まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による画像形成システムの一例について説明する。
本実施形態の画像形成システムは、画像処理用のサーバーSV(外部装置)、画像形成装置100およびパーソナルコンピューター(PC)200などを備える。そして、画像形成装置100およびPC200は、ネットワークNTを介して、サーバーSVに通信可能に接続されている。なお、画像形成装置100は複合機であって、たとえば、コピー、プリンタ、スキャナおよびファックスなどの複数種のジョブを実行することができる。
この画像形成システムにおいては、サーバーSVと画像形成装置100との間で画像データの送受信が行われ、サーバーSVとPC200との間で画像データの送受信が行われる。たとえば、画像形成装置100においてコピージョブが実行されると、画像形成装置100でのスキャンによって得られた画像データが画像形成装置100からサーバーSVに送信される。画像データを受信したサーバーSVは、画像データに対して画像処理(RIP処理など)を施し、画像処理済の画像データを画像形成装置100に送信する。そして、画像処理済の画像データを受信した画像形成装置100は、画像処理済の画像データに基づき、画像を出力する。
なお、画像形成装置100においてスキャナジョブが実行された場合には、サーバーSVで画像処理された画像データが画像形成装置100(または、PC200)に送信され、画像処理済の画像データを受信した画像形成装置100(または、PC200)が画像処理済の画像データを蓄積する。
さらに、PC200においてプリンタジョブが実行された場合には、PC200からサーバーSVに画像データが送信される。画像データを受信したサーバーSVは、画像データに対して画像処理を施し、画像処理済の画像データを画像形成装置100に送信する。そして、画像処理済の画像データを受信した画像形成装置100は、画像処理済の画像データに基づき、画像を出力する。
このように、本実施形態の画像形成システムでは、サーバーSVが画像処理を行う。したがって、画像形成装置100に搭載する画像処理専用回路(たとえば、ASICなど)のスペックを落としてコストダウンを図ったとしても、サーバーSVの画像処理能力が高ければ、画像処理を高速で行うことができる。なお、本実施形態では、画像形成装置100の画像処理能力をサーバーSVの画像処理能力よりも低くすることで、コストダウンを図っている。
次に、図2を参照して、本実施形態の画像形成装置100の構成について詳細に説明する。
本実施形態の画像形成装置100は、たとえば、操作パネル101、画像読取部102およびエンジン部(給紙部103、搬送路104、画像形成部105および定着部106)などを備える。
操作パネル101には、液晶表示部11が設けられている。液晶表示部11には、各種設定などを行うためのメニューおよび設定キー(ソフトキー)が表示されるとともに、装置状態などを示すメッセージも表示される。そして、ユーザーは、液晶表示部11に表示された設定キーを押下することで、各種設定などを行うことができる。なお、液晶表示部11は、その表示面がタッチパネルで覆われた形態をとる。これにより、液晶表示部11に表示された設定キーがユーザーによって押下されたとき(タッチパネルが押下されたとき)、タッチパネルの出力に基づいて押下位置の座標を検出できるようになっている。
また、操作パネル101には、テンキー12やスタートキー13などのハードキーも設けられている。テンキー12は、数値入力が必要な設定指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。スタートキー13は、各種ジョブの実行開始の指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。
画像読取部102は、原稿を読み取って画像データを形成する。この画像読取部102には、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。そして、画像読取部102は、載置読取用コンタクトガラス21に載置される原稿(あるいは、送り読取用コンタクトガラス22に送られる原稿)に光ビームを照射し、反射した光ビームを受けたイメージセンサーの画素毎の出力値をA/D変換することによって画像データを生成する。
なお、載置読取用コンタクトガラス21による原稿の読み取り時には、載置用コンタクトガラス21に載置された原稿を原稿カバー23で押えることができる。また、原稿カバー23に原稿搬送装置としての機能を持たせても良く、この場合、原稿カバー23によって、送り読取用コンタクトガラス22に原稿を1枚ずつ送ることができるようになる。
給紙部103は、記録媒体としての用紙Pを収容するカセット31を複数有し、それら複数のカセット31に収容された用紙Pを搬送路104に供給する。この給紙部103には、収容された用紙Pを引き出すピックアップローラー32や、用紙Pの重送を抑制するための分離ローラー対33などが設けられている。
搬送路104は、装置内部において用紙Pを搬送する。具体的に言うと、給紙部103から供給された用紙Pは、搬送路104によって、画像形成部105および定着部106をこの順番で通過し、排出トレイ41にまで導かれる。この搬送路104には、用紙Pを搬送する複数の搬送ローラー対42が設けられている。さらに、用紙Pを画像形成部105の手前で待機させ、タイミングを合わせて画像形成部105に送り出すレジストローラー対43も設けられている。
画像形成部105は、画像データに基づきトナー像を形成し、そのトナー像を用紙Pに転写する。画像形成部105は、感光体ドラム51、帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラー55およびクリーニング装置56を含んでいる。
トナー像の形成プロセスおよびトナー像の用紙Pへの転写プロセスとしては、まず、感光体ドラム51を回転駆動させ、その感光体ドラム51の表面を帯電装置52で所定電位に帯電させる。また、露光装置53は、画像データに基づき光ビームLを出力し、感光体ドラム51の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成する。続いて、現像装置54は、感光体ドラム51の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。
そして、転写ローラー55は、感光体ドラム51の表面に圧接する。この後、レジストローラー対43がタイミングを計り、転写ローラー55と感光体ドラム51との間に用紙Pを進入させる。このとき、転写ローラー55には所定の電圧が印加される。これによって、感光体ドラム51の表面のトナー像が用紙Pに転写される。なお、転写プロセスが終わると、クリーニング装置56は、感光体ドラム51の表面に残留するトナーなどを除去する。
定着部106は、用紙Pに転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。この定着部106は、発熱源を内蔵する定着ローラー61と、定着ローラー61に圧接される加圧ローラー62とを含んでいる。そして、トナー像が転写された用紙Pは、定着ローラー61と加圧ローラー62との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着され、印刷が完了する。
次に、図3を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。
画像形成装置100は、主制御部110を有する。この主制御部110は、中央演算処理装置であるCPU111や画像処理部112などを含む。
画像処理部112は、画像処理専用のASICや画像メモリーなどを有しており、RIP処理などの画像処理を行う。なお、この画像形成システムにおいては、通常時の画像処理は外部装置であるサーバーSVに行わせる。したがって、画像処理部112のスペックをサーバーSVのスペックよりも落とすことにより、画像形成装置100のコストダウンを図っている。すなわち、画像形成装置100内の画像処理部112での画像処理は、サーバーSVでの画像処理に比べて、処理速度が劣る。
また、主制御部110は、操作パネル101、画像読取部102およびエンジン部(給紙部103、搬送路104、画像形成部105および定着部106)などと接続されている。そして、主制御部110は、記憶部113に記憶された各種のプログラムおよびデータに基づき、各部の制御や演算などを行う。なお、主制御部110は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、画像形成や各種回転体を回転させるモーターのオン/オフを制御するエンジン制御部とに分割されていてもよい。
記憶部113は、ROM113a、RAM113bおよびHDD113cなどの揮発性の記憶装置と不揮発性の記憶装置とを含む。そして、各種のプログラムおよびデータは、たとえば、ROM113aに記憶され、RAM113bに展開される。
主制御部110に接続される操作パネル101は、表示制御部14を有する。表示制御部14は、CPUなどからなり、液晶表示部11(タッチパネル)に表示されたソフトキーがユーザーによって押下されると、タッチパネルの出力を受けて押下位置の座標を特定する。これによって、液晶表示部11に対してユーザーが押下した位置(選択したソフトキー)が特定される。タッチパネルの出力と押下位置の座標との対応を示すテーブルなどのデータは、記憶部15(あるいは、記憶部113)に記憶される。
また、主制御部110は、外部メモリー300(たとえば、USBメモリーなど)の装着が可能な接続部114と接続される。このため、外部メモリー300に記憶された画像データに基づき印刷を行うことができる。また、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データを外部メモリー300に蓄積することもできる。
また、主制御部110は、通信部115(通信インターフェイス)と接続される。たとえば、通信部115は、CPUやメモリーを実装したネットワークインターフェースカード(NIC)の形態をとる。そして、通信部115は、ネットワークNTを介して、サーバーSVに通信可能に接続される。
そして、主制御部110は、たとえば、コピージョブが実行されると、通信部115からサーバーSVに向けて、画像データを送信させるとともに、画像処理を要求する旨の情報を送信させる。この後、主制御部110は、サーバーSVから送信される画像処理済の画像データを通信部115に受信させ、その画像データを画像形成部105に転送する。これにより、画像形成部105は、画像処理済の画像データに基づいた印刷処理を行う。
通信部115としてのNICは、ユーザーが任意に入手するオプション部品である。すなわち、メーカー推奨のNIC(正規品)が画像形成装置100に装着される場合もあるし、正規品ではないNIC(模造品や偽造品など)が画像形成装置100に装着される場合もある。そして、たとえば、画像形成装置100に装着されるNICが正規品であれば、高いセキュリティを保証することができ、画像データの漏洩を防止することができる。その一方、画像形成装置100に装着されるNICが模造品や偽造品などであれば、画像データが漏洩してしまう可能性がある。
したがって、画像形成装置100に装着されるNICが模造品や偽造品などである場合においては、画像データの漏洩を防止したいユーザーからすると、サーバーSVとの間で画像データを送受信せず、画像形成装置100内の画像処理部112で画像処理を行いたいと考える。しかし、ユーザーによっては、NICが模造品や偽造品などであったとしても(画像データの漏洩の危険性があったとしても)、サーバーSVで画像処理を行うことによって処理速度を上げたいと考える場合がある。
このため、本実施形態では、画像形成装置100に装着されるNICが正規品ではない場合には、画像処理をサーバーSVで行うか画像形成装置100内の画像処理部112で行うかをユーザーから受け付ける。すなわち、画像処理をサーバーSVで行う旨をユーザーから受け付けた場合には、画像データの漏洩の危険性があったとしても、サーバーSVとの間で画像データの送受信を行う。一方で、画像処理を画像形成装置100内の画像処理部112で行う旨をユーザーから受け付けた場合には、サーバーSVとの間で画像データの送受信を行わない。
ここで、NICが正規品であるか否かの判別は、主制御部110が行う。たとえば、主制御部110は、NICのMACアドレスを識別し、NICが正規品であるか否かを判別する。
また、画像処理をサーバーSVで行うか画像形成装置100内の画像処理部112で行うかの受け付けは、操作パネル101が行う。たとえば、操作パネル101は、図4に示すような受付画面Sを液晶表示部11に表示させる。この受付画面Sには、画像処理をサーバーSVで行う旨を受け付ける受付キーK1と、画像処理を画像形成装置100内の画像処理部112で行う旨を受け付ける受付キーK2とが設けられている。そして、受付キーK1がユーザーによって押下されると、主制御部110は、画像処理をサーバーSVで行う旨を受け付けたと判断する。一方で、受付キーK2がユーザーによって押下されると、主制御部110は、画像処理を画像形成装置100内の画像処理部112で行う旨を受け付けたと判断する。
なお、操作パネル101は、受付キーK1およびK2を表示するのと同時に、画像処理をサーバーSVで行う場合には、画像データが漏洩する可能性がある旨のメッセージを表示するとともに、通信速度が低速であることに起因して全体として処理速度が遅くなる可能性がある旨のメッセージを表示する。それに加えて、操作パネル101は、画像処理を画像形成装置100内の画像処理部112で行う場合には処理速度が遅くなる旨のメッセージも表示する。
以下に、図5を参照して、コピージョブを実行するときの動作について説明する。
まず、図5のフローのスタート時点では、通信部115としてのNICが画像形成装置100に装着され、その画像形成装置100がネットワークNTを介して画像処理用のサーバーSVに接続されているとする。そして、コピージョブの実行指示を操作パネル101がユーザーから受け付けたとき、図5のフローがスタートする。
ステップS1において、主制御部110は、NICが正規品であるか否かを判別する。そして、NICが正規品ではない場合には、ステップS2に移行し、NICが正規品である場合には、ステップS4に移行する。
ステップS2に移行すると、操作パネル101は、画像処理をサーバーSVで行うか画像形成装置100内の画像処理部112で行うかをユーザーから受け付けるための受付画面Sを液晶表示部11に表示させる。そして、操作パネル101は、画像処理をサーバーSVで行うか画像形成装置100内の画像処理部112で行うかを受け付けるとき、画像処理をサーバーSVで行う場合には通信速度が低速であることに起因して全体として処理速度が遅くなる可能性がある旨のメッセージを表示する(図4)。また、操作パネル101は、画像処理をサーバーSVで行うか画像形成装置100内の画像処理部112で行うかを受け付けるとき、画像処理を画像形成装置100内の画像処理部112で行う場合には処理速度が遅くなる旨のメッセージを表示する(図4)。
ステップS3において、主制御部110は、画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがあったか否か(画像処理を画像形成装置100内の画像処理部112で行う旨の受け付けがあったか否か)を判断する。そして、画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがあった場合には、ステップS4に移行する。なお、ステップS1において、NICが正規品であると主制御部110が判別した場合にも、ステップS4に移行する。一方で、画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがなかった(画像処理を画像形成装置100内の画像処理部112で行う旨の受け付けがあった)場合には、ステップS9に移行する。
ステップS4に移行すると、画像読取部102は、スキャンを開始する。
そして、ステップS5において、主制御部110は、画像データ(スキャンによって得られた画像データ)のサーバーSVへの送信をNICに行わせる。続いて、ステップS6において、主制御部110は、画像処理をサーバーSVに行わせる。たとえば、主制御部110は、画像処理をサーバーSVに行わせるために、サーバーSVに対して、画像処理を要求する旨の情報をNICに送信させる。これにより、画像データを受信したサーバーSVは、画像処理を行い、画像処理済の画像データを画像形成装置100に送信する。
ステップS7において、主制御部110は、サーバーSVから送信される画像処理済の画像データの受信をNICに行わせる。そして、ステップS8において、主制御部110は、画像処理済の画像データを画像形成部105に転送し、画像処理済の画像データに基づいた印刷処理を画像形成部105に行わせる。
その一方、ステップS3からステップS9に移行した場合(画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがなかった場合)には、ステップS3からステップS4に移行した場合と同様、画像読取部102は、スキャンを開始する。
そして、ステップS10において、主制御部110は、画像形成装置100内の画像処理部112で画像処理を行う。その後、ステップS8に移行する。すなわち、主制御部110は、画像処理済の画像データを画像形成部105に転送し、画像処理済の画像データに基づいた印刷処理を画像形成部105に行わせる。
このように、ステップS3からステップS4に移行した場合(画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがあった場合)には、サーバーSVに画像処理を行わせるため、サーバーSVと画像形成装置100との間で画像データを送受信する。したがって、画像データが漏洩する恐れはあるが、画像処理を高速で行うことができる。ただし、NICのスペックが低く高速データ通信に対応していなければ、画像処理の高速化はそれほど期待できない。
一方で、ステップS3からステップS9に移行した場合(画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがなかった場合)には、画像形成装置100内の画像処理部112で画像処理を行うため、サーバーSVと画像形成装置100との間で画像データを送受信しない。したがって、画像処理の高速化は望めないが、画像データが漏洩することはない。
次に、図6を参照して、プリンタジョブを実行するときの動作について説明する。
まず、図6のフローのスタート時点では、通信部115としてのNICが画像形成装置100に装着され、その画像形成装置100がネットワークNTを介して画像処理用のサーバーSVに接続されているとする。さらに、PC200もネットワークNTを介してサーバーSVに接続されているとする。そして、プリンタジョブの実行指示をPC200がユーザーから受け付けたとき、図6のフローがスタートする。なお、プリンタジョブの実行指示をPC200がユーザーから受け付けると、たとえば、プリンタジョブの実行指示の受け付けがあった旨の情報がPC200から画像形成装置100に送信される。
ステップS11において、主制御部110は、NICが正規品であるか否かの判別を行う。そして、NICが正規品ではない場合には、ステップS12に移行し、NICが正規品である場合には、ステップS14に移行する。なお、ここで、主制御部110が判別した結果に関する情報をPC200に送信してもよい。
ステップS12に移行すると、操作パネル101は、画像処理をサーバーSVで行うか画像形成装置100内の画像処理部112で行うかをユーザーから受け付けるための受付画面Sを液晶表示部11に表示させる。そして、操作パネル101は、画像処理をサーバーSVで行うか画像形成装置100内の画像処理部112で行うかを受け付けるとき、画像処理をサーバーSVで行う場合には通信速度が低速であることに起因して全体として処理速度が遅くなる可能性がある旨のメッセージを表示する(図4)。また、操作パネル101は、画像処理をサーバーSVで行うか画像形成装置100内の画像処理部112で行うかを受け付けるとき、画像処理を画像形成装置100内の画像処理部112で行う場合には処理速度が遅くなる旨のメッセージを表示する(図4)。あるいは、この受付画面Sと同様の受付画面をPC200に表示させてもよい。
ステップS13において、主制御部110は、画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがあったか否か(画像処理を画像形成装置100内の画像処理部112で行う旨の受け付けがあったか否か)を判断する。そして、画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがあった場合には、ステップS14に移行する。なお、ステップS11において、NICが正規品であると主制御部110が判別した場合にも、ステップS14に移行する。一方で、画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがなかった(画像処理を画像形成装置100内の画像処理部112で行う旨の受け付けがあった)場合には、ステップS18に移行する。
ステップS14に移行すると、主制御部110は、画像データ(PC200に保存された画像データ)のサーバーSVへの送信をPC200に行わせる。そして、ステップS15において、主制御部110は、画像処理をサーバーSVに行わせる。たとえば、主制御部110は、画像処理をサーバーSVに行わせるために、サーバーSVに対して、画像処理を要求する旨の情報をNICに送信させる。これにより、画像データを受信したサーバーSVは、画像処理を行い、画像処理済の画像データを画像形成装置100に送信する。
ステップS16において、主制御部110は、サーバーSVから送信される画像処理済の画像データの受信をNICに行わせる。そして、ステップS17において、主制御部110は、画像処理済の画像データを画像形成部105に転送し、画像処理済の画像データに基づいた印刷処理を画像形成部105に行わせる。
その一方、ステップS13からステップS18に移行した場合(画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがなかった場合)には、主制御部110は、サーバーSVを介さずに画像データをPC200から直接取得する。このため、たとえば、操作パネル101および/またはPC200は、PC200から画像形成装置100への画像データの直接的な転送をユーザーに促すためのメッセージを表示する。PC200から画像形成装置100への画像データの直接的な転送方法としては、一例を挙げると、PC200に保存された画像データを外部メモリー300に移し、その外部メモリー300を画像形成装置100(接続部114)に接続するという方法が考えられる。あるいは、PC200と画像形成装置100(接続部114)とを通信ケーブル(たとえば、USBケーブルなど)で接続するという方法も考えられる。
そして、ステップS19に移行し、主制御部110は、画像形成装置100内の画像処理部112で画像処理を行う。その後、ステップS17に移行する。すなわち、主制御部110は、画像処理済の画像データを画像形成部105に転送し、画像処理済の画像データに基づいた印刷処理を画像形成部105に行わせる。
このように、ステップS13からステップS14に移行した場合(画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがあった場合)には、サーバーSVに画像処理を行わせるため、サーバーSVと画像形成装置100との間で画像データを送受信する。したがって、画像データが漏洩する恐れはあるが、画像処理を高速で行うことができる。ただし、NICのスペックが低く高速データ通信に対応していなければ、画像処理の高速化はそれほど期待できない。
一方で、ステップS13からステップS18に移行した場合(画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがなかった場合)には、画像形成装置100内の画像処理部112で画像処理を行うため、サーバーSVと画像形成装置100との間で画像データを送受信しない。したがって、画像処理の高速化は望めないが、画像データが漏洩することはない。
次に、図7を参照して、スキャナジョブを実行するときの動作について説明する。
まず、図7のフローのスタート時点では、通信部115としてのNICが画像形成装置100に装着され、その画像形成装置100がネットワークNTを介して画像処理用のサーバーSVに接続されているとする。なお、PC200もネットワークNTを介してサーバーSVに接続されていてもよく、この場合には、スキャンによって得られた画像データをPC200に保存することができる。そして、スキャナジョブの実行指示を操作パネル101がユーザーから受け付けたとき、図7のフローがスタートする。
図7のフローがスタートすると、ステップS21〜S23の動作が行われる。なお、ステップS21〜S23までの動作は、図5に示したステップS1〜S3までの動作と同様である。したがって、ステップS21〜S23までの動作の説明については、図5に示したステップS1〜S3までの動作の説明を援用するものとして省略する。
ステップS21〜S23の動作の後、画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがあった場合には、ステップS24に移行し、画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがなかった場合には、ステップS29に移行する。
ステップS24に移行すると、画像読取部102は、スキャンを開始する。
そして、ステップS25において、主制御部110は、画像データ(スキャンによって得られた画像データ)のサーバーSVへの送信をNICに行わせる。続いて、ステップS26において、主制御部110は、画像処理をサーバーSVに行わせる。たとえば、主制御部110は、画像処理をサーバーSVに行わせるために、サーバーSVに対して、画像処理を要求する旨の情報をNICに送信させる。これにより、画像データを受信したサーバーSVは、画像処理を行い、画像処理済の画像データを画像形成装置100および/またはPC200に送信する。
ステップS27において、主制御部110は、サーバーSVから送信される画像処理済の画像データの受信をNICに行わせる。そして、ステップS28において、主制御部110は、画像処理済の画像データを記憶部113に記憶させる。なお、画像形成装置100(接続部114)に外部メモリー300を接続しておき、画像処理済の画像データを外部メモリー300に記憶させてもよい。あるいは、画像処理済の画像データをPC200に保存してもよい。
その一方、ステップS23からステップS29に移行した場合(画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがなかった場合)には、ステップS23からステップS24に移行した場合と同様、画像読取部102は、スキャンを開始する。そして、ステップ30において、主制御部110は、画像形成装置100内の画像処理部112で画像処理を行う。その後、ステップS28に移行する。すなわち、主制御部110は、画像処理済の画像データを記憶部113や外部メモリー300に記憶させる。
このように、ステップS23からステップS24に移行した場合(画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがあった場合)には、サーバーSVに画像処理を行わせるため、サーバーSVと画像形成装置100との間で画像データを送受信する。したがって、画像データが漏洩する恐れはあるが、画像処理を高速で行うことができる。ただし、NICのスペックが低く高速データ通信に対応していなければ、画像処理の高速化はそれほど期待できない。
一方で、ステップS23からステップS29に移行した場合(画像処理をサーバーSVで行う旨の受け付けがなかった場合)には、画像形成装置100内の画像処理部112で画像処理を行うため、サーバーSVと画像形成装置100との間で画像データを送受信しない。したがって、画像処理の高速化は望めないが、画像データが漏洩することはない。
本実施形態では、上記のように、主制御部110(制御部)は、NIC(通信インターフェイス)が正規品であるか否かを判別し、操作パネル101(操作表示部)は、NICが正規品ではないと主制御部110が判別した場合に、画像処理をサーバーSV(外部装置)で行うか画像処理部112で行うかを受け付ける。すなわち、NICが正規品ではない(サーバーSVとの間での画像データの送受信時に画像データが漏洩する恐れがある)場合、ユーザーは、サーバーSVとの間で画像データを送受信してサーバーSVに画像処理を行わせるか、あるいは、サーバーSVとの間で画像データを送受信せずに画像形成装置100内の画像処理部112に画像処理を行わせるか、を選択する。そして、画像形成装置100は、ユーザーの選択に基づき、画像処理を伴うジョブを実行する。これにより、ユーザーからすると、NICが正規品ではなかったとしても、画像処理をサーバーSVで行う旨の選択操作を操作パネル101に対して行うだけで(NICを交換することなく)、画像処理をサーバーSVに行わせることができるので、利便性が良い。
なお、本実施形態では、サーバーSVの処理能力が画像形成装置100内の画像処理部112の処理能力よりも高い。この場合、画像データが漏洩しても構わないユーザーからすると、NICが正規品ではないにもかかわらず画像処理をサーバーSVで行うことができれば、画像処理を伴うジョブが速やかに完了するので、特に利便性が良くなる。
その一方、画像データの漏洩を防止したいユーザーからしても、画像処理を画像形成装置100内の画像処理部112に行わせる旨の選択操作を操作パネル101に対して行えば、サーバーSVとの間で画像データの送受信が行われずに画像形成装置100内の画像処理部112で画像処理が行われるので、利便性が良い。
また、本実施形態では、上記のように、主制御部110は、NICが正規品であると判別した場合に、画像処理をサーバーSVで行うか画像処理部112で行うかの受け付けを操作パネル101に行わせることなく、画像処理をサーバーSVに行わせる。このように構成すれば、ユーザーからすると、画像処理を伴うジョブの実行に際して、画像処理をサーバーSVで行うか画像形成装置100内の画像処理部112で行うかの選択操作を操作パネル101に対して行う必要がないので、速やかにジョブを実行することができ、利便性がさらに良くなる。
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル101は、画像処理をサーバーSVで行うか画像処理部112で行うかを受け付けるとき、画像処理をサーバーSVで行う場合には画像データが漏洩する可能性がある旨のメッセージを表示する。また、操作パネル101は、画像処理をサーバーSVで行うか画像処理部112で行うかを受け付けるとき、画像処理をサーバーSVで行う場合には通信速度が低速であることに起因して全体として処理速度が遅くなる可能性がある旨のメッセージを表示する。さらに、操作パネル101は、画像処理をサーバーSVで行うか画像処理部112で行うかを受け付けるとき、画像処理を画像処理部112で行う場合には処理速度が遅くなる旨のメッセージを表示する。このように構成すれば、NICが正規品ではない場合において、サーバーSVで画像処理を行うことに起因する不都合および画像形成装置100内の画像処理部112で画像処理を行うことに起因する不都合をユーザーに認識させることができる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。