JP2013067294A - シートベルト用ウェビング及びシートベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】を提供する。
【解決手段】シートベルト用ウェビング1は、主面側経糸11と主面側緯糸12と接結経糸31とにより構成された主面側織物層10、他面側経糸21と他面側緯糸22と接結経糸31とにより構成された他面側織物層20、主面側織物層10と他面側織物層20との間で、接結経糸を織り込む接結緯糸32、を有し、糸12が糸31によって層20に織り込まれ、且つ、糸22が糸31によって層10に織り込まれて、層10と層20とが接結されており、各経糸に沿った方向に負荷が加わった場合に、糸31が破断されるとともに、層10及び層20が各緯糸に沿った方向に拡がって幅広化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シートベルト用ウェビング及びシートベルトに関し、更に詳しくは、衝突時にシートベルトから乗員へ作用する圧力負荷を軽減することができるシートベルト用ウェビング及びシートベルトに関する。
近年、シートベルトの特性を操作することで、衝突時に乗員の受ける荷重や、加速度を緩和して、乗員が受ける影響を低減することが検討されている。
このような技術としては、経糸をウェビングの伸長方向に配したシートベルトで、弛み具合の異なる織り方による複数の経糸を並列に組み合わせたシートベルトが下記特許文献1として知られている。
また、ベルトの縦糸の長手方向に沿って複数本の低伸度高強力糸からなる付加組材が横糸方向に略平行状態で挿入され、付加組材は縦糸の長手方向に沿って順次織成される横糸間で夫々挾持されるようになされ、ベルトに衝撃荷重が加えられた場合に、付加組材が破断するようになされた衝撃吸収用ベルトが、下記特許文献2として知られている。
更に、メッシュウェビングが膨張する際その膨張力で絡み糸が破断してカバーが展開することによりメッシュウェビングが大きく膨張するようになっているエアベルトが、下記特許文献3として知られている。
特開2003−182513号公報 特開平6−81244号公報 特開2002−178867号公報
上記特許文献1は、伸びの異なる経糸を使い分けてシートベルトウェビングが段階的に延びるようにして慣性力を逃がして、衝突時の乗員への負荷を軽減する技術である点において優れる。また、上記特許文献2は、経糸組織に低伸度高強力糸を付加し、付加組織がランダムに破断することで慣性力を逃がして、衝突時の乗員への負荷を軽減する技術である点において優れる。更に、上記特許文献3は、エアベルトを構成する脆弱な糸が破断してベルト幅が広がって、衝突時の乗員への負荷を軽減する技術である点において優れる。しかし、更に、種々の構成による衝突時の乗員への負荷を軽減する技術が求められている。
特に、近時のシートベルト(シートベルトアッシー)の機構は、初期拘束を向上させて加速G及び二次衝突を抑えるために、低伸度のウェビングを用いることや、ウェビングを強制的に巻取って伸び出し量を抑えるように設計されたテンションデューサー機構が具備されることがあり、これらの構造により乗員への特に胸部への負荷が大きくなる傾向がある。この対策として、リトラクタ−にフォースリミッター等の機械的なエネルギー吸収装置を搭載することで軽減を図っているが、更なる胸部への負荷軽減が求められる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、経糸方向に負荷が加わった場合に幅広化することによって、乗員への負荷を軽減できるシートベルト用ウェビング及びシートベルトを提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載のシートベルト用ウェビングは、主面側経糸と主面側緯糸と接結経糸とにより構成された主面側織物層、
他面側経糸と他面側緯糸と前記接結経糸とにより構成された他面側織物層、
前記主面側織物層と前記他面側織物層との間で、前記接結経糸を織り込む接結緯糸、を有し、
前記主面側緯糸が、前記接結経糸によって前記他面側織物層に織り込まれ、且つ、前記他面側緯糸が、前記接結経糸によって、前記主面側織物層に織り込まれて、前記主面側織物層と前記他面側織物層とが接結されており、
前記各経糸に沿った方向に負荷が加わった場合に、前記接結経糸が破断されるとともに、前記主面側織物層及び前記他面側織物層が前記各緯糸に沿った方向に拡がって幅広化することを特徴とする。
請求項2に記載のシートベルト用ウェビングは、請求項1において、前記接結経糸の破断強度は、前記主面側経糸、前記主面側緯糸、前記他面側経糸、及び前記他面側緯糸のいずれの糸の破断強度よりも小さいことを要旨とする。
請求項3に記載のシートベルト用ウェビングは、請求項1又は2において、前記接結経糸の破断伸びが、前記主面側経糸、前記主面側緯糸、前記他面側経糸、及び前記他面側緯糸のいずれの糸の破断伸びよりも小さいことを要旨とする。
請求項4に記載のシートベルト請求項1乃至3のうちのいずれかにおいて、前記シートベルト用ウェビングを用いたことを特徴とする。
本発明のシートベルト用ウェビングによれば、経糸方向に負荷が加わった場合に幅広化し、ベルト本体と乗員との接触面積を増加させて、乗員への負荷を軽減できる。また、この幅広化により乗員の胸部への負荷軽減も得ることができる。
接結経糸の破断伸びが、主面側経糸、主面側緯糸、他面側経糸、及び他面側緯糸のいずれの糸の破断伸びよりも小さい場合には、より確実に接結経糸が破断されて、シートベルト用ウェビングを幅広化することができる。
本発明のシートベルトによれば、経糸方向に負荷が加わった場合にシートベルト用ウェビング(ベルト本体)が幅広化し、ベルト本体と乗員との接触面積を増加させて、乗員への負荷を軽減できる。また、この幅広化により乗員の胸部への負荷軽減も得ることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部位を示す。
本発明にかかるシートベルト用ウェビングの一例の模式的な断面図である。 図1のシートベルト用ウェビングが幅広化された状態を示す模式的な断面図である。 本発明にかかるシートベルト用ウェビングの他例の模式的な断面図である。 図3のシートベルト用ウェビングが幅広化された状態を示す模式的な断面図である。 座席に乗員が着座した状態において本発明のシートベルト用ウェビングを用いたシートベルトを説明する側方からの模式図である。 図5におけるシートベルト用ウェビングが幅広化された状態を説明する側方からの模式図である。 シートベルト用ウェビングの幅広化される前後の状態を説明する模式図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]シートベルト用ウェビング
本発明のシートベルト用ウェビング1は、主面側経糸11と主面側緯糸12と接結経糸31とにより構成された主面側織物層10、
他面側経糸21と他面側緯糸22と前記接結経糸31とにより構成された他面側織物層20、
前記主面側織物層10と前記他面側織物層20との間で、前記接結経糸31を織り込む接結緯糸32、を有し、
主面側緯糸12が、接結経糸31によって他面側織物層20に織り込まれ、且つ、他面側緯糸22が、接結経糸31によって、主面側織物層10に織り込まれて、主面側織物層10と他面側織物層20とが接結されており、
前記各経糸に沿った方向に負荷が加わった場合に、前記接結経糸31が破断されるとともに、前記主面側織物層10及び前記他面側織物層20が前記各緯糸に沿った方向に拡がって幅広化することを特徴とする。
上記「主面側織物層(10)」は、主面側経糸11と主面側緯糸12と接結経糸31とにより構成された織物層である。この主面側織物層10は、どのような組織であってもよく、平組織及び綾組織などとすることができる。より具体的には、例えば、図1及び図3に例示されるように平組織とすることができる。
更に、主面側織物層10は、これを構成する主面側緯糸12が接結経糸31によって、他面側織物層20に対して織り込まれることによって他面側織物層20と接結されている(図1及び図3参照)。
上記「他面側織物層(20)」は、他面側経糸21と他面側緯糸22と接結経糸31とにより構成された織物層である。この他面側織物層20は、どのような組織であってもよく、平組織及び綾組織などとすることができる。より具体的には、例えば、図1及び図3に例示されるように平組織とすることができる。
更に、他面側織物層20は、これを構成する他面側緯糸22が接結経糸31によって、主面側織物層10に対して織り込まれることによって主面側織物層10と接結されている(図1及び図3参照)。
前述のように、主面側織物層10と他面側織物層20とは、上記接結によって一体化されており、経糸に沿った方向に負荷が加わった場合に、接結経糸31が破断されるとともに各緯糸に沿った方向に各々の層(主面側織物層10及び他面側織物層20)が拡がって、本シートベルト用ウェビングが幅広化される。
上記接結は、主面側緯糸12が接結経糸31によって他面側織物層20に織り込まれ、且つ、他面側緯糸22が接結経糸31によって主面側織物層10に織り込まれていればよく、その他の形態については特に限定されない。
上記幅広化できるシートベルト用ウェビングのより具体的な構成としては、隣接した接結経糸31の間に、主面側織物層10を構成するS本(但しS≧2)の主面側経糸11を介在させて、主面側織物層10と他面側織物層20とを接結した構成(主面側の構成)が挙げられる。
上記主面側の構成に対して、他面側の構成も、隣接した接結経糸31の間に、他面側織物層20を構成するS本(但しS≧2)の他面側経糸21を介在させて、主面側織物層10と他面側織物層20とを接結した構成(他面側の構成)とすることができる。
上記主面側の構成を換言すれば、「(N−1)×S本」の主面側経糸11を、「N本」の接結経糸31によって挟んだ構成である。従って、「(N−1)×S本」の主面側経糸11を有する主面側織物層10を、「N本」の接結経糸31によって折り畳んだ状態で維持することとなる。そして、接結経糸31が破断された場合には、経糸に沿った方向の負荷によって、折り畳まれていたS本の主面側経糸11が開放されて主面側織物層10が幅広化(広がる)されることとなる。
同様に、上記他面側の構成を換言すれば、「(N−1)×S本」の他面側経糸21を、「N本」の接結経糸31によって挟んだ構成である。従って、「(N−1)×S本」の他面側経糸21を有する他面側織物層20を、「N本」の接結経糸31によって折り畳んだ状態で維持することとなる。そして、接結経糸31が破断された場合には、経糸に沿った方向の負荷によって、折り畳まれていたS本の他面側経糸21が開放されて他面側織物層20が幅広化(広がる)されることとなる。
上記主面側の構成において、隣接した接結経糸31の間に介在された主面側経糸11の数(S本)は、全ての隣接した接結経糸31間で同数であってもよいが、異なっていてもよい。例えば、第1の隣接した接結経糸31の間に「S=2」本の主面側経糸11を介在させ、第2の隣接した接結経糸31の間に「S=4」本の主面側経糸11を介在させ、各隣接した接結経糸31の間に介在される主面側経糸11の数(Sの数)を異ならせることができる。
同様に、上記他面側の構成も、隣接した接結経糸31の間に介在された他面側経糸21の数(S本)は、全ての隣接した接結経糸31間で同数であってもよいが、異なっていてもよい。即ち、例えば、第1の隣接した接結経糸31の間に「S=2」本の他面側経糸21を介在させ、第2の隣接した接結経糸31の間に「S=4」本の他面側経糸21を介在させ、各隣接した接結経糸31の間に介在される他面側経糸21の数(Sの数)を異ならせることができる。
各隣接した接結経糸31の間に介在させる主面側経糸11の数をS本(但しS≧2)の同数とする場合には、隣接する「N本」の接結経糸31の間に、主面側織物層10を構成する「(N−1)×S本」の主面側経糸11を介在させて、主面側織物層10と他面側織物層20とを接結した構成(主面側の構成)となる。
同様に、他面側も、各隣接した接結経糸31の間に介在させる他面側経糸21の数をS本(但しS≧2)の同数とする場合には、隣接する「N本」の接結経糸31の間に、他面側織物層10を構成する「(N−1)×S本」の他面側経糸21を介在させて、主面側織物層10と他面側織物層20とを接結した構成(他面側の構成)となる。
上記主面側の構成及び上記他面側の構成に関わらず、上記N及び上記Sは特に限定されない。特に、Sは2≦Sとすることができる。但し、主面側の構成におけるN及びSと、他面側の構成におけるN及びSと、は同じであってもよく、異なってもよい。
上記主面側の構成及び上記他面側の構成は、各々の層(主面側織物層10及び他面側織物層20)の全体をなしてもよく、また、一部のみをなしてもよい。
更に、上記主面側の構成及び上記他面側の構成の間には、幅広化しない組織を挟むことができる。幅広化しない組織とは、上記SがS=1の組織、及び、隣接する2本の接結経糸31の間に主面側経糸11又は他面側経糸21を介在しない組織(S=0)が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、本発明のシートベルト用ウェビングは、主面側織物層10と他面側織物層11との間で、接結経糸31を織り込む接結緯糸32を備える。この接結緯糸32は、接結経糸31を織り込むことにより、接結経糸31同士の間隔をより狭く維持することができる。従って、接結緯糸32を備えることにより、より効果的にシートベルト用ウェビングを幅広化させることができる。
また、接結経糸31と接結緯糸32とにより形成される組織は、どのような組織であってもよく、平組織及び綾組織などとすることができる。より具体的には、例えば、図1及び図3に例示されるように平組織とすることができる。
更に、この接結緯糸32は、接結経糸31を織り込んでいること以外において特に限定されないものの、通常、各経糸に沿った方向に負荷によって接結経糸31が破断された際のシートベルト用ウェビング1の幅広化を阻害しないように、主面側織物層10及び他面側織物層20を構成する各糸とは織り込まれない。従って、通常、接結緯糸32は、シートベルト用ウェビング1の表面に現れない糸である。
尚、本発明のシートベルト用ウェビングは、通常、幅方向の両端において織りが解けないための構成を備えている。即ち、例えば、袋織り等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、本発明のシートベルト用ウェビングは、主面側織物層10及び他面側織物層20以外にも他の層を備えることができる。即ち、他面側織物層20(第1の他面側織物層20)の他面側(主面側織物層10と接結されない側の表面)に、第2の他面側織物層を有することができる。この場合、第2の他面側織物層は、他面側織物層20と同様な構成とすることができる。更に、主面側織物層10と第1の他面側織物層20とを第1の接結経糸31を用いて接結するのと同様に、第1の他面側織物層20と第2の他面側織物層とを第2の接結経糸を用いて接結することができる。更に上記と同様に第2の接結緯糸を備えることもできる。このようにして、本発明のシートベルト用ウェビングは2重構成だけでなく、3重構成以上のウェビングとすることもできる。
上記主面側織物層10及び上記他面側織物層20の各々を構成する各糸については、特に限定されず、各種糸(主面側経糸11、主面側緯糸12、他面側経糸21、他面側緯糸22、接結経糸31、接結緯糸32)としては、モノフィラメント及びマルチフィラメントを用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、各糸は、捲縮加工や嵩高加工等を加工糸でもよく、非加工糸であってもよい。
また、各種糸を構成する材料は特に限定されないが、通常、樹脂が用いられ、更には、熱可塑性樹脂が好ましい。この熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂{脂肪族ポリアミド樹脂(ナイロン等)、芳香族ポリアミド樹脂(パラフェニレンジアミンとテレフタル酸との重合体など)}、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ビニル系樹脂(疎水化ポリビニルアルコール樹脂等、特にビニロン)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂等)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、各糸は、各々単一材質で構成されていてもよく、経糸又は緯糸ごとに材質が異なる2種以上の材質で構成されてもよい。更に、各糸には、無機フィラー及び/又は有機フィラーが含有されてもよい。
更に、各糸同士の強度の相関については特に限定されないが、接結経糸31の破断強度は、主面側経糸11、主面側緯糸12、他面側経糸21、及び他面側緯糸22のいずれの糸の破断強度よりも小さいことが好ましい。また、接結緯糸32は、接結経糸31の破断強度と同じであるか又は接結経糸31の破断強度よりも小さいことが好ましい。この構成を有することにより、経糸に沿った方向に負荷が加わった場合に、いずれの糸よりも先に接結経糸31を破断させることができ、よりスムーズに幅広化を行うことができる。
より具体的には、上記接結経糸31の破断強さは、2〜8kNであることが好ましい。この破断強さは、オートグラフ(株式会社島津製作所製)を用いて、試長100〜200mm、引張速度100mm/分で応力−伸長曲線を測定し、繊維の破断点の強度として求めた。
更に、接結経糸31の破断伸びは、主面側経糸11、主面側緯糸12、他面側経糸21、他面側緯糸22、及び接結緯糸32のいずれの糸の破断伸びよりも小さいことが好ましい。この構成を有することにより、主面側織物層10及び他面側織物層20をスムーズに幅広化を行うことができる。
[2]シートベルト
本発明のシートベルト5(図5〜図7参照)は、本発明のシートベルト用ウェビング1を用いたことを特徴とする。より具体的には、ベルト本体51(シートベルト用ウェビング1から構成されている長尺織物)と、その他の構成とを備えることができる。その他の構成としては、ベルト本体51の一端側から、ベルト本体51の一端側を固定しつつベルト本体51を延出及び巻取りが可能とされたリトラクタと、ベルト本体51が挿通されるとともに車両又は座席に固定されてベルト本体51の延出方向を変化させるスルーアンカと、ベルト本体51が挿通されるとともにベルト本体51を長尺方向に可動可能とされたタングと、車両又は座席6に固定されるとともにベルト本体51の他端を固定するアンカと、を備えることができる。尚、上記ベルト本体は、シートベルト用ウェビングの幅方向の両端は袋織りされているものであることが好ましい。また、上記タングを固定するためのバックル61は、車両本体又は座席6に固定して備えることができる。
このシートベルト5は、図5及び図7に例示されるように、経糸に沿った方向に負荷が加わる前であり、幅広化されていない状態においては、幅広化されていないベルト本体部51aにより座席6に対して乗員7を拘束する。そして、図6及び図7に例示されるように、経糸に沿った方向に負荷が加わった場合には、前に詳述した通り、本発明のシートベルト用ウェビングの作用に幅広化されて、慣性力によってシートベルト5から乗員6へ作用する圧力負荷を軽減しつつ、この幅広化されたベルト本体部51bにより座席6に対して乗員7を拘束し続けることができる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
[実施形態1]
図1及び図2は、各経糸に沿った方向に負荷が加わった場合に、接結経糸31が破断されて、幅47.0mmの主面側織物層10及び他面側織物層20が、各緯糸に沿った方向に拡がって幅90mmまで幅広化することが可能なシートベルト用ウェビング1aである。
このシートベルト用ウェビング1aは、主面側経糸11と主面側緯糸12と接結経糸31とにより構成された主面側織物層10を有する。この主面側織物層10は、主面側経糸11と主面側緯糸12とを用いて平組織が形成されている。
更に、シートベルト用ウェビング1aは、他面側経糸21と他面側緯糸22と接結経糸31とにより構成された他面側織物層20を有する。この他面側織物層10は、主面側経糸11と主面側緯糸12とを用いて平組織が形成されている。
また、主面側織物層10と他面側織物層20とは、接結経糸31により接結されている。また、隣接した接結経糸31の間に、2本(即ちS=2)の主面側経糸11を介在させつつ、主面側緯糸12が、この接結経糸31によって他面側織物層20に織り込まれ、更に、隣接した接結経糸31の間に、2本(即ちS=2)の他面側経糸21を介在させつつ、他面側緯糸22が、この接結経糸31によって主面側織物層10に織り込まれることによって、両層は接結されている。
また、接結経糸31のみを織り込む接結緯糸32を備え、接結経糸31同士の間隔を狭く維持した構成となっている。更に、図示されないウェビングの幅方向の両端は、袋織りにされた耳部を有する。
そして、主面側経糸11及び他面側経糸21は、いずれも1100〜1670dtexのマルチフィラメント(フィラメント数48〜196本、特に144本)である。また、破断強度は8.1cN/dtex以上(好ましくは7〜9cN/dtex)である。即ち、主面側経糸11及び他面側経糸21は、繊維1本あたり89〜135Nの破断強度を有する。更に、破断伸びは10〜20%(特に14.0±2.0%)である。即ち、他の糸との相関でいえば、高強力糸である。この主面側経糸11及び他面側経糸21は、いずれも230〜300本であり、特に153本とされる。
また、主面側緯糸12及び他面側緯糸22は、いずれも700dtexのマルチフィラメント(96本)である。また、破断強度は7.5cN/dtex以上である。即ち、主面側緯糸12及び他面側緯糸22は、繊維1本あたり52.5Nの破断強度を有する。更に、破断伸びは13.5±2.0%である。即ち、他の糸との相関でいえば、高強力糸である。この主面側緯糸12及び他面側緯糸22は、いずれも19本/インチとされる。
更に、接結経糸31は、200〜560dtexのモノフィラメントである。また、破断強度は7.0cN/dtex以下(好ましくは2〜5cN/dtex)である。更に、破断伸びは5.0%以上(好ましくは8〜10%)である。即ち、他の糸との相関でいえば、低伸度低強力糸である。この接結経糸31は、5〜15本/インチであり、特に10本/インチとされる。
また、接結緯糸32は、200〜560dtexのモノフィラメントである。また、破断強度は5.0cN/dtex以下(好ましくは2〜4cN/dtex)である。更に、破断伸びは25.0%以上(好ましくは30〜40%)である。即ち、他の糸との相関でいえば、低力伸縮糸である。この接結緯糸32は、10〜20本/インチであり、特に17本/インチとされる。
[実施形態2]
図3及び図4も、実施形態1と同様に、各経糸に沿った方向に負荷が加わった場合に、接結経糸31が破断されて、幅47.0mmの主面側織物層10及び他面側織物層20が、各緯糸に沿った方向に拡がって幅90mmまで幅広化することが可能なシートベルト用ウェビング1bである。
このシートベルト用ウェビング1bは、シートベルト用ウェビング1aと同様の主面側織物層10及び他面側織物層20を有し、主面側織物層10と他面側織物層20とは、接結経糸31により接結されている。
但し、このシートベルト用ウェビング1bは、シートベルト用ウェビング1aと異なり、隣接した接結経糸31の間に、5本(即ちS=5)の主面側経糸11を介在させつつ、主面側緯糸12が、この接結経糸31によって他面側織物層20に織り込まれ、更に、隣接した接結経糸31の間に、5本(即ちS=5)の他面側経糸21を介在させつつ、他面側緯糸22が、この接結経糸31によって主面側織物層10に織り込まれることによって、両層は接結されている。
尚、接結経糸31のみを織り込む接結緯糸32を備え、接結経糸31同士の間隔を狭く維持した構成となっていることも、シートベルト用ウェビング1aと同様であり、更に、図示されないウェビングの幅方向の両端が、袋織りにされた耳部を有することも同様である。
尚、主面側経糸11、他面側経糸21、主面側緯糸12、他面側緯糸22、接結経糸31、及び接結緯糸32は、いずれも上記実施形態1における各糸と同様である。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
1、1a、1b;シートベルト用ウェビング、
10;主面側織物層、11;主面側経糸、12;主面側緯糸、
20;他面側織物層、21;他面側経糸、22;他面側緯糸、
31;接結経糸、32;接結緯糸、
5;シートベルト、
51;ベルト本体、51a;幅広化前のベルト本体、51b;幅広化後のベルト本体、
6;シート(座席)、61;バックル、7;乗員。

Claims (4)

  1. 主面側経糸と主面側緯糸と接結経糸とにより構成された主面側織物層、
    他面側経糸と他面側緯糸と前記接結経糸とにより構成された他面側織物層、
    前記主面側織物層と前記他面側織物層との間で、前記接結経糸を織り込む接結緯糸、を有し、
    前記主面側緯糸が、前記接結経糸によって前記他面側織物層に織り込まれ、且つ、前記他面側緯糸が、前記接結経糸によって、前記主面側織物層に織り込まれて、前記主面側織物層と前記他面側織物層とが接結されており、
    前記各経糸に沿った方向に負荷が加わった場合に、前記接結経糸が破断されるとともに、前記主面側織物層及び前記他面側織物層が前記各緯糸に沿った方向に拡がって幅広化することを特徴とするシートベルト用ウェビング。
  2. 前記接結経糸の破断強度は、前記主面側経糸、前記主面側緯糸、前記他面側経糸、及び前記他面側緯糸のいずれの糸の破断強度よりも小さい請求項1記載のシートベルト用ウェビング。
  3. 前記接結経糸の破断伸びは、前記主面側経糸、前記主面側緯糸、前記他面側経糸、及び前記他面側緯糸のいずれの糸の破断伸びよりも小さい請求項1又は2に記載のシートベルト用ウェビング。
  4. 請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のシートベルト用ウェビングを用いたことを特徴とするシートベルト。
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