JP2013059788A - 金属接続方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストダウンが容易であり安定した品質を保証できる金属接続方法を提供する。
【解決手段】接続する第1金属部材10の接続部11と第2金属部材20の接続部21を向かい合わせて保持する工程と、それぞれの接続部11,21を突き合わせるように加圧することで、接続部11,21を変形させて酸化皮膜を除去する工程と、酸化皮膜を除去した接続部11,21同士が拡散接続により接続する工程とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】接続する第1金属部材10の接続部11と第2金属部材20の接続部21を向かい合わせて保持する工程と、それぞれの接続部11,21を突き合わせるように加圧することで、接続部11,21を変形させて酸化皮膜を除去する工程と、酸化皮膜を除去した接続部11,21同士が拡散接続により接続する工程とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、接続方法に関し、特に、加熱をすることなく導線と金属板材、金属板材と金属板材、又は導線と導線を接続する金属接続方法に関する。
従来、導線と金属板材の接続等の金属同士を接続する技術としては、圧着接続、抵抗溶接、超音波接続、はんだ付け(ろう接)等がある(例えば、特許文献1参照。)。
圧着接続は、銅撚線と銅板材を接続する技術として主流である。しかし、圧着接続は、部品費が高くなってしまったり、品質保証にコストがかかってしまう等の問題がある。抵抗溶接は、銅撚線と銅板材等の金属を接続する技術として用いられている。しかし、抵抗溶接は、加工費が高くなってしまったり、アルミ接続対応が困難であったり、接続品質が安定しなかったり、品質保証が困難である等の問題がある。超音波接続は、設備費等が高くなってしまうので加工費が高くなったり、適応電線断面積の適応範囲が狭い等の問題がある。はんだ付けは、インサート金属が必要になり部品費が高くなってしまったり、接続強度が弱かったり、品質保証が困難であったり等の問題がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、コストダウンが容易であり安定した品質を保証できる金属接続方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、接続する第1金属部材の接続部と第2金属部材の接続部を向かい合わせて保持する工程と、それぞれの接続部を突き合わせるように加圧することで、接続部を変形させて酸化皮膜を除去する工程と、酸化皮膜を除去した接続部同士が拡散接続により接続する工程とを含む金属接続方法であることを要旨とする。
本発明によれば、コストダウンが容易であり安定した品質を保証できる金属接続方法を提供することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る金属接続方法(アプセット接続方法)は、図1(a)〜(c)に示すように、接続する第1金属部材10の接続部11と第2金属部材20の接続部21を向かい合わせて保持する工程(図1(a))と、それぞれの接続部11,21を突き合わせるように加圧することで、接続部11,21を変形させて酸化皮膜を除去する工程と(図1(b))、酸化皮膜を除去した接続部11,21同士が拡散接続により接続する工程(図1(c))とを含む。
本発明の第1の実施の形態に係る金属接続方法(アプセット接続方法)は、図1(a)〜(c)に示すように、接続する第1金属部材10の接続部11と第2金属部材20の接続部21を向かい合わせて保持する工程(図1(a))と、それぞれの接続部11,21を突き合わせるように加圧することで、接続部11,21を変形させて酸化皮膜を除去する工程と(図1(b))、酸化皮膜を除去した接続部11,21同士が拡散接続により接続する工程(図1(c))とを含む。
拡散接続とは、融点以下の温度条件で、露出した酸化していない金属同士を原子間力が働く距離にまで近接させ、接続面に生じる原子の拡散を利用して接続する方法である。第1の実施の形態に係る金属接続方法において、第1金属部材10及び第2金属部材20は、保持部30,40によって保持され、加圧される。第1の実施の形態に係る金属接続方法においては、加熱および加振動は行わない。
第1金属部材10及び第2金属部材20は、細い導線を撚り合わせた芯線を持つケーブルである撚線、アルミや銅等の金属板材、アルミや銅等の単線・箔・板材等により形成された回路体等である。第1金属部材10及び第2金属部材20は、例えば、図2に示すように、第1金属部材10が金属板材等により形成された端子であり、第2金属部材20が銅の撚線である導線である。
第1の実施の形態に係る金属接続方法の接続強度の検証を示す。検証に用いた第1金属部材10及び第2金属部材20は、銅で形成された金属板端子のキャリアである。検証方法としては、接続のための加圧による銅板の変位量と、第1金属部材10及び第2金属部材20をそれぞれ引っ張ることで求められる固着力との関係を検証する。検証結果を図4のグラフに示す。また、第1の実施の形態に係る金属接続方法で求められる接続強度(引っ張り強度)の目標値は、単体強度の65%以上の値となる140Nとする。接続のための加圧による銅板の変位量が1.80mm以上となるように加圧した5つのサンプル結果を図5に示す。図4及び図5より、接続のための加圧による銅板の変位量が1.80mm以上となるように加圧した場合には、目標強度である140N以上となり、接続強度が規格以上となることが分かる。
第1の実施の形態に係る金属接続方法によれば、加圧することにより拡散接続をするので同種金属及び異種金属間の接続が可能となり、部品材質の制約が減ることにより部品費のコストダウンを図ることができる。
また、第1の実施の形態に係る金属接続方法によれば、工程が単純であり、設備内製化及び加工費を抑えられることにより、コストダウンを図ることができる。
また、第1の実施の形態に係る金属接続方法によれば、加熱及び通電等のエネルギー負荷がないため、加工時間が短く経済的である。
また、第1の実施の形態に係る金属接続方法によれば、加圧力、変形量等を管理することにより品質を保証することができる。
また、第1の実施の形態に係る金属接続方法によれば、管理値(引っ張り強度等)を監視することにより品質を保証することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る金属接続方法(回転接続方法)は、図6に示すように、第1の実施の形態に係る金属接続方法と比して、酸化皮膜を除去する工程において、第1金属部材10を保持して、第2金属部材20を回転させる点が異なる。その他に関しては、実質的に同様であるので、重複する記載を省略する。
本発明の第2の実施の形態に係る金属接続方法(回転接続方法)は、図6に示すように、第1の実施の形態に係る金属接続方法と比して、酸化皮膜を除去する工程において、第1金属部材10を保持して、第2金属部材20を回転させる点が異なる。その他に関しては、実質的に同様であるので、重複する記載を省略する。
酸化皮膜を除去する工程において、第1金属部材10を保持して、第2金属部材20を回転させることにより、回転部(接続部)で材料の変形が発生し、酸化皮膜が除去されて拡散接続が行われる。
第2の実施の形態に係る金属接続方法の接続強度の検証を示す。検証に用いた第1金属部材10は、図7に示すように、アルミニウムで形成された金属板であり、第2金属部材20は、銅で形成された撚線である。検証方法としては、接続時の回転数と、第1金属部材10及び第2金属部材20の保持力との関係を検証する。検証結果を図8のグラフに示す。また、第2の実施の形態に係る金属接続方法で求められる接続強度(保持力)の目標値は、基板のはんだ接続強度以上となる10.95Nとする。接続時の回転数が770rpm以上である5つのサンプル結果を図9に示す。図8及び図9より、接続時の回転数が770rpm以上とした場合には、目標強度である10.95Nを大幅に上回り、接続強度が規格以上となることが分かる。
第2の実施の形態に係る金属接続方法によれば、加圧及び回転することにより拡散接続をするので同種金属及び異種金属間の接続が可能となり、部品材質の制約が減ることにより部品費のコストダウンを図ることができる。
また、第2の実施の形態に係る金属接続方法によれば、工程が単純であり、設備内製化及び加工費を抑えられることにより、コストダウンを図ることができる。
また、第2の実施の形態に係る金属接続方法によれば、加熱及び通電等のエネルギー負荷がないため、加工時間が短く経済的である。
また、第2の実施の形態に係る金属接続方法によれば、加圧力、変形量、回転数等を管理することにより品質を保証することができる。
また、第2の実施の形態に係る金属接続方法によれば、管理値(保持力等)を監視することにより品質を保証することができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る金属接続方法(振動接続方法)は、図10に示すように、第1の実施の形態に係る金属接続方法と比して、酸化皮膜を除去する工程において、第2金属部材20を保持して、第1金属部材10を加圧方向に対して垂直に振動させる点が異なる。その他に関しては、実質的に同様であるので、重複する記載を省略する。
本発明の第3の実施の形態に係る金属接続方法(振動接続方法)は、図10に示すように、第1の実施の形態に係る金属接続方法と比して、酸化皮膜を除去する工程において、第2金属部材20を保持して、第1金属部材10を加圧方向に対して垂直に振動させる点が異なる。その他に関しては、実質的に同様であるので、重複する記載を省略する。
酸化皮膜を除去する工程において、第2金属部材20を保持して、第1金属部材10を振動させることにより、振動部(接続部)で材料の変形が発生し、酸化皮膜が除去されて拡散接続が行われる。
第3の実施の形態に係る金属接続方法の接続強度の検証を示す。検証に用いた第1金属部材10及び第2金属部材20は、図11に示すように、銅で形成された金属板である。検証方法としては、接続時の振動量と、図11に示すように、第1金属部材10及び第2金属部材20をそれぞれ引っ張ることで求められる引っ張り強度との関係を検証する。検証結果を図12のグラフに示す。また、第3の実施の形態に係る金属接続方法で求められる接続強度(引っ張り強度)の目標値は、単体強度の65%以上の値以上となる215Nとする。接続時の振動量が50mm以上である6つのサンプル結果を図13に示す。図12及び図13より、接続時の回転数が990mm以上とした場合には、目標強度である215N以上となり、接続強度が規格以上となることが分かる。
第3の実施の形態に係る金属接続方法によれば、加圧及び振動することにより拡散接続をするので同種金属及び異種金属間の接続が可能となり、部品材質の制約が減ることにより部品費のコストダウンを図ることができる。
また、第3の実施の形態に係る金属接続方法によれば、工程が単純であり、設備内製化及び加工費を抑えられることにより、コストダウンを図ることができる。
また、第3の実施の形態に係る金属接続方法によれば、加熱及び通電等のエネルギー負荷がないため、加工時間が短く経済的である。
また、第3の実施の形態に係る金属接続方法によれば、加圧力、変形量、振動量等を管理することにより品質を保証することができる。
また、第3の実施の形態に係る金属接続方法によれば、管理値(引っ張り強度等)を監視することにより品質を保証することができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
例えば、実施の形態で示した第1金属部材10及び第2金属部材20としての金属材料は一例であり、その他、種々の導線及び回路等に用いられる金属材料であっても構わない。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
10…第1金属部材
20…第2金属部材
11,21…接続部
30,40…保持部
20…第2金属部材
11,21…接続部
30,40…保持部
Claims (3)
- 接続する第1金属部材の接続部と第2金属部材の接続部を向かい合わせて保持する工程と、
それぞれの前記接続部を突き合わせるように加圧することで、前記接続部を変形させて酸化皮膜を除去する工程と、
酸化皮膜を除去した前記接続部同士が拡散接続により接続する工程
とを含むことを特徴とする金属接続方法。 - 前記酸化皮膜を除去する工程において、前記第1金属部材を保持して、前記第2金属部材を回転させることを特徴とする請求項1に記載の金属接続方法。
- 前記酸化皮膜を除去する工程において、前記第2金属部材を保持して、前記第1金属部材を加圧方向に対して垂直に振動させることを特徴とする請求項1に記載の金属接続方法。
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