JP2013056459A - フィルムおよび加飾成形品並びにこれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材フィルム3と、溶剤吸収層5と、ヒートシール層7とを、この順で積層し、前記ヒートシール層は、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷された像9を有し、合計の厚さが50μm以下であることを特徴とする加飾フィルムである。この加飾フィルムについて、ヒートシール層が溶剤吸収層の機能も併せ持っても良い。これらの加飾フィルムは、インモールド加工により、成形品を加飾することができる。また、これらの加飾フィルムの基材フィルム上に離型層を設けてもよい。離型層を設けた加飾フィルムは、インモールド転写や熱転写により、成形品を加飾することができる。
【選択図】図1
Description
また、Tシャツやマグカップ表面に絵付けをするため、フィルムまたは紙を基材とする転写シートに、インクジェットプリンタを用いて画像形成し、転写することが行われている。
(1)基材フィルムと、溶剤吸収層と、ヒートシール層とを、この順で積層し、前記ヒートシール層は、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷された像を有し、合計の厚さが50μm以下であることを特徴とするフィルム。
(2)基材フィルムと、ヒートシール層とを、この順で積層し、前記ヒートシール層は、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷された像を有し、合計の厚さが50μm以下であることを特徴とするフィルム。
(3)基材フィルムと、離型層と、溶剤吸収層と、ヒートシール層とを、この順で積層し、前記ヒートシール層は、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷された像を有し、合計の厚さが50μm以下であることを特徴とするフィルム。
(4)基材フィルムと、離型層と、ヒートシール層とを、この順で積層し、前記ヒートシール層は、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷された像を有し、合計の厚さが50μm以下であることを特徴とするフィルム。
(5)前記ヒートシール層が、塩素化ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂からなる群のうち少なくともひとつの樹脂を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルム。
(6)前記ヒートシール層が、分子量10,000〜30,000、ガラス転移温度が80〜90℃の塩素化ポリプロピレン、または分子量20,000〜30,000,ガラス転移温度が60℃の塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂で形成されることを特徴とする(5)に記載のフィルム。
(7)(1)〜(4)に記載のフィルムを用いて加飾された成形品。
(8)基材フィルムに、溶剤吸収層と、ヒートシール層とを、合計の厚さが50μm以下であるようにこの順で積層する積層工程と、前記ヒートシール層に、有機溶剤系インクジェットプリンタで、像を印刷する印刷工程と、を具備することを特徴とするフィルムの製造方法。
(9)基材フィルムに、ヒートシール層を、合計の厚さが50μm以下であるように積層する積層工程と、前記ヒートシール層に、有機溶剤系インクジェットプリンタで、像を印刷する印刷工程と、を具備することを特徴とするフィルムの製造方法。
(10)基材フィルムに、離型層と、溶剤吸収層と、ヒートシール層とを、合計の厚さが50μm以下であるように、この順で積層する積層工程と、前記ヒートシール層に、有機溶剤系インクジェットプリンタで、像を印刷する印刷工程と、を具備することを特徴とするフィルムの製造方法。
(11)基材フィルムに、離型層と、ヒートシール層とを、合計の厚さが50μm以下であるように、この順で積層する積層工程と、前記ヒートシール層に、有機溶剤系インクジェットプリンタで、像を印刷する印刷工程と、を具備することを特徴とするフィルムの製造方法。
(12)一組の射出成形型の間に、ヒートシール層が成形樹脂と接触する向きで、(1)または(2)に記載のフィルムを挿入するフィルム挿入工程と、前記一組の射出成形型を型締めする型締め工程と、前記一組の射出成形型の間に、成形樹脂を注入する成形樹脂注入工程と、前記成形樹脂が冷却した後に、前記一組の射出成形型から加飾された成形品を取り出す取り出し工程と、を具備することを特徴とする加飾された成形品の製造方法。
(13)一組の射出成形型の間に、ヒートシール層が成形樹脂と接触する向きで、(3)または(4)に記載のフィルムを挿入するフィルム挿入工程と、前記一組の射出成形型を型締めする型締め工程と、前記一組の射出成形型の間に、成形樹脂を注入する成形樹脂注入工程と、前記成形樹脂が冷却した後に、前記一組の射出成形型から加飾された成形品を取り出す取り出し工程と、前記成形品から基材フィルムを剥離する剥離工程と、を具備することを特徴とする加飾された成形品の製造方法。
(14)成形品に、(3)または(4)に記載のフィルムのヒートシール層を接触させる配置工程と、前記フィルムを加熱し、前記成形品に接着させる接着工程と、前記成形品に接着した前記フィルムから、基材フィルムを剥離する剥離工程と、を具備することを特徴とする加飾された成形品の製造方法。
(加飾フィルム1aの構成)
図1は、第1の実施形態に係る加飾フィルム1aの断面図である。加飾フィルム1aは、基材フィルム3の上に溶剤吸収層5を設け、溶剤吸収層5の上に、ヒートシール層7を設けたフィルムであり、ヒートシール層7の中には、印刷された像9がある。加飾フィルム1aは、いわゆるインモールドラベルであり、後述するインモールド加工により成形品に加飾を行う。
図2(a)〜(d)は、第1の実施形態に係る加飾フィルム1aの製造方法を示す断面図である。
図2(a)は、基材フィルム準備工程を示す。基材フィルム準備工程とは、所望の基材フィルム3を用意する工程である。
図2(b)は、溶剤吸収層形成工程を示す。溶剤吸収層形成工程とは、基材フィルム3の上に溶剤吸収層5を形成する工程である。
図2(c)は、ヒートシール層形成工程を示す。ヒートシール層形成工程とは、溶剤吸収層5の上にヒートシール層7を形成する工程である。
図2(d)は、印刷工程を示す。印刷工程とは、ヒートシール層7に、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷を行い、像9を形成する工程である。
なお、請求項では、溶剤吸収層形成工程とヒートシール層形成工程を合わせて積層工程として記載している。
加飾フィルム1aは、合計の厚さが50μm以下であるため、加飾対象が曲面であっても加飾しやすい。
(加飾フィルム1bの構成)
図3は、第2の実施形態にかかる加飾フィルム1bを示す断面図である。以下の実施形態で第1の実施形態と同一の様態を果たす要素には同一の番号を付し、重複した説明は避ける。
図4(a)〜(c)は、第2の実施形態に係る加飾フィルム1bの製造方法を示す断面図である。
図4(a)は、基材フィルム準備工程を示す。基材フィルム準備工程とは、所望の基材フィルム3を用意する工程である。
図4(b)は、ヒートシール層形成工程を示す。ヒートシール層形成工程とは、基材フィルム3の上にヒートシール層11を形成する工程である。
図4(c)は、印刷工程を示す。印刷工程とは、ヒートシール層11に、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷を行い、像9を形成する工程である。
なお、請求項では、ヒートシール層形成工程を、積層工程として記載している。
第2の実施形態に係る加飾フィルム1bは、第1の実施形態に係る加飾フィルム1aの効果と同等の効果を奏する。
(加飾フィルム1cの構成)
図5は、第3の実施形態にかかる加飾フィルム1cを示す断面図である。加飾フィルム1cは、溶剤吸収層5と基材フィルム3の間に、離型層13を有する点で、加飾フィルム1aと異なる。加飾フィルム1cは、いわゆる転写フィルムであり、後述するインモールド転写または熱転写により成形品に加飾を行う。
図6(a)〜(d)は、第3の実施形態に係る加飾フィルム1cの製造方法を示す断面図である。
図6(a)は、離型層形成工程を示す。離型層形成工程とは、所望の基材フィルム3の上に、離型層13を形成する工程である。
図6(b)は、溶剤吸収層形成工程を示す。溶剤吸収層形成工程とは、離型層13の上に、溶剤吸収層5を形成する工程である。
図6(c)は、ヒートシール層形成工程を示す。ヒートシール層形成工程とは、溶剤吸収層5の上にヒートシール層7を形成する工程である。
図6(d)は、印刷工程を示す。印刷工程とは、ヒートシール層7に、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷を行い、像9を形成する工程である。
なお、請求項では、離型層形成工程、溶剤吸収層形成工程、ヒートシール層形成工程を合わせて、積層工程として記載している。
第3の実施形態に係る加飾フィルム1cは、第1の実施形態に係る加飾フィルム1aの効果と同等の効果を奏する。
(加飾フィルム1dの構成)
図7は、第4の実施形態にかかる加飾フィルム1dを示す断面図である。加飾フィルム1dは、溶剤吸収層5とヒートシール層7に代えて、溶剤吸収層5の効果も有するヒートシール層11を用いる点で、加飾フィルム1cと異なる。加飾フィルム1dは、いわゆる転写フィルムであり、後述するインモールド転写または熱転写により成形品に加飾を行う。
図8(a)〜(c)は、第4の実施形態に係る加飾フィルム1dの製造方法を示す断面図である。
図8(a)は、離型層形成工程を示す。離型層形成工程とは、所望の基材フィルム3の上に、離型層13を形成する工程である。
図8(b)は、ヒートシール層形成工程を示す。ヒートシール層形成工程とは、離型層13の上にヒートシール層11を形成する工程である。
図8(c)は、印刷工程を示す。印刷工程とは、ヒートシール層11に、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷を行い、像9を形成する工程である。
なお、請求項では、離型層形成工程、ヒートシール層形成工程を、合わせて積層工程として記載している。
第4の実施形態に係る加飾フィルム1dは、第2の実施形態に係る加飾フィルム1bの効果と同等の効果を奏する。
図9は、加飾された成形品15の一例を示す斜視図である。加飾された成形品15は、加飾フィルム1が接着された成形品17である。図9では、成形品17の一例として、ボールペンなどの筆記具として記載しているが、他の文房具や生活用品などでもよい。特に、成形品17は、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS)、ポリプロピレン樹脂(PP)などの樹脂の成形品であることが好ましい。
加飾フィルム1は、後述するインモールド加工、インモールド転写または熱転写により、成形品17に接着される。
図10(a)〜(d)は、加飾フィルム1aを用いたインモールド加工方法を示す断面図である。なお、加飾フィルム1bのインモールド加工方法も、同様である。
図10(a)は、加飾フィルム挿入工程を示す。加飾フィルム挿入工程とは、一組の射出成形型19と21の間に、ヒートシール層7が成形樹脂と接触する向きで、加飾フィルム1aを挿入する工程である。
図10(b)は、型締め工程を示す。型締め工程とは、一組の射出成形型19と21を型締めする工程である。
図10(c)は、成形樹脂注入工程を示す。成形樹脂注入工程とは、一組の射出成形型19と21の間に、成形樹脂23を注入する工程である。
図10(d)は、取り出し工程を示す。取り出し工程とは、成形樹脂23が冷却した後に、一組の射出成形型19と21から加飾された成形品15aを取り出す工程である。
図11を用いて、加飾フィルム1cのインモールド転写方法を説明する。なお、加飾フィルム1dのインモールド転写方法も、同様である。
図11(a)は、加飾フィルム挿入工程を示す。加飾フィルム挿入工程とは、一組の射出成形型19と21の間に、ヒートシール層7が成形樹脂と接触する向きで、加飾フィルム1cを挿入する工程である。
図11(b)は、型締め工程を示す。型締め工程とは、一組の射出成形型19と21を型締めする工程である。
図11(c)は、成形樹脂注入工程を示す。成形樹脂注入工程とは、一組の射出成形型19と21の間に、成形樹脂23を注入する工程である。
図11(d)は、取り出し工程と剥離工程を示す。取り出し工程とは、成形樹脂23が冷却した後に、一組の射出成形型19と21から加飾された成形品15bを取り出す工程である。また、剥離工程とは、成形品15bから基材フィルム3を剥離する工程である。
図12を用いて、加飾フィルム1cの熱転写方法を説明する。なお、加飾フィルム1dの熱転写方法も、同様である。
図12(a)は、配置工程を示す。配置工程とは、成形品17に加飾フィルム1cのヒートシール層を接触させる工程である。
図12(b)は、接着工程を示す。接着工程とは、加飾フィルム1cを加熱し、成形品17に接着させる工程である。
図12(c)は、剥離工程を示す。剥離工程とは、成形品17に接着した加飾フィルム1cから、基材フィルム3を剥離する工程である。
3………基材フィルム
5………溶剤吸収層
7………ヒートシール層
9………像
11………ヒートシール層
13………離型層
15、15a、15b、15c………加飾された成形品
17………成形品
19………射出成形型
21………射出成形型
23………成形樹脂
25………熱ロール
Claims (14)
- 基材フィルムと、溶剤吸収層と、ヒートシール層とを、この順で積層し、
前記ヒートシール層は、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷された像を有し、
合計の厚さが50μm以下であることを特徴とするフィルム。 - 基材フィルムと、ヒートシール層とを、この順で積層し、
前記ヒートシール層は、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷された像を有し、
合計の厚さが50μm以下であることを特徴とするフィルム。 - 基材フィルムと、離型層と、溶剤吸収層と、ヒートシール層とを、この順で積層し、
前記ヒートシール層は、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷された像を有し、
合計の厚さが50μm以下であることを特徴とするフィルム。 - 基材フィルムと、離型層と、ヒートシール層とを、この順で積層し、
前記ヒートシール層は、有機溶剤系インクジェットプリンタで印刷された像を有し、
合計の厚さが50μm以下であることを特徴とするフィルム。 - 前記ヒートシール層が、塩素化ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂からなる群のうち少なくともひとつの樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム。
- 前記ヒートシール層が、分子量10,000〜30,000、ガラス転移温度が80〜90℃の塩素化ポリプロピレン、または分子量20,000〜30,000,ガラス転移温度が60℃の塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂で形成されることを特徴とする請求項5に記載のフィルム。
- 請求項1〜4に記載のフィルムを用いて加飾された成形品。
- 基材フィルムに、溶剤吸収層と、ヒートシール層とを、合計の厚さが50μm以下であるようにこの順で積層する積層工程と、
前記ヒートシール層に、有機溶剤系インクジェットプリンタで、像を印刷する印刷工程と、
を具備することを特徴とするフィルムの製造方法。 - 基材フィルムに、ヒートシール層を、合計の厚さが50μm以下であるように積層する積層工程と、
前記ヒートシール層に、有機溶剤系インクジェットプリンタで、像を印刷する印刷工程と、
を具備することを特徴とするフィルムの製造方法。 - 基材フィルムに、離型層と、溶剤吸収層と、ヒートシール層とを、合計の厚さが50μm以下であるように、この順で積層する積層工程と、
前記ヒートシール層に、有機溶剤系インクジェットプリンタで、像を印刷する印刷工程と、
を具備することを特徴とするフィルムの製造方法。 - 基材フィルムに、離型層と、ヒートシール層とを、合計の厚さが50μm以下であるように、この順で積層する積層工程と、
前記ヒートシール層に、有機溶剤系インクジェットプリンタで、像を印刷する印刷工程と、
を具備することを特徴とするフィルムの製造方法。 - 一組の射出成形型の間に、ヒートシール層が成形樹脂と接触する向きで、請求項1または2に記載のフィルムを挿入するフィルム挿入工程と、
前記一組の射出成形型を型締めする型締め工程と、
前記一組の射出成形型の間に、成形樹脂を注入する成形樹脂注入工程と、
前記成形樹脂が冷却した後に、前記一組の射出成形型から加飾された成形品を取り出す取り出し工程と、
を具備することを特徴とする加飾された成形品の製造方法。 - 一組の射出成形型の間に、ヒートシール層が成形樹脂と接触する向きで、請求項3または4に記載のフィルムを挿入するフィルム挿入工程と、
前記一組の射出成形型を型締めする型締め工程と、
前記一組の射出成形型の間に、成形樹脂を注入する成形樹脂注入工程と、
前記成形樹脂が冷却した後に、前記一組の射出成形型から加飾された成形品を取り出す取り出し工程と、
前記成形品から基材フィルムを剥離する剥離工程と、
を具備することを特徴とする加飾された成形品の製造方法。 - 成形品に、請求項3または4に記載のフィルムのヒートシール層を接触させる配置工程と、
前記フィルムを加熱し、前記成形品に接着させる接着工程と、
前記成形品に接着した前記フィルムから、基材フィルムを剥離する剥離工程と、
を具備することを特徴とする加飾された成形品の製造方法。
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