅方向に伸ばし、その直後に巻き取ることを特徴とする接着剤付きポリイミドフィルムを製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法に関する。
近年、電子機器の高性能化、高機能化、小型化が急速に進んでおり、これに伴い、電子部品も小型化・軽量化の要請が高まっている。
電気電子機器印刷回路基板に用いられる積層板の代表例として、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit、以下FPCと略す)が挙げられる。
FPCに使用されるフレキシブル金属積層板である銅張りポリイミドフィルム(Copper Clad Laminate、以下CCLと略す)は、柔軟性を有する薄い絶縁性フィルムをベースとし、この表面に、接着材料を介して銅箔が加熱・圧着することにより貼り合わされたものである。
かかる絶縁性フィルム、接着層および銅箔からなるフレキシブルプリント配線板では、従来から、絶縁性フィルムとしてポリイミドフィルム等が広く用いられている。この理由は、ポリイミドが優れた耐熱性、電気特性などを有しているためである。
また、加工性、接着性、電気特性、寸法安定性の要求から接着層にもポリイミド材料を用いた2層CCLが提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、この接着層にポリイミド材料を用いる方法で得られるFPCは厳密には3層であるともいえるが、2つのポリイミド層を一体と見なして2層FPCとするもので擬似2層FPCとも呼ばれる。
擬似2層FPCの製造方法としては、例えばラミネート法が挙げられる。ラミネート2層CCLの製造方法には、いくつかの方法があるが、例えば、真空プレス機等を用いてポリイミドフィルムと金属箔との間にポリイミド接着剤をサンドイッチ状に接合する方法、熱ロールラミネート装置を用いて連続的にラミネートする方法が提案されている。特に後者の方法は、長尺品を得ることができる点で有利である。
接着剤にポリイミド層を用いた接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法としては、例えばポリイミドフィルムに接着剤をコーティングする方法あるいは共押し出し法などが挙げられる。
ポリイミドフィルムに接着剤をコーティングする方法の場合、フィルムの厚みが薄くなるほど困難になる。ラミネートにおいて銅箔には一定の表面粗さがあるため、これに隙間無く接着剤を埋まりこませるためには接着剤は一定以上の厚みが必要となる。したがって接着剤付きポリイミドフィルムを薄くするにはポリイミドフィルムの厚みを薄くしなければならない。しかし、フィルム厚みが薄いと接着剤の収縮によってカールやシワが発生してしまう。
上記問題を解決する方法として、ラミネートロール装置の加熱ロールの手前に厚み15μm以下の接着剤付きポリイミドフィルムを幅方向(Transverse Direction、以下TD方向と略す)に伸ばす手段を設ける方法が挙げられる(例えば特許文献2)。フィルムをTD方向に伸ばす手段としてはエキスパンダロールやゼブラロールが挙げられている。しかし、これは400℃近い高温でラミネートを行う場合の加熱ロール手前での雰囲気温度によって熱膨張により発生したシワに対しては効果があるが、耐熱性ポリイミドフィルムに接着剤をコーティングした後に巻き取る段階で発生したシワに対しては該手段では解消されず、フィルムのシワが伸ばされることなく貼り合わされ、結果CCLのシワの原因となる。
また、ラミネートにおいて金属箔または接着層を予熱し、予熱された金属箔または接着層をTD方向に延伸することによってたるみを除去する方法がある(例えば特許文献3)。金属箔または接着層をTD方向に延伸する方法としてはクロスガイダロールが挙げられている。しかし、これは材料の熱膨張で発生するボイドには効果があるが、上記同様、耐熱性ポリイミドフィルムに接着剤をコーティングした後に巻き取る段階で発生したシワに対しては該手段では解消されない。
また、総厚5〜15μmの接着剤付きポリイミドフィルムをラミネートする際にラミネートロール直前にヘリンボンロールを介する工程を有する方法がある(例えば特許文献4)。しかし上記同様、ラミネートロール直前でのTD方向への延伸は耐熱性ポリイミドフィルムに接着剤をコーティングした後に巻き取る段階で発生したシワに対しては該手段では解消されない。
また、ラミネート直前にフィルムをTD方向に延伸する工程を有する方法がある(例えば特許文献5)。これはフィルムを搬送する際にフィルム進行方向(Machine Direction、以下MD方向)にかかる張力によってTD方向が縮むことにより発生するシワに対しては効果があるが、耐熱性ポリイミドフィルムに接着剤をコーティングした後に巻き取る段階で発生したシワに対しては効果がない。
特開2010−116443号公報 特開2007−36047号公報 特開2009−262534号公報 特開2007−296731号公報 特開2003−1754号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は厚み1〜12μmのポリイミドフィルムにポリアミック酸を塗布するときにフィルムを幅方向に伸ばした上で巻き取ることによって、その後ラミネートするときにシワ・欠点等のない金属積層板を作ることが可能な接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、耐熱性ポリイミドフィルムにポリアミック酸を含有する溶液を塗布し、該ポリアミック酸を含有する溶液を塗布した耐熱性ポリイミドフィルムを加熱し、巻き取る工程においてフィルムのシワの発生を抑制することによって、ラミネートするときにシワ・欠点等のない金属積層板を作製することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、厚み1〜12μmの耐熱性ポリイミドフィルムにポリアミック酸および溶媒を含有する溶液を塗布した後、前記溶媒の沸点以上の温度で処理し、得られたフィルムをロールにより幅方向に伸ばし、その直後に巻き取ることを特徴とする接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法に関する。
好ましい実施態様は、ロールにより幅方向に伸ばす際、2本のロールで挟むことにより幅方向に伸ばすことを特徴とする前記に記載の接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法に関する。
好ましい実施態様は、前記溶媒の沸点以上の温度での処理が、160〜180℃で60〜180秒間処理した後、さらに210〜230℃で60〜180秒間処理する工程を有することを特徴とする前記に記載の接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法に関する。
好ましい実施態様は、ポリアミック酸を含有する溶液が、ポリアミック酸固形分を8〜12重量%、溶媒を88〜92重量%有することを特徴とする前記に記載の接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法に関する。
好ましい実施態様は、巻き取る際の巻き取り速度が1.0〜8.0m/分であることを特徴とする前記に記載の接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法に関する。
本発明により得られる接着剤付きポリイミドフィルムは、シワの発生なく巻き取ることが出来、該接着剤付きポリイミドフィルムを用いるとラミネート直前のTD方向への延伸工程を必要とせず、また作製した金属積層板はシワ・欠点のないものが得られる。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
本発明で用いられる耐熱性ポリイミドフィルムは非熱可塑性ポリイミドを指す。非熱可塑性ポリイミドとは、一般に加熱しても軟化せず、接着性を示さないポリイミドまたは加熱しても軟化する前に熱分解が開始するポリイミドをいう。本発明ではガラス転移温度を有しないポリイミドをいう。ガラス転移温度は動的粘弾性測定装置(DMA)により測定した貯蔵弾性率の変曲点の値により求めることができる。
該耐熱性ポリイミドフィルムの厚みは1〜12μmである。厚みが12μmより厚いとフィルムに接着剤を塗布したときにフィルムにシワが発生することはないためシワを抑制する必要がない。また厚みが1μmより薄いフィルムは実質的に作製することが不可能である。
また、該耐熱性ポリイミドフィルムは特に限定されず、例えば、市販されている公知のポリイミドフィルムを使用することが可能である。例えば、カネカ(株)製の“アピカル”(登録商標)、デュポン(株)製及び東レ・デュポン(株)製の“カプトン”(登録商標)、宇部興産(株)製の“ユーピレックス”(登録商標)が挙げられる。これらのフィルムは接着性向上等の理由のために表面に加水分解、コロナ放電、低温プラズマ、物理的粗面化等の表面処理を施すことができる。もちろんそのまま用いてもよい。
本発明に係る接着剤付きポリイミドフィルムは該耐熱性ポリイミドフィルムにポリアミック酸および溶媒を含有する溶液を塗布した後、前記溶媒の沸点以上の温度で処理することで、溶媒を除去しさらにポリアミック酸をイミド化することで得ることが出来る。ここで前記溶媒を除去した後、一定の温度で処理することでポリアミック酸をイミド化することが出来る。温度はポリアミック酸の酸二無水物およびジアミン成分、さらに触媒の有無によって適宜選択することが出来、触媒を用いる場合200〜230℃であればよい。
またポリアミック酸をイミド化して得られることができるポリイミドは熱可塑性ポリイミドが望ましい。ここで熱可塑性ポリイミドは分解温度以下にガラス転移温度を有するものをいう。
該耐熱性ポリイミドフィルムにポリアミック酸を含有した溶液を塗布する方法はグラビアコータ、コンマコータ、リバースコータ、スリットダイコータなど塗布材料の物性に合わせた様々な方法を用いることができる。
該熱可塑性ポリイミドは、ガラス転移温度が200℃以上であることが好ましく、より好ましくは230℃以上である。熱可塑性ポリイミド層のガラス転移温度が200℃以上であれば、電子部品実装時の加熱により接着剤の軟化が抑制され、寸法変化率が向上する。熱可塑性ポリイミドを含有する接着剤の層としては、溶剤可溶型ポリイミド系組成物、シリコンジアミン含有ポリイミド系組成物等のポリイミド系接着剤組成物や、それらにエポキシ系組成物を混合させたハイブリッド系組成物などを含有する層が例示できる。さらに、各種特性の向上のために熱可塑性ポリイミドを含有する接着剤の層には種々の添加剤が配合されていても構わない。
該接着剤の層の厚みは、金属箔との接着性、寸法変化率が良好となるため、1〜4μmが好ましい。厚みが1μmより薄いと金属箔の表面に隙間無く熱可塑性ポリイミド層を充填させることが出来ず、接着力および半田耐熱性の低下となる。また4μmより厚いとコーティング後巻き取る工程によって発生したシワを解消することが出来ない。より好ましくは2〜3μmである。
本発明にかかるポリアミック酸溶液の酸二無水物成分として用いることができるテトラカルボン酸二無水物は、特に限定されるものではない。例えば、ピロメリット酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、およびビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)並びにそれらの類似物が挙げられる。
本発明にかかるポリアミック酸溶液のジアミン成分として用いることができるジアミンは、特に限定されるものではない。例えば、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、メチルジシロキサン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−オキシジアニリン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、および2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、並びにそれらの類似物などが挙げられる。
これらの酸およびジアミン成分は、それぞれ単独で、または任意の割合で混合して用いることができる。本発明のポリアミック酸の原料として使用するジアミン成分と酸二無水物成分はこれらに限定されるわけではなく他の構造の原料を用いても構わない。また2−メチルイミダゾールなどの触媒を用いてもよい。
ポリアミック酸は有機極性溶媒によって希釈し固形分濃度を調製することができる。溶媒としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミドを用いることが出来るが、加熱炉の温度以下の沸点であればその他のアミン系溶媒を用いても構わない。
本発明に係る接着剤付きポリイミドフィルムは、該耐熱性ポリイミドフィルムにポリアミック酸および溶媒を含有する溶液を塗布した後、前記溶媒の沸点以上の温度で処理することで、溶媒を除去しさらにポリアミック酸をイミド化してその後巻き取ることで得ることが出来る。ここで、得られたフィルムをロールにより幅方向に伸ばし、その直後に巻き取ることが必要である。
ここで直後とは、幅方向に伸ばした後、搬送ロールを介さないことをいう。また幅方向に伸ばすロールから巻取りロールまでの距離は50cm以下であることが好ましい。
例えば、厚みが12μmよりも厚い耐熱性ポリイミドフィルムを用いた場合、フィルムを幅方向に伸ばさなくても、シワが発生することなく得られたフィルムを巻き取ることが可能である。しかしながら、前記のごとく厚み1〜12μmの耐熱性ポリイミドフィルムを用いた場合、幅方向に伸ばすことなく巻き取るとシワが発生する。巻取り時にシワが発生したフィルムをラミネートする際にラミネートロール直前でTD方向に伸ばしてもシワが解消されずCCLのシワの原因となる。このためフィルムのシワは巻き取り時に解消しなければならない。
前記のフィルムをロールにより幅方向に伸ばす際のロールの種類としては、ゼブラロール、金属ヘリンボンロール、ゴムヘリンボンロールなどが挙げられ、2本のロールで挟むことにより幅方向に伸ばすことが好ましい。2本のロールで挟む場合は、上記ゼブラロール、金属ヘリンボンロール、ゴムヘリンボンロールなどから選ばれるロールと通常のステンレスロールで挟むことが好ましい。
前記加熱において160〜180℃で60〜180秒間処理した後、さらに210〜230℃で60〜180秒間処理することが好ましい。ここでフィルムを処理する方法としては、例えばフィルムの搬送中に加熱炉を設置する方法が挙げられる。160℃より低い温度で60秒より短い時間処理した後、さらに210℃より低い温度で60秒より短い処理した場合、接着剤中の残溶媒量が多くなり、その後のラミネート工程でフィルムを熱する際、ラミネート装置を汚してしまう可能性がある。また180℃より高い温度で180秒より長い時間処理した後、さらに230℃より高い温度で180秒より長く処理すると接着剤中の残溶媒量は十分少なく、それ以上除去することは困難であり、むしろ長時間処理することによりフィルムの搬送速度を遅くすることになり、生産性を落とすことになってしまう。
ポリアミック酸を含有する溶液が、ポリアミック酸固形分を8〜12重量%、溶媒を88〜92重量%有することが好ましい。ポリアミック酸固形分が8%より低いと加熱後の残溶媒量が多くなり、その後のラミネート工程でフィルムを熱する際、ラミネート装置を汚してしまう可能性がある。またポリアミック酸を含有した溶液の粘度が低くなり、コーティング面端部の厚みが高くなり、巻取り不良の原因となる可能性がある。固形分が12重量%%より大きいとポリアミック酸を含有した溶液の粘度が高くフィルム境界面との濡れ角が高くなり、収縮時にTD方向に収縮する力が強くなってしまう。より好ましくは9〜11%である。
巻き取る際の巻き取り速度が1.0〜8.0m/分であることが好ましい。巻き取り速度が1.0m/分より小さいと生産性を落とすことになる。また速度を8.0m/分より大きい速度に設定した場合はコーティング面の熱履歴差によりカールする可能性がある。また速度に合わせて加熱炉を設けなければならず困難である。
本発明で得られた接着剤付きポリイミドフィルムを用いてラミネートにより金属箔と貼り合わせれば良好なCCLを製造できる。
ラミネート装置は熱ロールラミネート装置、またはダブルベルトプレス(DBP)等が挙げられるが特に限定することなく用いることができる。
なお、本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。
(シワの発生)
接着剤を塗布した後イミド化し巻き取る工程において巻取り時にシワが発生するかどうか目視で確認を行った。巻取り時にシワの発生が無かったものを◎、シワが発生していたが、その長さが5mm以下であったものを○、5mm以上のシワが発生したものを×として評価を行った。
(フィルムのカール)
作製したCCLの銅箔を塩化第二鉄水溶液でエッチングして銅箔を除去し、フィルムを得た。得られたフィルムを50mm×50mmにカットしてサンプルを作製し、フィルムのカールを測定した。測定は平らな面にサンプルを置き、サンプルの4隅の平らな面から離れた距離を測定し、平均値を算出した。サンプルは表と裏の両方で測定および平均値の算出を行い、表と裏で値の大きな方をカール値とした。
(接着剤のイミド化率測定)
本発明で作製した巻取り後の接着剤付きポリイミドフィルムの接着剤のイミド化率をFT−IRで測定した。イミド化率は芳香環のピークとC−Nのピークをもとに算出した。
(合成例1:ポリアミック酸の合成1)
容量2000mlのガラス製4つ口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を1600g、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)を11.4g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DAE)を82.9g加え、窒素雰囲気下で攪拌を行った。134gの3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)および15gの2−メチルイミダゾールを186gのDMAcに溶解させた溶液を別途調整し、これを上記反応溶液に添加し攪拌を行った。粘度が1000cpsに達したところで攪拌をやめてポリアミック酸溶液を得た。ポリアミック酸の固形分は12.0重量%であった。
(合成例2:ポリアミック酸の合成2)
容量2000mlのガラス製4つ口フラスコにDMAcを1320g、SiDAを11.4g、4,4’−DAEを82.9g加え、窒素雰囲気下で攪拌を行った。134gのBPDAおよび15gの2−メチルイミダゾールを186gのDMAcに溶解させた溶液を別途調整し、これを上記反応溶液に添加し攪拌を行った。粘度が2500cpsに達したところで攪拌をやめてポリアミック酸溶液を得た。ポリアミック酸の固形分は14.0重量%であった。
(実施例1)
合成例1で得られたポリアミック酸を固形分濃度が10.0重量%になるまでDMAcで希釈した。リバースコータを用いて上記ポリアミック酸溶液を7.5μm厚の耐熱性ポリイミドフィルム(カプトン30EN,東レ・デュポン製)に乾燥後の接着剤厚みが2μmとなるように連続的に塗布を行った。塗布後のフィルムはリバースコータと併設して設置された加熱炉に通し、170℃で120秒および220℃で120秒加熱を行った。加熱後のフィルムは巻取り機によってロール状に巻き取るが、巻取り直前のロールをステンレスロールとヘリンボンロールにしてフィルムをニップさせ、その後巻き取ることで接着剤付きポリイミドフィルムを得た。フィルムの搬送速度は4.0m/minとした。フィルムのシワはなくこれをもとに作製したCCLも外観の欠点なく作製できた。フィルムのカールは0.58mmであり、巻取り後の接着剤のイミド化率は100%であった。
(実施例2)
合成例1で得られたポリアミック酸を固形分濃度が10.0重量%になるまで1−メチル−2−ピロリドン(NMP)で希釈した。リバースコータを用いて上記ポリアミック酸溶液を10μm厚の耐熱性ポリイミドフィルム(カプトン40EN,東レ・デュポン製)に乾燥後の接着剤厚みが2μmとなるように連続的に塗布を行った。塗布後のフィルムはリバースコータと併設して設置された加熱炉に通し、175℃で120秒および220℃で120秒加熱を行った。加熱後のフィルムは巻取り機によってロール状に巻き取るが、巻取り直前のロールをヘリンボンロールにし、その後巻き取ることで接着剤付きポリイミドフィルムを得た。フィルムの搬送速度は4.0m/minとした。フィルムには2〜3mmのシワは発生したが、これをもとに作製したCCLは外観の欠点なく作製できた。フィルムのカールは0.84mmであり、巻取り後の接着剤のイミド化率は100%であった。
(実施例3)
合成例1で得られたポリアミック酸を固形分濃度が9.0重量%になるまでDMAcで希釈した。リバースコータを用いて上記ポリアミック酸溶液を10μm厚の耐熱性ポリイミドフィルム(カプトン40EN,東レ・デュポン製)に乾燥後の接着剤厚みが2μmとなるように連続的に塗布を行った。塗布後のフィルムはリバースコータと併設して設置された加熱炉に通し、170℃で120秒および200℃で120秒加熱を行った。加熱後のフィルムは巻取り機によってロール状に巻き取るが、巻取り直前のロールをステンレスロールとヘリンボンロールにしてフィルムをニップさせ、その後巻き取ることで接着剤付きポリイミドフィルムを得た。フィルムの搬送速度は4.0m/minとした。フィルムのシワはなくこれをもとに作製したCCLも外観の欠点なく作製できた。フィルムのカールは0.67mmであり、巻取り後の接着剤のイミド化率は85%であった。
(実施例4)
合成例1で得られたポリアミック酸を固形分濃度が9.0重量%になるまでDMAcで希釈した。リバースコータを用いて上記ポリアミック酸溶液を10μm厚の耐熱性ポリイミドフィルム(カプトン40EN,東レ・デュポン製)に乾燥後の接着剤厚みが2μmとなるように連続的に塗布を行った。塗布後のフィルムはリバースコータと併設して設置された加熱炉に通し、170℃で40秒および220℃で40秒加熱を行った。加熱後のフィルムは巻取り機によってロール状に巻き取るが、巻取り直前のロールをステンレスロールとヘリンボンロールにしてフィルムをニップさせ、その後巻き取ることで接着剤付きポリイミドフィルムを得た。フィルムの搬送速度は8.0m/minとした。フィルムのシワはなくこれをもとに作製したCCLも外観の欠点なく作製できた。フィルムのカールは0.79mmであり、巻取り後の接着剤のイミド化率は88%であった。
(実施例5)
合成例1で得られたポリアミック酸を固形分濃度が6.0重量%になるまでNMPで希釈した。リバースコータを用いて上記ポリアミック酸溶液を10μm厚の耐熱性ポリイミドフィルム(カプトン40EN,東レ・デュポン製)に乾燥後の接着剤厚みが2μmとなるように連続的に塗布を行った。塗布後のフィルムはリバースコータと併設して設置された加熱炉に通し、175℃で120秒および220℃で120秒加熱を行った。加熱後のフィルムは巻取り機によってロール状に巻き取るが、巻取り直前のロールをステンレスロールとヘリンボンロールにしてフィルムをニップさせ、その後巻き取ることで接着剤付きポリイミドフィルムを得た。フィルムの搬送速度は4.0m/minとした。フィルムのシワはなかったが、カールは2.56mmであった。これをもとに作製したCCLも外観の欠点なく作製できた。巻取り後の接着剤のイミド化率は100%であった。
(実施例6)
合成例2で得られたポリアミック酸を固形分濃度が13.0重量%になるまでNMPで希釈した。リバースコータを用いて上記ポリアミック酸溶液を10μm厚の耐熱性ポリイミドフィルム(カプトン40EN,東レ・デュポン製)に乾燥後の接着剤厚みが2μmとなるように連続的に塗布を行った。塗布後のフィルムはリバースコータと併設して設置された加熱炉に通し、170℃で120秒および220℃で120秒加熱を行った。加熱後のフィルムは巻取り機によってロール状に巻き取るが、巻取り直前のロールをステンレスロールとヘリンボンロールにしてフィルムをニップさせ、その後巻き取ることで接着剤付きポリイミドフィルムを得た。フィルムの搬送速度は4.0m/minとした。フィルムのシワは3mm程度のものが発生したが、これをもとに作製したCCLも外観の欠点なく作製できた。またフィルムは2.21mmカールしていた。巻取り後の接着剤のイミド化率は100%であった。
(実施例7)
合成例1で得られたポリアミック酸を固形分濃度が10.0重量%になるまでNMPで希釈した。リバースコータを用いて上記ポリアミック酸溶液を10μm厚の耐熱性ポリイミドフィルム(カプトン30EN,東レ・デュポン製)に乾燥後の接着剤厚みが2μmとなるように連続的に塗布を行った。塗布後のフィルムはリバースコータと併設して設置された加熱炉に通し、170℃で120秒および220℃で120秒加熱を行った。加熱後のフィルムは巻取り機によってロール状に巻き取るが、巻取り直前のロールをステンレスロールとヘリンボンロールにしてフィルムをニップさせ、その後巻き取ることで接着剤付きポリイミドフィルムを得た。フィルムの搬送速度は0.5m/minとした。フィルムには2〜3mmのシワは発生したが、これをもとに作製したCCLは外観の欠点なく作製できた。フィルムのカールは0.28mmであり、巻取り後の接着剤のイミド化率は100%であった。
(実施例8)
合成例1で得られたポリアミック酸を固形分濃度が10.0重量%になるまでNMPで希釈した。リバースコータを用いて上記ポリアミック酸溶液を7.5μm厚の耐熱性ポリイミドフィルム(カプトン30EN,東レ・デュポン製)に乾燥後の接着剤厚みが2μmとなるように連続的に塗布を行った。塗布後のフィルムはリバースコータと併設して設置された加熱炉に通し、170℃で120秒および220℃で120秒加熱を行った。加熱後のフィルムは巻取り機によってロール状に巻き取るが、巻取り直前のロールをステンレスロールとヘリンボンロールにしてフィルムをニップさせ、その後巻き取ることで接着剤付きポリイミドフィルムを得た。フィルムの搬送速度は10.0m/minとした。フィルムのシワはなかったが、3.21mmカールしていた。これをもとに作製したCCLも外観の欠点なく作製できた。巻取り後の接着剤のイミド化率は86%であった。
(比較例1)
合成例1で得られたポリアミック酸を固形分濃度が10.0重量%になるまでNMPで希釈した。リバースコータを用いて上記ポリアミック酸溶液を10μm厚の耐熱性ポリイミドフィルム(カプトン30EN,東レ・デュポン製)に乾燥後の接着剤厚みが2μmとなるように連続的に塗布を行った。塗布後のフィルムはリバースコータと併設して設置された加熱炉に通し、175℃で120秒および220℃で120秒加熱を行った。加熱後のフィルムは巻取り機によってロール状に巻き取るが、巻取り直前のロールをステンレスロールのみとし、その後巻き取ることで接着剤付きポリイミドフィルムを得た。フィルムの搬送速度は5.0m/minとした。フィルムにシワが発生し、巻き取りによって解消されることは無く、作製したCCLにもフィルムのシワが転写していた。フィルムのカールは2.09mmであり、巻取り後の接着剤のイミド化率は100%であった。
Figure 2013075254
Figure 2013075254

Claims (5)

  1. 厚み1〜12μmの耐熱性ポリイミドフィルムにポリアミック酸および溶媒を含有する溶液を塗布した後、前記溶媒の沸点以上の温度で処理し、得られたフィルムをロールにより幅方向に伸ばし、その直後に巻き取ることを特徴とする接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法。
  2. ロールにより幅方向に伸ばす際、2本のロールで挟むことにより幅方向に伸ばすことを特徴とする請求項1に記載の接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法。
  3. 前記溶媒の沸点以上の温度での処理が、160〜180℃で60〜180秒間処理した後、さらに210〜230℃で60〜180秒間処理する工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法。
  4. ポリアミック酸を含有する溶液が、ポリアミック酸固形分を8〜12重量%、溶媒を88〜92重量%有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法。
  5. 巻き取る際の巻き取り速度が1.0〜8.0m/分であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤付きポリイミドフィルムの製造方法。
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