JP2013071635A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃費を向上できる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】この空気入りタイヤ1は、乱流発生用のフィン91(92)をタイヤサイド部の表面に備えている。また、フィン91(92)が、湾曲形状を有している。また、複数のフィン91(92)が、タイヤ径方向の同位置かつタイヤ周方向に所定間隔を隔てて配列されてフィン列9A(9B)を構成している。また、複数のフィン列9A、9Bが、タイヤ径方向に所定間隔を隔てて配置されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、燃費を向上できる空気入りタイヤに関する。
近年の空気入りタイヤでは、車両の燃費改善のために、タイヤの転がり抵抗を減少すべき課題がある。一般に、タイヤの空気抵抗は、空気の流速の2乗に比例して増加する。また、タイヤの空気抵抗が増加すると、タイヤの転がり抵抗が増加する。
そこで、従来の空気入りタイヤは、乱流発生用のフィンをタイヤサイド部の表面に備え、このフィンにより乱流を発生させて、タイヤの転がり抵抗を低減している。
なお、乱流発生用のフィンを備える従来の空気入りタイヤとして、例えば、特許文献1、2に記載される技術が知られている。ただし、特許文献1、2の空気入りタイヤでは、フィンが、主としてタイヤサイド部の冷却に用いられている。
特開2008−222006号公報 特開2008−222007号公報
この発明は、燃費を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、乱流発生用のフィンをタイヤサイド部の表面に備える空気入りタイヤであって、前記フィンが、湾曲形状を有すると共に、複数の前記フィンが、タイヤ径方向の同位置かつタイヤ周方向に所定間隔を隔てて配列されてフィン列を構成し、且つ、複数の前記フィン列が、タイヤ径方向に所定間隔を隔てて配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、乱流発生用のフィンをタイヤサイド部の表面に備える空気入りタイヤであって、前記フィンが、湾曲形状を有すると共に、複数の前記フィンが、タイヤ径方向の同位置かつタイヤ周方向に所定間隔を隔てて配列されてフィン列を構成し、且つ、複数の前記フィン列が、タイヤ径方向に相互にオーバーラップして配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる空気入りタイヤでは、タイヤ半径Rと、前記フィンの湾曲形状の曲率半径rとが、r/R≦1の関係を有することが好ましい。
また、この発明にかかる空気入りタイヤでは、前記フィンのタイヤ径方向の長さLHと、前記フィンの中心線の長さLと、タイヤ断面高さSHとが、0.1≦L/LH≦0.9かつ0.10≦LH/SH≦0.9の関係を有することが好ましい。
また、この発明にかかる空気入りタイヤでは、少なくとも1つの前記フィン列にかかる前記フィンの湾曲形状の凸側を車両前進時におけるタイヤ回転方向に向けて車両に装着すべき指定を有することが好ましい。
この発明にかかるこの空気入りタイヤでは、フィンが湾曲形状を有するので、フィンが直線形状を有する構成と比較して、フィンの総長さが長い。これにより、タイヤ回転時におけるフィンの乱流発生効果が向上して、タイヤの転がり抵抗が減少する利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した空気入りタイヤを示す側面図である。 図3は、図2に記載した空気入りタイヤのフィンを示す拡大図である。 図4は、図3に記載したフィンを示すX−X視断面図である。 図5は、タイヤ周方向に対するフィンの向きを示す説明図である。 図6は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例1を示す説明図である。 図7は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例2を示す説明図である。 図8は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例3を示す説明図である。 図9は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例4を示す説明図である。 図10は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例5を示す説明図である。 図11は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例6を示す説明図である。 図12は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例7を示す説明図である。 図13は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例8を示す説明図である。 図14は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例9を示す説明図である。 図15は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例10を示す説明図である。 図16は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例11を示す説明図である。 図17は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す表である。 図18は、従来例1の空気入りタイヤを示す説明図である。 図19は、従来例2の空気入りタイヤを示す説明図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、乗用車用ラジアルタイヤを示している。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤの回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道面とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤのタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施の形態では、タイヤ赤道面にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
本実施の形態の空気入りタイヤ1は、図1に示すようにトレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4およびビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8とを備えている。
トレッド部2は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面には、トレッド面21が形成されている。トレッド面21は、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道面CLと平行なストレート主溝である複数(本実施の形態では4本)の主溝22が設けられている。そして、トレッド面21は、これら複数の主溝22により、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道面CLと平行なリブ状の陸部23が複数形成されている。また、図には明示しないが、トレッド面21は、各陸部23において、主溝22に交差するラグ溝が設けられている。陸部23は、ラグ溝によってタイヤ周方向で複数に分割されている。また、ラグ溝は、トレッド部2のタイヤ幅方向最外側でタイヤ幅方向外側に開口して形成されている。なお、ラグ溝は、主溝22に連通している形態、または主溝22に連通していない形態の何れであってもよい。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト71,72を積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト71,72は、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20度〜30度)で複数並設されたコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。また、重なり合うベルト71,72は、互いのコードが交差するように配置されている。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に平行(±5度)でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示せず)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。図1で示すベルト補強層8は、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うように配置されている。ベルト補強層8の構成は、上記に限らず、図には明示しないが、ベルト層7全体を覆うように配置された構成、または、例えば2層の補強層を有し、タイヤ径方向内側の補強層がベルト層7よりもタイヤ幅方向で大きく形成されてベルト層7全体を覆うように配置され、タイヤ径方向外側の補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成、あるいは、例えば2層の補強層を有し、各補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成であってもよい。すなわち、ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なるものである。また、ベルト補強層8は、帯状(例えば幅10[mm])のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けて設けられている。
[タイヤサイド部]
ここで、タイヤ接地端TLからリムチェックラインLCまでの領域を、タイヤサイド部Sと呼ぶ(図1参照)。このタイヤサイド部Sには、サイドウォール部のみならず、ショルダー部の一部およびビード部の一部が含まれる。
タイヤ接地端TLとは、タイヤが規定リムに装着されて規定内圧を付与されると共に静止状態にて平板に対して垂直に置かれて規定荷重に対応する負荷を加えられたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置をいう。リムチェックラインLCとは、タイヤのリム組み状態を確認するためのラインであり、一般に、ビード部の表側面に表示される。
なお、規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
[タイヤサイド部のフィン]
図2は、図1に記載した空気入りタイヤを示す側面図である。図3は、図2に記載した空気入りタイヤのフィンを示す拡大図である。図5は、タイヤ周方向に対するフィンの向きを示す説明図である。図4は、図3に記載したフィンを示すX−X視断面図である。これらの図において、図2は、タイヤサイド部の全体構成を示している。また、図3は、単位ピッチあたりのフィン列を実線で示している。また、図4は、フィンを長手方向に垂直な平面で切断したときの断面図を示している。
この空気入りタイヤ1は、乱流発生用のフィン91(92)をタイヤサイド部Sの表面に備える(図1および図2参照)。
フィン91(92)は、タイヤサイド部Sの基準面から突出する凸部である(図1および図4参照)。タイヤサイド部Sの基準面とは、タイヤサイド部Sの模様、文字、凹凸などを除いた面をいい、JATMA規定のタイヤ断面幅の測定に用いられる。また、フィン91(92)は、例えば、タイヤ加硫成形時にて、タイヤ成形金型(図示省略)によりタイヤサイド部Sに一体形成される。また、フィン91(92)は、左右のタイヤサイド部S、Sにそれぞれ配置されても良いし(図1参照)、一方のタイヤサイド部Sにのみ配置されても良い(図示省略)。
また、フィン91(92)は、タイヤサイド部Sの平面視にて、湾曲形状を有する(図3参照)。湾曲形状とは、長尺な図形(長手方向を有する図形)を所定の曲率半径にて湾曲させた形状をいい、例えば、矩形(端部を面取りした矩形を含む)、楕円、長尺な多角形などを湾曲させた形状が含まれる。
また、複数のフィン91(92)が、タイヤ径方向の同位置かつタイヤ周方向に所定間隔を隔てて配列されてフィン列9A(9B)を構成する(図2および図3参照)。このとき、各フィン91(92)のタイヤ径方向の位置の差が、タイヤ断面高さSHに対して±0.5×SHの範囲内にあれば、これらのフィン91(92)は、タイヤ径方向の同位置にあり、1つのフィン列9A(9B)を構成する。
例えば、この実施の形態では、フィン91(92)の長手方向(中心線)に垂直な断面視にて、フィン91(92)が、タイヤサイド部Sの基準面に底辺を置いた矩形の断面形状を有している(図4参照)。また、フィン91(92)が、一様な幅Wおよび高さHを有している。
なお、フィン91(92)の中心線は、フィン91(92)の長手方向に垂直な断面視にて、フィン91(92)の幅W方向の中心点をとり、タイヤサイド部の平面視にて、この中心点を結んだ線として作図される。また、フィン91(92)の幅Wとは、フィン91(92)の長手方向に垂直な断面視におけるタイヤサイド部Sの基準面とフィン91(92)の輪郭線との左右の交点間の距離をいう。また、フィン91(92)の高さHとは、フィン91(92)の長手方向に垂直な断面視におけるタイヤサイド部Sの基準面からフィン91(92)の頂部までの距離をいう。
また、タイヤサイド部Sの平面視にて、フィン91(92)が、半弦状に湾曲した矩形状を有し、その湾曲形状の凸側をタイヤ周方向に向けて配置されている(図3参照)。また、フィン91(92)の中央部が、フィン91(92)のタイヤ径方向内側の端部よりも、タイヤ周方向に突出している。また、フィン91(92)の中心線が、所定の曲率半径r1(r2)を有している。
なお、フィン91(92)の中心線の始点および終点と、フィン91(92)の中心線上におけるこれらの中間点とを結ぶ2直線のなす角の二等分線を引くときに、この二等分線とタイヤ周方向とのなす角θが−45[deg]<θ<+45[deg]の範囲内にあれば、フィン91(92)がタイヤ周方向に凸であるといえる(図5参照)。
また、一対のフィン列9A、9Bが、タイヤサイド部Sに形成されている(図2参照)。また、一方のフィン列9Aが、タイヤ最大幅位置Aを境界とするタイヤ径方向外側の領域に配置され、他方のフィン列9Bが、タイヤ径方向内側の領域に配置されている。このため、これらのフィン列9A、9Bが、タイヤ最大幅位置Aを挟んで、タイヤ径方向に相互に所定間隔をあけて配置されている。
また、これらのフィン列9A、9Bが、同数のフィン91、92をそれぞれ有している(図3参照)。具体的には、単位ピッチあたりで、一方のフィン列9Aの1つのフィン91と、他方のフィン列9Bの1つのフィン92とが対になって配置されている。また、これらのフィン91、92が、タイヤ周方向に同位相で(タイヤ径方向に隣り合って)配置されている。
なお、タイヤ最大幅位置Aとは、JATMA規定のタイヤ断面幅の測定点となる位置をいう(図1参照)。また、タイヤ断面幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。
この空気入りタイヤ1では、車両走行中のタイヤ転動時にて、フィン91、92がタイヤサイド部Sの表面に乱流を発生させる。これにより、タイヤの空気抵抗が減少して、タイヤの転がり抵抗が減少する。また、フィン91、92によりタイヤサイド部の表面積が増加するので、タイヤからの放熱が促進される。これにより、タイヤが冷却されて、タイヤ故障の発生が抑制される。
なお、この空気入りタイヤ1では、タイヤ半径Rと、フィン91(92)の湾曲形状の曲率半径rとが、0<r/R≦1の関係を有することが好ましい。これにより、タイヤの転がり抵抗が効果的に減少する。
なお、曲率半径rは、フィン91(92)の中心線の始点、終点およびこれらの中点の3点を通る円弧の曲率半径として測定される。また、比r/Rの下限は、フィン91、92のタイヤ径方向の長さLHにより制約を受ける。
また、この空気入りタイヤ1では、フィン91(92)のタイヤ径方向の長さLH(LH1、LH2)と、フィン91(92)の中心線の長さL(図示省略)と、タイヤ断面高さSHとが、1.0≦L/LH≦3.0かつ0.10≦LH/SH≦0.5の関係を有することが好ましい(図3参照)。これにより、フィン91(92)の設置長さLHおよび総長さLが適正化されて、タイヤ回転時におけるフィン91(92)の乱流発生効果が向上する。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視にて、最もタイヤ径方向外側にあるフィン列9Aのタイヤ径方向外側の端部からタイヤ接地端TLまでの距離DH1と、最もタイヤ径方向内側にあるフィン列9Bのタイヤ径方向内側の端部からリムチェックラインLCまでの距離DH2と、タイヤ断面高さSHとが、0.05≦DH1/SH≦0.5かつ0.05≦DH2/SH≦0.5の関係を有することが好ましい(図1参照)。これにより、フィン91、92の設置範囲が適正化されて、タイヤ回転時におけるフィン91、92の乱流発生効果が向上する。
また、この空気入りタイヤ1では、図4に示すように、タイヤ径方向に垂直な断面視にて、フィン91、92が、タイヤサイド部Sの基準面に底辺を置いた矩形の断面形状を有している。しかし、これに限らず、フィン91、92は、三角形あるいは台形の断面形状を有しても良いし、半円形ないしは楕円形の断面形状を有しても良い(図示省略)。
また、この空気入りタイヤ1では、フィン91、92の幅Wが、0.5[mm]≦W≦10.0[mm]の範囲内にあることが好ましい(図4参照)。また、フィン91、92の高さHが、0.5[mm]≦H≦10.0[mm]の範囲内にあることが好ましく、1.0[mm]≦H≦5.0[mm]の範囲内にあることがより好ましい。これらにより、フィン91、92の幅Wおよび高さHが適正化される。
なお、上記のフィン9の幅Wおよび高さHの範囲は、乗用車用の空気入りタイヤにおいて好ましく、重荷重用のような外径が大きい空気入りタイヤの場合は、この範囲に限らず、当該乗用車用の範囲を超え得る。
[タイヤ装着方向の指定]
また、この空気入りタイヤ1は、少なくとも1つのフィン列9A(9B)にかかるフィン91(92)の湾曲形状の凸側を、車両前進時におけるタイヤ回転方向に向けて車両に装着すべき指定を有することが好ましい(図3参照)。かかる装着態様により、タイヤ回転時におけるフィン列9A(9B)の乱流発生効果が向上する。なお、タイヤ装着方向の指定は、一般に、タイヤのサイドウォール部に形成された文字や凹凸により表示される。
例えば、図2および図3の構成では、2つのフィン列9A、9Bのフィン91、92が、湾曲形状の凸側をタイヤ周方向かつ相互に同一方向に向けて配置されている。そして、空気入りタイヤ1が、これらのフィン列9A、9Bにかかるフィン91、92の湾曲形状の凸側を、車両前進時におけるタイヤ回転方向に向けて車両に装着すべき指定を有している。
なお、空気入りタイヤ1が、左右のタイヤサイド部Sにフィン列9A、9A(9B、9B)をそれぞれ有する構成では、左右のタイヤサイド部Sの各フィン91、91(92、92)が、湾曲形状の凸側を同一方向に向けて配置されることが好ましい(図示省略)。これにより、タイヤの車両装着時にて、左右のタイヤサイド部Sの各フィン91、91(92、92)が、湾曲形状の凸側を車両前進時におけるタイヤ回転方向にそれぞれ向けて配置される。
また、空気入りタイヤ1が、一方のタイヤサイド部Sにのみフィン列9A、9Bを有する構成では、このフィン列9A、9Bを有する側のタイヤサイド部Sを車幅方向外側に向けて車両に装着すべき指定を有することが好ましい。これは、タイヤ転動時には、車幅方向内側よりも車幅方向外側の方が、空気抵抗の影響が大きいことによる。
[変形例1〜6]
図6〜図11は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例1〜6を示す説明図である。これらの図は、単位ピッチあたりのフィン列を実線で示している。ここでは、図3に記載したフィン列との相異点について説明し、共通点については、その説明を省略する。
図3の構成では、2つのフィン列9A、9Bのフィン91、92が、湾曲形状の凸側をタイヤ周方向かつ相互に同一方向に向けて配置されている。かかる構成は、タイヤがフィン91、92の湾曲形状の凸側を車両前進時におけるタイヤ回転方向に向けて車両に装着されたときに、タイヤ回転時におけるフィン列9A、9Bの乱流発生効果が効果的に向上する点で好ましい。
これに対して、図6の変形例1では、2つのフィン列9A、9Bのフィン91、92が、湾曲形状の凸側をタイヤ周方向かつ相互に異なる方向に向けて配置されている。また、タイヤの車両装着時にて、タイヤ径方向外側のフィン列9Aが車両前進時におけるタイヤ回転方向に凸となるように、配置されている。
図6の変形例1では、各フィン91、92がタイヤ回転方向と車両前進方向とが一致する位置(図2の12時の位置)にあるときには、タイヤ径方向外側のフィン91が車両進行方向に対して凸となり、各フィン91、92がタイヤ回転方向と車両前進方向とが逆方向となる位置にあるときには、タイヤ径方向内側のフィン92が車両進行方向に対して凸となる。したがって、タイヤ回転時にて、いずれかのフィン91(92)が車両進行方向に対して凸となるので、タイヤ回転時におけるフィン列9A、9Bの乱流発生効果が向上する。
また、図3の構成では、2つのフィン列9A、9Bが同数のフィン91、92を有し、各フィン列9A、9Bのフィン91、92が単位ピッチあたりで1つずつ配置されている。
これに対して、図7の変形例2では、2つのフィン列9A、9Bが相互に異なる数のフィン91、92を有している。具体的には、タイヤ径方向外側のフィン列9Aにおけるフィン91の設置数が、タイヤ径方向内側のフィン列9Bにおけるフィン92の設置数よりも、2倍に設定されている。また、単位ピッチあたりは、タイヤ径方向外側に2つのフィン91、91が配置され、タイヤ径方向内側に1つのフィン92が配置されている。また、タイヤ径方向外側にある2つのフィン91、91のうちの1つと、タイヤ径方向内側にあるフィン92とが、タイヤ周方向に同位相で(タイヤ径方向に隣り合って)配置されている。
タイヤ転動時には、タイヤサイド部Sの表面における空気の流速がタイヤ径方向外側ほど速い。この点において、図7の変形例では、タイヤ径方向外側のフィン列9Aがより多くのフィン91を有するので、その乱流発生効果が効果的に得られる。
しかし、これに限らず、タイヤ径方向内側のフィン列9Bが、タイヤ径方向外側のフィン列9Aよりも多くのフィン92を有しても良い(図示省略)。
図8の変形例3では、図7の変形例2において、タイヤ径方向外側のフィン列9Aのフィン91と、タイヤ径方向内側のフィン列9Bのフィン92とが、湾曲形状の凸側をタイヤ周方向かつ相互に異なる方向に向けて配置されている。かかる構成により、図6の変形例1と同様の作用効果を得られる。
図9の変形例4では、図3の構成において、各フィン列9A、9Bのフィン91、92が、タイヤ最大幅位置Aに対して所定間隔D1、D2を開けて配置されている。具体的には、各フィン列9A、9Bのフィン91、92とタイヤ最大幅位置Aとのタイヤ径方向の間隔D(=D1=D2)が、タイヤ断面高さSHに対して0.10≦D/SH≦0.5の関係を有している。
タイヤ最大幅位置Aでは、タイヤ転動時におけるサイドウォールゴムの変形量が大きい。したがって、図9の変形例4では、各フィン列9A、9Bのフィン91、92の位置が0.10≦D/SHとなる位置(タイヤ最大幅位置Aから外れた位置)に配置されることにより、タイヤの耐久性が向上する。一方で、フィン91、92が、D/SH≦0.5となる位置に配置されることにより、フィン91、92のタイヤ径方向の長さが確保されるので、フィンの乱流発生効果が適正に確保される。
また、図3の構成では、タイヤ最大幅位置Aを境界とするタイヤ径方向外側の領域とタイヤ径方向内側の領域とに、フィン列9A、9Bがそれぞれ配置されている。一般に、タイヤ最大幅位置Aのタイヤ径方向外側の領域とタイヤ径方向内側の領域とでは、タイヤ転動時における空気流れが相異する。したがって、各領域にフィン列9A、9Bがそれぞれ配置されることにより、フィン列9A、9Bによる乱流発生効果が適正に得られる。
これに対して、図10の変形例5では、タイヤ最大幅位置Aを境界とするタイヤ径方向外側の領域にのみ、複数のフィン列9A、9Bが配置されている。すなわち、タイヤ径方向外側の領域にのみ2列のフィン列9A、9Bが偏って配置され、タイヤ径方向内側の領域には、フィン列が配置されていない。かかる構成としても、フィン列9A、9Bによる乱流発生効果が得られる。
また、図3の構成では、2つのフィン列9A、9Bが、タイヤサイド部Sに配置されている。また、これらのフィン列9A、9Bが、タイヤ最大幅位置Aから外れた位置に配置されている。
これに対して、図11の変形例6では、3つのフィン列9A〜9Cが、タイヤサイド部Sに配置されている。このように、3つ以上のフィン列がタイヤサイド部Sに配置されても良い。フィン列の設置数の上限は、各フィンのタイヤ径方向の長さにより制約を受ける。乗用車用タイヤでは、2つ〜5つのフィン列を、相互にオーバーラップさせることなくタイヤ周方向に配置した構成が想定される。なお、図11の変形例6では、タイヤ最大幅位置Aにフィン列9Bが配置されているが、かかる構成としても良い。
[変形例7、8]
図12および図13は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例7、8を示す説明図である。これらの図は、単位ピッチあたりのフィン列を実線で示している。ここでは、図3に記載したフィン列との相異点について説明し、共通点については、その説明を省略する。
図3の構成では、すべてのフィン列9A、9Bのフィン91、92が、湾曲形状の凸側をタイヤ周方向に向けて配置されている。かかる構成では、タイヤ回転時におけるフィン91、92の乱流発生効果が向上する点で好ましい。
しかし、これに限らず、フィン列9A、9Bを構成するフィン91、92が、湾曲形状の凸側を任意の方向に向けて配置されても良い。また、各フィン列9A(9B)のフィン91(92)が湾曲形状の凸側を相互に異なる方向に向けて配置されても良い。このように、フィン91、92を不規則に配列した構成としても、フィン91、92による乱流発生効果が得られる。
例えば、図12の変形例7では、図3の構成において、フィン列9A(9B)が単位ピッチあたりで4つのフィン91(92)を有している。また、これらのフィン91(92)が、湾曲形状の凸側を90[deg]ずつ回転させて相互に異なる方向に向けて配置されている。また、タイヤ径方向に隣り合う各フィン列9A、9Bのフィン91、92が、湾曲形状の凸側を相互に異なる方向に向けて配置されている。
また、図13の変形例8では、図7の構成において、タイヤ径方向外側のフィン列9Aが単位ピッチあたりで4つのフィン91を有し、タイヤ径方向内側のフィン列9Bが2つのフィン92を有している。また、これらのフィン91(92)が、湾曲形状の凸側を90[deg](180[deg])ずつ回転させて相互に異なる方向に向けて配置されている。また、タイヤ径方向に隣り合う各フィン列9A、9Bのフィン91、92が、湾曲形状の凸側を相互に異なる方向に向けて配置されている。
[フィン列がオーバーラップする変形例]
図14〜図16は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例9〜11を示す説明図である。これらの図は、単位ピッチあたりのフィン列を実線で示している。ここでは、図3に記載したフィン列との相異点について説明し、共通点については、その説明を省略する。
図3の構成では、タイヤ径方向外側のフィン列9Aと、タイヤ径方向内側のフィン列9Bとがタイヤ最大幅位置Aを挟んで相互に所定間隔を隔てて配置されている。
これに対して、図14〜図16の変形例9〜11では、複数のフィン列9A、9Bが、タイヤ径方向に相互にオーバーラップして配置されている。かかる構成としても、フィン91、92による乱流発生効果が得られる。
例えば、図14の変形例9では、2つのフィン列9A、9Bが、タイヤサイド部Sに配置されている。また、これらのフィン列9A、9Bが、タイヤ径方向の相互に異なる位置に配置されている。また、タイヤ径方向外側のフィン列9Aとタイヤ径方向内側のフィン列9Bとが、その一部をタイヤ径方向にオーバーラップさせて配置されている。このとき、単位ピッチあたりで、タイヤ径方向外側のフィン列9Aのフィン91と、タイヤ径方向内側のフィン列9Bのフィン92とが、タイヤ最大幅位置Aを跨いでそれぞれ配置され、また、タイヤ周方向に位相をズラして配置されている。また、各フィン91、92が、相互に分離して配置されている。また、各フィン91、92が、湾曲形状の凸側をタイヤ周方向かつ同一方向に向けて配置されている。
また、図15の変形例10では、3つのフィン列9A〜9Cが、タイヤサイド部Sに配置されている。また、これらのフィン列9A〜9Cが、タイヤ径方向の相互に異なる位置に配置されている。また、1つ目のフィン列9Aが、タイヤ最大幅位置Aよりもタイヤ径方向外側に配置され、2つ目のフィン列9Bが、タイヤ最大幅位置Aを跨いで配置され、3つ目のフィン列9Cが、タイヤ最大幅位置Aよりもタイヤ径方向内側に配置されている。また、タイヤ径方向外側にあるフィン列9Aと、タイヤ最大幅位置Aにあるフィン列9Bとが、その一部をタイヤ径方向にオーバーラップさせて配置されている。また、タイヤ最大幅位置Aにあるフィン列9Bと、タイヤ径方向内側にあるフィン列9Cとが、その一部をタイヤ径方向にオーバーラップさせて配置されている。また、単位ピッチあたりで、タイヤ径方向外側のフィン列9Aのフィン91と、タイヤ径方向内側のフィン列9Cのフィン93とが、タイヤ周方向に同位相で(タイヤ径方向に隣り合って)配置されている。また、これらのフィン91、93と、タイヤ最大幅位置Aのフィン列9Bのフィン92とが、タイヤ周方向に位相をズラして配置されている。また、各フィン91〜93が、相互に分離して配置されている。また、各フィン91〜93が、湾曲形状の凸側をタイヤ周方向かつ同一方向に向けて配置されている。
また、図16の変形例11では、図15の変形例10において、タイヤ最大幅位置Aのフィン列9Bのフィン92と、他のフィン列9A、9Cのフィン91、93とが、湾曲形状の凸側をタイヤ周方向かつ相互に異なる方向に向けて配置されている。また、タイヤ車両装着時にて、2つのフィン列9A、9Cのフィン91、93が車両前進時におけるタイヤ回転方向に凸となるように、タイヤ装着方向が指定されている。
なお、図14〜図16の変形例9〜11では、複数のフィン列9A、9B(9A〜9C)のオーバーラップ幅LW(LW1、LW2)と、タイヤ断面高さSHとが、0.05≦LW/SH≦0.3の関係を有することが好ましい。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、乱流発生用のフィン91(92)をタイヤサイド部の表面に備える(図1および図2参照)。また、フィン91(92)が、湾曲形状を有する(例えば、図3参照)。また、複数のフィン91(92)が、タイヤ径方向の同位置かつタイヤ周方向に所定間隔を隔てて配列されてフィン列9A(9B)を構成する。また、複数のフィン列9A、9Bが、タイヤ径方向に所定間隔を隔てて配置される。
かかる構成では、フィン91(92)が湾曲形状を有するので、フィンが直線形状を有する構成(図示省略)と比較して、フィン91(92)の総長さが長い。これにより、タイヤ回転時におけるフィン91(92)の乱流発生効果が向上して、タイヤの転がり抵抗が減少する利点がある。また、フィン91(92)によりタイヤサイド部の表面積が増加するので、タイヤからの放熱が促進される。これにより、タイヤが冷却されて、タイヤ故障の発生が抑制される利点がある。また、複数のフィン列9A、9Bがタイヤ径方向に所定間隔を隔てて配置されるので、フィンがタイヤの耐久性を低下させないという利点がある。
また、この空気入りタイヤ1は、乱流発生用のフィン91(92)をタイヤサイド部の表面に備える(図1および図2参照)。また、フィン91(92)が、湾曲形状を有する(例えば、図14参照)。また、複数のフィン91(92)が、タイヤ径方向の同位置かつタイヤ周方向に所定間隔を隔てて配列されてフィン列9A(9B)を構成する。また、複数のフィン列9A、9Bが、タイヤ径方向に相互にオーバーラップして配置される。
かかる構成では、フィン91(92)が湾曲形状を有するので、フィンが直線形状を有する構成(図示省略)と比較して、フィン91(92)の総長さが長い。これにより、タイヤ回転時におけるフィン91(92)の乱流発生効果が向上して、タイヤの転がり抵抗が減少する利点がある。また、フィン91(92)によりタイヤサイド部の表面積が増加するので、タイヤからの放熱が促進される。これにより、タイヤが冷却されて、タイヤ故障の発生が抑制される利点がある。また、複数のフィン列9A、9Bが一部をタイヤ径方向にオーバーラップさせて配置されるので、フィンによる乱流発生効果が増加するという利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ半径Rと、フィン91(92)の湾曲形状の曲率半径r(r1、r2)とが、r/R≦1の関係を有する(例えば、図3参照)。かかる構成では、フィン91(92)の湾曲形状が適正化されるので、フィン91(92)の乱流発生効果が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、フィン91(92)のタイヤ径方向の長さLH(LH1、LH2)と、フィン91(92)の中心線の長さL(L1、L2)と、タイヤ断面高さSHとが、0.1≦L/LH≦0.9かつ0.10≦LH/SH≦0.9の関係を有する(例えば、図3参照)。かかる構成では、フィンの総長さLが適正化されるので、フィン91(92)の乱流発生効果が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1は、少なくとも1つのフィン列9A(9B)にかかるフィン91(92)の湾曲形状の凸側を車両前進時におけるタイヤ回転方向に向けて車両に装着すべき指定を有する(例えば、図3参照)。かかる構成では、タイヤの車両装着時におけるフィン91(92)の凸側の向きが適正化されるので、フィン91(92)の乱流発生効果が向上する利点がある。
図17は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す表である。図18および図19は、従来例1、2の空気入りタイヤを示す説明図である。これらの図は、単位ピッチあたりのフィンの拡大図を示している。
この性能試験では、相互に異なる複数の空気入りタイヤについて、燃費に関する評価が行われた(図17参照)。これらの性能試験では、タイヤサイズ185/65R15の空気入りタイヤがJATMA規定の適用リムに組み付けられ、この空気入りタイヤにJATMA規定の最高空気圧および最大負荷が付与される。
燃費に関する評価では、空気入りタイヤが、排気量1500[cc]、モーターアシスト駆動かつ小型前輪駆動である試験車両に装着される。そして、試験車両が全長2[km]のテストコースを100[km/h]で50[周]走行し、その後に、燃料消費量が測定される。そして、この測定結果に基づいて、燃料消費率が算出され、従来例1を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど燃費が良く、好ましい。
実施例1〜17の空気入りタイヤ1は、図3、図6〜図16の構成をそれぞれ有している。これらの空気入りタイヤ1は、フィン91(92、93)の長手方向に垂直な断面視にて、フィン91(92、93)が矩形断面形状を有し、フィン91(92、93)の幅Wおよび高さHが、W=1[mm]、H=2[mm]となっている(図4参照)。また、タイヤ径方向の最も外側にあるフィン列9Aのピッチ数(タイヤ周方向の単位パターンの配列数)が、30となっている。
従来例1、2の空気入りタイヤは、図18および図19の構成をそれぞれ有している。また、フィンの断面形状、幅、高さおよびピッチ数は、実施例1の空気入りタイヤ1と同一である。
試験結果に示すように、実施例1〜17の空気入りタイヤ1では、タイヤの燃費が向上することが分かる。また、フィン91(92、93)の湾曲形状(比r/R)、総長さL、車両装着時の向きなどが適正化されることにより、タイヤの燃費がさらに向上することが分かる。
1 空気入りタイヤ、2 トレッド部、21 トレッド面、22 主溝、23 陸部、3 ショルダー部、4 サイドウォール部、5 ビード部、51 ビードコア、52 ビードフィラー、6 カーカス層、7 ベルト層、71,72 ベルト、8 ベルト補強層、9A〜9C フィン列、91〜93 フィン

Claims (5)

  1. 乱流発生用のフィンをタイヤサイド部の表面に備える空気入りタイヤであって、
    前記フィンが、湾曲形状を有すると共に、複数の前記フィンが、タイヤ径方向の同位置かつタイヤ周方向に所定間隔を隔てて配列されてフィン列を構成し、且つ、複数の前記フィン列が、タイヤ径方向に所定間隔を隔てて配置されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 乱流発生用のフィンをタイヤサイド部の表面に備える空気入りタイヤであって、
    前記フィンが、湾曲形状を有すると共に、複数の前記フィンが、タイヤ径方向の同位置かつタイヤ周方向に所定間隔を隔てて配列されてフィン列を構成し、且つ、複数の前記フィン列が、タイヤ径方向に相互にオーバーラップして配置されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. タイヤ半径Rと、前記フィンの湾曲形状の曲率半径rとが、r/R≦1の関係を有する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記フィンのタイヤ径方向の長さLHと、前記フィンの中心線の長さLと、タイヤ断面高さSHとが、0.1≦L/LH≦0.9かつ0.10≦LH/SH≦0.9の関係を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 少なくとも1つの前記フィン列にかかる前記フィンの湾曲形状の凸側を車両前進時におけるタイヤ回転方向に向けて車両に装着すべき指定を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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