JP2013056786A - 光ファイバ用母材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】局所的なゲルマニウム濃度の変動が拡散効果によって低減されて屈折率分布を高精度に測定することが可能な光ファイバ用母材を、良好な生産性を維持しながらコストを抑えて製造することができる光ファイバ用母材の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の光ファイバ用母材の製造方法は、屈折率調整用添加物としてゲルマニウムを添加して光ファイバ用母材4を形成する母材形成工程と、光ファイバ用母材4を延伸させる延伸工程と、延伸させた光ファイバ用母材4を不活性ガス雰囲気の加熱炉11内で一定時間加熱する加熱処理工程と、加熱処理工程後における光ファイバ用母材4の屈折率分布を測定する屈折率測定工程と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ファイバの母材となる光ファイバ用母材の製造方法に関する。
一般に、所望の屈折率分布を有する光ファイバ用ガラス母材を得るためには、VAD法やOVD法などによりシリカガラスの微粒子を堆積させて形成したガラス微粒子堆積体を脱水焼結して透明化させる。そのガラス微粒子堆積体を製造する際に、主成分のシリカガラスにゲルマニウムをドーパントとして添加する。しかし、このゲルマニウムを添加する場合、その添加濃度が局所的に変動する脈理が発生することがある。この脈理と呼ばれる局所的なゲルマニウムの添加濃度の変動があると、プリフォームアナライザによる光学的な屈折率分布の測定時に、レーザ光が回折、散乱するために正確な屈折角を測定することができず、測定精度が悪化してしまう。したがって、その後にガラス母材から光ファイバを線引きして製造する際に、所望のファイバ特性を有する光ファイバの製造の歩留まりが低下してしまう。
この脈理を低減させる技術として、ゲルマニウムの拡散を促進させて脈理の振幅を低減させるために五酸化リン(P)を添加したり(例えば、特許文献1参照)、ガラス微粒子の堆積時にフッ素原料を導入する(例えば、特許文献2参照)ことが行われている。
また、センターコアをVAD法で製造し、センターコアより外側の比屈折率ΔNが高い部分をOVD法で製造し、このOVD法での製造時に、四塩化ゲルマニウム(GeCl)と一緒に脈理低減のために塩化アルミニウム(AlCl)を添加することも知られている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、スート密度0.1〜0.4g/分、堆積面最高温度300〜600℃、合成速度0.5〜2.5g/分の範囲でスート合成を行ったり(例えば、特許文献4参照)、屈折率調整用添加物が添加される一部の領域を堆積する際に一方向へのバーナの移動でガラス微粒子の堆積層の形成を行うことで(例えば、特許文献5参照)、脈理を抑えることも知られている。
特開昭58−125624号公報 特開昭60−235735号公報 特開2003−238203号公報 特開2003−226545号公報 特開2007−55852号公報
ところで、特許文献1に記載の技術のように、ガラス微粒子にリンを添加すると、製造した光ファイバが水素雰囲気に晒された際に、長波長側で伝送ロスが著しく増加してしまうことがあり、長期的な信頼性の観点から望ましくない。
また、特許文献2に記載の技術のように、ガラス微粒子にフッ素を添加すると、フッ素によって屈折率が低下する傾向がある。このため、フッ素の添加量が変動した場合、屈折率分布も変化してしまい、屈折率分布の形成精度が悪化してしまう。また、フッ素を添加しない場合と比べて、より多くのゲルマニウムを添加する必要があり、コストアップを招いてしまう。
特許文献3に記載の技術は、センターコア部分をVAD法で形成し、その外側をOVD法で形成するため、製造設備の複雑化を招き、また、アルミニウム原料を供給するための装置も必要となる。したがって、設備費が嵩んでしまう。しかも、アルミニウム原料となる塩化アルミニウムは、沸点が120℃であり高温のため、高濃度の添加が難しく、比屈折率ΔNが高いセンターコアに使うのは容易ではない。
特許文献4に記載の技術では、ガラス微粒子を堆積させる際の製造条件の範囲が限定されてしまう。このため、製造速度を向上させるなどの製造条件の変更が容易に行えず、また、製造条件の変更によって良好な脈理抑制の範囲から外れてしまい、脈理低減効果が得られなくなってしまう。
特許文献5に記載の技術は、屈折率調整用添加物が添加される一部の領域の堆積の際にガラス微粒子の堆積を一方向のみの移動で行うため、堆積させる時間が限定され、その結果、生産性の低下を招いてしまう。
本発明の目的は、局所的なゲルマニウム濃度の変動が抑制されて屈折率分布を高精度に測定することが可能な光ファイバ用母材を、良好な生産性を維持しながらコストを抑えて製造することができる光ファイバ用母材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明の光ファイバ用母材の製造方法は、屈折率調整用添加物としてゲルマニウムを添加してガラス母材を形成する母材形成工程と、
前記ガラス母材を延伸させる延伸工程と、
延伸させた前記ガラス母材を不活性ガス雰囲気内で一定時間加熱する加熱処理工程と、
前記加熱処理工程後における前記ガラス母材の屈折率分布を測定する屈折率測定工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の光ファイバ用母材の製造方法において、前記母材形成工程では、ガラス微粒子を多層に堆積させてガラス微粒子堆積体を形成した後、前記ガラス微粒子堆積体を焼結してガラス母材とし、
前記延伸工程では、前記堆積させた一層の厚さが10μm以下となるように前記ガラス母材を延伸し、
前記加熱処理工程では、延伸後の前記ガラス母材を1000℃以上1300℃以下で3日間以上加熱処理することが好ましい。
本発明の光ファイバ用母材の製造方法において、前記加熱処理工程における前記ガラス母材の加熱処理の雰囲気を、露点−60℃以下の不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
本発明の光ファイバ用母材の製造方法によれば、局所的なゲルマニウム濃度の変動が加熱処理工程による拡散効果によって低減される。これにより、光学的に屈折率分布を測定するプリフォームアナライザなどの測定装置によって、高精度に屈折率分布を測定することが可能となる。このように高精度に屈折率分布を測定できる光ファイバ用母材を、良好な生産性を維持しながらコストを抑えつつ製造することができる。
そして、高精度な屈折率分布の測定結果に基づいて光ファイバの特性を計算できるので、光ファイバの線引き等の後工程での製造条件を正確に設定することができ、所望のファイバ特性を有する光ファイバの製造の歩留まりを向上させることができる。また、以降の製造条件にフィードバックして屈折率分布を迅速に修正することができる。
光ファイバ用母材となるガラス微粒子堆積体を製造する様子を示す概略図である。 加熱処理工程の様子を示す概略図である。 光ファイバ用母材の屈折率分布の測定結果の一例を示す図である。 加熱処理前における光ファイバ用母材の径方向の一部におけるゲルマニウムのカウント数の一例を示す図である。 加熱処理後における光ファイバ用母材の径方向の一部におけるゲルマニウムのカウント数の一例を示す図である。 光ファイバ用母材の加熱日数におけるゲルマニウムのカウント数の変動の振幅の例を示す図である。 光ファイバ用母材の屈折率分布の測定に異常が生じた状態の測定結果の一例を示す図である。
以下、本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法の実施の形態の例を説明する。
まず、本発明の概要について説明する。
光ファイバは、所望の屈折率分布を持った光ファイバ用のガラス母材を線引きすることにより製造される。その際、所望のファイバ特性を有する光ファイバを歩留まり良く製造するには、ガラス母材の段階で屈折率分布が所望の形状になっているかを測定することが重要となる。つまり、ガラス母材の屈折率分布を測定することにより、その測定した屈折率分布に応じて、後工程の製造条件を変更することが可能となる。例えば、測定したガラス母材の屈折率分布からカットオフ波長などの特性の予測値を計算し、これが所望の値となるように線引き条件を調整することが可能となる。また、例えば、測定したガラス母材の屈折率分布が許容範囲の屈折率分布から外れている場合、そのガラス母材を後工程に用いないようにする、もしくは違う用途に振り向けるようにすることで、所望のファイバ特性を有する光ファイバの製造の歩留まりを向上させることが可能となる。また、測定した屈折率分布が所望の分布からずれていた場合、ガラス母材の製造工程における製造条件にフィードバックすることで、次回以降に製造するガラス母性の屈折率分布を迅速に修正することが可能となる。
ガラス母材の屈折率分布を測定する方法としては、プリフォームアナライザを使った測定方法が知られている。これはレーザ光をガラス母材の側面から入射して径方向に走査し、屈折率分布に対応してレーザ光が屈折する角度を測定することでガラス母材の屈折率分布を測定する方法である。
しかし、このプリフォームアナライザによって測定する際に、ガラス母材の屈折率分布に脈理があると、レーザ光が回折、散乱するために正確な屈折角を測定することができず、屈折率分布の測定精度が悪化する。
ガラス母材を製造する際に、所望の屈折率分布を得るためには、ガラス微粒子堆積体を製造する際に主成分のシリカガラスにゲルマニウム(Ge)をドーパントとして添加する方法が一般的である。脈理は、このゲルマニウムの添加濃度が局所的に変動するために生じる。この脈理は、ガラス母材の主な製造方法であるVAD法またはOVD法の何れの場合においても発生するが、特に、OVD法で顕著に発生する。OVD法は薄い多孔質ガラス層を径方向に重ねて堆積させる方法であるため、多孔質ガラス層の一層毎に対応した屈折率分布の変動が生じ易いためである。
本発明では、ガラス母材を細く延伸したのちに加熱炉で長時間加熱することで、局所的なゲルマニウム濃度の変動による脈理を拡散効果により低減する。
シリカガラス中のゲルマニウムの温度T(K)における拡散係数D(m/s)は、次式から求められる(出展:“Dopant diffusion during optical fibre drawing” Optics Express, Vol. 12, Issue 6, pp. 972-977 (2004))。
D=Dexp(−E/RT)(m/s)
但し、D=2.4±0.1×10−6(m/s)
E=310(kJ/mol)
R=8.314(J/K・mol)
よって、1100℃でゲルマニウムの拡散係数Dは、3.87×10−18(m/s)となる。
この拡散係数から、例えば1100℃で1週間加熱した時の拡散距離√4Dtを計算すると、μmのオーダーとなるため、脈理の周期がμmオーダーであれば、この程度の温度及び期間で加熱することにより、脈理の振幅を低減させることができる。
なお、脈理低減効果は、加熱温度が高いほど向上する。ただし、加熱温度が1400℃を超えるとガラス母材の粘度が低下して変形するため好ましくない。したがって、加熱温度は、1000℃以上1300℃以下とするのが好ましい。また、脈理低減効果は、加熱時間が長いほど向上する。ただし、加熱時間が長すぎるとコストアップを招いたり、必要な設備台数が多くなるため、10日間以内とするのが好ましい。
さらに、ガラス母材の脈理の周期は、短いほど好ましい。加熱炉で加熱する段階で脈理の周期は10μm以下であることが好ましく、そのため、ガラス母材を細く延伸してから加熱する形態が最も好ましい。
なお、延伸せずに最初から堆積層の一層の厚さを10μm以下とすることも考えられるが、生産性の低下を招いてしまう。すなわち、脈理の周期を短くするためにガラス微粒子の堆積厚さを小さくするには、ガラス微粒子を少なく堆積させるか、ターゲットに対するバーナの相対速度を上げる必要があるが、バーナの相対速度には限界があり、また、ガラス微粒子を少なく堆積させることは生産性の低下につながってしまう。よって、延伸前の堆積層の一層の厚さは大きい方が好ましく、このため、一層が30μm程度になるようにガラス微粒子を堆積させ、透明ガラス化後に延伸させて一層を10μm以下にするのが好ましい。
なお、プリフォームアナライザの波長(0.6μm程度)まで脈理の周期を短くすれば回折現象が起こらないため、生産性を犠牲にして脈理の周期を短くしたとしても、延伸後で0.6μm程度以上とすれば十分である。
また、加熱炉内の雰囲気に水分が含まれていないことが必要である。水分を含んだ雰囲気ではガラス母材中に水酸(OH)基が拡散により取り込まれるためである。したがって、露点−60℃以下の窒素、アルゴンなどの不活性ガスを吹き流しながら加熱する形態が好ましい。
なお、VAD法で作製したガラス母材に対しても上記の加熱処理によって脈理を低減することは可能である。
堆積層の一層の厚さは、ガラス母材を電子線マイクロアナライザ(EPMA)等で分析して、ゲルマニウム添加量の変動を調べることにより求めることができる。OVD法でガラス微粒子を堆積させる場合においては、堆積させたガラス微粒子の厚さを堆積層数で割って求めても良い。VAD法でガラス微粒子を堆積させる場合においては、コア中心部分を除き、おおよそ回転軸の回転周期に対応した厚さが一層の厚さに相当する。
次に、上記の光ファイバ用母材の製造方法を詳述する。
(母材形成工程)
図1に示すように、軸回りに回転するターゲット1を配置し、このターゲット1を回転させる。酸水素火炎を噴出させるバーナ3をターゲット1に対して軸方向へ相対的に往復移動させ、このバーナ3へガラス原料となる四塩化ケイ素を導入する。これにより、バーナ3の火炎による加水分解反応で生成されるガラス微粒子を、軸回りに回転するターゲット1の周囲に多層に堆積させてガラス微粒子堆積体からなる光ファイバ用母材4を形成する。なお、ターゲット1は、その軸方向を水平方向としても鉛直方向としもよい。また、図1に示す方法はOVD法であるが、ガラス微粒子堆積体を作製する方法はVAD法でもよい。
その際、所望の屈折率分布を実現するために、バーナ3へ導入する四塩化ケイ素に所定の流量で四塩化ゲルマニウムを混合する。
作製したガラス微粒子堆積体からなる光ファイバ用母材4からターゲット1を取り外して脱水焼結して透明ガラス化させ、さらにコラプスして中実化する。
(延伸工程)
光ファイバ用母材4を長手方向に順次加熱しながら長手方向に張力をかけることにより延伸させ、例えば、外径25mmに縮径させる。この延伸工程では、母材形成工程においてOVD法によりガラス微粒子堆積体を作製した場合には、ガラス微粒子堆積層の一層の厚さが10μm以下となるように延伸させる。
(加熱処理工程)
図2に示すように、延伸させた光ファイバ用母材4を、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気とされた加熱炉11内へ導入し、この加熱炉11のヒータ12に通電し、一定時間加熱する。この加熱処理工程では、1000℃以上1300℃以下の加熱温度で、3日間以上の加熱時間とする。このとき、加熱炉11内の雰囲気を、露点−60℃以下の不活性ガス雰囲気としておく。
(屈折率測定工程)
加熱処理工程後における光ファイバ用母材4の屈折率分布を、プリフォームアナライザで測定する。
このとき、光ファイバ用母材4は、延伸工程で延伸された後に、加熱処理工程で長時間加熱されたことにより、局所的なゲルマニウム濃度の変動による脈理が拡散効果によって低減されている。
したがって、このプリフォームアナライザによって光ファイバ用母材4の屈折率分布を測定する際に、レーザ光の回折や散乱が抑えられるので、正確な屈折角を測定することができる。これにより、光ファイバ用母材4の屈折率分布の測定精度を大幅に向上させることができ、この高精度な測定結果に基づいて、光ファイバの線引き等の後工程での製造条件を設定することができる。
この光ファイバ用母材4は、光ファイバのコアとなる母材である。したがって、この光ファイバ用母材4には、その周囲に、光ファイバのクラッドとなるクラッド層が形成された後に線引きされて光ファイバとされる。
例えば、測定した光ファイバ用母材4の屈折率分布からカットオフ波長などの特性の予測値を計算し、これが所望の値となるように線引き条件を調整することができる。また、例えば、測定した光ファイバ用母材4の屈折率分布が許容範囲の屈折率分布から外れている場合、クラッド層の形成工程や光ファイバの線引き工程などの後工程に用いないようにする、もしくは違う用途に振り向けるようにすることで、所望のファイバ特性を有する光ファイバの製造の歩留まりを向上させることができる。また、光ファイバ用母材4の製造工程における製造条件にフィードバックし、製造する光ファイバ用母材4の屈折率分布を迅速に修正することができる。
(実施例1)
酸水素火炎バーナにガラス原料となる四塩化ケイ素を導入してガラス微粒子を合成し、軸回りに回転するターゲットにガラス微粒子を堆積させて光ファイバ用母材を作製した。その際、所望の屈折率分布を実現するため四塩化ケイ素に所定の流量で四塩化ゲルマニウムを混合してガラス微粒子を堆積させた。
ガラス微粒子の堆積が終了した後、ターゲットを引き抜いて焼結することで光ファイバ用母材を透明ガラス化し、さらに、ターゲットを引き抜いた穴をコラプスした後、外径25mmに延伸した。
その後、この光ファイバ用母材を温度1000℃の窒素雰囲気の加熱炉に導入し10日間加熱した。
加熱炉から光ファイバ用母材を取り出した後、プリフォームアナライザで屈折率分布を測定した。
その結果、図3に示すように、コアの比屈折率ΔNが0.35%のステップインデックス型の良好な屈折率分布の測定結果が得られた。このとき、加熱炉に導入した光ファイバ用母材におけるガラス微粒子の堆積の層数と光ファイバ用母材の外径とから求められる堆積層の一層の厚さは8μmであった。
また、加熱炉への導入前後で光ファイバ用母材の一部を切断し、電子線マイクロアナライザ(EPMA)で径方向にゲルマニウムの添加量を測定した。
その結果、図4に示す加熱前のゲルマニウムのカウント数の変動幅よりも、図5に示す加熱後のゲルマニウムのカウント数の変動幅が小さくなっていた。
(実施例2)
実施例1と同様に作製して外径25mmに延伸した複数の光ファイバ用母材に対して、種々の異なる加熱日数で加熱処理を行い、それぞれの光ファイバ用母材の屈折率分布をプリフォームアナライザで測定した。
その結果、図6に示すように、加熱処理を行わないものを含む加熱日数が2日間までのもの(図6中×印)は、屈折率分布を正確に測定することができず、図7に示すように、ゲルマニウムを添加したコア部分の比屈折率ΔNがマイナス値になるなど異常な測定結果となった。これは、実際の比屈折率ΔNはプラス値であるが、脈理のためにプリフォームアナライザのレーザ光が回折、散乱し、見かけ上の比屈折率ΔNがマイナス値に測定されたためであると考えられる。
これに対して、図6に示すように、3日間以上加熱したもの(図6中○印)は、屈折率分布を正確に測定することができ、図3に示すように、ゲルマニウムを添加したコア部分の比屈折率ΔNがプラス値となったステップインデックス型の正常な測定結果が得られた。
また、光ファイバ用母材の一部を取り出して電子線マイクロアナライザによりゲルマニウムの添加量を測定した。
その結果、図6に示すように、電子線マイクロアナライザによるゲルマニウムのカウント数の変動幅は、加熱日数が増えるに従って小さくなる傾向が確認された。また、変動幅が小さくなるにつれて、屈折率分布を正確に測定できていることが分かる。なお、図6における振幅は、加熱処理を行わなかった光ファイバ用母材におけるゲルマニウムのカウント数の変動幅を「1」としている。
1:ターゲット、3:バーナ、4:光ファイバ用母材(ガラス母材)、11:加熱炉

Claims (3)

  1. 屈折率調整用添加物としてゲルマニウムを添加してガラス母材を形成する母材形成工程と、
    前記ガラス母材を延伸させる延伸工程と、
    延伸させた前記ガラス母材を不活性ガス雰囲気内で一定時間加熱する加熱処理工程と、
    前記加熱処理工程後における前記ガラス母材の屈折率分布を測定する屈折率測定工程と、を含むことを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光ファイバ用母材の製造方法であって、
    前記母材形成工程では、ガラス微粒子を多層に堆積させてガラス微粒子堆積体を形成した後、前記ガラス微粒子堆積体を焼結してガラス母材とし、
    前記延伸工程では、前記堆積させた一層の厚さが10μm以下となるように前記ガラス母材を延伸し、
    前記加熱処理工程では、延伸後の前記ガラス母材を1000℃以上1300℃以下で3日間以上加熱処理することを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の光ファイバ用母材の製造方法であって、
    前記加熱処理工程における前記ガラス母材の加熱処理の雰囲気を、露点−60℃以下の不活性ガス雰囲気とすることを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024024729A1 (ja) * 2022-07-26 2024-02-01 株式会社フジクラ 光ファイバ用母材、光ファイバ用母材の屈折率分布の測定方法、及び光ファイバ用母材の製造方法

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