JP2013069676A - 電池の解体方法及び解体した電池からの電極群の回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極群にダメージを与えずに、安全に電極群を取り出し、電池に含まれる部品、材料の分別回収を容易にし、電池構成物質への不純物の混入を抑制することができる電池の解体方法を提供する。
【解決手段】電池10を構成する有底筒状の外装容器11の底部11bに円形の切り込み11cを入れて切断分離部11dを設けることにより開口部11aを形成する。また、外装容器11の蓋部材12側に周方向の切り込み11eを入れることにより取出口11fを形成する。この後、開口部11aから切断分離部11dを外装容器11内に向かって押し込むことにより、外装容器11内の電極群14を開口部11a側から蓋部材12方向に加圧すると、外装容器11の蓋部材12側に形成した取出口11fから電極群14を取り出すことができる。
【選択図】図2
【解決手段】電池10を構成する有底筒状の外装容器11の底部11bに円形の切り込み11cを入れて切断分離部11dを設けることにより開口部11aを形成する。また、外装容器11の蓋部材12側に周方向の切り込み11eを入れることにより取出口11fを形成する。この後、開口部11aから切断分離部11dを外装容器11内に向かって押し込むことにより、外装容器11内の電極群14を開口部11a側から蓋部材12方向に加圧すると、外装容器11の蓋部材12側に形成した取出口11fから電極群14を取り出すことができる。
【選択図】図2
Description
本発明は電池の解体方法及び解体した電池からの電極群の回収方法に関する。より詳しくは廃棄された電池から電極群を傷つけることなく効率的に回収することが可能な電池の解体方法に関するものである。
リチウム二次電池などの電池は、携帯電話やノートパソコン用電源や自動車用電源としての需要が近年増え続けている。
電池は、一般に、正極及び負極を電気的に隔離するセパレータや固体電解質などを介して、集電体と集電体の上に担持された電極合剤からなる2種類の電極シート(正極シート、負極シート)を任意の形状に積層・巻回することにより作製される電極群(巻回型電極群)または積層することにより作製される電極群(積層型電極群)を外装容器内に収容し、電解液を注液後、密閉して使用されている。
図1に代表的な構成を有する電池の断面模式図を示す。電池100は、有底筒状の外装容器50と、外装容器50の片端開口部を閉塞する蓋部材60とを有する密閉容器内に、電極群40を収納し、電解液を注液後、密閉することにより形成されている。電極群40は、シート状の正極及び負極と、該正極及び負極の間に配置され正極と負極が直接接触しないように隔てるセパレータとを配置し、任意の形状に積層し、巻回することにより作製されている。
電池100において、正極(又は負極)の一端は、リード線L1を介して電極端子30aと接続されている。また、負極(又は正極)は、リード線L2を介して、外装容器50の底部52と接続されており、リード線L2の先端は溶接部53にて底部52と溶接されている。
電池は、一般に、正極及び負極を電気的に隔離するセパレータや固体電解質などを介して、集電体と集電体の上に担持された電極合剤からなる2種類の電極シート(正極シート、負極シート)を任意の形状に積層・巻回することにより作製される電極群(巻回型電極群)または積層することにより作製される電極群(積層型電極群)を外装容器内に収容し、電解液を注液後、密閉して使用されている。
図1に代表的な構成を有する電池の断面模式図を示す。電池100は、有底筒状の外装容器50と、外装容器50の片端開口部を閉塞する蓋部材60とを有する密閉容器内に、電極群40を収納し、電解液を注液後、密閉することにより形成されている。電極群40は、シート状の正極及び負極と、該正極及び負極の間に配置され正極と負極が直接接触しないように隔てるセパレータとを配置し、任意の形状に積層し、巻回することにより作製されている。
電池100において、正極(又は負極)の一端は、リード線L1を介して電極端子30aと接続されている。また、負極(又は正極)は、リード線L2を介して、外装容器50の底部52と接続されており、リード線L2の先端は溶接部53にて底部52と溶接されている。
ところで、リチウム二次電池などの電池には、電極活物質や集電体として有価金属元素が含まれるが(例えば、特許文献1参照)、資源の有効利用の観点から使用済みの廃電池や製造工程で生じる不良品から有価金属元素を回収することが重要である。
廃電池や電池不良品から有価金属元素を取り出す場合、従来は電池容器と共に電極群や集電体を、細片に破砕し、次いで、破砕後の細片を適当な薬剤にて溶解することによって、電極群などに含まれる有価金属元素を、原料化合物として回収していた(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、このような回収法は、目的とする元素を選択的に回収することが難しく、さらに回収処理するために余分で複雑な工程が別途必要となるため、有価金属元素の回収効率が悪いものであった。
また、廃電池や電池不良品における正極や負極に含まれる電極活物質には、残余エネルギーが残っていることも多く、電池の破砕時に正極と負極が短絡して発熱して発火するおそれがあるという問題もあった。
廃電池や電池不良品から有価金属元素を取り出す場合、従来は電池容器と共に電極群や集電体を、細片に破砕し、次いで、破砕後の細片を適当な薬剤にて溶解することによって、電極群などに含まれる有価金属元素を、原料化合物として回収していた(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、このような回収法は、目的とする元素を選択的に回収することが難しく、さらに回収処理するために余分で複雑な工程が別途必要となるため、有価金属元素の回収効率が悪いものであった。
また、廃電池や電池不良品における正極や負極に含まれる電極活物質には、残余エネルギーが残っていることも多く、電池の破砕時に正極と負極が短絡して発熱して発火するおそれがあるという問題もあった。
ところで、電池は、その構成要素である正極、負極、電解液などの一部が劣化した場合、あるいは種々の原因で内部抵抗が増加した場合には、電池として使用できなくなる。このような場合、廃電池には、劣化した電池構成要素のみならず、劣化していない電池構成要素を含む。ここで、リサイクルの観点からは、劣化していない電池構成要素(特に電極活物質)を、上述のように粉砕し、薬剤に溶解して原料化合物として回収するのではなく、そのままリサイクルすることが好ましい。電池構成要素の中でも正極活物質は、比較的コスト高であるため、正極活物質をそのままリサイクルすることができると、電池コストを低減することが期待できる。
電池構成要素をリサイクルするためには、電池容器から電極群を傷つけずに取り出し、電極活物質、セパレータなどを分別回収する方法が必要である。
従来、電池容器から電極群を取り出す場合、外装容器の胴部の両端部分を輪切りにして取出口を形成し、そこから電池内部の電極群を取り出す方法が取られていた。しかしながら、電極群を構成する正極(集電体含む)、負極(集電体含む)、セパレータなどはそれぞれが非常に薄いシートであるため、外装容器の胴部を切断する際に、圧迫されると電極群が破損して、電極の短絡が発生して発熱するおそれがあった。特に、図1に示す外装容器50の底部52に溶接部53を有する電池100の場合、外装容器50の胴部51の底部52側を輪切りにする際にリード線L2に引っ張られ、電極群40が変形しやすいため、上記電極群40の破損の問題が発生し易かった。
従来、電池容器から電極群を取り出す場合、外装容器の胴部の両端部分を輪切りにして取出口を形成し、そこから電池内部の電極群を取り出す方法が取られていた。しかしながら、電極群を構成する正極(集電体含む)、負極(集電体含む)、セパレータなどはそれぞれが非常に薄いシートであるため、外装容器の胴部を切断する際に、圧迫されると電極群が破損して、電極の短絡が発生して発熱するおそれがあった。特に、図1に示す外装容器50の底部52に溶接部53を有する電池100の場合、外装容器50の胴部51の底部52側を輪切りにする際にリード線L2に引っ張られ、電極群40が変形しやすいため、上記電極群40の破損の問題が発生し易かった。
特許文献3には、廃棄する電池の容器胴部両端をカットして両端板を除いた後、胴部にその長手方向と平行なスリットを入れ開いて容器胴部を除去し、ついで内容物を展延すると共に有用物と廃棄物とを分離する電池の解体方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、解体作業が繁雑になることに加え、長手方向と平行なスリットを形成する際に電極にダメージを与えることがある。さらには、電池容器の切断量が多いため、容器を構成する金属材料の切粉が電池内へ混入しやすく、回収物の不純物増加を招きやすい。
しかしながら、この方法では、解体作業が繁雑になることに加え、長手方向と平行なスリットを形成する際に電極にダメージを与えることがある。さらには、電池容器の切断量が多いため、容器を構成する金属材料の切粉が電池内へ混入しやすく、回収物の不純物増加を招きやすい。
かかる状況下、本発明の目的は、電極群にダメージを与えずに、安全に電極群を取り出し、電池に含まれる部品、材料の分別回収を容易にし、電池構成物質への不純物の混入を抑制することができる電池の解体方法及び該解体方法により解体された電池から電極群を回収する方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
本発明の電池の解体方法は、密閉容器内に、少なくとも正極、負極を含む電極群並びに電解質を収納した電池の解体方法であって、前記密閉容器に取出口及び該取出口より小さい開口部を形成し、前記開口部から前記電極群を加圧すること若しくは前記取出口から吸引することにより、前記取出口から前記電極群を取り出すことを特徴とする。ここで、本発明において、電解質は、正極・負極間でイオンを輸送するための電解液、固体電解質、ゲル電解質、溶融塩などを意味する。なお、電解質が電解液の場合には、開口部は、電解液の排出口として利用することもできる。
このような構成とすれば、開口部から電極群を加圧すること若しくは取出口から吸引することにより、電極群にかかるストレスを抑制しながら、取出口から電極群を取り出すことが可能となるため、電極群にダメージを与えずに、安全に電極群を取り出し、電池に含まれる部品、材料の分別回収を容易にし、電池構成物質への不純物の混入を抑制することができる。
また、本発明の電池の解体方法において、解体される電池が、有底筒状の外装容器とその片端開口部を閉塞する蓋部材とを有する密閉容器内、若しくは筒状の外装容器とその両端開口部を閉塞する蓋部材とを有する密閉容器内に、少なくとも正極、負極を含む電極群並びに電解質を収納した電池であって、前記有底筒状の外装容器の底部若しくは前記筒状の外装容器の一方の蓋部材の一部に開口部を形成し、前記外装容器の蓋部材側に取出口を形成し、前記開口部は前記取出口より小さく、前記開口部から前記電極群を加圧すること若しくは前記取出口から吸引することにより、前記取出口から前記電極群を取り出すことが好ましい。
このような構成とすれば、有底筒状の外装容器の底部若しくは筒状の外装容器の一方の蓋部材に開口部を形成し、開口部から電極群を加圧すること若しくは取出口から吸引することにより、余計なストレスを掛けることなく、取出口から電極群を傷つけることなく取り出すことができる。
また、開口部は、有底筒状の外装容器の底部若しくは筒状の外装容器の一方の蓋部材の一部に形成すればよいため、従来技術の電池の解体方法のように外装容器の胴部を切断する場合と比較して、外装容器の切断に由来する切粉の発生量が低減する。その結果、解体時に、発生する前記切粉が電池内部に混入することが抑制されるため、回収される電池構成材料における容器由来の不純物を低減させることができる。なお、電解質が電解液の場合には、開口部は、電解液の排出口として利用することもできる。
また、開口部は、有底筒状の外装容器の底部若しくは筒状の外装容器の一方の蓋部材の一部に形成すればよいため、従来技術の電池の解体方法のように外装容器の胴部を切断する場合と比較して、外装容器の切断に由来する切粉の発生量が低減する。その結果、解体時に、発生する前記切粉が電池内部に混入することが抑制されるため、回収される電池構成材料における容器由来の不純物を低減させることができる。なお、電解質が電解液の場合には、開口部は、電解液の排出口として利用することもできる。
開口部を形成する方法としては、有底筒状の外装容器の底部若しくは筒状の外装容器の一方の蓋部材を適当な手段(例えば、レーザカッタや回転式カッタ)で切断分離する方法や、エンドミル、ドリルあるいはレーザなどで穿孔する方法が挙げられる。
また、開口部から電極群を加圧する方法としては、開口部からロッドを外装容器内に挿入して電極群を直接押す方法や、開口部から空気や窒素などの加圧ガス若しくは水などの液体を注入することによって加圧する方法などが挙げられる。
また、開口部から電極群を加圧する方法としては、開口部からロッドを外装容器内に挿入して電極群を直接押す方法や、開口部から空気や窒素などの加圧ガス若しくは水などの液体を注入することによって加圧する方法などが挙げられる。
取出口は、電極群が取り出せる大きさになるように密閉容器の蓋部材側に形成される。取出口の機能は電極群がスムーズに取り出せればよく、蓋部材を切断分離して、除去することにより取出口を形成してもよいし、外装容器の胴部を蓋部材の近傍にて切断して、除去することにより取出口を形成してもよい。
また、前記有底筒状の外装容器の底部の一部若しくは前記筒状の外装容器の一方の蓋部材の一部を切断分離することによって前記開口部が形成され、切断分離された前記底部若しくは前記蓋部材の一部を前記外装容器内に押し込むことにより、前記開口部側から前記電極群を加圧して、前記外装容器の取出口から前記電極群を押し出すことが好ましい。
このような構成とすれば、より電極群の破損、変形、これに起因するショートを防ぐことができる。さらに、電極群を取り出すときに、電極群は取出口から電池の長手方向に延長した方向へ引き出すことができるため、引き出した電池群の下側に電極群を受けるトレーを用意しておけば、電極群はその姿勢のまま、電極群の形状の変形が生じることなく、次々と並べて取り出すことができるため、電極群を整列して回収することができ、後工程の作業性が向上する。
また、電解質が電解液の場合においては、開口部から、予め種々の手段により電解液を排出することが可能となる。その結果、電池の解体時に取出口から外装容器内の電解液が外部に洩れるのを回避することができ、また、電極群にとって不純物となる残留電解液成分を減少させることができる。更に電解液成分の再利用も可能になる。
また、解体される電池が、正極若しくは負極のいずれかの電極から導出されたリード部材の一部が外装容器の底部に直接的若しくは間接的に溶接された溶接部を有する電池である場合には、前記溶接部が前記外装容器の底部の切断分離部に含まれるように前記開口部を形成することが望ましい。
ここで、リード部材とは、正極及び負極の集合体の一部、あるいは、それらに電気的に接続されているものをいう。
この解体方法は、解体される電池が、正極若しくは負極のいずれかの電極から導出されたリード部材の一部が外装容器の底部に直接的若しくは間接的に溶接された溶接部を有する電池である場合に好適である。すなわち、該溶接部が前記外装容器の底部の切断分離部に含まれるように前記開口部を形成するか、溶接部に対して穿孔して開口部を形成することにより、電極群を外装容器の底部の切断分離部と共に開口部から取り出した後にリード部材を切断することができ、あるいは、リード部材と底部が予め切断された状態となっているため、取出前にリード部材を切断する場合と比較して、煩雑な作業がなくなるとともに、電極群へのダメージを低減することができる。
ここで、リード部材とは、正極及び負極の集合体の一部、あるいは、それらに電気的に接続されているものをいう。
この解体方法は、解体される電池が、正極若しくは負極のいずれかの電極から導出されたリード部材の一部が外装容器の底部に直接的若しくは間接的に溶接された溶接部を有する電池である場合に好適である。すなわち、該溶接部が前記外装容器の底部の切断分離部に含まれるように前記開口部を形成するか、溶接部に対して穿孔して開口部を形成することにより、電極群を外装容器の底部の切断分離部と共に開口部から取り出した後にリード部材を切断することができ、あるいは、リード部材と底部が予め切断された状態となっているため、取出前にリード部材を切断する場合と比較して、煩雑な作業がなくなるとともに、電極群へのダメージを低減することができる。
また、本発明の電池の解体方法は、その解体される電池が、前記外装容器の底部内面側にシート部材が設置されている電池に対して好適に適用できる。シート部材は、絶縁性の確保や電極保護などの目的で使用されているが、シート部材が存在することにより、外装容器から電極群までの距離が離れることになるので、本発明の電池の解体方法と組合せた場合、容器切断時の切粉混入防止、ショート防止及び電極群保護を行うことができる。特にシート部材が電気絶縁性の耐熱フィルムであるとより効果的である。
また、本発明の電池の解体方法は、その解体される電池が、シート部材が外装容器胴部切断部内面、電極群端部の少なくとも一方に設置されている電池に対して好適である。
さらに、切断分離時において、吸引、吸着、吹き飛ばし、および固着からなる群から選択される少なくとも一つの手段により切粉を除去することが望ましい。
なお、ここで言う「吸引」とは掃除機等で切粉を吸い込み除去することを意味し、「吸着」とは静電気や磁石で切粉を吸着除去することを意味し、「吹き飛ばし」とはエアスプレー等で切粉を吹き飛ばして除去することを意味し、「固着」とは切断分離する部分に予め未硬化の接着剤、粘着剤、若しくは溶融プラスチックを塗布しておき、または切断分離する部分に予め粘着テープを貼り付けておき、その状態で切断分離することにより、発生する切粉を接着剤、粘着剤、溶融プラスチック又は粘着テープで固着させて除去することを意味する。
また、本発明の電池の解体方法は、その解体される電池が、シート部材が外装容器胴部切断部内面、電極群端部の少なくとも一方に設置されている電池に対して好適である。
さらに、切断分離時において、吸引、吸着、吹き飛ばし、および固着からなる群から選択される少なくとも一つの手段により切粉を除去することが望ましい。
なお、ここで言う「吸引」とは掃除機等で切粉を吸い込み除去することを意味し、「吸着」とは静電気や磁石で切粉を吸着除去することを意味し、「吹き飛ばし」とはエアスプレー等で切粉を吹き飛ばして除去することを意味し、「固着」とは切断分離する部分に予め未硬化の接着剤、粘着剤、若しくは溶融プラスチックを塗布しておき、または切断分離する部分に予め粘着テープを貼り付けておき、その状態で切断分離することにより、発生する切粉を接着剤、粘着剤、溶融プラスチック又は粘着テープで固着させて除去することを意味する。
本発明の電池の解体方法において、解体される電池における電解質が電解液であって、前記外装容器の取出口から前記電極群を取り出す前に、前記開口部から電解液を排出することが好ましい。開口部から、予め種々の手段により電解液を排出することにより、電池の解体時に取出口から外装容器内の電解液が洩れるのを回避することができ、また、電極群にとって不純物となる残留電解液成分を減少させることができる。更に電解液成分の再利用も可能になる。
本発明の電極群の回収方法は、上記の方法により解体された電池から電極群を回収することを特徴とする。本発明の解体方法では上述のように解体時に電極群にダメージを与えることを回避でき、不純物の混入を抑制することができるので、回収される電極群はその構成物質をそのままリサイクルして使用することができる。
本発明によれば、切粉混入防止効果、ショート防止効果及び電極群保護効果を高めた電池の解体方法が提供される。解体された電池から回収される電極群には不純物が混入されるのを抑制するため、その構成物質をそのままリサイクルすることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の第1実施形態である電池の解体方法において、図2(a)に示す有底筒状の外装容器11とその片端開口部を閉塞する電極端子12aを兼ねた蓋部材12とを有する密閉容器13内に、少なくとも正極、負極を含む電極群14並びに電解液(図示せず)を収納した電池10を解体対象としている。また、図3に示すように、電池10は、負極から導出された線状のリード部材15の端部が外装容器11の底部11bに溶接された溶接部16を有している。
図2(a),図3に示すように、電池10を構成する有底筒状の外装容器11の底部11bに円形の切り込み11cを入れて切断分離部11dを設けることにより、開口部11aを形成する。また、外装容器11の蓋部材12側に周方向の切り込み11eを入れることにより取出口11fを形成する。この場合、溶接部16が外装容器11の底部11bの切断分離部11dに含まれるように開口部11aを形成する。
この後、図2(b)に示すように、開口部11aから切断分離部11dを外装容器11内に向かって押し込むことにより、外装容器11内の電極群14を前記開口部11a側から蓋部材12方向に加圧すると、外装容器11の蓋部材12側に形成した取出口11fから電極群14を取り出すことができる。なお、開口部11aから電極群14を加圧する方法は限定しないので、開口部11aからロッド(図示せず)を外装容器11内に挿入して電極群14を直接押す方法や、開口部11aから空気や窒素などの加圧ガス若しくは水などの液体を注入することによって加圧する方法などを採用することができる。
なお、取出口11fから電極群14を取り出す前に、開口部11aから電解液を予め種々の手段により排出することにより、解体時に取出口11fから外装容器11内の電解液が洩れることを回避することができ、回収目的である電極群14にとって不純物となる残留電解液成分を減少させることができる。また、排出した電解液は回収して再利用することも可能である。
本実施形態の電池の解体方法は、解体時に電極群14にストレスがかかり難いため、電極群14を傷つけることなく、安全に取り出すことができ、電池10に含まれる部品、材料の分別回収を容易に行うことができる。また、開口部11aは、外装容器11の底部11bの一部に形成すればよいため、外装容器11の胴部を切断する従来技術の場合に比べ、外装容器11の切粉の発生量が低減する。その結果、外装容器11の構成材料が電池10の内部に混入することを抑制することができるため、回収される電池構成材料における容器由来の不純物を低減させることができる。なお、開口部11aから電極群14を加圧する方法のほかに、取出口11fから吸引することにより、取出口11fから電極群14を取り出すこともできる。
また、図3に示すように、リード部材15の溶接部16が外装容器11の底部11bの切断分離部11dに含まれるように開口部11aを形成したことにより、電極群14を外装容器11の底部11bの切断分離部11dと共に取出口11fから取り出した後に、リード部材15を切断できるため、取出前にリード部材15を切断する場合に比べ、電極群14へのダメージを低減することができる。
なお、電池10の外装容器11の底部11bに円形の切り込み11cを入れて切断分離部11dを設けるとき、または外装容器11の蓋部材12側に周方向の切り込み11eを入れて取出口11fを形成するときなどの切断分離時において、吸引、吸着、吹き飛ばし、および固着からなる群から選択される少なくも一つの手段により切粉を除去すれば、外装容器11の構成材料が切粉となって電池10内に混入することを防止することができる。
次に、本発明の第2実施形態である電池の解体方法は、図4に示すように、有底筒状の外装容器21とその片端開口部を閉塞する電極端子22a,22b付きの蓋部材22とを有する密閉容器23内に、少なくとも正極、負極及びセパレータを含む電極群24並びに電解液(図示せず)を収納した電池20を解体対象とする。
図4(a)に示すように、電池20を構成する有底筒状の外装容器21の底部21bに円形の切り込み21cを入れて切断分離部21dを設けることにより、開口部21aを形成する。また、外装容器21の蓋部材22側に周方向の切り込み21eを入れることにより取出口21fを形成する。
この後、図4(b)に示すように、開口部21aから切断分離部21dを外装容器21内に向かって押し込むことにより、外装容器21内の電極群24を開口部21a側から蓋部材22方向に加圧すると、外装容器21の蓋部材22側に形成した取出口21fから電極群24を取り出すことができる。第1実施形態の場合と同様、開口部21aから電極群24を加圧する方法は限定しないので、開口部21aからロッド(図示せず)を外装容器21内に挿入して電極群24を直接押す方法や、開口部21aから空気や窒素などの加圧ガス若しくは水などの液体を注入することによって加圧する方法などを採用することができる。
なお、取出口21fから電極群24を取り出す前に、開口部21aから電解液を予め種々の手段により排出することにより、解体時に取出口21fから外装容器21内の電解液が洩れることを回避することができ、回収目的である電極群24にとって不純物となる残留電解液成分を減少させることができる。また、排出した電解液は回収して再利用することも可能である。
本実施形態に係る電池の解体方法は、図2,図3に示す第1実施形態に係る電池の解体方法と同様、解体時に電極群24にストレスがかかり難いため、電極群24を傷つけることなく、安全に取り出すことができ、電池20に含まれる部品、材料の分別回収を容易に行うことができる。また、開口部21aは、外装容器21の底部21bの一部に形成すればよいため、外装容器21の胴部を切断する従来技術の場合に比べ、外装容器21の切粉の発生量が大幅に低減する。その結果、外装容器21の構成材料の電池20内への混入を抑制することができるため、回収される電池構成材料における容器由来の不純物を低減させることができる。
次に、本発明の第3実施形態である電池の解体方法は、図5に示すように、有底筒状の外装容器31とその片端開口部を閉塞する電極端子32aを兼ねた蓋部材32とを有する密閉容器33内に、少なくとも正極、負極を含む電極群34と、外装容器31の底部31bと電極群34との間に配置されたシート部材35と、外装容器31の周壁部と電極群34との間に配置されたシート部材36と、電解液(図示せず)と、を収納した電池30を解体対象としている。なお、シート部材35,36は、電気絶縁性の耐熱フィルムからなる。電気絶縁性の耐熱フィルムの材料としては、例えば、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられる。
図5に示すように、電池30を構成する有底筒状の外装容器31の底部31bに円形の切り込み31cを入れて切断分離部31dを設けることにより開口部31aを形成する。また、外装容器31の蓋部材32側に周方向の切り込みを入れることにより取出口31fを形成する。
この後、開口部31aから切断分離部31d及びシート部材35を外装容器31内に向かって押し込むことにより、外装容器31内の電極群34を開口部31a側から蓋部材32方向に加圧すると、外装容器31の蓋部材32側に形成した取出口31fから、シート部材36で包囲された状態の電極群34を取り出すことができる。なお、開口部31aから電極群34を加圧する方法は限定しないので、開口部31aからロッド(図示せず)を外装容器31内に挿入して電極群34を直接押す方法や、開口部31aから空気や窒素などの加圧ガス若しくは水などの液体を注入することによって加圧する方法などを採用することができる。
なお、取出口31fから電極群34を取り出す前に、開口部31aから電解液を予め種々の手段により排出することにより、解体時に取出口31fから外装容器31内の電解液が洩れることを回避することができ、回収目的である電極群34にとって不純物となる残留電解液成分を減少させることができる。また、排出した電解液は回収して再利用することも可能である。
図5に示す電池の解体方法は、前述の解体方法と同様、解体時に電極群34にストレスがかかり難いため、電極群34を傷つけることなく、安全に取り出すことができ、電池30に含まれる部品、材料の分別回収を容易に行うことができる。また、開口部31aは、外装容器31の底部31bの一部に形成すればよいため、外装容器31の胴部を切断する従来技術の場合に比べ、外装容器31の切粉の発生量が低減する。その結果、外装容器31の構成材料が電池30の内部に混入することを抑制することができるため、回収される電池構成材料における容器由来の不純物を低減させることができる。
電池30の外装容器31と電極群34との間に配置されているシート部材35,36は、絶縁性を確保し、電極を保護するなどの目的で使用されているが、シート部材35,36が存在することにより、外装容器31から電極群34までの距離が離れた状態となるので、本実施形態の電池の解体方法を実施した場合、外装容器31の切断時の切粉混入防止効果、ショート防止効果及び電極群保護効果を高めることができる。
以下、本発明の方法による回収の対象となる電極群の構成要素について、本発明の電池の解体方法の好適な対象であるリチウム二次電池の電極群を例として説明する。
なお、以下の説明は、本発明の電池の解体方法及び電極群の回収方法の好適対象を例示するものである。従って、本発明の解体方法の対象はリチウム二次電池に特に限定されるものではなく、回収対象の電極群も以下に特に限定されるものでない。
なお、以下の説明は、本発明の電池の解体方法及び電極群の回収方法の好適対象を例示するものである。従って、本発明の解体方法の対象はリチウム二次電池に特に限定されるものではなく、回収対象の電極群も以下に特に限定されるものでない。
図6に示す電極群6において、第1の電極シート1は、正極活物質を含む正極合剤を金属箔に塗布して作製された導電性シートであり、正極としての機能を有する。この正極シート(第1の電極シート1)は、通常、正極集電体と、正極集電体の上に担持された正極合剤とから構成され、正極シート(第1の電極シート1)の厚みは、通常、5〜500μm程度である。
正極集電体として、薄膜に加工しやすいものであればよく、Al、Ni、ステンレスなどの金属を用いることができる。正極集電体の形状としては、例えば、箔状、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチングメタル状若しくはエンボス状であるものまたはこれらを組み合わせたもの(例えば、メッシュ状平板など)等が挙げられる。
正極集電体として、薄膜に加工しやすいものであればよく、Al、Ni、ステンレスなどの金属を用いることができる。正極集電体の形状としては、例えば、箔状、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチングメタル状若しくはエンボス状であるものまたはこれらを組み合わせたもの(例えば、メッシュ状平板など)等が挙げられる。
正極合剤は、正極活物質及び必要に応じて導電材やバインダーを含み、それぞれが従来公知の材料から作製することができる。
正極活物質としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、Li(Ni,Co)O2、Li(Ni,Mn)O2、Li(Ni,Mn,Co)O2、LiMn2O4、Li(Mn,Fe)2O4、LiFePO4、LiMnPO4などを挙げることができ、これらは1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
前記導電材としては炭素材料を用いることができ、炭素材料として黒鉛粉末、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどの繊維状炭素材料などを挙げることができる。
前記バインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)などのフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂等が挙げられる。また、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
正極活物質としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、Li(Ni,Co)O2、Li(Ni,Mn)O2、Li(Ni,Mn,Co)O2、LiMn2O4、Li(Mn,Fe)2O4、LiFePO4、LiMnPO4などを挙げることができ、これらは1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
前記導電材としては炭素材料を用いることができ、炭素材料として黒鉛粉末、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどの繊維状炭素材料などを挙げることができる。
前記バインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)などのフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂等が挙げられる。また、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、加圧成型する方法、または有機溶媒などをさらに用いてペースト化し、正極集電体上に塗布し、乾燥後プレスするなどして固着する方法が挙げられる。正極合剤ペーストを正極集電体へ塗布する方法としては、例えば、スリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、バー塗工法等が挙げられる。
第2の電極シート2は、グラファイト(黒鉛粉末)をCu箔に塗布して作製された導電性シートであり、負極としての機能を有する。
この負極シート(第2の電極シート2)は、通常、炭素材料などの負極材料、必要に応じてバインダーや導電材を含む負極合剤を負極集電体に担持させて製造される。負極シート(第2の電極シート2)の厚みは、通常、5〜500μm程度である。
負極集電体として、例えば、Cu、Ni、ステンレスなどの材料からなる導電性シートを挙げることができ、リチウムと合金を作り難い点、薄膜に加工しやすいという点で、Cuが好適である。また、導電材およびバインダーとしては、上述の正極シートと同様の材料を挙げることができる。
該負極集電体に負極合剤を担持させる方法としては、上記の正極の場合と同様であり、加圧成型による方法、溶媒などをさらに用いてペースト化し負極集電体上に塗布、乾燥後プレスし圧着する方法等が挙げられる。
この負極シート(第2の電極シート2)は、通常、炭素材料などの負極材料、必要に応じてバインダーや導電材を含む負極合剤を負極集電体に担持させて製造される。負極シート(第2の電極シート2)の厚みは、通常、5〜500μm程度である。
負極集電体として、例えば、Cu、Ni、ステンレスなどの材料からなる導電性シートを挙げることができ、リチウムと合金を作り難い点、薄膜に加工しやすいという点で、Cuが好適である。また、導電材およびバインダーとしては、上述の正極シートと同様の材料を挙げることができる。
該負極集電体に負極合剤を担持させる方法としては、上記の正極の場合と同様であり、加圧成型による方法、溶媒などをさらに用いてペースト化し負極集電体上に塗布、乾燥後プレスし圧着する方法等が挙げられる。
なお、電流の出し入れを行うために、第1の電極シート1、第2の電極シート2に付着された電極タブ5a,5bは、十分な電子導電性を有する材料であればよく、Cu、Ni、ステンレスなどを挙げることができ、その他にも、公知の材料からなる電極タブを使用することができる。また、電極シートと電極タブ5a,5bを付着する方法も特に限定されず、通常、溶接で行われる。
セパレータ3及びセパレータ4は、厚み10〜30μmの多孔性ポリエチレンシートが使用され、その中には適量の電解液が注入されている。セパレータの厚みは、特に限定されないが、通常、5〜200μm(好適には5〜40μm)である。
セパレータ3,4は、熱可塑性樹脂からなる多孔性シートが好ましく、熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体が挙げられる。
また、セパレータ3,4は、両電極シートの短絡を防止する機能および過充電時のシャットダウン機能を有するが、シャットダウン後の熱破膜抑制機能(耐熱機能)を持たせる為に、耐熱性を有する耐熱性多孔層と、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を含有する多孔性シートとが積層された積層セパレータを用いることもできる。耐熱性多孔層は、耐熱樹脂からなってもよいし、無機粒子からなってもよいし、これらが混合されてなってもよい。耐熱樹脂としては、含窒素芳香族重合体を用いることが好ましく、積層セパレータとしては、含窒素芳香族重合体を有する耐熱性多孔層と、多孔性ポリエチレンシートとが積層された積層セパレータが、二次電池用セパレータとして耐熱性の面、シャットダウンの性能面で好適である。積層セパレータとしては、例えば特開2000−30686号公報、特開平10−324758号公報等に記載の積層セパレータを挙げることができる。
セパレータ3,4は、熱可塑性樹脂からなる多孔性シートが好ましく、熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体が挙げられる。
また、セパレータ3,4は、両電極シートの短絡を防止する機能および過充電時のシャットダウン機能を有するが、シャットダウン後の熱破膜抑制機能(耐熱機能)を持たせる為に、耐熱性を有する耐熱性多孔層と、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を含有する多孔性シートとが積層された積層セパレータを用いることもできる。耐熱性多孔層は、耐熱樹脂からなってもよいし、無機粒子からなってもよいし、これらが混合されてなってもよい。耐熱樹脂としては、含窒素芳香族重合体を用いることが好ましく、積層セパレータとしては、含窒素芳香族重合体を有する耐熱性多孔層と、多孔性ポリエチレンシートとが積層された積層セパレータが、二次電池用セパレータとして耐熱性の面、シャットダウンの性能面で好適である。積層セパレータとしては、例えば特開2000−30686号公報、特開平10−324758号公報等に記載の積層セパレータを挙げることができる。
電解液としては、従来公知の非水系電解液が使用され、非水系電解液は、通常、電解質および有機溶媒を含有する。本実施形態であるフィルムケース型二次電池の場合、電解質はリチウムイオン二次電池に一般に使用されるものであればよく、例えば、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)(COCF3)、Li(C4F9SO3)、LiC(SO2CF3)3、Li2B10Cl10、LiBOB(ここで、BOBは、bis(oxalato)borateのことである。)、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlCl4などのリチウム塩が挙げられ、これらの2種以上の混合物を使用してもよい。電池の容量を高める意味では、電解質は、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2およびLiC(SO2CF3)3からなる群より選ばれるフッ素含有リチウム塩を、少なくとも1種以上用いることが好ましい。また、有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネートが挙げられ、これらは二種以上混合して用いてもよい。カーボネートの中でも、難分解性であるという観点で、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)を含む混合溶媒を用いることが好ましい。
なお、電解液に代えて、固体電解質を使用してもよく、そのような場合には、セパレータ3,4に代えて、固体電解質シートを用いればよい。
本発明に係る電池の解体方法は、使用済みの電池に含まれる有価金属元素を回収して有効利用を図るリサイクル産業などの分野において広く利用することができる。
1 第1の電極シート
2 第2の電極シート
3,4 セパレータ
5a,5b 電極タブ
6 電極群
10,20,30 電池
11,21,31 外装容器
11a,21a,31a 開口部
11b,21b,31b 底部
11c,11e,21c,21e,31c 切り込み
11d,21d,31d 切断分離部
11f,21f,31f 取出口
12,22,32 蓋部材
12a,22a,22b,32a 電極端子
13,23,33 密閉容器
14,24,34 電極群
15 リード部材
16 溶接部
35,36 シート部材
2 第2の電極シート
3,4 セパレータ
5a,5b 電極タブ
6 電極群
10,20,30 電池
11,21,31 外装容器
11a,21a,31a 開口部
11b,21b,31b 底部
11c,11e,21c,21e,31c 切り込み
11d,21d,31d 切断分離部
11f,21f,31f 取出口
12,22,32 蓋部材
12a,22a,22b,32a 電極端子
13,23,33 密閉容器
14,24,34 電極群
15 リード部材
16 溶接部
35,36 シート部材
Claims (10)
- 密閉容器内に、少なくとも正極、負極を含む電極群並びに電解質を収納した電池の解体方法であって、
前記密閉容器に取出口及び該取出口より小さい開口部を形成し、前記開口部から前記電極群を加圧すること若しくは前記取出口から吸引することにより、前記取出口から前記電極群を取り出す電池の解体方法。 - 解体される電池が、有底筒状の外装容器とその片端開口部を閉塞する蓋部材とを有する密閉容器内、若しくは筒状の外装容器とその両端開口部を閉塞する蓋部材とを有する密閉容器内に、少なくとも正極、負極を含む電極群並びに電解質を収納した電池であって、
前記有底筒状の外装容器の底部若しくは前記筒状の外装容器の一方の蓋部材の一部に開口部を形成し、前記外装容器の蓋部材側に取出口を形成し、前記開口部は前記取出口より小さく、前記開口部から前記電極群を加圧すること若しくは前記取出口から吸引することにより、前記取出口から前記電極群を取り出す請求項1に記載の電池の解体方法。 - 前記有底筒状の外装容器の底部の一部若しくは前記筒状の外装容器の一方の蓋部材の一部を切断分離することによって前記開口部が形成され、切断分離された前記底部若しくは前記蓋部材の一部を前記外装容器内に押し込むことにより、前記開口部側から前記電極群を加圧して、前記外装容器の取出口から前記電極群を押し出す請求項1又は2に記載の電池の解体方法。
- 解体される電池が、正極若しくは負極のいずれかの電極から導出されたリード部材の一部が外装容器の底部に直接的若しくは間接的に溶接された溶接部を有する電池であって、
前記溶接部が前記外装容器の底部の切断分離部に含まれるように前記開口部を形成する請求項1から3のいずれかに記載の電池の解体方法。 - 解体される電池が、前記外装容器の底部の内面側にシート部材が設置されている電池である請求項1から4のいずれかに記載の電池の解体方法。
- 前記シート部材が電気絶縁性の耐熱フィルムである請求項5に記載の電池の解体方法。
- 解体される電池が、前記外装容器の胴部の切断部内面、前記電極群端部の少なくとも一方にシート部材が設置されている電池である請求項1から6のいずれかに記載の電池の解体方法。
- 前記切断分離時において、吸引、吸着、吹き飛ばし、および固着からなる群から選択される少なくとも一つの手段により切粉を除去する請求項3から7のいずれかに記載の電池の解体方法。
- 解体される電池における電解質が電解液であって、前記外装容器の取出口から前記電極群を取り出す前に、前記開口部から電解液を排出する請求項1から8のいずれかに記載の電池の解体方法。
- 請求項1から9のいずれかに記載の方法により電池を解体し、解体された電池から電極群を回収する電極群の回収方法。
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JP2012187835A JP2013069676A (ja) | 2011-09-07 | 2012-08-28 | 電池の解体方法及び解体した電池からの電極群の回収方法 |
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2012
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