JP2013074389A - 画像処理装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】階調補正の精度を向上させる。
【解決手段】第2画像処理部は、基準階調値とLUTに基づく出力階調値を特定する(ステップS110)。第2画像処理部は、パッチ画像を表す画像データを生成する(ステップS120)。画像形成部210は、画像データの表すパッチ画像を中間転写ベルトに形成する(ステップS130)。濃度センサは、中間転写ベルトに形成されたパッチ画像の濃度を検出する(ステップS140)。更新部は、検出された濃度から階調補正値を算出する(ステップS150)。更新部は、基準階調値に対応した出力階調値に基づいて決定された出力パターンに基づく階調値と、階調補正値とに基づいてLUTを生成し、生成したLUTで記憶部に記憶されたLUTを更新する(ステップS160)。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像処理装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、画像の画質が変化することを抑制するための対策が講じられている。より具体的には、画像形成装置において、ある濃度を目標としてパッチ画像と呼ばれる画像を形成し、このパッチ画像の濃度を濃度センサで検知する。画像形成装置は、その検知結果と目標との差に応じて、ルックアップテーブル(LUT)と呼ばれるテーブルの内容を更新する。LUTは、例えば0〜255までの256階調で表現される入力階調値に対して出力階調値を対応付けたものである。画像形成装置は、画像データに含まれる各画素の階調値を入力階調値とし、それに対応する出力階調値を用いて画像を形成する。このように画像の階調特性を補正することを階調補正という。画像形成装置は、上記のようなLUTを用いた階調補正のほか、感光体の帯電電位や現像電位等を制御して階調補正を行う場合もある。
例えば、特許文献1には、通常の画像形成時のスクリーン処理に用いるディザマトリクスとは別に、専用のディザマトリクスを用いたスクリーン処理によって作成されたパッチ画像の濃度を検出し、この検出結果に基づいて更新したLUTを用いて階調補正を行う技術が記載されている。
特開2005−144883号公報
本発明の目的は、階調補正の精度を向上させることにある。
本発明の請求項1に係る画像処理装置は、各々値が異なる複数の第1の階調値と各々の当該第1の階調値にそれぞれ対応する第2の階調値とを記憶する第1の記憶手段と、画像を形成する画像形成手段を制御して、目標となる濃度に相当する第1の階調値に対応付けて前記記憶手段に記憶されている第2の階調値の画像を形成させる第1の制御手段と、前記画像形成手段によって形成された前記画像の濃度の読み取り結果を取得する取得手段と、前記目標となる濃度に相当する第1の階調値と、当該第1の階調値に対応付けて前記記憶手段に記憶されている前記第2の階調値と、前記取得手段によって取得された読み取り結果とに基づいて、前記記憶手段に記憶されている各々の前記第1の階調値に対応する前記第2の階調値を更新する更新手段とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る画像処理装置は、それぞれ異なる複数の閾値が配列されたディザマトリクスであって、その大きさが隣り合う前記閾値どうしの差が等しく、前記複数の閾値のうち最も小さい閾値が前記差の半分以下であるディザマトリクスを記憶する第2の記憶手段を備え、前記第1の制御手段は、前記ディザマトリクスにおいて配列されている各閾値と、前記目標となる濃度に相当する第1の階調値に対応して前記第1の記憶手段に記憶されている前記第2の階調値とを比較して、当該第2の階調値の画像を表す2値データを生成し、生成した2値データを前記画像形成手段に供給して前記画像を形成させることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る画像処理装置は、出力対象となる画素の位置を示す複数の画素パターンを階調値ごとに記憶する第3の記憶手段を備え、前記第1の制御手段は、前記第3の記憶手段に記憶されている複数の画素パターンのうち、前記目標となる濃度に相当する第1の階調値に対応して前記第1の記憶手段に記憶されている前記第2の階調値に最も近い階調値の画素パターンを特定し、特定した画素パターンに応じた2値データを前記画像形成手段に供給して前記画像を形成させることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置と、画像データを取得する画像データ取得手段と、画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段を制御して、前記画像データ取得手段によって取得された画像データから特定される階調値を、当該階調値に相当する前記第1の階調値に対応付けて前記記憶手段に記憶されている第2の階調値に変換し、変換後の階調値を含む画像データを前記画像形成手段に供給して、当該画像データに応じた画像を形成させる第2の制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、本発明における第1の制御手段のように画像を形成する構成を有しない場合と比較して、階調補正の精度が向上する。
請求項2に係る発明によれば、請求項2に記載のディザマトリクスを記憶する構成を有しない場合と比較して、出力パターンに基づいて形成された画像の濃度が階調補正を反映したものに近くなりやすくなる。
請求項3に係る発明によれば、請求項3に記載の複数の画素パターンを記憶する構成を有しない場合と比較して、必要とされる記憶容量をより少なくしつつ、階調補正の精度が向上する。
請求項4に係る発明によれば、本発明における第1の制御手段のように画像を形成する装置と、本発明における第2の制御手段のように画像を形成する装置とが一体で設けられている場合と比較して、本発明における第1の制御手段のように画像を形成する装置が、本発明における第2の制御手段のように画像を形成する装置の動作に依存することなく画像形成装置の状況に応じてセットアップ処理を行うことができる。
画像形成装置の全体構成を示すブロック図 画像処理装置とその周辺の機能的構成を示すブロック図 画像出力装置の構造の一例を示す図 中間転写ベルトの表面に形成される画像列と濃度センサとの位置関係を表した図 LUTに基づく階調カーブを表す図 画像処理装置の動作を示すフローチャート パッチ用ディザマトリクスを表す図 LUTが適用されない場合のパッチ用ディザマトリクスの出力パターンを表す図 更新前のLUTが適用される場合のパッチ用ディザマトリクスの出力パターンを表す図 更新後のLUTを適用した場合のパッチ用ディザマトリクスの出力パターンを表す図 LUTが適用されない場合のパッチ用ディザマトリクスの出力パターンを表す図 更新前のLUTが適用される場合のパッチ用ディザマトリクスの出力パターンを表す図 変形例1におけるパッチ用ディザマトリクスを表す図 変形例1において更新前のLUTが適用される場合のパッチ用ディザマトリクスの出力パターンを表す図 変形例2における出力パターン群を表す図
<実施形態>
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<構成>
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置10の全体構成を示すブロック図である。画像形成装置10は、ここでは電子写真方式のプリンタである。画像形成装置10の構成は、コントローラ100と画像出力装置200とに大別される。コントローラ100と画像出力装置200とは、情報の授受が行えるように互いに電気的に接続されている。
コントローラ100は、画像形成装置10の全体的な動作を制御する手段である。コントローラ100は、制御部110と、通信部120と、第1画像処理部130と、UI(User Interface)部140とを備える。
制御部110は、画像形成装置10における全体及び各部の動作を制御する手段である。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)によって構成される。RAMは、画像データを一時的に記憶する。通信部120は、外部装置とデータを送受信する手段である。ここでいう外部装置は、画像データを画像形成装置10に送信したり、画像形成装置10に画像形成を指示したりするための装置であり、例えば画像を読み取るフラットベッドスキャナ等の画像読取装置や、通信手段を介して画像形成装置10に接続されたパーソナルコンピュータ等のクライアント装置である。つまり、制御部110は、外部装置から受信、すなわち取得した画像データをRAMに記憶させる。制御部110は、画像データを取得する画像データ取得手段の一例である。
第1画像処理部130は、画像データに対して画像処理を実行する手段である。第1画像処理部130は、制御部110とは独立したASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路によって構成されているが、制御部110の一機能であってもよい。
第1画像処理部130が実行する画像処理は、画像データのデータ形式をビットマップ形式に変換するデータ変換処理や、画像データに含まれる階調値を網点で表される情報に変換するスクリーン処理のほか、記憶部220に記憶されているルックアップテーブル(LUT)を用いて、画像の階調特性を補正する処理(以下「階調補正」という。)を含む。LUTは、例えば0〜255までの256階調で表現される入力階調値に対して出力階調値を対応付けたものである。LUTにおける入力階調値は、各々値が異なる複数の第1の階調値の一例である。また、LUTにおける出力階調値は、各々の第1の階調値にそれぞれ対応する第2の階調値の一例である。LUTの入力階調値と出力階調値の対応関係は、画像出力装置200の個体差や画像形成パラメータ等によって定まる。画像形成パラメータとは、例えば感光体ドラムを帯電するときの帯電電位、感光体ドラムを露光するときの露光電位、静電潜像を現像するときの現像バイアス、現像器におけるトナーとキャリアの混合比(トナー濃度)、トナー像を転写するときの転写バイアスなどの、画像形成に係る各種のパラメータである。上記の画像処理のうち、データ変換処理は、階調補正よりも前に実行され得る処理である。一方、スクリーン処理は、階調補正よりも後に実行され得る処理である。このように、第1画像処理部130は、決められた順序に従って複数の処理を実行する。
UI部140は、ユーザに情報を提示するとともに、ユーザの操作を受け付ける手段である。UI部140は、例えば、タッチスクリーンを備えた表示装置や各種のボタンを含んで構成される。
画像出力装置200は、コントローラ100から供給された画像データに応じた画像を出力する手段である。ここでいう画像の出力とは、画像をユーザが視認できるように可視化することであり、画像を用紙に形成することに相当する。ここにおいて、用紙は、画像が転写及び形成される媒体の一例である。画像出力装置200は、より詳細には、画像形成部210と、記憶部220と、第2画像処理部230とを備える。
画像形成部210は、帯電、露光、現像、転写、定着といった電子写真方式の各工程を経て画像を形成する手段である。画像形成部210は、これらの各工程において前述した画像形成パラメータを用いて、画像データが表す画像を用紙に形成する。なお、画像形成部210は、本実施形態においてはカラーの画像を形成する手段であるとするが、モノクロの画像を形成する手段であってもよい。画像形成部210は、本発明に係る画像形成手段の一例に相当するものである。
記憶部220は、例えばHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリなどの記憶手段であり、LUTと、パッチ用ディザマトリクスと、基準階調値と、目標濃度とを記憶する。LUTは、前述したとおりである。コントローラ100は、記憶部220からLUTを取得すると、これを第1画像処理部130に供給する。パッチ用ディザマトリクスは、第2画像処理部230がパッチ画像を表す画像データに含まれる階調値を網点で表される情報に変換するスクリーン処理において、スクリーンのディザパターンを表現するマトリクスである。基準階調値は、パッチ画像において目標となる階調値である。目標濃度は、パッチ画像において目標となる濃度である。
第2画像処理部230は、例えばCPU及びRAMによって実現されるが、独立したASIC等の集積回路によって構成されてもよい。第2画像処理部230は、第1画像処理部130とは異なる画像処理を実行する手段である。第2画像処理部230が実行する画像処理は、パッチ用ディザマトリクスを用いた上述のスクリーン処理を含む。具体的には、第2画像処理部230は、記憶部220に記憶されたLUTにおいて、パッチ画像の基準階調値を入力階調値とし、その入力階調値に対応する出力階調値を特定する。そして第2画像処理部230は、特定した出力階調値とパッチ用ディザマトリクスとを用いて、パッチ画像を網点で表した画像データを生成する。このように、画像形成装置10において、通常の画像形成時のスクリーン処理を実行する第1画像処理部130を備えるコントローラ100と、パッチ画像のためのスクリーン処理を実行する第2画像処理部230を備える画像出力装置200とは、別体で設けられている。
また、第2画像処理部230は、記憶部220に記憶されたLUTを更新する手段でもある。第2画像処理部230は、自らが生成した画像データに基づくパッチ画像の濃度に基づいて、記憶部220に記憶されたLUTを更新する。ここでいう濃度は、パッチ画像の濃さを表す数値であり、例えば、パッチ画像に対して照射した光の強度とその反射光の強度との比率によって定まるが、本実施形態においては、トナーの載っていない下地面の反射出力に対するパッチ画像の反射出力の割合で表される。
制御部110と、記憶部220と、第2画像処理部230とは、協働することで画像処理装置300として機能する。
図2は、画像処理装置300とその周辺の機能的構成を示すブロック図である。
記憶部220は、各々値が異なる複数の第1の階調値と各々の当該第1の階調値にそれぞれ対応する複数の第2の階調値とを記憶する第1の記憶手段の一例である。第2画像処理部230により実現される第1の制御部310は、画像を形成する画像形成部210を制御して、目標となる濃度に相当する第1の階調値に対応付けて記憶部220に記憶されている第2の階調値の画像を形成させる第1の制御手段の一例である。第2画像処理部230により実現される取得部320は、画像形成部210によって形成された画像の濃度の読み取り結果を取得する取得手段の一例である。第2画像処理部230により実現される更新部330は、目標となる濃度に相当する第1の階調値と、この第1の階調値に対応付けて記憶部220に記憶されている第2の階調値と、取得部320によって取得された読み取り結果とに基づいて、記憶部220に記憶されている各々の第1の階調値に対応する第2の階調値を更新する更新手段の一例である。
図3は、画像出力装置200の構造の一例を示す図である。図3に例示する画像出力装置200は、いわゆる中間転写方式によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを用いて画像を形成するものである。画像出力装置200は、トナーカートリッジ211Y、211M、211C、211Kと、転写ユニット212Y、212M、212C、212Kと、露光装置213と、中間転写ベルト214と、複数の支持ロール215と、二次転写ロール216と、複数の搬送ロール217と、定着装置218と、濃度センサ241とを備える。
なお、図3に示す構成要素のうち、符号の末尾にアルファベット(Y、M、C又はK)を付したものは、当該構成要素が上記4色のいずれかに対応するものであることを示している。これらの構成要素は、使用するトナーの色が異なるものの、主要な構成や機能は共通している。そこで、以下においては、これらの構成要素の説明において、互いを区別する必要がない場合には、「トナーカートリッジ211」や「転写ユニット212」というように、符号の末尾を省略してこれらを総称するものとする。
トナーカートリッジ211は、各色のトナーを収容し、これを必要に応じて転写ユニット212の現像器に供給する手段である。転写ユニット212は、感光体ドラム、帯電器、現像器、一次転写ロールなどを備え、各色のトナー像を中間転写ベルト214に転写する手段である。露光装置213は、レーザ発光源やポリゴンミラー等を備え、感光体ドラムの周面に向けて画像変調されたレーザ光を照射して静電潜像を形成する手段である。
中間転写ベルト214は、複数の支持ロール215により支持されて図中の矢印A1が示す方向に周回しながら移動する。中間転写ベルト214には、転写ユニット212によって転写されたトナー像、つまり画像が形成される。二次転写ロール216は、中間転写ベルト214に転写されたトナー像を用紙に転写する手段である。搬送ロール217は、用紙を図中の破線の矢印A2に沿った経路で搬送する手段である。定着装置218は、二次転写ロール216によりトナー像が転写された用紙を加熱及び加圧することによって、トナー像を用紙に定着させる手段である。
濃度センサ241は、中間転写ベルト214に形成されているトナー像を光学的に読み取る手段である。本実施形態において濃度センサ241は、読み取ったパッチ画像の濃度を示す濃度情報を第2画像処理部230に供給する。第2画像処理部230は、この濃度情報に基づいてLUTを更新する。なお、画像形成装置10は、中間転写ベルト214に形成されたトナー像を濃度センサ241によって読み取ることに代えて、用紙に形成された画像を画像読取装置によって読み取る構成であってもよい。
画像形成装置10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、画像形成装置10は、外部装置から供給された画像データに対して画像処理を実行し、用紙に画像を形成する。また、画像形成装置10は、画像形成装置10を好適な状態で使用可能にするためのセットアップ処理を、適当なタイミングで実行する。このセットアップ処理には、第2画像処理部230によるパッチ画像を表す画像データの生成と、生成された画像データに基づく画像形成部210によるパッチ画像の形成と、濃度センサ241によるパッチ画像の濃度の読み取りと、第2画像処理部230によるLUTの更新とが含まれる。セットアップ処理は、画像出力装置200によって実行される。画像出力装置200は、セットアップ処理が終了すると、セットアップ処理が終了したことをコントローラ100に通知するとともに、第2画像処理部230によって更新されたLUTをコントローラ100に供給する。LUTは、第2画像処理部230によって更新が行われる前と後とでは、入力階調値と出力階調値の対応関係が変化し得る。
セットアップ処理において、第2画像処理部230は、パッチ画像を表す画像データを生成すると、生成した画像データに基づくパッチ画像が副走査方向に配列された画像列を中間転写ベルト214に形成する旨を画像形成部210に指示する。画像列では、例えば、20%、50%及び75%の3段階の面積率のパッチ画像が、予め決められた位置に配置される。パッチ画像は、Y、M、C、Kのいずれか1色のトナーによって、予め決められた面積に対して或る濃度を持つ。例えば、LUTが0から255までの256階調で表される場合、すなわち有効階調数が256である場合、面積率0%は階調値が0であり、面積率50%は階調値が127であり、面積率100%は階調値が255である。セットアップ処理において、第2画像処理部230は、パッチ画像の目標濃度と、形成されたパッチ画像から読み取られた濃度とを比較し、その相違に応じてLUTを更新する。
なお、セットアップ処理は、画像形成装置10の起動時、予め決められた時間間隔、予め決められた枚数の用紙が使用される毎、予め決められた量のトナーが使用される毎、温度や湿度が予め決められた程度以上に変化した毎などに行われる。また、セットアップ処理は、これらのパラメータを複数組み合わせて考慮したタイミングで実行されてもよい。さらに、セットアップ処理は、このような事前に決められたパラメータを満たした場合に限らず、ユーザが指示したタイミングで随時実行されてもよい。また、上述したように、画像形成装置10において、コントローラ100と画像出力装置200とは別体で設けられているので、画像出力装置200が、コントローラ100の動作に依存することなく、画像形成装置10の状況に応じてセットアップ処理を行える。
セットアップ処理における第2画像処理部230の処理について詳述する。
図4は、中間転写ベルト214の表面に形成される画像列G1と濃度センサ241との位置関係を表した図であり、中間転写ベルト214のベルト面に対して垂直な方向から見たときを表している。中間転写ベルト214の表面の移動方向b(副走査方向)に交差する方向(主走査方向)の中央付近の位置には、中間転写ベルト214の副走査方向に沿って配置された、K、C、M、Yのパッチ画像で構成される画像列G1が形成される。主走査方向は、露光装置213がポリゴンミラーの回転に伴って露光走査を行うときの走査方向とする。この画像列G1に含まれる、四角形の領域で示した各パッチ画像の「K」はブラック、「C」はシアン、「M」はマゼンタ、「Y」はイエローを表している。また、末尾の数字は濃度の違いを表しており、数値が小さいほど高濃度であることを意味している。例えば「C1」で表されるパッチ画像は、面積率75%のシアンのパッチ画像であることを示し、「C2」は面積率50%のシアン、「C3」は面積率25%のシアンという具合である。ブラック、マゼンタ、イエローのパッチ画像も上記のシアンと同様である。濃度センサ241は、画像列G1に対応する位置、つまり、画像列G1に含まれるパッチ画像を読み取り可能な位置に設けられている。
パッチ画像は、その面積率によって用途が異なる。例えば、面積率75%のパッチ画像は電位制御用であり、面積率50%及び面積率25%のパッチ画像はLUT更新用である。面積率75%のパッチ画像の場合、濃度センサ241は、パッチ画像から濃度を読み取ると、読み取った濃度を制御部110に供給する。制御部110は、供給された濃度に基づいて、感光体ドラムを帯電するときの帯電電位や感光体ドラムを露光するときの露光電位を制御する。また、面積率50%及び面積率25%のパッチ画像の場合、濃度センサ241は、パッチ画像から濃度を読み取ると、読み取った濃度を第2画像処理部230に供給する。第2画像処理部230は、供給された濃度と目標濃度との差を算出し、算出した差に基づいて、記憶部220に記憶されたLUTを更新する。
図5は、LUTに基づく階調カーブを表す図である。図では、階調カーブが二次元のグラフとして表されている。図において横軸は入力階調値を表し、縦軸は出力階調値を表す。図の上部には、更新前のLUTに基づく階調カーブL1を、図の下部には、更新後のLUTに基づく階調カーブL2を、それぞれ示す。また、図に示された直線は、LUTを適用しない場合の基準を表すものであって、入力階調値と出力階調値とが同一の値となる基準線Lsを表す。また、ここで、LUTは256階調で表され、有効階調数が256であるものとし、図における階調カーブは、「0」から「255」の間の階調値で表現されている。
図5の例では、更新前のLUTに基づく階調カーブL1において、入力階調値が「63」のときに出力階調値が「58」であり、入力階調値が「127」のときに出力階調値が「148」となっている。一方、更新後のLUTに基づく階調カーブL2において、入力階調値が「63」のときに出力階調値が「63」であり、入力階調値が「127」のときに出力階調値が「160」である。ここで、LUTが256階調で表されているため、階調値「63」は面積率25%を表し、階調値「127」は面積率50%を表す。このように、LUTが更新されることで、階調カーブは変化する。
<動作>
次に、図6〜図10を参照しながら、画像形成装置10の動作について説明する。
図6は、画像処理装置300の動作を示すフローチャートである。第2画像処理部230は、セットアップ処理が実行されると、基準階調値とLUTとに基づいて出力階調値を特定する(ステップS110)。具体的には、ステップS110で、第2画像処理部230は、まず、記憶部220から基準階調値を取得する。この基準階調値は、例えば上述した階調補正用のパッチ画像に基づく面積率25%及び面積率50%と対応する「63」及び「127」という値である。ここで、LUTが図5における階調カーブL1で表されるものであるとすると、第2画像処理部230は、入力階調値が「63」のときの出力階調値を「58」、入力階調値が「127」のときの出力階調値を「148」として特定する。
次に、第2画像処理部230は、パッチ画像を表す画像データを生成する(ステップS120)。具体的には、ステップS120で、第2画像処理部230は、記憶部220からパッチ用ディザマトリクスを取得すると、これにステップS110で特定した出力階調値を適用する、いわゆるスクリーン処理を行うことで、パッチ画像を表す画像データを生成する。
図7は、パッチ用ディザマトリクス400aを表す図である。前述したように、本実施形態においてLUTは256階調で表される。ゆえに、パッチ用ディザマトリクス400aも、LUTに対応して256階調で表されることとなる。パッチ用ディザマトリクス400aは、4×4の行列で表され、この行列において各位置に配置された要素は、階調値の閾値である。パッチ用ディザマトリクス400aは要素数が16であり、各要素、つまり閾値は、「0」から始まり「255」まで、16刻みで値が増加している。このパッチ用ディザマトリクス400aに基づいて生成されたパッチ画像を表す画像データにおいて階調値と濃度が適正な関係となるように、パッチ用ディザマトリクス400aにおける各要素、つまり閾値は予め決められた配置となっている。
第2画像処理部230が行うスクリーン処理は以下のようなものである。第2画像処理部230は、パッチ用ディザマトリクス400aにおいて、ステップS110で特定した出力階調値以下の閾値(要素)の位置を画素の出力対象とした出力パターンを得る。この出力パターンは、「0」または「1」の2値データで表現されている。出力階調値以下の閾値(要素)の位置にある2値データは「1」であり、出力階調値を超える閾値(要素)の位置にある2値データは「0」である。
それぞれの2値データが1画素に対応しており、2値データが「1」の位置は出力対象つまり露光の対象となり、2値データが「0」の位置は露光の対象とならない。第2画像処理部230は、このようにして得られた出力パターンを用いて、パッチ画像を表す画像データを生成する。
図8は、LUTが適用されない場合のパッチ用ディザマトリクス400aの出力パターン410を表す図である。ここで、基準階調値は「127」(面積率50%)である。LUTが適用されないため、出力階調値は図5に示す基準線Lsに従って「127」となる。第2画像処理部230は、図7に示すパッチ用ディザマトリクス400aにおける閾値が「127」以下の位置と対応する画素の2値データを「1」とした出力パターン410を得る。図において、黒く塗りつぶされているのが、2値データが「1」の画素である。この結果、出力パターン410は、図に示すように、8個の画素の2値データが「1」となる。
図9は、更新前のLUTが適用される場合のパッチ用ディザマトリクス400aの出力パターン420を表す図である。ここで、基準階調値は図8と同じ「127」(面積率50%)である。更新前のLUTが適用されるため、出力階調値は図5に示す階調カーブL1に従って「148」となる。第2画像処理部230は、図7に示すパッチ用ディザマトリクス400aにおける閾値が「148」以下の位置と対応する画素の2値データを「1」とした出力パターン420を得る。この結果、出力パターン420は、図に示すように、9個の画素の2値データが「1」であり、LUTを適用しない場合よりも、2値データが「1」の画素が1つ多いものとなる。そして、第2画像処理部230は、出力パターンに基づくパッチ画像を副走査方向に配列した画像列を中間転写ベルト214の表面に形成する旨を、画像形成部210に指示する。次に、画像形成部210が、指示に従って、出力パターンに基づくパッチ画像、すなわち出力パターンにおいて2値データが「1」の画素を出力対象とした画像を副走査方向に配列した画像列を、中間転写ベルト214の表面に形成する(ステップS130)。
次に、濃度センサ241が、パッチ画像の濃度を検出する(ステップS140)。具体的には、ステップS140で、濃度センサ241は、中間転写ベルト214の表面に形成されている画像列に含まれるパッチ画像を光学的に読み取り、読み取ったパッチ画像の濃度を示す濃度情報を第2画像処理部230に供給する。次に、第2画像処理部230が、ステップS140で検出された濃度から階調補正値なるものを算出する(ステップS150)。具体的には、ステップS150で、第2画像処理部230は、以下の式(1)に従って、階調補正値を算出する。
階調補正値=(目標濃度−パッチ画像の読み取り濃度)×α・・・(1)
式(1)において、αは予め決められた係数である。
次に、第2画像処理部230は、LUTを更新する(ステップS160)。具体的には、ステップS160において、第2画像処理部230は、更新前のLUTにおいて基準階調値に対応した出力階調値に基づいて決定された出力パターンに基づく階調値(出力パターン階調値という)と、ステップS150で算出した階調補正値とを用いて、以下の式(2)に基づいて、基準階調値に対応する新たな出力階調値を算出する。
新たな出力階調値=出力パターン階調値+階調補正値・・・(2)
第2画像処理部230は、基準階調値と新たな出力階調値とを対応づけたLUTを生成する。そして第2画像処理部230は、生成したLUTを記憶部220に記憶させる。このとき、記憶部220に予めLUTが記憶されているので、第2画像処理部230は、生成したLUTで記憶部220に記憶されているLUTを更新する。
図10は、更新後のLUTが適用される場合のパッチ用ディザマトリクス400aの出力パターン430を表す図である。更新後のLUTは、図5に示す階調カーブL2のようなものであるとする。ここで、基準階調値は図8及び図9と同じ「127」(面積率50%)である。更新後のLUTが適用されるため、出力階調値は図5に示す階調カーブL2に従って「160」となる。第2画像処理部230は、図7に示すパッチ用ディザマトリクス400aにおける閾値が「160」以下の位置と対応する画素の2値データを「1」とした出力パターン430を得る。この結果、出力パターン430は、図に示すように、10個の画素の2値データが「1」であり、更新前のLUTを適用した場合よりも、2値データが「1」の画素が1つ多いものとなる。第1画像処理部130は、このようにして更新された後のLUTを用いて階調補正を実行する。
LUTが更新された後の動作は以下のようなものとなる。例えば、制御部110は、外部装置から画像データを取得すると、この画像データを第1画像処理部130に供給する。第1画像処理部130は、供給された画像データを表す画像から特定される階調値を、この階調値に対応付けて記憶部220に記憶されている出力階調値、すなわち更新後のLUTにおいて対応付けられた出力階調値に変換する。そして第1画像処理部130は、変換後の出力階調値を含む画像データを画像形成部210に供給して、この画像データに応じた画像を形成させる。
画像形成装置においては一般に、ディザマトリクスにLUTを適用するスクリーン処理は、ユーザによって指定された画像データに応じた画像を形成するときに用いられているが、階調補正を行うためのパッチ画像を形成するときにはこれは用いられない。パッチ画像を形成するときには、単にディザマトリクスの各要素である閾値と基準階調値とを比較してスクリーン処理を行っている。これに対して、本実施形態では、パッチ画像用のディザマトリクスであるパッチ用ディザマトリクスを用意し、階調補正を行うためのパッチ画像を形成するときに、このパッチ用ディザマトリクスにLUTを適用するスクリーン処理を行うようにしている。
ここで、パッチ用ディザマトリクス400aにLUTが適用されない場合とされる場合との比較を述べる。一般的な画像形成装置において、画像データに含まれる階調値となるように形成された画像は、低濃度域〜中濃度域においてはその階調値の濃度よりも濃くなることが多く、また、中濃度域〜高濃度域においてはその階調値の濃度よりも薄くなることが多い。つまり、画像データにおいて指定された濃度と現実に形成された画像の濃度との間に差が生じることが多い。この差を小さくするために、上述したLUTを用いた階調補正が行われる。
パッチ用ディザマトリクス400aにLUTが適用されない場合、LUTは以下のようにして更新される。まず、第2画像処理部230は、図5に示す基準線Lsに従って、基準階調値が「127」である場合、これと同じ「127」の出力階調値を得る。次に、この出力階調値に応じたパッチ用ディザマトリクス400aの出力パターンに基づいて、第2画像処理部230が、パッチ画像を表す画像データを生成し、画像形成部210が、この画像データに基づくパッチ画像を形成する。ここで、形成されたパッチ画像に基づく階調補正値が「33」であったとする。つまり、上述した、濃度に差が生じている状態である。そして、第2画像処理部230は、式(1)に従って、基準階調値「127」に対応する新たな出力階調値を「160」と算出し、これらを対応づけたLUTを生成する。第2画像処理部230は、生成したLUTで記憶部220に記憶されているLUTを更新する。
このようにパッチ用ディザマトリクス400aにLUTが適用されない場合、式(1)のような計算式に従って新たな出力階調値を算出してLUTを更新したとしても、この新たな出力階調値をパッチ画像に反映できないため、LUT更新後の画像の濃度が、目標濃度と合っているかどうかは分からない。つまり、その出力階調値と基準階調値との乖離が大きい場合には、LUT更新後のパッチ画像の濃度が目標濃度と合っているかどうかは分からない。このように、パッチ用ディザマトリクス400aにLUTが適用されない場合、すなわち、LUTにおいて基準階調値に対応付けられた出力階調値を含む画像データを表すパッチ画像が出力されることなく、計算のみによって階調補正が行われた場合、予期していない誤差が含まれることとなる。そして、形成されたパッチ画像に基づく階調補正値(上記例では「33」)の絶対値が大きいほど、その誤差も大きくなる。
一方、パッチ用ディザマトリクス400aにLUTが適用される場合、LUTは以下のようにして更新される。まず、第2画像処理部230は、図5に示す更新前のLUTに基づく階調カーブL1に従って、基準階調値が「127」である場合、「148」の出力階調値を得る。次に、この出力階調値に応じたパッチ用ディザマトリクス400aの出力パターンに基づいて、第2画像処理部230が、パッチ画像を表す画像データを生成し、画像形成部210が、この画像データに基づくパッチ画像を形成する。出力階調値に基づいて決定されたパッチ画像の出力パターン階調値は「143=(9/16)×255)」であり、ここで、形成されたパッチ画像に基づく階調補正値が「7」であったとする。つまり、上述した、濃度に差が生じている状態である。そして、第2画像処理部230は、式(1)に従って、基準階調値「127」に対応する新たな出力階調値を「150」と算出し、これらを対応づけたLUTを生成する。第2画像処理部230は、生成したLUTで記憶部220に記憶されているLUTを更新する。
パッチ用ディザマトリクス400aにLUTが適用されない場合の問題点は上述したとおりである。
これに対し、パッチ用ディザマトリクス400aにLUTが適用される場合では、前回にパッチ画像が形成された際のLUTにおける基準階調値に対応付けられた出力階調値は、この出力階調値を含む画像データを表す画像に基づき算出された新しい出力階調値と近いような階調値となっているはずである。従って、今回パッチ画像が形成される際も、基準階調値(上記例では「127」)にある程度近い新しい出力階調値(上記例では「150」)を得ることができるはずである。つまり、形成されたパッチ画像に基づく濃度と目標濃度との差は小さい。よって、その差の間に含まれるはずの誤差も小さくなる。さらに、画像形成装置10において経時による変化が小さい状態が維持されていれば、すなわち、上記誤差が発生する要因が少なければ、上述したLUTを適用したパッチ画像の形成及びLUTの更新が繰り返されることで、形成されたパッチ画像に基づく濃度が目標濃度に近づくこととなる。つまり、その濃度が目標濃度を満たすようなパッチ画像が形成されやすくなる。
このように、本実施形態によれば、通常の画像形成時のスクリーン処理とは別にパッチ画像のためのスクリーン処理を行う画像形成装置において、パッチ画像のためのスクリーン処理にLUTを適用しない場合と比較して、階調補正の精度を向上させられる。また、画像形成装置10において、通常のスクリーン処理を行うコントローラ100とパッチ画像のスクリーン処理を行う画像出力装置200とを別体で設けることで、画像出力装置200が、コントローラ100を意識することなく画像形成装置10の状況に応じてセットアップ処理を行える。これにより、画像形成装置10における生産性の向上が図られる。
<変形例>
以上の実施形態は次のように変形可能である。尚、以下の変形例は適宜組み合わせて実施してもよい。
(変形例1)
パッチ用ディザマトリクスにおける各要素に含まれる閾値の設定は、実施形態のようなものに限らず、以下のようなものとしてもよい。
図11は、LUTが適用されない場合のパッチ用ディザマトリクス400aの出力パターン440を表す図である。ここで、基準階調値は「63」(面積率25%)である。LUTが適用されないため、出力階調値は図5に示す基準線Lsに従って「63」となる。第2画像処理部230は、図7に示すパッチ用ディザマトリクス400aにおける閾値が「63」以下の位置と対応する画素の2値データを「1」とした出力パターン440を得る。この結果、出力パターン440は、図に示すように、4個の画素の2値データが「1」であるものとなる。つまり、このときの出力パターンにおいて総画素数に対する2値データが「1」である画素の割合で表されるパターン面積率は、式(2)で表される。
4/16×100=25%・・・(2)
図12は、更新前のLUTが適用される場合のパッチ用ディザマトリクス400aの出力パターン450を表す図である。ここで、基準階調値は図11と同じ「63」(面積率50%)である。更新前のLUTが適用されるため、出力階調値は図5に示す階調カーブL1に従って「58」となる。第2画像処理部230は、図7に示すパッチ用ディザマトリクス400aにおける閾値が「58」以下の位置と対応する画素の2値データを「1」とした出力パターン450を得る。この結果、出力パターン450は、図に示すように、3個の画素の2値データが「1」であり、LUTを適用しない場合よりも、2値データが「1」の画素が1つ少ないものとなる。
図12によれば、パッチ用ディザマトリクス400aが用いられた場合、有効階調数に対する出力階調値の割合で表される出力階調率が、式(3)で表されるのに対して、出力パターンにおいて総画素数に対する2値データが「1」である画素の割合で表されるパターン面積率は、式(4)で表される。
58/256×100≒22.7%・・・(3)
3/16×100≒18.75%・・・(4)
つまり、このような場合、パターン面積率と出力階調率の乖離量(22.7−18.75=3.95%)が、LUTが適用されない場合のパターン面積率と出力階調率の乖離量(25−22.7≒2.3%)との乖離量より大きい、すなわち、出力階調値に基づいて出力されるべき画素が出力されないことになるため、望ましくない。
このように、実施形態におけるパッチ用ディザマトリクス400aを用いると、本来であれば、LUTを適用することにより階調補正の精度が向上するはずであるが、低濃度領域において以下のような問題が生じることがある。つまり、低濃度領域において、LUTを適用しないときよりも適用したときのほうが、出力階調率に近い面積率のパッチ画像が出力されない問題が起きやすくなることがある。これに対して、変形例1では、実施形態におけるパッチ用ディザマトリクス400aとは異なるパッチ用ディザマトリクス400bを用いることでこの問題に対処する。
図13は、変形例1におけるパッチ用ディザマトリクス400bを表す図である。パッチ用ディザマトリクス400bは記憶部220により記憶されている。パッチ用ディザマトリクス400bにおいて配列された閾値は、パッチ用ディザマトリクス400aにおいて配列された閾値よりも8ずつ小さいものとなっている。パッチ用ディザマトリクス400bは、それぞれ異なる閾値が配列されたディザマトリクスの一例であり、記憶部220は、このようなディザマトリクスを記憶する第2の記憶手段の一例である。
図14は、変形例1において更新前のLUTが適用される場合のパッチ用ディザマトリクス400bの出力パターン460を表す図である。ここで、基準階調値は図11及び図12と同じ「63」(面積率25%)である。更新前のLUTが適用されるため、出力階調値は図5に示す階調カーブL1に従って「58」となる。第2画像処理部230は、図13に示すパッチ用ディザマトリクス400bにおける閾値が「58」以下の位置と対応する画素の2値データを「1」とした出力パターン460を得る。この結果、出力パターン460は、図に示すように、4個の画素の2値データが「1」であるものとなる。そして第2画像処理部230は、出力パターン460に基づくパッチ画像を副走査方向に配列した画像列を中間転写ベルト214の表面に形成する旨を、画像形成部210に指示する。
図14によれば、パッチ用ディザマトリクス400bが用いられた場合、出力階調率が、式(4)で表されるのに対して、パターン面積率は、式(5)で表される。
58/256×100≒22.7%・・・(4)
4/16×100≒25.0%・・・(3)
つまり、このような場合、パターン面積率が出力階調率に近い、すなわち、出力階調値に基づいて出力されるべき画素が出力されることになる。
ここで、パッチ用ディザマトリクス400aとパッチ用ディザマトリクス400bとにおいて、大きさが隣り合う閾値どうしの差は、等しく16となっている。パッチ用ディザマトリクス400aのように、最も小さい閾値が「15」であると、「0」から「14」までの階調値が入力されたときに、対応する画素の2値データが「1」とならず、結果として、これらの階調値は処理から切り捨てられることとなる。これに対して、パッチ用ディザマトリクス400bは、最も小さい閾値が「7」であるから、パッチ用ディザマトリクス400aと比較して切り捨てられる階調値が少ない。ここで、パッチ用ディザマトリクス400bにおいて、パッチ用ディザマトリクス400aと比較して、各閾値を、大きさが隣り合う閾値どうしの差の半分となる値だけ小さくした理由は、半分より大きな値とすると切り捨ての効果が強くなり、半分より小さな値とすると切り上げの効果が強くなるのに対して、ちょうど半分であれば、切り上げと切り捨ての両方の効果が得られやすいためである。このように、変形例1によれば、パッチ用ディザマトリクス400bが用いられることで、パッチ用ディザマトリクス400aが用いられる場合と比較して、出力パターンに基づいて形成された画像において、出力階調値に基づく画素が出力されやすくなる。
(変形例2)
実施形態におけるパッチ用ディザマトリクス400aに代えて、複数の出力パターンの集まりからなる出力パターン群を用いてもよい。
図15は、変形例2における出力パターン群500を表す図である。出力パターン群500は、より詳細には、500a〜500fまでの6つの出力パターンの集まりである。図に示すように、出力パターン500aは、面積率が18.75%であって階調値が47であるときの出力パターンとして、3個の画素の2値データが「1」となっている。以下、出力パターン500b〜500fについても、図に示すとおりである。つまり、出力パターン群500は、それぞれが異なる階調値を表す出力パターン500a〜500fの集まりである。出力パターン群500は、記憶部220に記憶されている。出力パターン群500は、複数の画素のうち出力対象とする画素の位置を示す画素パターンであって、各々が異なる階調値を表す画素パターンの一例であり、記憶部220はこのような画素パターンを記憶する第3の記憶手段の一例である。出力パターン500a〜500fにおいて、出力対象の画素の2値データは「1」となり、出力対象外の画素の2値データは「0」となる。
変形例2では、図6のフローチャートにおけるステップS120のタイミングで、第2画像処理部230が以下のような処理を行う。第2画像処理部230は、記憶部220に記憶された出力パターン500a〜500fのうち、ステップS110で特定された出力階調値に最も近い階調値を表す出力パターンを選択する。例えば、特定された出力階調値が「148」であった場合、第2画像処理部230は、出力パターン500fを選択する。そして第2画像処理部230は、選択した出力パターンに基づくパッチ画像を副走査方向に配列した画像列を中間転写ベルト214の表面に形成する旨を、画像形成部210に指示する。
実施形態及び変形例1では、パッチ用ディザマトリクスを用いるが、このとき記憶部220がパッチ用ディザマトリクスを記憶するために必要な容量は、以下のようになる。パッチ用ディザマトリクスにおいて、1つの要素、すなわち1つの閾値には0〜255の間のいずれかの数値が含まれるから、各閾値は8bit=1byteで表される。パッチ用ディザマトリクスは4×4の行列で構成され、16の要素を含むから、1つのパッチ用ディザマトリクスは、1byte×16=16byteで表される。そしてパッチ用ディザマトリクスは、濃度25%及び50%の2種類用意されるから、実施形態及び変形例1では、記憶部220がパッチ用ディザマトリクスを記憶するために必要な容量は、16byte×2=32byteとなる。
一方、変形例2では、以下のようになる。出力パターン群500を構成する各出力パターンにおける画素の各々は、「0」又は「1」の2値データで表されるため、1bitで表される。出力パターン500a〜500fの各々は、16画素で構成されるため、各出力パターンは、1bit×16=16bit=2byteで表される。そして出力パターン群500は、6つの出力パターンを含むため、記憶部220が出力パターン群500を記憶するために必要な容量は、2byte×6=12byteとなる。このように、変形例2では、実施形態及び変形例1と比較して、必要とされる記憶容量をより少なくしつつ、実施形態と同様の効果を奏する。
(変形例3)
実施形態及び変形例1において、パッチ用ディザマトリクスは、4×4の行列に限らず、8×8や16×16の行列であってもよい。例えば、有効階調数が256である場合、16×16のパッチ用ディザマトリクスにおいて、各閾値は「0」から「255」まで1刻みの値を取るようにしてもよい。
また、出力パターンにおける各画素は、「0」又は「1」の値を取る2値データに代えて、例えば「0」から「3」までの4段階の数値を含むようにしてもよい。例えば、有効階調数が256である場合、8×8のパッチ用ディザマトリクスにおいて、各画素は「0」から「3」までの4段階の数値を含むようにしてもよい。要するに、有効階調数における最小の値から最大の値までを表現できるようなパッチ用ディザマトリクスを、記憶部220が記憶していればよい。
(変形例4)
本発明に係る画像形成装置に相当する構成は、上述したコントローラ100、及び画像出力装置200を一体に備えた装置である必要はない。例えば、本発明は、電子写真方式のプリンタと、当該プリンタと通信手段(ネットワーク等)を介して接続するサーバとを備えるシステムの形態によって実施されてもよい。この場合、コントローラ100に相当する構成は、サーバ側にある。あるいは、コントローラ100に相当する構成は、プリンタ側の制御手段(CPU等)とサーバ側の制御手段とが協働することによって実現されてもよい。
(変形例5)
LUTを用いた階調補正においては、階調特性を決定付ける要因が複数存在する場合がある。階調特性を決定付ける要因としては、画像形成装置10の経時変化や環境変化のほか、画像形成装置10の個体差も考えられる。このような場合、LUTは、経時変化、環境変化、個体差及びパッチ画像の階調値の4つの要因を複合的に考慮して生成される。ここにおいて、経時変化と環境変化とパッチ画像の階調値とは、そのときどきで変化するものであるため、画像形成部210を実際に動作させ、パッチ画像を形成することで推測される。一方、画像形成装置10の個体差は、その装置に固有な不変のものであるため、画像形成部210を実際に動作させることなく、事前に推測可能なものである。
従って、階調補正は、事前に推測可能な要因(個体差等)に起因する階調特性を調整するためのLUTと、事前に推測不可能な要因(経時変化、環境変化、パッチ画像の階調値等)に起因する階調特性を調整するためのLUTとを用いて、画像データに対してこれらの2つのLUTを順番に適用する処理であってもよい。なお、これらのLUTは、演算によって合成されて1つのLUTとして表現されてもよい。また、これら2つのLUTを用いた階調補正の間には、別の処理が実行されてもよい。例えば、前者のLUT(経時的に変化しないLUT)を用いた階調補正が事前に行われて、後者のLUT(経時的に変化し得るLUT)を用いた階調補正が事後に行われるように画像処理が実行されてもよい。
(変形例6)
また、本発明は、コンピュータを制御装置300として機能させるためのプログラムとしても特定され得るものである。かかるプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態で提供されたり、インターネット等の通信回線を介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用するなどの形態で提供されたりしてもよい。
10…画像形成装置、100…コントローラ、110…制御部、120…通信部、130…第1画像処理部、140…UI部、200…画像出力装置、210…画像形成部、211K,211C,211M,211Y…トナーカートリッジ、212K,212C,212M,212Y…転写ユニット、213…露光装置、214…中間転写ベルト、215…支持ロール、216…二次転写ロール、217…搬送ロール、218…定着装置、220…記憶部、230…第2画像処理部、330…更新部、241…濃度センサ、300…制御装置、400a,400b…パッチ用ディザマトリクス、410,420,430,440,450,460,500a〜500f…出力パターン、500…出力パターン群、G1…画像列、L1,L2…階調カーブ、Ls…基準線

Claims (4)

  1. 各々値が異なる複数の第1の階調値と各々の当該第1の階調値にそれぞれ対応する第2の階調値とを記憶する第1の記憶手段と、
    画像を形成する画像形成手段を制御して、目標となる濃度に相当する第1の階調値に対応付けて前記記憶手段に記憶されている第2の階調値の画像を形成させる第1の制御手段と、
    前記画像形成手段によって形成された前記画像の濃度の読み取り結果を取得する取得手段と、
    前記目標となる濃度に相当する第1の階調値と、当該第1の階調値に対応付けて前記記憶手段に記憶されている前記第2の階調値と、前記取得手段によって取得された読み取り結果とに基づいて、前記記憶手段に記憶されている各々の前記第1の階調値に対応する前記第2の階調値を更新する更新手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. それぞれ異なる複数の閾値が配列されたディザマトリクスであって、その大きさが隣り合う前記閾値どうしの差が等しく、前記複数の閾値のうち最も小さい閾値が前記差の半分以下であるディザマトリクスを記憶する第2の記憶手段を備え、
    前記第1の制御手段は、前記ディザマトリクスにおいて配列されている各閾値と、前記目標となる濃度に相当する第1の階調値に対応して前記第1の記憶手段に記憶されている前記第2の階調値とを比較して、当該第2の階調値の画像を表す2値データを生成し、生成した2値データを前記画像形成手段に供給して前記画像を形成させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 出力対象となる画素の位置を示す複数の画素パターンを階調値ごとに記憶する第3の記憶手段を備え、
    前記第1の制御手段は、前記第3の記憶手段に記憶されている複数の画素パターンのうち、前記目標となる濃度に相当する第1の階調値に対応して前記第1の記憶手段に記憶されている前記第2の階調値に最も近い階調値の画素パターンを特定し、特定した画素パターンに応じた2値データを前記画像形成手段に供給して前記画像を形成させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
    画像データを取得する画像データ取得手段と、
    画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段を制御して、前記画像データ取得手段によって取得された画像データから特定される階調値を、当該階調値に相当する前記第1の階調値に対応付けて前記記憶手段に記憶されている第2の階調値に変換し、変換後の階調値を含む画像データを前記画像形成手段に供給して、当該画像データに応じた画像を形成させる第2の制御手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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