JP2013064816A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スクリーンとの距離が至近であっても、鮮明な大画面表示をすることができる画像表示装置に関する。
【解決手段】 光源から出射された光を画像表示素子に照射する照明光学系と、照明光学系からの照明光が照射され投射画像を形成する画像表示素子と、全体で正の屈折力を有し、画像表示素子において形成された投射画像を被投射面に投射光学系と、を有し、投射光学系は、投射レンズと、第1ミラーと、凹面ミラーである第2ミラーとを有してなり、投射レンズを透過して第1ミラーに入射する投射画像に係る投射光束は発散光束であり、第1ミラーで反射された後に第2ミラーで反射された投射光束が一旦集光した後に被投射面に投射され、投射レンズのうち第1ミラーに最も近いレンズのレンズ面は、凸面である画像表示装置による。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像を拡大してスクリーンに表示する画像表示装置に関するものである。
従来に比べてスクリーンの近くに設置することができる画像表示装置が知られている。このような画像表示装置は至近距離プロジェクタと呼ばれる。至近プロジェクタの目的は以下のようなものである。第1に、スクリーンの近くに立つプレゼンター(あるいは説明員、発表者など)の目に、投射光が入る眩しさを避けること、第2に、プレゼンターの説明を聞く聴講者にプロジェクタの排気や騒音の影響が及ばないようにすること、である。
至近距離プロジェクタが備える投射光学系は、従来の投射光学系(共軸・回転対称)の画角を広げることでスクリーン面との距離を短くするものや、曲面ミラーを使うもの等がある。従来の投射光学系の画角を広げるものは、従来技術の延長で至近投射の目的を達成することができる。しかし、スクリーンに近いレンズの外径を大型のものにする必要があり、プロジェクタ全体が大きくなる。これに対して、曲面ミラーを使う方式は、小型でありながら至近距離での投射を行うことができる。
曲面ミラーを使うものとして、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている発明がある。特許文献1記載の発明は、レンズ光学系の後ろに凹面ミラーを置いて投射する方式である。特許文献2記載の発明は、レンズ光学系の後ろに凸面ミラーを置いて投射する方式である。いずれの方式においても、レンズとミラーを順番に配置するだけでセッティングができるので、部品間の配置精度を高くすることができる。しかし、レンズ光学系とミラーの間に長い距離が必要であり、投射光学系が大型化する。
レンズとミラーの距離を短くすることができるものとして、特許文献3や特許文献4に記載されている発明がある。特許文献3および特許文献4記載の発明は折り返しミラーを配置することで、レンズ光学系とミラーの間の長い距離を折り畳み、光学系の小型化を行なっている。
特許文献3記載の発明では、レンズ光学系の次に凹面ミラーと凸面ミラーを順に配置することで、小型化を図っている。また、特許文献4記載の発明では、凹面ミラーの後ろに平面ミラーを置くことによって小型化を図っている。
しかし、特許文献3と特許文献4に記載のいずれの光学系も、画像表示素子から曲面ミラーまでの距離が長い。そのため、スクリーンからプロジェクタ本体までの距離を、従来よりもさらに近づけるには、光学系本体の長さが邪魔になる。
このような「光学系自体の大きさ」に関する制約を解決するものとして、特許文献5に記載されている発明がある。特許文献5には、スクリーン面と画像表示素子の表示面が互いに垂直になる投射光学系が記載されている。このような縦型方式を採用することで、投射光学系自体の長さが、スクリーンとプロジェクタ本体の距離を近づけることに対する邪魔になることを避けることができる。
ところが、特許文献5記載の投射光学系のように、縦型方式を採用して投射光学系を小型化にしつつ至近投射を行うことができる構成であっても、より至近距離に設置したプロジェクタによって、スクリーンにより大きな画面の表示をするには、レンズ光学系からミラー系に入射する光の発散性をより強くする必要がある。しかし、光の発散性を強くすると新たな3つの課題が生じる。
すなわち、第1の課題は、レンズ系の光軸外を通過する投射光束の収差補正が困難になることである。また、第2の課題は、拡がった発散光束が凹面ミラーに当たる前に、第1ミラーに最も近いレンズ面に当たってしまうことである。さらに第3の課題は、凹面ミラーで反射した光がスクリーンに向かう途中で、第1ミラーに当たってしまうことである。
特許文献5に記載された技術のように、第1ミラーに最も近いレンズ面が凹面であると、光軸から離れるに従って第1ミラー側にレンズ面がせり出してくることになるので、凹面ミラーに入射する光束がこのレンズに当たりやすい。さらに、収差補正・誤差感度の点においても、強い発散光束を扱う光学系では、最もミラーに近いレンズ面を凹面にすると、光線の屈折角が非常に大きくなって、画面全域の収差補正が困難になり、屈折角が大きいことから部品の位置ずれが少しでもあると画像品位が大きく劣化することになる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、被投射面までの距離が近くても大画面を投射することができる画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、画像表示装置に関するものであって、光源から出射された光を画像表示素子に照射する照明光学系と、照明光学系からの照明光が照射され投射画像を形成する画像表示素子と、全体で正の屈折力を有し、画像表示素子において形成された投射画像を被投射面に投射光学系と、を有し、投射光学系は、投射レンズと、第1ミラーと、凹面ミラーである第2ミラーとを有してなり、投射レンズを透過して第1ミラーに入射する投射画像に係る投射光束は発散光束であり、第1ミラーで反射された後に第2ミラーで反射された投射光束が一旦集光した後に被投射面に投射され、投射レンズのうち第1ミラーに最も近いレンズのレンズ面は、凸面であることを最も主な特徴とする。
発明によれば、スクリーンとの距離が至近であっても、投射光による表示を大型にすることができる画像表示装置を得ることができる。
本発明に係る画像表示装置の例を概略的に示す光学配置図である。 上記画像表示装置の一実施例が備える投射光学系の要部の例を示す側面図である。 上記投射光学系によって投射される光の様子を示す光路図である。 上記画像表示装置が備える投射光学系の要部の例を示す側面図である。 上記投射光学系によって投射される光の様子を示す光路図である。 上記画像表示装置の別の実施例が備える投射光学系の要部を示す側面図である。 上記画像表示装置のさらに別の実施例が備える投射光学系の要部を示す側面図である。 上記画像表示装置のさらに別の実施例が備える投射光学系の要部を示す側面図である。 上記画像表示装置のさらに別の実施例が備える投射光学系の要部を示す側面図である。 上記投射光学系によって投射される光の軌跡を示す光線図である。 上記画像表示装置が有する反射型画像表示装置の例を示す平面図である。 上記画像表示装置が有するレンズ光学系の例を示す側面図である。
以下、本発明に係る画像表示装置の実施例について図面を用いながら説明する。図1は、本発明に係る画像表示装置が備える光学エンジンの要部を一方向からみた側面図である。以下、本明細書において、投射光学系の光軸方向をZ軸とし、照明光学系の光軸方向をY軸とし、Z軸にもY軸にも直交する方向の軸をX軸とする。
図1においてプロジェクタ100は、大まかには、光源であるランプ1から出射された光によって反射型画像表示素子であるDMD7を照明するための照明光学系と、DMD7で反射された光を被投射面であるスクリーン20に向けて投射するための投射光学系と、を有してなる。図1において投射光学系はその一部であるレンズ光学系8のみを図示している。
なお、以下に説明する実施例においては、画像表示素子の例示として、反射型画像表示素子であるDMDを用いている。しかし、本発明に係る画像表示装置は、画像表示素子をDMDに限ることはなく、他の画像表示素子、例えば液晶パネルを用いてもよい。
以下、プロジェクタ100が有する照明光学系について説明をする。光源であるランプ1から出射された光は、リフレクタ2によってインテグレータロッド3の入射口に集光される。インテグレータロッド3は、4つのミラーを組み合わせてトンネル状にしたライトパイプである。インテグレータロッド3に入射された光は、インテグレータロッド3内のミラー面で反射を繰り返し、インテグレータロッド3の出射口において光量が一様でムラのない光になる。
インテグレータロッド3の出射口を、光量が一様でムラのない面光源として捉えて、この面光源の光源像を、DMD照明用レンズ4、第1折り返しミラー5、第2折り返しミラー6を介して画像表示素子であるDMD7の有効画像領域に生成する。DMD照明用レンズ4は、DMD7の有効画像領域を効率よく照射するための光学素子である。第1折り返しミラー5は平面ミラーであって、第2折り返しミラー6は曲面ミラー(凹面ミラー)である。
インテグレータロッド3から出射された光は、DMD照明用レンズ4の前方を通過して第1折り返しミラー5によって、図1において斜め右下方向に反射され第2折り返しミラー6に向かう。第2ミラーで反射された光は、DMD7の表面を照明し、DMD7の有効画像領域内のミラーによって反射されて、画像投射光である反射光束が折り返しミラー6の側方を通過して投射光学系を形成するレンズ光学系8に入射される。ランプ1から第2折り返しミラー6までを照明光学系という。
上記照明光学系によって、DMD7は光量ムラのない照明光で照明され、一様な照度分布となるので、その拡大像である投射画像も一様な照度分布となる。
DMD7は多数の微小ミラーからなるデバイスであって、各微小ミラーの角度を+12°から−12°の範囲で変化させることができる。例えば、微小ミラーの角度が−12°のとき、当該微小ミラーで反射された照明光は投射レンズ内に入るようにする。この状態を「ON状態」という。また、ミラーの角度が+12°のときは、当該微小ミラーで反射された照明光は投射レンズに入らないようにする。この状態を「OFF状態」という。
DMD7の微小ミラーは、被投射面上に表示される画像の画素に対応する。したがって、DMD7の各微小ミラーの傾斜角度を制御することで、スクリーン20に表示される画像の形成に必要な投射光(投射画像光)を、投射光学系を介して投射することができる。
図1において投射光学系は、レンズ光学系8のみを図示しており、投射光学系に含まれるミラー光学系を省略している。レンズ光学系8は、複数のレンズからなる投射レンズと、この投射レンズを保持するレンズ鏡胴と、を有してなる。図1においてレンズ鏡胴は省略している。また、図示しないミラー光学系は、投射レンズからの投射光束をスクリーン20に向けて反射させるミラーを有してなる。
(実施例1)
次に、本発明に係る画像表示装置が有する投射光学系の実施例について説明をする。図2は、本実施例に係る投射光学系の要部を拡大した概要図である。図2において、照明光学系は図示を省略している。図2は、DMD7が備える全ての微小ミラーがON状態であって、有効画像領域の全体を被投射面であるスクリーン20(図示せず)に投射する状態を例示している。図2において投射光束14は、DMD7の有効画像領域端部からレンズ光学系8に入射し、ミラー光学系8を構成する第1ミラー9および第2ミラー10を経てスクリーン20(図示せず)に到達する2本の線として表されている。
レンズ光学系8は、レンズ鏡胴81内に収められた複数のレンズからなる。投射光束14は、レンズ鏡胴81の内部で収束した後に拡散しながら、第1ミラー9に向かう。第1ミラー9は平面ミラーに限られないが、仮に凸面ミラーであると、第1ミラー9で反射された投射光束14は、さらに発散性が強くなる。そうすると、第1ミラー9で反射された投射光束14は、第2ミラー10に向かう途中で、例えばレンズ鏡胴81などにぶつかって、光がけられる(遮光される)可能性が高くなる。そのため、第1ミラー9は平面ミラーか、凹面ミラーであることが望ましい。
また、第1ミラー9で反射された投射光束14をスクリーン20に向けて反射する第2ミラー10は、凹面ミラーであることが必要となる。第2ミラー10が平面ミラーか凸面ミラーであると、反射された投射光束14が拡散してしまい、スクリーン20に向けて反射されないからである。
つまり、第1ミラー9は平面ミラーか、もしくは、凹面ミラーであって、第2ミラー10は凹面ミラーとすることで、第2ミラー10で反射された投射光束14は、スクリーン20と、第2ミラー10の間で集光してから拡散し、スクリーン20上に投射されて、画像を表示することができる。
プロジェクタ100とスクリーン20の距離を超至近にしつつ、大画面表示をするには、レンズ光学系8からミラー光学系に入射する光束の発散性を強めて、ミラー光学系が備える凹面ミラー(第2ミラー10)によって、反射された後の投射光束14を集光させる必要があり、さらに、その集光位置を、スクリーン20よりもずっと手前の、第2ミラー10に近い位置とする必要がある。
集光位置15が、スクリーン20よりもずっと手前であって、第2ミラー10に近い位置にないとすれば、超至近距離に設置されたプロジェクタ100からの投射光束14が十分に発散してスクリーン20上に大きな画像表示をすることができないからである。
例えば図3に示すように、集光位置15が、スクリーン20よりもずっと手前の、第2ミラー10に近い位置にあれば、プロジェクタ100とスクリーン20が至近距離であっても、投射光束14は十分に拡散してスクリーン20全体に大きく拡大された画像を表示することができる。
集光位置15についてさらに説明をする。集光位置15は、スクリーン20よりもずっと手前にあることが(第2ミラー10に近い方が)望ましいが、第2ミラー10に近づきすぎてもよくない。集光位置15は、凹面ミラーである第2ミラー10よりも第1ミラー9に近い位置にあることが望ましい。
その理由について、図4を用いて説明する。図4は、本実施例に係るプロジェクタ100が有する投射光学系の要部を拡大した図であって、集光位置15を第1ミラー9よりも第2ミラー10寄りにした場合の例を示している。投射光束14は集光位置15において集光した後に一気に拡散するから、図4に示すように、集光位置15が第1ミラー9の近傍ではなく、第2ミラー10側に寄っていると、集光位置15から拡散した投射光束14の光路上に第1ミラー9が配置されている状態になる。そうすると、投射光束14の一部が第1ミラー9によって「けられた」状態になる。
図5に示すように、第2ミラー10で反射されスクリーン20に向かう投射光束14のエッジ部分に当たる投射光141と反対側のエッジ部分に当たる投射光142を考えると、投射光141は第2ミラー10で反射され集光位置15を経てスクリーン20に投射されるが、投射光142は第2ミラー10で反射され集光位置15を経た後に第1ミラー9に当たってけられてしまう。そうすると、投射光束14によってスクリーン20に表示されるはずの画像の一部が欠落した状態になってしまう。よって、集光位置15は第1ミラー9の近傍であることが望ましい。
集光位置15が上記のような第1ミラー9の近傍ではなく、第1ミラー9から離れて第2ミラー10の方に寄っているときは、投射光束14の一部が投射光学系にけられてしまい、スクリーン20上に大画面表示を行うことができなくなる。そこで本実施例に係るプロジェクタ100は、集光位置15を、スクリーン20よりもずっと手前の、第2ミラー10に近い位置であり、かつ、第1ミラー9の近傍に設定する。これによって、超至近距離においても、大画面表示を行うことができる。
また、図5に示すように、集光位置15が第1ミラー9の近傍ではなく、第2ミラー10に寄っていると、投射光束14の一部である投射光142は、スクリーン20上に到達する投射光141に比べてX−Z平面と平行であるスクリーン20に対し、おじぎをするような角度になる。言い換えると、第2ミラー10で反射された投射光束14において、1のエッジ部分(投射光141)がスクリーン20の法線に対してなす角度と、反対側のエッジ部分(投射光142)がスクリーン20の法線に対してなす角度が、異なる符合の角度となる状態になると、投射光束14がレンズ光学系8によってけられる状態となる。
したがって、本実施例に係るプロジェクタ100は、被投射面であるスクリーン20に投射される投射光束14に係る画像の左右方向中心に入射する光線が、スクリーン20の法線となす角度は、全て同じ符号の角度である。
(実施例2)
次に、本発明に係る画像表示装置の別の実施例における投射光学系について説明をする。図6は、本実施例に係る投射光学系の要部を拡大した概要図であって、実施例1に示した投射光学系に、防塵ガラスを付加した構成を示している。
防塵ガラス11は凹面ミラーである第2ミラー10の保護や、レンズ光学系8へのゴミの混入防止を目的として、第2ミラー10の上部に設置されている。防塵ガラス11が設置されることで、投射画像の品質が大きく劣化することは無い。
本実施例において、防塵ガラス11はなるべく小型であることが望ましい。なぜならば、防塵ガラス11が大きくなると、投射光学系全体が大きくなり、プロジェクタ100が大型化するからである。
第2ミラー10で反射されてスクリーン20(図示せず)に向かう投射光束14は、一旦集光した後に拡散する。そこで、防塵ガラス11を大きくすることなく、上記の目的を達するようにするには、集光位置15が防塵ガラス11の近傍になるようにすればよい。図6に示すように、投射光束14の集光位置15が防塵ガラス11の近傍にあると、防塵ガラス11を大きくする必要がなく、投射光学系の小型化を図ることができる。しかし、集光位置15が防塵ガラス11から離すれた位置にあると、投射光束14は一気に拡散するので、防塵ガラス11を大きくする必要が生じる。
すなわち、第2ミラー10からスクリーン20に向かう投射光束14がけられないこと、レンズ光学系8・第1ミラー9・第2ミラー10を含む投射光学系全体の小型化を図れること、防塵ガラス11を小型にできること、以上の3点を考慮すると、本実施例に係るプロジェクタ100のように、第2ミラー10で反射された後に投射光束14が集光する位置15は、スクリーン20よりもずっと手前で第2ミラー10に近い位置であり、第2ミラーよりも第1ミラーに近い位置であり、かつ、防塵ガラス11に近い位置であることが望ましい。
(実施例3)
次に、本発明に係る画像表示装置のさらに別の実施例について説明をする。図7は、本実施例の特徴を説明するための概要図であって、投射光学系の要部を拡大した図である。集光位置15を防塵ガラス11の近傍にすることが好適であることは、実施例2において説明したとおりである。実施例2において示した図6における第1ミラー9を、紙面反時計方向に回転させると、集光位置15は、図7の点線で示したように、防塵ガラス11と第1ミラー9の近傍にさらに近づく。しかし、第1ミラー9で反射された後にレンズ光学系8や、レンズ鏡胴81によってけられやすくなる。
特に、レンズ光学系8が有するレンズのうち、第1ミラー9に最も近いレンズが凹面レンズであった場合には、第1ミラー9で反射された投射光束14が、この凹面レンズの外周縁部に当たる可能性が高くなる。
一方、第1ミラー9の角度を、紙面時計方向に回転させると、集光位置15を防塵ガラス11に近づけつつ、第1ミラー9で反射された投射光束14がレンズ光学系8や、レンズ鏡胴81によってけられないように、調整することができる。しかし、第1ミラー9の角度を、紙面時計方向に回転させると、第1ミラー9で反射された投射光束14の光路は、X−Y平面から離れる方向に移動する。そうすると、第2ミラー10も、その光路に合わせて移動させる必要が生じる。すなわち、第2ミラー10を紙面上方に移動させる必要が生じる。第2ミラー10を上方に移動させると、投射光学系が嵩高かになる。
そこで、投射光学系を小型にするには、集光位置15を防塵ガラス11の近傍に配置しつつ、第1ミラー9で反射された投射光束14が、レンズ光学系8を構成するレンズやレンズ鏡胴81にできるだけ近い位置を通過して、第2ミラー10に到るようにすると良い。
そのためには、レンズ光学系8にも工夫が必要である。図8は、レンズ光学系8が有する投射レンズのうち、第1ミラー9に最も近いレンズ80のレンズ面を凸面にした例である。図8に示すように、レンズ80のレンズ面を、凸面にすることで、レンズ80の近傍を投射光束14が通過しても、レンズ80の外周縁部やレンズ鏡胴81の上端部によってけられることなく、第1ミラー9で反射された投射光束14が発散性の強い光束であっても、第2ミラー10に到達することができる。
以上、説明した実施例3によれば、さらに強い発散光束を扱う収差補正や、誤差感度低減を図ることができる。
(実施例4)
次に、本発明に係る画像表示装置のさらに別の実施例が有する投射光学系について説明をする。図9は、本実施例の特徴を説明するための概要図であって、実施例2にて説明をした投射光学系よりも、さらに発散性の強い反射光束を扱うためときに用いる反射光学系の要部を拡大した図である。
図9において、レンズ光学系8aは、第1ミラー9の最も近くに配置される異形レンズ80aと、これを保持するレンズ鏡胴81aを有してなる。図9に示すように、レンズ光学系8aを構成するレンズのうち、第1ミラー9に最も近いレンズ80aを、他のレンズに比べて、径寸法を半分にすることで、レンズ鏡胴81aの第1ミラー9側の端部に切欠き部を形成している。これによって、第1ミラー9で反射された投射光束14が、より強い発散性を有し光路が広がっても、レンズ光学系8aによってけられることなく、第2ミラー10に到達することができる。
このように、第1ミラー9に最も近いレンズ80aとレンズ鏡胴81aの端部を加工して切り欠き部を形成することで、第1ミラー9で反射された投射光束14の通過可能な経路が広がり、投射光学系の小型化および軽量化を図ることができ、かつ、超至近距離においても大画面を表示することができるプロジェクタ100を得ることができる。
図9に示す光線から明らかなように、レンズ80aの利用範囲は、上記切欠き部とは反対側に残されている部分であるから、スクリーン20に投射される画像の鮮鋭度や明るさには影響がない。
(実施例5)
次に、本発明に係る画像表示装置のさらに別の実施例が有する投射光学系について説明をする。図10は、最適な集光位置15を実現するために配置されたレンズ光学系8、第1ミラー9、第2ミラー10、防塵ガラス11において、図11に示すDMD7上の15点からそれぞれ7本ずつ光線を出射させた光線追跡図である。図11は、DMD7の平面図である。図11において、DMD7の平面上にある複数の点のうち、X軸方向の中点であって、Y軸方向の下端の点71は、Y軸方向に偏心している。その偏心量は1.56mmである。
図10に戻る。図10に示すように、集光位置15での集光度合いは、スポット的に細くはならないが、この位置近傍に防塵ガラス11を置くことで投射光学系の小型化を図ることができる。
また、集光位置15を第1ミラー9の近傍、特に第1ミラー9の反射面を含む無限に広い仮想平面近傍に置くことで、第1ミラー9で投射光束14がけられることない。なおかつ、第1ミラー9と第2ミラー10の距離を離さなくてもよいので、投射光学系を小型にすることができる。
本実施例に係るプロジェクタ100のようにDMD7から出射された投射光束14を第1ミラー9で折り返さずに、レンズ光学系8を通過した投射光束14が第2ミラー10にあたるように、投射光学系を配置したプロジェクタであれば、その投射光学系が外装に配置されると、スクリーン20にプロジェクタ100の本体筐体がぶつかる状態になり設置することができない。つまり、本実施例に示すプロジェクタ100のように、第1ミラー9と第2ミラー10を用いて、強い発散性を有する投射光束14を反射させることで、スクリーン20に投射させる構成でなければ、超至近距離投射を実現することができない。
図12に、レンズ光学系8の構成例を示す。図12において、レンズの光軸方向をZ軸とし、それに直交する二つの軸をX軸、Y軸とする。図12に示したレンズ光学系8は、それぞれのレンズの光軸が、同じ直線上に乗っている共軸光学系である。
この光軸と、図11に示したDMD7の平面上にある複数の点のうちY軸方向の下端の点71は、Y軸方向に偏心しており、その偏心量は1.56mmである。すなわち、図12において、光軸の方がDMD7の下端よりも1.56mm下方にある。
次に、投射光学系の具体的な数値例を示す。表1は、上記共軸光学系の構成を示す。
表1中、面4、5、21、22、23、24は非球面で、これらの非球面係数を表2に示す。
上記非球面係数を適用して非球面を算出する式を式1に示す。
第2ミラー10の反射面を形成するための係数を表3に示す。
上記係数を適用して第2ミラー10の反射面を算出する式を式2に示す。
第1ミラー9と第2ミラー10及び防塵ガラス11のレイアウトを表4に示す。
以上において示した構成を有するプロジェクタ100によれば、超至近投射でありながら、大画面を表示することができる画面表示装置を得ることができる。
なお、表3中に記載において、「**」はべき乗演算を意味する。また、「*」は乗算を意味する。
以上のように、本発明に係る画像表示装置は、発散性の強い投射光束の集光位置を調整することで、超至近距離から大画面の画像をスクリーンに表示することができる
7 DMD
8 レンズ光学系
9 第1ミラー
10 第2ミラー
14 投射光束
15 集光位置
特許第4329863号公報 特許第3727543号公報 特開2009−157223号公報 特開2009−145672号公報 特許第4210314号公報

Claims (9)

  1. 光源から出射された光を画像表示素子に照射する照明光学系と、
    前記照明光学系からの照明光が照射され投射画像を形成する画像表示素子と、
    全体で正の屈折力を有し、前記画像表示素子によって形成された投射画像を被投射面に投射する投射光学系と、を有する画像表示装置であって、
    前記投射光学系は、投射レンズ、第1ミラー、凹面ミラーである第2ミラーを有してなり、
    前記投射レンズを透過して前記第1ミラーに入射する前記投射画像に係る投射光束は発散光束であり、
    前記第1ミラーで反射された後に前記第2ミラーで反射された前記投射光束は、一旦集光した後に前記被投射面に投射され、
    前記投射レンズのうち前記第1ミラーに最も近いレンズのレンズ面は、凸面であることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記第2ミラーで反射された前記投射光束が集光する位置は、前記第1ミラーの近傍であることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 前記第1ミラーは平面ミラーであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 前記第2ミラーで反射された前記投射光束が集光する位置は、前記第1ミラーの反射面を延長した仮想平面の近傍であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像表示装置。
  5. 前記被投射面に投射された画像の左右方向中心に入射する光線が前記被投射面の法線となす角度は、全て同じ符号の角度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像表示装置。
  6. 前記第2ミラーと前記被投射面との間に防塵ガラスを有し、前記第2ミラーで反射された前記投射光束が集光する位置は、前記防塵ガラスの近傍であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像表示装置。
  7. 前記投射レンズのうち前記第1ミラーに最も近い投射レンズの先端は、前記投射レンズを保持する鏡胴の側端部よりも、第1ミラー側に突出していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像表示装置。
  8. 前記投射レンズのうち前記第1ミラーに最も近いレンズは、一部に切り欠きがある異形レンズであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像表示装置。
  9. 前記画像表示素子は、2次元的に配置された複数の微小ミラーを有し、個々の微小ミラーの傾き角度をオン状態とオフ状態で変化させることにより反射光の出射をオン・オフさせる反射型画像表示素子であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像表示装置。
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