JP2013057555A - 障害物検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波ソナーの音圧を測定することなく、超音波ソナーの感度の補正を行うことが可能な障害物検知装置を提供する。
【解決手段】2つの超音波ソナー2a、2bは、受信モードが設定されたときに、送受信モードが設定された超音波ソナーの記憶媒体14に記憶された受信ゲインを取得し、当該受信ゲインと自分自身の記憶媒体14に記憶された受信ゲインとから補正値を求める。そして、この補正値に基づいて自分自身の受信ゲインを調整することにより、受信モードが設定された超音波ソナーの感度と送受信モードが設定された超音波ソナーの感度とを等しくする。こうして、超音波ソナーの音圧を測定する工程を追加することなく、超音波ソナーの感度の補正を行うことができる。
【選択図】図2
【解決手段】2つの超音波ソナー2a、2bは、受信モードが設定されたときに、送受信モードが設定された超音波ソナーの記憶媒体14に記憶された受信ゲインを取得し、当該受信ゲインと自分自身の記憶媒体14に記憶された受信ゲインとから補正値を求める。そして、この補正値に基づいて自分自身の受信ゲインを調整することにより、受信モードが設定された超音波ソナーの感度と送受信モードが設定された超音波ソナーの感度とを等しくする。こうして、超音波ソナーの音圧を測定する工程を追加することなく、超音波ソナーの感度の補正を行うことができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両のバンパー等に備えられる超音波ソナーを用いて、車両近傍の障害物を検知する車両の障害物検知装置に関する。
従来より、超音波を送波として送信する超音波ソナーを用いて車両から障害物までの距離を検知する障害物検知装置が、例えば特許文献1で提案されている。具体的に、特許文献1の障害物検知装置では、隣接して配置された2つの超音波ソナーのいずれか一方が送受信モードとされると共に他方が受信モードとされる。また、受信モードが設定された超音波ソナーの受信感度は、送受信モードが設定された超音波ソナーの受信感度よりも高く設定される。
ここで、2つの超音波ソナーの感度のばらつきについては、2つの超音波ソナーそれぞれの送波の送信音圧の差に基づく補正値に基づいて、他方の超音波ソナーの受信感度を補正している。これにより、送受信モードが設定された超音波ソナーの感度と受信モードが設定された超音波ソナーの感度のばらつきを小さくしている。
しかしながら、上記従来の技術では、2つの超音波ソナーの感度のばらつきを小さくするために、送信音圧の情報を用いて感度の補正を行うため、送信音圧の情報を障害物検知装置に予め記憶させておかなければならない。超音波はマイクから送信されるので、マイクから発せられた超音波の送信音圧を測定器で測定しなければならず、製品の製造工程内にこの測定工程を追加しなければならない。
本発明は上記点に鑑み、超音波ソナーの音圧を測定することなく、超音波ソナーの感度の補正を行うことが可能な障害物検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、超音波を送波として送信すると共に、当該送波が障害物で反射した反射波を受波として受信するマイク(7)を有する2つの超音波ソナー(2a、2b)を備え、2つの超音波ソナー(2a、2b)は予め送波の送信と受波の受信の双方を行う送受信モードがそれぞれ設定されている。また、2つの超音波ソナー(2a、2b)のうちの一方から送信された超音波が障害物で反射して他方で受信された場合に、2つの超音波ソナー(2a、2b)のうち送波を送信した一方に対して送受信モードが維持されると共に反射波を受信した他方に対して受波の受信のみを行わせる受信モードが設定される車両用の障害物検知装置であって、以下の点を特徴としている。
まず、2つの超音波ソナー(2a、2b)は、それぞれ、自分自身の前記マイク(7)で受信された受波を所定の増幅率で増幅するための受信ゲインを記憶する記憶媒体(14)を有している。
さらに、2つの超音波ソナー(2a、2b)のうち受信モードが設定された超音波ソナーは、送受信モードが設定された超音波ソナーの記憶媒体(14)に記憶された受信ゲインを取得し、当該受信ゲインと自分自身の記憶媒体(14)に記憶された受信ゲインとから補正値を求め、この補正値に基づいて自分自身の受信ゲインを調整することにより、受信モードが設定された超音波ソナーの感度と送受信モードが設定された超音波ソナーの感度とを等しくする受信感度調整手段(9)を有していることを特徴とする。
このように、受信モードが設定された超音波ソナー(2a、2b)の感度は、予め記憶媒体(14)に記憶された受信ゲインが用いられて補正されるので、予め各超音波ソナー(2a、2b)の送信音圧を測定する必要がない。したがって、超音波ソナー(2a、2b)の送信音圧を測定することなく、超音波ソナー(2a、2b)の感度の補正を行うことができる。
請求項2に記載の発明では、受信感度調整手段(9)は、送受信モードが設定された超音波ソナーの記憶媒体(14)に記憶された受信ゲインと、受信モードが設定された超音波ソナーの記憶媒体(14)に記憶された受信ゲインと、の平均値を前記補正値として用いることを特徴とする。このようにして、受信ゲインの補正値を得ることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。図1は、一実施形態にかかる障害物検知装置の全体構成を概略的に示した模式図である。
図1に示されるように、障害物検知装置は、車両1に取り付けられるものであり、複数の超音波ソナー2a、2b、制御手段を構成するECU3および警報手段を構成する警報装置4を備えており、複数の超音波ソナー2a、2bそれぞれとECU3がLANケーブル5を通じて通信可能に構成されている。また、ECU3と警報装置4とがケーブル6を介して接続されることでECU3から警報装置4への警報指令信号の伝達が行えるように構成されている。
超音波ソナー2a、2bは、車両前方や後方のバンパー等の車体部品に固定されている。本実施形態では、超音波ソナー2a、2bを車両左右後方に1つずつ配置してあり、超音波ソナー2aが右後方、超音波ソナー2bが左後方に配置されている。これら超音波ソナー2a、2bは、ECU3に対してデイジーチェーン方式で接続されている。また、各超音波ソナー2a、2bは、ECU3の指令信号に基づいてマスタースレーブ方式で動作する通信形態とされている。
図2は、超音波ソナー2a、2bの概略構成を示したブロック図である。この図に示されるように、超音波ソナー2a、2bは、超音波マイクロフォン7(以下、マイク7という)、通信ブロック8、制御ブロック9、昇圧回路10、増幅器11、比較器12、発振ブロック13および記憶媒体14を備えている。
マイク7は、送波の送信を行うと共に受波の受信を行う。具体的には、マイク7は、図示しない振動子を有しており、この振動子を超音波振動させることにより、送波となる超音波を発生させたり、受波を受信したときに振動子が振動することに基づいて受波の検知を行う。なお、マイク7の構造や動作原理等に関しては周知のものであるためここでは詳細についての説明を省略する。
通信ブロック8は、ECU3との通信を行い、障害物検知を行う際にECU3から送られてくる指令信号を受け取り、それを制御ブロック9に伝える。また、通信ブロック8は、ECU3からの指令信号に基づいて制御ブロック9が応答信号を返してくると、それをECU3に送信する。
制御ブロック9は、超音波ソナー2a、2bによる障害物検知に関する各種制御を行うものであり、通信ブロック8を介して伝えられたECU3からの指令信号に基づき、その指令信号が示す内容に応じた処理を実行する。例えば、指令信号は、指令する内容を示すデータが格納されたフレームにて構成され、ECU3からそのフレームが送信されてくると制御ブロック9がそのフレーム内に格納されたデータを読み出し、そのデータが示す処理を実行するようになっている。
昇圧回路10は、障害物検出を行うときに制御ブロック9が生成する駆動パルス電圧を昇圧するものである。この昇圧回路10によって昇圧された駆動パルス電圧がマイク7に対して印加され、マイク7の振動子を超音波振動させるための駆動電圧として用いられることにより、マイク7から超音波の送波が送信される。
増幅器11は、マイク7から送波の送信を行った後、その反射波が受波としてマイク7で受信されたときに、受信された受波を予め設定しておいた受信ゲイン、つまり所定の増幅率で増幅するものである。受信ゲインは後述する記憶媒体14に記憶されている。また、増幅器11のゲインについては、制御ブロック9のゲイン制御により調整可能とされている。
比較器12は、増幅器11によって増幅された受波の電圧を予め設定しておいた閾値と比較することにより、障害物による反射波を受信したことを検知する。比較器12の閾値についても、制御ブロック9の閾値制御により制御可能とされている。この比較器12は、例えばコンパレータ等で構成され、増幅器11によって増幅された受波の電圧が閾値を超えると、出力電圧のレベルが例えばハイレベルに変わることで反射波を受信したことを制御ブロック9に対して伝える。これにより、制御ブロック9にて、送波を送信したタイミングと反射波を受信したタイミングとの時間差に相当する検知時間が測定され、その検知時間に基づいて障害物までの距離が演算される。
なお、上述したように増幅器11で増幅された反射波を比較器12の閾値と比較することで障害物検知が行われるため、増幅器11のゲインや比較器12の閾値に応じて受信感度が決まる。この受信感度は、基本的には各超音波ソナー2a、2bで障害物検出範囲が同じになるように設定されている。本実施形態では、各超音波ソナー2a、2bの受信ゲインが調整されることで感度が調整されている。
発振ブロック13は、制御ブロック9等のICを駆動する際に用いられるクロック生成を行う。
記憶媒体14は、上述の比較器12の閾値等の障害物検知に用いられる各種データの記憶を行う。この記憶媒体14に記憶された内容は制御ブロック9で読み出し可能とされており、この内容に基づいて制御ブロック9での障害物検知が行われる。
また、記憶媒体14にはマイク7で受信された受波を所定の増幅率で増幅するための受信ゲインが記憶されている。この受信ゲインは、超音波ソナー2a、2b毎に予め設定されたパラメータであり、超音波ソナー2a、2bの感度の補正に用いられる。各超音波ソナー2a、2bは、特定のタイミングで他の超音波ソナーに自己の受信ゲインを感度補正値情報として送信する。
ここで、「特定のタイミング」とは、(1)ECU3が各超音波ソナー2a、2bに対するID設定時の各超音波ソナー2a、2bの応答時、(2)ECU3が各超音波ソナー2a、2bに感度補正値情報の送信を指示したとき等がある。なお、(1)の場合はデイジーチェーン方式においてECU3が各超音波ソナー2a、2bをIDで区別していることを利用している。また、受信ゲインの記憶方法としては、各超音波ソナー2a、2bが自動で自己の記憶媒体14に記憶する方法や、ECU3が感度補正値情報を各超音波ソナー2a、2bの記憶媒体14にそれぞれ書き込む方法が採用される。
このように、各超音波ソナー2a、2bは、自己の受信ゲインだけでなく、他の超音波ソナーの受信ゲインも持っていることになる。以上のようにして、各超音波ソナー2a、2bが構成されている。
図1に示されるECU3は、障害物検知を行うタイミング(例えば車両後進時)になると、障害物検知を行うための処理を行う。このため、ECU3は、指令信号として、各超音波ソナー2a、2bに対して送受信モードと受信モードのいずれを設定するかを表すデータを格納したフレームを送信する。通常、ECU3は、各超音波ソナー2a、2bを自ら超音波を送受信する送受信モードに設定する。これにより、各超音波ソナー2a、2bは障害物検知および距離の演算を行う。
そして、各超音波ソナー2a、2bで障害物までの距離が演算されると、その後に、ECU3は、指令信号として、各超音波ソナー2a、2bでの演算結果を要求するデータを格納したフレームを送信する。これにより、各超音波ソナー2a、2bから演算結果が伝えられると、ECU3は、障害物までの距離に応じた警報を行うべく、警報装置4に対して制御信号を出力する。
ECU3は、2つの超音波ソナー2a、2bのうちの一方に対して送波の送信と受波の受信の双方を行わせる送受信モードを設定し、他方に対して受波の受信のみを行わせる受信モードも設定する。以上のように、ECU3は、各超音波ソナー2a、2bと通信を行うことで、各超音波ソナー2a、2bの検知モードの設定や、各超音波ソナー2a、2bの検知結果の報知処理等を行う。
警報装置4は、各超音波ソナー2a、2bによって検知された障害物までの距離に応じて警報を行う装置である。具体的に、警報装置4はブザー等の音声を発生させるように構成されており、ECU3からの制御信号の内容に応じて鳴り方の異なる報知音で警報を行う。例えば、ECU3からの距離が近い順に連続音、間隔が短い断続音1、間隔が断続音1よりも長い断続音2、間隔が断続音2よりも長い断続音3という複数種類の報知音が用いられる。報知音の領域については、後述する図3に示されている。
以上のようにして、本実施形態の障害物検知装置が構成されている。続いて、このように構成された障害物検知装置による障害物検知方法について説明する。まず、本実施形態の障害物検知装置による障害物検知の原理について、図3に示す障害物検知時の様子を示す模式図と、図4に示す超音波ソナー2a、2bの感度の模式図と、を参照して説明する。
なお、一方の超音波ソナー2aのマイク7の送信音圧およびマイク感度は、他方の超音波ソナー2bのマイク7の送信音圧およびマイク感度よりも大きいとする。したがって、図4(a)および図4(b)は他方の超音波ソナー2bの感度を示し、図4(c)および図4(d)は一方の超音波ソナー2aの感度を示している。また、図4では超音波ソナーを「センサ」と表現している。
まず、最も基本的な動作としては、超音波ソナー2a、2bのマイク7から超音波を送信し、物体で反射した反射波を再びマイク7で受信する。そして、超音波を送信してから受信するまでの時間が計測され、その測定結果がECU3報告されると、ECU3で車両1から物体までの距離が算出される。そして、距離に応じた報知音が鳴らされる。
図3(a)に示されるように、超音波ソナー2aは検知エリアDaに存在する障害物を検知し、超音波ソナー2bは検知エリアDbに存在する障害物を検知する。また、各検知エリアDa、Dbの範囲は、各超音波ソナー2a、2bの感度によって決まる。各超音波ソナー2a、2bは、送受信モードにおける障害物検知の感度が等しくなるように、それぞれ増幅器11の受信ゲインが予め調整されている。このため、各検知エリアDa、Dbの大きさは等しくなっている。
なお、検知エリアDaは、検知エリアDbと重ならないエリアD1aと、検知エリアDbと重なったエリアD2とからなる。同様に、検知エリアDbは、検知エリアDaと重ならないエリアD1bと、検知エリアDaと重なったエリアD2とからなる。
各超音波ソナー2a、2bの感度が等しくなるように受信ゲインが予め調整されていることについて、図4を参照して説明する。
各超音波ソナー2a、2bの感度のトータルは、マイク7の送信音圧とマイク感度、そして増幅器11の受信ゲインによって決まる。各超音波ソナー2a、2bの製造時に、送受信モードにおける増幅器11の受信ゲインを調整することで、各超音波ソナー2a、2bの感度を等しくしている。これは、製造された超音波ソナー2a、2bの性能にはばらつきがあるためである。このように、超音波ソナー2a、2b毎に設定された受信ゲインは、上述のように自己の記憶媒体14に予め記憶されている。
例えば、製造された超音波ソナー2a、2bのうち、図4(a)に示す送信音圧とマイク感度が小さいものについては、送受信モード(図4の「送受用」)における予め設定されたトータルの感度に一致するように受信ゲイン(X)が大きく調整される。これにより、感度はトータルAとなる。
これに対し、製造された超音波ソナー2a、2bのうち、図4(c)に示す送信音圧とマイク感度が元々大きいものについては、予め設定されたトータルの感度に一致するように受信ゲイン(Y)が小さく調整される。これにより、感度はトータルCとなり、これは上記のトータルAの感度と等しくなっている。
なお、各超音波ソナー2a、2bによって地面が検知されないように、各超音波ソナー2a、2bの感度は各検知エリアDa、Dbが地面に接触しない感度に設定されている。
そして、通常、各超音波ソナー2a、2bは超音波を送信および受信する送受信モードに設定されている。送受信モードまたは受信モードは、各超音波ソナー2a、2bがECU3の指令信号を受けることで設定される。
図3(a)に示されるように、例えば一方の超音波ソナー2aの検知エリアDaに障害物が存在する場合、送受信モードに設定された超音波ソナー2aにより超音波が障害物で反射して受信するまでの時間が計測される。この計測結果に基づいて、ECU3にて車両1から障害物までの距離が算出され、例えば断続音1の報知音が鳴らされる。なお、他方の超音波ソナー2bの検知エリアDbに障害物が存在する場合も上記と同様に障害物が検知され、報知される。
上記は、検知エリアDa、Dbが重ならない検知エリアD1a、D1bに障害物が存在した場合の作動であるが、図3(b)に示されるように、例えば検知エリアDaと検知エリアDbとが重なるエリアD2に障害物が存在する場合がある。以下、このような場合の作動について説明する。
図3(b)の状況では、例えば一方の超音波ソナー2aから送信された超音波は、他方の超音波ソナー2bで受信される。この受信結果は他方の超音波ソナー2bからECU3に報告される。これにより、ECU3は一方の超音波ソナー2aを送受信モードに維持し、他方の超音波ソナー2bを受信モードに設定する。つまり、ECU3は、他方の超音波ソナー2bのみ、検知モードを変更する。
そして、受信モードが設定された他方の超音波ソナー2bは、トータルの感度を補正する。ここで、受信モードとされると、図4(b)に示されるように送信音圧およびマイク感度が送受信モードのときよりも大きく設定される。送信音圧とマイク感度は、可逆性があり、送信音圧の大きいマイク7は受信ゲインも大きい。すなわち、送信音圧が大きいものから音波(超音波)を受波した場合、感度が高くなる。これに着目し、受波専用時つまり受信モード設定時には、受信ゲイン(X)の大きさを調整する。
具体的には、他方の超音波ソナー2bは、上述のように、特定のタイミングで一方の超音波ソナー2aから当該超音波ソナー2aについて設定された増幅器11の受信ゲイン(Y)を既に取得している。したがって、他方の超音波ソナー2bは、自己の受信ゲイン(X)と取得した受信ゲイン(Y)との平均値を求め、これを補正値として自己の受信ゲイン(X)からマイナスする。すなわち、補正値ZはZ=(X+Y)÷2として得られ、補正値Zが他方の超音波ソナー2bの受信ゲイン(X)から減算される。これにより、図4(b)に示されるように、受信モードに設定された他方の超音波ソナー2bの感度のトータルBを、送受信モードに設定された一方の超音波ソナー2aの感度のトータルCと等しくすることができる。つまり、超音波の送信側と受信側とでトータルの感度が等しくなる。
そして、他方の超音波ソナー2bは、一方の超音波ソナー2aから送信された超音波を受信するまでの時間から障害物までの距離を算出し、ECU3に報告する。こうして、ECU3は報知音を鳴らす。
ここで、上記は一方の超音波ソナー2aから送信された超音波が他方の超音波ソナー2bで受信される状況であったが、逆の状況もあり得る。すなわち、一方の超音波ソナー2aが受信モードに設定される場合もある。
このような場合においても、受信モードに設定された一方の超音波ソナー2aの感度が補正される。ここで、図4(d)に示されるように、送信音圧が小さいものからの音波(超音波)を受波した場合は送受信モードの感度が小さくなる。このため、一方の超音波ソナー2aが既に取得した他方の超音波ソナー2bの受信ゲイン(X)と自己の受信ゲイン(Y)とから補正値Zを求め、補正値Zを自己の受信ゲイン(Y)に加算する。これにより、図4(d)に示されるように、受信モードに設定された一方の超音波ソナー2aの感度のトータルDが、送受信モードに設定された他方の超音波ソナー2bの感度のトータルAと等しくなる。
以上説明したように、各超音波ソナー2a、2bにおいて超音波の送信側と受信側との受信ゲインの平均値を補正値として受信側の受信ゲインを補正する。これにより、超音波ソナー2a、2bの検知モードが送受信モードから受信モードに変更されたとしても、各超音波ソナー2a、2bの受信モード時の感度を送受信モード時と同じ感度に維持することができる。したがって、図4に示されるように、送信音圧やマイク感度を含めたトータルの感度をトータルA=トータルB=トータルC=トータルDとすることができ、超音波ソナー2a、2bの違いや検知モードに関わらず、各超音波ソナー2a、2b間の感度を常に同じに維持することができる。
このような感度の補正については、超音波ソナー2a、2bの製造時に予め各記憶媒体14に記憶された受信ゲイン(X、Y)を用いているので、超音波ソナー2a、2bの送信音圧をそれぞれ測定する工程は必要無い。また、このような測定工程が無くても超音波ソナー2a、2bの感度の補正を行うことができる。
そして、受信モードに設定されたことによってトータルの感度が送受信モード時よりも高くなってしまうことがないので、各超音波ソナー2a、2bの感度のずれが原因で地面を検知してしまうこともない。また、各検知エリアDa、Dbが重なったエリアD2(クロスエコー)の検知精度を向上させることができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、制御ブロック9が特許請求の範囲の「受信感度調整手段」に対応し、ECU3が特許請求の範囲の「制御手段」に対応する。また、警報装置4が特許請求の範囲の「警報手段」に対応する。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された障害物検知装置の構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、上述の構成は2つの超音波ソナー2a、2bを備えた例について説明したが、超音波ソナーの数は一例であり、もっと多くても良い。この場合においても、受波専用時に受信ゲインを補正すれば良い。
上記各実施形態で示された障害物検知装置の構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、上述の構成は2つの超音波ソナー2a、2bを備えた例について説明したが、超音波ソナーの数は一例であり、もっと多くても良い。この場合においても、受波専用時に受信ゲインを補正すれば良い。
上述の実施形態では、ECU3が各超音波ソナー2a、2bに記憶された受信ゲインを各超音波ソナー2a、2bに記憶させていたが、各超音波ソナー2a、2bが自ら通信を行うことによって自分以外の超音波ソナーから受信ゲインを受信しても良い。この場合は各超音波ソナー2a、2bに通信手段を設ければ良い。
さらに、各超音波ソナー2a、2bの受信ゲインのやりとりを「特定のタイミング」で行うと述べたが、これについても上記の例は一例であり、タイミングを適宜設定すれば良い。
そして、ドライバに対する報知方法については、ブザーによる方法に限らず、ドライバの視覚に訴える方法を採用しても構わない。
1 車両
2a、2b 超音波ソナー
3 ECU
4 警報装置
7 マイク
9 制御ブロック
14 記憶媒体
2a、2b 超音波ソナー
3 ECU
4 警報装置
7 マイク
9 制御ブロック
14 記憶媒体
Claims (2)
- 超音波を送波として送信すると共に、当該送波が障害物で反射した反射波を受波として受信するマイク(7)を有する2つの超音波ソナー(2a、2b)を備え、
前記2つの超音波ソナー(2a、2b)は予め前記送波の送信と前記受波の受信の双方を行う送受信モードがそれぞれ設定されており、
前記2つの超音波ソナー(2a、2b)のうちの一方から送信された超音波が前記障害物で反射して他方で受信された場合に、前記2つの超音波ソナー(2a、2b)のうち送波を送信した一方に対して前記送受信モードが維持されると共に前記反射波を受信した他方に対して前記受波の受信のみを行わせる受信モードが設定される車両用の障害物検知装置であって、
前記2つの超音波ソナー(2a、2b)は、それぞれ、自分自身の前記マイク(7)で受信された受波を所定の増幅率で増幅するための受信ゲインを記憶する記憶媒体(14)を有しており、
さらに、前記2つの超音波ソナー(2a、2b)のうち前記受信モードが設定された超音波ソナーは、前記送受信モードが設定された超音波ソナーの記憶媒体(14)に記憶された受信ゲインを取得し、当該受信ゲインと自分自身の記憶媒体(14)に記憶された受信ゲインとから補正値を求め、この補正値に基づいて自分自身の受信ゲインを調整することにより、前記受信モードが設定された超音波ソナーの感度と前記送受信モードが設定された超音波ソナーの感度とを等しくする受信感度調整手段(9)を有していることを特徴とする障害物検知装置。 - 前記受信感度調整手段(9)は、前記送受信モードが設定された超音波ソナーの記憶媒体(14)に記憶された受信ゲインと、前記受信モードが設定された超音波ソナーの記憶媒体(14)に記憶された受信ゲインと、の平均値を前記補正値として用いることを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
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