JP2013062340A - 積層セラミック配線基板の製造方法 - Google Patents

積層セラミック配線基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】層間にデラミや、基板に大きな反り、うねりの発生を防止し、薄型化に対応できる厚み精度のよい積層セラミック配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】積層セラミック配線基板の製造方法において、有機バインダーを5〜10wt%添加してなる第1のセラミックグリーンシート11の作製工程と、20〜50wt%添加してなる第2のセラミックグリーンシート12の作製工程と、第1の一方の主面に、第2の一方の主面を貼り合わせる接合シート13の作製工程と、この上に導体印刷パターン14の形成工程と、この上面と、第2とが当接する積層体15の形成工程と、これを焼成して導体配線16を設ける焼成体17の形成工程とを具備しており、積層体15が導体印刷パターン14を第2のセラミックグリーンシート12内に埋設するようにし、焼成体17が還元性雰囲気中で同時焼成して形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数枚のセラミックグリーンシートを加圧積層し、焼成して、層間に導体配線を設ける積層セラミック配線基板の製造方法に関する。
近年、半導体素子、水晶振動子等の電子部品素子を搭載させ収納するためのセラミックパッケージのような積層セラミック配線基板は、これを搭載させた電子装置、例えば、携帯電話や、パソコン等の小型化、高信頼性化等の要求に伴い、ますます小型化、高信頼性化等への対応が迫られている。この積層セラミック配線基板の製造方法では、従来からアルミナ(Al)や、窒化アルミニウム(AlN)等からなる複数枚のセラミックグリーンシートが用いられている。そして、それぞれのセラミックグリーンシートの内の必要なセラミックグリーンシートには、電子部品素子を収納するための空間部を形成するための貫通孔が形成されるようになっている。また、それぞれのセラミックグリーンシートには、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなる導体ペーストを用いてスクリーン印刷機で表面に配線パターンが形成されるようになっている。更に、これらのセラミックグリーンシートには、シートの上、下面間に電気的な導通状態を形成するためのビア用や、スルーホール用の貫通孔が設けられ、スクリーン印刷機で導体ペーストをビア用の孔に充填したり、スルーホール用の孔の壁面に塗布したりして形成されるようになっている。そして、積層セラミック配線基板の製造方法では、これらの導体印刷パターンが形成された複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせて両主面側から温度と、圧力をかけて接合して積層体が形成されるようになっている。
なお、上記の焼成前の積層体は、通常、シート内にセラミックパッケージのような積層セラミック配線基板の個片体が複数個配列する集合体として形成されているので、積層体の表面に、押圧溝形成用スリット刃を押し当てて、個片体の外形形状になるように区画する押圧溝が形成されるようになっている。そして、この後、集合体からなる積層体は、セラミックグリーンシートと導体印刷パターンを同時焼成して焼成体に形成し、導体部分にめっき被膜を形成したり、必要に応じて導体部分にシールリングをロー付けしたりした後、押圧溝で分割して個片体の積層セラミック配線基板としている。
上記の積層セラミック配線基板は、小型化の要求からパッケージの厚みを薄くすることが求められているので、積層セラミック配線基板の製造方法では、セラミックグリーンシートの厚みも薄くして製造する必要が生じている。また、積層セラミック配線基板の製造方法では、複数枚のセラミックグリーンシートの層間に導体印刷パターンが形成され、これを焼成して形成される導体配線の厚みも薄くして製造することで小型化に対応させたパッケージにすることができるようになっている。
しかしながら、積層セラミック配線基板の製造方法では、層間に設ける導体印刷パターンの厚みを薄くして製造した焼成後の導体配線の導通抵抗が大きくなり、積層セラミック配線基板の電気的信頼性の低下となるので、導体印刷パターンの厚みを薄くすることには、限界が生じている。このような状況の中での積層セラミック配線基板の製造方法では、薄くしたセラミックグリーンシートが従来厚みの導体印刷パターンを印刷して加圧積層するときの導体印刷パターンの厚み吸収ができなくなって、セラミックグリーンシート同士と、導体印刷パターンを挟んでの層間部近傍に剥離(デラミネーション)が発生するという問題が生ずることとなっている。また、積層セラミック配線基板の製造方法では、このデラミネーションを防止するために、高い圧力で加圧積層した場合には、セラミックグリーンシートの変形や、部分的な密度上昇によって焼成後のセラミックパッケージに大きな反りや、うねりを発生させるという問題を有することとなっている。
そこで、従来の積層セラミック配線基板の製造方法には、電子部品の製造方法という発明の名称のもとに、支持体上に第1のセラミックスラリーを塗布し、塗布された第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを塗布してセラミックグリーンシートを形成する工程と、このセラミックグリーンシート上に導体層を形成する工程と、この導体層が形成されたセラミックグリーンシートを複数枚積層して加熱することによってセラミックグリーンシート積層体を作製する工程と、このセラミックグリーンシート積層体を焼成する工程とを具備しており、第1のセラミックスラリーの溶解度パラメータと第2のセラミックスラリーの溶解度パラメータとの差が2以上である積層コンデンサや積層セラミック配線基板等のような電子部品の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この電子部品の製造方法では、前記のようなデラミネーションがなく、高い信頼性と高い寸法精度を有する積層コンデンサや積層セラミック配線基板等のような電子部品の製造方法を提供できるとしている。
また、従来の積層セラミック配線基板の製造方法には、積層型セラミック電子部品およびその製造方法という発明の名称のもとに、段差吸収用セラミックグリーン層の弾性率を、セラミックグリーンシートの弾性率以上にし、生の積層体のプレス時に、段差吸収用セラミックグリーン層がセラミックグリーンシートよりも変形しにくくし、それによって、内部電極の変形を生じにくくする積層セラミックコンデンサである積層型セラミック電子部品の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
これによれば、内部電極による段差を実質的になくすようにセラミックグリーンシート上に段差吸収用セラミックグリーン層を形成した生の積層体を焼成することによって得られる積層セラミックコンデンサにおける内部電極のずれや歪みをより生じにくくすることができるとしている。
特開2005−272163号公報 特開2002−43161号公報
しかしながら、前述したような従来の積層セラミック配線基板の製造方法には、次のような問題がある。
(1)特開2005−272163号公報で開示されるような製造方法による積層セラミック配線基板の製造方法は、支持体上に第1のセラミックスラリーを塗布し、この第1のセラミックスラリーがまだ乾燥していない上に溶解度パラメータの異なる第2のセラミックスラリーを重ねて塗布し、乾燥厚み割合の異なる2種類のセラミックスラリーを一度に乾燥させて接合シートを形成する方法であり、乾燥していない第1のセラミックスラリーの塗布膜上に第2のセラミックスラリーの塗布膜を厚みコントロールよく形成するのが難しくなっている。そして、この接合シートの製造方法は、それぞれのスラリー厚み割合、及び全体としてのスラリー厚みのコントロールが難しい上に、乾燥後の厚み精度のよい接合シートからなるセラミックグリーンシートを作製することができなくなっている。
(2)特開2002−43161号公報で開示されるような製造方法による積層セラミック配線基板の製造方法は、セラミックグリーンシート上に導体ペーストで導体印刷パターンを形成し、導体印刷パターンが形成されていない部分のセラミックグリーンシート上に、このセラミックグリーンシートの弾性率以上の弾性率を有するセラミックペーストでセラミック印刷パターンを形成して導体印刷パターンによる段差をなくす方法であり、セラミックグリーンシート上に印刷方式で導体印刷パターンと、セラミック印刷パターンを平面的に精度良く形成するのが難しい上に、導体印刷パターンの厚みをセラミックグリーンシート内に吸収させて導体印刷パターンを挟んでの層間部近傍にデラミネーションを発生させることなく積層する積層セラミック配線基板の薄型化にはなっていない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、セラミック層間にデラミネーションや、基板に大きな反り、うねりを発生させることのない容易に薄型化に対応できる厚み精度のよい積層セラミック配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る積層セラミック配線基板の製造方法は、複数枚のセラミックグリーンシートを加圧積層し、焼成して、層間に導体配線を設ける積層セラミック配線基板の製造方法において、セラミック粉末100wt%に対して有機バインダーを5〜10wt%添加してなる第1のセラミックスラリーから第1のセラミックグリーンシートを作製する工程と、セラミック粉末100wt%に対して有機バインダーを20〜50wt%添加してなる第2のセラミックスラリーから第1のセラミックグリーンシートの厚みより厚みが薄い第2のセラミックグリーンシートを作製する工程と、第1のセラミックグリーンシートのいずれか一方の主面に、第2のセラミックグリーンシートのいずれか一方の主面を貼り合わせて接着体からなる接合シートを作製する工程と、接合シートの第1のセラミックグリーンシートの外部に露出している主面上に高融点金属からなる導体ペーストで導体印刷パターンを形成する工程と、複数枚の接合シートの下方側接合シートの導体印刷パターンの上面と、上方側接合シートの第2のセラミックグリーンシートの外部に露出している主面とが当接するようにして重ね合わせ加圧して積層体を形成する工程と、積層体を焼成して複数枚の層間に導体配線を設ける焼成体を形成する工程とを具備しており、積層体が導体印刷パターンを第2のセラミックグリーンシート内に埋設するようにして積層され、焼成体が第1、第2のセラミックグリーンシートと、高融点金属を還元性雰囲気中で同時焼成して形成されている。
ここで、上記の積層セラミック配線基板の製造方法は、第1のセラミックスラリーを第1の支持体に塗布して乾燥して形成した第1のセラミックグリーンシートの第1の支持体を取り付けた状態の反対側の主面に、第2のセラミックスラリーを第2の支持体に塗布して乾燥して形成した第2のセラミックグリーンシートの第2の支持体を取り付けた状態の反対側の主面を貼り合わせた後、第1、第2の支持体を剥離して接着体からなる接合シートを作製するのがよい。
又は、上記の積層セラミック配線基板の製造方法は、第1のセラミックスラリーを第1の支持体に塗布して乾燥して形成した第1のセラミックグリーンシートの第1の支持体を剥離した状態のいずれか一方の主面に、第2のセラミックスラリーを第2の支持体に塗布して乾燥して形成した第2のセラミックグリーンシートの第2の支持体を取り付けた状態の反対側の主面を貼り合わせた後、第2の支持体を剥離して接着体からなる接合シートを作製するのがよい。
上記の積層セラミック配線基板の製造方法は、セラミック粉末100wt%に対して有機バインダーを5〜10wt%添加してなる第1のセラミックスラリーから第1のセラミックグリーンシートを作製する工程と、セラミック粉末100wt%に対して有機バインダーを20〜50wt%添加してなる第2のセラミックスラリーから第1のセラミックグリーンシートの厚みより厚みが薄い第2のセラミックグリーンシートを作製する工程と、第1のセラミックグリーンシートのいずれか一方の主面に、第2のセラミックグリーンシートのいずれか一方の主面を貼り合わせて接着体からなる接合シートを作製する工程と、接合シートの第1のセラミックグリーンシートの外部に露出している主面上に高融点金属からなる導体ペーストで導体印刷パターンを形成する工程と、複数枚の接合シートの下方側接合シートの導体印刷パターンの上面と、上方側接合シートの第2のセラミックグリーンシートの外部に露出している主面とが当接するようにして重ね合わせ加圧して積層体を形成する工程と、積層体を焼成して複数枚の層間に導体配線を設ける焼成体を形成する工程とを具備しており、積層体が導体印刷パターンを第2のセラミックグリーンシート内に埋設するようにして積層され、焼成体が第1、第2のセラミックグリーンシートと、高融点金属を還元性雰囲気中で同時焼成して形成されているので、第1、第2のセラミックグリーンシートが厚み精度よく形成できて第1、第2のセラミックグリーンシートの接合シートが厚み精度よく形成でき、第1のセラミックグリーンシート上に形成する導体印刷パターンが他の接合シートの有機バインダーを多く含む第2のセラミックグリーンシートに容易に埋め込ませるようにして積層体が形成でき、セラミックグリーンシートと高融点金属を同時焼成する焼成体のセラミック層間に剥離や、焼成体に大きな反り、うねりを発生させることのない容易に薄型化に対応できる積層セラミック配線基板の製造方法を提供することができる。
特に、上記の積層セラミック配線基板の製造方法は、第1のセラミックスラリーを第1の支持体に塗布して乾燥して形成した第1のセラミックグリーンシートの第1の支持体を取り付けた状態の反対側の主面に、第2のセラミックスラリーを第2の支持体に塗布して乾燥して形成した第2のセラミックグリーンシートの第2の支持体を取り付けた状態の反対側の主面を貼り合わせた後、第1、第2の支持体を剥離して接着体からなる接合シートを作製するので、厚み精度のよい接合シートを容易に作製することができる積層セラミック配線基板の製造方法を提供することができる。
又は、特に、上記の積層セラミック配線基板の製造方法は、第1のセラミックスラリーを第1の支持体に塗布して乾燥して形成した第1のセラミックグリーンシートの第1の支持体を剥離した状態のいずれか一方の主面に、第2のセラミックスラリーを第2の支持体に塗布して乾燥して形成した第2のセラミックグリーンシートの第2の支持体を取り付けた状態の反対側の主面を貼り合わせた後、第2の支持体を剥離して接着体からなる接合シートを作製するので、厚み精度のよい接合シートを容易に作製することができる積層セラミック配線基板の製造方法を提供することができる。
(A)〜(F)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る積層セラミック配線基板の製造方法の説明図である。 (A)〜(C)はそれぞれ同積層セラミック配線基板の製造方法における接合シートの作製方法の説明図である。 (A)〜(C)はそれぞれ同積層セラミック配線基板の製造方法における接合シートの他の作製方法の説明図である。
続いて、図1(A)〜(F)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る積層セラミック配線基板の製造方法を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
通常、積層セラミック配線基板を形成のためには、アルミナ(以下、Alという。)や、窒化アルミニウム(以下、AlNという。)等のセラミックからなる複数枚のセラミックグリーンシートが用いられている。また、この積層セラミック配線基板を形成のためには、タングステン(以下、Wという。)や、モリブデン(以下、Moという。)等の高融点金属を用いた導体ペーストが用いられている。そして、複数枚のそれぞれのセラミックグリーンシートには、スクリーン印刷機で導体ペーストをスクリーン印刷して、表面に導体印刷パターンや、層間の導体印刷パターンを電気的導通状態とするためにビア導体や、スルーホール導体等を形成している。なお、上記のビア導体や、スルーホール導体は、先に、これらのセラミックグリーンシートに貫通孔を設け、貫通孔に導体ペーストを充填してビア導体や、貫通孔壁面に導体ペーストを塗布してスルーホール導体を形成している。そして、導体印刷パターンが形成された複数枚のセラミックグリーンシートは、重ね合わて温度と、圧力をかけて加圧積層し、セラミックグリーンシートと高融点金属を還元性雰囲気中で同時焼成することで、層間を電気的導通状態とする導体配線を設ける積層型のセラミックパッケージのような積層セラミック配線基板としている。
図1(A)に示すように、本発明の積層セラミック配線基板の製造方法は、セラミック粉末と、セラミック粉末100wt%に対して有機バインダーを5〜10wt%添加してなる第1のセラミックスラリーから第1のセラミックグリーンシート11を作製する工程を有している。このセラミック粉末には、上記のAlや、AlN等が用いられている。また、有機バインダーには、アクリル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルブチラール系、セルローズ系、アクリル−スチレン系等を用いることができるが、セラミックグリーンシート11に形成したときのシートの引っ張り強度が強く、薄いセラミックグリーンシート11としての取り扱い性に優れるという観点からみると、ポリビニルブチラール系を用いるのが好ましい。この第1のセラミックグリーンシート11は、有機バインダーがセラミック粉末100wt%に対して5〜10wt%添加してなることによって、シート密度が最適となり取り扱いが容易であると共に、後述する第2のセラミックグリーンシート12や、導体印刷パターン14の溶融成分が積層時に最適に拡散して密着強度を強くすることができる。なお、第1のセラミックスラリーには、ドクターブレード法で第1のセラミックグリーンシート11に作製するための可塑剤や、溶剤、及びセラミック粉末がAlからなる場合には焼成時にセラミック粒子間を強固に結びつけるためのマグネシア(MgO)や、シリカ(SiO2)や、カルシア(CaO)等の焼結助剤が含有されている。
上記の第1のセラミックグリーンシート11は、有機バインダーがセラミック粉末100wt%に対して5wt%未満の場合には、シート密度が低くなり第2のセラミックグリーンシート12や、導体印刷パターン14の溶融成分が積層時に拡散しやすくなり、第1のセラミックグリーンシート11上に形成されている導体印刷パターン14の形状に追随して変形するので反りや、デラミネーションが発生することとなる。また、第1のセラミックグリーンシート11は、有機バインダーがセラミック粉末100wt%に対して10wt%を超える場合には、バインダーが多くなるにつれて第1のセラミックスラリー内の溶剤量も多くなり、第1のセラミックグリーンシート11形成時の乾燥時間が長くなり、第1のセラミックグリーンシート11自体が溶融成分過多の状態となって、積層時に第1のセラミックグリーンシート11上に形成されている導体印刷パターン14の形状に追随して変形するので反りや、デラミネーションが発生することとなる。
図1(B)に示すように、本発明の積層セラミック配線基板の製造方法は、セラミック粉末と、セラミック粉末100wt%に対して有機バインダーを20〜50wt%添加してなる第2のセラミックスラリーから第1のセラミックグリーンシート11の厚みより厚みが薄い第2のセラミックグリーンシート12を作製する工程を有している。この第2のセラミックグリーンシート12には、上記の第1のセラミックグリーンシート11に用いたセラミック粉末と同じセラミック粉末を用いている。また、この第2のセラミックグリーンシート12には、第1のセラミックグリーンシート11に用いた有機バインダーと同じ有機バインダーであってもよいが、積層時により低温での軟化が可能であると共に、加圧に対しての厚み変化率が高いものを用いるのが好ましい。
第2のセラミックグリーンシート12は、積層時により低温での軟化が可能であると共に、加圧に対しての高い厚み変化率を有する有機バインダーがセラミック粉末100wt%に対して20〜50wt%添加と、これに伴う量の可塑剤を含み、厚み方向の押圧に対して高い厚み変化率を有している。これにより、第2のセラミックグリーンシート12は、積層時の加圧で上記の第1のセラミックグリーンシート11上に形成されている導体印刷パターン14の形状に追随して変形させることができると共に、溶融成分を積層時に第1のセラミックグリーンシート11や、導体印刷パターン14に最適に拡散させてそれぞれとの密着強度を強くすることができる。また、第2のセラミックグリーンシート12は、第1のセラミックグリーンシート11の厚みより厚みが薄いことで、第1のセラミックグリーンシート11や、導体印刷パターン14の形状に追随させることができる。
なお、この第2のセラミックグリーンシート12の厚みは、積層時に導体印刷パターン14の厚みを吸収させることができるように、導体印刷パターン14の厚みより厚いことが好ましい。また、第2のセラミックスラリーには、第1のセラミックスラリーの場合と同様に、ドクターブレード法で第2のセラミックグリーンシート12に作製するための可塑剤や、溶剤、及び焼成時にセラミック粒子間を強固に結びつけるためのガラス成分である焼結助剤が含有されている。
上記の第2のセラミックグリーンシート12は、有機バインダーがセラミック粉末100wt%に対して20wt%未満の場合には、溶融成分を積層時に第1のセラミックグリーンシート11や、導体印刷パターン14に拡散させることができなくなり、それぞれとの密着強度が低下してデラミネーションを発生させることとなる。また、第2のセラミックグリーンシート12は、有機バインダーがセラミック粉末100wt%に対して50wt%を超える場合には、ドクターブレード法で第2のセラミックグリーンシート12に作製するための可塑剤や、溶剤が多く含まれるので、表面が乾燥被膜とならないベトベトした軟らかい状態でシートとしての取り扱いができなくなる。
図1(C)に示すように、本発明の積層セラミック配線基板の製造方法は、第1のセラミックグリーンシート11のいずれか一方の主面に、第2のセラミックグリーンシート12のいずれか一方の主面を貼り合わせて接着体からなる接合シート13を作製する工程を有している。この接合シート13は、第2のセラミックグリーンシート12に多くの有機バインダーを含み、表面に粘着性を持っているので、容易に第1のセラミックグリーンシート11と貼り合わせて接着体を形成させることができる。
図1(D)に示すように、本発明の積層セラミック配線基板の製造方法は、接合シート13の第1のセラミックグリーンシート11の外部に露出している主面上や、図示しないが、接合シート13に設けた貫通孔に、高融点金属からなる導体ペーストで導体印刷パターン14を形成する工程を有している。この導体印刷パターン14は、Wや、Mo等の高融点金属に樹脂や、溶剤等を混ぜ合わせて作成された導体ペーストをスクリーン印刷機に設けられたスクリーン版を介して接合シート13の第1のセラミックグリーンシート11の表面や、接合シート13に設ける貫通孔に充填するビア導体や、貫通孔壁面に塗布するスルーホール導体として形成している。このビア導体や、スルーホール導体は、図示しないが、上方側と、下方側の接合シート13の表面に設ける導体印刷パターン14を電気的に導通状態とするためのものである。なお、図示しないが、セラミックパッケージとしての積層セラミック配線基板には、半導体素子等の電子部品を収納させるためのキャビティ部を設けるために、1、又は複数枚の接合シート13にキャビティ部用の、例えば四角形状の貫通孔を設けている。
図1(E)に示すように、本発明の積層セラミック配線基板の製造方法は、複数枚の接合シート13の下方側となる接合シート13の第1のセラミックグリーンシート11の表面に形成している導体印刷パターン14の上面と、上方側となる接合シート13の第2のセラミックグリーンシート12の外部に露出している主面とが当接するようにして重ね合わせて加圧して積層体15を形成する工程を有している。なお、積層体15の最下層の外部に露出している表面に導体印刷パターン14を設ける場合には、最下層が接合シート13で構成されるのではなく、第1のセラミックグリーンシート11のみからなり、この第1のセラミックグリーンシート11の表面に導体印刷パターン14を設けてもよい。
図1(F)に示すように、本発明の積層セラミック配線基板の製造方法は、第1、第2のセラミックグリーンシート11、12及び導体印刷パターン14からなる積層体15を焼成して複数枚のセラミック層間に導体配線16を設ける焼成体17を形成する工程を有している。この焼成体17は、積層体15を焼成することで、約27%程度収縮して形成されている。
上記のような工程を具備する積層セラミック配線基板の製造方法は、接合シート13の第2のセラミックグリーンシート12が低い温度での軟化と、厚み方向の押圧に対しての高い厚み変化率を有しているので、積層体15が下方側となる接合シート13の導体印刷パターン14の厚みを上方側となる接合シート13の第2のセラミックグリーンシート12内に容易に吸収させ埋設するようにして積層されることができるという特徴を有している。そして、上記のような工程を具備する積層セラミック配線基板の製造方法では、積層体15を第1、第2のセラミックグリーンシート11、12同士、及び第2のセラミックグリーンシート12と導体印刷パターン14とを高い圧力を掛けることなく加圧して第1、第2のセラミックグリーンシート11、12の変形や、部分的な密度上昇を防止して形成することができると共に、導体印刷パターン14を挟んでの層間部近傍に空隙等の発生を防止して強固に接合させる積層セラミック配線基板の製造方法を提供することができる。
また、上記のような工程を具備する積層セラミック配線基板の製造方法は、焼成体17が第1、第2のセラミックグリーンシート11、12と、導体印刷パターン14を構成するWや、Mo等の高融点金属を還元雰囲気中の例えば、1550℃程度の高温で同時焼成して形成されているという特徴を有している。そして、上記のような工程を具備する積層セラミック配線基板の製造方法では、焼成体17を導体配線16を挟んでの層間部近傍にデラミネーションの発生を防止して形成できると共に、積層セラミック配線基板の変形や、反りや、うねりの発生を防止して容易に薄型化に対応できる厚み精度のよい積層セラミック配線基板の製造方法を提供することができる。
次いで、図2(A)〜(C)を参照しながら上記の積層セラミック配線基板の製造方法における接合シート13の作製方法を説明する。
図2(A)に示すように、上記の積層セラミック配線基板の製造方法において、第1のセラミックグリーンシート11は、第1のセラミックスラリーを第1の支持体18上に塗布して乾燥して形成している。また、上記の積層セラミック配線基板の製造方法において、第2のセラミックグリーンシート12は、第2のセラミックスラリーを第2の支持体19上に塗布して乾燥して形成している。次に、図2(B)に示すように、第1のセラミックグリーンシート11の第1の支持体18を取り付けた状態の反対側の主面には、第2のセラミックスラリーを第2の支持体19上に塗布して乾燥して形成した第2のセラミックグリーンシート12の第2の支持体19を取り付けた状態の反対側の主面を貼り合わせている。そして、図2(C)に示すように、接合シート13は、第1のセラミックグリーンシート11に第2のセラミックグリーンシート12を貼り合わせた後、第1のセラミックグリーンシート11に貼着している第1の支持体18と、第2のセラミックグリーンシート12に貼着している第2の支持体19をそれぞれ剥離することで、接着体からなる接合シート13を作製している。
また、図3(A)〜(C)を参照しながら上記の積層セラミック配線基板の製造方法における接合シート13の他の作製方法を説明する。
図3(A)に示すように、上記の積層セラミック配線基板の製造方法において、第1のセラミックグリーンシート11は、上記の場合と同様に、第1のセラミックスラリーを第1の支持体18上に塗布して乾燥して形成している。また、上記の積層セラミック配線基板の製造方法において、第2のセラミックグリーンシート12は、上記の場合と同様に、第2のセラミックスラリーを第2の支持体19上に塗布して乾燥して形成している。次に、図3(B)に示すように、第1のセラミックグリーンシート11の第1の支持体18を剥離した状態のいずれか一方の主面には、第2のセラミックスラリーを第2の支持体19上に塗布して乾燥して形成した第2のセラミックグリーンシート12の第2の支持体19を取り付けた状態の反対側の主面を貼り合わせている。そして、図3(C)に示すように、接合シート13は、第1のセラミックグリーンシート11に第2のセラミックグリーンシート12を貼り合わせた後、第2のセラミックグリーンシート12に貼着している第2の支持体19をそれぞれ剥離することで、接着体からなる接合シート13を作製している。
上記の第2のセラミックグリーンシート12は、厚みが第1のセラミックグリーンシート11より薄く、薄い第2のセラミックグリーンシート12を第2の支持体19から引き剥がすことが非常に難しいものとなっている。しかしながら、これを上記の接合シート13の作製方法、他の作製方法では、第2の支持体19を取り付けた状態の厚みが第1のセラミックグリーンシート11より薄い第2のセラミックグリーンシート12を、厚みが第2のセラミックグリーンシート12より厚い第1のセラミックグリーンシート11に貼り合わせた後に、第2の支持体19を第2のセラミックグリーンシート12から剥離することで、接合シート13を容易に形成することができ、薄型化に対応できる厚み精度のよい積層セラミック配線基板の製造方法を提供することができる。
本発明の積層セラミック配線基板の製造方法は、半導体素子や、水晶振動子等の電子部品素子を実装させて、小型で、高信頼性が要求される、例えば、携帯電話や、ノートブック型のパソコン等の電子装置に組み込まれて用いる信頼性の高いで積層セラミック配線基板を作製するのに用いることができる。
11:第1のセラミックグリーンシート、12:第2のセラミックグリーンシート、13:接合シート、14:導体印刷パターン、15:積層体、16:導体配線、17:焼成体、18:第1の支持体、19:第2の支持体

Claims (3)

  1. 複数枚のセラミックグリーンシートを加圧積層し、焼成して、層間に導体配線を設ける積層セラミック配線基板の製造方法において、
    セラミック粉末100wt%に対して有機バインダーを5〜10wt%添加してなる第1のセラミックスラリーから第1のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記セラミック粉末100wt%に対して前記有機バインダーを20〜50wt%添加してなる第2のセラミックスラリーから前記第1のセラミックグリーンシートの厚みより厚みが薄い第2のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートのいずれか一方の主面に、前記第2のセラミックグリーンシートのいずれか一方の主面を貼り合わせて接着体からなる接合シートを作製する工程と、前記接合シートの前記第1のセラミックグリーンシートの外部に露出している主面上に高融点金属からなる導体ペーストで導体印刷パターンを形成する工程と、複数枚の前記接合シートの下方側接合シートの前記導体印刷パターンの上面と、上方側接合シートの前記第2のセラミックグリーンシートの外部に露出している主面とが当接するようにして重ね合わせ加圧して積層体を形成する工程と、前記積層体を焼成して前記複数枚の層間に前記導体配線を設ける焼成体を形成する工程とを具備しており、前記積層体が前記導体印刷パターンを前記第2のセラミックグリーンシート内に埋設するようにして積層され、前記焼成体が前記第1、第2のセラミックグリーンシートと、前記高融点金属を還元性雰囲気中で同時焼成して形成されていることを特徴とする積層セラミック配線基板の製造方法。
  2. 請求項1記載の積層セラミック配線基板の製造方法において、前記第1のセラミックスラリーを第1の支持体に塗布して乾燥して形成した前記第1のセラミックグリーンシートの前記第1の支持体を取り付けた状態の反対側の主面に、前記第2のセラミックスラリーを第2の支持体に塗布して乾燥して形成した前記第2のセラミックグリーンシートの前記第2の支持体を取り付けた状態の反対側の主面を貼り合わせた後、前記第1、第2の支持体を剥離して接着体からなる前記接合シートを作製することを特徴とする積層セラミック配線基板の製造方法。
  3. 請求項1記載の積層セラミック配線基板の製造方法において、前記第1のセラミックスラリーを第1の支持体に塗布して乾燥して形成した前記第1のセラミックグリーンシートの前記第1の支持体を剥離した状態のいずれか一方の主面に、前記第2のセラミックスラリーを第2の支持体に塗布して乾燥して形成した前記第2のセラミックグリーンシートの前記第2の支持体を取り付けた状態の反対側の主面を貼り合わせた後、前記第2の支持体を剥離して接着体からなる前記接合シートを作製することを特徴とする積層セラミック配線基板の製造方法。
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