JP2014032873A - 二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層型の電極群を備える二次電池において、正常作動時には電池缶内での電極群の位置ずれを抑制可能で、内圧上昇時には速やかに電流遮断機能を発揮可能な二次電池を提供する。
【解決手段】電極群1を外装ケース11内の所定の位置に位置固定する位置ずれ防止部材6を設けると共に、集電リード5を位置ずれ防止部材6に固定し当該位置ずれ防止部材6を電池缶10の所定部位に設ける易変形部に固定する構成とし、電池缶10の変形に応じて位置ずれ防止部材6が変位して、集電リード5が外部端子11fから離れる構成の二次電池RB1〜RB3とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、正極板と負極板を交互に積層した積層型の電極群を備える二次電池に関する。
近年、高エネルギー密度を有し小型軽量化が可能であることからリチウム二次電池が、携帯電話やノート型パソコン等の携帯型電子機器の電源用電池として用いられている。また、大容量化が可能であることから、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)等のモータ駆動電源や、電力貯蔵用蓄電池としても注目されてきている。
上記リチウム二次電池は、電池缶を構成する外装ケース内部に正極板と負極板とをセパレータを挟んで対向配置した電極群を収納し、電解液を充填し、複数の正極板の正極集電タブに連結される正極集電リードと、この正極集電リードと電気的に接続される正極外部端子と、複数の負極板の負極集電タブに連結される負極集電リードと、この負極集電リードと電気的に接続される負極外部端子を備えた構成とされる。
また、電極群としては、巻回型と積層型が知られている。巻回型の電極群は、正極板と負極板との間にセパレータを介装して一体に巻回した構成であり、積層型の電極群は、正極板と負極板とをセパレータを介して複数層積層した構成である。
積層型の電極群を備えるリチウム二次電池においては、正極板と負極板とをセパレータを介して複数層積層した電極群を外装ケースに収容し、非水電解液で充填した構成とされ、それぞれの正極板の正極集電タブに連結される正極集電リードと、この正極集電リードと電気的に接続される外部端子、および、負極板の負極集電タブに連結される負極集電リードと、この負極集電リードと電気的に接続される外部端子がそれぞれ設けられている。
上記構成の積層型の電極群を備えるリチウム二次電池において、振動などの外力が負荷されると、電極群が変位して集電リードと外部端子との接続状態が悪化したり、極板の積層ずれが生じて短絡を起こしたりする危険性がある。
そのために、電極群支持体を介して、正極板、負極板及びセパレータの少なくともいずれかを電極群支持体に固定して積層電極群を電池容器内に位置決めする構成とし、振動等により積層電極群が電池容器内で移動せず、正極板、負極板の破損を防ぐとした二次電池が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)
また、リチウム二次電池では、過充電や過放電状態になると内圧が上昇するため、電池缶の破裂等を避けるために、内圧が所定の圧以上まで上昇すると破断する安全弁を設けたものや、内圧の上昇を検知して電流を遮断する電流遮断機構を設けたものがある。
また、薄型電池において内圧上昇により電流遮断を行うために、リード端子板の一部に電池ケースの膨らみに応じて破断する易切断部を設けた電流遮断機構付き電池が既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−66319号公報 特開2001−313021号公報
正極板と負極板と電解液とを有する二次電池の容量を大きくし、電池寿命を長くするためには、発電面積を大きくし、充填する電解液の量を増量することが好ましいので、それぞれの極板の面積を大きくし、積層する層数も増加すると共に、充填する電解液量を増量する傾向にある。そうすると、電池缶を構成する外装ケースの容量が大きくなり、電極群と外装ケースとの間隙が大きくなって、振動などの外力により、電極群が移動し易い状態となる。
外装ケースに振動などの外力が付加され電極群が移動すると、正極(負極)集電リードと正極(負極)外部端子との接続が破損し、所定の電池容量が得られなくなってしまい問題となる。また、積層方向に変位すると、正極板と負極板との密着距離が変化して、所定の電池容量が発揮できなくなる問題を生じる。
そのために、多数(例えば、数十層)の正極板と負極板とセパレータとを積層した電極群を備える積層型の二次電池においては、振動などの外力が負荷されたときに、電極群が集電リード方向に移動することを効果的に抑制すると共に、それぞれの極板が積層方向に離れず、面方向にずれないようにしておくこと望まれる。また、積層した正極板と負極板とセパレータ全ての極板を同時に、積層方向とこの積層方向と直交する面方向に対してずれないように位置決めしておくことが好ましい。
従って、特許文献1に記載された二次電池のように、正極板、負極板、セパレータのいずれかを電極群支持体に固定するだけでは十分ではない。また、積層型の二次電池においては、前述したように、面方向の横ずれに加えて、積層方向の縦ずれも抑制して、多数の極板を積層して構成される電極群を安定して位置固定することが望まれる。
また、内圧が上昇すると電流を遮断できることが望ましいが、電流遮断機構を新たに設けることなく、低コストな構成で、電流遮断機能を発揮可能であることが望まれる。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、積層型の電極群を備える二次電池において、正常作動時には電池缶内での電極群の位置ずれを抑制可能で、内圧上昇時には速やかに電流遮断機能を発揮可能な二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、正極板と負極板とをセパレータを介して積層した電極群と、この電極群を収容し電解液が充填される外装ケースと、この外装ケースに設ける外部端子と、前記正負の極板と前記外部端子とを電気的に接続する正負の集電リードと、前記外装ケースに装着される蓋部材とを備える二次電池であって,前記電極群を前記外装ケース内の所定の位置に位置固定する位置ずれ防止部材を設けると共に、当該位置ずれ防止部材を電池缶の所定部位に設ける易変形部に固定する構成とし、前記電池缶の変形に応じて前記位置ずれ防止部材が変位したときに、前記集電リードが前記外部端子から離れる方向に前記集電リードを前記位置ずれ防止部材に固定したことを特徴としている。
この構成によると、通常の作動時には位置ずれ防止部材を介して電極群が位置ずれしないように固定でき、内圧が上昇する異常時には、電池缶の易変形部が変形し、同時に位置ずれ防止部材が変位するので、この位置ずれ防止部材を介して集電リードを外部端子から引き剥がすことが可能となる。そのために、正常作動時には電池缶内での電極群の位置ずれを抑制可能で、内圧上昇時には速やかに電流遮断機能を発揮する二次電池を得ることができる。
また本発明は上記構成の二次電池において、前記易変形部は前記蓋部材に設けられた薄肉部からなり、前記集電リードを前記外部端子の前記蓋部材に対向する面に固定したことを特徴としている。この構成によると、内圧が上昇すると易変形部となる薄肉部を介して蓋部材が膨張し、この膨張に応じて位置ずれ防止部材を変位させることができる。また、この変位を利用して、外部端子に接続している集電リードを外部端子から引き剥がすことができる。
また本発明は上記構成の二次電池において、前記易変形部は板厚の薄い前記蓋部材からなり、前記集電リードを前記外部端子の前記蓋部材に対向する面に固定したことを特徴としている。この構成によると、内圧が上昇すると薄い板厚の蓋部材が膨張し、この膨張に応じて位置ずれ防止部材を変位させることができる。また、この変位を利用して、外部端子に接続している集電リードを外部端子から引き剥がすことができる。
また本発明は上記構成の二次電池において、前記電極群は、積層面を前記外装ケースの底面と平行に設置され、前記位置ずれ防止部材は、前記集電リードを設ける側面側に設ける横ずれ防止部材を有し、該横ずれ防止部材に前記集電リードを挿通し支持するリード支持部を設け、当該横ずれ防止部材の上面を前記蓋部材に固定したことを特徴としている。この構成によると、横ずれ防止部材を介して電極群の横方向の位置ずれを抑制することができ、内圧上昇により蓋部材が変形すると、横ずれ防止部材に支持された集電リードが変位して外部端子から引き剥がすことができる。
また本発明は上記構成の二次電池において、前記位置ずれ防止部材は、前記電極群の側面側に接近して配設され、それぞれの極板の前記集電タブがそれぞれ挿通可能とされる第1部材と、前記外部端子に接近して配設され、前記集電タブをまとめて連結した前記集電リードを挿通し固定して支持するリード支持部が設けられた第2部材とを有すると共に、この第1部材と第2部材の上面を共に前記蓋部材に固定したことを特徴としている。この構成によると、内圧が上昇して蓋部材が変形すると第1部材と第2部材が共に変位する。また、集電リードの集合部を固定している第2部材は外部端子に接近して配設されているので、当該集合部を外部端子から容易に引き剥がすことが可能になる。
また本発明は上記構成の二次電池において、前記位置ずれ防止部材は、前記リード支持部から突出する前記集電リードを覆う被覆部を有することを特徴としている。この構成によると、集電リードが外部端子から剥がれても、この集電リードが外装ケースと接触するのを防止できる。
また本発明は上記構成の二次電池において、前記被覆部は、前記位置ずれ防止部材と前記外装ケースとの間隙に相当する突出長さを有することを特徴としている。この構成によると、外装ケースに対する電極群や位置ずれ防止部材の位置決めを容易に行うことが可能になる。
また本発明は上記構成の二次電池において、前記被覆部に、当該集電リードと前記外部端子とを重ね合わせ溶接する操作を可能にする開口窓部を設けたことを特徴としている。この構成によると、外部端子の上に集電リードを載置し、位置ずれ防止部材を装着した後、この開口窓部を介して集電リードと前記外部端子とを重ね合わせ溶接することが可能になる。
また本発明は上記構成の二次電池において、前記蓋部材に前記電池缶内部に向けて突出する係止片を設け、前記位置ずれ防止部材に、前記係止片が嵌り込む係止部を設け、前記蓋部材が変形すると、その変位に追従する前記係止片が前記係止部を介して前記位置ずれ防止部材を移動させることを特徴としている。この構成によると、内圧が上昇して蓋部材が変形すると、係止片が同時に変位して位置ずれ防止部材を確実に移動させて、集電リードを外部端子から引き剥がすことができる。
本発明によれば、集電リードを位置ずれ防止部材に固定し、位置ずれ防止部材を電池缶の所定部位に設ける易変形部に固定する構成としたので、正常作動時には電池缶内での電極群の位置ずれを抑制可能で、内圧上昇時には速やかに電流遮断機能を発揮可能な二次電池を得ることができる。
本発明に係る二次電池の第1実施形態を示す断面摸式図である。 本発明に係る二次電池が備える電流遮断機能を説明する概略断面図である。 位置ずれ防止部材の一例を示す正面図である。 本発明に係る二次電池の第2実施形態を示す断面摸式図である。 本発明に係る二次電池の第3実施形態を示す断面摸式図である。 本発明に係る二次電池の第4実施形態の要部拡大図である。 図6Aに示す位置ずれ防止部材の平面図である。 本発明に係る二次電池の第5実施形態の要部拡大図である。 図7AのA−A断面であって、位置ずれ防止部材の装着構成例を示す断面図である。 二次電池の分解斜視図である。 二次電池が備える電極群の分解斜視図である。 二次電池の完成品を示す斜視図である。 電極群の概略断面図である。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。また、同一構成部材については同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。
本発明に係る二次電池としてリチウム二次電池について説明する。例えば、図1に示す本実施形態に係る二次電池RB1は、積層型のリチウム二次電池であって、正極板と負極板とをセパレータを介して複数層積層した積層型の電極群1を備えている。また、極板の面積を大きくし、積層数を増やすことで比較的大容量の二次電池となり、電気自動車用蓄電池や電力貯蔵用蓄電池などに適用可能なものである。
次に、積層型のリチウム二次電池RBと電極群1の具体的な構成について、図8〜図11を用いて説明する。
図8に示すように、積層型のリチウム二次電池RBは平面視矩形とされ、それぞれが矩形とされる正極板と負極板とセパレータとを積層した電極群1を備えている。また、底部11aと側部11b〜11eを備えて箱型とされる外装ケース11と蓋部材12とから構成される電池缶10に収容して、外装ケース11の側面(例えば、側部11b、11cの対向する二側面)に設ける外部端子11fから充放電を行う構成としている。
電極群1は、正極板と負極板とをセパレータを介して複数層積層した構成であって、図9に示すように、正極集電体2b(例えば、アルミニウム箔)の両面に正極活物質からなる正極活物質層2aが形成された正極板2と、負極集電体3b(例えば、銅箔)の両面に負極活物質からなる負極活物質層3aが形成された負極板3とがセパレータ4を介して積層されている。
セパレータ4により、正極板2と負極板3との絶縁が図られているが、外装ケース11に充填される電解液を介して正極板2と負極板3との間でリチウムイオンの移動が可能となっている。
ここで、正極板2の正極活物質としては、リチウムが含有された酸化物(LiCoO2,LiNiO2,LiFeO2,LiMnO2,LiMn24など)や、その酸化物の遷移金属の一部を他の金属元素で置換した化合物などが挙げられる。なかでも、通常の使用において、正極板2が保有するリチウムの80%以上を電池反応に利用し得るものを正極活物質として用いれば、過充電などの事故に対する安全性を高めることができる。
また、負極板3の負極活物質としては、リチウムが含有された物質やリチウムの挿入/離脱が可能な物質が用いられる。特に、高いエネルギー密度を持たせるためには、リチウムの挿入/離脱電位が金属リチウムの析出/溶解電位に近いものを用いるのが好ましい。その典型例は、粒子状(鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状および粉砕粒子状など)の天然黒鉛もしくは人造黒鉛である。
なお、正極板2の正極活物質に加えて、また、負極板3の負極活物質に加えて、導電材、増粘材および結着材などが含有されていてもよい。導電材は、正極板2や負極板3の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト(天然黒鉛、人造黒鉛)、炭素繊維などの炭素質材料や導電性金属酸化物などを用いることができる。
増粘材としては、例えば、ポリエチレングリコール類、セルロース類、ポリアクリルアミド類、ポリN−ビニルアミド類、ポリN−ビニルピロリドン類などを用いることができる。結着材は、活物質粒子および導電材粒子を繋ぎとめる役割を果たすものであり、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系ポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系ポリマーや、スチレンブタジエンゴムなどを用いることができる。
また、セパレータ4としては、微多孔性の高分子フィルムを用いることが好ましい。具体的には、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどのポリオレフィン高分子からなるフィルムが使用可能である。
また、電解液としては、有機電解液を用いることが好ましい。具体的には、有機電解液の有機溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ―ブチロラクトンなどのエステル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタンなどのエーテル類、さらに、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチルなどが使用可能である。なお、これらの有機溶媒は、単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
さらに、有機溶媒には電解質塩が含まれていてもよい。この電解質塩としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、ホウフッ化リチウム、六フッ化リン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸(LiCF3SO3)、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウムおよび四塩化アルミン酸リチウムなどのリチウム塩が挙げられる。なお、これらの電解質塩は、単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
電解質塩の濃度は特に限定されないが、約0.5〜約2.5mol/Lであれば好ましく、約1.0〜2.2mol/Lであればより好ましい。なお、電解質塩の濃度が約0.5mol/L未満の場合には、電解液中においてキャリア濃度が低くなり、電解液の抵抗が高くなる虞がある。一方、電解質塩の濃度が約2.5mol/Lよりも高い場合には、塩自体の解離度が低くなり、電解液中のキャリア濃度が上がらない虞がある。
電池缶10は、外装ケース11と蓋部材12とを備え、鉄、ニッケルメッキされた鉄、ステンレススチール、およびアルミニウムなどからなる。また、本実施形態では、図10に示すように、電池缶10は、外装ケース11と蓋部材12とが組み合わされたときに、外形形状が実質的に扁平角型形状となるように形成されている。
外装ケース11は、略長方形状の底面を持つ底部11aと、この底部11aから立設した4面の側部11b〜11eを有する箱型状とされ、この箱型状内部に電極群1を収容する。電極群1は、正極板の集電タブに連結される正極集電リードと、負極板の集電タブに連結される負極集電リードを備え、これらの集電タブと電気的に接続される外部端子11fが外装ケース11の側部にそれぞれ設けられている。外部端子11fは、例えば、対向する二側部11b、11cの二箇所に設けられる。また、10aは注液口であって、ここから電解液を注液する。
外装ケース11に電極群1を収容し、それぞれの集電リードを外部端子に接続した後、もしくは、電極群1の集電リードにそれぞれの外部端子を接続して外装ケース11に収容し、外部端子を外装ケースの所定部位に固着した後、蓋部材12を外装ケース11の開口縁に固定する。すると、外装ケース11の底部11aと蓋部材12との間に電極群1が挟持され、電池缶10の内部において電極群1が保持される。なお、外装ケース11に対する蓋部材12の固定は、例えば、レーザ溶接などによってなされる。また、集電リードと外部端子との接続は、超音波溶接やレーザ溶接、抵抗溶接などの溶接以外に導電性接着剤などを用いて行うこともできる。
上記したように、本実施形態に係る積層型の二次電池は、正極板2と負極板3とをセパレータ4を介して複数層積層した電極群1と、この電極群1を収容し電解液が充填される外装ケース11と、外装ケース11に設ける外部端子11fと、正負の極板と外部端子11fとを電気的に接続する正負の集電リードと、外装ケース11に装着される蓋部材12と、を備えた構成である。
外装ケース11に収容された電極群1は、例えば、図11に示すように、正極集電体2bの両面に正極活物質層2aが形成された正極板2と、負極集電体3bの両面に負極活物質層3aが形成された負極板3とがセパレータ4を介して積層され、さらに両端面にセパレータ4を配設している。また、両端面のセパレータ4に替えて、このセパレータ4と同じ材質の樹脂フィルムを巻回して、電極群1を絶縁性を有する樹脂フィルムで被覆する構成としてもよい。いずれにしても、積層電極群1の上面は、電解液浸透性および絶縁性を有する部材が積層される構成となる。そのために、この面に直接蓋部材12を当接させることができ、蓋部材12を介して所定の圧で押さえ付けることも可能である。
この蓋部材12は、平板状であっても、平板状ではなく、缶の内部に嵌まり込む皿型状であってもよい。皿型状の蓋部材を用いると、蓋部材を溶接する際に動くのを防止できて、溶接作業が容易となる。また、皿型状の落ち込み量を変更することで、収容する電極群の厚みの変化に容易に対応できる。
また、大容量化のために電池缶10が大型になり、電極群1の厚みも大きくなると、振動などの外力が付加されたときに、電池缶内で電極群1がずれたりして集電リードや外部端子などが変形したり破損したりする危険性が増す。また、内圧が上昇すると電流を遮断できることが望ましいが、電流遮断機構を新たに設けることなく、低コストな構成で、電流遮断機能を発揮可能であることが望まれる。
そこで、本実施形態では、正常作動時には電池缶内での電極群の位置ずれを抑制可能で、内圧上昇時には速やかに電流遮断機能を発揮する構成の二次電池としたものである。そのために、電極群1を外装ケース11内の所定の位置に位置固定する位置ずれ防止部材を設け、集電リード5を位置ずれ防止部材に固定し、外装ケース11と蓋部材12とから形成される電池缶10の所定部位に厚みの薄い易変形部を設け、当該位置ずれ防止部材を易変形部に固定して、当該易変形部の変形に応じて変位させ外部端子11fとの接続を解除する構成とすることにより、当該位置ずれ防止部材が位置ずれ防止機能と電流遮断機能とを同時に発揮可能としている。
次に、上記構成の具体的な二次電池の実施形態について、図1〜図5を用いて説明する。図1に第1実施形態の二次電池RB1の断面摸式図を示し、図4に第2実施形態の二次電池RB1の断面摸式図を示し、図5に第3実施形態の二次電池RB1の断面摸式図を示す。また、図2には電流遮断機能を説明する概略断面図を示し、図3には位置ずれ防止部材の一例を示す。
〈第1実施形態〉
図1に示す第1実施形態の二次電池RB1は、正極板と負極板とをセパレータを介して複数層積層した電極群1と、この電極群1を収容し電解液が充填される外装ケース11と、この外装ケース11に設ける外部端子11fと、正負の極板と外部端子とを電気的に接続する正負の集電リード5と、外装ケース11に装着される蓋部材12Aとを備える積層型の二次電池である。また、電極群1の位置ずれを抑制するために位置ずれ防止部材6を設け、さらに、蓋部材12Aに易変形部を設け、該易変形部に位置ずれ防止部材6を固定している。
位置ずれ防止部材6は、例えば、集電リード5が設けられている電極群1の横方向のずれを抑制する横ずれ防止部材である。そのために、図3に示すように、電極群1の集電リード5が設けられている側部に位置ずれ防止部材6を設置して、この位置ずれ防止部材6の本体中央部に集電リード5が挿通可能な細長い挿通孔61が形成されている。この位置ずれ防止部材6は、絶縁性を有する発泡体(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン発泡体)を用いる。特に、ポリエチレンからなる発泡体であれば、機械的強度と耐薬品性に優れ、さらに耐熱性にも優れているので、本実施形態に使用する位置ずれ防止部材として好適である。
集電リード5は、挿通孔61に固定しておくことが好ましい。そのために、挿通孔61のサイズを板金状の集電リード5をきつく嵌め込む程度の大きさとして固定してもよく、また、嵌め込んだ後で接着固定するようにしてもよい。いずれにしても、挿通孔61が集電リード5を挿通し支持するリード支持部となるようにする。
位置ずれ防止部材6を組み付けた二次電池RB1は、電極群1がずれないように固定できるので、振動などの外力が付加されても、電極群1がずれずに、端子の破損なども生じない。また、内圧が上昇する異常時には、電池缶10Aの易変形部が変形し、同時に位置ずれ防止部材6が変位するので、この位置ずれ防止部材6の変位を利用して集電リード5を外部端子11fから引き剥がすことが可能となる。そのために、正常作動時には電池缶内での電極群1の位置ずれを抑制可能で、内圧上昇時には速やかに電流遮断機能を発揮する二次電池RB1を得ることができる。
易変形部は、電池缶の所定部位に薄肉部を設けることで実現できる。本実施形態においては、蓋部材12Aに易変形部を設ける構成としている。この易変形部は、蓋部材に設けられた薄肉部から形成してもよく、また、全体の板厚を薄くした易変形部12Aaから形成してもよい。そのために、図中の実線に示すように、蓋部材12Aの全部を易変形部12Aaとしてもよく、図中の破線に示すように、外装ケース11に固定する枠部は板厚を厚くし、中央部分のみを変形容易なように薄くしておくこともできる。
要するに、蓋部材12Aが内圧の上昇に伴い、容易に膨張する構成であればよく、この容易に変形する易変形部に位置ずれ防止部材6を固定できる構成であればよい。従って、電池缶10Aの内圧が上昇すると、易変形部となる薄肉部を介して蓋部材12Aが膨張し、もしくは、薄い板厚の蓋部材12Aが膨張し、これらの膨張に応じて位置ずれ防止部材6を変位させることができる。また、この変位を利用して、外部端子11fに接続している集電リード5を外部端子11fから引き剥がすことができる。
易変形部12Aaを備えた上記構成の二次電池RB1において、過充電や過放電状態になって内圧が上昇すると、易変形部12Aaが先に大きく変形して図2に示すような状態になる。また、この易変形部12Aaに位置ずれ防止部材6を接着などにより固定しておくことにより、位置ずれ防止部材6を易変形部12Aaと共に変位させることができる。
そこで、集電リード5を、電池缶10Aの変形に応じて位置ずれ防止部材6が変位したときに、外部端子11fから離れる方向、すなわち、外部端子11fの上側に固定しておくと、易変形部12Aaの変形に応じて位置ずれ防止部材6が変位して、集電リード5を外部端子11fから引き剥がすことができる。
例えば、外部端子11fの上に集電リード5を載置して重ね合わせ溶接すると共に、この溶接条件を、溶接深さ0.5mm、溶接幅1mmで溶接長さ20mm程度としたときに、易変形部12Aaが10mm膨張すると溶接が剥がれることが確認された。
このときの易変形部12Aaに対する位置ずれ防止部材6の固定は、接着剤(日本ゼオン株式会社製BM−140S)を用いて接着固定できる。また、集電リード5を挿通孔61に接着固定するときも、同じ接着剤を用いる。すなわち、位置ずれ防止部材6の挿通孔61に集電リード5を通して接着固定し、集電リード5を外部端子11fに溶接固定し、それから、位置ずれ防止部材6を易変形部12Aaに接着固定し、蓋部材12Aを固定する手順により、上記構成の二次電池RB1を作製できる。
蓋部材12Aは図示するように平板状であってもよく、また、電極群1の上面に当接する部分が凸状に突出して外装ケース11に嵌まり込む皿型状であってもよい。そのために、皿型状の蓋部材12Bを用いた第2実施形態について図4を用いて説明する。
〈第2実施形態〉
図4は、第2実施形態の二次電池RB2を示す断面摸式図である。この二次電池RB2は前述した第1実施形態の二次電池RB1とは蓋部材の形状が異なるだけで、その他の構成は同じである。
この二次電池RB2が備える蓋部材12Bは皿形状であって、この蓋部材12Bに設ける易変形部は、前述した中央部分のみを薄くした構成であっても、図に示すように、全体を薄くした易変形部12Baであってもよい。
この構成でも、それぞれの極板の集電タブを接続した集電リード5を位置ずれ防止部材6の挿通孔61に挿通して接着固定し、集電リード5を外部端子11fに溶接固定し、それから、位置ずれ防止部材6を易変形部12Baに接着固定することにより、当該位置ずれ防止部材6が位置ずれ防止機能と電流遮断機能とを同時に発揮可能となる。
すなわち、皿形状の蓋部材12Bであっても、板厚を薄くした易変形部12Baを設けることにより、内圧が上昇したときに、集電リード5を外部端子11fから引き剥がすことができる程度に易変形部12Baを変形させることができる。
次に、位置ずれ防止部材6を複数の部材から構成した第3実施形態について図5を用いて説明する。
〈第3実施形態〉
図5に示す位置ずれ防止部材は、電極群1の側面側に接近して配設され、それぞれの極板の集電タブがそれぞれ挿通可能とされる第1部材6Bと、外部端子11fに接近して配設され、集電タブをまとめて連結した集電リード5を挿通し固定して支持するリード支持部が設けられた第2部材6Aとを有する構成とされる。
また、本実施形態は、位置ずれ防止部材が電極群1の上面に当接して積層方向の縦ずれも抑制可能な構成であって、第1部材6Bと第2部材6Aの上面を共に蓋部材12B(易変形部12Ba)に固定(接着)している。この構成であれば、内圧が上昇して蓋部材(易変形部12Ba)が変形すると第1部材6Bと第2部材6Aが共に変位する。また、集電タブの集合部である集電リード5を固定している第2部材6Aは外部端子11fに接近して配設されているので、当該集電リード5を外部端子11fから容易に引き剥がすことが可能になる。
すなわち、この実施形態では第2部材6Aが、集電リード5を挿通し支持するリード支持部を備えた位置ずれ防止部材となる。この場合でも、内圧の上昇に伴い易変形部が変形し、これに同調してリード支持部となる第2部材6Aが変位すればよいので、易変形部は、蓋部材12Bの一部を薄肉として構成してもよい。
さらに、絶縁性を有する発泡体から成る位置ずれ防止部材6の形状を工夫することにより、安全性と組立容易性を図ることが可能になるので、このような実施形態について第4実施形態として図6A、図6Bを用いて説明する。
〈第4実施形態〉
図6Aに示す位置ずれ防止部材6Cは、リード支持部(挿通孔61)から突出する集電リード5を覆う被覆部62を有する。また、この被覆部62は、絶縁性を有していることが好ましい。そのために、位置ずれ防止部材6Cの本体部から突出した被覆部62を一体に備えた形状の絶縁性を有する発泡体から成る位置ずれ防止部材6Cであっても、別体の絶縁性を有する発泡体を組み合わせた位置ずれ防止部材6Cであってもよい。
このように、リード支持部(挿通孔61)から突出する集電リード5を覆う被覆部62を有した構成であれば、集電リード5が外部端子11fから剥がれても、この集電リード5が外装ケース11と接触するのを防止できて、安全性が向上する。
また、被覆部62の突出長さL1は、位置ずれ防止部材6Cと外装ケース11との間隙に相当する長さであることが好ましい。この構成であれば、被覆部62を外装ケース11の内面に当接させて位置決めできるので、外装ケース11に対する電極群1や位置ずれ防止部材6Cの位置決めを容易に行うことが可能になる。
また、図6Bに示すように、被覆部62に開口窓部63を設けておくことが好ましい。この構成であれば、外部端子11fと集電リード5との重ね合わせ溶接を、この開口窓部63を介して容易に行うことができる。また、溶接操作の際に、開口窓部63の段差を画像認識できるので位置決め操作が容易となる。
また、蓋部材と位置ずれ防止部材との固定は上記で説明した接着以外の方法でも可能であるので、この接着以外の方法を用いた実施形態を第5実施形態として図7A、図7Bを
用いて説明する。
〈第5実施形態〉
図7Aに示す第5実施形態の位置ずれ防止部材6Dは、蓋部材と機械的に結合する係止部64を備えた構成とされる。すなわち、係止部64は、挿入溝64aと係止溝64bを備えてT型に形成された溝であって、蓋部材にこの挿入溝64aと係止溝64bに係合する係止片を設け、係止片をこの係止部64に嵌め込むことにより、蓋部材と位置ずれ防止部材とを固定するものである。
例えば、図7AのA−A断面方向の位置ずれ防止部材6Dの装着構成例を示す図7Bに示すように、蓋部材12Cの下方に、断面逆T型の係止片12Caを設け、この係止片12Caを位置ずれ防止部材6Dの係止部64に嵌め込んで位置ずれ防止部材6Dを固定できる。
この構成であれば、蓋部材12Cに設ける係止片12Caの下部延設部が係止溝64bに嵌め込まれて係止するので、蓋部材12Cが変位すると位置ずれ防止部材6Dも一体に変位可能になる。すなわち、内圧が上昇して蓋部材12Cが変形すると、係止片12Caが同時に変位して位置ずれ防止部材6Dを確実に移動させて、集電リード5を外部端子11fから引き剥がすことができる。また、この機械的な結合に加えて、前述した接着を同時に用いてもよいことは明らかである。
次に、実際に作製したリチウム二次電池について説明する。
(実施例)
[正極板の作製]
正極活物質としてのLiFePO4(90重量部)と、導電材としてのアセチレンブラック(5重量部)と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(5重量部)と、を混合し、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンを適宜加えて各材料を分散させてスラリーを調製し、このスラリーを正極集電体としてのアルミニウム箔(厚み20μm)の両面上に均一に塗布して乾燥させた後、ロールプレスで圧縮し、所定のサイズで切断して板状の正極板2を作製した。
また、作製した正極板のサイズは、140mm×250mmで、厚みは230μmであって、この正極板2を70枚用いた。
[負極板の作製]
負極活物質としての天然黒鉛(90重量部)と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(10重量部)と、を混合し、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンを適宜加えて各材料を分散させてスラリーを調製し、このスラリーを負極集電体としての銅箔(厚み16μm)の両面上に均一に塗布して乾燥させた後、ロールプレスで圧縮し、所定のサイズで切断して板状の負極板3を作製した。
また、作製した負極板のサイズは、142mm×255mmで、厚みは146μmであって、この負極板2を71枚用いた。
また、セパレータとして、サイズ145mm×255mmで、厚み25μmのポリエチレンフィルムを140枚作製した。
[非水電解液の作製]
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを、30:70の容積比で混合した混合液(溶媒)に、LiPF6を1mol/L溶解して非水電解液を調整した。
[電池缶の作製]
電池缶を構成する外装ケースおよび蓋部材の材料としては、ニッケルメッキされた鉄板を用いてそれぞれ作製した。また、外装ケースは板厚0.8mmであり、蓋部材の板厚は0.4mmとし、長手方向×短手方向×深さ、がそれぞれ内寸で、320mm×150mm×40mmの電池缶サイズで、開閉可能な注入口栓付き角型リチウム二次電池を作製した。また、蓋部材は平板状のものを用いた。
[二次電池の組立]
正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層する。その際に、正極板に対して負極板が外側に位置するように、正極版70枚、負極板71枚、セパレータ140枚を積層し、この積層体をセパレータと同じ厚み25μmのポリエチレンフィルムを用いて巻回する構成として、厚みが約30mmの電極群(積層体)を構築した。
正負の極板間に介装するセパレータの大きさは前述したように、サイズ145mm×255mmであり、正極板(140×250)、負極板(142×255)よりも少し大きなサイズである。これにより、正極板および負極板に形成された活物質層を確実に被覆することができる。また、正極の集電体露出部および負極の集電体露出部に、集電部材(集電リード)の接続片を接続した。
位置ずれ防止部材6として、短手方向側部にサイズ30mm(厚み)×150mm×40mmのポリエチレン発泡体を用いた。また、これ以外に、長手方向側部にサイズ4mm(厚み)×255mm×40mmのものと、積層体上にサイズ10mm(厚み)×142mm×255mmのポリエチレン発泡体を用いた。また、短手方向のものは、蓋部材に対して接着剤(電解液に腐食されないもの:例えば、日本ゼオン株式会社製BM−140S)を用いて固定した。
外装ケース外部端子部材として、正極側にはサイズ35mm×30mm×2mmのアルミ板を用いた。また、負極側には同サイズの銅板を用いた。また、集電リードとして、正極側には20mm×30mm×0.7mmのアルミ部材を、負極側には、同サイズのニッケル部材を用いた。そして、集電リードを接続した電極群を外装ケースに収容し、位置ずれ防止部材を設置し、集電リードと外部端子とを接続し、蓋部材を取り付けて密封し、注液孔から非水電解液を減圧注液した。注液後に、注液孔を封口して、それぞれの実施形態の二次電池を10個作製した。
実施例1は、第一実施形態の二次電池RB1に相当し、短手方向の位置ずれ防止部材を蓋部材に接着固定したものである。また比較例は、同一構成ではあるが、短手方向の位置ずれ防止部材を接着固定していないものである。
実施例、比較例とも、それぞれ10個作製し、過充電試験を行った。この試験は、満充電状態の電池に50Aの定電流を印加することで過充電状態としたものである。また、電流遮断が確認されるまで、もしくは、安全弁から電解液が噴きこぼれるまで電流を印加し続けたものである。
実施例1と比較例の二次電池各10個を用いて、上記の過充電試験を行い、電流遮断の有無、電解液噴きこぼれの有無、集電リードの剥がれの有無を確認した。この実験結果を表1に示す。
Figure 2014032873
電流遮断が不十分な場合、内圧が上昇し続けたのち、安全弁より電解液の噴きこぼれが起こるので、この現象の有無を確認した。上記の過充電試験の結果、実施例1(第一実施形態に相当)では、10個の全てに電流遮断が確認され、そのうち、6個が負極側の集電リードが剥がれており、4個が正極側の集電リードが剥がれていた。また、いずれも、電解液噴きこぼれがなく、実施例1に係る二次電池は、電流遮断機能を有し、高い安全性を発揮することが明らかとなった。
しかし、位置ずれ防止部材を接着固定していない比較例では、サンプル10個のうち3個に電流遮断が確認されたが、いずれもその後、安全弁が開放し、電解液噴きこぼれが発生した。すなわち、比較例に係る二次電池は、電流遮断機能が不十分であり、安全性も十分ではないことが確認された。
上記したように、本実施形態に係る二次電池であれば、通常の作動時には位置ずれ防止部材を介して電極群が位置ずれしないように固定でき、内圧が上昇する異常時には、電池缶の易変形部が変形し、同時に位置ずれ防止部材が変位するので、この位置ずれ防止部材を介して集電リードを外部端子から引き剥がすことが可能となる。そのために、正常作動時には電池缶内での電極群の位置ずれを抑制可能で、内圧上昇時には速やかに電流遮断機能を発揮する二次電池を得ることができる。
また、易変形部は蓋部材の厚みを薄くすることで形成できるので、この蓋部材の薄肉部に位置ずれ防止部材を固定することで、電池缶の変形に応じて、集電リードを外部端子から引き剥がすことが可能になる。
また、位置ずれ防止部材が集電リードを覆う被覆部を有する構成であれば、集電リードが外部端子から剥がれた時に、この集電リードが外装ケースと接触するのを防止できて、安全性が向上する。また、外装ケースに対する電極群や位置ずれ防止部材の位置決めを操作が容易となる。
上記したように、正常作動時には位置ずれ防止を目的としている構造が、内圧上昇時には電流遮断機能を発揮するので、別途電流遮断構造を持つ必要がなくなり、二次電池の低コスト化を図りながら安全性と組立容易性を発揮することが可能になる。
すなわち、本発明によれば、積層型の電極群を備える二次電池において、正常作動時には電池缶内での電極群の位置ずれを抑制可能で、内圧上昇時には速やかに電流遮断機能を発揮して、安全性と組立容易性を発揮する二次電池を得ることができる。
そのために、本発明に係る二次電池は、性能安定化および安全性が求められる大容量の蓄電池に好適に利用可能となる。
1 電極群
2 正極板
3 負極板
4 セパレータ
5 集電リード
6 位置ずれ防止部材
6A 第一部材(位置ずれ防止部材)
6B 第二部材(位置ずれ防止部材)
6C、6D 位置ずれ防止部材
10 電池缶
11 外装ケース
11f 外部端子
12 蓋部材
12A、12B 蓋部材
12Aa、12Ba 易変形部
61 挿通孔(リード支持部)
62 被覆部
63 開口窓部
RB、RB1〜RB3 二次電池

Claims (9)

  1. 正極板と負極板とをセパレータを介して積層した電極群と、この電極群を収容し電解液が充填される外装ケースと、この外装ケースに設ける外部端子と、前記正負の極板と前記外部端子とを電気的に接続する正負の集電リードと、前記外装ケースに装着される蓋部材とを備える二次電池であって,
    前記電極群を前記外装ケース内の所定の位置に位置固定する位置ずれ防止部材を設けると共に、
    前記集電リードを前記位置ずれ防止部材に固定し、当該位置ずれ防止部材を電池缶の所定部位に設ける易変形部に固定する構成とし、
    前記電池缶の変形に応じて前記位置ずれ防止部材が変位したときに、前記集電リードが前記外部端子から離れる方向に前記集電リードを前記位置ずれ防止部材に固定したことを特徴とする二次電池。
  2. 前記易変形部は前記蓋部材に設けられた薄肉部からなり、前記集電リードを前記外部端子の前記蓋部材に対向する面に固定したことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記易変形部は板厚の薄い前記蓋部材からなり、前記集電リードを前記外部端子の前記蓋部材に対向する面に固定したことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  4. 前記電極群は、積層面を前記外装ケースの底面と平行に設置され、前記位置ずれ防止部材は、前記集電リードを設ける側面側に設ける横ずれ防止部材を有し、該横ずれ防止部材に前記集電リードを挿通し支持するリード支持部を設け、当該横ずれ防止部材の上面を前記蓋部材に固定したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の二次電池。
  5. 前記位置ずれ防止部材は、前記電極群の側面側に接近して配設され、それぞれの極板の前記集電タブがそれぞれ挿通可能とされる第1部材と、前記外部端子に接近して配設され、前記集電タブをまとめて連結した前記集電リードを挿通し固定して支持するリード支持部が設けられた第2部材とを有すると共に、この第1部材と第2部材の上面を共に前記蓋部材に固定したことを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
  6. 前記位置ずれ防止部材は、前記リード支持部から突出する前記集電リードを覆う被覆部を有することを特徴とする請求項4または5に記載の二次電池。
  7. 前記被覆部は、前記位置ずれ防止部材と前記外装ケースとの間隙に相当する突出長さを有することを特徴とする請求項6に記載の二次電池。
  8. 前記被覆部に、当該集電リードと前記外部端子とを重ね合わせ溶接する操作を可能にする開口窓部を設けたことを特徴とする請求項6または7に記載の二次電池。
  9. 前記蓋部材に前記電池缶内部に向けて突出する係止片を設け、前記位置ずれ防止部材に、前記係止片が嵌り込む係止部を設け、前記蓋部材が変形すると、その変位に追従する前記係止片が前記係止部を介して前記位置ずれ防止部材を移動させることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の二次電池。
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